〈23〉吹き飛んだ二日酔い

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今日は朝から引き継ぎの挨拶で
蒼くんと外回り中。
 
 
新年会の夜以来、
仕事のやりとりだけで
それ以外はずっと避けてたから…
 
二人きりになるの嫌だなぁ…
なんて思ってたんだけど。
 
 
蒼)やっと♡さんと二人になれたーーw
  聞きたいこと山ほどあるんですけど?
♡)…っ
 
 
蒼くんはニコニコご機嫌で
距離を詰めてきた。
 
 
♡)さ、次のクライアントは…
蒼)何がどうなって三代目の登坂さんと
  付き合うことになるんですか?
♡)引き継ぎ資料もう読んだよね?
  ここは課長の〇〇さんが…
蒼)ちょっと調べてみたら
  雑誌で共演してるんですね。
  それからですか?
 
 
仕事の話を聞きなさーい!!
 
 
蒼)あ、でもそれじゃ計算合わないか。
  僕が入社してすぐの頃に
  もう付き合って一年になるって
  言ってましたもんねー。
♡)……。
蒼)向こうが♡さんに惚れたんですか?
  言い寄ってきたんですか?
♡)……。
 
 
黙秘権、行使中…。
 
 
蒼)いやー、ほんとびっくりしましたよw
  あの登坂さんと一緒に住んでるって
  ことですもんね?
♡)……。
蒼)今度遊びに行ってもいいですか?
♡)えええっ!!
 
 
なんでそうなるの!!
 
 
蒼)あ、やっとこっち見たw
♡)…っ
蒼)海璃は行ったことあるらしいじゃ
  ないですか。
  僕も行きたいです。
♡)やだよ!
蒼)なんでですか。
  僕、三代目のファンだって
  言ったじゃないですか。
♡)…っ
蒼)登坂さんともっと話してみたいですw
♡)やだ。
蒼)自分の彼女にあんな必死になる登坂さん、
  なんかカッコ良かったなぁ〜。
♡)はい??
蒼)また会いたいですw
♡)やだってば!!
 
 
もう、なんなのーー!!
 
 
臣くんと付き合ってることがバレちゃって
どうしようって思ってたのに…
 
 
「そのことでもし脅してきたりするようなら
 すぐ俺に言えよ!」
 
なんて、臣くんにも言われてたのに…
 
 
予想外の反応で、困ります!!
 
 
蒼)あ、危ないですよ。
♡)きゃっ…
 
 
自転車がものすごいスピードで横切っていって
蒼くんに抱き寄せられた。
 
 
♡)触らないで!
蒼)助けてあげたのにひどいなー。
  ついでにちょっと抱きしめていいですか?
♡)は?…っ、ちょ!何してるの!!
蒼)これが登坂さんが好きな相手かー。
♡)離して!!!
 
 
全力で突き飛ばしたら、
それでも蒼くんは「あはは」って笑ってて。
 
もう何考えてるのー!
やだっ!!!
 
 
♡)次なにか変なことしてきたら
  本当に投げ飛ばすから!!
蒼)おおお…っ、カッコイイ〜〜〜w
♡)…っ
 
 
バカにしてぇっ!!
ほんとに投げるからねっっ!!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
臣)う…っ
 
 
気持ち悪ぃ……。
 
 
T)ちょっとちょっと登坂っち!
  今の「う…っ」は何!?w
臣)いや、ちょっと…、w
T)顔色も悪いし、さては二日酔いだな?
臣)ははは…w
T)珍しいね、登坂っちが
  そこまでになるの。相当飲んだの?
臣)まぁ…、はい。
 
 
飲んだというか
飲まされたというか…
 
 
臣)俺、今日バイク乗ったら
  飲酒運転になりそう…。
 
 
絶対アルコール残ってるもん。
 
 
T)でもそのやつれたやさぐれ感が
  広斗のクールな感じと合ってて
  いいと思うよ!
 
