♧)あ、隆二くんから電話だ。
出てもいい?
◇)もちろん!どうぞどうぞ!
♧)もしもし。
お疲れさまー♡
うん。うん。今ね、♡ちゃんちだよ。
……え、迎えに来てくれるの?
うん、ありがとう♡
……え?お腹空いた?
えっと…、
◇)余ってるご飯食べるかな??
♡)ビーフストロガノフー!
♧)聞こえた?ん?
ええとね、なんて言ったらいいんだろ…
ハヤシライスに似てるかなぁ…
トマトベースだよ。
あ、食べる?わかったw
用意しておくねー♡
はーい、待ってまーす♡
3人で作った夕食。
ちょっと作りすぎて余ってたから良かった。
♡)すぐ着きますか?
♧)10分くらいって言ってた。
◇)じゃあ温めちゃおっか♪
あたしは鍋にもう一度火をかけた。
隆二さんが食べても余りそうだな…
♧)隆二くん…足りるかな…。
◇)ええ!?
同じく鍋を覗いた♧さんがぼそっと呟いた。
♡)そっか!隆二くんは悟空だったー!
◇)あ、そっか、めっちゃ食べるんだ!
これだけあっても足りない!?
うそーーん!
♡)もし足りないって言われたら…
うちの保存食たちを出そう…。
♧)保存食?
♡)常備菜いろいろあるんです♡
◇)おおお、さすが♡ちゃん!
♧)うん…きっと食べたいと思う…
ありがとう♡ちゃん。
そうこうしてるうちに
隆二さんがやってきた。
隆)お邪魔しまーーーす。
♡)お帰りなさーい!w
隆)あはははっw
♡ちゃんに出迎えられちゃった。
臣の気分w
♡)臣くんはね、真っ直ぐ手洗いうがいに
直行します。
隆)あ、じゃあ。
俺も洗面所借りるねー。
♡)でね、私が早くぎゅーしてほしくて
いつもこのへんをうろちょろするの。
隆)ぶっw
♡)そしたら臣くんが
わかったから待ちなさいw
って笑ってるーー。
隆)ラブラブで何よりですw
♡)隆二くんたちはー?♡
隆)へ!?
♡)いつもどんな感じー?
隆)え…っ、俺…たちは…、、
♧がおかえりなさーいって来てくれて…
♡)来てくれて?
隆)そのまま…、うん///
♡)ただいまのチュー!?
隆)違うよ!///
ただいまのぎゅー!
♡)ぎゅー!
隆)玄関でね、うん///
ってなんでこんなこと言わせんの!///
♡)あはははっw
♡ちゃんにからかわれて
照れ臭そうな隆二さんが
リビングにやってきた。
◇)どうぞ…お気の済むまで
ただいまのぎゅー、してくだされ♡
隆)しないよ人ん家で!///
♧)お帰りなさい、隆二くんw
お仕事お疲れさま♡
隆)あ、うん…ただいま///
◇)今しないって言ったくせに
♧さんが可愛くて
やっぱりしたいなーって思ったでしょ!
隆)えっ!
♡)思ったでしょー!♡
隆)……もううるさいなー!///
じゃあする!ただいまっ!///
♧)きゃぁっ///
隆二さんが♧さんをぎゅむっと抱きしめて…
◇)むふふふ♡
♡)むふふふ♡
あたしと♡ちゃんは顔を見合わせてニヤけた。
隆)もう、なんなの!///
◇)あはははっw
♡)あ、隆二くん。
ご飯これなんだけどね、
隆)わ、いい匂いする。
ビーフストロンガス?だっけ?
初めて聞いたー。
♧)ビーフストロガノフね!w
隆)ストロ…ノフ…?
♧)ロシアの牛肉料理なんだよ。
隆)ああ、だから!
なんとかノフってロシアっぽいもんね!
