〈70〉思い出した約束

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♧さんと話して、少し気持ちが軽くなった。
 
 
臣くんが帰ってきてからずっと
嘘をつかれたことにモヤモヤして
気持ちがぐちゃぐちゃしてたけど…
 
今日ちゃんと聞いてみよう。
 
♧さんと話してそう思えたんだ。
 
 
♧さんって不思議…。
そばにいてくれるだけでなんだか安心するし
癒されるの。
 
きっと隆二くんも
♧さんのあの癒しパワーに
毎日癒されてるんだろうな…いいな…。
 
 
「きっと話してくれると思うよ?」
 
 
そうだよね…。
 
だって前に約束したもん。
 
 
「心配かけたくないとか…
 不安にさせたくないとか…
 そう思ったら嘘つきそうになるけど…
 そういうのやめよっか…。」
 
 
臣くんが言ってくれた言葉。
 
 
「嘘も隠し事もなし。
 ちゃんと二人で一緒に考えよ?」
 
 
そう言ってくれたもん。
 
隠したりしないで
ちゃんとなんでも話そうって…
二人で決めたんだもん。
 
 
だから臣くんが帰ってきたら
ちゃんと聞いてみよう。
 
本当はLINEを見ちゃったことも
正直に話そう。
 
 
臣くんが嘘をついたわけじゃ
ないかもしれない。
 
私が勘違いしてるだけかもしれない。
 
 
………そう思いたかったのに…、、
 
 
家に帰ってきたらすぐにMちゃんから
電話がかかってきた。
 
 
M『先輩、見ましたか!?』
♡『え…?何…?』
M『ネットが…、炎上してるんです!
  SNSで拡散されてて…っ』
♡『え…?』
 
 
Mちゃんはすごく慌てた様子だけど
私は何のことなのかわからなくて。
 
 
M『気付くの遅くてすみません!
  午後くらいから炎上してたみたいです!』
♡『…っ』
M『先輩と岩田さんの写真、
  それから登坂さんとRの写真です!』
♡『……え…?』
 
 
Mちゃんは出回ってる写真とその内容を
細かく説明してくれて…、
電話を切った後、それを全部送ってくれた。
 
 
♡)……なに…、これ…っ
 
 
それを見た私は、頭が真っ白になった。
 
 
私と岩ちゃんのは全部出まかせだし…
臣くんのこの写真は…何なの…?
 
 
『あのRが登坂広臣と
 日本食の店でデートしてた❗️😳
 しかもこのあと仲良くホテル入ってった❗️
 これ大スクープじゃない?🙌
 海外だからガード緩かったのかな🤔笑
 めっちゃお似合いだったー❤️』
 
 
♡)…っ
 
 
「……日本食とか。
 マネージャーと二人で食いに行った。」
 
 
臣くん…そう言ったのに…。
 
 
Rと会ったの?って聞いたら…
 
 
「挨拶だけ。すぐ別れたよ。」
 
 
そう言ってたのに…、、
 
やっぱり…嘘だったの…?
 
 
なんでこんな仲良さそうに腕組んでるの…?
ホテルに入ったって…何?
 
 
♡)…っ
 
 
どうしよう。
心が真っ黒になってくみたい…。
 
 
臣くんが浮気したなんて思わない。
絶対に思わない。
 
そこは信じてるけど…
 
でもこの写真が…すごく嫌なの…っ
 
 
♡)ふ…ぇ…っ
 
 
どうして…
 
どうして嘘ついたの、臣くん…っ
 
 
やだよ…っ
 
すっごくやだよ…!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
臣岩)はぁ……。
 
 
帰りの車の中、
俺と岩ちゃんのため息が重なった。
 
 
岩)なんか疲れたね…。
臣)うん、ほんとに…。
 
 
今回の件は、明日マンションの防犯カメラを
確認させてもらうことになった。
 
 
前回、橘が♡に襲いかかろうとしたところは
ちゃんとカメラに残ってたらしい。
 
だから今回も、
駐車場に侵入して
岩ちゃんと♡の写真を撮った不審人物が
映ってないかどうか
マンション側に聞いてみるって。
 
 
でも聞かなくてもわかってる。
そんなことする奴は橘しかいない。
 
 
S)♡ちゃんと◇ちゃんは大丈夫そう?
岩)うーん…、
  ◇は多分まだ知らないと思うから
  帰ったら説明するよ。
S)そっか。
  まぁあん時◇ちゃんもいたしね、
  あんな捏造記事、信じないと思うけど。
岩)うん、そこは絶対大丈夫。
臣)……。
 
