〈38〉真っ白な世界で

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あ…れ…?
 
 
♡)……っ
 
 
目が覚めたら、すごくあったかくて…
 
いつもと同じ朝の感覚に
一瞬、戸惑った。
 
 
だって私…、今…、
臣くんにぎゅってしてもらってる…。
 
 
……確か昨日は…
私、ソファーで先に寝たんだよね…?
 
臣くんが私と一緒に寝るの
嫌だろうなって思って…
 
 
……でも。
 
 
♡)……///
 
 
臣くんが…ベッドに運んでくれたのかな…?
 
 
とくん…とくん…とくん…
臣くんの鼓動が聞こえてくるこの場所。
 
大好きなぬくもり。
 
臣くんの優しさに、また涙が出てきそう…。
 
 
……少しでも、こうしてたい。
この胸の中にいたい。
 
 
私はもう一度目を閉じて、
この幸せを噛みしめた。
 
 
臣くんが側にいてくれること。
こうして抱きしめてくれること。
 
何一つ、当たり前じゃない。
全部、全部、尊いの…。
 
 
臣)……ん…、
♡)!!!
 
 
臣くん、起きちゃう!?
 
 
私はぎゅっと目を閉じて
必死に寝てるフリをした。
 
 
臣)……え、
  え?……わ、なんで!?///
 
 
かすれた寝起きの声で
慌てた様子の臣くんは、
多分腕の中に私がいることに
驚いてるんだと思う…。
 
 
♡)…っ
 
 
臣くんが運んでくれたんじゃ…ないのかな…?
 
 
もしかして…
私がただ寝ぼけてベッドに潜り込んで…
勝手に臣くんに抱きついただけ、とかだったら
どうしよう…っ。
 
 
臣)……そ…っか、…えっと…、///
 
 
小さな声で呟いてる臣くんは…
ずっとオロオロしてて…、でも。
 
 
臣)////
 
 
……ぎゅっ。
 
 
その後にもう一度ぎゅっと
私を抱きしめてくれた。
 
 
♡)////
 
 
ドキドキドキ…ドキドキドキ…
 
 
どうか…気付かれませんように…。
どうかこの胸の音が聞こえませんように…。
 
 
……どうして…
抱きしめてくれるの…?
 
嬉しくて…、泣いちゃいそうだよ…。
 
 
臣)はぁぁぁ……///
 
 
臣くんは何かを噛み締めるような
深い息を吐くと…
 
そのまま私の頭を抱え込むようにして
またぎゅってしてくれて…
 
 
♡)////
 
 
とても大事そうに扱ってくれるその手つきに
私は胸がきゅぅぅっとなった。
 
 
……ダメ、我慢できない。
 
 
ぎゅぅぅぅ……///
 
 
臣)えっ///
 
 
臣くんにしがみついて、
スリスリすり寄ったら…
 
 
臣くんは少し戸惑ったような声を上げて、
でも私を受け止めてくれた。
 
 
臣)寝ぼけ…てんのかな…///
♡)////
 
 
ううん、起きてるよ…。
 
 
臣)……かわい…///
♡)////
 
 
寝てるフリして…ごめんなさい。
 
 
大好き…。
大好き、臣くん…。
 
 
………チュッ
 
 
♡)!!?
 
 
え、え、今…、キス…された?!
 
まぶたに…
柔らかい感触がしたけど…
 
え??///
 
 
臣)はぁ……、///
♡)////
 
 
き、気のせい…かな?
……でも、確かに…感じたけど…
 
 
ドキドキドキ…ドキドキドキ///
 
 
どうしよう。
心臓の音が今にも聞こえちゃいそうだし
顔が熱い…///
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
どうしよう。
♡が好き。大好き。
 
 
朝起きたら俺ってば
我慢出来なかったのか、
ちゃっかり♡を抱きしめてて、ビビった。
 
 
でも…
その後、♡も寝ぼけながら
俺にぎゅぅってすり寄ってきてくれて…
 
それが可愛くて、嬉しくて、たまんなくて。
 
 
臣)////
 
 
大好き。大好き。大好き。
止まんない。
 
 
♡はやっぱり疲れてるのか
爆睡してるみたいで…全然起きないから。
 
それをいいことに、腕の中に閉じ込めて…
このぬくもりと幸せを
死ぬほど噛みしめてる。
 
 
こうして抱きしめてると…
本当に本当に愛しくて…
宝物を抱きしめてるような気持ちになるんだ。
 
 
臣)……♡、
 
 
愛しくて思わず呼んだ名前。
 
 
もう一度だけ…キスしてもいいかな…。
 
触れたい。唇で。
……愛しさが溢れて、止まらないから。
 
 
スヤスヤ眠ってる、その瞼に…そっと…、
 
 
チュッ。
 
 
臣)////
 
 
……ああ、爆発しそう。
 
 
愛しくて。
 
好きな気持ちが、止まらない。
 
 
ピピピピ!ピピピピ!
 
