〈14〉乱れる夜(隆二&♧Side)

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今日は施設の多目的室を借りて
ハピクロの会議をしてます…!
 
 
実は…
ハピクロの反響がすごすぎて…
注文が殺到してて、
私一人じゃ手に負えなくなってて。
 
 
前から高校生の女の子たちに
手伝ってもらってはいたんだけど…
 
ちょっと新作を出すだけで
あっという間に売り切れちゃう現状を見て
Mちゃんがアドバイスしてくれたんだ。
 
もう会社にしちゃいませんか?
って。
 
 
そしたら高校生の子たちが卒業した後も
社員として雇ってあげられるから
雇用機会を創出することにもなるし、
マーケットの需要と供給のバランスも
もっと取れるようになるんじゃないか、って。
 
 
♡ちゃんの宣伝効果に
あやかってるような気もして
少し戸惑ったんだけど…
 
 
「あやかれるもんはあやかっていいんだよ!」
 
「実際に継続して人気が出てるのは
 商品がいいからだよ!」
 
 
ってみんなに背中を押してもらって、
決めたんだ。
 
 
とりあえずは個人事業主っていう形で
始めてみて…
 
ネット決済のシステムとか
そういう難しいのは全部
◇ちゃんが整えてくれて。
 
 
本格的にやるなら、
高校生たちが卒業して
フルで働けるようになる春からは
小物だけじゃなくて
みんながやりたがってる服の販売も
始めようっていうことで
今日はその会議なのです…!!
 
 
上手くいくかどうかドキドキするけど、
それよりもずっと楽しみとワクワクの方が
大きくて。
 
 
私一人じゃこんなこと、
とても出来なかった。
 
 
周りの人たちが助けてくれて支えてくれて…
そのおかげでこうして一つ一つ、
実現することが出来てるの。
 
本当に感謝の気持ちでいっぱいなんだ…。
 
 
女)♧姉ちゃん!いっぱい描いてきたよ!
女)あたしもーー!!
♧)わぁっ!!
 
 
みんなが見せてくれたスケッチブックは
たくさんのデザイン画であふれてる。
 
 
♧)…すご…い…っ
 
 
こんなに思いつくなんて、本当にすごい。
 
 
私…、隆二くんにプレゼントする時は
いっぱいデザインが思い浮かぶけど…
 
いざ商品として考えると、
服よりもやっぱり小物のデザインの方が
好きなんだよなぁ…。
 
 
女)全部商品にするわけにはいかないからさ、
  この中から精査して
  グループ分けして作っていこう?
♧)う、うんっ!
女)♧姉ちゃんには今まで通り
  小物の方をお願い!
♧)はい!わかりました!
女)あたし達、燃えてるからね〜〜!!
女)ねっ!毎日楽しくって!
♧)…っ
 
 
す、すごい。
みんながこんなに
やる気になってくれてるなんて…。
 
 
女)だってせっかく隆くんが
  ミシン買ってくれたんだよー!?
女)しかもこんないいやつね!!
女)ほんと感動♡♡
 
 
そう、実は…、、
 
学校のミシンを借りて
手伝ってくれてたみんなに…
 
隆二くんがこっそりさりげなく
ミシンをプレゼントしてくれたの。
 
施設に2台。
 
 
だから今はみんな
それで作業してくれてるんだ。
 
 
女)ほんと隆くんカッコいい!
  マジ惚れる♡
女)♧姉ちゃんのこと大事にしてるのが
  ひしひし伝わってくるんだよねーー♡
女)絶対大好きでしょw
女)愛されてるねぇ、♧姉ちゃん♡
♧)////
女)この調子で頑張るぞーー!
女)みんなでハピクロを盛り上げるぞーー!
女)オーーーー!!
♧)…っ
 
 
みんなでこうして楽しんで仕事が出来るなんて
本当に嬉しくって…
 
……隆二くん、ありがとう。
 
 
女)よし、じゃあ次の会議は
  また二週間後あたりだね!
女)うん!それまでこっちは全部
  終わらせておくから!
女)あたしはこっち任せて!
♧)わ、私も頑張ります!!
 
 
みんなの勢いに圧倒されつつも
私もメラメラとやる気が湧いてきて。
 
 
家に帰ってきてから
新しい生地を広げたら、
ちょうど♡ちゃんから電話がかかってきた。
 
 
♡『♧さーん!
  昨日言ってたポーチ、
  ♧さんが都合のいい時に
  取りに行ってもいいですか?』
♧『うん、いいよー♡』
♡『今日はお家にいますか??』
♧『あ、うん!今帰ってきたの!
  夜また出かけるけど
  それまではいるよーー。』
♡『じゃあこれから行ってもいいですか?
  今ちょうど仕事終わったんです♡』
♧『わかったよー!
  じゃあ待ってるね♡』
♡『はーいっ!
  ありがとうございますっ♡』
 
 
♡ちゃんに頼まれてたのは
iPadケースとお揃いのお化粧ポーチ。
 
またホームページにも載せてくれるって
言ってたから…
問い合わせがたくさん来そうだな。
 
 
よーし!頑張るぞーー!!
 
