〈11〉ヤキモチ彼氏(隆二&♧Side)

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女)もういい加減にしてよっ!!
子)うわぁぁぁんっ!!
女)泣いてばっかりで
  わけわかんないんだってば!!
子)うわぁぁぁんっ!!
 
隆)…っ
 
 
仕事で少し遅れて辿り着いた
友達の結婚式会場。
 
もう披露宴は始まってるから
会場の中に入ろうとしたら、
子供の泣き声が聞こえてきて…
 
 
女)たまには言うこと聞いてよ!!
子)うわぁぁぁんっ!!
女)こんな日にまで…
  もうほんとに嫌だ!!
子)うわぁぁぁんっ!!
 
隆)…っ
 
 
きっと結婚式のゲストだよな…?
 
小さな男の子は
顔をぐしゃぐしゃにして泣いてて…
お母さんも半泣き状態で怒鳴ってる。
 
 
隆)あ、あの…っ
 
 
ほっとけなくて
思わず話しかけちゃったけど…どうしよう。
 
 
女)なんですか!!
隆)いや、えっと…あの…、
女)別に虐待とかしてませんけど!!
隆)いや、はい、ええと…
女)そんなことするわけないのに…
  毎回いちいち通報して…
  嫌がらせかっての!!
隆)え?なんの話ですか??
女)うちのマンションの下の人!!
隆)…っ
 
 
お母さんの剣幕がすごくて
思わず後ずさりしちゃった。
 
 
子)うわぁぁぁんっ!!
女)だからあんたがうるさいんだってば!
  いい加減にして!!
隆)いやいや、ちょっと…
女)何よ!関係ないくせに口挟まないで!!
隆)いや、でも…っ
女)だったらあなたがこの子の面倒見てよ!!
  首突っ込んでくるんだったら
  それくらいしてよね!!
隆)えっ!
女)じゃあ頼んだから!!
 
 
えええええええっ!!
 
 
隆)…っ
 
 
お母さんは怒ったまま
一人で会場の中に戻って行った。
 
 
隆)……。
子)……。
 
 
多分俺と同い年くらいのお母さんだと
思うんだけど…
 
残されたこの子、どうすんだ…?
 
 
……とりあえず…
同じ披露宴のゲストみたいだし…
 
 
隆)俺と一緒に中入ろっか?
子)……(こくん)。
隆)お母さんも中にいるから大丈夫だよ。
子)……(こくん)。
隆)大丈夫。
  お母さんちょっと疲れてたのかな、
  少ししたらきっと笑ってくれるよ。な?
子)……(こくん)。
隆)名前なんていうの?
子)……隼…。
隆)ハヤト?
  かっこいいじゃんw
  ほら、行こ!
 
 
俺はハヤトを抱き上げて
大きな扉を押し開いた。
 
中は丁度歓談タイムみたいで、
俺を見つけた友達たちが
大きく手を振ってくれてる。
 
 
隆)ごめん、遅くなって。
男)仕事だろー?
隆)うん。
男)てかその子どうしたの?
女)隆くん、子供生まれたの!?w
男)お前の子?!w
隆)いやいや、なんでだよw
 
 
って話してたら、
さっきのお母さんがすごい形相で
こっちに来て…
 
 
女)はい、どうぞ!!!
 
 
ドンッ!!
 
 
隆)…っ
 
 
よくわかんないけど
大きなバッグと子供用の椅子を置いて
戻って行った。
 
 
女)今の…お母さん?
隆)うん。
  よし、ハヤト。
  俺の隣に座れw
男)ええ!?w
隆)しばらく俺といよw
隼)……うん…。
女)ああこれママバッグみたい。
  子供の着替えとかお菓子とか
  いろいろ入ってるよ。
隆)ああ、そうなんだ。
 
 
……つまり、
責任を持って俺に面倒見ろ、ってことかな?
 