 
そう言い切れる岩ちゃんに対して、
俺はずっとモヤモヤしっぱなし…。
 
 
S)♡ちゃんは?
臣)わかんない。
  あいつそんなにSNSとか
  見るタイプじゃないし
  まだ知らないかも。
S)そっか。
 
 
でもMちゃんあたりならとっくに気付いてて
♡に言ってるかもしれない。
 
 
岩)ま、♡ちゃんも大丈夫でしょ。
  臣さんが浮気するわけないんだし。
臣)……。
 
 
そこは信じてくれてると思うけど…
俺が嘘をついたことは、怒るかもしれない。
 
こんなことになるなら
正直に話せば良かった…。
 
 
臣)はぁ……。
岩)臣さん…?
臣)ああ、うん…。
  帰ったら俺もちゃんと話すよ、♡に。
岩)うん。
 
 
それから家に帰ると、
♡はもう帰ってきてるはずなのに
リビングの明かりは消えてて…
 
♡の部屋から少しだけ明かりが漏れてる。
 
 
臣)♡…?
 
 
返事がないから、ドアをノックしてみた。
 
 
臣)♡…?起きてる?
 
 
……もう寝ちゃったのかな。
 
 
臣)ただいま。
  ちょっと話したいんだけど…
  開けていい?
 
♡)……やだ。
 
臣)えっ…
 
 
起きてた。
 
 
♡)話って…何?
臣)…っ
 
 
ドア、開けてくんないの…?
ここで話せと?
 
 
臣)大事な話だから…開けていい?
♡)やだ。
臣)…っ
 
 
なんでだよ。
 
もしかして…
やっぱりもう、見たのかな。
知ってるのかな。
 
 
臣)……顔見て…話したいんだけど…、
 
 
俺がそう言っても
♡はしばらく無言で…
 
少し経ってからようやくドアを開けてくれた。
 
 
臣)…っ
 
 
♡の目…、少し赤い…?
泣いたのか…?
 
 
♡は何も言わずに
そのままベッドに腰掛けて…
俺とは目を合わさない。
 
 
隣に座れるような雰囲気じゃないから
俺はそのまま話を切り出した。
 
 
臣)写真の…ことなんだけど…、
  もう見た…よな?
♡)…っ
臣)お前と岩ちゃんの写真は…
  多分、橘だと思う。
  明日マンションの防犯カメラ、
  確認させてもらうことになったから。
♡)……。
 
 
♡はシロを抱っこして俯いたまま
何も言わない。
 
 
臣)俺とRの写真は…、
 
 
そこまで言いかけて、
なんて言ったらいいんだろうって思った。
 
一回嘘ついちゃってるせいで
何を言っても言い訳がましいような気がして…
 
 
臣)…っ
 
 
でも、ちゃんと言わなきゃ。
 
 
臣)嘘ついて…、ごめん。
♡)…っ
臣)あれは…、
♡)なんで…っ
臣)…っ
♡)なんで…嘘なんか…ついたの…っ
臣)…っ
 
 
♡の声が、少し震えてる。
 
 
♡)日本食のお店…、
  マネージャーと二人で行ったって
  臣くん、そう言った。
臣)うん…。
♡)Rとは会場で挨拶しただけ、って。
臣)うん…。
♡)嘘だったの…?
臣)……うん、ごめん…。
♡)…っ
 
 
俺が謝ると、♡はようやく顔を上げて
俺を見た。
 
その目にこぼれそうなほどの、涙をためて。
 
 
♡)なんで…?
  なんで嘘ついたの?
臣)…っ
 
 
♡を心配させたくなかった。
嫌な気持ちにさせたくなかった。
 
だから結果的に嘘ついちゃったけど…
なんで♡は泣いてるんだろう。
 
 
俺のこと…疑ってる…?
 
