[339]君が初めて(JさんSide)

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Mちゃんの視線を感じる。
 
 
じーっと見てる気配がして…
俺がゆっくり目を開けると、
ハッとして目を逸らす。
 
 
最近、朝はいつもそう。
 
 
J)おはよー。
M)おはよう…ございます///
 
 
もじもじ照れ臭そうに返事するのが
可愛くて。
 
 
M)私、もう起き…っ
J)早くない?もう少しいなよ。
M)////
 
 
早々にベッドから出て行こうとする彼女を
捕まえるように、抱きしめた。
 
 
M)あ、あの…っ!///
J)んー?
M)昨日はありがとうございました!///
J)昨日?
M)一緒に…出かけて…、
J)ああ、うん。
M)お買い物に付き合ってもらったり…
J)それは俺も付き合ってもらったじゃんw
M)お昼も夜もご馳走になっちゃって…
J)全然いいよ、そんなのw
M)……ありがとうございました///
J)うん。
 
 
昨日もお礼は言ってもらったけど…
また改めて言うところが
律儀だよねーーw
 
 
M)どうして…、
J)ん…?
M)どうして…連れて行ってくれたんですか?
J)……デートに?
M)えっ…
J)ん?別の話?
M)いえ、昨日の…、///
J)だからデートでしょ?
M)////
 
 
あれ?
なんで黙っちゃったんだろ。
 
 
J)どうしてって…
  いつもこうして俺の家で
  過ごすことばっかりだからさー。
  Mちゃんたまには出かけたいかなー?
  って思って。
M)…っ、そうだったんですか?
J)うん。
M)……ありがとうございます///
J)いえいえw
M)すっごく…楽しかったです///
J)それはどーもw
 
 
照れたように隠れながら喋ってるのが
可愛いんですけど…w
 
 
J)外でデートする方が楽しい?
M)え?
J)Mちゃんってどーゆーのが
  好きなのかなーって。
M)////
 
 
あれ?また照れてるぞ?
なんでだ?
 
 
M)私は…Jさんとだったら…
  なんでも楽しいし、嬉しいです///
J)…っ
 
 
ふーん…、
そんな可愛いこと言うんだー?
 
 
M)あっ!///
J)ん?
M)違いますよ?!
  変な意味じゃなくて…っ
J)……。
M)Jさんのこと好きとかじゃ
  ないですからね!?
J)……。
M)好きになったりしてないんで…
  これからも絶対ならないんで、
  そこは安心してくださいね?!///
J)……はーいw
 
 
出ました、Mちゃんの決まり文句。
 
毎回言うよねぇ、それ。
 
 
でもさぁ、絶対好きでしょ?俺のこと。
もうとっくに好きになってるでしょ?
 
 
それに自分で気付いてて、
必死でそう言ってるのか…
 
自分でも気付いてなくて
言い聞かせるようにそう言ってるのか…
 
どっちかはわかんないけど…
 
うーん、後者かなー。
 
 
M)もう…用意してきてもいいですか。
J)もう行っちゃうのー?
M)え…っ
J)昨日は朝も甘えてくれたのに…。
M)////
 
 
俺の言葉に、Mちゃんは顔を真っ赤にして、
逃げるように寝室を出て行った。
 
 
J)ぶくくく…ww
 
 
可愛い〜〜〜〜〜ww
 
 
……ああ、なんか…
ほんと愛しいな、あの子w
 
 
彼女とこんな風に過ごすようになって
もうどれくらいだろう。
 
一ヶ月は経ったかな?
 
 
最初は俺も、こんな深入りするつもりじゃ
なかった。
 
 
初めて彼女がうちに来た夜、
最初は強がってた彼女が
いつの間にか素直に心を開いて
ポロポロと涙を流す姿を見て
なんだかほっとけなくなって。
 
それに、俺と似てるってとこも
大きかったかな。
 
 
今まで適当に遊んで生きてきたけど
本当は誰かを愛して愛されたい、って
ちゃんとした恋愛がしたい、って
そう願ってしまう彼女の気持ちが
俺にもわかったから。
 
 
彼女にそういう出会いがあるといいなーって…
 
俺に出来ることがあれば
協力してあげたいなーって…
 
そんな気持ちだったんだけど…。
 
 
「したいの…私だけだもん…///
 Jさんにも少しくらい…
 したい、って…、ほしい、って…
 そう思ってほしいのに…
 そうじゃないから…
 …だったら、いいです///」
 