 
TAKAHIROさんは
ライダースの上から長いダウンを羽織って
ニコニコ肉まんを頬張ってる。
 
 
臣)兄貴に報告があるんですけど…
T)おお、どうした弟よ。
臣)ややこしくて説明面倒臭い…。
T)こらこらw
 
 
俺もダウンを着せてもらって
肉まんを一つもらった。
 
息が白いよ…さみぃ…。
 
 
臣)♡のことをずっと好きだった男がいて。
T)ふむふむ。
臣)そいつがなぜかMちゃんと
  付き合い始めて。
  あ、Mちゃんって♡のマネージャーの。
T)はいはい、覚えてるよ。
臣)で、そいつが工さんと友達で
  工さんが伊藤さんと仲良くて
  昨日二人の家に遊びに来てて
  そしたら伊藤さんが♡のことを
  気に入っちゃって…
  まぁ工さんもなんですけど…
  で、最後は♡に投げ飛ばされて
  終わったんですけど…
  とにかく俺は飲まされて、
  大変でした、っていう…。
T)ちょっと待ったちょっと待ったw
  なんか最後もう面倒くさくなって
  一気に説明したろ!w
臣)……バレました…?w
T)わけわかんない!もっかい!整理して!
 
 
TAKAHIROさんは残りの肉まんを
全部口に突っ込んで、
木の枝を持ってきた。
 
 
T)まず、これが♡ちゃん。
  これがMちゃん。
臣)はいw
T)で、これが彼氏?
臣)はい。Jって男です。
T)で、工さん。と、友達なわけ?
臣)はい。
 
 
そこからTAKAHIROさんは
土の上に人物相関図を作り上げて
俺の話を見事に理解してくれたw
 
 
T)♡ちゃん…
  伊藤さんを投げ飛ばすとは
  ツワモノすぎる…w
臣)そうなんですよ!
  投げ飛ばすっていうか…
  俺が見た時にはもう
  伊藤さんが床に倒れてたんで…
T)あんな大きな海猿をあんなか弱い身体で…
臣)ほんとですよ!w
  何されたのかは
  教えてくれないんですけど…
  最近あいつ、気が立ってるから。
T)え?
臣)いろんな男に言い寄られ過ぎて
  もう嫌みたいです。
T)すごい悩みだな!
  なるほど、そんな♡ちゃんに
  うっかり手を出したもんだから
  成敗されたわけね、伊藤さん。
臣)はい。
T)あはははw
 
 
TAKAHIROさんは面白そうに笑ってるけど…
 
ほんとあいつは
放っといたらすぐに男が寄ってくるから
俺ももう勘弁してほしい。
 
 
前にも思ったけど…
あいつのおでこに「登坂広臣」って
俺の名前書いとければいいのに。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
M)先輩、完全に狙われてますね。
♡)え!何が!?何に?!
M)先輩が、手越くんにですよ。
♡)手越くん…!?どうして?!
M)雑誌の対談、OKしたら…
  その前に親睦を深めるためにも
  一緒にお食事でもどうですか、
  って連絡来ましたよ。
♡)えっ!
M)お互いのマネージャーも同席で、
  ってことですけど。
K)ジャニーズはそのへん用心深いからねー。
  仕事の打ち合わせでも
  女と二人にはならないようにしてるし。
M)どうしますー?
♡)え、断れないのかな?
  断ったらまずい感じ?
  全然行きたくない…。
M)ですよね〜〜〜w
  さらっと断っておきますね。
♡)お願いします…。
 
 
狙われてるとは思わないけど、
必要のない会食とかはあまりしたくないな。
 
 
K)あんた…前だったらそんな会食にも
  喜んでついてったくせに…
  ほんとミーハー卒業したんだねw
M)えっ…
海)今はJさん一筋ですもんねっ♡
M)ええと…、……ハイ///
♡)あはは、照れてる、可愛い♡
M)Kさんこそー!
  ジャニーズ好きなくせに
  手越くんは興味ないんですか?
K)うーん、あんまり。
  あたしが好きなのはSMAPとか
  上の方のグループだし。
M)J-FRIENDS、あたりですね。
K)J-FRIENDS!!懐かしいな!!w
♡)あはははw
 