 
♡)なんで本当のこと言ってくれなかったの?
臣)…っ
 
 
♡になんでなんでって
聞かれれば聞かれるほど、
疑われてるような気持ちになって
言葉が出てこない…。
 
 
♡)一緒にご飯食べて…
  二人で腕組んで…
臣)違う!
♡)ホテルに入っていったって…
臣)違うって!
 
 
なんで。
なんで信じてくんないの。
 
俺がそんなことするわけないのに。
 
 
臣)あのツイート、信じてんの?
  俺が浮気したとか思ってんの…?
♡)思ってないよ!!
臣)じゃあなんで…、
 
 
なんでそんな言い方すんだよ。
 
 
臣)疑ってんじゃないの…?
♡)違うってば!
  疑ってなんかない!
  臣くんが浮気したなんて思ってない!
臣)…っ
♡)なんでそんなこと言うの?
  臣くんが浮気したとか…
  私がそんなこと思うと思ってるの?
臣)…っ
♡)ひどいよ…っ
 
 
♡の目からぽろぽろと涙がこぼれていく。
 
 
♡が俺を疑ってるなんて思ってない。
そこだけは信じてくれてるって思ってた。
 
でも、なんでなんでって言われて
こんな泣かれたら…
 
そんな言葉が出てきちゃって…、、
 
 
♡)私…今…ぐちゃぐちゃだから…
  話したくない…っ
臣)え…?
♡)これ以上、話したくない!
  臣くんの顔、見たくない!
  あっち行って!!!
 
 
全力で拒絶されて、俺はその場に固まった。
 
 
バタン!!!
 
 
臣)…っ
 
 
目の前で閉められたドア。
 
 
♡)ふぇ…っ、…ふぇぇ…っ
 
 
中から♡が泣いてる声が聞こえるのに…
俺はなんも出来ない…。
 
 
また♡を泣かせた。
 
 
そのことが、ただただ…ショックで…。
 
 
俺は自分が情けなくて
激しい自己嫌悪に陥った…。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
もう自分がやだ…っ
 
ぐちゃぐちゃで、わけわかんない!
 
 
臣くんが浮気したなんて思ってない。
思うわけないのに…
 
臣くんを信じてる私の気持ちを、
臣くんは疑った。
 
 
ひどいよ…っ
 
 
嘘はつかないって
あの時二人で決めたのに…
約束したのに…
 
臣くんはもう忘れちゃったんでしょ?
 
 
だから私に嘘ついたんでしょ?
 
 
もういいよ…っ
 
 
臣くんなんか知らない!
 
臣くんなんか大っ嫌い!
 
 
こんな自分も大っ嫌い!!!
 
 
 
 
………
 
 
 
 
……
 
 
 
 

 
 
 
 
ピロピロ♪ピロピロ♪
 
 
♡)……ん…、
 
 
LINEの音で目を覚ましたら、もう朝だった。
 
 
♡)……。
 
 
私、あのまま寝ちゃったんだ…。
シロとモモちゃんをぎゅってしたまま。
 
 
LINEは誰…?
……ああ、Mちゃんだ。
 
 
『先輩!おはようございます!
 今日はタクシーで迎えに行くので
 一緒に出社しましょう!』
 
 
♡)…っ
 
 
そんなに…大ごとなのかな…?
ってこの時の私はそう思ったけど…
 
実際にMちゃんが迎えに来てくれて
会社に着いた時に、
ことの重大さを実感した。
 
 
会社の前に、三代目のファンみたいな子が
何人かいて…、、
 
 
女)来た!姫来たよ!
女)ほんとだ!!
 
