(59)キュンキュン看病

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健二郎くん、すっごくいい人だったなぁ♡
 
 
健二郎くんがいてくれて良かった。
お家にも入れてもらえたし。
 
 
あとは私がしっかり看病しなきゃ!!
よし…!!
 
 
出来上がったお粥をお皿にうつして…
 
 
♡)……
 
 
臣くん…
 
身体…すごく熱かったな。
 
 
でも…
 
ぎゅって…すごく力が強くて…
 
 
「好き」って…
 
初めて言葉にされた。
 
 
好きだって…
何回も言われた…。
 
 
♡)……///
 
 
どうしよう…
 
思い出したらまた…
 
 
わーーんっ!!///
 
 
♡)…っ
 
 
臣くん…心配してたって…
健二郎くん言ってたよね…。
 
 
ほんとにごめんね…。
 
 
 
……ガチャッ。
 
 
寝室のドアを開けてお粥を運ぶと
臣くんはまだ眠ってる。
 
 
♡)わ…、すごい汗…!
 
 
私は慌てて洗面所に行って
タオルを持ってきた。
 
 
♡)臣くん…、ちょっとごめんね?
臣)……は…ぁ…
 
 
見える部分だけでも
タオルで汗を拭いてあげたけど…
 
すごく寝苦しそう。
 
 
おでこに手を当ててみると…
 
 
♡)!!!
 
 
冷えピタがすごく熱い!!
 
え、え、これちゃんと効いてるのかな??
大丈夫?!
 
 
♡)…っ
 
 
慌てて冷えピタの箱を見てみると…
 
『8時間冷却』。
 
 
まだ…1時間…。
 
 
じゃあこれは…
臣くんの熱を吸い取って
こんな熱くなってるってこと…?
 
信じていいの?冷えピタさんっ!
 
 
わーん…もう…
心配だよぉ…っ
 
早く…元気になって…
 
 
♡)…っ
 
 
神様!!
私の体力全部臣くんにうつしてください!!
お願いしますっ!!
 
 
臣)ん……
♡)はっ!
 
 
私が手を合わせて祈ってると
臣くんが少しだけ動いた。
 
もう体力届いたの?!!
 
 
臣)……っ
 
 
ゆっくり開いた臣くんの目。
 
 
♡)大丈夫…?
臣)ん……、♡…??
♡)うん。
臣)な…んで……、は…ぁ…
♡)えっと…
  夜の薬、まだでしょ?
  お粥作ったんだけど食べれる?
臣)……
♡)食欲ない…?
臣)…食う。…腹…減った……
 
 
わ、良かった!!
食欲はあるんだ。
 
 
♡)じゃあつかまって?
 
 
そう言って臣くんを抱き起こそうとしたけど、
 
臣くんの体重が思ったよりあって
そのまま引きずられて
臣くんに激突しちゃった。
 
 
♡)わわっ!ごめんね?!
  もっかいつかまって??
 
 
今度は思いっきり力を入れて
臣くんを抱き起こした。
 
男の人の身体ってこんな重いんだ…。
 
 
臣)は……ぁ…っ…
♡)大丈夫?ごめんね?汗
  えっと…お粥…、はい。
 
 
臣くんにお粥とレンゲを渡して
私はベッドの横にあった小さな椅子に座った。
 
 
臣)……
♡)……
 
 
あれ…?
 
臣くんがレンゲを手に持ったまま
ぐったり動かない。
 
 
♡)食べれない…??
臣)…食べ…る。
 
 
動くの…ツライのかな??
 
 
私は臣くんに渡したレンゲを
もう一度手に取って
お粥をすくった。
 
 
じーーーっ
 
 
熱く…ないよね??
 
ふーふーは…恥ずかしい///
 
 
自分の手の甲に少し乗せてみると
全然熱くない。
 
よし、大丈夫だっ!
 
 
♡)じゃあ…、はい…。
 
 
もう一回お粥をすくって
臣くんの口に運ぶと、
 
臣くんがゆっくり口を開けてくれた。
 
 
臣)……ん、
 
 
あ…もぐもぐしてる…
良かったぁ~~~泣
 
 
臣)ん…。
 
 
臣くんはゆっくり飲み込むと
もう一回口を開けた。
 
 
食べさせてってことかな…?
 
