〈55〉無償の愛

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臣)やっべ!急がなきゃ!
E)ん?今日なんかあんの?
臣)♡たちと飯食うの!
  ハルくんと初対面!
皆)えええ!!!
隆)ハルくんと!?
岩)ついに?!
N)マジで!?
 
 
俺は急いで衣装を脱ぎ捨てた。
 
 
健)ハルくんに負けんなよ!
直)頑張れ臣!
臣)あい!行ってきます!!
 
 
急いでタクシーに乗り込んで、
♡にすぐにLINEした。
 
LIVEは無事に終わって、
みんなもう揃ってるらしい。
 
 
臣)ふぅ…。
 
 
なんか緊張してきた。
いよいよハルくんと顔を合わせるんだ。
 
 
♡と話してるとこを
盗み見たことしかないけど…
すげぇ優しそうな印象だった。
好青年って感じで。
 
でもそれは♡にだけで、
俺にはめっちゃ挑戦的だったらどうしよう。
 
 
でも。
 
もし例えハルくんが
宣戦布告してきたとしても
俺は絶対負けない。
 
 
俺は誰よりも♡を好きな自信があるし、
♡もそうだって、信じてるから。
 
 
臣)あの、待ち合わせで…
店)はい、お待ちしておりました。
  ご案内いたします。
臣)…っ
 
 
ドキドキ、ドキドキ、
 
 
店)こちらのお部屋でございます。
臣)ありがとうございます。
 
 
ドキドキ!ドキドキ!
 
 
ゆっくりとそのドアを開けたら…、
 
 
♡)あ、臣くんっ!♡
 
 
真っ先に♡の笑顔が飛び込んできて、
少しほっとした。
 
 
臣)ごめん、遅くなった。
♡)大丈夫だよー♡
  お仕事お疲れさまっ♡
 
 
♡が俺の上着をハンガーにかけてくれた。
 
 
臣)えっと…、
 
 
「初めまして」
そう言おうとしたら、
それより先に、♡が俺を紹介してくれた。
 
 
♡)臣くんですっ♡
ハ)初めまして。
♡)ハルくんとアキさんだよ♡
臣)初めまして。
ア)初めまして。
 
 
頭を下げて挨拶すると、
「なんか皆よそよそしい」って瞬が笑い出して
♡も一緒に笑ってる。
 
 
臣)いや、だって…初めましてだし…w
ハ)お会いできて嬉しいです、登坂さん。
臣)…っ
ハ)♡からいつもお話は聞いてます。
 
 
ハルくんはとても柔らかな笑顔でそう言った。
 
 
臣)俺も…ハルくんの話は
  いつも聞いてます。♡から。
ハ)え…っ
臣)ほんとハルくんのこと大好きみたいで、
  こいつ…w
♡)えっへへ♡
ハ)……///
 
 
♡が無邪気に笑いかけると、
ハルくんは少し照れたように目を伏せた。
 
 
瞬)臣さん、何飲みますか?
臣)ああ、ビールで。
瞬)はい!
 
 
それからみんなで乾杯をして。
 
俺と♡はボリビア旅行のお礼を二人に伝えた。
 
 
♡)本当に本当に綺麗だったんだよぉ♡
  すごかったの!
ハ)良かったねw
♡)すっごく素敵でね、
  写真もいっぱい撮ったんだよぉ!
  ね、臣くんっ♡
臣)うんw
瞬)いいなー。俺も行ってみてぇー。
ア)その際はアーサーとエイミー
  紹介するわよw
瞬)ぜひお願いします!w
臣)あの…本当にお世話になりました。
  ありがとうございました。
  旅行の費用って…、
ア)ああ、それなら気にしないで。
臣)え…?
 