 
臣)わっ!///
 
 
アラーム音にびっくりして
思わず声を出しちゃった。
 
 
♡)…っ
 
 
あ、♡の目が開いた。
 
 
臣)////
♡)////
 
 
ど、ど、どうしよう…
 
今起きたんだよな?
 
俺が勝手に抱きしめてたのもキスしたのも
バレて…ないよな…?
 
 
臣)おは…よ…///
♡)……(こくん)///
臣)////
 
 
え、「こくん」って何…?
大丈夫?バレてない?
 
 
♡)////
 
 
何も言わない♡は
なんだか熱を秘めたような瞳で
俺をじっと見つめてる。
 
 
臣)////
 
 
何その可愛い顔。
俺、誘惑されてる…?
って変な勘違いしそうになるから
やめてほしいんだけど…///
 
 
臣)……あ、……えっと…
  ソファーじゃ…疲れ取れないから…
  こっち動かしたよ…。
♡)……(こくん)///
 
 
また「こくん」だーー!!
 
 
♡)あり…がとう///
臣)あっ、うん///
 
 
やっと喋った。
可愛い。♡の声。
 
……って俺は何言ってんだ朝っぱらから。
どんだけメロメロだよ。
 
 
臣)眠れた…?
♡)……(こくん)///
臣)早いけど…用意しよっか…///
♡)うん…。
 
 
今日は早朝の便でウユニへ向かう。
 
 
俺は♡が可愛すぎて
また抱きしめたくなる気持ちを
グッと堪えて顔を洗って
朝の支度を済ませた。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
臣くんが大好き。
 
 
今日どこかで時間が出来たら…
今度こそちゃんと伝えよう。
 
 
もう一度そう決意できたのは、
臣くんのぬくもりに包まれて
勇気をもらえたから。
 
 
♡)////
 
 
どこまでも意気地なしで情けないけど…
 
臣くんがあんなに優しくぎゅってしてくれて…
2回もキスしてくれた。
 
 
マイナス思考になってた私を
一気に変えてくれたんだ。
 
 
大好き…。
 
ありがとう…///
 
 
ア)オハヨウ!!
エ)チャント眠れた?
 
 
ロビーに降りると
アーサーとエイミーは朝から元気いっぱい。
 
 
空港に向けて出発する車に乗り込んだら、
また臣くんが私の手をきゅっと握ってくれた。
 
 
♡)////
 
 
すごく自然で、優しくて。
 
 
どうしてだろう。
昨日からずっとそう。
 
臣くんがこうして手を繋いでくれるだけで
嬉しくて泣きそうになるの。
 
 
私どれだけ臣くんのこと
大好きなのかな…。
 
 
ア)ウユニへは飛行機で1時間も
  かからナイヨ!
臣)へぇ、近いんだね。
エ)晴れとったら飛行機の窓からも
  塩湖が見えたんヤケド…
  今日は曇り空ヤカラ…ごめんなー。
 
 
エイミーが残念そうにそう言った。
 
 
ウユニ塩湖の綺麗な鏡張りが見られる条件は
湖に水があって、晴れていて、
さらに風がないことなんだって。
 
 
だから曇ってる今日は難しいかなって
二人はガックリ肩を落としてる。
 
 
臣)大丈夫、俺晴れ男だからw
ア)ええっ、ホント?w
臣)ほんとほんと!きっと晴れるよ!
エ)アハハハ、オミお願いね!w
臣)なっ?
♡)…っ
 
 
臣くんがニコッて笑って
私を見た。
 
私はその笑顔にキュンキュンして
言葉が出てこなくて…
 
 
♡)(こくん)///
 
 
頷くのが精一杯だった。
 
 
それからウユニへのフライトは
本当にあっという間で…
 
飛行機は乗ったことないくらい小さい
可愛い機体だった。
 
 
飛行機を降りるとまた頭がグラッとして
足元がフラついて…
 
 
臣)大丈夫か?
 
