少しずつ暑くなり始めた7月。
ビールが美味しい季節が来たなー
なんて、今日は親友の賢司と二人で飲んでる。
賢)あ~~もうどうしよ~~
臣)あはははw
賢)いや、笑い事じゃねぇんだって!!
臣)だって…w
賢司には今、
片思いしてる子がいるらしく。
最近その子に、キャバクラから
出て来るところを目撃されて
連絡が取れなくなってるらしい。
臣)もう嫌われたんじゃね?w
賢)おい!!!
臣)まぁまぁ、飲めってw
賢)あ~もうビールおかわりー!
賢司が店員さんを呼んで
注文したその時だった。
さ)あれ?賢司じゃん!
♡)わ!賢司くん!
賢)おわ!!!
さ)何してんのー!!w
賢)すげぇ偶然!!
♡)びっくりしたぁ!!
賢)こっちのセリフ!ww
突然現れた女の子二人は
賢司の知り合いみたいで。
つーか…
すげぇキレイな子だな…
さ)あ、臣くんだ!!
臣)え!
さ)まだ仲良かったんだー!w
賢)だから親友なんだっつーのw
さ)あはははww
俺のこと知ってる?
賢)お前覚えてないしょ?w
臣)え??
賢)前にお前が店来た時、
一回挨拶してんだけど…
臣)え!!
さ)覚えてないっかー
臣)あ!わかった!!
えっと…、さ…んちゃん??
賢)さくちゃん!!w
さ)惜しい~~!!
賢)桜井だからさくちゃん。
臣)あ、そっか!でも覚えてるわ。
さ)わーい♪
ってか一緒に飲もうよ!
すごい偶然だし!!
賢)お!!マジ?
賢司が一応確認するように、俺を見てきた。
臣)全然いいけど。
賢)じゃあどうぞどうぞー?
さ)お邪魔しまーす♪
俺が賢司の隣に移動すると、
賢司の向かいにさくちゃんが座って
俺の向かいには
名前の知らない女の子が座った。
賢)ここの二人は初めてだよな?
そう言って
賢司が俺とその子を交互に見ると、
♡)あ、♡です。
初めまして!!
彼女は笑顔で俺に挨拶してくれた。
賢)あ!そういや♡さ、
EXILE好きだったよな?
臣)え!!
賢)三代目は?
♡)好きだけど…
あんまり詳しくはないです。
ごめんなさい。
臣)あ、いや……
素直だな…w
大体いつも
「三代目も大好きです~!!」
とか適当に言いながら
大して知らない奴の方が
多いんだけど…
賢)広臣はわかる?
♡)え!!わかるよ!!!
賢)だよなw
♡)うん!!!
臣)どうも…
♡)えっと…
なんて呼んだらいいですか?
臣)え?
賢)なんでもいいよ。
バカ臣でもエロ臣でも。
臣)おい!!ww
さ)あはははww
普通に臣くんでいいじゃん♪
あたし勝手にそう呼んでるしw
臣)うん。
何でもいいし、敬語じゃなくていい。
♡)えっ…、えっとじゃあ…
…臣くん♡
……えへへ///
臣)…っ
え、何、今の…っ
初めて笑った…
ヤバい…可愛い…///
なんだこの破壊力。
ただ名前呼ばれただけなのに…
なんか…
胸がバクバクしてる。
賢)バカ臣じゃなくていいの?
♡)あははは♡
さ)こんなイケメン
そんな呼び方出来っか!w
臣)あ、何か飲みますか?
賢)って、なんでお前が
敬語になってんだよ!w
臣)あ!そっか…
♡)あはははw
ありがとー♡
俺がメニューを渡すと
彼女は笑いながら受け取って
二人ともカクテルを注文した。
臣)♡ちゃんも…
賢司たちと同じバイトしてたの?
♡)あ、うん!そう!!
さ)で、あたしと♡は大学も一緒♪
臣)そうなんだ!
賢)つーかお前、一回しか
食いに来てくんなかったよな。
臣)だってあの店、高ぇんだもん!
