岩)臣さん、これは?w
◇)ヤバイ、もう誰かわかんない!!w
臣)髭も付けちゃう?w
岩)付けよ付けよ!w
♡)岩ちゃんもお髭どうぞ♡
◇)あははは!二人とも誰ーー!w
◇と♡ちゃんは俺たちを見て大笑いしてる。
臣さんたちとディズニーに行くって言ったら
昨日Sさんが変装アイテムを
これでもか!ってほど持ってきてくれて。
今日は朝から臣さん家に押しかけて、
あれこれ変装大会を繰り広げてるとこですw
♡)ね、こっちのカツラはー?
臣くんかぶってみて♡
臣)えーー?これで良くない?
♡)なんか少し物足りないもん!
バレたら困るでしょ!
◇)ねーねー、髭だけじゃ危なくない?
まだ三代目臭がするもん、二人とも。
もっとさー、思いきろうよ!
岩)じゃあホクロとかも描いちゃう?w
臣)ぶはっw
◇)描いちゃえ描いちゃえ!
♡)眉毛繋げちゃえば?
岩)それは逆に悪目立ちするでしょ!w
鏡を見ながらああでもないこうでもないって
もう既に楽しすぎる俺たち。
臣)つーかお前も変装しろよ。バレんじゃん。
♡)えっ!
◇)そうだね、ポカリで顔が売れたし、
バレるね!危ないね!
♡)そ、そっか!どうしよう!
岩)じゃあ、ほら。
丁度金髪のウィッグあるよ。
どうぞ、キャリー。
♡)!!!
臣)カラコンも入れろよキャリーw
岩)あはははw
俺たちが♡ちゃんをからかってると、
◇が不思議そうに言った。
◇)キャリーって何?
しまった。
MVの話は公開になるまで
内緒にしとくつもりだったのに…!
岩)ん?俺が今名付けたの。
これ被ってカラコンしたら
キャリーって感じじゃない?
◇)なんじゃそりゃ!w
ふぅ、危ない危ないw
♡)コンタクト入れたいけど怖いよぅ…
◇)あ、例の撮影ってまだなの?
♡)あ、えっと…撮影はもう終わったんだけど
その時はヘアメイクさんが
入れてくれたから。
◇)なるほど。
♡)自分じゃ怖くて入れられないよぅ…。
岩ちゃん、入れてぇ…。
岩)うん、いいよー。
臣)!!!
あ、臣さんが反応した。
♡)ゆっくり入れてね?優しくしてね?
怖いからね?
岩)大丈夫だってw
ほら、力抜いて。
♡)う、うん…っ
岩)ちゃんと奥まで入れてあげるから。
臣)は?
岩)優しくしてあげるから大丈夫。
臣)おいコラ!!!
岩)……ぷっw
臣)何が奥までだ!ふざけんな!
ぜってぇわざと言ってんだろ!!
岩)だってーー!w
臣さんが面白すぎんだもんww
◇)臣さん…また脳内エロ変換したんだ…。
岩)毎度、お疲れさまだよねw
◇)うんw
臣)おい!聞こえてんぞコラ!
よこせ!俺がやる!
♡)ええっ!
臣)俺が入れてやるから。
♡)それはやだって言ったでしょ!
怖いもん!
臣)俺が優しく入れてやるから安心しろ。
♡)臣くんはやだ!
岩ちゃんに入れてほしいのっ!
臣)こらーーー!!
ヤメローーーー!!!!!
……臣さんってほんとバカだなぁ…w
そんなこんなで、結局最後は…
「剛典が入れてるのいつも見てるから任せて」
ってことで、◇が入れてあげて
無事終了。
ディズニーまでは車で30分。
Sさんから命を受けた橘が
車で迎えに来てくれて
俺たちは行きの道中、
お互いをなんて呼び合うかで盛り上がった。
岩)♡ちゃんはキャリーで決まりでしょー。
◇)男二人はどうしよね。
臣さんとかジョニーって感じ。
臣)ジョニー!?ww
岩)なんか海賊っぽいもんね。
◇)剛典はレオナルドって感じ。
臣)ぶっ!w
岩)俺まで外人設定なの?w
♡)えっと、覚えられない、もっかい言って!