 
♡)はい。
 
 
もう一度レンゲにすくって口に運ぶと、
またもぐもぐしてる…。
 
 
臣)ん。
 
 
飲み込んだのを確認して
また口へ運ぶと…
 
またもぐもぐしてる…。
 
 
♡)……///
 
 
ど…どうしよう…
可愛い…///
 
 
具合悪いのにこんなの不謹慎だよね?
でも…なんかすっごく可愛い///
 
 
そのままゆっくりだけど
臣くんはお粥を全部食べてくれた。
 
 
♡)えっと…薬…
  あ!えっと…フルーツもあるけど
  食べたい?
臣)…な…に?
♡)えっと…りんごと桃とバナナと…
臣)りん…ご…
♡)えっと…すりおろした方がいい?
臣)……(こくん)
 
 
臣くんが頷いた。
 
 
♡)じゃ、じゃあ待っててね?///
 
 
何今の…可愛いよぅ…///
どうしよう…キュンキュンしちゃう…///
 
 
私は急いでキッチンに戻って
りんごを切ってすりおろして
またベッドまで運んだ。
 
 
♡)あ、起きて待っててくれたの?
  ごめんね?
臣)ん…
♡)はい。
 
 
すりおろしたりんごの器を渡そうとすると
それを受け取らずに
また小さく口を開ける臣くん。
 
 
♡)えっと…///
 
 
また食べさせて欲しいのかな…?
 
 
スプーンですくって口まで運んでみると
臣くんはそれをごくんと飲み込んだ。
 
 
♡)美味しい…?
臣)……(こくん)
♡)……///
 
 
またうなずいた。
 
ううう~~
可愛いよぅ…っ///
 
 
何だろうこれ…
なんか撫で撫でしたくなっちゃう///
 
 
♡)全部食べれたね…♡
 
 
りんごも綺麗になくなって
薬を飲ませると
また横になって目を閉じた臣くん。
 
 
さっきよりは呼吸がラクそうだけど…
どうなのかな…?
 
 
♡)……
 
 
ほっぺに触ると、まだ熱い。
 
あ…、汗また拭いた方がいいかな…?
 
 
私がタオルを取ろうと立ち上がると、
 
 
♡)…っ
 
 
臣くんのほっぺに触れてた手が
キュッと掴まれた。
 
 
♡)…臣…くん…?
 
 
臣くんは…
そのまま私の手を掴んで
自分のほっぺに当ててる…。
 
 
何だろう…これ…///
 
 
♡)臣くん?
臣)……スー……、スー……
 
 
え??
 
寝ちゃった?!!
 
 
♡)…っ
 
 
赤い顔を覗き込むと
スヤスヤと寝息を立ててて…
 
その呼吸はさっきよりもラクそう。
 
 
♡)……
 
 
手、離したらまた起きちゃうよね?
 
私は仕方なく、そのままもう一度座った。
 
 
私の手をほっぺに当てて
スヤスヤ眠ってる臣くんが
なんだか可愛くて…
 
 
♡)ううう…///
 
 
臣くん…
 
早く元気になりますように…。
 
 
この手から…
いっぱいパワーが届いたらいいのに…っ
 
 
私に熱全部うつしていいから…
元気になぁれ…っ!!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
臣)♡…?
♡)うん♡
 
 
目の前に♡がにっこり笑って座ってる。
 
 
え…?
本物…?
 
 
臣)会いたかった…。
♡)うん♡
 
 
ああ、本物なんだ。
 
やっと…会えた…
 
 
臣)…っ
 
 
俺は思わず♡を抱きしめた。
 
 
臣)…めっちゃ好き。
♡)…っ
臣)ほんと好き。
♡)私も臣くん大好き♡♡
臣)えっ!!!
 
 
その返事にびっくりして
♡の顔を見ると…
 
♡は少し恥ずかしそうに笑った。
 
 
♡)大好きだよ♡♡
臣)……///
 
 
え…、ほんと…に…?
 
 
♡)だから…Hしよ…?///
臣)え!??
♡)…だめ…?///
臣)えっ、えっ…///
♡)臣くんとエッチなこと…
  いっぱいしたい♡♡
 
 
え、え、嘘だろ?!
 
 
臣)いいの!?///
♡)うん♡♡
 
 
♡は嬉しそうに抱きついてきて…
 
俺を見上げて、エロい顔で言った。
 
 
♡)いっぱい…気持ち良くしてね?///
臣)する!する!!///
 
 
俺は欲しくて欲しくて
興奮を抑えられずに、♡の服を脱がせる。
 
でも…
服を…脱がせても…脱がせても…
 
 
臣)え???お前…
  服何枚着てんの??え??
 