◇)なんとかノフ…ww
隆)こら、何笑ってんだ◇ちゃん。
◇)いえw
隆二さんってほんと天然で可愛いなぁw
♡)他にもおかずあるんだけど食べるー?
隆)え、食べる!
即答だーー!w
♡)これとか、これとか、
♡ちゃんが常備菜のタッパを持ってくると…
隆)え、全部食べたい。いいの?
全部かーい!!w
あたしと♧さんは思わず笑っちゃったw
隆)え、ダメなの?何?///
♡)ううん、いいんだよーw
食べて食べてw
隆)俺が食いしん坊だから笑ってんの…?///
◇)あはははっw
ほんと可愛い、隆二さんw
◇)いつもこんな風に
♧さんの手料理をバックバク
食べてるわけですね♡
隆)なんだよーー
岩ちゃんだってそうじゃん。
◇)え?
隆)いっつも嬉しそうに
◇ちゃんのお弁当食べてるよ?
ニヤニヤしながら。
◇)そう…ですか///
じゃあ明日も作ってあげようかな…///
♡)隆二くん、今日はなんの仕事だったのー?
隆)あ、俺はね、今日は仕事っていうか
LIVE観に行ってた。
JOSE JAMESの。
♡)あっ、それ臣くんも
行きたがってたやつだーー!
隆)そうそう。
でもあいつLA行っちゃったからさー。
♧)細いジェイムス…??
隆)ホセ・ジェイムズ!w
◇)あはははっw
ダメだこの二人、本当に面白すぎるw
♡)LIVEどうだったのー?
隆)めっちゃ良かったよー。
歌声とスキルがすごすぎた。
♡)おおお…っ
隆)サマンサ女子は?
今日は何してたの?
♧)バレンタイン交換会だよー♡
隆)うんうん、それで?
なんの話してたのー?
♧)ええと…、
◇)……。
絶倫サマンサの話をしてたとは言えぬ…w
あ、そーだ。
隆二さんの反応、見てみたいかも。
◇)もしも妊娠したらって話、してました。
隆)ええ!?なんで?!
なんでいきなりそんな話になんの!?
◇)二回中絶したっていう女の子の話から。
隆)は!?二回!?同じ相手と?!
◇)はい。
隆)何それ!最低じゃんその男!!
◇)…っ
隆)だって一回中絶させてるくせに
反省もしないで
また生でやったってことでしょ?
何やってんのマジで。
最低すぎるわほんと。
あたしと同じようなこと言うとる…。
隆)女の子も女の子じゃない?
何も対処しないで
彼氏に好きにさせてんの?
命をなんだと思ってんだよ。
ですよねぇ…。
◇)で、そこから…
もし自分が妊娠したらどうするか
という話になったわけです。
隆)ああ、なるほど、そういうことか。
びっくりしたー。
隆二さんはふぅっと一息ついて
水をごくごく飲み干した。
隆)サマンサ女子の答えは??
♡)中絶はしないよー。
絶対産むー!
って三人一致です♡
◇)そうそう。
結婚できなくても
一人で逞しく育ててみせるぜ!って。
隆)は?
結婚できなくてもって何??
◇)いや、だって…
皆さん、職業が職業ですし…
簡単には結婚できないでしょ。
隆)だからって一人で育てるって何それ!
そんなの選択肢にあっちゃダメでしょ!
◇)ダメなんですか??
隆)俺たちをなんだと思ってんの!!
◇)…っ
怒られちゃった…。
◇)じゃあ♧さんがもし妊娠したら
どうするんですか…?
隆)え、そんなん…、、
嬉しいじゃん…へへへ///
あれ、いきなりニャンちゅうになっちゃった。
隆)中絶なんか絶対させないし
結婚するでしょ、当然。
◇)ダメって言われたら?結婚。
隆)そこをなんとかするのが男でしょ。
俺たちそんな無責任じゃないよ。
◇)…っ
隆)岩ちゃんだって、臣だって。
絶対同じこと言うと思う。
好きな女、妊娠させといて…
俺今結婚できないんで
一人で産んで育ててください、なんて
ありえねぇから、マジで。
◇)……。
隆)それに…、、
生まれてくる子は俺と♧の子供なんだよ?