臣)お前…今ここで決めても
絶対うっかり臣くんとか呼びそう。
♡)呼ばないもん!頑張るもん!
岩)いや、♡ちゃんは危ない。
もっと馴染みのある
呼びやすい日本名にしよう。
◇)そっか。じゃあ名前をもじって…
臣さんは「ヒロ」、剛典は「タカ」で
いいんじゃない?
臣)うーん、確かにそれならバレなそう。
♡)えっと、臣くんがヒロね!
岩ちゃんがノリね!
岩)俺、タカ!w
♡)あれ!
◇)まぁノリの方でもいいけどw
臣)ややこしい!非常にややこしい!w
♡)えっと、タカとオミ…?
臣)それそのままやんけ!w
臣言うとるやんけ!w
岩)ぶはははっ!w
♡ちゃんの脳内がパニックみたいで、
俺たちは大爆笑。
……ちなみに橘はしずかーーに
無言で運転してます。
橘)……着きました。
臣)イエーイ!よっしゃー!
行くぞーー!
岩)オーーー!
臣)橘サンキューな、帰りもよろしく!
橘)あ、は、はいっ…///
テンションが高い臣さんは
橘の肩をポンと叩いて車を降りて
嬉しそうに♡ちゃんと手を繋いで走り出した。
◇)ねぇ…。
岩)ん…?
◇)橘さんって…臣さんのこと好きだよねぇ。
岩)!!!
さすが!
気付いてましたか!
岩)いつわかったの?w
◇)福岡あたりから。
岩)ああ、あの時ね…w
◇)♡ちゃんのこと
若干嫌がってるオーラ出してたし
とにかく臣さんを見る目が
ハートなんだもん。
岩)そうなんだよねぇ、困ったことに。
◇)臣さん気付いてんのかな。
岩)気付くよあれは嫌でもw
◇)そっか。相手にしてない感じ?
岩)うん、だって臣さんだよ。
◇)♡ちゃんしか見えてないもんね。
岩)そう、それw
橘が入る隙なんてどこにもありませーん。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
4人でやって来たのはディズニーシー!
ランドとシーどっちにするーって話してて、
やっぱりお酒も飲みたいし
シーの方が可愛いし、ってことで
シーに決定したのだ!
◇)むふふ…もう楽しい♡
♡)これ美味しいよー♡
臣)一口くれ!
岩)俺、あれも食べたい!
まずはファストパスをゲットして
ショーの抽選も済ませて、
今はパークの雰囲気を味わいつつ
のんびりお散歩してます♡
◇)てゆーか…
岩臣♡)ん…?
◇)ぶふっ…w
振り返れば誰だか全くわからん3人がいて
見るたび吹き出しそうになるw
◇)あーあ、ほんと♡ちゃんは可愛いなぁ。
♡)急にどうしたの?//
◇)どんな姿してても可愛い。
臣)でしょ。わかる。
岩)出た、彼氏バカ!w
今日の♡ちゃんは
金髪のウィッグに青いカラコン。
まるで異国のプリンセスみたい。
◇)あたしが男なら絶対ほっとかない。
臣)大丈夫、俺が既にほっといてないから。
岩)あははは!w
臣さんはべーっと舌を出して
♡ちゃんの肩をグイッと抱いた。
あたしが男だったら
この人絶対恋敵だわ、マジで。
岩)あ、なんかあそこ、撮影してるー。
◇)ん?
♡)わぁ!花嫁さんがいるー♡
臣)ほんとだ。結婚式かな?
◇)わぁ…っ
ミラコスタチャペルのテラスで
どこかの花嫁さんと花婿さんが
写真撮影してる。
♡)わぁ!鐘もなったよ!!
◇)すごーーい!!
大きな鐘の音が鳴り響いて、
あたり一帯みんなお祝いムードに包まれてる。
臣)おめでとーー!
岩)お幸せにーー!