 
隼)…ごめん…なさい…。
隆)謝ることないよw
女)今日はこっちで楽しんじゃおう!
女)うんうん!w
 
 
周りの女の子はすぐに察してくれたのか
みんなハヤトに話しかけてくれて…
 
チラッとお母さんの方を見たら
こっちを気にもしないで
楽しそうに食事してる。
 
 
男)隆二も来たことだし新郎新婦のとこ行く?
女)そうだね!写真撮ろうよ!
隆)おう。
 
 
俺はハヤトを抱っこしたまま
みんなと一緒に高砂に向かった。
 
 
男)あれ、隆二が子供抱っこしてるw
隆)へへへw
女)隆二くん、忙しいのに
  来てくれてありがとう!
隆)ううん、遅刻しちゃってごめんね。
女)来てくれただけで嬉しい!
男)あとでよろしくな。
隆)うん!
 
 
今日は余興で歌を頼まれてる。
 
ああ、あのピアノか。
よし、頑張るぞーー。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
龍)うるせぇ!触んな!バーカッ!!
女)こら!龍二!
  バカなんて言っちゃいけません!
龍)うるせぇ!バーカバーカッ!!
女)コラーーー!
♧)…っ
 
 
龍くんは今日も職員を困らせて
館内の備品を壊して走り回ってる。
 
 
女)もう、どうしたらいいの?
男)ほんとワンパクなんだよなぁ、龍二は。
女)ワンパクなんてレベルじゃないわよ。
女)あーあ、またこれ直さないと…。
♧)私、ちょっと様子見てきます!
女)ああ、♧ちゃん、お願いねー。
 
 
龍くんは先週から新しく入ってきた
小学3年生の男の子で…
身体にはまだ痛々しい傷がたくさん残ってる。
 
 
♧)あ、こんなところにいたー。
龍)…っ
♧)出ておいで、龍くん。
龍)やだ!!
♧)うーん…
  じゃあ私も入っちゃおうっとw
龍)来るな!あっち行け!
♧)やだよー。
 
 
階段下に一緒に入り込んだ私を、
ぐいぐい押しのけようとしてる小さな手を
パッと掴んだ。
 
 
龍)…っ
 
 
あ、怖がらせちゃったかな?
 
 
♧)ね、ぎゅーってしよ?
龍)…っ
♧)ぎゅーーーー♡
  龍くん大好きだよ。ぎゅーーーー♡
龍)…なん…で?
  好きなの…?俺のこと…。
♧)そうだよ?
  何度も言ってるでしょ?大好きだよ?
龍)だって…、俺…っ
  いっぱい物壊してるのに…っ
 
 
龍くんは背中に隠してたアンケート箱を
そっと目の前に差し出した。
 
 
♧)あのね、私は龍くんが
  本当はいい子だって知ってるよ?
龍)…っ
♧)誰かにバカって言ったり、物を壊したり、
  龍くんは本当はそんな子じゃないよね?
  わかってるから大丈夫だよ。
龍)…っ
♧)本当の龍くんは
  ちゃんと人に優しくしてあげられる
  強くて優しい男の子だよ。
  大丈夫。大好きだよ♡
龍)…っ
 
 
一生懸命気持ちを伝えたら
抱きしめてる小さな身体は
かすかに震えて…
 
 
龍)ぐす…っ
 
 
泣いてる彼の頭を
何度も何度も撫でてあげた。
 
 
大丈夫だよ、大好きだよ、
そう繰り返して…。
 
 
龍)…壊して…ごめんなさい…、っ
♧)うん。
龍)ぐす…っ
♧)じゃあ一緒にごめんなさいしに行こう?
龍)ぐす…っ
♧)この箱は一緒に直そうね♡
龍)…うん…っ
 
 
小さな手を繋いで事務所に戻った。
 
 
男)あ!龍二!!
龍)…っ
男)あ、おい!!
♧)龍くん待って!!
 
