〈69〉SNS大炎上(隆二&♧Side)

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昨夜は隆二くん、飲み会だったから
私は先に休んだんだけど…
 
目が覚めたら
いつの間にか帰ってきてた隆二くんに
ぎゅって抱きしめられてて…
 
一人で寝てたはずなのに…って
嬉しくなるのは、いつものこと…。
 
 
だって気付いたら
隆二くんのあったかいぬくもりに
包まれてるんだもん…
 
すっごく幸せなの///
 
 
……チュ…ッ。
 
 
隆)……ふふ、っw
♧)えっ…///
 
 
隆二くんを起こさないように
小さく小さくキスしたつもりだったのに…
隆二くんが笑って目を開けて
びっくりした。
 
 
♧)起こしちゃった…?
  ごめんなさい///
隆)ううん、なんでかわかんないけど
  すっごい自然に目が覚めた。
♧)えっ…
隆)眠り姫がキスされて
  起きるみたいな感じ。
♧)じゃあ…私が王子様?
隆)うんw
♧)あはははw
 
 
笑いながら私のほっぺを
愛おしそうになでなでしてくれる隆二くんに
胸がキュンキュンする。
 
 
♧)でも…起こしちゃってごめんね?
  まだ寝てね。
隆)♧は?
♧)私は少し早いけど起きようかな。
隆)じゃあ俺も起きる。
♧)いいよいいよ!
 
 
隆二くん、朝は苦手だもん!
無理させたくない。
 
 
隆)ね、なんで俺にチューしてくれたの?
♧)えっ…///
隆)なんでなんで?
♧)////
 
 
隆二くんが子供みたいに無邪気に聞いてくる。
 
 
♧)……隆二くんが…気付いてないだけで…
  割といつも…してるよ…?///
隆)えっ!
♧)こんな風にね、
  私が寝ちゃってから
  隆二くんが帰ってきて、
  いつの間にか
  ぎゅってしてくれてる時とかは
  ……すごく…嬉しいから///
隆)嬉しい…の?
♧)うん。起きたらキュンってするの///
隆)へへ…、可愛いな///
 
 
照れ臭そうに笑う隆二くんにも
キュンキュンする///
 
 
隆)嬉しくてキュンてして
  チューしてくれるの?///
♧)うん///
 
 
私も照れ臭くて、もぞもぞと
隆二くんの腕の中に潜り込んだ。
 
 
隆)実はねぇ、俺もだよ。
♧)え…?
隆)俺が遅く帰ってきて♧が先に寝てる時は
  いつも起こさないように
  そーっと近付いて
  寝顔にキスしてからシャワー浴びてる。
♧)えっ!///
隆)で、ちゃんと綺麗な身体になってから
  ベッドに入って
  思う存分♧をぎゅってすんの。
♧)////
 
 
全然…知らなかった///
 
 
隆)こうやってさ、♧を腕ん中に入れて。
  いつものポジションになったら
  すげぇ落ち着くし♧があったかいから
  なんか安心して眠れるんだもん。
♧)////
 
 
隆二くんが言う「いつものポジション」
ていうのは…
 
今もしてくれてるけど、
私を抱きしめた後に、腕を組むの。
 
ぎゅーをロックするみたいに
ガシッて。
 
私はこれがすごく好き。
 
隆二くんに閉じ込められるみたいで
すごく好きなの///
 
 
チュッ、
 
 
隆)うお!?どしたの?!///
♧)好きが…高まったの///
隆)えーーー、何それ…かわい…///
♧)ごめんね、
  なんかいっぱい話しちゃった///
  寝てもいいよ?
隆)起きるってー。
♧)えーー
隆)なんかね、今日は平気。
  意識がハッキリしてる。
  パッチリ。
 
 
そう言って
目をパチパチさせる隆二くんが可愛くて
私は吹き出しちゃった。
 
 
♧)あ、じゃあ、マッサージしてあげる。
隆)え?
♧)今日、収録でしょ?
隆)あ、うん!
 