さ)あはははw 確かに~~
♡)臣くん…食べに来たことあったんだ。
臣)うん。一回だけ。
賢)でもあん時学生で貧乏だったからさ、
メニュー見てどれも高ぇ高ぇって
文句ばっかりw
さ)あはははw
賢)で、さくちゃんが
「賢司の友達めっちゃイケメンじゃん!」
とか言ってサービスしまくってくれたw
臣)うん。だから覚えてたw
さ)やった~~w
♡)あはははw
そうだったんだー♡
さ)まさかあの時のイケメンが
三代目になるなんて
思ってなかったけど!
臣)あはははw
さ)知ってたらもっと
サービスしたのにな~♪
臣)あはは!マジ?
賢)いや~でもほんと懐かしいな~
♡)ねー♡もう一回働きたいもん♡
あ、また笑った。
可愛い……
さ)いや、今もう店長替わったから
♡はダメだわ。
♡)え!!
賢)だよな~~
あんだけ割っても怒んないの
前の店長ぐらいだぞw
臣)え?割るって??
賢)♡さ、3日に1回は
グラスやら皿やら割るんだよw
臣)え!!!
♡)あわわ…
さ)「恐怖のクラッシャー」っていう
キャッチコピーついてたよねw
賢)一番ヤバかったのアレ!
さ)一枚3万円の大皿!!
臣)えーー!!
♡)はわわ…
賢)あれ割った時の料理長の顔…!
さ)真っ青になってたよねw
鈍臭い子なんだろうか…
臣)それ…、弁償になったの?
賢)なりませんです。
さ)そうなんです。
賢)すげー物壊しまくるんだけどさw
でも…それでも一生懸命頑張ってるから
店長が許しちゃうんだよな~w
さ)店長♡に甘かったよねーw
賢)まぁ♡に会いに来てる客も
たくさんいたからな。
臣)そうなの?
賢)セレブなじぃちゃんばぁちゃんw
さ)「♡ちゃんと話してると
元気になれるのよ~~」
って大人気だったよねw
♡)……///
賢)お客さんからいっつもなんか
もらってたしw
さ)お土産とかねー!!
賢)それをみんなで食う!っていう…
さ)食べたねー!!
♡)あははは♡
臣)ふーーん……
そうなんだ。
でもなんか…わかる気するかも…。
最初はキレイな子だなって思ったけど…
笑うとすげぇ可愛い。
この子が笑うと
そこだけ春が来たみたいに…
花が咲いたみたいに…
やわらかい雰囲気になる。
店)お待たせしましたー!
注文した料理が次々に来ると、
♡ちゃんが手早く取り分けてくれて。
なんか…
私こーゆーの出来るんです♡って
アピールしてくる女はすぐわかるけど
そーゆーんじゃなくて
普通にやってる…
♡)はい♡臣くん。
臣)あ、ありがと。
わ~~~
なんだろ…
可愛い子が取り分けてくれただけで
なんか美味しく感じるんですけど…
♡)わ!わ!美味しい~~♡♡
自分も一口頬張った彼女が
満面の笑みを見せた。
さ)ほんと美味しいね♪
♡)うんっ!!♡♡
このお店にして良かったね~♡
さくちゃんありがとう♡♡
さ)どいたまーw
♡)美味しい~♡幸せ~♡
臣)ぶっww
♡)えっ……
臣)ほんと幸せそう…ww
♡)……///
あまりにもニコニコ笑うから
思わず俺も笑っちゃった。
賢)ほんとお前、美味そうに食うよな~~
さ)それが♡の良い所ですからw
賢)こっちまで美味く感じるわw
さ)ねっww
賢)そーいや料理長もさ、
♡が賄い食う時は
絶対側にいんだよなw
さ)そうそう!!w
賢)で、♡が「美味しい~♡」って言ったら
いっつも笑わないクールな料理長が…
さ)にやって一瞬笑うんだよねーww
賢)あはははw
あれ俺好きだったなーww
臣)そうなんだww
♡)は、恥ずかしい…//
すげぇ美味そうに食うんだけど…
でも箸使いとか
めっちゃキレイだよな~
グラスの持ち方もキレイだし…
って、なんで俺こんな見てんだ!
我に返って、彼女から視線を外した。
賢)♡はさ、EXILEで誰が好きなの?
さ)あたしTAKAHIROー!!♡
賢)え!さくちゃんもEXILE好きなの?
さ)EXILEっていうかTAKAHIRO!
賢)ただの面食いかよw
臣)あはははww
♡)私はHIROさん♡♡
賢)へ~~~~
臣)そうなんだ!!