 
龍くんは壊れたアンケート箱を抱えて
また逃げて行っちゃった。
 
 
♧)先生、龍くんは男の人の大きな声を
  怖がってしまうので…
男)ああ!そうか!しまった!
女)気をつけてあげないとね…。
男)ごめん、今度は俺も行くよ。
♧)はい。
 
 
先生と二人で階段下まで行くと
龍くんはまた小さく丸くなっていた。
 
 
男)龍二ーーー、ごめんな。
  先生の声大きくてびっくりしたよな。
龍)…っ
男)ごめんな。
♧)龍くん、出ておいでー?
  先生と一緒にその箱直そう?ね?
龍)…っ
♧)ほら、おいで♡
 
 
両手を広げたら、
龍くんはおずおずとこちらにやってきた。
 
 
♧)怖くないよ、大丈夫。
  大好きだよ♡
龍)…っ
男)先生もごめんな。
  龍二のこと大好きだぞーーー。
  ほら!
♧)あ、先生もぎゅーしたいって♡
龍)…なん…で…?
♧)龍くんのこと大好きだからだよ?
男)そうだぞ!
  先生たちもここにいる人たちも
  みんな龍二のこと大好きなんだぞー。
龍)…っ
男)ほら、おいで。
 
 
龍くんはおどおどしながらも、
両手を広げた先生の胸に飛び込んでいった。
 
 
男)よーしよし♡
  これからはいっぱいぎゅーしようなー♡
龍)なん…で…?
男)大好きの合図だよ。
♧)そうだよー♡
  龍くんも大好きって思ってくれたら
  私や先生たちにぎゅーってしてね?
龍)……う…ん、///
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
司会から紹介されて
いよいよ俺の出番がやってきた。
 
 
隆)ちょっと歌ってくるからな。
  ハヤト、いい子で待ってろよー。
隼)や…だっ
隆)え?
隼)ひとりに…しないで…っ
隆)…っ
 
 
ハヤトの瞳が不安げに俺を見つめてる。
 
 
隆)んーと…、じゃあ一緒に行く?
男)え?お前今から歌うんでしょ?w
隆)そうだけど。
女)ピアノ弾くんでしょ?
隆)うん。でもハヤトいたって弾けるよ。
  ちゃんといい子にしてられるよな?
隼)うんっ!
隆)よし、じゃあ一緒に行こw
 
 
俺はハヤトと手を繋いで
大きなグランドピアノの前まで
やってきた。
 
 
隆)よし、じゃあおいでw
隼)…っ
 
 
ハヤトを膝の上に抱き上げると
静まり返った会場の雰囲気に緊張したのか
不安そうに俺を振り返ってきた。
 
 
隆)今からさ、ピアノ弾くから。
  見てて。
隼)うん…っ
 
 
ああ、でも…
抱っこしながらだとマイクが届かない…w
 
 
ま、いっか。
こうなったらマイクなしで歌ってやる。
 
 
俺は深く息を吸い込んで、
ゆっくりと歌い始めた。
 
 
鍵盤の上で動く指を必死に追いかけるように
ハヤトがじっと見てる。
 
 
隆)〜♪♬〜〜♩♪〜♪〜〜
 
 
曲は新郎新婦のリクエスト。
 
二人の幸せを祈りながら
心を込めて歌いきった。
 
 
会場はシンと静まった後、
大きな拍手に包まれて…
 
俺はハヤトと一緒にぺこっと一礼をして
席に戻った。
 
 
女)隆くん最高だった!!
男)マジ惚れるわ〜〜
隆)男に惚れられても嬉しくない。
女)じゃああたしが惚れた!
女)私もーー!w
隆)既婚者かぁ…。
女)いいじゃん!贅沢者!w
男)この歌声で一体何人の女を
  堕としてきたんだか…w
隆)おい、人聞き悪ぃな!w
  俺は彼女一筋ですーーー。
男)ああ、そういえば出来たんだっけ?
  今度会わせてよ。
男)俺も会いたい!
隆)……やだな…。
男)なんで!w
隆)俺の過去の話を
  あれこれ暴露されそうだから…。
男)するする!するに決まってる!
隆)だからやなんだよ!!w
女)あはははw
 
 
なんて話してたら、
ハヤトが俺をじーーっと見てて…
 
 
隆)どうした?
 