 
ランチを食べ終えて
デザートのアイスを選んでたら、
海璃ちゃんが少し困ったような顔で
口を開いた。
 
 
海)あの…、蒼くんが…
  ♡さんたちのことを
  根掘り葉掘り聞いてくるんですが…
K)あいつやっぱり♡のこと狙ってんのか。
♡)あ、実は…
  臣くんと付き合ってること
  バレちゃったの…。
K)ええっ!
M)ほんとですか!?
♡)うん…。
K)大丈夫なの?
♡)うーん…今のところ、
  バラしたりする感じはないけど…
M)蒼くんって先輩のこと好きですよね?
♡)よくわかんないの、それも。
海)あの…、蒼くん、本当に♡さんのこと
  好きだったんですけど…
  登坂さんの彼女ってわかってからは
  その事実に興奮してしまってるみたいで…
K)なんじゃそりゃ!
M)ドMなのかな…
海)もともと蒼くんも紅くんも
  三代目、好きなので…
M)じゃあ先輩のこと狙ってたけど
  今はイチファンになってるってこと?
海)好きな気持ちはまだあると思うんですけど
  それよりミーハー心の方が
  強いみたいです。
M)なんと…。
K)そういうパターンもあるのか。
M)変な動きしてきたらすぐ言って下さいね!
♡)うん、ありがとう…。
 
 
一応臣くんにも報告してみよう…。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
N)うーん、どれがいいかなー。
E)俺はこれ!シンプルが一番!
臣)俺もこれかなーー。
 
 
夕方には事務所に集まって、
アルバムのジャケット候補を
みんなで確認中。
 
 
隆)俺もこれがいい。
  星がバラバラに7つあるより
  中心に大きく1つだけある方が
  インパクトあっていいなー。
臣)うん、俺も同じ理由。
 
 


 
 
オリジナルアルバムが白で、
カバーアルバムの方は黒みたい。
 
 
隆)らいおんハート、
  無事OK出て良かったね。
臣)ほんとにね。
N)なんでいきなりOK出たの?
臣)よくわかんないんすけど…
  いきなり連絡来たらしいです。
N)へぇ〜〜
  あんなにダメだって言ってたのに
  手のひら返したように?
  謎だねぇ。
臣)ですよねー。
 
 
でもこうして無事に
全曲収録することが出来て
本当に良かった。
 
♡にも早く聴かせてやりたいなー♪
 
 
岩)このアルバム、俺も早く聴きたいw
健)カバーも名曲揃いやんなぁ!
直)いい…すごくいい…。
E)あはははw
 
 
なんて話してたら、
丁度Mちゃんから電話がかかってきた。
 
 
臣『もしもーし。
  昨日はどうもでしたー。』
M『あはは、二日酔いじゃないですか?w』
臣『全然だいじょーぶw』
M『なら良かったですw
  こちらこそありがとうございました♡』
臣『いえいえw
  で、どうしたの?』
M『実は一点ご報告がありまして。』
臣『はいはい。』
M『嵐の件なんですが、
  嵐の方は2月24日発売予定のシングルの
  カップリング曲のMVに
  先輩を起用したいそうなんです。』
臣『うん。』
M『「Bang Bang」という曲です。
  歌詞も送りますね。』
臣『え?ああ、ありがとう。』
M『セクシーな映像にする
  予定だそうですよ。
  で、新曲の宣伝も兼ねて、
  撮影&編集が終わり次第
  映像公開する予定なんだそうです。』
臣『うん。』
M『三代目は3月末に発売でしたよね?』
臣『あっ…』
 
 
そういうことか…!
 
 
M『このままだと、「嵐に出てた子が
  三代目のMVにでも出てる〜〜」
  みたいになっちゃいそうなので、
  念のためご報告でした。
臣『……わかった、ありがとう。』
M『ちなみに、先方は先輩が先に
  三代目のMVに出てることは
  もちろん知りません。』
臣『了解。わざわざありがとうね。』
M『はい、それでは!』
 
 
俺は電話を切ってすぐに
そのことをその場にいるスタッフに伝えた。
 
 
H)えっ、あれ♡ちゃんだったの!?
臣)え?
H)三代目がこの間撮ったやつ!
  今編集中で俺まだちらっとしか
  見てないんだけど…
臣)!!!
 
