♡)本当に今日天気いいねー♡
臣)だなー。
ちょっと暑いくらい。
♡)もう14時過ぎかぁ。
臣)あっと言う間だったなw
♡)ねっw
それから俺たちは
♡が言ってたベネチアっぽい建物に向かった。
♡)この辺かなぁ?
臣)この辺なの?
♡)うーん…
臣)つーか今気付いたけど
方向音痴のお前を信じてついてきて
大丈夫だった?俺w
♡)ちょっと!ひどい!w
臣)だってさw
♡)大丈夫だもんっ!
臣)あ、ベネチアっつーか…
すっげぇ古き良き和の古民家みたいのなら
あったけど…w
♡)え?…あ!ほんとだ!
わぁ!ここもなんかすごいねぇ!
臣)うん。ベネチアとはかけ離れてるけどw
♡)わーん!ベネチアどこー!w
臣)あはははw
♡)よし!
そう言うと♡は
すれ違った女性に声をかけた。
♡)すみません!!
この辺にベネチアっぽい建物ありますか?
女)ああ!ありますよ!
そこの坂少し上って左手に。
♡)わぁ!ありがとうございます♡
女)いいえー♡
♡)可愛いですか?
女)そうですね♪
結構見に来る方も多いですよー
♡)わーい!
どうもありがとうございました♡
女)はーいw
♡)やっぱりこっちで合ってた~♪
臣)はいはいw
なんかドヤ顔してるしw
つーか、♡って方向音痴だけど
周りの人に助けられて
いつもなんとかなってるんじゃ…w
♡)あったー!!♡
臣)おお!ここか!
♡)うん、確かに可愛い!♡
臣)っぽいね~~
♡)うん!っぽい!!w
わーい♪写真撮るー♪
♡はるんるんしながら橋を渡って
いっぱい写真を撮ってる。
臣)こーゆーの好きなの?
♡)うんっ!
臣)ふーんw
♡)こーゆーのっていうか
海外の可愛い建物とかが大好きなのー♡
臣)そうなんだ。
確かに…女子が好きそうだよな。
こんな喜ぶんなら…
いつか連れてってやりたいなー。
♡)ね、一緒に写真撮ってもらおー♡
臣)え?
♡)あ、すいませーん!
写真撮ってもらってもいいですか?
男)え?私ですか?
♡)はいっ♡
男)いいですよ、くすくすw
♡が話しかけたのは
ヒゲを生やした、貫禄のあるおじさん。
この人…
ただの通行人じゃないような…
男)ここ押せばいいのかな?
♡)あ、シャッターこっちです♡
男)はいはいw
♡がおじさんにカメラを渡すと
後ろから若い男が慌てて飛び出てきた。
男)先生!!僕が撮ります!!
男)いやいや、いいんですよw
男)だって…
男)大丈夫大丈夫w
はい、じゃあいきますよー♪
♡)はーい♪
カシャッ。
♡)わーい♪
ありがとうございましたー♡
男)元気なお嬢さんですねw
臣)……
うーん…
さっきの青年の焦り具合からして
この人…なんか偉い人なんじゃ…
♡はそんなの気にしないで
ニコニコ話しかけてるけど…
♡)あ!おじさんから絵の具の匂いがするー!
男)おや。
♡)当たりですか?♡
男)当たりですねーw
♡)わぁ!画家さんですか?
男)画家さん…w
ですねー
♡)わぁ!すごーい!
男)せ、先生…w
男)いいんですよw
♡があまりにフレンドリーに話しかけるから
青年がさっきからヒヤヒヤしてる。
さっき青年が飛び出してきた建物に目をやると
そこは画廊だった。
♡)おじさんが描いた絵、見れるんですか?
♡は目を輝かせてそう聞いた。
男)そうですねぇ…見ますか?
♡)見たいですっ♡
男)じゃあこちらへどうぞw
男)ちょっと先生!
男)まぁまぁ、いいじゃないですかw
男)でも…
大丈夫なのか…?
つーかこいつほんとグイグイいくな…
どんだけ人見知りしねぇんだよ!w
おじさんに案内してもらって
画廊に入ると…
そこは絵の具の匂いが充満していて
たくさんの油絵が飾られていた。
なんかすごい先生っぽいし…
無理矢理入れてくれたっぽいから…
俺はサングラスを外した。
♡)わぁぁぁ!!すごーいっ!!♡
臣)うわ…、ほんとにすげぇ…
絵の知識なんて全くないけど…
そんな素人の俺が見ても
なんかすげぇ伝わるもんがある。
♡)おじさんはすごい人なんですか?