◇)あはははw
剛典と臣さんは周りの人に混じって
テラスに向かって手を振ってる。
◇)あの二人、バレてないからって
大胆だなw
♡)ねっw
◇)ディズニーで結婚式するってことは
よっぽどディズニー好きなんだろうなぁ。
♡)そうだね、きっと!
◇)♡ちゃんも似合いそう♡
♡)ほんとー?w
でも私は南の島とかがいいなぁ♡
◇)南の島!いいよね!♡
♡)青い空と海、白い砂浜♡
◇)それ最高♡
♡)自然光の下だと
写真も綺麗に撮れるでしょ?
◇)うんうん。
♡)ゲストの人たちも綺麗に映った方が
絶対に嬉しいと思うから
私は屋外がいいなー♡
◇)……。
そうか。
♡ちゃんは自分の写真映りの良さじゃなくて
ゲストのことを考えてるのね。
♡ちゃんらしいや…w
♡)ね、ね、◇ちゃんは
タキシードは何色がいーい?♡
◇)えーー!タキシード!?///
♡)うんっ♡
私は絶対白がいいんだぁ♡
◇)おおお、白…っ
♡)うんっ!
臣くんは黒も白もなんでも
似合うと思うけど…
やっぱり結婚式は白着て欲しいなぁ♡
◇)白いタキシードかぁ…
Jさん、似合いそうだなぁ…♡♡
♡)え、Jさん?!w
◇)うん!あの長身でスラッとしたスタイル!
まさに白タキシードを着こなすために
生まれてきたような…
ああっ!素敵すぎるーー!!///
♡)◇ちゃん…、、
臣)そこは岩ちゃんじゃないんかい…、、
◇)えっ!!
臣さんの声に振り向くと…
岩)……。
剛典がジト目であたしを見てた。
やっべ…。
◇)……えへっw
岩)えへっ、じゃねーわ!!
◇)いったーーい!!
デコピンされたんですけどーーー!!
♡)あっ!降りて来たよ!
◇)ほんとだ!
ヴァイオリンの生演奏っぽい音がして
振り返れば、
賑やかな音楽隊が
花嫁さんと花婿さんを連れて
楽しそうに行進してる。
岩)パレードこっち来る!
臣)すげぇすげぇ!
「アモーレ!アモーレ!」
ギャラリーに便乗しながら
あたし達もパレードを追いかけて。
◇)あ、ゴンドラ乗ったーーー!
豪華に装飾されてるゴンドラに乗り込んだ
花嫁さんと花婿さんに向かって
あたし達もアモーレって叫んでみたら、
二人は笑顔で手を振り返してくれた。
岩)結婚式のオプションなのかな?
◇)きっとそうだねー。
臣)俺たちも乗れんのかな、あのゴンドラ。
♡)乗りたーい!
◇)あとで乗ろう!♡
♡)うんっ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
幸せそうなゴンドラを見送って、
またパーク内をうろうろして。
臣)あ、ファストパスそろそろじゃん!
岩)お、ほんとだ!行こ行こ!
俺たちはチキンをかじりながら
アトラクションに向かった。
◇)おおお…これはなかなかハードだぞ…w
♡)360度回転するって!
臣)すげーじゃん!
岩)よっしゃ、行くぞー!
俺は◇の手を取って、
張り切って先頭に並んだ。
臣)やべぇドキドキしてきたw
♡)楽しいーーっ♡
◇)あ、帽子取らなきゃ。
岩)え…?
『帽子や被り物などは
飛んでいってしまいますので、
外してくださいね〜〜。
イヤリングも危ないので外してください。』
ほんとだ。
キャストがアナウンスしてる。
岩)被り物って…カツラもかな?
◇)あ、そっか、外さなきゃだ!
岩)ええっ!!
今ここで外したら絶対バレんじゃん!
岩)どうしよう…
後ろを見たら臣さんも♡ちゃんも
普通に乗ってるし…
岩)いけるっしょ!w
キャストの最終チェックもかいくぐって、
アトラクションが動き出した。
◇)こ、こ、こわい…っ
岩)ええ!?