 
しまった、
HIROさんはそこからだったか…!!
 
 
H)いつもみたいに
  外国人モデルだと思ってた…!
直)それが実は…。
N)♡ちゃんだったんですよ。
  自分らも撮影終わるまで
  気付かなくて。
H)えええ!登坂は!?
  登坂はさすがに気付いたっしょ?!
臣)……いえ。
H)えええ!!
 
 
すみません、彼氏失格ですよね、ハイ。
 
 
E)変装力が高いんですよ、♡ちゃんw
隆)ほんと気付かなかったもんなぁ〜〜
H)そうか、久保監督が言ってたのって
  ♡ちゃんだったんだ!
岩)そうみたいです…w
H)そうかぁ…、なるほど…。
  ……で、嵐からもオファーがあると。
臣)はい。
 
 
HIROさんが少し険しい顔をした。
 
 
H)♡ちゃん今ポカリのCM
  流れまくってるから
  認知度上がってきてるし…
  同時期となるとうちが先に行きたいなぁ。
N)ですよねぇ。
  嵐に先に持ってかれたら
  二番煎じ感あるし。
隆)すごい…。
  なんか俺らと嵐で
  ♡ちゃんの取り合いみたいになってるw
岩)隆二さん…呑気だな…w
E)うわー、これ歌詞もなんかエロいね。
臣)えっ!
 
 
さっきMちゃんから来たやつを
みんなにも転送したんだけど…
 
そう言われて俺ももう一度
曲の歌詞を見てみた。
 
 
臣)なんか…セクシーな映像にするって
  言ってたけど…
E)えーー!それ絶対エロいやつじゃん!
健)絡みまくりぃ〜〜の
  どエロいやつやな、きっと!
臣)…っ
 
 
♡が嵐のメンバーとエロ絡みするってこと?
そんなん絶対嫌なんだけど。
 
 
岩)いやいや、ジャニーズがそんなの
  作らないでしょ、たぶんw
直)そうか、確かに…。
N)てかさ、♡ちゃん
  断るって言ってなかった?
  ジャニーズの仕事。
臣)そうなんですけど…
  やっぱり受けることにしたみたいです。
N)なんで?
  らいおんハートの件でブチギレてさ、
  絶対やらないもんっ!
  とか言ってたじゃん。
直)NAOTOさん…
  今の♡ちゃんの真似ですか?
N)うん、似てるっしょ?
隆)気持ち悪いです。
N)こら!!w
 
 
あの時はそう言ってたけど…
やっぱりMちゃんが説得したのかなー
とか思ってた。
 
 
隆)ああ、らいおんハートがOKになったから
  ♡ちゃんもやっぱりOKしたってこと?
臣)いや、その前から
  やっぱり出ることにしたって言ってた。
隆)ふーん。
岩)……なんかそれって…
  関係あったりして。
臣)え?どういうこと?
岩)いや、なんでもない…。
臣)……。
 
 
関係、って…
……たとえば。
 
その二つを交換条件にした…、とか?
 
 
はは、まさかな。
 
あんなでっかい事務所だ。
窓口も違うだろうし、んなわけないか。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♡)お邪魔しまーす♡
◇)どうぞどうぞー♡
桜)♡ちゃん!♡ちゃんっ!♪
♡)ふふふ、桜ちゃん久しぶりーー♡
 
 
◇ちゃんの家にお裾分けに来たのは、
Tくんの妹のケーキ屋さんのケーキたち。
 
 
◇)ええっ!こんなにいいの!?
♡)うんっ!
桜)すんごぉーーーい!
  どれもむっちゃ美味しそぉ〜〜〜♡♡
♡)美味しいんだよぉ〜〜〜♡♡
 
 
実は今日、妹さんが会社まで来てくれて。
 
 
というのも、
クリスマスに私と撮った写真を
SNSに載せたら
そこからファンがたくさん来るようになって
売り上げが一気に上がったから
そのお礼がしたいって言われたんだ。
 