 
私は起き上がって、
膝の上に隆二くんの頭を乗せた。
 
 
隆)へへへ、朝から♧の膝枕だぁーー
  贅沢ーー♡
♧)ふふふ♡
隆)結構飲んじゃったから
  むくんでるかも。
♧)大丈夫だよー
  全部流してあげる♡
隆)へへ、やったーーw
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
ああ、気持ちいい。
 
マッサージはもちろん、
この太ももが気持ちいい。最高だ。
 
 
隆)うつ伏せになってスリスリしたい。
♧)えっ、太ももに?
隆)うん。
  すげぇ柔らかいんだもん…。
♧)うつ伏せになったら
  マッサージ出来ないですよ…?///
隆)ですよね…。
♧)もう、w
 
 
ふふって笑う♧の笑顔が可愛い。
 
ああ、なんて癒しのひとときなんだ…。
 
 
♧)昨日は誕生日会、楽しかった?
隆)うん。
  TETSUYAさんの
  ロマンチック講義が熱かった。
♧)なぁに、それ。ふふっw
 
 
臣は♡ちゃんと仲直りしたかな…。
 
あ、仲直りっていうか…
別に喧嘩してるわけじゃないもんな。
 
 
隆)ねーねー。
♧)なぁに?
隆)俺とHするの嫌な時って、どんな時?
♧)えっ!?
 
 
そういえば俺、
♧に拒まれたことってないよなぁって
思ったんだ。
 
臣も滅多にないらしいけど、
前は酔っ払って夜中に襲おうとしたら
キレられたって言ってたし。
 
まぁそれは臣が悪いけど。
 
 
隆)女の子が拒否するのって
  どんな時なんだろうって思って。
♧)えっと…、生理とか?
隆)まぁそれはあれだけど、他には?
♧)他…、、?
隆)俺とするの嫌な時、ない?
♧)……。
 
 
あ、マッサージする手が止まっちゃった。
 
 
♧)そんな時、ないよ…///
隆)えっ…
♧)一度も…ないもん…///
隆)////
 
 
え、どうしよう…
なんか…♧が…すっごく可愛い///
 
 
隆)一度も…ないの…?///
 
 
照れてるほっぺに手を伸ばしたら、
 
 
♧)(こくん)///
 
 
♧が口を「んっ」てさせて頷いた。
 
 
隆)////
 
 
めっちゃ可愛い…。
どうしよう。一気にムラムラしてきた。
 
 
隆)♧…、
♧)わ…っ///
 
 
俺は起き上がって
もう一回♧のほっぺに触れた。
 
 
隆)ほんとに…?
  ほんとはたまに無理してたりとか…
  俺に合わせてたりとか…
 
 
だって俺の♧欲、ほんとにすごいもん。
 
バレンタインとか
自分でもドン引きするくらいだったし。
 
 
隆)やだったら…やだって言って
  いいんだからね…?
♧)////
 
 
♧は目をうるうるさせて俺をじっと見た。
 
 
♧)ほんとに…ないもん、そんなの…///
隆)…っ
♧)嫌なわけ…ないもん…///
  隆二くんとHするの…
  すごくすごく…幸せだもん…///
隆)////
 
 
ああ…もうダメ…、、
 
こんな可愛くもじもじしながら
こんな可愛いこと言われて
 
我慢できる男がこの世にいるか!?
絶対いねぇだろ!!!
 
 
♧)えっ、えっ、隆二くん…?///
 
 
俺は♧の身体に次々キスを落として
そのまま押し倒した。
 
 
♧)…っ、りゅ…っ
 
 
言いかけた唇を、キスで塞いで…。
 
 
ほんと簡単に火がつく、俺の身体。
♧のことが大好きすぎるんだよ…。
 
 
♧)りゅ…っ、じ…くん…っ///
 
 
やっと息をさせてあげたら、
♧の目はさっきよりも潤んでて、
熱を持ってる。
 
 
♧)えっと…、H…、する…の?///
隆)うん。
♧)////
 
 
♧が悪いんだよ…?
こんなに可愛いから。
 
 
隆)俺とならいつでもしたいって
  ♧が言うから。
♧)えっ…///
隆)俺とHすんの幸せだから
  いっぱいしたいって言うから。
♧)////
隆)ん?違った?
 