 
頭をポンと撫でたら
今度はもじもじしながら俯いた。
 
 
隆)なんだよーw
隼)……リュージ…、すごい///
隆)え?何が?
隼)……ピアノ。……おうたも…。
隆)ああ、さっきの?w
女)そうだよね、ハヤトは目の前で見てたし
  あの歌を一番近くで
  聴いてたんだもんねw
女)すごかった?w
隼)(コクコク!)///
男)子供にも惚れられたみたいだぞ、
  良かったなw
隆)あははは!w
隼)……パチパチも…すごかった…///
女)このおじさんはねぇ、
  いつもああやって
  大勢の人に拍手されるお仕事
  してるんだよー。
隆)……おじ…さん…。
女)あ、お兄さんの方が良かった?w
隆)いや、いいです…おじさんです…。
男)あはははw
隼)リュージ…カッコイイ…///
隆)ありがと♡
 
女)……あの…、、
 
隆)あ。
 
 
ハヤトのお母さんが
バツが悪そうに戻ってきた。
 
 
隆)ええと…、外で。
女)はい。
 
 
何か言いたそうだったから
俺はハヤトを置いて
お母さんと二人で会場の外に出た。
 
 
女)あの…すみませんでした…。
  今市さんだって…気付かなくて。
隆)ああ、いえ、全然。
  俺が誰かなんてどうでもいいんで。
女)あの…、隼のことも…すみませんでした。
隆)……はい。
女)…っ
 
 
……えっ!!
 
泣き出したんだけど…!!
 
 
女)私…、今日の結婚式…
  すごく楽しみにしてて…っ
隆)はい…。
女)毎日毎日、子供と二人きりで
  息が詰まりそうで…っ
  今日はやっと一人で
  出かけられると思ったのに
  旦那が急に仕事になっちゃって…
隆)そうだったんですね…。
女)仕方なくあの子も連れてきたら…
  せっかくオシャレしたのに
  ドレスは汚されるし…
  泣いて騒いで、
  全然言うこと聞いてくれなくて…
  イライラしちゃって…っ
隆)……。
女)お見苦しいところをお見せして
  本当にすみませんでした。
  それに…今市さんに八つ当たりまでして…
隆)……いえ。
女)本当に本当に申し訳ありませんでした!!
隆)……。
 
 
きっとこの人も大変なんだろうなぁ。
 
 
隆)お母さんは…
  毎日休みがないから…
  疲れても休めなくて、大変ですよね…。
女)…っ
隆)自分はまだ子供がいないんで
  想像でしかないですけど…
  きっと本当に大変なんだろうな、って…。
女)…っ
隆)子供のことを大事に思ってても大好きでも
  イライラする時だって嫌になる時だって
  そりゃありますよね…。
女)…っ
隆)少し、離れてみて…
  ゆっくり出来ましたか?
女)……、はい…っ
隆)良かった。
 
 
俺が笑うと、彼女も安心したように
少しだけ笑ってくれた。
 
 
隆)今日、とても綺麗ですよ。
女)え…っ
隆)その笑顔、ハヤトに見せてあげて下さい。
女)…っ
隆)子供はお母さんの笑顔が
  何より嬉しいと思うから…。
  ……って、すみません。
  俺の勝手な考えですけど…。
女)いえ、ありがとうございます。
 
隼)お母さんっ!!
 