手ぇ握っててやろうか?w
◇)(こくこく!!)
岩)ぶふっw
乗りたがってたくせに
直前でビビるとか…可愛いヤツーw
……ガタン!!
ゴォォォォォォオオオオオ!!!
◇)ぎゃぁぁぁああああッッ!!
臣)イエーーーーイッ!!
♡)キャーーーーッ!!w
岩)うおおおおおおっっ!!
コースターがものすごいスピードで疾走して
たまに煙みたいなのも出てきて
乗客はみんな大はしゃぎ。
隣の◇だけはものすごい形相してるけどww
臣)キターーーー!!
♡)ひゃぁぁっっ!!
岩)うわぁぁっっ!!
これが360度回転か!
岩)すげぇぇっっww
♡)わーーーいっww
ん…?
隣がなんか静かだけど…、、
ガコンッ!
プシューーーーッ……
コースターが一気に減速して
スタート地点に戻る中、
ふと◇を見れば…
◇)……っ、、
死にそうな顔をして
俺の手を握りしめてる。
岩)ぶはっ、大丈夫?生きてる?w
◇は無言のままげっそりしてて…
ヨタヨタとコースターから這い出ると、
後ろで臣さんと♡ちゃんが同時に叫んだ。
臣♡)あーーーーっっ!!
岩)何?どうした?
臣)がっ、…タカ!!頭!!!
♡)取れてる!!
岩)え?
そう言われて自分の頭を触ってみたら…
岩)!!!
カツラがねぇ!!!
俺は咄嗟に上着を頭に被って
みんなで目を見合わせて
一目散にその場から走り去った。
◇)ま、待って…、走れ…なっ…
岩)あっ!
そっか!
こいつヤラれてんだった!
岩)来い!
フラフラの◇を抱き上げようとしたら、
上着が頭から落ちそうになって…
臣)◇ちゃん!
代わりに臣さんが◇を抱き上げてくれた。
臣)行け!
臣さんの掛け声でみんなで猛ダッシュ。
人目につかなそうなベンチまで来て、
やっと一息ついた。
岩)ごめんね臣さん。
◇)す、すいません…
ドサッ…
♡)臣くん…?
臣さんもベンチに寝転がっちゃった。
臣)ごめん…、実は俺もちょっと酔った…、、
♡)ええっ!
岩)なのに◇抱いて走ってくれたの!?
ほんとごめん!
臣)いや、それは大丈夫…、、
♡)何か飲み物買ってこようか?
臣)ううん、少し休めば大丈夫。
岩)お前は?なんか飲むか?
◇)ううん、大丈夫…、少し休ませてー。
♡)よし、岩ちゃん!
じゃなかった、タカ!
岩)ん?
♡)二人が休んでる間に
タカの変装アイテムを買いに行こう!
臣)うん。それじゃバレるw
岩)あ、そっか!
♡)行くよ!!
岩)おう!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
急いでショップに走っていく二人を見送って
ベンチの背もたれに頭を乗せた。
◇)ううう…
臣)◇ちゃん、絶叫系ダメだったんだ…。
◇)ダメじゃない…大好き…。
臣)ええ!?w
◇)でも今回はなぜか酔っちゃった…。
臣)……俺もだわ。
基本大好きなんだけど…
あの360度回るとこで…
◇)あたしも…。
二人でぼーっと見上げる空は
青くてとっても綺麗。
臣)年かな…。
◇)えっ…
臣)年取ると酔いやすくなるって言わない?
◇)ガーン…
臣)あはははw
臣さんは笑いながら
いつもはないヒゲをサワサワ撫でてる。
◇)重かったでしょ…、すみません。
ありがとうございました。
臣)全然?
◇ちゃん抱っこすんの初めてじゃないし。
◇)……あ、そうだった…。
前にあたしがすっ転んで膝を怪我した時、
臣さんが運んでくれたんだった。
臣)岩ちゃんに怒られるかと思ったけど
緊急事態だったからw
◇)剛典そんなことで怒んないもん。
臣)ええ!?そうなの?