 
アキさんは綺麗な顔でニコッと微笑んだ。
 
 
ア)♡ちゃんがね、
  うちの会社のCMの出演料、
  受け取ってくれないから。
ハ)そうなんですw
  だから旅行の費用は全部
  こちらで負担させてください。
臣)ええ!?
♡)ダメだよそんなの!
ハ)いいんだよ、出演料の代わりってことでw
ア)二人が楽しんでくれたなら何よりよ。
♡)アキさん…っ
ハ)アーサーとエイミーも
  本当に楽しかったって喜んでたよ。
♡)うん!本当に楽しかったの!
  二人とも大好きっ!
ハ)うん。
 
 
ハルくんは優しく笑って頷いた。
 
 
臣)俺からも…本当にありがとうございます。
ア)いいえ♡
臣)……。
 
 
なんだろう。
 
アキさんはすげぇ美人なんだけど…
なんか隙がないというか…
 
♡に対しては優しいんだけど、
俺に対してはなんか違う。
 
 
時折向けられる視線が
鋭いような気がするんだけど…、
 
俺の気のせいかな??
 
 
♡)じゃじゃーーーん!
  こちらがボリビアのお土産でーす!♡
ハ)わぁ、すごいね!
♡)これがハルくんとアキさん♡
  こっちは瞬と美花ちゃんね♡
瞬)おおお!ありがとう!
♡)どっちもカップルで色違いで
  お揃いなんだよー♡
ハ)…っ、そっか、ありがとう。
臣)……。
 
 
ハルくんの今の反応…。
やっぱり…、
 
 
ア)……。
 
 
はっ…!
 
またアキさん、俺のこと見てる?!
怖いんですけど!?
 
 
ハ)ありがとう、♡。
♡)うんっ♡
ハ)大事に使うね。
♡)うんっ♡
 
 
それに対してハルくんは…
もともと俺が抱いてたイメージそのまんま。
 
 
すげぇ優しく笑うし、
なんかそう、♡の男版みたいだ。
 
 
笑顔が太陽みたいにあったかくて
誰からでも好かれそうな好青年。
 
人から嫌われることがなさそう。
 
マジで♡みたい。ほんと似てる。
 
 
♡)わぁハルくん似合うーー!♡
ハ)ほんと?w
♡)うんっ!
  その色ね、絶対ハルくんだと思ったの♡
ハ)ははは、ありがとうw
 
 
♡は相変わらず無邪気に懐いてるし。
 
 
♡)あとね、あとね、まだあるんだよー♡
ハ)え?
♡)はいっ、これ♡
臣)!!!
 
 
そ、それは…っ
 
 
♡)バレンタインのチョコだよー♡
  明日バレンタインでしょ?
  これはアキさん♡
ア)私にまで?いいの?
♡)もちろんですっ♡
ア)ありがとう♡
♡)こっちはハルくん♡
ハ)…っ、あり…がとう。
♡)こっちは瞬の。
  これは美花ちゃんにあげてね♡
瞬)やったーーw
  美花も喜ぶわ。ありがとw
♡)うんっ♪
臣)…っ
 
 
ちょっと待てちょっと待て。
 
俺まだ貰ってないんですけど!?
 
 
本命の俺を差し置いて
他の人たちに先に渡すとは
どういうことなわけ?!
 
 
ア)……くす…っ
臣)はっ…
 
 
俺の心を読んだかのように
アキさんがクスッと笑った。気がする。
 
 
♡)いつもお世話になってるお礼だよー♡
ハ)ありがとう、嬉しいよ。
♡)えへへ♡
臣)……。
 
 
もやもやもや…
なんだこれ。
 
……いや、俺はこんなことで
ヤキモチなんか妬かないぞ。
 
彼氏の余裕だ。ふん。
 
 
瞬)姉ちゃん昔は毎年
  ハル兄に作ってたもんね。
  懐かしいなーw
♡)えへへ♡
 
 
ヤキモチなんか…
 
 
ハ)うん…。全部美味しかったよ。
  ありがとう。
♡)……うん///
 
 
ヤキモチなんか…、、
 
妬くに決まってんだろがコラァァァ!!
 
 
お前今ハルくんに恋してた小学生に
ちょっと一瞬戻っただろ!
 
彼氏の余裕なんか
一瞬でぺしゃっとなったわ!
 
 
ア)ふふ、♡ちゃんいつも登坂くんに
  どんな話してるの?ハルのこと。
臣)…っ
ア)さっきハルのこと大好きだって
  登坂くんが言ってたからw
臣)…っ
 
 
なんだなんだ?
なんかアキさんが余裕の笑みで
ぶっこんできたぞ?
 