そんなの…一緒に喜びたいし…
一緒に見守りたいじゃん、いろんな瞬間。
……へへ、想像したらヤバイ///
♧)ふふ…っ♡
男らしく怒ってみたり、
嬉しそうにニヤけちゃったり、
忙しい隆二さん。
♧さんは少し涙ぐみながら、
幸せそうに微笑んだ。
◇)隆二さん…良いパパになりそう…w
隆)なるよぉ!俺はなるよぉ〜!
♡)あははは♡
隆)岩ちゃんだってなるでしょ。
◇)えーーー。
なるかな…。
あまり想像できん。パパな剛典。
隆)でも岩ちゃんとこは
岩ちゃんがダメダメでも
◇ちゃんがめちゃくちゃしっかりしてそう
肝っ玉母さん的な感じでw
◇)あたしだって可愛いママに
なりたいんですけど…w
♡)あはははっw
隆)岩ちゃんと子供がさ、
一緒に悪さとかして…
「コラー!ダメって言ったでしょー!」
とか言ってそうだもんw
今俺めっちゃ想像できたw
◇)……。
あたしもできちゃったよ…。
隆)臣はあれだね、
結婚してもいつまでも♡ちゃんに
べーったりだね、あいつ。
♡)えっ…
隆)♡ちゃんが一生懸命
子供の面倒とか見てても
それを拗ねながら陰で見てて…
俺にも構ってよみたいなオーラ出すね。
♡)えーーー!w
隆)あいつは一生、♡ちゃんを
一人占めしたいタイプでしょw
◇)確かに…w
♧)あははは♡
隆)すなわち俺が一番良いパパになる!
◇)断言した!w
♡)あははは、隆二くんずるい!w
なんて笑い合ってたら、
剛典から電話がかかってきて
撮影終わったから今から帰るよーって。
隆)岩ちゃん毎日ハイロー大変そうだね。
◇)ほんとに!
ハイローは剛典をこき使い過ぎ!
隆)あはははw
♡)主役だもんね、仕方ないよね…。
◇)全員主役なはずなのに…。
隆)で、オイシイところは
雨宮兄弟がもってく…w
◇)そうだ!ずるいぞ臣さん!
♡)ええっ!w
♧)あはははw
それからご飯をペロリと完食した隆二さんは
♧さんと一緒に先に帰って…
あたし達は…、と言うと…、、
♡)ふふ、ここならバレない♡
◇)ぷふっw
帰ってくる岩ちゃんを驚かそう!
っていう♡ちゃんの悪巧みで
二人で駐車場に潜んでますw
♡)探偵になった気分♡
◇)あはははw
パパラッチっていつもこんなこと
してんのかな。
♡)はっ!確かに!
こうして帰ってくるのを
ずっと待ってるんだもんね。
◇)ストーカーみたいなもんだよね…w
♡)ほんとだよ!ぷんぷん!
◇)あ、車来た。
あ、でも違う人だ。
♡)ドキドキー!w
◇)……あ、また来た!
あ、今度こそ剛典かも!
♡)あ、ほんとだ!あれは岩ちゃんだ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
橘)登坂さんもうLAに着きましたかね。
岩)知らないよ。
橘)はぁ…。
登坂さんが日本にいないだけで
なんだか寂しいです。
岩)……。
だから知らねぇっつーの。
いい加減にしてくれ。
橘)着きました。
岩)お疲れ!
俺はとっとと橘と別れたくて
勢いよくドアを開けた。
岩)はぁ。
マジで疲れた。
橘といるだけで疲れが倍増する。
◇♡)わっっ!!!
岩)うわぁぁぁぁ!!!!