 
なんだこれ?
 
 
♡)ぐすっ…
臣)え??
♡)臣くんひどい…っ
  どうしてこんなことするの?
臣)え!!
 
 
な、泣いてる!!!
 
 
臣)だって…お前がしようって…
♡)最低!大っ嫌い!!
臣)えっ!!
♡)誰にでもこんなことしてるんでしょ!
 
 
今度は怒ってるし!!!
 
 
臣)してねーよ!!
♡)嘘!知ってるんだから!
臣)え!??
♡)色んな女の子とホテル行ってるの!!
臣)え…っ
♡)TAKAHIROさんに聞いたんだから!!
臣)は?!TAKAHIROさん!?
♡)最低だよ…っ
臣)もうしてねぇって!!
♡)そーゆー人、大っ嫌い!!
臣)おい、待てよ!!
 
 
走って逃げる♡を追いかけると、
そこはいきなり広い海で。
 
♡は何のためらいもなく
海に入っていく。
 
 
臣)おい!!お前泳げねぇだろ!!
♡)来ないで!!
 
 
♡の所に行こうとしても
俺は砂浜に足が埋もれて動けない。
 
 
臣)待てって!!おい!!
  ♡……!!!
 
 
必死に呼び止めると…
 
 
♡)私…結婚するの。
臣)は!??
 
 
振り向いた♡は、そう言った。
 
 
♡)だから…
  臣くんにはもう二度と会わない。
臣)おい!!ちょっと待てよ!!
♡)ごめんね?…さよなら。
臣)待てって!!おい!!
  ♡!!♡っっ!!!!
 
 
 
……
 
 
 

 
 
 
目が覚めると、俺は汗だくで。
 
 
臣)…は…ぁっ
 
 
……あれ…?
 
何か…握ってる…
 
 
なんだこれ…、…人の…手?!!
 
 
えっ!!??
 
 
臣)…っ
 
 
慌てて起き上がると、
ベッドにうつ伏せで♡が寝てた。
 
 
……なん…で…っ
 
 
え??え!??
 
なんで♡が…ここにいるんだ?!
 
 
少しクラクラする頭で
必死に思い出そうとしても、
全然記憶がない。
 
 
なんでここにいるんだ??
 
本物…だよな…??
 
 
臣)…っ
 
 
寝てる♡の頭をそっと撫でると、
柔らかいふわふわの感触。
 
 
ああ…本物だ。♡だ。
 
 
全然わけわかんねぇけど
やっと会えた。
 
今…、目の前にいる。
 
 
会いたかった。
 
会いたかった。
 
ずっと…
 
 
臣)…っ
 
 
ヤベぇ…なんか泣きそうだ、俺…。
 
 
なんだよこれ…
熱で頭おかしいのかな…
 
 
 
 
……ぽとっ…
 
 
臣)ん…?
 
 
何かがでこから落ちた。
 
 
何だこれ…
冷えピタ??
 
 
つーか俺…汗すげぇな…
着替えたい。
 
でも…
身体が痛くてだるくて重い。
 
 
臣)はぁ…、
 
 
俺が少し動くと
うつ伏せの♡がぴくんと動いて…
 
 
♡)ん…っ
 
 
目をこすりながら、起き上がった。
 
 
♡)…あっ!!臣くん!!!
 
 
俺の顔を見ると、
目をまんまるくさせて
俺の肩をつかんできた。
 
 
♡)熱は……、
  あ、まだ熱い…。
 
 
俺のでこに手を当てて、
心配そうな顔をして…
 
 
♡)冷えピタ!!!
 
 
そう叫んで
リビングにダッシュして、一瞬で戻ってきた。
 
 
♡)新しいの貼るね?
 
 
前髪をふわっと持ち上げられて、
でこに冷たい感触。
 
冷んやりして、すげぇ気持ちイイ…。
 
 
♡)これでよし!
 
 
そう言って♡はニッコリ俺の頭を撫でた。
 
 
臣)……///
 
 
何だよこれ…
俺…子供みてぇじゃん…。
 
 
♡)起き上がっちゃダメだよ?
  あ、喉渇いた?
臣)……(こくん)
 
 
声を出すのもしんどくて
そのまま頷くと、
 
♡はダッシュでポカリを持ってきてくれた。
 
 
俺がそれを受け取って
一口飲んで返すと、
 
 
♡)良かった。もう持てるんだね。
 
 
ほっとしたようにそう言った。
 
 
???
どういう意味だ…??
 