 
そんな可愛いことを言って
強がってた彼女が、
最後には素直になってくれて。
 
 
「選び直しても…いいですか?///」
「いいよ?w」
「一番が、いいです///」
「ファイナルアンサー?w」
「……(こくん)///」
 
 
あの瞬間、自分でもわからないけど…
無性に可愛いなーって思って…
 
めちゃくちゃ優しくしてあげたくなった。
 
 
抱いたら抱いたで…、
男経験なんて豊富なくせに
いちいち初々しくて。
 
 
それは、あの夜だけじゃない。
毎回そうなんだ、彼女は。
 
 
俺が触れるたびに
可愛く恥じらいながらも
幸せそうにとろけていく姿を見てると
 
俺も不思議と、愛しい気持ちが
込み上げてきて…
 
もっともっと優しくしたくなるし、
甘やかしたくなる。
 
 
それに……
 
身体を重ねて、
 
一緒に過ごす時間が増えて、
 
今まで知らなかった彼女の一面を
知れば知るほど、面白くて。
 
 
なんだろうな…。
 
俺の自惚れじゃなければ、
彼女は俺と二人でいる時は
いつもみたいな極端なぶりっこもしないし
割と心を開いてくれてるというか…
素直だと思うんだよ。
 
 
もともと仲は良かったけど、
ミーハー感覚でしか俺を見てなかった彼女の
明らかな変化だと思う。
 
 
みんなといる時は見事なくらい普通っていうか
今まで通りなんだけど…
 
二人でいる時だけそうなるのが、
なんだか可愛くて。
 
 
それに…
いつもの彼女なら、
すぐに周りに話しそうなもんなのに…
俺とのことは
誰にも言ってないっぽいんだよなぁ。
 
 
「Jさんはどうなんですか?恋愛事情。」
 
 
社員旅行でTくんにそう聞かれた時、俺は…
 
Mちゃんが可愛くて仕方ないんだよねぇ
なんて思わず言いそうになって、笑った。
 
 
「未知なる自分と遭遇中」
 
 
今の俺は、まさにそれ。
 
 
昨日、合鍵を渡した時だってそうだ。
 
 
前に俺の帰りが遅くて
Mちゃんを近くのコンビニで
30分くらい待たせちゃったことがあったから
不便だよなぁって思って
渡しただけだったんだけど…、
 
 
「私…っ、彼女でもなんでもないのに…
 こんなものいただいて…
 いいんですか!?」
 
 
そう言われて、初めて気付いた。
 
 
今まで彼女以外に渡したことなんて
なかったのに…
 
なんでだろう、
Mちゃんなら別にいいって
無意識にそう思ったんだ。
 
 
俺、自分で自覚してるよりも
もっとずっと
Mちゃんを自分の世界に
受け入れてるのかもしれない。
 
 
それに…
今までだったら鍵を渡した途端に
我が物顔で俺の部屋を使い出したり
自分の荷物を運んできたり…
なんて女も、少なくなかったけど。
 
 
「悪用はもちろんしませんし、
 絶対落としたりもしませんから…!!
 大切に取り扱わせていただきます…!!」
 
 
あんなかしこまって頭を下げられたのは
初めてだったな…w
 
 
デートに誘った時も面白かったしw
 
 
「大丈夫ですから!!
 勘違いしてませんから!!
 デートだとか思ってませんから!!」
 
 
俺別に何も言ってないのに
必死になってそう言ってw
 
 
……あ、もしかして…
Mちゃんの中ではあくまで
「デートじゃない」
ってことになってたから、
 
さっき俺がデートって言った時、
なんか照れてたのかな?
 
