〈12〉甘い瞳(隆二&♧Side)

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隆)あ、携帯鳴ってるよー。
 
 
タイを緩めてテーブルに座ったら
むーちゃんの携帯がキラキラと光った。
 
 
む)うっそ!今手ぇ離せん!誰ー?
隆)んっとねー、あ、健ちゃん!
む)ああ、じゃあ出てー!
隆)ええ!俺!?
む)うん!
隆)じゃあ…、失礼しまーす。
 
 
ピッ。
 
健『もしもし?むーちゃん?
  今何してんのー?
  これから会えへん?』
隆『これから♧と鍋するから無理ー。』
健『えっ!』
隆『じゃーねー。』
健『ちょ!え!隆二!?』
隆『むーこでーす。』
健『気持ち悪い裏声使うな!w』
隆『あはははw』
健『なんでお前が出んねん!』
隆『だからむーちゃん今
  うちにいるんだってば。
  これから女子二人で鍋するみたいよ。
  もちもち鍋。』
健『なんやそれ。』
 
む)コラーゲン鍋ね!w
 
隆『ああ、そうだった、それそれ!w』
健『ん?
  んー、ほな俺も行くわ。』
隆『へ?なんで?
  鍋二人分しかないらしいよ。』
健『ええよ。俺腹減ってへんもん。
  酒だけ買ってくわ。』
隆『ふーん、了解。』
 
ピッ。
 
 
隆)なんか健ちゃん今から来るってー。
む)え、なんで!?
隆)わかんない。
  むーちゃんに会いたいんじゃない?
む)Hしたいだけだなー?も〜〜
  ま、いっか。
 
 
いいんかい!w
 
 
隆)むーちゃんと健ちゃんって
  相変わらず仲良いの?
む)うん。
  お互い他にもセフレいると思うけどねー。
隆)えっ!
む)ん?
隆)そう…なの?
む)うん。あたしはいるし。
  健ちゃんもいるでしょ、あの感じ。
隆)……うーん…、まぁ…。
 
 
いるだろうけど…
ほんとに割り切ってんだなぁ…。
 
 
♧)……///
隆)はっ!!
  いいのいいの!♧は聞かなくていいの!
  大人の話だから!
♧)子供扱いしないで!///
隆)ピュアな♧には聞かせられない話だから。
む)人をヨゴレ扱いするなw
隆)あはははw
む)♧にだって隆二くん以外に
  彼氏の一人や二人…、ねぇ?
隆)は!??
♧)そ、そうだよっ。
隆)はぁぁぁ!!??
 
 
俺は思わず立ち上がった。
 
 
隆)ちょ、ちょ、ちょ、ど、ど、どっ
む)ぶっw
  動揺しすぎでしょ!あはははw
隆)どういうこと!?
  嘘でしょ?俺だけだよね!?ねぇ!!
♧)…っ
 
 
俺が詰め寄ると、♧は少し拗ねたように
「私のこと子供扱いするからだよ」
なんて言って。
 
 
隆)俺だけでしょ!?
  彼氏俺だけだよね!?
 
 
しつこく詰め寄る俺を、
うるうるした可愛い瞳で見上げてきた。
 
 
♧)隆二くん…だけだよ…、///
  当たり前でしょ…?///
隆)////
 
 
……可愛い。
俺だけだって…。
 
……いや、当たり前なんだけど…。
 
 
隆)今のもっかい言って…///
♧)え…っ
  ……隆二くん…だけだよ?///
隆)////
 
 
可愛い。やっぱり可愛い。
 
 
隆)俺じゃなきゃもうダメって言って。
♧)え…?
隆)あ、俺のじゃなきゃもうダメって…
む)こらーー!!
  ええ加減にせーーーいっ!!
隆)…っ
 
 
姉御に怒られちゃった。
 
 
隆)俺も♧だけだよ?
♧)えっ…
隆)♧だけ。こんなに好きなの。
  ほんと好き。
  俺には♧だけだから。
♧)ええと…///
む)だからあたしいるの忘れんなーーー!!
隆)ああ、いたのむーちゃんw
む)こらーー!!ww
  ……なんか隆二くん、
  臣くん化してきてるよ。
隆)はぁぁぁ!??
む)人前でイチャつこうとするとこが。
隆)やめてよ!
  俺あんなんじゃないし!
  むーちゃんは気心知れてるからだし!
む)ほんとかな〜〜〜
隆)臣なんかと一緒にしないで!
  この間だってあいつひどかったんだよ!
む)え、なになにー?
隆)MVの撮影で、…っ
 
 
そこまで言いかけて、ハッとした。
 
 
『BREAK OF DAWN』のMVに
♡ちゃんがサプライズ出演したことは
MVが公開になるまで
内緒にしとくつもりだったのに…!!
 