 
その子たちは私を見た途端、目の色を変えた。
 
 
女)岩ちゃんと別れてよ!!
女)ふざけんな!三代目に近付くな!!
女)健ちゃんの次は岩ちゃんかよ!
  この男好き!
女)ブスのくせに調子乗んな!!
女)消えろ!お前なんか消えていなくなれ!!
 
 
次々浴びせられる言葉に
私は固まって動けなくなった。
 
 
M)先輩、行きますよ!
♡)…っ
 
女)待てよブス!逃げんのかよ!
女)なんとか言えよ!卑怯者!
女)岩ちゃんを返せ!!
 
J)はいはい、そこまでにしようね君たち。
 
女)は!?
女)…何このイケメン…っ
女)誰だよ…///
 
M)先輩、今のうちに行きますよ!
♡)…っ
 
 
いつの間にか入ってきてくれたJさんが
女の子たちを宥めてくれてて…
 
私はその間にMちゃんに押されて
ビルの中に入った。
 
 
心臓が…バクバクしてる…。
 
 
M)すごいですね、早速待ち伏せしてるとか…
♡)Jさん…大丈夫かな…っ
M)大丈夫ですよ、
  上手くあしらってくれると思います!
  もう行きましょう!
♡)…っ
 
 
私のせいで…迷惑かけてる…。
どうしよう…。
 
 
男)あ、姫おはよう!
  三代目の岩ちゃんと付き合ってるって
  ほんと?
男)びっくりしたよー!
♡)…っ
男)姫の彼氏って岩ちゃんだったの?!
  すげぇお似合いじゃん。
男)岩ちゃん羨ましいわ〜〜w
♡)…っ
女)♡さん!
  岩ちゃんと付き合ってるって
  ほんとですか?!
女)キス写真、見ました!
  ヤバイ〜〜〜!///
♡)…っ
 
 
会社にいる間も、
いろんな人に声をかけられた。
 
どうしてみんなこんなに知ってるの…?
 
そんなに出回ってるの…?
 
 
K)♡、大丈夫…?
♡)…っ
M)帰りも出待ちいるかもしれないから
  一緒に出ましょうね!
♡)…っ
海)♡さん…、
蒼)俺らはガセだってわかってるから
  大丈夫ですよ。
♡)…っ
 
 
でも、そう思ってない人の方が多くて…
みんな私と岩ちゃんが
付き合ってるって思ってる。
 
どうしよう。
 
◇ちゃんだって嫌な思いしてるかもしれない、
こんなことになって…、
 
 
◇)♡ちゃん!
♡)…っ
 
 
お昼になると、
◇ちゃんが私たちのフロアに来てくれた。
 
 
◇)なんか大変なことになってるけど…
  大丈夫?
♡)…っ
 
 
◇ちゃん…心配して…来てくれたの?
 
 
♡)◇ちゃん、ごめんね…っ
◇)へ?何が?!
♡)あの写真…、っ
◇)いやいや、なんで♡ちゃんが謝んのよ!
♡)だって…、
◇)あんなんガセだってわかってるよ?!
  あん時あたしもいたんだし!
♡)そうだけど…っ
 
 
いくらそうわかってても、
嫌な気持ちになることがある。
 
実際に臣くんの写真を見て、
私がそう感じたように。
 
 
♡)嫌な思いさせて…ごめんね…っ
 
 
そう言ったら、涙が浮かんできた。
 
 
◇)あたしは嫌な思いなんか
  してないっちゅーの!
  ♡ちゃんは何も悪くないでしょ!
♡)ふぇ…っ
J)お、なんかみんな集まってるねー
◇)はっ!Jさん!///
T)大丈夫か?
  なんか騒ぎになってるけど…
海)あ、Tさん!
M)よし!じゃあとりあえずみんなで
  ランチ行きましょう!
K)んだ!腹が減っては戦はできぬ!
M)行きましょ、先輩っ!
♡)……うん…っ
 
 
みんながいてくれて…すごく心強いけど…
 
こんなに迷惑をかけてる自分が…
本当に嫌になる…。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
朝起きたら♡は何も言わずに
もう家を出て行った後だった。
 