男)すごい人って…!!
この人は…っ
男)いいんですよw
青年の言葉をおじさんが遮った。
この人は、の続きが気になる…
男)油絵は好きですか?
♡)えへへ…よくわかんないです♡
おい!正直か!!ww
♡)でも…詳しくはないけど
観るのは好きです♡
男)へぇ…どうして?
♡)絵だけじゃなくて…
芸術作品って…観るの好きです♡
男)ほぉ…。
♡)どんな想いで作ったのかなとか
どんな風に作ったのかなとか
いっぱい想像しちゃうし…
その人の想いがたっくさん
詰まってる気がするから…
男)……
♡)えへへ♡
♡は無邪気にニッコリ笑った。
男)…君も…芸術家じゃないですか?
臣)えっ!!
おじさんの視線が今度は俺に向いた。
臣)えっと…
芸術家?ではない…よな??
♡)歌い手さんです♡
男)ああ、やっぱり…
臣)え?
男)何かを創る…というか
生み出す人だなと思いました。
臣)え…っ
どうして…
男)こういう仕事をしてるとね、
そういうのは何となく伝わるんですよ。
そう言ってニッコリ笑うおじさん。
そうか…
そういうもんなのか…
男)君は眼がとてもキレイだ。
きっと素敵な歌を唄うんでしょうね。
おじさんが真っ直ぐに俺の眼を見た。
♡)そんなのもわかっちゃうんですか?
男)ええw
♡)おじさんすごーい!♡
男)あはははw
♡)ほんとにすっごく素敵な歌なんですよ♡
私、彼の歌が大好きなんです。
男)ほぉ…
臣)……///
男)そう言ってくれる人が一人でもいるのは
とても素敵なことですね。
臣)はい…。
♡)おじさんの絵も私大好きー♡
男)え?
♡)なんかあったかいカンジがするー♡
男)そうですか?
♡)はいっ♡
確かに…
絵の内容は全部違うのに…
全てに共通してるのは「あたたかさ」で。
なんか優しい感じがすごく伝わる。
男)では…ここでお二人に出逢えたのも
何かの巡り合わせだと思うので…
そう言っておじさんは、
小さな色紙にスラスラと絵を描いてくれた。
♡)わ、わ、え、え、
臣)え、え、すげぇ…っ
俺たちはその指先に釘付けになって…
スラスラと描かれていく風景。
淡い色合いで次々に彩られていく世界。
あっという間に絵が完成すると
小さくサインを入れてくれた。
男)はい、どうぞ。
男)ちょ、ちょっと先生!いいんですか??
男)いいじゃないですかw
こういう出逢いも
私は大切にしたいんですよ。
男)でも…っ!!
男)二人とも…眼がすごく澄んでいるんです。
ちゃんと「心」がある人たちだ。
良かったら…貰って下さい。
♡)いいんですかっ?
♡が受け取った絵を、二人で一緒に見てみた。
♡)わぁ……///
臣)すげぇ綺麗…
♡)うん…っ
臣)水彩画も描かれるんですか?
男)いえ、滅多にw
普段は油絵のみです。
臣)そうなんですね…
♡)でも…
水彩のタッチもすごく好きだなぁ…
綺麗な青空に、白い雲。
広がる草原と淡く咲く花たち。
どこか懐かしさを感じるような
優しい故郷を思わせるような…
そんな絵だった。
男)あなた達を見ていると
そんな景色が浮かんだんですよw
♡)えっ…
臣)……
俺たちを見てると…?
男)先生、そろそろ…
男)あ、時間ですか?
♡)あ、すみません!お邪魔してしまって…
男)いえいえ、いいんですよw
楽しかったです。
臣)どうもありがとうございました。
こんな素敵な絵を見せていただいて…
♡)こんなに素敵な絵もいただいて…
男)いえいえw
ええと…、君。
臣)はい!
男)これからも素敵な歌を届けて下さいね。
臣)はい!!ありがとうございます!!
男)では、これで。
臣)ありがとうございました。
♡)お邪魔しました!!
画廊を出て少し歩いて、
俺たちは顔を見合わせた。
♡)すごかったね! 臣)すごかったな!