 
J)……ぶくくくw
 
 
可愛すぎない?ほんと。
 
 
実際にデートに行った時も…
 
あんなアクセサリーくらい
俺に買わせたらいいのに、
 
 
「いいです!!
 私、誕生日でもなんでもないんで
 大丈夫です!!」
 
 
って必死に断っちゃって。
 
それじゃ、誕生日プレゼントの
催促になると思ったのか、
 
 
「あっ!ちがっ…
 だからって誕生日に何か欲しいって
 言ってるわけじゃなくて!!
 違います!!」
 
 
って慌てて弁解してたよなw
 
 
俺と買い物に出かけたら
何を俺に買わせようか
大概の女は目をギラつかせるんだけど…
 
Mちゃんの反応はあまりにピュアで
拍子抜けした。
 
 
……そういえばその後だっけ、
俺が意地悪言ったの。
 
Xmasプレゼントの話になって…
 
 
「Mちゃんはそんな相手は
 見つかりそうですか?
 プレゼントあげたくなるような相手。」
 
 
反応が見たくて、
わざとそんな意地悪を言ったんだ。
 
 
そしたら…
 
 
「相手は…探し中です!
 ちゃんと探してるんで心配しないで下さい!
 ちゃんと…、ちゃんと…見つけますから。」
 
 
俺のこと好きなくせに、
そんなこと言っちゃって。
 
そんな彼女を見て、いじらしいな〜〜とか
思っちゃってる俺も俺なんだけどw
 
 
素直に甘えてきたり…
可愛く拗ねてみたり…
必死に強がってみたり…
 
彼女が見せる一つ一つのそれが、
可愛くて仕方ない。
 
 
あれがもし計算だったら
俺まんまとやられてるわw
 
 
M)Jさん…
  朝ごはん出来ましたよぉーー
J)あ、ありがとうw
M)どうして笑ってるんですか…?
J)んー?
  Mちゃんがほんと可愛いなーって思って。
M)もぉっ!///
  そういうの、いいですから!!
J)あはははw
 
 
ほんとなんだけどなー。
 
 
J)あ、クラブサンド!
  昨日買ったやつ使ったの?
M)はいっ!
  早速使っちゃいました♡
  コーヒーでいいですか?
J)うん、ありがとう。
 
 
土日の休みが終わって
今日から会社なわけだけど…
 
 
J)今日も時間ずらして行くの?
M)あ、はいっ!
 
 
何が何でも俺と一緒には出社しない彼女。
 
別に俺はいいんだけど、
誰かに見られたら迷惑かけるから、って
Mちゃんが譲らないんだよねー。
 
 
M)えっと…じゃあ、先に行きますね?
 
 
朝食も食べ終えて、洗い物も済ませると
そそくさと家を出て行こうとする彼女。
 
 
J)うん。じゃあまた後で。
 
 
そう言って見送ろうとしたけど…
 
 
M)……、///
 
 
あ、少し名残惜しそうっていうか
寂しそうに俺を見てる。
 
 
J)……ん、おいでw
M)////
 
 
ぎゅっと抱きしめたら
彼女の手も遠慮がちに俺の背中に回ってきた。
 
 
M)結局3連泊もしちゃって…
  すみませんでした…///
J)なんで謝るのw
M)図々しかったかなって…
J)俺は楽しかったけど?
M)…っ、私も楽しかったです!///
J)じゃあいいじゃんw
M)……///
 
 
あ、俺の背中、ぎゅってしてる。
かわいーーw
 
 
J)鍵あるんだし、またいつでもどうぞ。
M)…っ
J)好きな時に来ていいから、ほんと。
M)…っ、そんなこと言って…
  私が図々しく毎日来ちゃったら
  どうするんですか!
  Jさん絶対迷惑ですよ!
J)えーー?w
 
 
それでも別にいいけど、俺は。
 
 
M)ちゃんといっぱい充電したんで…
  しばらくは大丈夫です///
 
 
「充電」だって。
かわいーーw
 
 
J)じゃあしばらくは来ないってこと?
M)え…っ
J)……。
M)……。
 
 
悩んでる悩んでる…。
かわいーーw
 
 
J)もう一回言うよ?w
M)えっ…
J)Mちゃんが来たい時に来ていいから。
  いつでも。
  俺は迷惑じゃないから。
M)////
 
 
今度は嬉しそうにはにかんで俯いたのが
可愛くて…
 
 
J)わかった?
 
 
そのおでこに軽くキスすると、
彼女の顔は真っ赤になった。
 
 
M)わか、わかりました…っ///
  行ってきます!///
 
 
バタン!!
 
 
J)……ぶくくくw
 
 
散々あれこれしてんのに
おでこにキスしただけで
どうしてああなるかなーーw
 
ほんと可愛いな。
 
 
Mちゃんは…
一生懸命俺のこと好きじゃないって言いながら
 
ああ今手を繋ぎたいんだろうなー
とか
 
ああ今抱きしめてほしいんだろうなー
とか
 
そーゆーのがダダ漏れでわかりやすくて、
そんなとこも可愛くて仕方ない。
 
 
J)さて。じゃあ俺もそろそろ行こうかな。
 
 
ネクタイを締めて、鞄を持って。
 
長いエレベーターを下まで降りて
エントランスをくぐると…
 
 
女)Jくん!!///
 
 
女の声に、呼び止められた。
 
 
こんな朝から誰だろうと振り返れば…
 
 
J)ああ、メグちゃん、どうしたの?
 