 
柔らかい肌に、唇で問いかけたら…
 
 
♧)違わ…ない…、///
 
 
甘い返事が返ってきた。
 
 
隆)はぁ、///
 
 
もうほんと可愛すぎる。
 
 
俺をこんなメロメロにして
どうするつもりなんだろ。
 
 
朝が苦手な俺が、珍しく早起きしたご褒美は。
 
 
とろけるくらい幸せな…
甘い甘い、♧との時間。
 
 
 
……
 
 
 

 
 
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
 
隆)へへへ、たーだいま♡
♧)おかえり…なさい///
隆)美味しそう!めっちゃ腹減った!
♧)うん、食べようね///
 
 
今日は朝から、
すごく濃厚な時間を過ごしてしまった…///
 
 
隆二くんはシャワーから戻ってきて
元気いっぱいに
朝食を頬張ってます。
 
 
♧)ね、昨日公開されたMV見たよー♡
隆)お、見てくれた!?
♧)うん!
  隆二くん、すっごくカッコ良かった♡
隆)ほんとー?へへへw
  オフショットも見たー?
♧)オフショット?
隆)モバイルにあげたやつ。
♧)モバイル!見てない!
 
 
私ってばほんとアナログだから…
 
 
隆)これこれ。
 
 
隆二くんが自分の携帯で見せてくれた。
 
 
♧)お姫様抱っこしてるー!
隆)うんw
♧)どこの国のお姫様だったの?
隆)いや、お姫様ではないよw
♧)あ、そっか、お姫様役なだけか///
  ブロンドも青い瞳もすごく綺麗。
隆)あのね、日本人だよw
♧)ええっ!どういうこと!?
 
 
外国人だと思い込んでた!
でも…こんな見た目なのに日本人なの!?
どうして?!
 
 
隆)ほんとにネット見ないんだね、♧w
♧)えっ
隆)SNSとか。
♧)うん…ごめんね、アナログで…。
 
 
あれ、なんだろ。
隆二くんがニヤニヤしてる。
 
 
隆)これね、♡ちゃんだよw
♧)♡ちゃん?
隆)うん。
♧)え?
隆)だから、このプリンセスは♡ちゃん!w
♧)え?♡ちゃん?
 
 
え?え?え?
 
 
♧)えええええええ!!!
 
 
そう言われてびっくりして、
もう一度写真を見てみるけど…
 
何度見たって異国のお姫様にしか見えない!
 
 
♧)本当に♡ちゃんなの!?
隆)そう。びっくりでしょw
 
 
そう言って隆二くんは
当日サプライズされた話を
笑いながら話してくれた。
 
 
♧)わぁ……すごい。ほんとすごい。
  ♡ちゃんだったなんて
  全然気付かなかった!
 
 
確かに♡ちゃんは最近
MVにたくさん出てて
どれもビジュアルが違って別人みたいで
すごいんだけど…
 
ここまで変身するなんて…!!
 
 
♧)どんな格好してても
  本当に可愛いなぁ…♡ちゃん。
隆)あはははw
♧)……あ、隆二くんのコメント…。
隆)ん?
 
 
『初めて撮影で
 お姫様抱っこなるものをしました‼️
 どうですか?✨✨』
 
 
だって。
 
 
♧)初めてだったの?
隆)うん、撮影ではね。
♧)撮影では?
隆)うん。だっていつも♧にはしてるじゃん。
♧)はっ…///
 
 
そうでした///
 
 
♧)MVでお姫様抱っこしながら走ってるから
  隆二くんすごいなぁって思ったんだ。
  ♡ちゃんが軽いからかな?
隆)いや、大して変わらんからw
  別に♧だって
  抱っこしたまま走れるよ、俺。
♧)ダメだよそんなの!///
  隆二くんの腕が折れちゃう!
隆)なんでやねん!折れんわ!w
♧)だって…///
 
 
絶対私の方が重いもん…。
 
 
隆)好きな女くらい
  余裕で抱いて走れるっつーの。
♧)////
 
 
カッコイイ…隆二くん…。
 
 
♧)じゃあ私ももっと筋トレして
  隆二くん抱っこ出来るように
  頑張るね///
隆)なんでだよ!!w
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
今日はMUSIC FAIRの
2600回記念コンサートで
国際フォーラムに集まってる。
 
 
一通りリハを終わらせて
楽屋に戻ってきて昼飯を食ってると、
臣が小さくため息をついた。
 
 
岩)臣さん、まさか…
臣)えっ…
岩)また拒否られたの?
臣)……いや、
岩)そっか、あんな時間まで飲んでたし
  襲う暇ないか。
隆)……。
 
 
俺はちゃっかり朝、襲っちゃいました。
 
 
臣)でもやっぱり、態度がなんか変だった。
岩)えーーー
隆)なんだろね?
臣)ほんとわかんない。
隆)俺も♧に聞いてみたけどわかんなかった。
臣)え、♡のこと!?
隆)いや、そうじゃなくて。
  俺とHしたくない時ってどんな時?って。
臣)ああ、そっちか。
  ♧さんなんて言ってたの?
隆)そんな時、ないって。
臣)はぁ!?
隆)一度もないって言ってた。
臣)ふざけんなよお前…、ただの惚気かコラ。
隆)あれ。
 