◇)臣さんだったら特に。
なんとも思ってないと思う。
臣)そうかなぁ。
◇)Jさんだったら怒りそうだけど…
臣)それはね、間違いないw
◇)あはははw
臣)でも俺だったらやだけどなー。
◇)え?
臣)メンバーだろうが誰だろうが
♡に触られたくない。
お姫様抱っこなんて絶対やだ。
◇)えーーーー。
さすが臣さん。独占欲の塊…!
臣)あ、そういえば◇ちゃん、
前に直己さんにも抱っこされてたもんねw
◇)え?
臣)バクステで。
◇)……あ、そういえば…。
あ。文句言ってたかも、剛典…。
臣)ほらーーーw
そっか、忘れてた。
◇)でも、ほら。
さっきのは緊急事態だったから。
臣)うん、そういうことで許してもらおうw
◇)あ、グーフィーかぶってる!!
臣)あっ!!
戻って来た剛典は
グーフィーのキャップを被ってて
♡ちゃんはミニーの耳をつけてる。
♡)臣くんはこれー♡
臣)俺はミッキーなの?w
♡)うん、つけてつけてー♡
臣)カツラの上から?w
♡)そうだよー♡
岩)お前はねぇ、俺とお揃い。
◇)あたしもグーフィーなの!?w
岩)一緒にかぶろw
◇)……あ、あったかい。
岩)でしょ!?w
剛典は嬉しそうにあたしの頭をポンポンした。
◇)てゆーかさ、剛典のカツラ…
結局どこ行ったんだろ。
大丈夫なのかな?
岩)え?
◇)ディズニーって安全性とか
すごく重視してるじゃん?
わざわざアナウンスもしてたくらいだし…
岩)えっ…
◇)申告しに行かなくて大丈夫かな?
岩)えええっ…
臣)アトラクション止まってないし
大丈夫じゃない?
普通に動いてるよ、ほら。
♡)そっか、大丈夫かな。
岩)ごめんなさいでした…。
しょんぼり俯いた剛典の手を掴んで
あたしも立ち上がった。
◇)よし、じゃあ次行こーー♪
♡)行こーー♡
少し休んで気分も良くなったし
変装し直したあたし達は改めて出発。
岩)あーーーーっ!!
火山噴火してるーーー!!
臣)うおっ!すっげぇ!!
剛典と臣さんは
火を噴いてるプロメテウス火山に
夢中でカメラを向けてる。
あたしと♡ちゃんは
そんな二人の可愛い後ろ姿を盗撮中。
♡)ミッキーとグーフィー…♡
◇)子供みたい…w
♡)ねっw
男)ねーねー、二人で来てんの?
ん?
男)俺らも二人なんだけどさ、
良かったら一緒にまわんない?
はっ。ナンパか!
♡)ワタシ、ニホンゴワカラナイデス。
ゴメンナサイ!
◇)ぶっw
♡ちゃんの片言の日本語に思わず吹き出した。
男)えーー、喋れてんじゃんw
男)全然オッケー!一緒にまわろうよw
臣)ダメデス!
岩)ボクタチイッショ二キテマス!
男)えっ…
臣)ナンパダメデス!
岩)ノー!ノー!
男)あ、すいませんでした…。
男)行こっか。
◇)ぶふっww
二人組が去って行って、
あたしはお腹を抱えて笑った。
◇)な、なんで二人まで片言…!ww
臣)♡に合わせたんだけど…w
岩)上手かったしょ?w
◇)あはははっw
もう、面白すぎるんですけどーー!ww
♡)あ、ゴンドラ乗れそうだよ!
臣)おお!ほんとだ!
岩)行こうぜ行こうぜ!
◇)うんw
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺たちが乗り込んだゴンドラは普通のやつ。
やっぱりさっきのは結婚式用に
装飾されてたみたい。
一緒に乗ってるのは俺たちと
小さな子供がいる家族連れ。
幸い、全然バレてませんw
♡)すごーい!すごーい!
◇)綺麗だね〜〜!♡
女子二人は楽しそうにはしゃいでる。
臣)あれさっきの火山じゃん!