柱の陰からいきなり人が飛び出してきて
俺は後ろに後ずさって転びかけた。
岩)あっぶね…、っ
何やってんの!?
◇と♡ちゃんじゃん!
♡)へっへへーw
岩ちゃんを驚かせようと
隠れてたんだよーーw
◇)いっしっしw
この無邪気な二人は小学生かな…?w
まぁどうせ♡ちゃんが言い出して
◇が付き合ったんだろうけど…w
◇)お仕事お疲れさま。
岩)うん。ただいま。
ああ、◇の顔を見ただけで
なんかほっとするや…。
♡)へへ、ただいまのぎゅー…
してもいいんだよ…///
岩)はい!?w
◇)あたし達は別にしないし!w
♡)え〜〜〜〜
♡ちゃんが不満そうに口を尖らせた。
岩)じゃあリクエストにお応えして
やっとくか♡
◇)わぁっ!///
◇をぎゅーっと抱きしめたら、
後ろでバタンと車のドアが閉まる音がした。
橘)こんばんは。
岩)…っ
なんでこいつ降りてきたの!?
つーかまだいたのかよ!
◇)こんばんは…橘さん…。
♡)…っ
橘はニッコリ笑いながら
ジリジリと近付いてきた。
橘)お話があるんです、♡さん。
♡)話…?
橘)あ、用があるのは♡さんだけですので
岩田さんと◇さんは
どうぞお帰りください。
お疲れさまでした。
岩)は…?
お前みたいな危険人物残して
帰れるわけねぇだろ!
♡)話って…なぁに?
♡ちゃんが一歩前に出ると
橘はニヤッと笑って携帯を取り出した。
橘)♡さんに見せたいものがあって♡
♡)…っ
橘から携帯を受け取った♡ちゃんは
その画面を見て固まった。
橘)単刀直入に言いますね。
登坂さんと別れてくれませんか?
はぁぁ!!??怒
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
橘が♡ちゃんに何を見せたのかわかんないけど
なんでこいつこんなに自信満々なの?
意味わかんないんだけど!!
剛典はあたしの腰をぎゅっと抱いたままで…
あたし達は♡ちゃんの後ろで
二人のやりとりを息を飲んで見ていた。
橘)それを見ればわかりますよね?w
登坂さんが本当に好きなのは
私なんです。
はぁぁ!!??怒
橘)登坂さん、言ってました。
本当はあなたと別れたいのに
別れられなくて迷惑してるって。
んなわけないだろ!何言うとんねん!!
橘)あなたの愛情が重たくてしんどいって。
ふざけんなコラ!!
って、腹が立ちすぎて拳を握ると、
横で剛典もブチギレてるのがわかった。
♡ちゃんの表情は見えない。
橘)♡さんよりも私といた方が
心が休まる、って。
素の自分でいられるって…
泣きながら言ってました。
♡)……。
橘)登坂さんのこと、本当に好きなら…
登坂さんのために
もう別れてあげてください。
彼を解放してあげて。
♡)……。
橘)これ以上、自分勝手に
彼を縛り付けるのは
もうやめてあげて?
マジ何言ってんだこいつ。
ここまで頭おかしいとか…ほんと鳥肌。
♡)言いたいことはそれだけ?
橘)…っ
♡)私は臣くんと別れないよ。
もういい?
橘)…っ
♡)お仕事お疲れさまでした。
橘)待ちなさいよっ!!
背を向けようとした♡ちゃんを
必死な形相の橘が呼び止めた。
橘)別れないって…
あなた頭おかしいんじゃないの?!
それはお前だろ!ふざけんな!
橘)登坂さんが愛してるのは私だって
言ってるじゃない!
それでも別れないって
どれだけ自分勝手な人なの!?