 
咄嗟に支えてくれた臣くんにしがみついた。
 
 
♡)はぁ…、はぁ…、
 
 
今日は大丈夫かと思ったけど…
やっぱりしんどい。
 
薬、飲んだのにな…。
 
 
エ)マタ高山病なってモータ?
♡)……だい…じょーぶ。
臣)無理すんな。休も。
♡)ううん、
 
 
折角ここまで来たのに…
 
 
ア)無理したらダメダヨ。
  ホテルにチェックインしたら
  少し休んでから出発シヨウ。
♡)でも…っ
臣)俺もしんどいから休みたい。
♡)…っ
 
 
また臣くんは優しいからそう言うんだ。
 
 
臣)一時間くらい休んでいい?
  それから体調見て出掛けない?
ア)ウン!いいね!そうシヨウ!
エ)とりあえずホテル着いたら
  すぐ酸素吸入して休モウナ!
♡)……うん、ありがとう。
 
 
今日のホテルは塩湖のほとりの
塩のホテル。
 
アーサーとエイミーは
いつもここで働いてるんだって。
 
 
チェックインしたらすぐに酸素吸入をして、
部屋まで案内してもらった。
 
 
♡)わぁ…すっごく可愛い♡♡
 
 
ホテルの中も全部綺麗でオシャレで
可愛かったけど
部屋の中もとっても素敵!
 
 
♡)全部可愛いよぉ…♡♡
臣)はい、それは後でな。
♡)あっ…
 
 
カメラを取り上げられちゃった。
 
 
臣)休みなさい。
  はしゃいだらまた身体に負担になるぞ。
♡)……はい、ごめんなさい。
 
 
そうだった。
すぐ身体にくるんだった。気をつけないと。
 
 
アーサーとエイミーが待ってくれてるから
この一時間でしっかり回復しないと。
 
 
♡)臣くんは…大丈夫?
 
 
私ほど息切れはしてないけど
やっぱり臣くんも辛そうなんだよね…。
 
 
臣)大丈夫。休んだら良くなるよ。
♡)そっか。
臣)ほら、ベッド行け。
♡)……。
 
 
私にそう言った臣くんは、
ソファーに横になった。
 
私は言われた通りに
大きなベッドで横になったけど…
 
臣くん…身体痛くないのかな…。
 
 
塩レンガで作られてる家具は
全部オシャレだけど…固そう。
 
 
臣)……。
♡)……。
 
 
あ、目が合った。
 
……あ、臣くんが…優しく笑った。
 
 
♡)////
 
 
ふと笑ってくれたその笑顔だけで
すごく安心して、こんなに嬉しくなるの。
 
 
臣)……。
♡)……。
 
 
こうして見つめ合ってたら
それだけで「好き」って…伝わりそう…。
 
 
大好き…。
 
大好き…。
 
 
臣)……やっぱり…
♡)え…?
 
 
臣くんがゆっくり起き上がった。
 
 
臣)俺も…、…そっち行っていい…?
♡)…っ
 
 
わ、なんか…ドキドキする、どうしよう…っ
 
だって…
朝は寝たフリしてたし…っ
 
 
臣)……やっぱいいや、ごめん。
♡)や、やだっ!!
臣)え?
♡)来て!!
臣)…っ
 
 
思わずそう言うと、
臣くんは少しためらいがちにこっちに来て
ゆっくりとベッドに入った。
 
 
臣)ごめんな。
♡)ごめんじゃないよっ!
臣)…っ
♡)ちゃんと…休もう…?
臣)……うん。
 
 
臣くんの方を向いてそう言ったら
臣くんも身体をこっちに向けてくれた。
 
 
♡)……。
臣)……。
  
 
さっきより、見つめ合う距離が…
グッと近くなって…
 
 
♡)////
臣)////
 
 
なんか…すごく恥ずかしい。
 
 
……見つめ合ってるだけで、
ほっぺがぽかぽかしてきた…。
 
 
臣くんの目が…
少しうるうるしてる気がするのは
気のせい…かな…?
 
 
……朝みたいに…
ぎゅって…抱きしめてほしい…。
 
 
……ダメ…かな…?
 
 
♡)////
 
 
抱きしめてほしくて仕方ないのに…
そんなこと自分から言い出せるわけがなくて…
 
恥ずかしくなった私は
布団の中に潜り込んだ。
 
 
臣)♡…?
 