 
先週会えないって断った女の子だ。
 
 
メ)全然会えないから…
  この時間ならって思って…
J)なんで俺んち知ってるの?
  俺教えたっけ?w
メ)このへんのタワーマンションって
  言ってたから…
  毎日一つずつ、待ってて…
J)……。
 
 
それ、ストーカーって言わない?
大丈夫?
 
 
メ)どうして急に…
  会ってくれなくなっちゃったの?
J)電話でも言ったでしょー。
  そーゆーのもうやめたって。
メ)急にそんなこと言われても…
J)最初から言ってあったよね?
  俺に本気にならないでねーって。
メ)…っ、そんなの、無理だもん!
  こんなに好きなのに…っ
  Jくんのこと大好きなのに!!
J)……。
 
 
どこまでついてくるのかなー。
駅まで来そうだなー。
 
 
メ)ね、あたし初めてなの…
  こんなに誰かを好きになるの…っ
J)そっかー。
メ)Jくんのこと考えると…夜も眠れなくて…
J)夜はちゃんと寝なきゃお肌に悪いよー?
メ)だったら一緒に寝てよ!!
J)……。
メ)Jくんがいなきゃ眠れない…っ
J)……。
メ)ねぇ、好きなの!!
  あんなに優しくしてくれたのに…っ
  急にどうして…っ
 
 
そんなに優しくしたっけ?俺。
別にいつも通りだったと思うんだけど…
 
 
メ)ねぇ、お願い…っ
 
 
どうして女の子ってみんな最後は
こうなるのかなー。
 
 
J)そこまで他人に依存しちゃダメだよー?
メ)…っ
J)俺はもう何もしてあげられないから。
  これで終わり。
  ごめんね?
メ)…っ、じゃあ最後にキスして?
J)……。
 
 
こんな道の往来で何言ってんのかなー。
 
 
メ)キスしてくれたら忘れるから。
J)……。
 
 
そう言われて、頭をよぎったのは
Mちゃんの顔。
 
別にここでキスするくらい、
俺にとっちゃどうってことないんだけど…
 
 
「Jさんが嫌になったら
 いつでもやめて大丈夫です!!
 女の人からのお誘いも…
 全部断ってて…
 私のせいで…ごめんなさい。」
 
 
昨夜、泣きそうな顔でそう言ってた
彼女の顔を思い出すと、
 
俺が他の女とキスなんてしたら
泣いちゃうんじゃないかなーとか思って。
 
 
「ダメですよ!絶対ダメ!
 海璃が泣く!!」
 
 
姫とキスしたい?って聞いた時に
そう答えたTくんのことを思い出した。
 
 
J)ふ…っw
 
 
俺も一緒じゃんって思ったら…
なんだかおかしくなって、笑えてきた。
 
 
メ)ねぇ、キス…、、
J)ダーメ。
メ)…っ
J)いい子だから帰りなさい。
メ)…っ
 
 
あーあ、泣いちゃった。
 
でも俺はこれ以上どうもしてあげられないし
冷たいけど無視して電車に乗りまーす。
 
 
J)ふぅ…。
 
 
俺のことを好きだとしつこく繰り返して
その気持ちを押し付けて…
 
同じ気持ちを俺にも求める女を
たくさん見てきた。
 
 
だから恋愛なんて面倒臭いって
適当にやり過ごしてきたけど…
 
 
「好きになったりしてませんから!///
 安心してください!!」
 
 
毎回そう言うMちゃんは
今までの子たちと対照的なんだよなーーw
 
だから物珍しいだけなのかな?
 