もう…
橘が頭おかしすぎて怖くなってきた。
……ぎゅ。
剛典にしがみつくと、
剛典は力強くあたしの手を握ってくれた。
橘)この写真がその証拠です。
私は登坂さんに愛されたの。
♡さん、登坂さんと喧嘩したでしょう?
その日、一人じゃ寂しいから
来て欲しいって言われて…
私はすぐに駆けつけた。
このマンションのゲストルームにね。
♡)……。
橘)登坂さんは私を朝まで離してくれなくて…
夢中で私を抱いたわ。
♡)……。
橘)信じてないの…?
じゃあどんな風に私を抱いてくれたか、
細かく話した方がいいですか?w
自信満々に笑う橘は
陰険な女の顔をしてて、ゾッとする。
橘)何か言ったらどうなのよ!
橘が黄色い声をあげると、
♡ちゃんが静かに口を開いた。
♡)そんな作り話に一体何を言えばいいの?
橘)…っ
♡)よくそんなに次から次へと
嘘が出てくるな、って。
橘)作り話じゃない!嘘なんかじゃない!
この写真が証拠よ!
♡)それは橘さんが勝手に撮った写真でしょ?
橘)そうよ。
登坂さんは私を散々抱いた後
疲れて眠ってしまったから。
♡)臣くんはそんなことしないよ。
橘)酔ってたのよ!
部屋中お酒だらけで、ボロボロだった!
だから私が慰めたの!
あなたは裏切られたのよ!認めなさいよ!
♡)臣くんは私を裏切ったりしない。
絶対にしない。
誰がなんと言おうと私は信じてるから。
橘)は?バカじゃないの!?w
自分は幼馴染と浮気してるくせに!
登坂さんを裏切ってるくせに!
♡)…っ
橘)私、全部知ってるんだから!
いきなりそんなことを言い出す橘に
びっくりした。
もしかして…
「ハルくん」のこと…言ってるの?
♡)私は浮気なんてしてないし
臣くんを裏切ったことなんて一度もない。
橘)そんなの信じられない!!
♡)橘さんに信じてもらわなくてもいいよ。
私が臣くんを信じてて
臣くんが私を信じてる。
それだけで十分でしょ?
橘)…っ
♡)橘さんは一体何がしたいの?
臣くんをどうしたいの?
臣くんとどうなりたいの?
橘)何を偉そうに…っ
登坂さんは私と付き合いたいの!
私たちは愛し合ってるのよ!
あなたが邪魔なの!
♡)橘さんは臣くんが好きなの?
橘)好き!!
♡)本当に好きなら、
どうしてこんなことするの?
橘)…っ
♡)さっき私に言ったでしょう?
臣くんのこと、本当に好きなら…って。
私は同じことを橘さんに言いたい。
本当に臣くんのことを好きなら
臣くんが困るようなことをしないで。
迷惑かけないで。傷つけないで!!
橘)…っ
♡ちゃんの迫力に、
橘は言い返せなくなって、黙り込んだ。
いいぞ♡ちゃん!負けるな!!
いけいけーー!!
♡)橘さんのそれは、愛情なんかじゃない。
ただの自分勝手で利己的な私情でしょ。
臣くんにこれ以上何かしたら
私、許さない。
橘)…っ
♡)臣くんを傷つけることは
絶対に許さないから!!
橘)…っ
よく言った♡ちゃん!!
カッコイイ!!!!
橘)いい加減にしなさいよ…っ
え…?
橘)ちょっと可愛いからって…
勘違いしてんじゃないわよ…っ
なんか…
橘の様子がおかしいんだけど…
橘)登坂さんの前から消えろって
言ってんのよ!!
◇)きゃぁ!!♡ちゃん!!
橘が♡ちゃんに襲いかかろうとして
あたしは慌ててそれを止めに入った。
けど、剛典の方が早かった。
岩)ふざけんなよお前…。
◇)…っ
剛典の低い声が響いた。
剛典は♡ちゃんの髪を掴もうとした
橘の手を、ひねり上げてる。
岩)いい加減にすんのはお前だろ…。
臣さんがここにいたら
お前ぶっ殺されてるよ…?