……危ない危ない。
言っちゃうところだった。
 
 
む)臣くんがどうしたってよ。
隆)なんでもない。
む)ズコーーーッ!
  なんじゃそりゃ!!w
隆)……むーちゃん…
  ツッコミとかノリが
  健ちゃんみたいになってきたね…。
む)ちょっと!やめてよ!!w
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
健ちゃんはお酒をたくさん買って来て…
 
私とむーこはコラーゲン鍋。
隆二くんと健ちゃんはお酒で乾杯をして
久しぶりに4人でワイワイしてます。
 
 
む)これで美肌になったんでぇ〜〜♡
隆)またむーちゃんが健ちゃんみたいに
  なってる…。
む)だからやめてってば!w
健)やめてって何やねん!w
♧)あはははっw
健)こんなん食うて美肌になるん?
む)なんねん!
  ならな困んねん!
隆)むーちゃん十分肌綺麗じゃん。
  ねぇ?
健)おん。綺麗やで。
む)油断したら
  すぐに劣化するお年頃やねんで。
健)そらあかんわ。しっかり食うときー。
♧)しっかり食べるでー!
隆)ぶっ!似合わない!!ww
  ♧の関西弁似合わなすぎる!やべぇ!ww
♧)……///
 
 
どうして私だけ大笑いされるのかな?
おかしいな。
 
 
む)新年明けましたけど
  皆さんどうですか?
隆)いきなり何!w
む)いや、だってさーー、新年早々
  SMAPの解散説が飛び交ってたり
  ベッキーの不倫報道があったりで
  芸能界は騒がしいじゃない?
健)ああ、確かに。
む)三代目は平和かいな?
隆)うん。今のところ何もないよ。平和ー。
♧)平和が一番だよー♡
健)お前はなんでそんな格好してんねん?
  結婚式?
隆)ああ、うん。友達のね。
健)着替えたらええやん。堅苦しい。
♧)やだっ!
健)えっ…
 
 
私が思わずそう言うと、
隆二くんが嬉しそうにニヤニヤ笑った。
 
 
隆)可愛い彼女がさー、
  このままでいてほしいんだってーw
健)なんや。スーツフェチかいな。
  ほんならジャケットも着たりや。
  タイも締めて。
隆)それは堅苦しいからやだ。
健)中途半端やな!w
♧)このままでもカッコイイもん…///
健)かーーーっ!
  出たでバカップル!!
♧)別にフェチなわけじゃないけど…///
む)♧も明日は少しドレスアップして
  隆二くんをドキッとさせちゃえばー♡
健)ん?
  ♧ちゃんも明日結婚式なん?
♧)ううん、同窓会なのー!中学の。
  むーこと一緒に行くんだ。
隆)ドレスアップなんかしなくていいよ。
む)あらら。
隆)そんなんしなくても
  俺はいつでも♧にドキドキしてるもん。
♧)え…っ///
隆)オシャレとかして
  無駄に他の男をドキドキさせないで。
  ダメ。
む健)オシャレくらいええやろ!w
隆)むーちゃん…
  やっぱり健ちゃんに似てきたね…
む)だからやめてってば!w
 
 
ゲラゲラ笑いながら
豚肉をパクッと食べたむーこを
健ちゃんが横から肘でツンツンしてる。
 
 
……明日はドレスアップする予定はないけど…
隆二くんにいっぱいもらった服の中で
割とパーティー寄りなワンピースとかが
着る機会がないのは確かで。
 
 
私も結婚式とかがあれば
着ていけるんだけどなぁ。
 
その時は少しオシャレして
隆二くんをドキッとさせたいな…♡
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
隆)ん…?
 
 
なんだろう。
隣に座ってる♧が
なんだか可愛い顔で俺を見てる。
 
 
♧)ふふふ♡
隆)え?///
 
 
何その可愛い綿あめスマイルは!!
 