 
臣)どんな、って…、、
  まぁとにかく…ハルくんのことが大好きで
  家族みたいに大事だって…
  いつもいつも…言ってます。
ア)へぇ、そうw
臣)……。
 
 
この人…、読めない。
 
なんつーか…
ハルくんが♡の男版なら
この人はバラ男の女版みたいな感じ。
 
 
ア)いつもそんなこと言ってるの?
  ♡ちゃんw
♡)はいっ♡
ア)登坂くん、ヤキモチ妬かないの?
  大丈夫?w
臣)!!!
 
 
またぶっこんできたーー!!
 
 
臣)♡がハルくんを家族みたいに
  大事に思ってるのは
  俺も理解してるんで。
 
 
俺はめいっぱいの作り笑顔で
ニコーーッと返してやった。
 
 
ア)あら、そう。
  包容力のある彼氏。素敵ね。
♡)えへへ♡
臣)……。
 
 
読めん!
なんなんだこの人!
 
 
♡)臣くんもハルくんも
  本当に本当に大好きで
  私の大事な人だから…
  早く二人を会わせたかったんだー♡
  だから今日は嬉しい♡
ハ)…っ
♡)なんかね、パパに彼氏を
  紹介するような気分!
臣)ええ!?
 
 
なんじゃそりゃ!!
 
 
瞬)それちょっとわかるかもw
 
 
わかるんかいっ!!
 
 
瞬)ハル兄ってほんと家族みたいだから…
  俺も美花を会わせる時、
  そんな感じだったw
♡)ねっ、だよねっ♡
ア)ハルは♡ちゃんたちのお父さんみたい
  ってこと?ふふw
♡)うん、一番近いかも…。
ハ)…っ
♡)ハルくんとパパは一番近い♡
ハ)…っ、……ありがとう。
 
 
そう言ったハルくんは、本当に嬉しそうで…
どこか感動してるように見えた。
 
 
臣)……。
 
 
♡への表情とかずっと見てても
確かにそうなんだよ…。
 
 
なんていうんだろ。
 
♡への恋心は絶対あると思うんだけど…
それよりもなんだか…、、
 
ほんとにそう、父親みたいな感じ。
 
 
♡を見つめる瞳が、慈愛に満ちてるというか…
 
レイジさんがもし生きてたら
きっとこんな人だったんじゃないかなって
そう思うくらい。
 
 
ハ)それは俺にとって…
  何より嬉しい言葉だよ…。
  ありがとう、♡。
♡)うん…♡
 
 
家族のように育ったなら…
きっとハルくんもレイジさんのことが
大好きだったんだろうなって…
 
ハルくんの表情を見て、強く思った。
 
 
臣)あ、…ごめん!電話だ。
 
 
げ、松浦さんじゃん。
やべ。
そういえば俺、折り返ししてなかったや。
 
 
臣)ちょっと出てくる。
♡)うん。
 
 
俺はささっと部屋を出て、電話に出た。
 
 
臣『お疲れさまです!
  すみません、
  先日ご連絡頂いてましたよね!』
浦『ん?……ああ、いつだっけ?
  いいよ。飲んでた時だきっと。』
 
 
はい…そう思ってスルーしました。
 
 
浦『今♡といんの?』
臣『はい!』
浦『お食事会?』
臣『は…い。』
 
 
なんで知ってんだ?
 
 
浦『それ終わったら二人でこっち来いよ。』
臣『えっ…』
 
 
今日は…
これが終わったら真っ直ぐ帰って
♡とHする予定なんです。
 
とは言えないけど、絶対譲れない。
 
  
臣『すみません、この後もちょっと予定が…』
浦『えーー。何時に終わんだよ。』
臣『何時…?』
 
 
俺と♡の熱い熱いHが?
 
 
臣『ええと…、夜中…?
  いや…、朝までかかるかも…。』
浦『じゃあ仕方ねーか。また連絡する。』
臣『はい、すみません!
  よろしくお願いします!』
 
 
……ふぅ。危なかった。
 
 
今日は絶対誰にも邪魔させねーぞ!
絶対♡とHすんだから!!
 
ほんとに朝までかかるかもしれないくらい
めちゃくちゃ抱くんだから!
決めてんだから!
 