橘)…っ、あっ…!
剛典が橘から携帯を取り上げた。
岩)ふーん。
酔って潰れてる臣さんの横で
勝手に裸になって
ツーショット撮ったんだ?
橘)…っ
岩)それが切り札になるとでも思った?
どんだけ単細胞なの、お前。
橘)…っ
岩)ペラペラとありもしないこと…。
橘)私は登坂さんに抱かれたんです!
岩)まだ言ってんの?
お前マジで頭おかしいよ…?
剛典はそのまま橘をドンと突き飛ばした。
岩)♡ちゃんに二度と近寄るな。
今日のこと、全部臣さんに言うから。
橘)待って…!
……ひどいっ…
岩田さんと◇さんは…私の味方でしょう?
◇)はぁぁ!??
ついにあたしも声を出しちゃった。
橘)二人とも…私の気持ち知ってるくせに…っ
◇)だから何なの?
何言ってんのさっきから。
ほんとに橘さん、頭おかしいよ?
橘)…っ
◇)橘さんが臣さんを好きなこと
知ってるからって
どうしてあたし達が自分の味方だとか
思うわけ?
橘)…っ
◇)こんな自分勝手に
二人の仲を邪魔しようとしてる
橘さんのことなんて、
応援するわけないでしょ!?
橘)…っ
◇)♡ちゃんに何しようとしたわけ?
自分の思い通りにならないからって
暴力振るおうとするなんて最低!
♡ちゃんに何かしたら…
あたしがあんたぶっ飛ばすよ!!!
あたしがそこまで言い終えると、
剛典が橘に携帯を投げつけた。
岩)とっとと帰れ。
橘)…っ、登坂さんには…
言わないで…ください…っ
はぁ!?
この期に及んで何言ってんのこいつ!
岩)聞こえなかった?
帰れって言ってんの。
橘)…っ
最後の剛典はあたしでもゾッとするくらい
めちゃくちゃ怖かった。
これ以上何か言ったら、殺されそうな。
……バタン!
橘が半泣きで帰って行って、
あたし達はようやく息をついた。
岩)大丈夫だった?♡ちゃん。
♡)うん。ありがとう…岩ちゃん。
◇)剛典早かった!ありがとう!
岩)つーかお前はなに間に入ろうと
してんだよ!危ないだろ!
◇)だって…♡ちゃんのピンチだもん。
岩)だからって危ないマネすんな!
◇)身体が勝手に動いてて…
岩)はぁ…、もう〜〜。
剛典は困った顔であたしの頭を
わしゃわしゃ撫でた。
◇)だって♡ちゃんに何かあったら
臣さん発狂するよ!
岩)俺がいるだろが!
俺の目の前でそんなこと
させるわけねぇだろ。
あら…剛典ってばカッコイイ…。
岩)それに…お前になんかあったら
俺が発狂するわ。
マジで橘ぶっ殺すぞ。
◇)…っ
剛典ってば…コブラモードだ。
♡)二人ともありがとう、ごめんね!
橘さんが掴みかかってきそうになった時、
どこを掴んで投げ飛ばそうか
見極めてたの。
◇岩)へ!?
♡)護身術でもやってるから!
何かされる前に、動きを封じようと…
◇)ぶっ…w
岩)♡ちゃん…逞しすぎるでしょ…w
♡)だって!自分の身は自分で守らないと!
臣くんが心配しちゃうもん!
◇)あはははっw
岩)もう、なんなんだよぉ〜〜w
そうだ、♡ちゃんは逞しいんだった。
守られるばっかりの女の子じゃない。
◇)もう、♡ちゃん大好き…w
♡)えへへ、ぎゅーー♡
岩)じゃあ俺もぎゅーーw
抱き合ってるあたし達を
まとめて剛典がぎゅーしてきたw
◇)♡ちゃん、今日臣さんいないんでしょ?