 
隆)はぁ…、///
♧)どうしたの?
隆)♧ってさ、もうそこにいるだけで
  癒しだよね。
♧)えっ?
隆)なんかさーー、ほんと好き。
♧)////
む)なんかあたしらの目の前で
  告白してる奴いるよー。
健)ほんまやな。アホなんちゃう?
む)あたしも健ちゃん好きだよーー♡
健)えっ///
む)って、なんで照れんねん!w
健)そんなん…初めて言うやん…///
む)ノリやろ、ノリ!w
健)え、好きなん?
む)え?好きだよ?
健)え、それって…、その…
む)多少の好意がなきゃ
  そーゆーことだってしないし、あたし!
健)た、多少の…、好意…、
む)うん!
  健ちゃんは好きだよ♡
健)////
隆)なんか俺らの目の前で
  弄ばれてる男がいるよ。
♧)う、うん…///
む)別に弄んでないし!w
健)むーちゃん…
  それ食ったら帰ろな。
む)ん?ああ、OK!
  Hしたいんでしょ?
隆)どこまでオープンなんだよ!w
 
 
あけすけなむーちゃんに思わず突っ込んだ。
 
 
健)せや、お前はどうやってん!結婚式!
隆)何が?
 
 
ニヤニヤ嬉しそうな健ちゃんが
それを誤魔化すように
急に俺に振ってきた。
 
 
健)なんか歌ったんちゃうの?
隆)ああ、歌ったよー。
  てゆーか今日さ、実は…、、
 
 
俺がハヤトのことを話したら、
健ちゃんは酒をドンとテーブルに置いた。
 
 
健)何やねんその母親はー!
  母親失格やなほんま!腹立つわー!
隆)いや、でも…
健)子供の面倒も見られへんねやったら
  連れてくんなっちゅーねん!
隆)いや、だから…
健)ほんまありえへんわぁ〜〜〜
む)もう、健ちゃん!
健)へ?
む)母親なら完璧に子育てして当たり前、
  みたいな考えが
  世の母親を追い詰めてるのよ!
健)はぁ?
む)男も女も関係ないの!
  母親だって父親だって、
  子供が生まれて初めて
  「親」になるんだから
  みんな初心者なんだよ!
健)せやけど…、母親なら…
♧)お母さんもね、人間だから。
  喜怒哀楽はあるし
  いつも完璧でいるのは難しいんだよー。
  当たり前だけど疲れちゃうこともあるし
  鬱になっちゃう人だっているんだよー。
健)えーーーー。
♧)特に、旦那さんが忙しかったり
  周りに相談できる人がいなかったりすると
  お母さんは煮詰まっちゃうから…。
む)うんうん。
♧)だから。
  隆二くんがそのお母さんに
  言ってあげた言葉は、
  とても救われたんじゃないかな…?
隆)え…?
 
 
♧が優しく微笑んで俺を見た。
 
 
♧)そのお母さんを責めたりせずに、
  共感してあげたんでしょう?
隆)……そっか、
  そういうことに…なるのかな。
 
 
そんな深く考えてなかったけど…
 
 
む)女は共感してほしい生き物だからねー。
健)俺アカンわ。
  俺やったら何しとんねんって
  説教してたわ。
む)それこそアカン〜〜〜!w
♧)自分の気持ちや辛さを
  少しでもわかってもらえたら…
  それだけで心が軽くなることもあるから…
  そのお母さんは隆二くんの優しさに
  ほっとしたと思うよ。
隆)…っ
 
 
こんなに優しく微笑んでくれる♧にも
いつかそういう時が来たりするのかな?
 
子育てに疲れて心が荒んじゃうような。
 
♧はなさそうだけど…
もしもそんな時が来たら、
その時は俺が絶対に全力で支えよう。
 
 
隆)大丈夫だからね。
♧)え?何が?
隆)俺がいるから。♧には。
む)何の話や!w
健)お前はいっつも話がぶっ飛びすぎやねんw
 
 
♧は可愛くきょとんとした顔で俺を見てる。
 
俺、絶対いいお父さんになるから…!!
 