さ)なんでHIROさん?
♡)なんかカリスマなカンジがして…
それに…なんかお父さんみたいだから♡
賢)お父さん???
♡)うん♡
EXILEのっていうか…
LDHのお父さんってカンジ♡♡
臣)わはははw 確かに…ww
賢)それ、HIROさん嬉しいかぁ?
臣)微妙だねw
賢)じゃあ三代目は??
♡臣)え!!
さ)ハモったしww
賢)三代目は誰が好きなの?
♡)えっ…
臣)……
♡ちゃんが俺の顔をじっと見てきて…
え…
え……///
何?
ヤバい、何これ…
そんな見られたら…
なんか照れんだけど…///
臣)だ、誰でもいいじゃん別に!
賢)何だよ~!
折角だから聞きてぇじゃん。
臣)いや、誰でもいいって!
ほんとに!!
なんか…
俺って言われても上手く反応出来ないし
他の名前出されてもなんかショックだし
俺は慌ててその話題を終わらせた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
たまたまさくちゃんと飲みに来たお店で
賢司くんにバッタリ会って。
そこにいたのは三代目の臣くん。
仲良いっていうのは
聞いたことあったけど…
初めて本物を見て、少しびっくりして。
普段は臣くんって呼んでるけど
なんて呼んだらいいのかなって思ってたら
なんでもいいし
敬語じゃなくていいよって言ってくれた。
そしたら急に賢司くんに
三代目では誰が好きなのって聞かれて…
私が好きなのは直己さんなんだけど
今目の前にいるのは臣くんなのに
そんなこと言ったら失礼かなって…
オロオロしてたら…
その話は終わった。
さ)♡は三代目は詳しくないんでしょ?
全員わかるの?
♡)それはわかるよー!w
さ)そうなんだ。
それだけで十分詳しいと思うけど。
あたしは臣くんと隆二くんしか
わかんないしw
♡臣)え!!
賢)またハモったw
そう言われて、また臣くんと目が合ったけど…
視線はすぐに逸らされた。
臣)はぁ…俺らまだまだだな~~
頑張るわ。
さ)え、あ、ごめん!!ww
臣)いやいやw
賢)ははははw
さ)でもさ、やっぱり芸能人って大変?
臣)え?
さ)一般人と会話合わなくなったりしないの?
臣)しないよ!w
賢)俺と親友なくらいだぞ。
さ)そっか!!
賢)って、そこで納得かよ!w
さ)あはははww
臣)でも…ほんとに。
俺らは…職業がアーティストなだけで
何も特別じゃないよ。全然普通。
企業に勤めてる人たちと
何にも変わんないし。
♡)……
さ)そうなんだぁ…
臣)そう。
私…EXILEが好きとか
三代目が好きとかより
LDHの考え方が好きなんだけど…
臣くんもやっぱり
LDHで働いてるから
謙虚な人なんだなぁ…
私が臣くんの顔を見てると
またバチッと目が合って…
さっきから何回も目が合うんだけど
なんていうか…
目力がすごくて…
逸らしちゃいけないような気がして…
そのままじっと見てると、
臣くんから先に逸らされる。
さ)そういえば賢司さ、
例の子とどうなったの?
さくちゃんが唐揚げを頬張りながら
賢司くんに聞いた。
賢)あ…
臣)あ…
さ)ん?
臣)それでさっきまでヤケ酒してたんだよ。
♡)え!!どうしたの??
ヤケ酒って……
さ)フラれた??
賢)そうじゃないんだけど…
俯いた賢司くんは…
この世の終わりみたいな顔をしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さ)どーれどれ♪
あたし達に話してみなさい♪
賢)なんで楽しそうなんだよ…
さ)だって人の恋バナって楽しいじゃんw
賢)はぁ…
臣)キャバクラから出てくるところを
その子に見られたんだって。
♡さ)え!!!
俺がそう言うと、
女子二人がひいたのがわかった。
さ)賢司バカじゃないの?
賢)え!!
さ)行くならバレないように行けよ~~
臣)てゆーかすげぇタイミングだよなー
そこをピンポイントで目撃されるって。
さ)確かに!ついてね~~ww
賢)笑えねぇんだって~~
♡)賢司くんの好きな女の子は
どんな反応だったの?