 
あ、その前に出かける準備も
しちゃおうっと。
 
 
♧)ええと…、、
 
 
同窓会、何着て行こうかなぁ…。
 
 
このワンピースだとちょっと寒そうだし…
こっちはドレス感が強いし…、
 
うん、これにしよう!!
 
 
♧)……よし。
 
 
鏡で合わせてみて、
髪型も少しアレンジしてみた。
 
普段はあまりしないんだけど…
 
♡ちゃんとか◇ちゃんは
いつも可愛くアレンジしてるよね。
 
私はすーぐ子供たちに
ほどかれちゃうからなーw
 
 
ピンポーン。
 
 
♧)あ、♡ちゃん来たーー!
 
 
オートロックを開けて
玄関まで迎えに行くと…、
 
 
♡)えっ…
♧)え??
♡)……♧さん…、素敵…///
♧)えっ!!!
 
 
♡ちゃんが私を見て固まった。
 
 
♡)あ、ごめんなさい!
  ええと…、あ、これケーキです!
  一緒に食べたくって…、、///
♧)…っ
♡)じーーーーっ///
♧)ええと…///
♡)夜、パーティーとかですか?///
♧)ううん!ただの同窓会だよ!
♡)そうなんだ…///
 
 
上がってもらった後も、
♡ちゃんはずーっと私を見てて…。
 
そんな視線を感じつつ、
私はケーキをお皿にうつして
温かいハーブティーを淹れた。
 
 
♡)本当に…すごく綺麗…、
  女の私でもドキドキしちゃう…///
♧)ええ!?///
 
 
どうしよう…。
なんかすごく気合い入れてるみたいかな!?
全然そんなんじゃないんだけど…
 
 
♡)隆二くん、何か言ってましたか?
♧)え?
♡)今日の♧さんを見て。
♧)あ、ええと…
  さっき着替えて髪もまとめたから
  隆二くんは見てないよ。
♡)むふふふ…♡
♧)えっ…
♡)楽しみですね…♡
  隆二くんも絶対ドキドキするはずー♡
♧)そう…かな…?///
♡)帰ってこないかなー、隆二くん。
♧)今日はお友達の家に遊びに行ってるの。
♡)そうなんだぁ…
  帰ってこーい!隆二くーーん!!
♧)あはははっw
 
 
二人で笑いながら
美味しいケーキをいただいて。
 
♡ちゃんは今日は
衣装合わせの帰りだったみたいで、
その写真を見せてもらった。
 
 
♧)ウエディングドレスなの!?///
  すごーい!可愛いっ!!
♡)久々に着ちゃいました♡
♧)初めてじゃないの?
♡)はい!前に友達のブライダルフェアに
  付き合った時とかに
  何度か着たことはあって。
♧)そうなんだーー。
  ♡ちゃんすっごく似合うね。
♡)ほんとですか?
♧)うん!!
 
 
ウエストがキュッと細くて…
肩も華奢で腕は綺麗にスラッと伸びてるし…
 
肩甲骨のラインとか背中も本当に綺麗。
 
 
♡)ドレスはすごく素敵だったんですけど、
  私はここがもう少しこうなってる方が
  好きなんです♡
♧)あ、わかるかも…!
  それに♡ちゃんはここもこうなってる方が
  もっと可愛いと思う!
♡)わぁ…っ、素敵です…!!
♧)こんなのとかは、どう?
♡)可愛いっ!!
  私はここがこういうラインのも好きです!
♧)それならここはこうとか?
♡)わぁぁぁっ♡
 
 
二人でスケッチブックに
ドレスのデザインをあれこれ書いてると
楽しすぎて止まらなくなってきた。
 
 
♧)ここを絞るなら柔らかい素材がいいよねー
♡)その代わりここはラインをしっかり!
♧)うん!その方が映えるね!
♡)ここは肌を見せちゃってもいいかも。
♧)うんうん、繊細でいいと思うー!
♡)どうしよう!止まらない!
  楽しいよぉぉぉぉ!!
♧)楽しすぎるーーー!!♡♡
 