 
「姫さん効果です!ありがとうございます!」
 
って何度も頭を下げられちゃったんだけど…
 
そんなんじゃなくて、
ケーキが美味しいからだと思うんだけどなぁ。
 
 
◇)美味しい〜〜!何これぇぇ〜〜!!
桜)すごっ!んまっ!最高っ!♡♡
 
 
ほら、二人も美味しそうに食べてくれてる♡
 
 
桜)♡ちゃんは食べへんの?
♡)私は会社でみんなと食べたんだー♡
  本当にたくさん持ってきてくれてね?
  みんなで分けきれないから
  ◇ちゃんにもお裾分けしようと思って
  持って帰ってきたのー♡
  ◇ちゃんが食べれそうなのだけ
  いくつかチョイスしてw
◇)やーん!ありがとう!嬉しい〜〜♡
桜)お姉、食べられへんのあったら
  桜持って帰ったる♡
◇)大丈夫、全部食べれるやつ!
  ♡ちゃんはもうあたしの好みを
  わかってくれてんねん♡
♡)あはははw
 
 
私も紅茶をもらって、
一緒にティータイムを満喫中♡
 
 
♡)桜ちゃんは今日はどうしたのー?
桜)お姉の晩ご飯狙って来てん!
◇)ペロリと食べたで。
桜)食欲盛りやねん♡
◇)ただの大食いやろ!w
桜)あはははw
  あとな、優ちゃんのことも相談したくて!
♡)あ、優助くん!?
 
 
そういえばその後、
どうなったんだろう。
 
 
桜)桜な、毎日は無理やけど…
  作れる日は頑張って
  優ちゃんにお弁当作ってんねん。
♡)ええっ!すごーい!!
◇)え?ほんまに?
  それどうやって渡してるん!?
桜)マンションまで渡しに行ってる!
◇)それストーカーやん!大丈夫?!
桜)お姉ひっどい!ストーカーちゃうもん!
◇)朝からマンションの前で
  出待ちしてんねやろ!?
  むっちゃ怪しいやん!
♡)でも優助くんは
  受け取ってくれてるんだよね?
桜)うん!最初は困っててんけどな?
  最近は受け取ってくれてる!
♡)すごいすごい!♡
  桜ちゃんの努力が伝わってるー!♡
 
 
お弁当作るのなんて大変だろうに…
桜ちゃん頑張ってるんだなぁ…。
 
 
桜)ほんでな、桜は優ちゃんに
  もっと喜んで欲しいねん!
♡)おおっ!
桜)せやからお姉にアドバイスしてほしくて!
◇)へ?
桜)今まで作ったお弁当、
  全部写真に撮ってあんねん!
♡)見せて見せてーー♡
◇)……おお…、、
  これは見事に茶色い弁当やな…。
♡)う、うん…。
桜)え!?
  茶色かったらアカンの?!
  男の人が好きそうなモン
  全部詰め込んでんねんけど!
◇)あんたは…
  見栄えってもんがあるやんかー。
桜)お姉だったらどんなん作るん!?
♡)あ、◇ちゃんのお弁当、
  見せてあげたら?♡
  すごいんだよ、◇ちゃんねっ、
◇)あーー、それはええねん!///
♡)…っ
 
 
あの力作のキャラ弁たちは秘密なのかな…?
 
 
桜)教えてや…ケチぃ…。
◇)♡ちゃんの方が参考になるから
  見せてもらいなさい。
桜)見せて!!
♡)うーん、そんなにたくさんはないけど…
  どこだっけな、写真…。
 
 
そういえば最近作ってあげてないかも…
 
今年入って、一度も。
 
 
♡)んっとね、これ。
桜)うんわぁっ///
  むっちゃ美味しそう!何これ!!
◇)ほらな、色使いが綺麗やろ?
桜)うんっ!!
  こんなん作ってあげたい!優ちゃんに!
♡)……。
 
 
臣くんも何も言ってこないけど…
作ってあげてた時は喜んでたし…
 
きっと食べたいよね。
 
 
♡)よし!私も明日久々に作ってあげよう!
◇)おおおっ
桜)ほんなら桜も明日頑張るー!
◇)おおおっ
♡)じゃあ一緒に頑張ろう♡
桜)うんっ♡
  な、な、♡ちゃんのこの写真
  LINEで送ってーー♡
  参考にしたいねん!
♡)いいよーー♡
 