 
優しく…呼ばないで…。
甘えたくなるから…。
 
 
臣)♡…、どうした…?
♡)あ、っ
 
 
布団をめくられて…
臣くんが心配そうに私を見てる。
 
 
臣)潜ったら苦しくないの?
♡)////
 
 
ドキドキしてる心臓の方が
苦しいんだもん…。
 
 
臣)大丈夫か…?
 
 
優しく頭を撫でてくれる、あったかい手。
 
 
♡)////
 
 
好き。好き。どうしよう…。
 
 
「ぎゅって…しても…いい?」
 
 
その言葉が、喉まで出てきたその時だった。
 
 
臣)あの…さ、……ごめん///
♡)え…?
臣)……抱きしめても…いい?
♡)!!!
 
 
臣くんにそう言われて…
私は弾かれたように顔を上げた。
 
 
臣)……抱きしめたい。
♡)////
 
 
……嘘みたい…。
 
嬉しくて、泣いちゃいそう…。
 
 
臣)やじゃなかったら…、来て?
 
 
そう言って広げてくれた両腕の中に、
私は迷わずに飛び込んだ。
 
 
臣)わっ、びっくりした!///
♡)ううう…///
 
 
だって…だって…
 
ずっと、こうしたかった。
こうしてほしかった。
 
 
我慢できなくて…どうしようって思ってたら…
想いが通じたみたいにそう言ってくれたから。
 
 
嬉しくて、泣きそうだよ。
 
 
♡)ぐす…っ///
 
 
あ、ほんとに涙が出てきちゃった。
 
 
大好き。大好き。大好き。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
臣)////
 
 
俺は今、♡を抱きしめたまま、固まってます。
 
 
♡を見つめてたら
好きな気持ちが込み上げてきて…
 
抱きしめたくて、我慢できなくなって。
 
 
嫌がられるかな、とか…
困らせるかな、とか…
怖がらせるかな、とか…
 
頭ん中いろいろグルグル考えまくったけど…
 
やっぱり我慢できなくて。
 
 
素直に伝えたら、
その瞬間、♡が俺の腕に飛び込んで来てくれて
 
すげぇびっくりした。
 
 
びっくりして、でも、嬉しくて。
嬉しすぎて、泣きそうになった。
 
 
♡は必死に俺にスリスリしてて
むぎゅむぎゅしてて…
 
 
臣)////
 
 
それが可愛すぎて死にそうで、
俺はただただ、固まってます。
 
 
♡)ぐす…っ///
 
 
さっきから♡が泣いてるっぽいんだけど…
でも今はとにかく俺にしがみついてるから…
 
俺に出来るのは、
♡をこうして抱きしめることだけ。
 
 
好きだよ、愛してるよ、って…
何度も心の中で呟いて。
 
♡をぎゅっと、強く、抱きしめる。
 
 
抱きしめながら、しばらく頭を撫でてたら…
 
 
腕の中から寝息が聞こえてきて…
♡が寝たんだってわかった。
 
 
そっと寝顔を覗いたら、
安心しきって…スヤスヤ寝てて…
 
 
臣)////
 
 
可愛くて、死ぬ。
 
 
……今日、出発早すぎたかな。
 
こんな早朝便じゃなくて
もう少しゆっくりさせてやれば良かったかな。
 
少しでも今眠れるといいんだけど。
 
 
俺は♡を起こさないように
そっと携帯を手に取って、
アーサーにLINEを送った。
 
 
『♡寝ちゃったから、起きるまで
 寝かせてやってもいいかな?ごめん。』
 
 
そしたらすぐに「もちろんOK」の返事が来て
 
俺も♡のぬくもりに誘われるように
そのまま眠りに落ちていった…。
 
 
 
……
 
 
 

 
 
 
それから俺たちが目を覚ましたのは2時間後。
 
 
ぎゅって抱きしめ合ってたせいか…
お互いの温度に安心して
二人で爆睡しちゃった…んだと思う、多分。
 
 
♡)おは…よ、///
 
 
目が覚めて我に返ったのか…
♡は少し照れたように俯いた。
 
 
臣)おはよ…、///
 
 
なんだこのキュンキュンは。
 
俺、♡が好きすぎるぞ、ほんと…。
 
 
♡)あり…がとう///
臣)え…?
♡)ぎゅ…って…してくれて…
  安心して…眠れたの///
 
 
か、可愛い…っ
 
 
♡)ありがとう、えへへ…///
 
 
あああああああっっ
 
今そんな風に笑うの、ずるくね!?///
 
 
♡)臣くんも…眠れた…?///
 
 
今度は可愛く小首傾げてくるし!
 