 
二人でキャーキャーはしゃぎながら…
気付けばドレスのデザイン画は
20枚を超えていた。
 
 
♡)描き過ぎちゃった…。
♧)ほんとだ…。
 
 
思わず二人で目を合わせて笑っちゃった。
 
 
♧)ごめんね、つい興奮しちゃって…w
♡)いえ!私も好きなんです、こういうの!
  子供の頃からドレスとか
  たくさん描いてて…
♧)ええ!そうなの!?
♡)はいっ!
  洋服のデザインとか、してみたくて。
♧)ドレスも?
♡)はい!ドレスは夢ですーー♡
♧)実は私も…
  ドレスのデザインは子供の頃から描いてて
  いつか作れたらいいな、なんて…
♡)一緒だーーー!!♡
 
 
思いがけない偶然に、
気持ちが高揚して。
 
 
♧)あとね、絵本とかも作ってみたいんだー。
  それも子供の頃からの夢なの…w
 
 
そんなことをポロッとこぼしたら、
♡ちゃんの目がまたキラキラと輝いた。
 
 
♡)本当ですか!?///
  私もですっ!私もなんです!!
♧)えええっ!?
♡)昔から絵本が大好きで…
  いつか子供たちが笑顔になれるような
  そんな絵本を自分も作れたらなぁって…
♧)私と一緒だ…!!
♡)すごーいっ!!///
 
 
♡ちゃんは嬉しそうに笑って
私に抱きついてきた。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
晩御飯も食べていきなよって言われたけど
小竹さん達から飲みのお誘いが入ったから
俺は先に帰ってきた。
 
 
玄関のドアを開けると
リビングからは楽しそうな笑い声が
聞こえてきて。
 
あ、靴もある。
むーちゃん来てるのかな??
 
 
隆)ただいまー。
 
 
あ、♡ちゃんだった。
 
 
♧)すごーい!♡ちゃん上手!!
♡)♧さんのクマちゃんも可愛い!♡
 
隆)ただいまー。
 
♧)もっといろんな動物が出てきても
  楽しいよね!!
♡)うんうん!!♡
 
隆)……。
 
 
全然気付いてもらえないんですけど…。
何をそんなに盛り上がってんだ??
 
二人はスケッチブックを広げて
いろんな絵を描いてるみたい。
 
 
隆)たーだーいーまっ!!
 
♧)わぁっ!!!
♡)びっくりしたっ!!!
 
 
……え。
 
 
隆)////
 
 
な、な、何これ。
♧がすげぇ可愛いんだけど…、なんで!?
 
 
♧)お帰りなさい。
  ……どうしたの?固まってる…。
隆)////
♡)あ、わかったーー!!
  ♧さんが今日すっごく綺麗だから
  見惚れてるんだーー♡
♧)えっ…
隆)////
 
 
♡ちゃん、その通りです。
♧が可愛過ぎて、放心してます。
 
 
♡)♧さん今日同窓会なんだって♡
  すごく綺麗だよね?♡
隆)////
 
 
オシャレすんの…禁止って…
言わなかったっけ?俺…。
 
 
♧)変じゃ…ないかな…?///
隆)……全然。いいと思う…///
♧)ふふ、ありがとう♡
隆)////
 
 
でも、これを他の男に見せるのは
すっっげぇヤダ。
 
 
隆)今日さ、同窓会やめて…
  俺とデートしよっか。
♧)ええっ!!
♡)あーー、隆二くんってばーw
  同窓会行かせたくないんだーー♡
隆)そりゃそうでしょ!!
  こんな♧が行ったらどうなっちゃうの!!
♡)どうなっちゃうの?
隆)男に囲まれるに決まってんじゃん!
  危ないよ!危険!ほっとけない!
♡)……。
隆)……ん?何その目は。
♡)隆二くん…、臣くんみたい…。
隆)……。
 
 
それ、むーちゃんにも言われたんですけど。
やめてください。
 
 
♧)えっと、今ね、
  ♡ちゃんと絵本の構想を練ってたのー。
隆)ん?なんの話?
♧)実は……、、
 
 
♧と♡ちゃんは二人とも
ドレスをデザインしたり絵本を作ることが
昔からの夢で…
 
それが一緒だったことが嬉しくて
二人で大盛り上がりしてたらしい。
 
 
隆)なるほど。
 
 
それでこんなに
スケッチブックがいっぱいなのか。
 
 
♡)今度一緒に作ってみようって
  話してたのー♡
♧)ねっ、楽しみーー♡
隆)……。
 
 
この二人が作る絵本なら
癒し度満載なハートフルな物語になりそう。
 
子供も絶対喜ぶな、うん。
 
 
♡)なんか長居しちゃってすみません!
  じゃあ私、そろそろ行きますね!
♧)全然だよー!楽しかった!ありがとう!
♡)また近々、話進めましょうねー♡
♧)うんっ、そうしよう♡
 