 
Mちゃんがもし自分で自分の気持ちを認めて
俺に好き好きって言ってきたら
俺はうざくなるんだろうか。
 
……自分でもよくわかんないや。
 
 
T)Jさん!!
J)あ、おはようTくん。
T)今月こそJさん抜きますからね!!
J)えー?w
 
 
デスクに着くなり、朝の挨拶も早々に
そんなことを宣言してくる熱血Tくん。
 
 
J)なんか大きいの入りそうなの?w
T)はいっ!!
  来週のやつとその次のが両方決まれば…
J)おおお。頑張ってーw
T)……ちょっとは焦ってくださいよ。
J)あはははw
  じゃあ俺も巻き上げよっかなーw
T)やべっ
 
 
どれどれ。
Tくんの数字は…、と。
 
おお。ほんとだ。すごいな。
 
でも俺が予定通り積んじゃうと
少し厳しいかなーー
 
まぁTくんならこの他からも
積んできそうだけど。
 
そうなったら本当に抜かれるかもな。
 
 
部)よーしじゃあ朝会始めるぞー。
  今日は…、紅だな。
紅)はい!
  おはようございます!
皆)おはようございます。
紅)本日朝時点で今月の目標に対し、
  部での達成率が既受注で23%、
  受注予定も含め、48%です。
  では一人ずつ、昨日の営業報告を
  お願いします。
男)おはようございます。
  僕は昨日は…、、
 
 
実は俺はもう一年以上前から
部長にも社長にも
管理職を勧められてて。
 
現場にいるより、そのノウハウを
どんどん下に落として
会社全体の営業利益の拡大に
貢献してほしいと言われている。
 
 
でもトップのまま現場を退いたら
なんだか勝ち逃げみたいで
Tくん絶対悔しいだろうなーって思って。
 
Tくんが俺を抜いてくれる日を
陰ながら待ってるんだけど…
 
本当に今月抜いてくれるなら
来年の春くらいには
管理職の話を受けてみてもいいかなー。
 
Tくん頑張ってーーーw
 
 
なんて思いながら
午前中のアポを2件済ませて帰ってきたら
今日のランチメンバーに
珍しく◇ちゃんも加わってた。
 
 
◇)えへへ、あたしもいいですか///
J)もちろんw
 
 
Mちゃんと海璃ちゃんとTくんと
姫とKちゃんと◇ちゃん。
 
賑やかだなーーw
 
 
J)◇ちゃん、Xmasプレゼント
  何にするか決めたー?
◇)あ、今臣さんにリサーチ頼んでます!
J)おお、そうなんだw
 
 
みんなでランチプレートをテーブルに並べて
窓際の席を確保した。
 
 
♡)私もどうしよう、プレゼント…。
  ◇ちゃん、その流れで
  臣くんにもリサーチを…
◇)いやいや!w
  あたしが臣さんに欲しいもの聞いたら
  ♡ちゃんの差し金だって
  一発でバレるでしょ!w
♡)ええ〜〜〜!
J)あはははw
◇)だいじょーぶ!
  臣さんはね、♡ちゃんからなら
  なんっっっでも喜ぶから!
K)間違いない。
◇)この間もほんと呆れちゃったんだから。
T)なになに?
◇)臣さんね、酔っ払って…
  ずーーーっと♡ちゃんのこと
  可愛い可愛いって言ってんの。
  飽きることなく、ずーーっと!
♡)◇ちゃん…、やめて///
◇)もうずっとこうやってね?
  ♡ちゃんのことなでなでしながら
  「ほんと可愛いなー」
  「なんでこんな可愛いのかなー」
  「可愛すぎるよなー」って!
♡)◇ちゃん!!///
 
 
登坂くんの真似をする◇ちゃんに、
みんなは大爆笑で。
 
姫は真っ赤になって照れてるw
 
 
◇)あの人きっと、
  ♡ちゃんが怒ってても泣いてても
  何してても可愛いんだよ。
  ご飯食べてても寝てても可愛いんだよ。
  そのうち息してるだけで可愛いとか
  言い出すよ。
K)あははは!w
T)やべーなそれ!w
♡)もぉ〜〜!◇ちゃん!///
◇)だって絶対そうだもんw
M)私もそう思いますw
海)あはははw
J)……。
 
 
「何してても可愛い」、か。
 
 
登坂くんほど重症じゃないにしても…
最近の俺、似たようなもんじゃないか…?
って、ほんの少し共感してしまった。
 
Mちゃんのこと
何度可愛いって思ってるかわからない。
 
 
T)そういえばMちゃんって…
  最近合コン行ってないの?
M)…っ、急になんですか?!
 