岩)うん!
子)お父さん見て見て!すごーい!
父)プロメテウス火山は
イタリアのナポリの
ヴェスヴィオ火山がモデルなんだよ。
岩)イタリア!
◇)ナポリ!
思わず食いついちゃった俺たちに
お父さんはにっこり笑ってくれた。
父)このメディテレーニアンハーバーも
イタリアがモデルになってるんですよ。
岩)そうなんだ!
ゴ)〜〜♪♫〜〜♩♪〜〜
◇)わっ!
ゴンドリエがいきなりイイ声で歌い出して
びっくりしてると、
お父さんが前方を指差した。
父)ほら、願い橋です。
あそこの下を通る時に願い事をすると
願いが叶うと言われてるんです。
♡)ええっ!すごーい!♡
父)あれはヴェネツィアのため息橋が
基になっていて。
臣)ため息橋…?
父)カップルがその下を通る時にキスすると
永遠の愛が叶うと言われてるんです。
岩)へぇ……。
ゴ)よくご存知ですね。
さぁでは皆さん、橋の下をくぐりますよ。
願い事を唱えてみてくださいねーー♪
そう言われて、小さな男の子は
両手をぎゅっと握り合わせた。
可愛いなw
……って、お前もかーー!!
隣で◇もしっかりと目を閉じてる。
可愛いヤツw
じゃあ俺もお祈りしとこーっと。
……
…
子)あ!チューしてる!!!
え!?
岩◇)あーーー!!
子供の声に目を開けると、
目の前では臣さんが♡ちゃんに
ぶっちゅーっとしてるとこで。
岩)何やってんの!!
◇)こらーー!!
思わず二人で突っ込んだ。
臣)え、だって。
チューしたら永遠の愛が叶うんでしょ?
◇)それはイタリア!
岩)話聞いてた?!
父)あはははw
♡)////
ったくもう。
こんなとこでまでイチャつくとは臣さんめー。
ゴ)今日はこの中にお誕生日の方がいるので
バースデーソングをプレゼントします♪
岩)えっ!
母)あっ、ええと…///
子)お母さん!お母さんが誕生日なんだよ!
♡)わぁ、おめでとうございます♡
ほんとだ。
バッグにバースデーシールが付いてる。
恥ずかしそうに照れ笑いするお母さんの横で
優しく微笑むお父さん。
なんか素敵な家族だなぁ。
ゴ)ぜひ皆さんもご一緒に!
〜♪Tanti auguri a te♪〜
岩)え?タンテ…?
臣)なに?アウグーリ…??
♡)タ…?アウ…?アッテ??
◇)〜♪Tanti auguri a te♪〜
岩)えっ!!
なんか一人だけ流暢な発音で
ゴンドリエと一緒に歌ってる人が
いるんですけど…!!
ゴ)〜♪Tanti auguri a te♪〜
◇)〜♪Tanti auguri a te♪〜
やべぇ。
何回聞いてもなんて言ってるかわかんねぇw
父)おめでとう。
子)おめでとうお母さん!♡
母)ありがとう///
◇)Buon compleanno!
Buona fortuna a te!
岩)は!??
◇がなんか言ってる!全然わかんないけど!
臣)そっか、◇ちゃん…
イタリア語出来るんだっけ…
♡)すごい!カッコいい!!///
岩)今の歌、なんて言ってたの?
◇)んっと、
「Tanti auguri a te」は
直訳すると
「あなたにたくさんのおめでとう」
みたいな感じだよ。
岩)そうなんだ!
◇)「Buon compleanno!」は
「誕生日おめでとう」だよ。
臣)すげぇ〜〜〜〜
岩)ほんとに喋れるんだなお前…。
さすが才色兼備。
恐れ入りました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ゴンドラを降りてから、
またパークを食べ歩きして
アトラクションを楽しんで。
夕方になったらショーを見るために
ブロードウェイミュージックシアターに
向かった。
開演までまだ時間があるから
あたしは♡ちゃんと一緒にトイレ休憩。
♡)はぁ、楽しいねぇ♡
◇)うんw
♡)ショーも楽しみだなー♡
◇)ねっ!めちゃくちゃ本格的だもんね!