ハモったしw
♡臣)あはははw
♡)本当にこの絵キレイだよね♡
臣)なっ!
目の前で描いてくれたから
鳥肌立ったわw
♡)私もーー!w
臣)つーか、あの人最初っから
只者じゃない貫禄出してんのに
お前グイグイいくんだもん!w
♡)えーー!
臣)お前はほんと人懐っこいなーw
♡)あのおじさん、
有名なおじさんなのかな?
臣)じゃねぇの?
あんだけ作品あんだし。
♡)あ!サインしてくれてるし
ちょっと調べてみよ!
♡がスマホを取り出して
さっきのおじさんの名前を検索すると…
♡臣)えっっ!!!!
おじさんの名前は一番上に出てきて、
ずっと海外で活躍してる
有名な日本画家らしい。
♡)ハ、ハリウッドスターにも
その人気は高い、だって…
臣)人気の作品だと時価数千万?!
♡)えええっ!!!
臣)今年3月に1ヶ月だけ帰国し
個展を開催予定…
3月…、って、今だよな。
♡)……
臣)……
俺らはまた顔を見合わせた。
♡)お、臣くん大変だよ!!
臣)ど、どうする!!
♡)そんなすごいおじさんだったなんて!
臣)つーかおじさんて呼んじゃダメだろこれ!
♡)そっか!そうだよね!あわわわ!!
臣)すげぇな、マジで…
♡)臣くん、はいっ!!!
♡が慌てたように、俺に絵を渡してきた。
臣)え、え、え
♡)臣くん、ちゃんと大切にしてね!
臣)え、え、俺?!
♡)うん!!
臣)お前にくれたんじゃねぇの?
♡)違うよぉ!
だって…私たちを見てって言ってたから
きっと二人にくれたんだよ。
臣)そっか…
♡)臣くん誕生日だから、これは臣くんに!!
臣)どうすんだよ、こんなすげぇの…
これこそ家宝にしなきゃじゃん…
俺は絵を大事にバッグにしまった。
臣)ほんとなんか…すげぇ出逢いだったな。
♡)ねっ!!
臣)なんかお前といると世界広がるわーー
♡)何それー!w
臣)いや、誰にでも話しかけっからw
♡)あははは♡
それから♡は
100均に寄りたいって言い出して、
そこでレジャーシートを買った。
臣)どうすんの?それ。
♡)ごろーんってするのー!♡
臣)どこでw
♡)だってこれから自然に還るんでしょ?
臣)ああ!そうだった!w
どうしよっか。
♡)えっと…もう15時か…
夜は新宿集合だもんね。
じゃあ新宿御苑行くー??
臣)俺、行ったことない。
♡)え!ないの?
臣)うん。
♡)あんな近くに
あんな大自然があるのに?!
臣)そんな大自然なの?
♡)うん!!
アポで出てる時とか
癒されたくなったら
たまにちょっとあそこでサボるんだーー♡
それから俺たちはタクシーに乗って
新宿に向かった。
途中で中目黒を通って
事務所の前を通り過ぎて。
臣)なんか変なカンジーw
♡)え??
臣)休みの日に事務所の前通んの。
♡)あはは、そっか!w
臣)誰かいねーかな。
♡)ほんとにそんなにいるものなの?
臣)いる!
一日歩いてたら絶対誰かとは
遭遇すると思うw
♡)うそーー!
臣)あ!!ほら、いた!!
♡)え、どこ?!誰!?
あっ!メンディーー!!
臣)何やってんだろw
♡)頭ですぐわかったーww
臣)あははは、目立つな~~w
♡)ほんとに普通に歩いてるんだね!
臣)な?
♡)うん!びっくりした!!
臣)あはははw
それから新宿に着いて
俺らはタクシーを降りた。
入場料を払って中に入ると
そこは本当に自然がいっぱいで。
♡)わーい!気持ちいい~~♡
臣)すげぇな~~
♡)平日だから
おじいちゃんおばあちゃん
ばっかりなんだよー。
臣)あ、そうなんだ。
じゃあバレねぇかな。
サングラス取っちゃえ。
臣)あ~~~マイナスイオン!!
思いきり伸びをすると
めちゃめちゃ気持ちイイ。
臣)イイ匂いすんなーー!