 
そんなつもりじゃなかったんだけど…
 
でも、あん時の♧、ほんと可愛かった///
 
 
隆)へへへ♡
岩)こら、隆二さんw
臣)はぁ、もう。ムカつく。
隆)あ、そういえばね、
  ♧やっぱりMVのプリンセスが
  ♡ちゃんだって気付いてなくて
  めっちゃびっくりしてたよw
臣)ああ、ほんと?
隆)うん。普通に外国人だと思ったみたいw
岩)多田さんも、今回のMV、
  今までで一番好きって
  言ってくれてたみたいだよー。
隆)おおお!
臣)マジか、すごいな。
  岩ちゃんのドラキュラそんなに
  気に入ったのかなw
岩)わかんないけどw
 
 
さて、もう一回練習しとこうかな。
 
 
今日は三代目でやるのは
R.Y.U.S.E.I.だけだけど
その他に大御所たちとのコラボが
いくつかあるから。
 
 
コンコン。
 
 
女)失礼しまーーす♡
 
隆)あ。
 
 
E-girlsがぞろぞろ入ってきた。
 
 
女)遅くなっちゃったけど
  バレンタインのチョコでーす♡
女)もらってくださーい♡
N)もう今日19日だよ!w
女)だって直接渡したかったんですよぉー。
女)今日三代目さんと一緒だって
  わかってたからー。
N)そうなの、ありがとうw
岩)ありがとねー。
 
 
可愛くラッピングされたチョコを
みんな順番に受け取ってる。
 
 
女)はい、今市さんも♡
隆)ありがとー。
 
 
この時期はほんと困る。
…って言ったらチョコくれる人たちに
失礼なんだけど…
 
ほんと食べきれないくらい貰うから
毎日せっせと食べても全然なくならない。
 
「義理チョコ」なんて
ほんとなくなればいいのになぁ。
 
 
俺は♧からもらえるだけで十分幸せ。
 
 
女)今市さん今日のシャツカッコイイですね♡
女)すごく似合ってますー!
隆)へへ、ありがとw
岩)これね、彼女のお手製なんだよ。
女)えええっ!!
女)彼女さんが作ったんですか?
  アパレルの人なんですか?
  すごーい!!
隆)はははw
 
 
アパレルの人…っていうか…
保育士さんなんだけどねw
 
でもハピクロの方も順調みたいで
今日は♡ちゃんに経理の人を
紹介してもらうって言ってたっけ。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♧)どうもありがとうございました!
  これからどうぞよろしく
  お願いいたします。
鬼)こちらこそ、どうぞよろしくね。
 
 
♡ちゃんに紹介してもらった鬼山さんは
一見怖く見えるけど
話してみるととても優しい素敵な人だった。
 
 
♧)♡ちゃん、本当にありがとう。
♡)いえ。
 
 
ハピクロが大きくなってきたから、
経理関係は全部
鬼山さんにお願いすることにしたんだ。
 
正直私は簿記の知識とかも全くないし。
 
 
ホームページとかネット関係は
全部◇ちゃんがやってくれてるし…
本当に本当にありがたいなぁ。
 
 
♧)じゃあ行こっか♡
♡)はい。
 
 
鬼山さんを見送ってから
私たちもまっすぐに家に帰ってきた。
 
 
今日は♡ちゃんとまた
紙芝居を作る予定なんだ。
 
前に一つ仕上げたんだけど、
園長に3つくらい作って持っておいで
って言われて。
 
 
♧)はい、どうぞ♡
♡)ありがとうございます…。
 
 
アプリコットティーとクッキーを
テーブルに置いたんだけど…
♡ちゃんはなんだか元気がないみたい。
 
 
実はさっきから少し気になってたんだ。
 
話してる時はいつも通り笑顔なんだけど…
ふとした時にぼんやりしてたり
何か考え事してるみたいで…。
 
 
♧)何か…あった…?
♡)えっ…
 
 
♡ちゃんはハッとして顔を上げた。
 
 
♡)……なんでも…ないです…。
  えへへ、ごめんなさい。
  さ、紙芝居仕上げましょー!♡
♧)…っ
 
 
やっぱりどうもおかしい気がする。
 
でも話したくないことなのかもしれないし…。
 
 
♧)じゃあ私はこっち描いていくから
  残りの色塗りお願いね♡
♡)はいっ!
 