 
健)ああ、そういえば…
  あの子はどうなったん?
  前に言うてた捨て子?
♧)あ、あの赤ちゃん?
  あの子はね、先週無事に
  里親さんに引き取られていったよー。
健)おお!そうなん!良かったやん!
♧)うんっ!
む)でもまた問題児が入ってきたんだもんね?
  どうなった?龍二はw
♧)龍くんは…、
隆)隆二!?隆くん?!
  え、何?俺!?
む)ちゃうがなw
♧)ほら、話したでしょ?
  新しくうちに来た男の子。
隆)あ、先週入ってきたって言ってた子?
  名前隆二っていうの!?
  俺と一緒?!
♧)漢字は「龍二」だけどね、
  同じ「りゅうじ」だよー。
隆)えーー!めっちゃ親近感!
  どんな子なの?いい子でしょ、絶対。
健)何やねんその自信はw
む)全然ええ子ちゃうで。
  問題児や言うとるやろ!w
隆)うっそ!!
健)あははは!w
 
 
りゅーじって名前に悪い奴が
いるはずないんだけどな。
 
 
む)だって♧にもブスとか言って
  叩いてきたりするんでしょー?
隆)はぁぁ!??
 
 
なんだそいつは!!
 
 
む)まぁ事情が事情だから
  仕方ないのかもしれないけど…
健)事情って?
む)父親のDVで母親入院してて、
  父親は捕まってるらしいよ。
隆)ええええ!!!!
 
 
なんだそれ…!!
 
 
健)DVって…子供にも?
♧)……うん…。
隆)…っ
 
 
信じられない。
ほんと信じれらない。
 
 
健)ブス言うたり叩いてきたり
  それも父親の影響なんかなぁ?
♧)うん、それもあるかもしれない…。
  でもね、やっと少しずつ
  心を開いてきてくれてる感じだよー。
む)おおお!さっすが♧!素晴らしい!
♧)最初はハグしても暴れてたんだけど…
  今日は大丈夫だった…!
隆)おおお…
 
 
それは絶対♧の癒しパワーに違いない…!
 
 
健)そういうひねくれた子供って
  どうやって対応すんの?
  改心するんかなぁ?
む)もっと複雑な環境で育った子とか
  難しいケースはたくさんあるよね?
♧)うん。
隆)…っ
 
 
なんか…
りゅーじって言われると他人事に思えない。
 
 
♧)でも、どんな時でも一緒だよ。
  私たちが出来ることは、
  根気よく愛情を伝え続けることだから。
隆)愛情を…?
♧)うん。
  大好きだよ、愛してるよ、って。
  その子を信じて、認めてあげて、
  褒めてあげるの。何度も何度も。
健)へぇ…。
♧)愛されて育った子供は
  人を愛することも人から愛されることも
  出来る大人に育つんだって。
  でも、愛を知らずに育った子供は
  人の愛し方もわからないし、
  愛され方もわからない大人になっちゃう。
む)やっぱり育った環境って
  人の人格に大きく影響するよねー。
健)それは思うわ。
  犯罪者とかあんなんみんな
  まともに育ってへんやろ。
♧)うん…。
  でも、誰かから信じてもらえたり
  自分を認めてもらえたり、
  人から愛されることをちゃんと知ってたら
  誰かを裏切ったり傷つけたり
  そんなことする大人にはならないって
  私は信じてるんだ。
む)うん、あたしもそう思うよ。
♧)だからうちの施設も保育園もね、
  どんな子供でもそうやって育ててるの。
  大人みんなで、大好きだよー
  愛してるよーって、毎日伝えるの。
隆)……。
 