賢)俺のこと二度見して…店見て、俺見て
「うわ、最低!!!」
って顔して…
何も言わないでいなくなった。
シーーーン。
さ)終わったね。
臣)やっぱそうだよね。
そっから連絡取れないらしいし。
さ)うわ、決定。
賢)わ~~~~泣
♡)賢司くんは好きな子がいるのに
どうしてキャバクラ行ったの??
賢)え!
さ)ごもっともだ。
賢)なんでって…
友達が行きたいって言うから…
臣)付き合いで?
賢)うん。
♡)好きな子いるのに?
賢)うん。今は俺の片思いだし
付き合ってるわけじゃないから
いいかなって…
さ)あ~あ。
♡)やだ!
賢)えっ……
♡)付き合ってない時なら
何してもいいみたいな考え方、私嫌い。
賢)…っ
臣)……
♡ちゃんにキッパリ嫌いって言われて
賢司がショック受けてる。
っていうか…
なんかほわんとしてんのに
こんなハッキリ物言う子だったんだ…
賢)「浮気」じゃないのにダメなの?
♡)うーん…
賢)彼女いない時でも
女と遊んじゃダメなの?
さ)遊ぶってヤっちゃうってことでしょ?
臣)ぶっ!!
さくちゃんがストレートに言うから
俺はレモンサワーを吹きそうになった。
賢)まぁ時には。
♡)えー!!!好きじゃない女の子と?
賢)時には勢いで。
さ)男なんて酒入れば
女なら誰でもいいんでしょ?
臣)それは語弊あるっしょ!
誰でもはよくねーよ!w
♡)やだなぁ……
賢)え…っ
さ)うーん。
まぁフリーの時に誰とヤろうが
その人の自由だとは思うけど…
♡)確かに彼氏彼女がいないからって
適当に遊ぶ人はたくさんいるけど…
賢)……
♡)考え方とか価値観とかは
人それぞれだと思うけど…
でもいつか絶対
好きな人が出来るでしょ?
さ)うん。
♡)大事な人が出来るでしょ?
さ)うん。
♡)今はまだ出会ってなくても…
いつか自分が好きになって
自分のことを好きになってくれる人に対して
私は胸を張れる自分でいたいから
その人に対して恥ずかしいことは
私はいつだってしたくない。
臣)……
そうキッパリ言い放った彼女の瞳が
すごく綺麗で…
ふわふわ柔らかい雰囲気と
しっかりした強い意志のギャップに
俺は思わず見とれてた。
♡)っていうのは私の価値観だけど…
さ)それでいうと
賢司はアウトってことでしょ?
♡)アウトっていうか…
理解できない。
さ)あはははw キッパリ!!ww
賢)なんかトドメ刺された気分…
臣)……
未来の好きな人に対して
胸を張れる自分…か…。
この子、そんな考え方するんだ…。
臣)……
彼女の言葉がスーッと胸に入ってきて…
気付いたら。
それが自分だったらいいのにとか
無意識に思ってる自分がいて
俺はびっくりした。
さ)諦めれば~?
賢)やだよ!だって久しぶりに
ほんとに好きになったんだもん!
さ)じゃあキャバクラ行くなよw
賢)それとこれは…
臣)もう玉砕覚悟で告れば?
賢)そっか…こんなグダグダ悩んでても
どうにもなんねぇもんな。
さ)でも連絡取れないんだっけ?
賢)あ、そうだった……
臣)じゃあどうもできねぇのか…
♡)大事な話したいからって
ちゃんと伝えてみたら?
賢)……
さ)そしたら返事来るかな…
♡)一回で来なくても
何回も送ったらいいよ!
賢)え!!
♡)本当に本当に好きなんでしょ?
賢)……うん、すげぇ好き。
♡)だって…行動しなきゃ
何も始まらないんだし
そんなに好きなら尚更!
行動する前に諦めちゃだめっ!
賢)…っ
♡)ちゃんと伝えたら
気持ちは伝わると思う!!
賢)ほんと?
♡)振り向いてくれるかは別だけど…
臣)ぶっw ははははww
すっげぇ励ましてたくせに
いきなり現実的!w
さ)ま、言ってみないとわかんないしね。
♡)頑張って!!賢司くん!!
賢)わかった!!