 
あ、ハヤトが走ってきた。
 
 
女)隼…、ごめんね…。
  お母さん今日すごくイライラしてて…
  ひどいこと言ったね。
隼)ううん…っ
  ぼくこそごめんなさい…っ
女)今市さんも…
  本当に本当にすみませんでした!
隆)いえ、自分は全然大丈夫ですw
女)さっきの歌、感動しました!!
隆)ありがとうございますw
隼)リュージカッコよかったよね!!
女)ちょ、あんた!///
  何呼び捨てにしてんの!!
隆)いや、いいんですよw
隼)ぼくもおおきくなったら
  リュージみたいになりたい…っ
隆)あははは、ほんとに?w
  よし、じゃあ頑張れ!
隼)うんっ!!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♧)ふぁぁぁ……、、
む)どうした?寝不足?
♧)あ、えっと…、うん。
む)さーてーはー、
  隆二くんに寝かせてもらえなかったなー?
♧)えっ…、……ええと、///
む)図星かいな!w
♧)////
 
 
だって…
昨夜の隆二くんは…すごかったんだもん///
 
 
「♧…、まだダメだよ…。」
 
「もうダメ、…っ、隆二く…っ///」
 
「……まだ。……ね?」
 
「あっ…、……んんっ…///」
 
 
♧)////
む)なんか顔赤いけど大丈夫?w
♧)はっ///
 
 
ついつい思い出しちゃった…!
恥ずかしい…っ!///
 
 
む)さて、そろそろ行きますかー?
  まだなんかやるー?
♧)ううん、私は大丈夫!
 
 
二人でマシンから降りて更衣室に戻ると、
丁度♡ちゃんとバッタリ出くわした。
 
 
♡)♧さーん!むーこさーん!
む)♡ちゃーん!
  ポカリのCM見たよーー!
  くっっっっそ可愛いじゃん!!w
♡)あははは、ありがとうございます♡
む)ヤバイよあれは!w
♧)……。
美)……。
 
 
この女の子は初めましてかも。
♡ちゃんの会社の子かな?
 
 
♡)あ、ええと…
  ♧さん、むーこさん、
  この子、美花ちゃんです!♡
  瞬の彼女…、あ!婚約者か!
♧)!!!
 
 
こ、こ、この子が…!!!
 
 
美)♧さんって、♧さんですか?
♡)うん、そうだよ♡
美)初めまして!美花と申します!///
  瞬ちゃんからいつもお話聞いてます!
  いつもお世話になってます!///
♧)は、初めまして…///
 
 
そうか、この子が…
瞬くんが大切にしてる女の子。
 
 
美)……///
♧)ん…?
 
 
なんか…見られてる…?!
 
 
美)すごく色っぽい…
  素敵なお姉さまですね…///
♡)そう!そうなの!!
  ♧さんってば素敵なの!
  おっぱい大きいし!!
♧)おっぱい!?///
♡)むーこさんも大きいんだよ!ほら!
美)ほんとだー!///
  こ、これで…何カップくらいですか?///
む)あたしはFだよーw
美)F!!///
♡)未知の世界だ…///
美)♧さんも…?///
♧)私はEだよーw
美)E!!///
♡)二人ともいいなぁ…
美)いいなぁ…
♡)この前♧さんの触らせてもらったら
  すっごく気持ち良かったんだよー♡
美)えええ!♡さん!ずるい!
♧)ええと…///
む)なんで?触りたいの?w
美)触ってみたいです!!
む)ほらほら、いくらでもどうぞ♡
♧)ちょっと!むーこぉー!!///
 
 
むーこにグイッと背中を押されて、
胸を突き出した体勢になると、
美花ちゃんの視線が
まっすぐ私の胸元に落ちてきた。
 
 
美)触っても…いいんですか?///
♧)……ええと…///
む)もじもじと怪しい雰囲気を
  出すんじゃない!w
  さくっと触る!ほらっ!
美♧)きゃぁっ!///
 