 
おおお…
Tくんがいきなりぶっこんだー。
 
 
T)いや、Xmasの話してたから
  なんとなく。
  この時期はいつも
  「今日も合コンなんですー♡」って
  言ってるイメージだったから。
M)……行ってません。
T)へーー、なんで?
K)そーゆーのやめたらしいよ。
T)え、なんで?
◇)好きな人が出来たとか?♡
M)ち、違います!!///
 
 
どうしよう。
笑っちゃいそう。
 
必死なMちゃんが、可愛くてw
 
 
♡)好きな人じゃなくて
  気になる人、とか…?
M)気になってもいません!///
◇)ん…?
  なんか特定の誰かの話、してる?
M)ち、違います!!///
  誰のことも好きじゃないし
  気にもなっていません!
  ってことです!!
◇)そっかー、なんだー。
  恋バナかと思ってワクワクしちゃった。
K)あはははw
M)……///
 
 
あーーー、ヤバイ。
ほんと可愛いw
 
 
 
 
それから午後の仕事に戻って
夜は部の飲み会があって。
 
お開きになったのが22時前。
 
 
帰っても今日はMちゃんもいないし一人だし。
 
もう少し飲みたいなー
なんて時計を見れば、丁度携帯に着信が来た。
 
 
J『もしもし?久しぶり。』
工『久しぶり!w』
J『どうした?』
工『今から時間ある?帰るとこ?』
J『え?そうだけど…』
工『じゃあ飲まない?w』
J『そっちは今どこにいんの?』
工『向かい、見てw』
J『え?』
工『向かい向かい!
  そっちじゃなくてこっち!』
J『え?……あ!!』
 
 
通りの向こうで手を振ってる工が見えた。
 
 
J『なんでこんなとこにいんのw』
工『付き合いで飲んでて今終わったとこ。』
J『俺も会社の飲み会終わったとこ。』
工『うん、そうだと思った。
  見つけてびっくりしたw』
J『そっち行くわw』
 
 
そう言って電話を切って、道路を渡って。
 
この偶然に笑いながら、
俺たちは個室がある近くのバーに入った。
 
 
工)よっ!かんぱーい!
J)乾杯w
 
 
お互いもう既に飲んでるから
結構テンションが高くて。
 
 
J)どうなの、最近。
工)ぼちぼちだよーー。
 
 
なんて、近況話に花を咲かせた。
 
 
工は高校時代にやってたモデルの仕事仲間で
いまだに仲がいい友達の一人。
 
歳も一緒だし、当時から身長も体格も一緒で、
話してみたら趣味や価値観も似てたりで
すぐに仲良くなったのを覚えてる。
 
 
J)相変わらずドラマに映画に
  忙しそうだねーw
工)まぁありがたいことだけどねー。
  Jはまだ独立しないの?
J)もう少し先かなー。
  管理職の仕事も数年してみて…
  まぁ40前には独立したいね。
工)そっかそっか。
  Jなら何やっても成功しそうだけどw
J)なんだよそれw
 
 
俺たちは笑いながら
二杯目のアルコールを頼んだ。
 
 
工)恋愛の方はー?
J)……そっちは?
工)俺はねぇ…、変わらず。
J)ははははw
工)てかさ、ついこの間!
J)うん?
工)運命かもと思った出会いがあったのよ。
J)へぇ?どんな?
工)MVの撮影で
  一緒になった子だったんだけど…
J)うん。
工)その日は連絡先とか聞けなくてさ。
J)なんで?珍しいw
工)なんとなく…///
J)サラリと聞けるじゃん、お前ならw
工)いつもの感じで
  いけないような子だったの!
  なんかすっげぇピュアな感じでさー
J)ピュアねぇ…
工)そう。
  でもその後すぐにパーティーで
  再会できたんだよ。
J)おお…
工)もうそんなん、運命だと思うでしょ?
J)思う…ねぇ?w
工)で、今度こそ…!!
  って思ったら…彼氏がいたわけよ。
J)あははははw
工)笑い事じゃないから!
  マジで凹んだわ、今回は…。
 
 
工はガックリ肩を落として
グラスを飲み干した。
 
 
J)彼氏いるくらいなら
  頑張ればなんとかなったんじゃないの。
工)いや、その彼氏が知り合いでさ…
J)あーー、それは気まずいねw
工)しかもその子、彼氏に
  すっげぇベタ惚れな感じで。
J)あらーー、、
工)ほんと可愛かった…。
J)彼氏にベタ惚れなところが?w
工)うん。
  なんかこう、すれてないっていうか…
  ほんと素直でさー
  一生懸命な感じ。ほんと可愛い。
  彼氏羨ましすぎ。
J)ふーーん…。
 