 
優助くんのために頑張ってる桜ちゃんは
とっても可愛い♡
 
私も臣くんに喜んでほしいもん♡
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
臣)あぁぁ……気持ちわり…。
岩)臣さん今日ずっと顔色悪いねー。
臣)え、朝の撮影の時、
  メイクで隠してもらったはず…
岩)そんなんとっくに取れる時間だよw
臣)あら、おかしいわー。
岩)あはははw
橘)あ、あのっ…!///
臣)ん?
 
 
また出たな、橘め…。
 
 
橘)登坂さん、やはり栄養不足なのでは…
臣)はい?
橘)心配です…っ!
臣)いやいや。
 
 
二日酔いなだけですけど。
 
 
橘)ちゃんとしたご飯、
  食べてないんじゃ…
臣)食ってるわ。
 
 
♡が作ってくれてるっちゅーの!
 
 
橘)やっぱり私、明日…っ
  お弁当作って来てもいいですか!?
臣)いらないって!
橘)食べて下さいっ!
臣)いらない、マジで。
  絶対作ってこないで。
橘)だったら捨ててくれてもいいです!
  私、作って来ますから…!
臣)…っ
 
 
こいつ、ドMなの…?
 
呆れて岩ちゃんを見たら
俺と同じ顔をしてた。
 
 
臣)明日は♡に作ってもらう予定だから
  ほんとにいらない。
  作って来ても食わねぇからな。
橘)え、♡さん…ですか?
臣)そ!!
 
 
とか言っときゃ
さすがに持ってこないだろ。
 
 
橘)……わかり…ました。
 
 
ふぅ、やれやれ!!
 
 
岩)……橘…マジでしつこいね…すごいね。
臣)なんなのあいつ…。
 
 
帰りの車で若干ぐったりしてる俺ら。
 
 
岩)すげぇ愛されちゃってるもんね、臣さん。
臣)迷惑です、非常に。
岩)だよねぇ、俺じゃなくて良かった…。
臣)こら、他人事か!
岩)あはははw
 
 
そんな話をしながら、
昨日の件を岩ちゃんにも報告したら
岩ちゃんも目を丸くして驚いた。
 
 
岩)斎藤工さんとJが親友〜〜〜!??
  嘘だろオイ!!
臣)マジなんだな。
岩)てかよく臣さん、Jの家なんか行ったね。
臣)行ったよ。♡が危ねぇもん!
岩)さすが臣さん…w
 
 
なんだよその過保護とでも言いたそうな目は。
 
 
臣)でもさ、Jはもうほんと、
  すっかりMちゃんとラブラブだったわ。
岩)マジで??
臣)うん。MちゃんもJの前だと
  すっかり可愛い女の子だよw
岩)真の姿は敏腕マネージャーなのに?w
臣)そうそうw
S)ほい、着いたよーーー。
臣)ありがと!
岩)お疲れ様でーす。
 
 
車を降りて、エレベーターに乗って。
 
 
岩ちゃんのフロアで箱が止まると、
そこに立ってたのは桜ちゃんだった。
 
 
岩)げ!
桜)げ!
臣)ぶっww
 
 
そこはお互い「げ」なのねww
 
 
岩)来てたの?
桜)岩田に関係あらへん。
岩)相変わらず可愛くねぇなぁ!
桜)ふん!あ、臣くんバイバーイ♡
臣)バイバイw
 
 
二人に手を振って、また上まで上がって。
 
 
玄関のドアを開けたら、
エプロン姿の♡が飛んできてくれた。
 
 
♡)おかえりなさーいっ♡
臣)たーだいま♡
 
 
ああ、この瞬間。
自分の顔が緩むのが、自分でわかる。
 
♡の可愛い笑顔で
疲れがほんとに吹き飛ぶんだよ。
 
 
♡)おかえりのぎゅーー♡
臣)んーー♡
 
 
癒されるなぁ…。
 
 
臣)てかこんな時間にエプロン?
  どうしたの?
♡)あ、えへへ…///
  あのね、明日久々にお弁当作るね♡
臣)えっ、俺に!?
♡)そうだよ♡
臣)えええっ!!///
 
 
なんでなんで!?
めっちゃ嬉しいんですけど!!
 