 
♡)あ、そうだ!
  臣くん、着替える??
臣)……(こくん)
♡)着替えどこにあるのか
  わからなくて…
 
 
そう言って
俺のチェストの前でウロウロしてる。
 
 
♡)ここ??
臣)……(ふるふる)
♡)ここ??
臣)……(こくん)
♡)ごめんね?
  じゃあ開けるね??
 
 
引き出しを開けた♡は
新しいTシャツを持ってきてくれて、
心配そうに俺の顔を覗き込んだ
 
 
♡)着替えられる??
臣)……
 
 
今着てるTシャツを脱ごうとしても
思うように身体が動かない。
 
 
臣)…っ
♡)あ、無理しないで!
  はい、手あげて。ばんざーい!
臣)……
 
 
俺は…子供かよ…
 
 
♡)わ…、やっぱりすごい汗。
 
 
俺が上半身裸になると
♡が濡れたタオルで汗を拭いてくれた。
 
 
♡)よし。じゃあ新しいの。
  はい、手あげてーっ
 
 
そのまま新しいTシャツを
着せてもらって。
 
すげぇスッキリした。気持ちイイ。
 
 
♡)はい、もう起きてちゃダメ。
  横になって。
臣)……
 
 
言われた通り、布団に入る。
 
身体は相変わらずだるい。
 
 
♡)まだ身体熱いけど
  さっき飲んだ薬、効いてくると思うから
  もう少し頑張ってね?
 
 
薬…??
なんだ…それ…??
 
 
♡)ちゃんとここにいるから
  大丈夫だよ?
 
 
そう言って、
♡の手が俺の頬に優しく触れた。
 
 
臣)……
 
 
また…子供扱いされてる。
 
 
でも…
♡の手が…冷たくて気持ちいいから…
もういいや…
 
 
♡)安心してね…?
  おやすみなさい♡
 
 
優しく笑うその笑顔が…
天使みたいで…。
 
 
俺の頭をそっと撫でてくれる優しい手が…
すごく…気持ちいい…。
 
 
その気持ち良さにゆっくり目を閉じると…
 
♡の笑顔が少しずつ…
ぼやけていった…。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
臣くんがまた眠りについたのを確認して
私はキッチンに戻った。
 
 
少しでも栄養があるもの、
たくさん作っておこう!
 
 
料理をしながら
ちょくちょく臣くんの様子を見に
寝室に行くけど、
 
臣くんはずっとぐっすり眠ってて。
 
 
♡)ふぅ…っ
 
 
料理も一通り終わって
片付けも済ませると、もう23時。
 
 
臣くん…大丈夫かな…
今は眠ってるけど…
 
心配だから…朝までいてもいいかな…?
 
 
ちゃんと洗顔と歯ブラシは
持ってきたんだもんっ!
 
 
夜中に臣くんに何かあったら困るから!
今日はずっと看病するのっ!!
 
 
♡)…っ
 
 
そろそろ冷えピタ交換した方がいいかな…?
 
 
寝室のドアをそーっと開けると
臣くんが少し動いたのが見えた。
 
わっ…
起こしちゃった??
 
 
臣)ん……
♡)…大丈夫??
 
 
ゆっくり起き上がった臣くん。
 
 
♡)喉渇いてない?
 
 
私がポカリを渡すと
さっき一口しか飲まなかった臣くんは
今度はゴクゴク。
 
 
臣)は…ぁ……、
♡)……
 
 
飲み終えて、私をじーっと見てる。
 
 
♡)…なぁに?
臣)少し…ラクんなった。
♡)ほんと…っ?
  良かったぁぁ〜~♡
 
 
嬉しいよぅ!!
 
 
臣)なんで…
♡)え…?
臣)お前…いんの?
♡)あっ、あのね!
  臣くんのお母さんが連絡くれて…
臣)…母ちゃん?
♡)うん。臣くんが寝込んでるって
  教えてくれたから、勝手に来ちゃった。
  ごめんね?
臣)……
♡)あ、えっと…健二郎くんに
  バッタリ下で会ったから、
  一緒に上がってきちゃったの。
臣)健…ちゃん??
♡)うん。
臣)え??
♡)さっきまでいたでしょ?
  健二郎くん。
臣)え??
 
 
臣くんがすごく不思議そうな顔してる。
 
覚えてないのかな??
 
 
♡)お見舞いに来てたんだよ?
臣)健ちゃん?
♡)うん。
臣)…マジか…
  全然覚えてない…。
♡)えーーっ
 
 
熱のせいかな?!
 