 
臣)あ。
 
 
鼻息荒く、部屋に戻ろうとすると…
丁度アキさんと出くわした。
 
 
ア)ふふ、用はもう済んだ?
臣)はい。
 
 
アキさんは壁にふわりともたれて
俺を見た。
 
 
ア)♡ちゃん、本当に
  ハルのことが大好きで大好きで
  仕方ないみたいねw
臣)…っ
 
 
急に…なんだ?
 
 
ア)隣に彼氏がいるのに
  ハルくんハルくん、って…
  ハルのことしか見てないんだもんw
 
 
は…?
 
 
ア)自分で気付いてないだけで…
  本当に好きなのはハルだったりして…ねw
臣)……。
 
 
何が言いたいんだよ。
 
 
臣)アキさん…さっき俺に聞きましたけど…
  ご自分こそヤキモチ妬かないんですか?w
ア)私が…?ふふ、w
 
 
アキさんは意味深に微笑んで
自分の腕をさらりと撫でた。
 
 
ア)♡ちゃんに対して「嫉妬」なんていう
  低俗な感情、持ち合わせてないわ。
臣)…っ
ア)あるとしたら「羨望」。
  羨ましくて仕方ない。
  ハルにあんなに愛されてる♡ちゃんが。
臣)…っ
 
 
羨ましいって…なんで。
 
本当に付き合ってるなら…
自分だって愛されてるはずだろ…?
 
 
臣)羨望と嫉妬なんて…
  紙一重じゃないですか?
ア)違うわ。
  私は♡ちゃんにヤキモチなんて妬かない。
  ハルが誰よりも♡ちゃんを愛していて
  何よりも大事にしていること、
  私が一番、理解しているから。
臣)…っ
 
 
そう言い切ったアキさんの目は…
あまりに力強かった。
 
 
……なんだよそれ…。
 
やっぱり…
ハルくんが♡を好きだって、
そう俺に言いたいわけ?
 
 
臣)……誰よりも愛してて…
  ……何よりも大事にしてるって…、、
  アキさんがいるのにおかしいでしょ…w
ア)どうして?
臣)一番はアキさんじゃないんですか?
ア)ハルの一番は♡ちゃんよ。
  今までもこれからも、ずっとそう。
  一生変わらないわ。
臣)…っ
 
 
なん…で…、
 
それで…いいのかよ。
 
 
つーかやっぱほんとは
付き合ってねーだろ、あんたら。
 
……って、言いたいけど…言えない。
 
 
アキさんの目力が、あまりにすごくて。
 
美人ってこういう時、怖い。
 
 
この人は俺にこんなこと言って、
どうしたいんだ?
 
わからないけど…
 
 
何がどうであれ、
俺の気持ちは絶対変わらない、揺るがない。
 
 
臣)ハルくんとアキさんのことは
  わからないですけど…、
  俺は♡を愛してます。
  一生かけて♡を幸せにする覚悟があるし
  それは命をかけて、誓えます。
  
 
俺が真剣にそう言うと、
アキさんはしばらく俺の目をじっと見た後、
クスッと笑った。
 
 
ア)急になぁに?
  私に誓われても困っちゃうw
  それは♡ちゃんに言ってあげたら?
臣)…っ
 
 
急に拍子抜けするくらい
空気が柔らかくなった。
 
マジでなんなのこの人。
ほんと読めないんだけど!!
 
 
瞬)あ、戻ってきた!
♡)おかえりー♡
 
 
俺たちが部屋に戻ると、
瞬が改まって背筋を伸ばした。
 
 
瞬)実は、ハル兄とアキさんに
  お願いがあって。
ハ)ん?
ア)なぁに?
瞬)5月にやる結婚式に
  ハル兄とアキさんにも来て欲しいなって…
臣)…っ
 
 
マジか。
 
いや、そりゃそうだよな。
 
瞬にとってもハルくんは
家族みたいな存在だって言ってたし…
本当の兄貴みたいなもんなんだろうな、
きっと…。
 
 
ハ)ありがとう。
  ぜひ祝わせてほしいな。
ア)ええ。
瞬)やったーーー!
♡)良かったねー♡
瞬)うん!先週Tさんにも会えたし
  これでみんなOKもらえたー♡
♡)Tくん?
瞬)うん。Tさんと海璃ちゃんと
  ご飯食べたんだ。
 
 
なにぃっ!?
 