橘に断るのに適当にあんなこと言ったけど…
まさか実現するとは…!!
 
 
♡)嬉しい…?
臣)すっごく!!///
♡)えへへ、良かったぁ♡♡
臣)////
 
 
か…っ………わいい///
 
 
こんな可愛い彼女に
弁当作ってもらえるって…
 
俺って改めて幸せだよなぁ…
なんてしみじみ思っちゃうよ。
 
 
♡)最近全然作ってあげれてなかったもんね、
  ごめんね?
臣)いや、全然!!
  お前だって忙しいしさ。
♡)よし、あとは明日の朝ちょこっとやれば
  完成だーー♡
 
 
キッチンを片付けて
エプロンを外した♡を、
なんだか無性に抱きしめたくなって。
 
 
♡)わっ///
 
 
強引に腕の中に閉じ込めた。
 
 
♡)ぎゅー、足りなかったのかな?
臣)うん。
♡)えへへ、じゃあいっぱいしよう♡
臣)うん。
 
 
好きだなぁ…
 
ほんと好き。
 
 
♡)……ね、今何考えてるー?
臣)えっ、……急に何?
♡)ぎゅーしながら何考えてるのかなぁって…
臣)……ぎゅー気持ちいいなぁって。
♡)あはは、一緒だ♡
臣)あとは…、
♡)あとは?
臣)……ほんと好きだなぁ…、って。
  お前のこと。
♡)……///
 
 
俺がそう言うと、
♡がぎゅーっと力を強めてきた。
 
 
♡)それも一緒だ///
臣)えっ…
♡)……大好き♡♡
臣)////
 
 
可愛い。
 
もうほんと可愛い。
 
 
臣)……ベッド連れてっていい?///
♡)えっ!
 
 
あれ、それは一緒じゃなかったみたい。
 
 
♡)臣くん、二日酔いは…?
臣)ああ、なんかもう吹き飛んだわ。
♡)ええっ!
 
 
ほんとに。
 
あんな気持ち悪かったのに
♡の顔見て♡を抱きしめたら
もうすっかり消え去った。
 
それくらいお前の威力ってすごいんだよ。
 
 
臣)連れてっていい?
♡)まだ…お風呂入ってないもん…///
 
 
そんなんどうでもいいんだけど…
 
 
♡)一緒に…入る…?///
臣)えっ///
 
 
まさかのお誘い…!!
 
 
臣)入る!!!!♡♡♡
 
 
俺はすぐさま食いついて、
♡を抱き上げて風呂場まで連れてったけど
 
「お湯まだ溜めてないよ」って笑われて。
 
 
せっかちついでに我慢できなくて、
思う存分チューだけ先にさせてもらった。
 
 
♡)いっぱい…チューされた///
臣)ははははw
 
 
でも俺だって学習してますから。
 
ほんとに我慢できなくなるような
エロいチューはしてません。
 
 
臣)さ、風呂入ってHするぞぉーー♪
♡)宣言しないで///
臣)あはははw
 
 
風呂のタイマーを押して
リビングに戻ろうとしたら…
 
 
臣)ん?
 
 
クイッと袖を引かれた。
 
 
臣)どうし…っ、///
 
 
振り返った瞬間、キスされて。
 
 
小さな舌が、可愛く唇を濡らしていった。
 
 
臣)え…?///
 
 
いきなりのことに戸惑ってると…
 
 
♡)……チュー、足りなかったから…///
 
 
そんなことを可愛く言われて。
 
 
臣)////
 
 
いっぱいしたチューじゃ足りなかったみたい。
 
エロいチューしてほしかったみたい。
 
 
臣)ああ、もう!///
  やっぱベッド行こ!!///
♡)きゃぁっ!///
 
 
仕掛けて来たのはお前だからな。
覚悟しろよ。
 
 
 
 
 
 
ーendー

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