 
そんな風に大人から愛してもらえた子供たちは
それが例え実の親じゃなくても
きっと荒んだ心にはならないだろうなって
俺も思う。
 
 
♧)子供は身近な人間とか大人のことを
  驚くくらいよく見てるし、
  いろんなものを敏感に感じ取るんだ。
む)親がいつも怒ってると
  子供も萎縮しちゃうもんねー。
健)あ、あれやろ?
  夫婦喧嘩とかも
  子供の脳に良くないんやんな?
♧)そうなの!
  子供の目の前で夫婦喧嘩しちゃうと
  子供の脳が萎縮しちゃうんだよ。
隆)え、脳みそが!?
♧)そうなの。
隆)えーーー。怖いね…。
  子供がかわいそう。
む)だから健ちゃんも
  未来の奧さんにはちゃんと優しく
  してあげなさいよー?
健)なんでや!俺むっちゃええ旦那になるし!
む)えーーー。
  絶対女心がわからない
  ポンコツ旦那になりそう。
健)こら!!w
む)隆二くんはいい旦那さんに
  なりそうだけど。
隆)なる!なるよ!!!
  大丈夫!
  俺絶対奧さんも子供も大事にするから!!
健)まぁ♧ちゃんがしっかりしてるから
  お前が多少ポンコツでも
  大丈夫やろな、今市家は。
隆)だから俺ポンコツになんか
  なんないってば!!
  ポンコツは健ちゃんだけ!!
健)なんで俺がポンコツやねん!
  ふざけんな!
隆)ポンコツ!ポンコツ!
健)はぁぁぁ!?
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
なんだかよくわからないけど
いつの間にか隆二くんと健ちゃんの
ポンコツ合戦が始まってて…。
 
私とむーこは鍋を片付けて
新しく出したお酒で乾杯し直した。
 
 
む)明日の同窓会、
  剣太郎くん来るかな〜〜〜♡
♧)来るといいね♡
む)うんっ!
 
 
剣太郎くんはむーこの初恋の人。
クラスでも人気だったっけ。
 
 
む)もし彼女いなかったら
  お持ち帰りされたい…♡
♧)こらこら…w
健)お持ち帰りっ!?
 
 
あ、健ちゃんが食いついた…。
 
 
健)誰やそのケンタロウて。
む)初恋のイケメン♡
隆)おおお…っ
む)どうか彼女いませんようにーー♡
健)お持ち帰りされる気満々やん…。
隆)健ちゃんヤキモチ…?w
む)健ちゃんとは今日するんだから
  いいじゃん。
健)……そうか。ええか。
 
 
いいの!??
 
……この二人、
本当によくわからない…///
 
 
♧)あれ…?待って。
  むーこ今日泊まるんじゃないの?
む)うん、そのつもりだったけど…
  健ちゃん来ちゃったから
  健ちゃん家に行こうかな。
♧)えーー!
 
 
健ちゃんにむーこを取られちゃった!!
 
 
健)ごめんなー♧ちゃん。
♧)健ちゃん…ずるい…。
 
 
今日は久しぶりにむーこと
ゆっくりしようと思ってたのにー。
 
 
健)♧ちゃんには隆二がおるやん♡
隆)♧には俺がいるじゃん♡
♧)……。
 
 
隆二くん…
ちょっと酔ってるのかな?
 
 
健)なぁ、むーちゃん♡
む)こらー!
  おっぱい触るなこの酔っ払いー!
健)いった!!
隆)セクハラだよ健ちゃん。
健)ええやん!散々触ってんねんから!
む)あほー!
隆)健ちゃんはもっと殴られた方がいいよ。
♧)ふぁぁぁ……。
 
 
ああ…
お酒飲んでたら
なんだか眠たくなってきちゃった。
 
 
隆)ん…?
  ♧は眠たいの…?
♧)…っ///
 
 
隆二くんがいきなり優しい声色になって
甘々な瞳で私の顔を覗いてきた。
 
 
健)おい。俺との雲泥の差!
  なんやその甘やかしぶりは!
隆)何が。
健)そんなとろけそうな
  とろとろの目しよって…!
む)眠そうなの隆二くんじゃんw
隆)俺はまだ眠くないよ!w
  でも♧があくびしてたから…
む)ああ、だって。
  ♧は寝不足なんだもんね?
♧)あ…、えっと…///
む)隆二くん。
  ♧は初心者なんだから
  もう少し加減してあげなさいよー。
健)なんや。ヤリまくってて寝不足なんかい。
隆)え、そうなの?!
♧)ええと…///
健)ほんま初心者相手にひどい男やなー。
隆)ちょっと待ってよ。
  二人して初心者初心者って言うけどさー
  もうこんだけ俺としてるんだから
  ♧は初心者じゃないでしょ!
♧)!!!
 