俺もう一回連絡してみる!!
よっしゃー!!!
賢司が気合いを入れて、ビールを飲み干した。
♡)賢司くんのそーゆー真っ直ぐなところ、
私好きだよ♡♡
賢)えっ…///
♡ちゃんは賢司を見つめてニッコリ笑顔で…
♡)頑張ってね♡♡
そう言った。
賢)うん……
♡ちゃんが
あんまり素直に好きだって言うから
賢司が少し照れてんのがわかった。
なんか…
感情表現が素直な子だなぁ…
賢)さくちゃんは?遠距離順調なの?
さ)順調だよー♡
会えないのは寂しいけどね。
臣)あ、さくちゃん彼氏いるんだ!
さ)いるよー♡福岡に。
月1で会いに行ってるー♪
♡)明日も行くんでしょ?♡
さ)うん♪♪
そっか…
さくちゃんは遠距離してんのか。
つーか…
♡ちゃんて彼氏いんのかな。
会話からなんとなく勝手に
いない気がしてたけど…
すげぇ気になる。
でもいるって言われたら
ショック受けそうな自分に
もう気付いてるから…
聞けない…。
賢)♡は?変わりなし?
臣)…っ
♡)うん。変わりなしー。
賢)そっか。
おい!
「変わりなし」ってどっちだよ!
いるのかいないのか、どっち!!
賢)お前理想高ぇんだもん。
さ)だよねーー
♡)そんなことないもん!!
賢)いーや、ある。
♡)えーーー
え、え、何この会話。
つまり、いないってことでいいのか??
さ)あ、そういえばさ、
今度の太一の試合、賢司も行けるの?
賢)あ!行く行く!
彼女の恋愛事情が気になってる俺を無視して
あっさり話題が変わった…。
臣)試合って?
♡)サッカーの試合だよー♡
臣)え!!サッカー?!
賢)あ、そっか、お前も好きだよな。
臣)うん!!
さ)太一って友達がね、
△△のコーチやってるんだけど
来月の試合、観においでよって
言ってくれてて。
臣)おわ~!いいなー!!
俺、生の試合なんて
久しく見てねぇわ!!
♡)臣くんもサッカー好きなの?
臣)俺ずっとやってたし!
♡)わぁ!そうなんだ!!
さ)♡もサッカー好きだよね~
♡)うん♡ルール詳しくわかんないけど
小さい時からよくパパと試合観てた♡
臣)ルールわかんねぇのかよ…w
♡)あう……//
臣)俺もいっつもTVで観てたな~~
♡)私ね、小さい時、
TVで観てた試合に夢中になりすぎて
目の前にあった鉄板に
思いきり手つけちゃって
今でも火傷の痕、少し残ってるの…
そう言って♡ちゃんが
手のひらを見せてくれた。
臣)え…俺も。
♡)え?!
臣)夢中になりすぎて
その時持ってた鉛筆握りしめて
今でも芯、刺さってる。
♡)ええ!!
俺が手を開いて見せると
♡ちゃんは俺の手のひらに自分の手を添えて
マジマジと覗き込んできた。
♡)あはははww
ほんとだ!一緒だねー♡
わ、わ、近っ!///
触られた手が柔らかくて
くすぐったくて…
いきなり顔を上げて笑うから…
臣)……///
賢)どれどれ見して。
さ)あ、ほんとだw
賢)似たもん同士かよw
さ)おっかしーww
♡)あははは♡
臣)……///
あーー
笑った顔がやっぱり可愛い。
なんつーか、
すげー無邪気…///
賢)じゃあお前も一緒に行く?
来月の試合。
臣)えっ…
さ)あ、いいね!一緒に行こうよー♪
賢)日曜だから…LIVEとかある?
臣)いや、とりあえず
先月の福岡で終わったから
次は9月までない。
ツアーは終わったばかりだし。
俺は携帯でスケジュールを確認した。
臣)今んとこ仕事入ってない!
賢)お!じゃあ行こうぜー!
さ)じゃあ太一に4枚にしてって言っとくー!
臣)3人で行く予定だったの?
さ)うん。賢司無理なら
♡と二人で行こうと思ってた。
臣)ほんとに仲良いんだなー
さ)月一くらいで
飲んだりなんだりしてるよね?
