【28】会いたくなる電話

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臣くんとの電話を切って
会社を出ようとすると…


J)ふーん。
  仲良いんだね~~~
♡)えっ!!!


驚いて振り向くと
Jさんがいた。


♡)え、いつから…
J)割と最初から…
♡)ええ~!!!
J)こんなエントランスで話してる
  ♡ちゃんが悪いよね~?
♡)…それは…
  すみません…//


まさか聞かれてるなんて
思わなかった。


J)彼氏にはそんな
  可愛いカンジなんだ?
♡)え?
J)好き♡♡
  とか素直に言っちゃうカンジ?
♡)~~!!////
J)会社じゃ絶対見せない顔だよね~?
♡)すみません、
  お先に失礼します//


恥ずかしくて逃げようとすると
後ろから腕を掴まれて…


J)ちょっと待って。
♡)離して…ください!
J)今日ご飯行こうって言ったでしょ?
♡)断りました!
J)たまにはいいでしょ、行こうよ。
♡)ちょ、ちょっと…!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


♡との電話を切って
部屋に戻ろうとすると

モデルのLが壁にもたれてた。


L)ふーん。
  彼女と電話する時は
  そんな優しい顔するんだ。
臣)は?
L)ドSなのかと思ってた。
臣)聞いてたわけ?
L)別に…


俺がそのまま行こうとすると
Lが壁に脚をついて塞いできた。


L)待ってよ。
臣)男にこーゆーことするわけ?w
L)……
臣)長い脚が邪魔なんですけど。
L)……


よける気ナシかよ。


L)ねぇ。
  彼女だけで満足してるの?
臣)は?
L)たまには他も
  味見したくなるでしょ?
臣)……
L)男なんて一人の女じゃ
  絶対飽きるって♡


何言ってんだ、こいつ。


臣)よけろよ。
L)……
臣)邪魔。
L)やっぱドSじゃん。
臣)……
L)一回でいいから試してみない?♪
臣)あのなぁ。


ドンッ


俺は壁を叩いた。


臣)一回でいいからとか
  簡単に言うけど
  俺そんな安くねんだけど?
L)…っ


なめんなよ。


臣)俺は自分の女だけで十分。
L)でも…
臣)わかったらよけろよ。
L)…っ


E)あ!臣が壁ドンしてる!


部屋から出て来たELLYが
でかい声で言った。


臣)あ?これも壁ドンになんの?
E)どうしたの臣!
臣)どうもしねーよ。俺もう帰るわ。


って言っても
NAOTOさん達もいるのに
先に帰るわけにいかねーか…

と思って部屋を覗いてみたけど

岩ちゃんは寝てるし
NAOTOさんはいないし

健ちゃんが楽しそうにカラオケしてる。


臣)NAOTOさんは?
E)眠い!!!!
  って言ってフラフラしながら
  タクシーで帰っちゃった。
臣)え!!!!
  めっちゃ自由だな!B型!
E)俺たちもうちょっと歌ってるけど
  臣帰る?
臣)うん。わり。
E)おけ!じゃあおやすみ。
臣)ん。


俺がUターンして店の出口に向かうと
Lがまださっきの場所に立ってた。


L)お疲れさま。
臣)お疲れー


目も合わさないでそう言い
そのまま俺はホテルに戻った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


Jさんに強引に手を繋がれたまま
会社の外まで連れて行かれた。

いくら振りほどこうとしても
力が強くて敵わない。

やだっ!!
こんな時どうするんだっけ…

急所だ!!
蹴って逃げろって臣くん言ってた!!

けど…
痴漢とかじゃないし…
会社の人だし…

臣くん、蹴っていいのー?!!
うわーん!!泣


♡)ほんとに離してくださいっ!!
J)嫌だ。
♡)嫌なのは私です!!
J)あははw


もうっ
このままじゃまたJさんのペースで…

臣くんじゃない人と
手なんか繋ぎたくないっ!


♡)離してっ!気持ち悪い!!
J)き、気持ち悪いって…


驚いたJさんが
やっと手を離してくれた。


J)そこまで言う?w
  さすがに傷つくけど。
♡)彼氏以外の人に
  触られたくないです!
J)ふーん、彼氏ならいいんだ?
♡)……
J)どこが好きなの?彼氏の。
♡)…っ


逃げられないような
鋭い視線。


♡)そんなの…
  Jさんには関係ないです。
J)関係あるよ。
  俺ずっと好きだって言ってんじゃん。
♡)…っ


ストレートにぶつけられる言葉に
思わず怯みそうになるけど…


♡)私が好きなのは彼氏です!!
J)わかってるよ?
♡)じゃあどうして…
J)……
♡)最近のJさんは…なんか…
  手に入らないから
  何とかして手に入れたい…
  そーゆーただの独占欲みたいにしか
  思えないです。
J)だって俺男だし。
  欲しい女は欲しい。
  それじゃダメなの?
♡)価値観は人それぞれかもしれないけど…
  私は「好き」って
  そんなのじゃないと思う…


「好き」っていうのは…もっと…


♡)誰かのことを大切に想って
  その人の笑顔が自分の幸せで…
  その人の幸せをいつも願ってる。
  そーゆー気持ちが
  「好き」だと思うから。
J)ふーーん?
  そーゆー風に彼氏の事を好きなんだ?
♡)…っ そうです!!
J)そーゆー風に彼氏にも想われてる?
♡)…たぶん……
J)たぶんなんだw
♡)絶対っ!


なんで多分なんて言ったんだろ。
臣くんは言ってくれたもん。

臣くんの言葉も
臣くんの気持ちも信じてる。

信じてるもん!!