…そりゃそうだよな、昨日の今日だもん…。
 
 
臣)はぁ……。
 
 
もう一回ちゃんと謝りたかったけど…
どうしたらいいんだろう。
 
 
夜になったら少しは落ち着いてるかな…。
もう一回、話してくれるかな…。
 
 
♡のスケジュールを見たら…
今日は土曜だけど、月一出社の日みたい。
 
俺は今日も7人で撮影とか色々入ってるから
顔を洗って出かける準備をした。
 
 
岩)おはよう。
臣)……おはよ…。
 
 
迎えの車に乗り込むと、
岩ちゃんは俺を二度見してキャップを脱いだ。
 
 
岩)どうしたの?大丈夫?
臣)うん…。
岩)…っ
 
 
それからSさんの運転でスタジオに向かって。
 
 
ヘアメイクしてもらいながらエゴサしたら、
相変わらず炎上してて、げんなりした。
 
 
『Cと付き合ってるんじゃなかったの?
 次はRなの?
 なんなの臣くん!
 巨乳なら誰でもいいわけ?!😡💥』
 
『今度はRって…結局おっぱいなんじゃん…
 臣くん幻滅…最低😞💔
 海外だからって堂々とイチャついてるし…』
 
『Cとは別れたの?それとも二股ですか?
 臣ちゃんおっぱい大好きだもんね😇
 CでもRでもなんでもいいんだもんね?』
 
『臣の巨乳好きどうにかならんのか😅
 まぁCよりはRの方がマシだけど…
 結局はおっぱい…💧』
 
『どっからどう見てもラブラブカップル💔
 臣とR、確かにお似合いだけど…
 信じたくないよ…
 朝から何も手につかない…無理。』
 
 
健)臣ちゃん、まーたおっぱいキャラに
  認定されてるやん。
N)すっかりおっぱい大好きキャラ…。
臣)……。
 
 
みんなも検索してたみたい。
 
 
N)Rちゃんのインスタもひどいよ。
健)誹謗中傷の嵐やもな。
臣)え…?
 
 
そう言われて開いてみたら…
Cの時と同じように叩かれまくってた。
 
……大丈夫かな、あいつ…。
 
 
でも、俺がそれより何より心配なのは、♡で。
♡の方も昨日からずっと炎上してる。
 
 
『なんで岩ちゃんと姫なの?
 いつから同棲してんの?😭
 MVの共演で仲良くなったの?
 だとしたら計算合わないけど…
 もうわけわかんないよパニック😭』
 
『岩ちゃんの彼女だから
 健ちゃん姫のこと友達とか言ってたの?
 なんだよそれふざけんなし😇💢』
 
『じゃあ姫がANN出た時に
 スタジオに来てた彼氏って
 岩ちゃんのことなの?😢
 だから健ちゃんもあんな笑ってて
 テンション高かったの?💧』
 
『岩ちゃんと姫ってそんなラブラブなの…
 毎日イチャイチャしてんの…💀
 キス写真ほんと立ち直れない…💀』
 
『大して可愛くもないくせに
 三代目を食い散らかすなよ!
 今目の前に姫がいたらぶん殴ってる。
 怒りしか湧いてこない💣💥』
 
『姫ってマジでなんなの?😇
 今すぐこの世から消えて。ほんとウザい。
 岩ちゃんたぶらかすな🔥』
 
『健ちゃんの次は岩ちゃんとか
 ほんとファン舐めてるよね?姫って😡
 死んでください。』
 
 
臣)はぁ…。
 
 
消えろとか死ねとか…
なんでこんな簡単に言えるんだろう。
 
 
直)♡ちゃんも荒れてるね…。
臣)はい…。
岩)会社の前でファン待ち伏せしてたって。
臣)え!?
 
 
そこまで!?
 