 
こうして何かを書いたり作ったりする作業って
本当に大好きだし
自分に向いてるって思う。
 
すごく没頭できるし
やり甲斐を感じるんだ。
 
 
♧)ふぅ…。
 
 
一息ついて時計を見たら
もう1時間も経ってた。
 
 
♧)♡ちゃん、お茶おかわりいる…?
♡)はっ…!
♧)えっ…
 
 
♡ちゃん…、、
うさぎの耳を塗ったまま手が止まってる。
全然進んでない…。
 
 
♡)ごめんなさい!
  ぼーっとしてて…
  急いで塗ります!ごめんなさい!
 
 
私は、慌てて筆を動かす♡ちゃんの手を
そっと握った。
 
 
♧)少し休もっか♡
♡)でも…っ、私…全然…、
♧)そんな焦って急がなくたって大丈夫だよ。
♡)…っ
♧)ね。
♡)……はい…。
 
 
やっぱり♡ちゃん、何かあったんだきっと。
心配だな…。
 
 
でも話したくないことを
無理に聞き出すのも気が引けるし…
 
何かしてあげられること、ないかな…。
 
 
♡)……あ…の…、
♧)ん?
 
 
♡ちゃんは淹れたてのお茶を一口飲んで、
静かに口を開いた。
 
 
♡)…もしも……隆二くんが…
  ♧さんに嘘をついてたら…、、
  ♧さんは…どうしますか…?
♧)…っ
 
 
そう言って私をじっと見た♡ちゃんの目は
なんだかうるうるしてる…。
 
 
そっか…、
♡ちゃんが悩んでたのはこれなんだ。
 
話してくれて良かった…。
 
 
詳しくはわからないけど…
臣くんが♡ちゃんに何か嘘をついたのかな。
 
そしてそれが嘘だと
♡ちゃんはわかっちゃったんだよね…。
 
 
もしも…、
もしも私だったら…
 
 
♧)その…嘘の内容にもよるけど…
  どうして隆二くんが嘘をついたのかなって
  考える…かな…。
  きっと…理由があると思うから。
♡)理由…?
♧)うん。
  人が嘘をつく時って…色々あるでしょう?
  自分の悪事を隠すため、とか…
  誰かを陥れようとする時とか…
  相手を傷つけたくない時とか。
♡)…っ
♧)隆二くんが私を思ってついた嘘なら
  私は気付かないフリを
  するかもしれないけど…
  悪いことをしてそれを隠そうとしてるなら
  コラー!って言うかもしれないw
 
 
私がそう言うと、
♡ちゃんは複雑そうな顔をした。
 
 
♡)嘘の理由が…
  判断しにくい時は…?
♧)うーーーん……、
♡)どうして話してくれないんだろう…
  どうして嘘をついたんだろうって…
  ずっと…悶々しちゃって…
  悪いことをしてコラー!っていう嘘では
  ないって思いたいんだけど…
  でも私のためを思ってついた嘘だとも
  思えないっていうか…
  臣くんのことを疑ってるわけじゃ
  ないんだけど…
  どうしても気持ちがぐちゃぐちゃして…
  どうしていいのかわからなくて…、っ
♧)…っ
 
 
一気に話して喉を詰まらせた♡ちゃんの目から
ポロリと涙がこぼれ落ちた。
 
 
♡)ごめんなさい…っ
♧)ううん、いいんだよ…。
 
 
大好きな人のことだからこそ
余計に気持ちがぐちゃぐちゃするんだよね…。
 
 
♧)直接聞くのは勇気がいるかもしれないけど
  私だったらぐちゃぐちゃした後に
  聞いちゃうと思う。隆二くんに。
♡)…っ
♧)どうして嘘ついたの?って。
 
 
隆二くんのこと、信じてるから…
これからも信じたいって思うから…
ちゃんと話して欲しいって、そう思う。
 
 
♡)臣くんに…聞いたら…いいのかな…。
  ぐす…っ
♧)うん…。
  きっと話してくれると思うよ?
 