♡)絶対です!!!!
J)……
♡)だからJさんのことを
  好きになる事は絶対ありません!!


K)ちょっとちょっと、
  派手にやってるね~~
♡)え?


振り返ると
KちゃんとMちゃんが会社から
出て来たところだった。


J)お疲れさま。
K)お疲れさまっす。
M)こんなところで目立ちますよ~?
J)そうだねw
K)Jさん相変わらずしつこいっすね。
J)あははw
  Kちゃんは相変わらずストレートだね。
♡)も、もういいですか!
J)……
♡)お先に失礼しますっ。


私はJさんの顔も見ずに歩き出した。


K)駅まで一緒に行こ。
♡)…うん。
M)Jさん、お疲れさまです♡
  お先です~♡
J)お疲れさま。


なんか一気に…
肩の力が…


♡)助かったぁぁ
K)ははっw
M)先輩、ほんとに目立ってましたよ!
  何人か見てましたもん!
♡)えっうそ!!恥ずかしい…
K)カッコ良かったけど。
♡)え?
K)あんた。
♡)…っ
K)いい恋愛してんだね♡


そう言うとKちゃんは
頭をなでなでしてくれた。


♡)Kちゃん……泣
K)なに!w
♡)うわ~~んっ
K)ちょ!なんで抱きつく!
  あたし臣くんじゃねーし!w
♡)だって…ぐすっ
K)頑張った頑張った。
♡)Kちゃん、好き。
K)だからそれは臣くんに言えっつのw
M)先輩っ!私は私は~!!
♡)え…好き?
M)なんで疑問系なんですか~!!
K)あっはははw


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ホテルに戻って
シャワーを浴びて

俺はそのままベッドに転がった。


なんか…
あいつの声聞きたいな…


俺はLINEじゃなくて
電話をかけてみた。


プルルルル。プルルルル。


♡『はいっ!!!!!!!』
臣『ふはっww 勢い良すぎ!ww』
♡『え!あっ、だ、だって今ね!!
  もうそろそろ寝ようと思ってね、
  臣くんにLINEしようかなって
  思ってたんだけど、やっぱり
  声聞きたいなぁって思ってたら
  かかってきたんだもん!!』
臣『え、マジで?』
♡『うん!!すごいタイミング!!』
臣『はははw すげーな。』
♡『うんっ♡ テレパシーだね♡』
臣『はいはいw』
♡『へへへ♡』


嬉しそうな♡の声が
耳に優しく響く。


臣『はぁ…ほんとw
  なんか癒されるわ。』
♡『どうしたの?疲れた?』
臣『うん。めっちゃ疲れた。』
♡『わかるかも…
  なんか私もすごく疲れた…』
臣『なんか一日長かった。』
♡『ね!!すごい長かった!
  ぷはーーっってカンジ。』
臣『うん。ぷはーーーーーーっ!』
♡『あははっ♡
  臣くん今ベッドに転がったでしょw』
臣『ぶー。
  もうさっきから転がってます。』
♡『え~はずれた~!』
臣『お前は…俺のトレーナー着てんだろ。』
♡『……ぶー。』
臣『あれ?はずれた?』
♡『……ごめんなさい。』
臣『嘘かよ!w』
♡『着てる…なんでわかるのー?』
臣『テレパシーなんだろ?w』
♡『あ、そっか!!』
臣『納得すんのかよ!w』


ほんと面白いな…w


臣『俺が長く家空ける時は…
  帰ったらお前が俺の服
  着てる率、高いから。』
♡『えっ!ほんと?』
臣『自覚なし?』
♡『うん…びっくりした…』


寂しいって言ってくれないけど
寂しかったのかなって

なんとなくわかるから
俺はそれが好きで…


♡『だってなんか…
  …臣くんの服着てると
  臣くんに抱っこされてるみたい
  なんだもん♡』
臣『……//』


なんだよそれ…

はぁ…もう///


♡『えへへ…♡』
臣『ばーか//』


ああ…
早く抱っこしてやりたい。


♡『…今日疲れたって…
  仕事、大変だったの?』
臣『いや…?』
♡『なんかあった?』
臣『なんもねーよ?』
♡『そっか…』
臣『お前は?なんかあったの?』
♡『なにも…ないよ?』
臣『そっか…』
♡『うん。』
臣『……』
♡『臣くん……』
臣『ん?』
♡『……』
臣『……』
♡『…今、「好き」って言うと
  思ったでしょー!』
臣『っなんだよ!ちげーのかよ!w』


思ったよ!
期待したよ!


♡『違わないけど、
  なんかバレてる気がして
  悔しくなったから言わないっ!』
臣『なんだよそれっ!w
  天の邪鬼かってw』
♡『きらい…?』
臣『え…いや、』
♡『……』
臣『あ!お前そうやって言って
  言わせようとしてんだろ!』
♡『あははっバレた♡』
臣『んっとにもう…』
♡『なんか話してると止まんないねw』
臣『だな…w』
♡『一緒に暮らす前みたい。』
臣『うん、なんか懐かしいなw』


付き合ったばかりの頃は…
いや、その前も…

よくこうやって
電話で話したもんな。


♡『…明日も仕事だもんね?』
臣『ん。そろそろ寝っか。』
♡『うん。』
臣『じゃあ明日も仕事頑張れよ?』
♡『うん。ありがと。臣くんもね♡』
臣『ん。じゃあな。』
♡『…うん。』
臣『おやすみ。』
♡『…おやすみ。
  臣くん、大好き♡♡』

ピッ。


え。
あいつ言い逃げしやがった…!


…んだよもう…

はぁ……ずるいなほんと。


会いたく…なんじゃん…




ーendー

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