一人で怖くない?
うち泊まりに来る?
♡)大丈夫だよっ!
◇)寝る前でも怖くなったら電話してね!
♡)えへへ、ありがとう。
◇ちゃん優しい♡
岩)臣さんと上には俺から話しとくから。
♡)あ、臣くんは…っ
岩)ん?
♡)向こうで心配させたくないから
帰ってきてからでもいーい?
岩)……うん。
こんな時でも
臣さんのことを一番に考える♡ちゃんに
剛典は少し呆れたように笑って頷いた。
岩)……はぁ、疲れた…。
◇)うん…。
家に帰ってきて、
二人でドサッとソファーにダイブした。
岩)マジであいつエイリアンだわーーー
◇)うん。日本語通じなすぎなとこね。
岩)それ!
……いや、エイリアンにも失礼だな。
◇)あっ!
岩)ん?
◇)手洗いうがーーいっ!!
そう言って、ふと思い出した。
隆二さんが言ってた「肝っ玉母ちゃん」。
◇)えと…、手洗いうがいしようね♡
岩)え、なんで言い直したのw
◇)可愛く言ってみようかと…
岩)ぶっ、意味わかんねぇw
笑いながら洗面所に向かう剛典を追いかけて
あたしも手洗いうがい。
岩)はぁ…、癒して…。
◇)わっ///
タオルで手を拭き終えると、
剛典がドサッと抱きついてきた。
岩)あいつにエナジー吸い取られた…。
◇)おそるべしエイリアン…。
岩)だからエイリアンに失礼だって。
◇)あはははw
剛典を半分背負いながら
二人でよいしょよいしょって
ソファーまで戻ってきた。
岩)♡ちゃん…俺たちいなかったら
本当に橘のこと投げ飛ばしてたのかな…
かっけぇな…。
◇)ね、さすがだよ。
岩)しかもさ…、
橘にあんなこと言われて
嫌な思いさせられてんの自分なのに…
自分のことはそっちのけで
臣さんのことばっかり考えてんだもん…。
◇)ね。いつでも臣さん第一なんだよ…。
♡ちゃんてそういう子だよね…。
岩)愛だねぇ…。
◇)だねぇ…。
ってあたしらは
どこのじいちゃんばあちゃんだw
岩)じゃあ俺ちょっと報告するわ。
◇)あ、そっか、そうだね。
剛典が電話をかけてる横で、
あたしも携帯をバッグから出したら…
『臣さんとワンチャン決めてきます!!✨』
◇)はぁ!?
Rちゃんから来てたLINEを思わず二度見。
◇)……はぁ…、もぉぉ……。
どうしてあの二人の周りはこう
せわしないの??
やっと仲直りしたばっかりなんだから…
そっとしておいてあげてよぉぉ!!
ーendー
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橘の襲撃、、、♡ちゃんかっこいい♡
一難去ってまた一難、、、。
Rちゃーーん。゚(゚´ω`゚)゚。
でも、今の臣君と♡ちゃんは最強だから誰にもワンチャンはないはず(*´꒳`*)
そう願いたいところです…(ฅ¯ω¯ฅ )
橘爆弾炸裂!!
あんだけ、臣くんに拒否られてるのに気付かないし。しかも、あんな写真まで撮ってるとか怖すぎです。
♡ちゃんが無事で良かった~。
♡ちゃんに何かあったら本当に臣くん発狂してましたね。゚(゚^∀^゚)゚。
Rちゃぁぁんm(__)m純粋な恋心っていうのはわかるんですけどやめてぇぇ!!っていうか臣くんが悪いですよ!!早く気づいてお願いだから!
ハラハラドキドキ(*´-`)
更新ありがとうございます♡
Rに関しては臣くん鈍男ですからねぇ。゚(゚^∀^゚)゚。