 
なんか話聞いてると
姫みたいなイメージだな。
 
 
工)しかも俺なんかほんと対象外って感じで…
  「お父さん」とか言われて…
J)ぶっww
 
 
ますます姫みたいだなw
 
 
工)でもほんっと可愛いんだよ!
  今週MV解禁になるから見てみて。
J)わかったよw
工)で、そっちは?
J)俺ー?w
工)うん。
J)俺はねぇ…、ちょっと、うん。
工)何!なんかあったの?!
  彼女出来た?!
J)いや、出来てないんだけど…
工)なんだよ!言えよ!
J)言うから待てよw
 
 
せっかちに急かしてくる工に
ドリンクメニューを渡して
俺もおかわりを頼んで。
 
誰にも話してないMちゃんのことを
初めて話してみたら…
 
 
工)いや、それ好きでしょw
 
 
って、あっさり言われた。
 
 
J)あ〜〜〜、、
  やっぱりそう思う…?w
工)自分で気付いてるでしょ?w
J)……。
 
 
第三者にこうまでキッパリ言われると
認めざるを得ない。
 
 
工)だってさ、お前…
  同じ会社の女には
  手ぇ出さないとか言ってたじゃん。
J)そうなんだよねぇ…w
工)惚れられたら面倒臭いからって。
J)うん…。
工)でもその子が自分のこと好きなのは
  面倒臭くも迷惑でもないんでしょ?
J)……そうなんだよねぇ…。
 
 
それが自分でも不思議なんだよ。
 
 
工)好きじゃないとか言い張ってんのが
  可愛くて仕方ないんでしょ?
J)うん…。
工)もっと甘えて欲しいとか思うんでしょ?
J)うん。
工)好きじゃん!もう好きじゃんそれ!
  付き合えよ!
J)話が早いよw
工)早くねーよ、遅ぇよ!w
J)あはははw
 
 
やっぱり好きなのか、俺。
好きなのか、そっか。
 
 
J)なんか…
  自分で認めたら、会いたくなってきた。
工)は?その子に?
J)うん。
工)ダメだ。今日は俺に付き合えw
J)あはははw
工)どんな子か見てみたいな、その子。
J)え?
工)だってさー、お前その前に好きだった子、
  結構長かったじゃん?
J)ああ、うんw
工)すっげぇ長く好きだったから
  正直これは引きずるだろうなーって
  思ってたんだよ俺。
J)まぁ多少は引きずりましたけどw
工)でも一年経たずして
  好きになれる子が現れてんじゃん。
  良かった。
J)良かった?w
工)うん。心配してたから。
J)心配してたの!?w
工)してたよ。
J)そっかw
 
 
そんな話をしてたら、工の携帯が鳴って。
 
 
工)あ、噂をすれば…
J)ん?
工)その子の彼氏から。
J)ああ、さっき言ってた?
  何?メールやり取りするくらい仲良いの?
  彼氏の方と。
工)うーん、まぁ。
  来年一緒に仕事するし。
  ドラマ観てる?HiGH&LOWっていう。
J)え、観てる…けど…
工)マジで!?
  今丁度撮影してるみたいでさ、ほら。
 
 
見せられた写真は、
ロケバスの中で仲良くピースしてる
雨宮兄弟の写真だった。
 
 
工)TAKAHIROくんが日付変わって
  今日誕生日みたい。
J)……誕生日にも仕事なんだー
  しかもこんな時間。お疲れさまー。
  で、どっちが彼氏?
工)臣くん。
J)……。
 
 
お前とは似てる似てると思ってたけど…
女の趣味まで一緒だったとは…
 
 
工)臣くんも可愛かったんだよ…。
J)なんの話?w
工)だからパーティーの時の話。
J)ああ、w
工)なんか…巨乳グラビアに
  ベタベタされててさー
J)うん。
工)それを見て、その彼女が
  怒っちゃったわけ。
J)うん。
工)その怒り方も
  めっちゃ可愛かったんだけど…w
J)……。
 
 
想像つくなw
 
 
工)そしたらさー、必死に謝ってて。
  あれはねぇ、彼女のこと大好きだわ。
J)大好きだよ。
工)え?
J)いや、なんでもないw
 
 
さて。
0時もまわったことだし帰りますか。
 
 
工)なんだよ。朝まで付き合えよ。
J)明日も会社なのにやだよw
工)けちーーー
J)はいはいw
 
 
最後は二人でジャンケンして。
 
今日は俺が勝ったから
全額工に奢ってもらった。
 
俺たちはいつもそう。
 
 
J)じゃあまたな。
工)おう。
  その子と付き合ったら報告しろよ。
J)はいはいw
  登坂くんにもよろしくね。
工)うん。……って、え?
  ちょ、待てよ!え!?
 