演奏もそうだし、
本場のミュージシャンやタップダンサーの
歌や踊りが見れるから
あたしもすっごく楽しみ♪
子)ね、ママ、ミッキーに会えるんだよね?
母)ふふ、そうよー♡
子)ドキドキしてきた!
母)楽しみね♡
子)うんっ!!
こんな小さな子まで目を輝かせてる。
ミッキーはやっぱりすごいぜ。
父)明日の今頃は北海道かーー。
母)ふふ、そうねw
父)もう少しこっちにいたいなぁw
母)あったかいもんね。
なぬ!
今日割と寒いですけど?!
道民にとってはあったかいのか!
父)まぁ飛行機が無事に飛べばいいけど。
母)雪が心配だわ。
子)大丈夫だよ!
ミッキーに会えたらきっと晴れるもん!
父)ははははw
……そっか。
はるばる飛行機に乗って
ミッキーに会いに来たんだね…。
女)あたし今日で今年3回目よぉ〜〜
女)あらやだ、すごぉーーいw
女)年パスは使えるだけ使わなくっちゃね〜
ほほほほw
おお…
こっちはディズニーマニアのおばさんかしら。
ドンッ
女)あらちょっと!ちゃんと周りを見てよね!
◇)……。
そっちがぶつかってきたんだろが。
……って、こんなおばさん相手に
キレちゃいけない。
◇)ごめんなさい、気をつけますー♡
女)ほんとにもうっ!
あーあ、あんなおばさんにだけは
なりたくないなー。
♡)はぁ、いよいよだねっ!
◇)うん!
♡)ドキドキするー♡
◇)わくわくー♡
席について幕が開けるのを
今か今かと待ってたら、
剛典と臣さんがクスッと笑った。
岩)俺らのLIVE始まる時も
そんな感じなの?w
◇)へ?
臣)ドキドキするーー♡ とか言って
心待ちにしてくれてんのかなー、とw
◇)うーん、……初めて見た時は。
岩)今はもう見飽きたってか!w
◇)そうは言ってないけど!w
臣)お前ももう見飽きたんだろ…。
♡)えー!そんなことないよ!
何回見てもカッコイイもんっ♡
臣)……そーお?
♡)うんっ♡
臣)そっか、へへへw
なるほど。
こうやって可愛く返せばいいのね。
◇)何回見てもカッコイイよ♡
岩)はいはいw
あれ。ダメだったw
◇)わっ!!
そうこうしてるうちに
会場内が真っ暗になって…
いざステージが始まるともう、
みんな夢中でそのパフォーマンスに
見とれてる。
ミッキーがドラムを叩くところは
一番の盛り上がりで。
子)ミッキーーー!///
あ、さっきの子だ。
思わず叫んじゃったのかな、可愛い…w
女)ミッキー!こっち見てぇ!♡♡
はぁ!?
あ、あれさっきのおばさんじゃん!
うわ…、なんかうちわブンブン振ってる…。
こんな静かなシーンで
完全にマナー違反でしょ…。
あ、またミッキーが踊り出した。
さっきの子供に指差してあげてるーー!!
その家族ははるばる北海道から
来てるんだよぉぉぉ〜〜
ありがとうミッキーー!!
って思わずあたしがお礼言いたい気分。
女)ミッキー!キャーー♡
……あのおばさんはガン無視されてるけどね。
年パス持ってるとか言ってたけど
非常識な人だなー。
♡)はぁぁぁ…感動しちゃった…///
臣)お前、涙目じゃん!!w
♡)だって…すごかったんだもん…///
臣)すぐ泣くーーー!w
岩)すげぇ迫力だったなー。
◇)ね!見応えあったー!楽しかった!
ショーを見終えて外に出ると
もう空が暗くなり始めてた。
岩)すげーおばちゃんいたよね…w
臣)うるせーのいたなーw
♡)静かなシーンで叫んでたね。
臣)どこにでもいるんだなあーゆーの。
♡)え?