 
N)そっか、♡ちゃん働いてる会社
  バレてるもんね。
健)そらファンも押しかけるわ…
  こわ…。
岩)大丈夫かな…♡ちゃん。
臣)…っ
 
 
心配で…そばにいてやりたいのに…
なんも出来ない自分が情けない。
 
 
隆)ねぇ臣さ、♡ちゃん大丈夫なの?
臣)え?
隆)昨日思ったんだけどさ、
  Rちゃんとのこと
  ちゃんと♡ちゃんに話してたのかなって。
臣)…っ
隆)何も知らなかったら
  今回の写真、衝撃デカいと思うから。
臣)…っ
N)Rちゃんに告られたこと
  話してあったんでしょ?
健)ほんなら大丈夫やろ。
臣)……いや、
隆)え?
臣)言ってなくて…、
  俺…、嘘ついちゃってて…
隆)は?なんで?
臣)…っ
岩)嘘って?なんて言ったの?
臣)Rと飯食いに行ったこと、隠して…
  マネージャーと二人で行った、って。
隆)げーーー
  なんでそんな嘘ついたの!
岩)え、じゃあまさか…
  今回の写真でそれが嘘だったって
  バレた感じ?
臣)……うん。
N)うっわ、それ一番最悪なパターンじゃん!
E)あちゃーー、、
臣)……。
 
 
ほんと馬鹿だよな、俺…。
 
 
直)なんで言わなかったの?
臣)♡に…心配させたくなくて…
 
 
Rとのこと。
俺の気持ちは1mmも揺らがなかったけど
♡が聞いたらいい気はしないだろうって
思ったから。
 
 
直)そっか…。
  やましい気持ちでついた嘘じゃないなら
  ♡ちゃんもわかってくれるんじゃない?
臣)…っ
隆)でもさ、相手のためについた嘘って…
  結局自分のためだったりしない?
臣)え…?
隆)相手のため、って…
  自分がそう思いたいだけで、
  相手はほんとにそれを
  望んでんのかなって…。
臣)…っ
隆)だって逆だったらさ、
  本当のこと知りたいから、絶対。
  もし♧が俺を心配させないために
  俺のためを思って嘘ついたとしても…
  俺はちゃんと本当のこと話してほしいって
  そう思う。
岩)……うん、俺もそうかも…。
臣)…っ
 
 
そうだよ…、
俺、約束したじゃん、♡と。
 
 
♡が元彼の件で俺に心配かけないように
嘘をつこうとした時。
 
そういうのやめようって…
二人で話してそう決めたのに。
 
 
臣)…っ
 
 
ああ、もう…
ほんと俺…最悪だ。最低だ。
 
 
約束破って…
結果、また♡を泣かせて。
 
何やってんだよ、ほんと。
 
もう自分に腹が立ってきた。
 
 
ガチャッ!
 
 
S)映像、残ってた!
  橘だった!
 
 
勢いよくドアを開けて入ってきたSさんが
そう言った。
 
 
岩)え、防犯カメラ!?
S)うん!
健)やっぱりあいつやったんか!
S)マスクして帽子かぶってたけど
  目元がそうだった、間違いない!
N)うわ、そこまで変装してるとか…
  確信犯じゃん…、こわ…っ
S)とりあえずこの撮影終わったら
  事務所戻ろう。
  HIROさん来てくれるから。
  橘と部長も呼ぶって。
E)うお…っ、いよいよだね。
健)待ってました、クビ宣告!
S)でさ、♡ちゃんも呼んでほしいんだけど
  連絡出来る?
臣)えっ…
S)岩ちゃんとの写真の件で
  どうするか話し合いたいのもあって。
臣)…っ
 
 
俺が電話しても出ない気がする…。
 
 
岩)わかった、俺が連絡しとくよ。
S)ありがとう。
臣)……岩ちゃん、ありがとう。
  ごめんね。
岩)ううん。
 
 
 
 
 
 
ー続ー

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  1. みぃ より:

    ほらね…
    やっぱりね…
    こうなっちゃうんだよね…
    嘘は良くないよ…
    あ〰️もぅ❗
    お願いだから泣かさないで

  2. ひな より:

    どーなって解決するのかなぁ(*´-`)
    臣くんほんとにおバカさんだよ!笑
    早く仲直りしてね\(//∇//)\

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