 
瞬)その時にお誘いしたら快諾してくれて。
♡)そうなんだ!
臣)…っ
 
 
なんか…
結婚式楽しみだなーなんて
のんきに思ってたけど…
 
Tもいてハルくんもいて…
俺的にはなんかカオスじゃない?
 
 
瞬)あの二人ほんとラブラブだったわーw
♡)ふふふ、そうでしょー♡
臣)…っ
 
 
そっか、Tにはもう海璃ちゃんがいるんだし
俺が注意すべきは、ハルくんだけか?
 
 
ハ)楽しみにしてるよ、瞬。
瞬)うんっ♡
 
 
いや、むしろハルくんというより…
アキさんか?
 
 
チラッとそっちを見たら丁度目が合って。
アキさんは綺麗にスッと微笑んだ。
 
 
臣)…っ
 
 
マジで何考えてるかわからん。
美女の微笑み、怖すぎる。
 
 
「♡ちゃん、本当に
 ハルのことが大好きで大好きで
 仕方ないみたいねw」
 
 
んなこと言われなくてもわかってるし。
 
でも♡の彼氏は俺だし。
 
 
「隣に彼氏がいるのに
 ハルくんハルくん、って…
 ハルのことしか見てないんだもんw」
 
 
んなことねぇもん。
♡は…、
 
 
「自分で気付いてないだけで…
 本当に好きなのはハルだったりして…ねw」
 
 
臣)…っ
 
 
なんか…
さっき言われたことが
頭ん中ぐるぐるしてる。
 
 
♡)ねっ、楽しみだね、臣くんっ♡
臣)……。
♡)臣くん?
臣)ああ、え?なに?
♡)もぉ!聞いてなかったのぉ〜〜!
臣)ごめんごめんw
 
 
♡のほっぺが膨らんじゃった。
 
 
♡)またみんな会えるし、
  結婚式本当に楽しみだねって言ったの!
臣)ああ、うん。そうだな。
♡)えへへ♡
 
 
♡は嬉しそうに笑って
こそっと俺に耳打ちしてきた。
 
 
♡(またお揃いの服、着たいね♡)
臣)ははっ、そうする?w
瞬)なになに?
♡)内緒だよっw
瞬)なんだよ〜!気になるじゃん〜w
 
 
俺は♡の可愛いおねだりが、嬉しくて。
 
 
臣(また用意しとくよ。)
 
 
こそっと耳元で返事したら、
♡はこてんと一瞬、俺にもたれてきた。
 
 
♡)えへへ、嬉しい♡
  ありがとう、臣くん♡
  楽しみっ♡
臣)////
 
 
ああ、そうだよ。
俺にはこの笑顔がある。
 
なんでも吹き飛ばしてくれるくらい、
威力のある笑顔。
 
 
自信をなくしかけても…
♡の笑顔がそばにあれば
俺はなんだって出来る気がするんだ。
 
 
ハ)♡は…いつも笑顔で元気だけど…
  登坂さんの隣で笑ってる♡が…
  一番可愛いね…。
♡)えっ…///
臣)…っ
 
 
ハルくんがそんなこと言うなんて、
少しびっくりして
俺は♡からハルくんに視線を移した。
 
 
ハ)本当に幸せなんだね、♡。
♡)うん、幸せだよ…///
臣)……。
 
 
どんな気持ちで言ってるんだろうって
思ったけど…
 
ハルくんの瞳は本当に優しくて、
♡の幸せを誰より願ってるような…
そんなあたたかさに、満ち溢れてる。
 
 
俺は…自分の好きな女が
自分のものにならないのに…
その想いは一生叶わないのに…
こんな風に優しく、笑えるだろうか。
 
こんな風に相手の幸せを
純粋に願えるだろうか。
 
 
無償の愛。
それって究極だと思う。
 
 
ハルくんて…すごい。
 
さすが…♡がずっと好きだった男だなって…
そう思ったらなんか
一生敵わない気がしてくるけど…
 
俺は勝手に敗北感を感じてる場合じゃなくて。
 
その分も♡を全力で幸せにするんだ。
 
 
ハ)♡や瞬が…こんな風に
  幸せそうに笑ってると…
  俺は本当に嬉しいんだよ。
♡)ハルくん…っ
瞬)…っ、ハル兄…、
  ほんとに父ちゃんみたいじゃん…
ハ)ははは、ほんとだね…w
  でも…レイジパパも絶対そう思ってるよ。
  二人の幸せを、誰より願ってる。
♡)パパは…っ!
  パパはハルくんの幸せも願ってるよ!
ハ)…っ
♡)絶対絶対、願ってる。
  私たちと同じくらい!
  だって、あんなにいっぱい…っ
 