賢)だなーー
臣)そうなんだ。
とか話してると、
店の照明がいきなり暗くなって
ハッピーバースデーの音楽が流れた。
すだれの隙間から覗いてると
通路を挟んで隣のテーブルに
ケーキが運ばれてきて…
周りのお客さんもみんな拍手してる。
男)おわ!!びっくりした!!
男)おめでと~!!!w
男)サプライズ大成功~♪♪
学生かな?
男ばっかり6人くらい。
さ)おめでと~!!!
♡)おめでとうございまーす♡
周りのお客さんからも
次々におめでとうと言われて
主役の男の子はお礼を言うのに忙しそう。
男)写真撮ろうぜ写真!
男)だな!!
男)店員さんいるか?
♡)あ、良かったら撮りますよー♡
男)あ、マジっすか?
男)じゃあお願いします!
♡)はーい♡
♡ちゃんはすだれから出て行って
カメラを受け取った。
♡)はい、いきまーす!3、2、1!
もう一枚撮りまーす!3、2、1!
男)あざーっす!!
♡)わ!ケーキ可愛いですね!
男)いや、野郎ばっかで
恥ずかしいんすけど…w
♡)楽しそうですね♡
ケーキも美味しそうだし♡
おい。
フレンドリーすぎね?
男)食べますか?
♡)え!!いいですいいです!
すみません!!
そういうつもりじゃ…
ほら、そうなる!
男)いいっすよ!!
写真撮ってもらったし!
良かったら一緒に…
♡)大丈夫です!w
ありがとうございます。
あ〜〜〜もう……
さ)まーた仲良くなってるw
臣)え?
賢)あいつほんと誰とでも
仲良くなるよなーw
臣)そうなの?
さ)昔からねー
人見知りしないっていうか
人懐っこいっていうか。
臣)……
うん、それはすげぇ感じる。
男)あ、お姉さん!待ってください!
♡)え?
男)あ、あの!!///
逆に写真撮ってもらえませんか?
♡)逆???
男)あの、一緒に…
♡)え!!私ですか??
男)こいつ誕生日だし!!
記念にお願いします///
♡)あははw いいですよー♡
あー!
なんかどさくさに紛れて
一緒に写真撮らされてんじゃん!
ていうか主役の子めっちゃ照れて
顔真っ赤だし…
あ!!!
主役じゃない男が調子に乗って
♡ちゃんの肩、抱いてるんですけど!
おい!!
♡)これは嫌です♡
男)え!!
♡ちゃんはニッコリ笑うと
男の手を掴んで離した。
臣)……
よく言った。偉いぞ。
♡)じゃあ失礼します。
おめでとうございました♡
男)あ、お姉さん待ってよ!
男)あの…連絡先とか…///
賢)すんませーん!
そろそろ返してもらって
いいっすかー??
男)わ!!
男)やべ、男いんじゃん!
男)ほんとだ!
男)すみませんでした!!
♡)いえ、それじゃ♡
♡ちゃんは笑顔で頭をさげて
こっちに戻ってきた。
ふぅ……。
さ)おかえりー
ケーキ見てたら
あたしも食べたくなってきたw
♡)あ!デザート頼む?
さ)うん!♪
賢)ほい、メニュー。
♡)ありがとー♡
臣)……
♡ちゃんが嬉しそうに
デザートを選ぶ姿を見ながら…
あーゆーのは流されないで
ちゃんとあしらうんだなーとか
嫌なことはハッキリ嫌って
言うんだなーとか
でも空気壊さないように
笑顔だったよなーとか
色々考えながら
また気付いたらずっと彼女を見てる
自分がいて…
♡)臣くんもデザート頼む?
臣)えっ!!
♡)あ…、見てたから。
臣)あ、いや、いい。
見てたのはメニューじゃないし…。
♡)賢司くんはー?
賢)俺もう腹いっぱいw
♡)じゃあ女子だけで頼んじゃうよー♡
臣)……
なんだろ…
気付いたら目で追ってんだよな。
それから
ラストオーダーのドリンクを頼んで
さくちゃんと♡ちゃんは
デザートを美味しそうに食べてて。
さ)あ、賢司そういえば
こないだ平山さんに会ったけど
早く俺の服返せって言ってたよ。
賢)げ!!忘れてた!!