 
楽しそうな二人はルンルンしてて可愛い。
 
 
♧)気をつけてねー♡
隆)またねー。
♡)はーい♡
 
 
ご機嫌で帰っていった♡ちゃんを見送って
俺たちはリビングに戻った。
 
 
隆)あのさ、同窓会何時から?
  俺、今から小竹さんたちに
  合流しようと思うんだけど…
  少し顔出せない?
♧)あ、うん!大丈夫だよー!
隆)じゃあ一緒に行こ。
♧)うん。
 
 
……にしても。
 
本当にこの姿で同窓会行くのかな。
心配すぎるな…どうしよう。
 
 
♧)どうしたの?じーっと見て。
隆)……いや、ほんとに綺麗だなぁって…。
♧)やだ、恥ずかしい///
隆)…っ
 
 
だから言ったじゃん!
♧が可愛く恥じらう姿はダメなんだって!
俺すぐムラムラしちゃうんだって!
 
 
隆)変な男に絡まれても相手しちゃダメだよ?
♧)変な男って…みんな同級生だよ?
隆)そうだけど…
  変なおっさんになってる奴も
  いるかもしんないじゃん。
♧)あははは、隆二くんひどーいw
 
 
笑い事じゃないんです!!
 
 
隆)とりあえず口説かれたら
  彼氏いるって言えよ?
  いや、口説かれる前にいるって言えよ?
♧)……。
隆)彼氏のことが大好きで
  彼氏じゃなきゃダメで
  彼氏にメロメロすぎて困ってるんですー
  ってノロけておけば大丈夫!
♧)……///
 
 
あれ…?
呆れてます…?
 
 
隆)わかった!?
 
 
無理やり返事を促したら…
 
 
♧)わかったよ…、///
 
 
♧が可愛くきゅっと抱きついてきた。
 
 
♧)私…、隆二くんが大好きだし…
  隆二くんじゃなきゃダメだし…
  隆二くんにメロメロすぎて、困ってるの…
隆)えっ…///
 
 
いや、うん。
俺が今言ったことなんだけど…
 
そんな可愛く言われたら…
ドキドキしちゃうじゃん…///
 
 
♧)……大好きだよ…?///
隆)////
 
 
可愛いぃぃぃぃぃ!!!!
 
 
隆)………ぃよっし!じゃあ行こ!///
 
 
ぎゅんぎゅんしてる胸を誤魔化しながら
俺は♧の手を取って、玄関を飛び出した。
 
 
お店に向かうタクシーの中では
今日の出来事をお互いに話したりして。
 
 
隆)俺、絶対いいお父さんになるって
  言われちゃったーーw
 
 
なんて調子に乗って報告したら…
 
 
♧)うん、私もそう思うよ…♡
 
 
なんて、とびきりの綿あめスマイルが
返ってきた。
 
 
隆)////
 
 
はぁ…、
早く俺のお嫁さんになってください///
 
 
男)ああ、隆二ー!こっちこっち!
隆)すいません、遅くなりましたー!
 
 
小竹さんはスタッフさん達と
盛り上がってて…、
あ、ジェネもいる。
 
 
隆)♧です。
♧)初めまして。
 
 
♧がにっこり微笑むと、
小竹さんも嬉しそうに挨拶してくれた。
 
 
隆)彼女これから同窓会なんで
  少ししかいられないんですけど…
小)ああ、それなのに来てくれたんだ!
  ありがとう。
♧)いえ!
 
 
それから少しみんなで話して、
♧はすぐに同窓会に向かった。
 
 
隆)……はぁ、心配だなぁ…。
 
 
ついぼそっと呟いたら、
隣で小竹さんが笑ってる。
 
 
小)そんなのいちいち
  心配するタイプなの?隆二。
隆)ええと…、まぁ…、ハイ///
小)臣みたいじゃんw
隆)えっ…
小)あいつの過保護っぷりはすごいって
  有名だからさー。
隆)……。
 
 
「臣みたい」って…
何回言われんだ、俺。オイオイオイ。
 
 
小)なんかあの子、隆二みたいだよね。
隆)え?
小)笑顔がそっくり。
  ふにゃふにゃ〜〜って。
隆)ああ…、よく言われますw
小)いい子そうで安心した。
  まぁ会う前からいい子なのは
  わかってたけどねー。
隆)え?
小)だってお前、変わったじゃん。
  纏ってる空気が穏やかになった。
隆)そう…ですか…?
小)うん。一目瞭然。
  繊細で危うい感じがして
  結構心配で目が離せないとこも
  あるようなタイプだったけど…
  最近は全然だもん。
  幸せそうなふわふわオーラが漂ってる。
  彼女みたいな。
隆)……///
 
 
♧の癒しのオーラに
毎日包まれてるからかな!?
 