♡)ねっ!♪
臣)あ、あそこめっちゃ人だかり。
♡)ほんとだー!あれ、桜だっ!
臣)あ!ほんとだ!一本だけ咲いてんだ!!
♡)すごーいっ!
咲いてるのあの子だけだね!
臣)だよなー。
周りを見ても他には咲いてない。
♡)だからみんな殺到してるんだ。
臣)すげぇ撮影大会になってるしw
♡)あははは♡
それから二人で少し歩いてると
肩に何かが落ちてきた。
ぽとっ
ん??
臣)おわぁぁぁっっ!!!!
♡)???
臣)ちょ、ちょ、無理!!!
♡)どうしたの??
臣)む、む、虫っ!!!!
一瞬肩を見たら、毛虫っぽいやつがいて
怖すぎてもう見れない!!!
♡)あ、毛虫さんー♡
臣)えっ…
ぎゅっと瞑っていた目を恐る恐る開けて、
視線を戻すと…
臣)うわぁぁぁっ!!!
♡)ん?♡
♡がニコニコしながら、毛虫を手に取ってる。
臣)ちょ、ちょ、無理ッ!!!
♡)え??
思わず♡から距離を取って、後ずさった。
つーか…
また落ちてくるんじゃっ!!
臣)…っ
上を見上げると、木の枝が生い茂ってて
俺は慌てて木の下から逃げた。
♡)臣くん…虫ダメなの??
臣)うわ、ちょ、それ持ってくんな!!
♡)えーー
毛虫さんごめんね?
木に帰ってねー♡
とか言って
毛虫を木の枝に戻してるし!!
ひぃぃぃ!!
俺がそれを遠くから見てると
♡がこっちを振り向いて、けらけら笑い出した。
♡)あはははっw
臣くん虫ダメなんだーw
臣)……
♡)意外だな~~w
臣)つーか…
お前なんで女子のくせに平気なの。
♡)え…なんでって…
何が怖いのかよくわかんない。
臣)はぁ??
気持ちわりぃだろっ!!
♡)えーー虫が?
臣)そう!!
♡)私別に平気だよーー
信じらんねぇ!!
めっちゃ怖がりそうな見た目してるくせに
ケロッとしてるし!!
臣)どんな虫でもいけんの?
♡)うん。別に普通に触れるよ。
臣)えええ!!!
♡)だって…動物と変わらないでしょ?
臣)変わるわっ!!!
♡)えーー!!
臣)まず見た目が無理!!!
♡)さっきの毛虫さんなんて可愛いのにーー
臣)可愛くねぇっ!!!
♡)ぶーーー
ぶーじゃねぇし!!
臣)お前…ほんとになんでもいけんの?
♡)うーん…たぶん。
臣)ゴキでも平気なんだな?
♡)やだーー!!!
それはいやーー!!!
ほっ…
マトモな反応でちょっと安心した。
臣)だろー?
気持ちわりぃし怖ぇだろ?
♡)うーん…気持ち悪いけど怖くはない。
臣)え!!
♡)私よく退治してたし。
臣)え!!ゴキ!??
♡)うん。
友達から泣いて電話かかってきたりしたら
よく退治しに行ってたよー!
臣)え、何その心から尊敬するボランティア!
♡)だって…友達泣いてて可哀想だったし…
臣)泣きたい気持ち死ぬほどわかるわ!
あんなんほんと無理!!
♡)うーん…まぁゴキさんは嫌だよねーー
臣)つーかあんな素早いもん退治できんの?
♡)私も素早いもーん♪
臣)嘘つけ!!w
お前どんくせぇじゃん!!
♡)ひどーい!!
臣)俺はどんな虫も全部イヤ!無理!!
♡)ぷぷぷぷw
臣)オイ、…笑うな//
♡)だってなんか意外すぎて可愛いんだもんw
臣)はぁ…、お前一家に一台欲しいな。
♡)虫退治用??w
臣)そう。
♡)あははははw
とか話してると
目の前にめちゃくちゃ気持ち悪い虫が
地面を這ってた。
臣)うんわぁぁぁぁ!!!!
♡)あ、また虫さんだー。
臣)ちょ、ちょ、ちょ!!!
♡)よけて通ろうねー
臣)……
気持ち悪すぎて
俺が言葉を失ってると
♡にまた笑われて。
あ~~~カッコわりぃなーー
くそーーー
♡)自然に虫は絶対いるから
仕方ないのですよーw
臣)だから俺、山とか好きじゃねぇもん。
♡)えっ!