 
臣)うん、すげぇ寝れた。ありがと///
♡)////
 
 
ああ、もう!ほんと可愛いな!
 
 
それから二人で準備をしてロビーに向かうと
アーサーとエイミーは
二人で仲良くカードゲームをしてた。
 
 
臣)ごめんね、お待たせ。
ア)ゼンゼンだよー!休めた?
臣)うん、横になったら大分良くなったよ。
エ)あいや、横にナッタン?
  高山病は横にならんと
  座って深呼吸するのがエエネンデ。
臣)えっ!そうなの!?
ア)でも寝てたんだってさ。
  眠れるのが一番ダヨ!
エ)ああ、ソウカ!ほんなら良かった!w
 
 
俺と♡は、思わず目を合わせて、
また逸らした。
 
 
臣)////
♡)////
 
 
2時間、めいっぱい抱きしめ合って…
充電できたのは、きっと一緒だと思うから。
 
 
ア)ヨシ、じゃあ出発シヨウカ!
エ)曇ってんねんケドナ〜〜
  オミ頼むで、晴れにしてや〜w
臣)おうw
 
 
それから4人でまたジープに乗り込んで…
塩湖の中にどんどん進んでいった。
 
入り口部分は濁ってたけど、
中に進むにつれて白くなっていって
そこには果てしない景色が広がっていた。
 
 
ア)今日の天気予報は雨なんダヨナ〜
♡)えっ、そうなの?
ア)そう。今は曇りなんだケドネ。
♡)曇りでも十分綺麗だよ!
臣)うん。すごい。
 
 
窓から見える景色は、真っ白で。
 
 
エ)チャウネン!
  晴れやったらもっとスゴイネン!!
ア)二人に見せたかったんダケドなぁ…
 
 
二人は残念そうにしてるけど、
♡の言う通り、曇りでも十分すごい。
 
二人で手を繋ぎながら
外の景色に見惚れていると、
エイミーが突然叫んだ。
 
 
エ)あああああああ!!
  カメラ忘れてもーた!!
ア)エエエ!うっそ!
エ)ほんまや!ソファーに置いてきてシモタ!
ア)じゃあ仕方ない。
  近いから取りに戻ロウ。
  ゴメンネ、オミ、♡。
♡)ううん、全然いいよ!
エ)あ、ほんなら…
  二人は降ろしてワタシたちだけで
  取りに戻ったらええんチャウ?
ア)ああ、ソウカ、そうしようか?
臣)うん!外に出たい!
 
 
ってことで、俺たち二人は降ろしてもらって
アーサーとエイミーは
カメラを取りにホテルに戻った。
 
 
臣)…っ
 
 
降り立ったそこは、息を飲むような景色。
 
 
♡)なん…か…、天国みたい…。
臣)……う…ん。
 
 
♡が言った通り、
真っ白な天国にいるみたいだ。
 
 
空は白い雲で覆い尽くされてるんだけど
それが湖にも反射してて…
 
 
臣)…っ
 
 
まるで心が洗われるような感覚。
 
 
俺は遠い遠いはるか彼方の地平線を
真っ直ぐに見つめた。
 
 
こういう大自然を前にすると
いつも自分はちっぽけだと感じる。
 
 
余計な感情は、洗い流されて…
ただ一つ、残るのは、とてもシンプルな
自分の気持ち。
 
 
♡を好きだっていう
素直な感情だけ。
 
 
俺はその想いを噛み締めるように、
そっと静かに、目を閉じた…。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
まるで、この世界に二人だけしか
いないみたい。
 