 
小)いい恋愛してるんだろうなーって
  わかるよ、すごく。
隆)ありがとうございます…///
 
 
今までの俺を知ってる人に
そう言ってもらえると…
なんかすごく嬉しい。
 
 
隆)俺…、本当に感謝してて、彼女に…。
小)うん。
隆)いつもそばにいてくれて…
  いつも笑顔でいてくれて…
  それだけで本当に心が安らぐし…
小)うん。
隆)すごく助けられてるんです、
  彼女の存在に。
小)うん…。
隆)それに、尊敬もしてて、彼女のこと。
  俺なんかよりずっとずっと
  苦労して生きてきてるのに…
  そんなの一切表には出さなくて…
  いつも笑顔で、強くて凛としてる。
  自分もこんな風でありたいなぁって…
  そう思うくらい、眩しいんです。
小)うん。
  見た目とか外見じゃなくて…さ、
  生き方が美しい女性って…いいよね。
  そういう人の笑顔とか醸し出す雰囲気って
  本当に綺麗だと思う。
隆)はい。
小)思わず男が見惚れるような…
  眩しくてしなやかな、一輪の花みたいな。
隆)……。
小)どんな痛みとか傷をかかえてても
  笑顔で強く生きてる、美しい人。
隆)……。
 
 
あれ…、これはもしかして…、、
 
 
小)うん、なんか湧いてきた。
  そんな歌、作りたいな。
隆)あはははw
 
 
やっぱり。
小竹さんが閃いた時は
顔を見ればわかるんだよなー。
 
 
隆)じゃあぜひ三代目の歌にしてください。
小)了解、楽しみにしててw
隆)はいw
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
男)LINE交換しようって。
  またこうしてみんなで集まりたいじゃん。
♧)ええと…、
 
 
個人的に交換して…いいのかな…?
 
 
男)あ、だったらさ、
  あとでグループLINE作ってよ、幹事!
  今日来てるメンバー全員招待してさ、
  そしたらみんなそれぞれ繋がれるじゃん。
女)了解!
男)あとでやっとくー。
男)さんきゅー!
♧)……。
 
 
なんだかよくわからないけど、
とりあえずもういいかな?
 
 
男)あ、ちょっと待ったちょっと待ったw
♧)…っ
男)仕事とかいつ休みなの?
♧)ええと…、
 
 
どうしよう。
この子、こんなグイグイタイプじゃ
なかったはずなのに…!
 
むーこはあっちで
初恋の剣太郎くんにべったりだし…!
 
 
男)てかさ、彼氏いる?
♧)!!!
 
 
そう聞いてくれたら、
とっても断りやすい!!
 
 
♧)いるの!!
男)あ、そーなんだ。
  でさ、いつ休みなの?
  今度ご飯行かない?
♧)…っ
 
 
あれ…?
おかしいな…。
 
私今、彼氏いるって言ったよね?
 
 
♧)彼氏以外の人とご飯は行かないよ。
  ごめんね。
男)えーー!何それ!w
  今時そんな堅かったら
  友達付き合い出来ないじゃんw
♧)…っ
男)それとも何?
  彼氏が束縛系とかー?
  それやべぇよー、別れた方がいいかもよ?
♧)…っ
 
 
どうして何も知らないのに
そんなこと簡単に言うのかな。
 
 
♧)彼氏のこと悪く言わないで!
男)あ、あれだ。
  もう盲目になっちゃってるやつだーw
  DVとかされても
  離れられないやつでしょ?
♧)…っ
 
 
何言ってるの?
隆二くんがDVなんかするわけ…っ
 
 
男)それ絶対やめた方がいいってーーw
  俺にしときなよ、悪いこと言わないからw
♧)いい加減にして!!
 
 
私は思わず大きな声を出してしまった。
 
 
♧)私の彼氏のこと、何も…っ
男)お前いい加減にしろよ。
♧)…っ
 
 
間に入ってくれたのは、
隣のクラスの男の子だった。
 
 
男)さっきから強引すぎ。
  そして失礼極まりない。
  飲みすぎだぞ、気をつけろ。
男)なんだよ…、ちぇっ…。
♧)…っ
 
 
彼は不満そうにワイングラスを持って
テーブルを離れていった。
 
 
♧)ええと…、ありがとう。
男)ごめん。もっと早く入れば良かった。
♧)ううん…。
男)あいつ酔ってるせいか
  口説き方、下手すぎなw
♧)……。
男)まぁでも気持ちはわかるけど。
♧)え…?
男)口説きたくなる気持ち。
  ♧、すげぇ綺麗だし。
♧)…っ
 