岩)俺らのLIVEでもいるもんねw
バラードの溜めで叫ぶ奴とか。
臣)いるいる。
岩)ネームタオル頭上でぶんぶんする奴とか。
臣)俺そーゆーのガン無視。
岩)俺もw
◇)でも子供には優しいもんね。
ミッキーも一緒だw
♡)子供指差してあげてたもんね♡
◇)うん。
それから一通りパークを楽しんだら、
帰りはまた橘さんが迎えに来てくれて。
興奮冷めやらぬあたし達は
車の中でもワイワイワイ。
臣)いやーー、岩ちゃんのカツラ
ぶっ飛んだ時はびっくりしたーーw
♡)戻ってきたら頭ないんだもん!
岩)俺が一番びっくりしたよ!
◇)あはははw
♡)でもグーフィー可愛いからいっか♡
◇ちゃんとお揃いだしね♡
岩)お揃いお揃いーー♡
剛典がふざけて
あたしにほっぺをくっつけてきた。
臣)俺たちもお揃いだもんねー♡
♡)ミッキーとミニーだもんねー♡
臣)んーー♡
チュッ♡
♡)どうして…チューするの///
臣)お揃いだから。
♡)おかしいでしょ!もう!///
前でイチャイチャする二人を見ながら
いつもなら
「出たよバカップルーw」
とか笑えるところだけど…
なんとなく今は
橘さんの反応が気になるあたし達…。
……うん、無言で運転してます。
絶対気付いてるはずなんだけどね…。
臣)てかさー、
夜はまだまだこれからな時間じゃね?
岩)ほんとだ。
臣)飲み足りない。
♡)じゃあ帰ったら飲もうー♡
岩)いいね。臣さんち行っていい?
臣)いいよーどうぞー。
◇)じゃあお邪魔しまーすw
なんて話してたら…
♡ちゃんが爆弾を落としてしまった。
♡)あ、橘さんは?
臣)は?
♡)橘さんも良かったら一緒に飲もうよー♡
その言葉に固まるあたし達3人。
そうよね。
ど天然で鈍い♡ちゃんが
橘さんの悪しきオーラに
気付けるわけがないのよね…。
臣)何言ってんのお前。
橘は運転してんだから
飲めるわけねーだろw
♡)あっ!そっか!
えーー、残念だなぁ…。
なんか送り迎えだけしてもらって
申し訳ない…。
臣)それがマネージャーの仕事だからいーの。
♡)でも一緒に飲みたかったなぁ…。
いいから!
もうやめて♡ちゃん!
って、心の中で思ったその時だった。
ずっと無言だった橘さんが、
ついに口を開いた。
橘)お酒は飲めませんが…
ご迷惑じゃなければ
ぜひ私も参加させてください。
どええええええ!!??
思わずあたしと剛典は目を見合わせた。
岩)いやいや、酒飲めなかったら
つまんないでしょ、逆に悪いよw
◇)うん、そうだよね…w
またの機会にお誘いした方が…
橘)大丈夫です。
こっちが大丈夫じゃねぇんだよぉぉ!!
空気読んで引いてくれ〜〜!!
臣)いいよ来なくて。真っ直ぐ帰れよ。
うおおお!
臣さんがズバッと言ったーー!!
橘)でも折角♡さんが誘ってくださったので。
ぎゃー!
まだ引き下がらないーーー!!
♡)ごめんね、橘さん…
迷惑じゃなぁい?
橘)全然です。
お誘いいただけて嬉しいです。
こっちは迷惑です〜〜〜!!
♡)えへへ、良かったー♡
じゃあ来て来てーー♡
橘)はい、ありがとうございます。
◇岩臣)……。
無邪気とは時に恐ろしいものである…。
一体どうなっちゃうのよ、この後。
臣さんは眉間をつまんでため息ついて
♡ちゃんにもたれちゃったけど…
♡ちゃんはニコニコ笑ってる。
あたしと剛典はまた目を見合わせて
静かに頷いた。
どうか何事もなく、
平和に過ごせますように…。
ー続ー
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