 
天国みたいに真っ白な景色の中に
ぽつんと浮かんでる私たちは…
 
なんだか儚いようにも感じるけど、
でもちゃんと存在してるんだ。
 
 
遠くを見つめる臣くんの背中が
なんだか尊く感じる。
 
 
私の、大好きな人。
かけがえのない、大切な人。
 
 
こんな広く果てしない世界に投げ出されても
自分のシンプルな気持ちだけは
はっきりしてる。
 
臣くんが好き、っていう素直な感情。
 
 
どこにいたって…
どんな時だって…
 
私はこんなに、臣くんのことが好き。
 
 
♡)…っ
 
 
そう思ったら、自然と涙が頬を伝っていった。
 
 
「絶対にまた、臣さんを好きって気持ちが
 いっぱいになって、
 顔が見たくなって、
 抱きしめたくなるから。」
 
 
ああ、ほんとだね、◇ちゃん…。
 
 
今、私は…
臣くんを抱きしめたくて、仕方ない。
こんなにも。
 
 
……伝えたい、今。
 
 
ちゃんと、真っ直ぐに。
 
 
♡)臣…くん…っ
 
 
私は涙を払って、
その背中を真っ直ぐに見つめた。
 
 
♡)臣くん…っ!
 
 
もう一度呼んだら、振り向いた背中。
 
 
♡)臣くんが…好き…っ
 
 
涙と一緒に、溢れた気持ち。
 
 
♡)臣くんが…好きなの…っ!
 
臣)…っ
 
 
どうして…
好きって伝えるだけで
こんなに涙があふれるのかな。
 
 
♡)ごめんね…っ、好きなの…っ
 
 
もう、止まらない…。
 
 
♡)伝わらないかも…しれないけど…っ
  信じてもらえないかもしれないけど…っ
  私は臣くんが好き…っ!
 
 
涙でぐしゃぐしゃになりながら
必死で紡いだ言葉たちは、
 
臣くんのぬくもりに、溶けていった。
 
 
♡)…っ
 
 
私のところまで駆け寄ってきてくれた臣くんに
ぎゅっと力強く、抱きしめられて…
 
そのあたたかさを、感じてる。
 
 
臣)伝わってる…っ、
♡)…っ
臣)ちゃんと…、伝わってるから…っ
 
 
そう言ってくれた臣くんの声が震えてて…
 
臣くんも泣いてるんだってわかった私は
余計に涙が止まらなくなった。
 
 
♡)ふぇぇぇ…っ
 
 
本当に…伝わった…?
 
 
こんなに、こんなに、大好きなんだよ…?
 
 
♡)うわぁぁん…っ!
臣)……っ
 
 
私たちは、泣きながら抱きしめ合って…
ただひたすら、抱きしめ合って…
 
 
二人の身体が一つにくっついちゃうくらい
固く、ぎゅっと、抱きしめ合って
しばらくの間、離れられずにいた…。
 
 
 
 
 
 
 
ー続ー

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  1. (。・д・。)/ より:

    よかったよーーーーー!!!!!。(°´д`°)。お互いの想いを伝えられて。このまま順調にいってくれ!晴れたウユニ塩湖で抱きしめ合う二人 を撮る二人を想像してにやけてますw
    更新無理せず頑張ってください。

    • マイコ より:

      やっとここまできました(❁´ω`❁)ほっ♡
      すぐまたイチャつき始めるのでよろしくですw

  2. ひな より:

    またラブラブが見られる!って浮かれてましたけど、Rちゃん_φ( ̄ー ̄ )まだ喧嘩しそうな話題あるよぉぉ!大丈夫ですよね??また苦しくならないですよ、ね?

  3. せいこ より:

    良かったー!!!
    前ページから読んでて凄く苦しく、今回も途中までもどかしかったので
    思いを伝えられて元に戻った時の感動が・・・ ハンカチ必須でした!

    更新ありがとうございます!

    • マイコ より:

      おおお!ハンカチ!!
      苦しいのもここで終わりです!やっと!きっと!たぶん…笑

  4. ひさぼー より:

    やっと大好きだって気持ちが伝えられて、本当に良かった~。
    やっばり、ラブラブがいいですね
    これから楽しい旅行になりますよね。
    さぁ、臣くんの晴れ男パワーで
    晴れよ来い来~い!

    連続の更新ありがとうございます

    • マイコ より:

      実際の臣くんは雨男だからせめてStory内だけでも〜〜。゚(゚^∀^゚)゚。笑
      ウユニ塩湖晴れておくれ〜〜!!

  5. たんぬ より:

    ううう!よかった( ´•̥_•̥` )♡
    ほんとによかった!!

  6. さっちゃん より:

    よかった(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)思いを告げれてよかった♡
    もう一度読み返そうと思い開いたら更新されてて、すぐによんぢゃいました(≧∇≦)
    忙しいのにありがとうございます(´ω`)無理はしないでくださいね。
    更新楽しみにしてます♡

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