 
ニッコリ微笑む彼に
なんて返したらいいのかわからなくて
私はカクテルに口をつけた。
 
褒めてもらうことに慣れてないから
こういう時、すごく困る…。
 
 
男)でも大好きな彼氏がいるみたいだし…
  俺はやめとくよ…w
♧)えっと…、ありがとう///
男)ありがとうって!あはははw
♧)あれ…///
 
 
間違えちゃったかな。
 
 
男)そのアンバランスさがいいんだろうなー。
♧)え…?
男)すげぇ綺麗なのに
  ちょっと抜けてて可愛いし…
  でも色っぽくて。
♧)ええと…、///
男)イイ女になったね。
  彼氏がイイ男なんでしょ、きっと。
♧)うん!すごくっ!!
 
 
それだけは自信を持って言えるから。
 
 
男)即答かよ、あははは!w
  ほんと面白いな♧〜〜w
♧)////
 
 
だって…
隆二くんは本当に本当に素敵だもん。
大好きだもん。
 
 
む)♧〜〜〜〜っ
♧)あ、むーこ!
む)めちゃめちゃショック〜〜〜
  剣太郎くん、結婚してたぁ〜〜〜
♧)ええっ…
 
 
そうだったんだ…。
 
てゆーかむーこ、すごく酔ってる。
大丈夫かな。
 
 
む)しかもさ、ひどいんだよー。
  あたしとチューした後で
  そんなこと言うの。
♧)ちゅっ…!?///
 
 
一体どこでそんなことしてたの!!
 
 
む)おっぱいだって触ったくせに…
  最初から妻子持ちだって
  言えっての…!
♧)おっぱ…っ///
 
 
だから一体どこでそんな…!!
 
 
む)♧はーー?
  なんか男にベタベタされてたじゃん。
  遠目で見てたよ。
♧)あ、うん、大丈夫だよ。
む)隆二くんが見てたらブチギレだね…w
♧)ええっ!
む)元ヤンが発動して殺されるよ、あいつw
 
 
むーこは楽しそうに笑いながら
またカクテルを飲み干した。
 
 
♧)むーこ、飲み過ぎじゃない?大丈夫?
む)だいじょーぶっ!
  あたし強いもーーんっ♡
 
 
って言いながら足元がフラついてるから心配。
 
 
女)ちょっと〜〜!
  あんなに恋愛に疎かった♧が
  彼氏とラブラブって聞いたよー?
♧)えっ、えっと…
女)写真見せなよ〜〜!
女)あたしも見たい見たい〜〜!!
♧)ええと…、
  写真は、なくて…
女)ないわけないじゃん!w
  1枚くらいあるでしょー?
女)そうだよぉ〜〜!
  もったいぶらないで見せてよぉ〜〜!
♧)本当にないの、ごめんね。
女)えええっ!
  写真嫌いな人なの?
♧)……うん。
女)ざんねーーーん。
  イケメン?
♧)うん、カッコイイよ…///
女)あー!ノロけたー!♧ってばー!
  はい、罰としてこれ一気。
♧)どうして!w
女)いいから飲むっ!!
♧)えええっ!!w
 
 
そんなこんなで私も結構飲まされて、
最後はむーことフラフラになりながら
タクシーに乗り込んだ。
 
 
む)あ〜〜〜〜〜もう無理。
  自分ち帰るの無理。
♧)ええっ!
む)♧の家のが近いじゃん。
  泊まらせてぇぇぇ〜〜〜〜
♧)いいけど…、、
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
もう帰ってきてるかなーー
なんて玄関を開けたけど、
家の中はまだ暗くて。
 
 
♧はまだ同窓会みたい。
二次会とか行ったのかな?
 
 
隆)ふぅぅぅ……
 
 
今日は昼間から飲んでたし、
結構疲れたなーー。
 
 
ばふっとソファーに横たわって目を閉じた。
 
 
「……気持ち…いい…///」
 
「もっと…、欲しい…///」
 
 
隆)…っ
 
 
え?
 
……あれ?
 
なんか一瞬、♧の声が聞こえたような…、、
 
 
隆)////
 
 
俺、酔ってんのかな?
うん、酔ってるな。
 
今朝、水を飲ませてあげた時の色っぽい♧が
急に頭をよぎっちゃった。
 
ああ、びっくりした。
 
 
隆)ふぅ……、
 
 
「隆二くんのこと…、求めちゃう…///」
 
「すぐにね、抑えがきかなくなるの…///」
 
 
隆)…っ
 
 
あれ?
また聞こえたぞ?///
 
俺どうしたんだ?
飲みすぎた?
 
 
…って、コラーーーー!!
 