臣)自然だけなら好きだけど。
♡)虫がいるから?
臣)そう。
♡)ぷぷぷぷw
臣)おい!笑うな!//
♡)だって…ww
…あ、ほら!
あそこなら虫も少ないよー!!
♡は木の少ない草っ原まで走って行って
さっき買ったレジャーシートを広げた。
♡)ばふーーっ♡
あはははw
気持ちいい~~♡♡
楽しそうに寝転がってるし…
ここなら…うん、虫はいなそうだな。
少し警戒しながらレジャーシートに座ると
♡が横からつんつんしてきた。
♡)これ買って良かったね♡
臣)え?
♡)ほんとは芝生の上にそのまま転がっても
気持ちいいんだけど…
臣くん虫ダメなら無理でしょ?
臣)…うーん…
♡)あはははw
ね、ここの芝生ふっかふかだね!
ほらっ!♪
ばふばふっ
♡がレジャーシートの上から
その感触を楽しんでる。
臣)うん。確かに。
俺も寝転がってみた。
臣)おお~~!!青空がキレイ!!
♡)うんっ!!
目の前の色が緑から青に変わった。
どこまでも広がる青い空。
臣)は~~~~
なんか癒されんな~~~
♡)虫がいなければ?w
臣)もうその話すんなしw
♡)あはははw
臣)つーかじゃあ
お前がダメなものって何?
虫は平気なんだろ?
♡)私がダメなもの…?
なんだろう…うーーん…
あっ、痛いもの!!
臣)痛いもの??
♡)うん!!痛いことほんと苦手!!
多分私人より痛みを感じる神経が
100倍くらいあるんだと思う!
臣)んなわけあるか!!w
♡)それくらい痛いのダメなのー!!
臣)例えばー?
♡)えっと…
会社でやる予防接種とかも本当にダメで…
臣)ああ、インフルエンザの?
♡)うん…
臣)あんなん一瞬じゃん。
♡)一瞬だけど痛いでしょ!!
臣)まぁ少しはな。
♡)それがダメで…
いつも覚悟決めるのに
10分以上かかっちゃって…
臣)何それ!!w
♡)いつも列から外される…。
臣)迷惑な奴!w
子供かよ!w
♡)もう怖すぎて怖すぎて
この間なんて針が刺さる前に
「痛い!!」って思わず言っちゃって
「まだ刺してません。」って
すごく冷たく言われた…
臣)あはははw
♡)だって針が身体に刺さるなんて
信じられないもん!!
臣)どんだけビビリだよw
♡)あとね…
昔、宿題を忘れて来ると
げんこつする先生がいて…
臣)へぇ!
♡)忘れた人全員立たされて
順番にげんこつされるんだけど
それも怖すぎて泣いた。
臣)え!!泣いたの!!
♡)うん。先生ひいてた。
臣)あははははw
で、げんこつされたの?
♡)ううん。私が大泣きしたから
宿題3倍量で許してもらえた。
臣)わははははw
小学生の時?
♡)うん。
臣)めっちゃウケるw
♡)それくらい痛いのダメなのー!
臣)そっか。
でもその割にはお前、
自分の危険顧みずに動くよなー?
♡)え?
臣)タバコに突っ込んでったりさ、
ひったくりに体当たりしたり…
♡)そーゆー緊急事態は別なの!
身体が先に動いちゃうんだもん。
臣)うん。だからすげぇなって。
♡)え?
臣)そんだけビビリなのに
火事場の馬鹿力的なのが
すごいってことでしょ?w
♡)そっか…そうなのかな…
臣)こっちは心配で仕方ないけど。
♡)…気をつけます。
臣)ん。
空を見上げながらそんな話をして。
ふと、♡が思い出したように起き上がった。
♡)そういえば貰ったんだったー♡
♡が嬉しそうに
さっき里山さんにもらったパンを出した。
臣)お、いいね!食お食お!
♡)働いたからまたお腹空いたー♡
臣)あはははw
♡)あ、でも何か飲み物
買って来れば良かったね。
喉渇いちゃう…
臣)あ、じゃあ俺買ってくっから
お前待ってろ。
♡)え!
臣)すぐ戻ってくるわ。
♡)あ、ありがとう!!
臣)うん。
ー続ー
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