さ)俺の一張羅~!って言ってたw
賢)うっそだ!!
一番どうでもいい服っつって
貸してくれたのに!w
さ)あはははw
さくちゃんと賢司が二人で
身内ネタを話してて…
俺がデザートを食べてる♡ちゃんを
じっと見てると、
じっと見つめ返された。
臣)…っ
ヤバい。
見すぎた?!!
ごめんなさい!!
♡)臣くんも食べたい…?
臣)え?
♡)ケーキ……
臣)え、いや…っ
♡)じっと見てたから…。
臣)…っ
見てたのはケーキじゃないんだけど…
つーか欲しいって言ったら
くれんのかな。
臣)食べたい。
♡)え!!
臣)……
♡)じゃあ一口だけね。はい。
え!!!
♡ちゃんがフォークにさして
ケーキを一口分差し出してきた。
こ、これを食えと?!
まさかのあーんですか!?
恥ずかしすぎるんですけど!!///
臣)…っ///
しかもなんか、
困った人~〜みたいな顔されてるし!!
臣)いや、嘘。大丈夫w
♡)ほんと?
臣)うん。
♡)なんだぁ、良かったぁ♡
臣)え??
♡)だって臣くん、
さっきいらないって言ったのに
食べたそうな顔してたから
もう~~って思って。
じゃあ一人で食べちゃうもーん♡
そう言って♡ちゃんはニッコリ笑って
残りのケーキをパクッと食べた。
ほんとはあげたくなかったんかい!ww
ってか俺…
そんな欲しそうな顔してたのかな…
ピロピロ♪ピロピロ♪
臣)ん?
賢)LINE招待しといたー
臣)わ。
LINEを開いたら
4人のグループが出来てた。
わ、わ、マジか!!
賢司、ナイス!!!!!!
さ)ありがとーー♪
これでサッカーん時も連絡取れるねー♪
♡)臣くんのアイコンのマーク…
なぁに??
臣)これは…ロゴっていうか…
♡)TAKAHIROさんの
太陽マークみたいなカンジ?
臣)あ、そうそう!よく知ってんねw
♡)そうなんだー
臣)……
♡ちゃんのアイコンは可愛い花で。
いかにも彼女っぽいなって思った。
最後のドリンクを飲み干して
♡ちゃんが席を立つと
賢司がニヤニヤ顔を近付けてきて…
賢)タイプでしょ?w
臣)えっ!
賢)あいつ。
さ)え!!♡のこと??
臣)……
賢)俺グッジョブだったっしょー?
LINE。しようと思えば出来んじゃん。
さ)あ!そっか!!
それでグループ作ったの?
臣)…っ
俺…何も言ってねぇのに…
なんでわかったんだろ…
賢)見てたらまるわかりだしw
臣)うそ!!
さ)え、あたし全然わかんなかった。
賢)何年親友やってると思ってんのw
臣)……別に…
さ)いいんじゃない?
♡今彼氏いないしー♪
臣)別に俺、好きとかじゃねぇし…//
賢)はーいはいw
さ)でもタイプなんでしょ?
臣)……
賢)ぶはははw
臣)すいませーん。
会計お願いします。
店)かしこまりました。
賢)あ、ごまかした。
臣)別にそんなんじゃねーし。
好きとか…そんなんじゃ…
店)お待たせいたしました。
臣)これでお願いします。
賢)え!嘘!出してくれんの?
さ)えーー!
臣)今日元々そのつもりだったし。
賢)なんで?
臣)お前こないだ誕生日だったから。
賢)プレゼントくれたじゃん。
臣)それとは別。
さ)うわ~~臣くん、カッコイイね~~
賢)ほんとサラッとこーゆーこと
すんだよな~~
臣)……
賢)さんきゅ。
賢司がニカッと笑った。
さ)あたし達までいいの??
臣)女の子に出させる気ないしw
さ)え~!!
ごちでーす♡ありがとー♡
会計が終わって
俺がカードを受け取ると
丁度♡ちゃんが戻ってきた。
♡)あれ??
さ)今日ね、臣くんが奢ってくれたのー♪
♡)え!うそっ!!
あ…
払うとか言われんのかなー
♡)ほんとに?
臣)うん。
♡)いいの?
臣)うん。
♡)やったぁ♡♡ありがとう♡♡
臣)え?