 
こ、こんだけ…?!とは!?///
 
 
隆)ねぇ?
♧)////
 
 
同意を求められましても…///
 
 
む)そっか。確かにねー。
  ♧はもう初心者卒業か。
健)せやんな。
  隆二と毎日ヤリまくってんねやったら
  そうやんな。
隆)ちょっと!言い方!w
健)でもせやろ?
隆)……ええと…、
 
 
隆二くんはチラッと私を見て
なんだか恥ずかしそうに目を逸らした。
 
 
健)ほら。毎日ヤリまくりや。
隆)だから言い方!!///
♧)////
健)よし!ほんなら俺らも帰ろか〜!
む)あら、もう飲まないの?
健)結構飲んだでー。
  これ以上飲んだら勃たんくなるわ。
む)あら、それは大変。帰りましょ。
♧)ええと…、///
 
 
やっぱりこの二人は赤裸々だなぁ。
 
 
む)じゃあねーお邪魔しましたー♡
健)ほんなら!
隆)バイバーイ。
♧)気をつけてねー!
 
 
玄関で二人をお見送りして、
テーブルを片付けて。
 
 
寝る準備を済ませてベッドに入ると
急激に睡魔が襲ってきた。
 
 
♧)ふぁぁぁ……。
 
 
うん、やっぱり今日は眠たい。
明日はお休みだし少しくらいお寝坊しても
大丈夫かな…。
 
 
隆)あはは、めっちゃ眠そうw
♧)ううーーん……
 
 
抱き寄せてくれた隆二くんに
スリスリと擦り寄ったら、
隆二くんは嬉しそうに笑って
私の髪にキスをくれた。
 
 
隆)…はぁ、癒される…///
♧)……。
 
 
隆二くんはいつもそう言ってくれるけど…
私もいっぱい癒されてるんだよ…?
 
こうして抱きしめてもらえるだけで
スーーーッと力が抜けていくんだ。
 
 
隆)♧……、ほんとね、好きだよ…///
♧)////
 
 
隆二くんの声がグッと甘くなって
私の耳元をかすめた。
 
 
隆)……大好き…、///
♧)////
 
 
耳から侵食されていくみたいに…
身体が熱くなって、ドキドキする。
 
 
隆)♧……、
♧)////
 
 
ゆっくりと起き上がった隆二くんに
真っ直ぐ見下ろされて…
 
大きなあたたかい手がほっぺに触れたら
なんだか視界が潤んだ気がした。
 
 
隆)そんな顔して…かわい…///
♧)////
 
 
どんな…顔なのかな…?
 
 
隆)眠いんでしょ?♧……、
♧)…っ
隆)眠かったら、寝ていいんだよ…?
 
 
そんな甘い囁きと妖艶な笑みを残して
隆二くんの唇は私の肌に触れ始める。
 
 
じわじわ、焦らすように…
 
ジリジリ、火をつけるみたいに…
 
 
寝ていいんだよ、なんて…
こんなことされて、眠れるわけがないのに。
 
 
♧)……ぁ、…っ///
 
 
甘い湿度を含んだ吐息が…
お互いの唇から漏れていく…。
 
 
それを塞ぐように、キスをして
舌を絡め合って…。
 
 
……気持ち良くて…、たまらないの…///
 
 
♧)隆二…くん…、///
 
 
大好きな人を呼ぶ自分の声が
あまりにも甘えた声で、
なんだか少し、恥ずかしくなる。
 
 
隆)気持ちいいの…?
♧)……(こくん)///
隆)眠たそうにしてたくせに…w
♧)…いじ…わる…///
隆)ははっw
 
 
隆二くんはふにゃんと綿あめスマイルになって
愛おしそうなとろとろの瞳で私を見つめる。
 
 
隆)眠かったらやめてもいいんだよ…?
♧)まだ…意地悪…言うの…?///
 
 
やめてほしくなくて、
隆二くんの首に腕を回したら…
 
 
♧)あ、っ…、っ…、あっ…///
 
 
甘い感覚に強く襲われて、
思わず隆二くんにしがみついた。
 
 
隆)♧…、可愛い…。
♧)んん、…っ!///
隆)気持ちいい…?
♧)……(こくん!)///
 
 
気付けば眠気なんて吹き飛んでて…
 
 
私は隆二くんの腕の中で
隆二くんの甘い瞳と同じくらいに
とろとろに溶かされて…
 
 
意識が消えていく狭間で…
甘い甘い「愛してるよ」っていう囁きに
優しく優しく包まれて…
 
 
深い眠りに堕ちていった…。
 
 
 
 
 
ーendー

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  1. ポメ より:

    読んでるだけで
    私が溶けちゃいそぅ(*^^*)
    オーラスで見たワタアメSmile
    思い出しちゃった^^

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