 
むーこが美花ちゃんの手を掴んで
私の胸をぎゅむっと掴ませた。
 
 
美)すすすすみません!///
♧)ううん…///
 
 
私たちは…
初対面で一体何をしてるんだろう…。
 
 
♡)ね、ね、すごく気持ちいいでしょ!?
美)はい///
♡)これは隆二くんも
  夢中になっちゃうよねー♡
美)隆二…?
  ま、ま、まさか…っ
  今市さんですか!??///
♡)えっ…、あっ…
む)あれ、知らなかったの?
♡)瞬から…聞いてなかった?
美)聞いてません!///
  うそっ…!!きゃーーー///
♡)♧さん、ごめんなさい…
  言っちゃった…///
♧)あ、うん!全然大丈夫だよ!
美)今市さんが…このおっぱいを…///
む)あははは!今の今だから
  そういう想像になるよね!ww
♧)やめてーー!///
 
 
それから着替え終わった私たちは
♡ちゃんたちと別れて
スーパーに寄って帰ってきて
せっせとお鍋の準備。
 
 
明日は私もむーこもお休みだから
今日はむーこがお泊まりしてくれるんだ。
 
 
む)どうでしたー?
  瞬くんの彼女とのご対面はw
♧)え?
 
 
野菜を切りながら
むーこが楽しそうに聞いてきた。
 
 
む)少しは複雑だった?
♧)えっ!ううん!全然!
む)ほほーう。
  瞬くんは今となっちゃ過去の男ですか。
♧)過去の男って…///
む)あんなにベタ惚れだったのにねぇ〜〜
♧)……大好き…だったけど…
む)そうだよねぇ〜〜
  今は今市隆二にメロメロだもんねぇ〜〜
♧)……そうだよ///
む)あ、認めたーーー!w
♧)だって大好きだもん///
む)でも美花ちゃん、可愛い子だったね。
  良い子そう。
♧)うん!瞬くんとお似合いだと思う!
む)オシャレさんだったし。
♧)うんうん!
 
 
そんな話をしてたら、
フォーマル姿の隆二くんが帰ってきた。
 
 
隆)ただいまーー。
む)えー!なになに?!
  隆二くんめちゃカッコイイじゃん!
隆)へへへ、結婚式帰りですw
む)そうだったの!?
  そんなん絶対新郎よりカッコイイじゃん!
  ずるい!!
隆)そんなことないよw
 
 
笑いながらジャケットを脱いだ隆二くんは
やっぱりカッコイイ。
 
 
♧)……///
む)ほら、彼女もポーッと見つめてる!
♧)言わなくていいからっ///
む)だって見とれてたじゃんw
♧)……///
 
 
だって、カッコイイんだもん…。
 
 
隆)えー、なになにー?
  彼氏に見とれてたのー?w
 
 
隆二くんがニコニコ笑いながら
こっちにやって来た。
 
 
隆)今日は鍋なの?
む)うん!コラーゲン鍋ー!
  隆二くんもいるなら
  もっと買ってくれば良かったね。
隆)あ、ううん!俺は腹いっぱい!
  はちきれそう!
  散々飲み食いしてきたから!
む)あら、そうなのね。
  じゃあ二人で美味しくいただきます。
隆)どうぞどうぞw
♧)……///
 
 
私はどうしてさっきから
頭なでなでされてるのかな…?
 
 
隆)ん?
♧)////
 
 
どうしてそんな可愛い綿あめスマイルを…
 
 
隆)彼氏に見とれてる彼女が可愛くて。
  ついついw
 
 
そう言って隆二くんは嬉しそうに
私のほっぺを撫でてくれた。
 
 
♧)////
 
 
きゅん…きゅん…きゅん…。
 
 
隆)二人はジム帰り?
♧)あ、うん!
む)大変だったんだよー?隆二くん。
隆)へ?何が?
む)♧ね、初対面の人に
  おっぱいぎゅむーってされて。
隆)はぁ!??
♧)…っ
 
 
隆二くんの声がいきなり低くなった…!
 
 
む)触ってみたいって言われて、ね?
  差し出したわけよ。
♧)あれはむーこが無理やり…っ///
隆)ちょっと待って。なんの話…?
♧)…っ
 
 
どうしよう…
隆二くんがすごく恐い顔になってる…!!
 