 
♡ちゃんのこと、
あんなに大事にしてる臣くんだもん。
 
♡ちゃんがこんな気持ちになってるって
知ったら…
ちゃんと向き合ってくれるはずだよ。
 
 
♡)ありがとう…♧さん…。
  泣いちゃって…ごめんね?
♧)大丈夫だよ。
 
 
♡ちゃんをぎゅーって抱きしめたら…
♡ちゃんはやっと少し笑顔になった。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
臣)ふぅ、疲れたーーーw
隆)でも楽しかったね。
臣)うん、楽しかった!
 
 
コンサートは無事に終わって、
俺たちはぞろぞろと楽屋に戻った。
 
 
健)もっと踊りたかったわ。
岩)なんか少し物足りないw
E)俺ら一曲だったもんねw
N)まんじゅう食いたい。
  あれ、ここにあったまんじゅうは?!
直)まだ食べてなかったんですか?
  高級あんこの美味しいやつ。
N)終わってから食べようと思ってたんだよ!
  どこいった!?
 
 
NAOTOさんが一番に俺を見たから
俺は慌てて弁明。
 
 
隆)俺じゃないっすよ!
 
 
俺は一個しか食べてないもんね。
 
 
N)誰!?誰か二個食った?!
臣)食ってません。
健)食ってないっすよ。
 
 
まんじゅう一つに
NAOTOさんが必死に犯人探しを
始めたところで、
 
Sさんがすごい勢いで楽屋に入ってきた。
 
 
S)岩ちゃん!臣!ちょっと来て!
岩)えっ
臣)何?どうしたの?
S)二人とも、写真が出ちゃってる。
皆)えっ?
 
 
Sさんの慌てぶりからして
相当ヤバイやつなのかなって
俺も二人の後ろからそれを覗いた。
 
 
S)岩ちゃんは♡ちゃんとの写真。
  臣はRちゃんとの写真。
臣)は!?
岩)何これ…っ
隆)…っ
 
 
臣とRちゃんはどっかの店だけど…
岩ちゃんと♡ちゃんの写真は…
二人のマンションの駐車場だ。
 
まるで二人がキスしてるみたいに見える。
なんだこれ。
 
 
隆)どういうこと…?
 
 
写真を見て戸惑う俺たちに
Sさんが説明してくれた。
 
 
S)岩ちゃんと♡ちゃんの写真は…
  写真と一緒にメモが拡散されてて…
  SNSで出回りすぎてて
  もう出どころが掴めないんだ。
  多分アカウント消してると思う。
岩)なんだよこの内容…っ
臣)これうちの駐車場じゃん。
  セキュリティーあんのに
  誰が入ってこんなん撮るんだよ…っ
隆)…っ
 
 
写真は3枚あって、
岩ちゃんと♡ちゃんが
仲良さそうに話してるところ、
何かを手渡してるところ、
キスしてるみたいなところ。
 
 
そしてメモは…、
 
 
『山下健二郎と噂になった姫の本当の相手は
 同じく三代目の岩田剛典だった!!
 二人は同じマンションに住み、同棲中。
 周りも呆れるほどのラブラブぶりで
 人目も憚らずイチャイチャするのは
 いつものこと。
 この日も仲睦まじく一緒に仕事に
 出かけようとした二人は
 車に乗り込む前に熱いキスを交わした。』
 
 
って書かれてる。
 
 
岩)言っとくけど違うからね?
臣)わかってるよ。
岩)臣さんがLAに行ってる時、
  ちょうど時間が一緒だったから
  ◇を乗せていこうとした時があったんだ。
  それで◇が♡ちゃんにも声をかけて…
  一緒に駐車場に降りたら
  ♡ちゃんがヘアクリップ落としたから
  俺が拾って手渡したの。
  これはその写真。
  で、♡ちゃんのほっぺに
  まつげが付いてたから
  取ってあげたんだよ。
  それがこれ、キスしてるって
  言われてる方の写真。
健)そうなんや…。
  でもこれ、ほんまにしてるみたいに
  見えるやんな。
N)角度的にね。
岩)ほんとにしてないから!
臣)わかってるって。
  岩ちゃんがそんなこと
  するわけないじゃん。
E)うん。するわけない。
臣)問題は誰がこれを撮ったかでしょ。
  うちの駐車場に入り込んで
  こんなん撮って、捏造記事流して。
直)週刊誌だったら絶対交渉してくるもんな。
臣)マンションの鍵持ってないと
  駐車場入れないのにおかしすぎる。
隆)もしかして…っ
 