 
なんか言ってる工を無視して
タクシーに乗り込んだら
丁度、Mちゃんから電話が来た。
 
 
J『もしもし?』
M『あ、あの…っ』
J『どうしたの?こんな時間に。』
M『あ、こんな時間にすみません!!』
J『いや、そういう意味じゃなくてw』
M『ほんとにごめんなさい!
  もう寝るところでしたか?』
J『全然だよw
  今友達と飲んでて帰るとこ。』
M『あっ、良かった…』
J『どうしたの?』
M『あ、えっと…、///』
J『……。』
 
 
少しの沈黙で、伝わるものがあった。
 
三日間も一緒にいたし
寝る前に、寂しくなったのかな、って。
 
 
M『声、聞きたかっただけです…、
  ごめんなさい///』
J『なんで謝るのw』
M『いや、ほんとにごめんなさい!///
  なんか私うざいですね?!
  忘れてください!おやすみなさ…っ』
J『ちょっと待ったちょっと待った!w』
M『…っ』
 
 
今すぐにでも電話を切りそうな彼女を
慌てて止めた。
 
 
J『寂しいなら俺んち来れば良かったのに。』
M『…っ、だって…
  そしたら4連泊ですよ…。』
J『ダメなの?w』
M『……。』
 
 
ああ、顔が見たいな。
 
 
J『今からおいでよ。』
M『え…っ』
J『タクシー代出すから。』
M『ええ?!
  ……いや、えっと…
  そんなのダメです!!』
J『……俺が会いたいって言っても?』
M『え…っ』
J『……。』
M『え…?///』
J『……。』
 
 
会いたいんだよ、うん。
 
 
M『……私も…会いたいですけど……///』
 
 
小さな声で、やっと素直になってくれた。
 
 
J『じゃあおいでよ。』
M『////』
J『待ってるから。』
M『……はい///』
 
 
それから家に着いたのは俺の方が先で。
 
しばらく待ってると、
合鍵を持ってるくせに
律儀にインターホンを鳴らした彼女。
 
 
玄関まで迎えに行くと
泣きそうな顔で立ってる姿に
また愛しいって気持ちを感じてしまう
自分がいた。
 
 
M)こんな時間に…ごめんなさい///
J)会いたいって言ったの、俺だよ?
M)…っ、Jさんは…優しいから…
  私に気を遣って…
J)だから…
M)本当にごめんなさい…っ
  私、わがままばっかり…
J)だから、違うって!
 
 
俺は思わず彼女を抱きしめた。
 
 
J)わがままとかじゃないから。
M)…っ
J)迷惑だとか思ってないから。
M)…っ
J)俺が…、、
  俺が会いたかったんだよ。
M)…っ
 
 
そう言うと、抱きしめてる肩は
小さく震えてて…
 
 
M)わた…し…っ
 
 
聞こえてきた声は、涙声だった。
 
 
M)好きになったり…しません…っ
J)…っ
M)絶対に…しないから…っ
  …今だけ…、っ、んん…っ///
 
 
俺はもう、何も言わせたくなくて…
そのまま彼女の口をキスで塞いだ。
 
 
M)んんっ!…んん…っ///
 
 
こんな強引に、したことなかったのに…
もう止まらなかった。
 
 
夢中でキスを重ねたら、
そのまま彼女を抱き上げて…
 
ベッドまで連れてきたら、
もうその後は、本能のままだった。
 
 
彼女は必死に俺の名前を呼んで…
 
 
……ほら、俺を掻き立てる。
 
 
初々しく、恥じらって。
 
甘く、火照らせて。
 
 
幸せそうに、とろけていくんだ。
 
 
俺のことが好きで好きで
仕方ないって言うみたいに……。
 
 
 
そして俺は…
そんな君を見ていると
 
 
自分の持てる全てで優しくして、
 
自分の持てる全てで、
愛してやりたくなる。
 
 
 
こんな愛しい気持ちで
誰かを抱くのは…
 
 
_____君が初めてだよ…。
 
 
 
 
 
 
ーendー

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