 
隆)どこのどいつだよ…?
  名前は?ジムの会員…?
  ……殺すよ…?
♧)!!!
 
 
隆二くんの目が据わってる…!!!
 
 
♧)ち、ちが…っ
む)むぎゅむぎゅ触って
  気持ち良さそうにしてたよねー♡
♧)ちょっと!むーこ!///
 
 
どうしてそんな誤解を招く言い方ばかり…
 
 
隆)……説明して。
♧)!!!
 
 
どうしよう…!!
隆二くんが殺気に満ちてる…!!!
 
 
む)ぷーーっ!w
  あっははははw
♧)もう!むーこ!///
隆)むーちゃん…?
む)隆二くん元ヤン全開になってるから!
  怖すぎるから!w
隆)そんなんどうでもいいから
  説明してくれる?
む)だから怖いって!ww
隆)どこの男なのか言って。
♧)男の人じゃないよ!!
隆)……は?
♧)女の子!美花ちゃん!瞬くんの彼女!!
隆)……は?
 
 
あ、隆二くんの声色が少し和らいだけど…
でもまだ顔が恐い…。
 
 
隆)どういう…こと?
♧)だからね、今日ジムで会ったの!
  瞬くんの彼女に初めて会ったの!
  ♡ちゃんと一緒に来てて。
隆)…っ
♧)それで…、
  ♡ちゃんが前に
  私の胸を触ったって話したら
  美花ちゃんも触りたいって流れで…
隆)……っ、なんだよぉぉおおおお!
 
 
やっと誤解が解けたみたいで
隆二くんはその場に崩れ落ちた。
 
 
隆)マジで俺今殺意しかなかったもん。
  警察に突き出そうかと思ったよ、
  そんな男。
  その前に俺がボコボコにしてやろうかと…
♧)誤解だから…!///
む)今市隆二…危険すぎる…!w
  傷害事件起こさないでよ!ww
隆)てかなんで♡ちゃんは
  ♧のおっぱい触ってんだよ!w
♧)この間…お泊まり会した時に…///
隆)何やってんだ♡ちゃんはw
  その美花って子も!w
  ちゃんと言っといてよ、
  ♧のおっぱいは俺のだからって!!
♧)そんなこと言えないでしょ!///
む)ぶはははは!ww
 
 
むーこは鍋の具材を投入しながら笑ってて
隆二くんはほっとしたように
私のそばでため息をついた。
 
 
隆)……で、どうだったの?
♧)何が?
隆)美花ちゃん?
♧)え?
隆)瞬くんの彼女なんでしょ?
  ……ちょっとは複雑だった?
♧)そんなことないよ!もう全然!
隆)ふーん…、そっか…。
 
 
確かに去年はそのことで
隆二くんに心配をかけちゃって
励ましてもらったりもしたけど…
 
 
隆)…そうだよね、へへw
  あんだけ大好きだったから
  どうなんだろうと思ったけど…、
  そうだよね、♧は今は
  俺のことが大好きだもんね。
 
 
ん…?
 
むーこと同じこと言って
ニヤニヤしてる隆二くん。
 
 
隆)今は俺のことしか見えてないもんね。
  俺一筋だもんね。
  瞬くんなんてもうどうでもいいもんね。
♧)「なんて」って!w
  瞬くんのことは今でも
  人として大好きだけど…
隆)大好きじゃなくていーのっ!
♧)…っ
隆)大好きなのは俺だけでいーのっ!
♧)……はい、///
 
 
隆二くんの勢いに思わず頷いたら、
「よし!」って言われて
なぜか抱きしめられた。
 
 
む)あのーー、あたしの存在忘れてない?
隆)あ、むーちゃんいたの。
む)さっきからおるがな!!w
隆)あはははw
 
 
 
 
 
 
ー続ー

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