 
みんなの頭に浮かんだのは
きっと同じ人物だと思う。
 
 
臣)橘って…まだ鍵持ってる…?
S)持ってる。
  あの後すぐに自宅待機にさせたから
  まだ持ってるままなんだよ…。
岩)そうだよSさん、
  俺も♡ちゃんも言ったじゃん、あの日!
  変な視線感じたって!
S)うん。
臣)そうなの!?
岩)なんか誰かに見られてるような
  変な感じしたんだ。
S)あれ、やっぱり橘だったのか…。
健)岩ちゃんのこと恨んで
  こんな内容、捏造したんか?
E)ありえない…。
直)これ、どうなの?炎上してるの?
S)炎上してるし事務所にも
  問い合わせ殺到してる。
N)げーーーーっ
隆)マジかよ…。
 
 
橘…、ここまですんの…?
正気かよ…。
 
 
N)あいつさ、自宅待機中とはいえ
  一応まだうちの社員でしょ?
  こんな会社に不利益になるようなことして
  許されんの?
E)ほんとだよ!
健)臣の写真は?こっちは何なん?
S)こっちは一般人が撮ったみたい。
N)えっ!一般人!?
S)そう。ほら、これ。
隆)…っ
 
 
『あのRが登坂広臣と
 日本食の店でデートしてた❗️😳
 しかもこのあと仲良くホテル入ってった❗️
 これ大スクープじゃない?🙌
 海外だからガード緩かったのかな🤔笑
 めっちゃお似合いだったー❤️』
 
 
ってツイートと一緒に
拡散されてる写真は3枚。
 
 
店から出てきて
Rちゃんが臣の腕に掴まってる写真、
臣がRちゃんのおでこを
こつんって叩いてるような写真、
それから二人で歩いていく後ろ姿。
 
 
何も知らない人が見たら
普通に仲の良いカップルに見えると思う。
 
 
E)ホテル入ったの??
臣)入ってないよ、送っただけ。
E)そうなんだ。
健)これ腕組んでるように見えるやん。
臣)あいつがくっついてきたから
  すぐに離したけど…
健)そうなんや。
N)週刊誌に売ってくれれば揉み消せたのに
  普通に載せちゃったんだね、この人。
健)自分の手柄みたいにしてますやん。
N)ね…。
直)こっちも炎上してんの?
S)してるけど岩ちゃんほどじゃない。
  岩ちゃんのはキス写真として
  出回ってるから…。
E)ああ、そっか…。
隆)……。
 
 
臣…、LAでRちゃんに告白されたって
言ってたけど…
 
それはちゃんと♡ちゃんに話したのかな?
 
 
もし言ってなくて
♡ちゃんがこの写真見たら…
ちょっと厄介なことになるんじゃ…。
 
二人がまた揉めるようなことだけは
避けたいけど…。
 
 
って今はそんなこと
言ってる場合じゃないのか。
 
 
まさか同じ日に
臣と岩ちゃんが二人とも
こんなことになるなんて。
 
どうすりゃいいんだ…。
 
 
 
 
 
 
ーendー

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  1. ひな より:

    これはあちゃーですね(>人<;)
    せっかく♡ちゃん勇気が出たのに、、、大丈夫ですか???橘さんまだ暴れさしますか?笑
    過去の平凡ラブラブストーリー読むとほんとに早く戻ってぇ!って思います笑
    早く元の生活に戻してあげてください♡

    • マイコ より:

      暗黒期にはならないのでご安心くださいまし!。゚(゚^∀^゚)゚。

  2. KY より:

    まいちゃんの二行改行のこだわり、改めてHPで読むと時間の経過だったり会話や行動の続き(延長)を想像させたり話の切り替わりだったりで作者さんにとってはとても大切なことだよね!特にHPは一気に時間が流れてく感じになるからね。なのに汲み取れず申し訳なかったm(_ _)m

    • マイコ より:

      ううん、ありがとう。゚(゚´ω`゚)゚。
      もうTwitterほんと読みづらくなっちゃってTwitterで更新すんのやめようか悩んだよー。
      みんなこっちで読んでほしい…。゚(゚´ω`゚)゚。くそーTwitterめーー。

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