 
言いかけて詰まった♡の言葉を、
ハルくんが優しく拾い上げた。
 
 
ハ)あんなにいっぱい、愛してくれたもんね。
♡)…っ
ハ)忘れないよ、一生。
♡)……うんっ。
瞬)父ちゃんは絶対…、
  空の上から見守ってくれてるから…
  俺たちはいつも笑顔でいよう。
  幸せになろう。
  父ちゃんを安心させてあげよう。
ハ)うん、そうだね…。
♡)うんっ。
 
 
……ああ、これが家族の絆なんだなって、
それを目の当たりにして、強く感じた。
 
きっとアキさんも同じだ。
そんな顔してる。
 
 
臣)……。
 
 
俺が一度も会ったことない
レイジさんとの思い出を
♡たちと同じくらい
たくさん持ってるハルくんを
羨ましく思うけど…
 
俺も約束したから、レイジさんに。
 
 
俺が♡の側にいて
一生、愛していくって。
守っていくって。
 
必ず、幸せにするって…、約束したから。
 
 
臣)♡…、愛してるよ。
♡)えっ…///
 
 
自然とこぼれた言葉。
 
 
♡)急に…どうしたの?///
臣)思ったから言っただけ。
♡)////
瞬)出たぁーーー!
  臣さんのずるいやつーー!///
臣)え?
瞬)臣さんってば…もう!ほんとにもう!///
ア)どうして瞬くんが悶えてるのw
♡)瞬、変な子なんです、すみません。
ハ)あはははw
 
 
ハルくんは優しく笑った後、
まっすぐに俺を見た。
 
 
ハ)♡は…僕にとって…
  本当に本当に大切な存在なんです。
臣)…っ
ハ)どうか♡のこと…、
  よろしくお願いします。
臣)……。
 
 
ハルくんのその言葉は…
強がりでも牽制でも、宣戦布告でもなくて…
 
ただ純粋に、♡の幸せを願ってる言葉だった。
 
 
臣)絶対…幸せにするよ…。
  俺の人生かけて。約束する。
ハ)……はい。
 
 
ハルくんは優しい笑顔で頷いた。
 
 
♡)臣くん…っ!私もだよっ!!
臣)へ!?
 
 
♡が俺の腕をむんずと掴んだ。
 
 
♡)私の人生かけて、臣くんを幸せにする!
  約束するよっ!
臣)…っ
 
 
♡の宣言に、ハルくんはまた優しく笑った。
 
 
ハ)じゃあ俺は…そんな♡を応援してる。
  ずっと…見守ってるよ。
♡)えへへ…ありがとう♡♡
 
 
二人は優しく笑い合った。
 
 
ア)結婚するのは瞬くんなのに
  ♡ちゃんみたいになってるじゃない。
ハ)あははは、ほんとだねw
瞬)姉ちゃんと臣さんも
  いつか結婚式する?
臣)うん。するよ。
瞬)へへ、楽しみだなーー♡
 
 
その時はハルくんにも来て欲しい。
 
自然とそう思った。
 
 
俺は…、
ウェディングドレスを着た♡の隣に
胸を張って立てるように…
 
それまでしっかり男を磨くから。
 
 
だから…
 
 
♡)臣くん、大好き♡
 
 
この天使のような笑顔が…
 
ずっと俺のそばに…いてくれますように…。
 
 
 
 
 
 
ー続ー

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  1. ひな より:

    これはキュンキュンですね笑
    アキさん怖い(´・_・`)
    更新ありがとうございます♡

    • マイコ より:

      アキさん怖がらないであげてくださいー。゚(゚^∀^゚)゚。笑

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