お前は少し大人しくしてろリュージ!!///
 
 
欲求不満でもあるまいし…
なんでこんなに頭の中が…、、
 
 
「……隆二くん…、大好き///」
 
 
隆)…っ///
 
 
ヤバイ。
なんかドクドクしてきた。
 
何俺一人で興奮してんの。大丈夫か?
 
 
だって…
さっきから…
 
♧の可愛い声とかエロい声ばっかり…
頭の中で再生されて…、、
 
 
隆)だぁぁぁぁああああ!!///
 
 
クッションに顔面ダイブしたら、
玄関が開く音が聞こえた。
 
 
隆)!!!
 
 
♧、帰ってきた!!
 
俺の煩悩にストップかけてくれて
ありがとう!!
 
 
♧)ほら、むーこ、しっかり!
む)ううう〜〜〜
 
隆)おかえり!
 
 
あらら…
♧がぐでんぐでんのむーちゃんを抱えてる。
 
 
♧)隆二くん、ごめんね?
  今日むーこ泊めてあげてもいいかな?
  すごく酔っちゃってて。
隆)うん、全然いいよ!
  この部屋使いなよ、ほら…、
 
 
って言った次の瞬間、
むーちゃんは倒れこむように部屋に入って、
そのまま寝転がっちゃった。
 
 
♧)もぉ〜〜!むーこぉーー!
  ほら、起きて!
む)無理ぃ…、、このまま寝るぅ……
♧)化粧落とさないの!?ダメだよ!
む)1日くらい…いいの…っ
  エステ行って…挽回する…、、
♧)あああ…っ
 
 
むーちゃんの目が閉じちゃった。
 
 
隆)こりゃもう起きないでしょ…w
♧)じゃあせめて毛布を…
 
 
♧がむーちゃんの身体に毛布をかけてあげると
むーちゃんの目がパッと開いて、
今度はいきなり笑い出した。
 
 
隆)何!怖いよむーちゃん!
む)あははははw
隆)なに!?何なの?!
む)……うにゃ…
隆)寝ぼけてんの!?なに?!
♧)ごめんね、隆二くん…w
隆)どんだけ飲んだんだよ…w
  ♧は大丈夫なの?
♧)私は大丈夫だよーー
 
 
と言いながらも珍しく顔が赤いけど。
 
 
む)♧はぁ〜〜〜
  男にナンパされまくってましたぁ〜〜♡
隆)は…?
む)モテモテでしたぁ〜〜♡
♧)ちょっと!むーこ!
隆)…っ
 
 
何それ…、ほんと…?
 
 
む)他の男たちも噂してたよーーんw
  ♧が色っぽくてたまんねーって。
隆)!!!
 
 
やっぱり…
やっぱりか…!!
 
 
♧)変なことばっかり言わないで!
む)ほんとのことだもーん…♡
  ……むにゃ…、、、
♧)……あ、寝ちゃった…。
隆)……。
 
 
酔っ払いむーちゃんは
とりあえず休んでもらって…
 
リビングに戻ってきた俺たち。
 
 
♧)むーこがごめんね…?
隆)……。
♧)隆二くんはお風呂入った?
  私入ってきていいかな?
  結構飲んだから暑くって…
  汗流したいの、…っ、きゃっ!!
  りゅ、隆二くん!?
  待って、ちょっと!どうしたの!?///
 
 
驚いて俺にしがみつく♧を
寝室まで連れてって…、
 
真っ直ぐベッドに降ろしたら、
すぐさまその上に跨った。
 
 
♧)りゅ……じ…くん…?///
隆)……。
 
 
そんな可愛く目を潤ませて…
色っぽく頬を染めて…
 
やっぱり他の男から
そういう目で見られたんじゃん。
 
 
♧)んん…っ、あっ…、///
 
 
俺は勢いのままに
♧の服を次々に脱がせて…
 
その柔らかい肌に、口付けていく。
 
 
酔ってるからか、火照ってる熱い肌。
 
外では飲むの禁止って言ってるのに…
同窓会だって例外じゃないんだよ。
わかってる…?
 
 
♧)……はぁ、…///
 
 
綺麗なワンピースも
綺麗にまとめた髪も
 
全部、乱れて。
 
 
それでも綺麗だから、ほんと困る。
 
 
むしろこの姿の方が、余計に色っぽい。
 
 
♧)や…っ、ぁ、ん…っ///
 
 
ぴくぴく小さく跳ねる姿が可愛くて…
 
 
隆)感じてんの…?
 