 
♡)お粥食べたのは覚えてる?
臣)お粥???
♡)え…、覚えてないの…?
臣)……覚えて…ない。
♡)わわ…っ
 
 
何も覚えてないのかな?汗
 
 
臣)お前…仕事は…?
♡)あっ!!そうだ!!
  えっと…ごめんね??
  ずっと連絡出来なくて…
臣)……
♡)あのね、金曜日からずっと携帯なくて。
臣)…え?
♡)えっと…あの…
 
 
どうしよう…
入院してたなんて言ったら
臣くん絶対心配しちゃうから言いたくない。
 
 
♡)えっと…携帯落としちゃって…
  手元に戻ってきたのが今日だったの!
 
 
携帯がなかったのは嘘じゃないし!!
 
 
♡)だから…ずっと連絡できなくて…
  ごめんね?
臣)……今日…は…?
♡)あ!今日は…えっと…
  ふ、振替休日みたいなカンジ!
臣)……
 
 
怪しかったかな…??
 
 
♡)プロジェクトも14日で
  無事終わったの。
臣)…バレンタインの日?
♡)うん!そう!バレンタ……あっ…
 
 
そうだ!バレンタイン!!
えっと…えっと…どうしよう…
 
 
♡)あの…えっと…
  バレンタイン…、
 
 
なんて言い訳しよう…
仕事が忙しくて忘れてたなんて最低だよね…
うわーーん!!
 
 
♡)…っ
 
 
オロオロしながら
恐る恐る臣くんの顔を覗くと…
 
臣くんは少し寂しそうに口を尖らせた。
 
 
臣)チョコ…欲しかった。
♡)…っ
 
 
拗ねながらそう言う臣くんが可愛すぎて…
 
 
♡)~~~///
 
 
もうなんで私チョコ作らなかったのー!!
ばかばかばかっっ!!!
 
 
作る時間なんてなかったけど…
でも…
 
チョコ…あげたかったよぉーー!!
 
 
♡)…っ
 
 
臣くん…ごめんね…?
 
 
私が臣くんの手をそっと握ると
臣くんは拗ねた顔のまま私を見た。
 
 
♡)……///
 
 
なんか…もう…
キュンキュンして抱きしめたくなる…
どうしよう…///
 
 
♡)…っ
 
 
ギュ…ッ!
 
 
……私は思わず臣くんを抱きしめた。
 
 
♡)……チョコ…ごめんね?
臣)……
 
 
なんだか愛しくて…
 
ぎゅってして頭を撫で撫ですると、
臣くんが少しだけぎゅって
私を抱き返してきた。
 
 
とくん…
 
とくん…
 
 
臣)胸……
♡)……え?
 
 
胸???
 
 
臣)胸…当たってる。
♡)え…?……わっ!!///
 
 
そう言われて、私は慌てて離れた。
 
 
♡)ご、ごめんね?!///
 
 
わ、わ、恥ずかしい///
何も考えないでぎゅってしちゃった!!
 
 
臣)熱…上がるからやめて…///
♡)…っ、ごめんな…さい…///
臣)…ん。
 
 
それから臣くんはまたゆっくり横になって。
 
私は臣くんの肩まで布団をかぶせて
優しくポンポンした。
 
 
♡)何か欲しいものあったら言ってね?
臣)ん…大丈夫、…ありがと…
♡)うん。
 
 
臣くんの目が…まだ熱で潤んでる。
 
 
臣)まだ…いる…?
 
 
私の手をキュッと握る、熱い手のひら。
 
 
♡)うん、いるよ?
 
 
そう答えると、
臣くんは安心したように少しだけ笑った。
 
 
臣)おやすみ…
♡)おやすみ///
 
 
それから臣くんはまたすぐ眠りについて。
 
 
私は…もう…
臣くんが可愛すぎて…キュン死しそう…///
 
 
ほんと…大好きだよぉ…
何だろうこの気持ち。
 
なんか…すごく愛しい…。
 
 
♡)……
 
 
臣くんの手を握りながら
その寝顔をじっと見つめる。
 
 
……好き。
 
 
臣くんが元気になったら
自分の気持ち伝えたい。
 
大好きって…。
 
 
臣くん…
聞いてくれるかな?
 
 
♡)……///
 
 
告白とか…
想像しただけで緊張するけど…
でも…伝えたいもん。
 
 
臣くんの誕生日も…
一緒にお祝いしたいなぁ。
 
 
 
 
ー続ー

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