 
俺もバサッと服を脱ぎ捨てたら、
♧は泣きそうなくらいに目を潤ませて
俺を見つめた。
 
 
隆)そんな顔して…、
♧)隆二…くん…?///
隆)ダメだって言ったろ…?
♧)////
 
 
ほら、その顔。
 
男の本能を掻き立てるような表情と仕草。
 
 
隆)お仕置きね…。
♧)どう…して?///
 
 
♧が俺の腕を小さく掴んだ。
 
 
♧)ちゃんと断ったよ?///
隆)「断った」って…、
  やっぱり口説かれたんじゃん。
♧)あ、…っ
隆)ちゃんと教えた通りに言ったの?
♧)え?
隆)好きで好きで仕方ない彼氏がいるって。
♧)言ったよ!!///
隆)…っ
♧)ちゃんと…言ったもん…///
隆)ふーん…、
 
 
それでも止めてあげないけどね。
 
 
♧)あ、…っ、ん、ん、…っ///
 
 
可愛い身体。
 
俺に愛されて、赤く染まっていくんだ。
 
 
♧)ダメだよ、隆二く…っ、
  私汗かいちゃったし…、
隆)そんなんどうでもいい。
♧)お酒いっぱい飲んじゃったし…っ
隆)だからどうでもいいって。
♧)んんっ!///
 
 
柔らかな肌を這う舌を、
もう止められるわけがない。
 
 
隆)ほら、気持ちいいんでしょ…?
  おとなしく感じてな…?
♧)////
 
 
火照った頬を優しく撫でたら、
♧は恥ずかしそうに口をつぐんで…
 
俺の動きに合わせて…
シーツをキュッと掴んで、眉を寄せる。
 
 
隆)……すごいね…、
  こんな感じちゃったの…?
  気持ちいいんだ…?
♧)////
 
 
俺に溶かされていく♧が
可愛くて仕方ない。
 
 
♧)隆二くん…、ダメ…だよ…っ
  むーこがいるから…!
隆)聞こえないよ。
♧)ダメだよ!
隆)寝てるじゃん、むーちゃん。
♧)でも…っ
隆)聞こえないって。
 
 
もし聞こえたって、もういいよ。
 
 
隆)このまま抱かれろよ。
♧)…っ///
隆)やめていいの…?
 
 
そんなの無理だろ、お互いもう…。
 
 
隆)素直に言いなよ、ほら…。
♧)…っ、隆二くん…今日…意地悪…///
隆)お仕置きだって言ったじゃん。
♧)なんの…お仕置きなの…?///
隆)俺以外の男をドキドキさせた罰。
♧)////
 
 
俺の言葉に、♧はゆっくりと手を伸ばして
俺に抱きついてきた。
 
 
♧)隆二くん…だけだもん…、///
隆)…っ
♧)隆二くんじゃなきゃ…ダメなの…///
隆)…っ///
♧)大好き…なんだよ…?///
隆)////
 
 
甘い甘い囁きが
俺の耳を侵していく。
 
 
♧)……声、…我慢…するから…
  抱いて…ほしい…、///
隆)////
 
 
ああ、もう、ほんと…。
 
……俺をどうしたいの?
 
 
そんなに可愛く甘えてきて…
色っぽく俺を誘惑して。
 
 
♧)んんっ!んんっ!…や、ぁっ///
 
 
止まるわけないだろ、もう。
 
 
♧)りゅ…っ、んん、…っ!
  声…、出ちゃう…っ///
隆)出せよ。
♧)…っ///
 
 
俺は♧の手を掴んで、握り合わせた。
 
 
隆)我慢なんかすんな。
♧)…っ///
隆)出せよ、声。
♧)////
 
 
こんなに気持ち良くて
おかしくなりそうなのに…
 
我慢なんてもう、出来ないだろ…?
  
 
♧)…ぁ、…っ、ん…っ!///
 
 
弾むように、ぶつかる身体。
 
流れる汗。
 
 
♧)はぁ、っ…、んっ、ん…っ///
 
 
♧の甘い声が、
俺をより興奮させて…
 
二人の繋がりを深めていく。
 
 
隆)好きだよ、♧…っ、
♧)はぁっ…、はぁ…、っ///
隆)……愛してる…、///
♧)んんっ…!///
 
 
こんなに好きなのに…
こんなに愛しいのに…
 
加減なんてしてやれるわけもなくて。
 
 
暴走した自分を反省するのは
♧が意識を失って、
俺の腕の中で、眠りについた時。
 
 
だからそれまでは…
とことん愛させてよ、全身で。
 
 
すぐに嫉妬してどうしようもない俺だけど…
 
自分でも手に負えないくらい
愛してるから。
 
 
だから…、♧はずっと。
 
 
俺の腕の中でだけ、
綺麗に乱れ咲く、一輪の花でいて……。
 
 
 
 
 
 
 
ーendー

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