♡)嬉しい♡♡ごちそうさまです♡♡
臣)…うん……///
なんか素直に喜ばれた…
予想外のリアクション。
いいよいいよ払うよー!
とか言われるかと思ったけど…
そっか…
この子は素直なんだった…。
こんな喜んでくれたら
普通に可愛い…///
賢)じゃあそろそろ行くー?
さ)だね~
賢司とさくちゃんが先に出て
俺は♡ちゃんが出るのを待ってんだけど…
♡)あれ?あれ?
臣)どうした?
♡)リップがない…
臣)え?
♡)あ!落としてた…
ゴツン!!
♡ちゃんは床に落ちてた
リップを拾おうとして
思いきりテーブルに頭をぶつけた。
臣)ぶっwww
♡)いたぁ~い!!!泣
臣)大丈夫??
♡)思いっきりぶつけたぁ~
臣)うん、いい音してたw
♡ちゃんはリップを拾って席を立つと、
痛そうにでこをおさえてて…
ほんと鈍臭ぇんだな…ww
♡)なんで笑ってるのー!
臣)いや?w
今度はほっぺを膨らませてるw
♡)もう~!
臣)あ、でこ赤くなってんじゃん。
♡)ほんと?
臣)うん。
俺が♡ちゃんの前髪をあげて
そう言うと、
♡ちゃんがじっと俺を見上げてきて…
その目を見て、我に返った。
俺、何してんだ!!
臣)ごめん!
♡)??
臣)行こっか!
無意識に触ってた…///
うわーびっくりした…
♡)きゃあ!!
臣)おわ!!
今度はなんだよ!!
後ろからいきなり激突されて…
臣)…っ
ああ、通路の段差に躓いたのね。
♡)びっくりした!!
臣)大丈夫?
♡)うん、ごめんね?
臣)うん。
あ…
めっちゃイイ匂いする…
俺につかまってた♡ちゃんが
俺から離れた瞬間…
ふわっと香った、甘い匂い。
なんだろう、これ…
店)ありがとうございましたぁ!
店を出ようとすると
店員さん達が入口まで見送ってくれて…
♡)ごちそうさまでした♡
店)あ、ありがとうございます!
♡)美味しかったです♡♡
店)あ…また…
お待ちしております!///
♡)また来ます♡♡
♡ちゃんが笑顔でそう言うと
店員さん達は照れたように喜んでた。
この子のこれは…
天然なのか??
ぶりっ子ってカンジでもねーし…
素直で無邪気っつーか…
その笑顔で男のこと、
悩殺しすぎじゃない??
賢)おせーよ!w
臣)え?
さ)全然出てこないんだもんw
♡)あ!私がリップなくしちゃって!
ごめんね?
さ)全然いいけどw
賢(送ってけば?)
臣)え?
賢(同じ方向だよ、確か。)
賢司がニヤニヤしながら
言ってきた。
賢)じゃ、俺そこから乗るから。
さ)あたしJRー!
じゃあまたねー!
臣くんごちそうさまでしたー!
臣)あ、うん。
賢)じゃあなー。
♡)うん♡またねー♡
え、え、同じ方向って??
家どこなんだろ。
♡)臣くん、ごちそうさまでした♡
臣)え?あ、うん。
♡)じゃあね♡
臣)え!!ちょ、家どっち?
♡)こっち。
臣)え?なにで帰んの?
♡)歩いて。
臣)え!!近いの??
♡)うーん…歩いて30分くらい。
臣)え!遠いじゃん!
♡)でも…地下鉄だと
遠回りになっちゃうし…
臣)……
♡)それに雨上がりで
空気が気持ちいいから歩きたい♪
臣)え。
♡)じゃあね♡
臣)ちょ、待って!送る!
♡)え??
臣)あ、えっと…俺もこっちだし。
♡)え?臣くんも歩いて帰るの??
臣)うん。ここから10分くらいだし。
♡)わ!!近いね!!
臣)♡ちゃん家ってどこ?
♡)ここ真っ直ぐ行ってね、
△△通りを左に曲がって
真っ赤なレストランあるでしょ?
臣)うん。
♡)そこの通りを右に入って
公園の隣のマンションだよー。
臣)あ、わかるわ。
♡)うそー!!
臣)つーか俺んち通り道だわw
♡)え!!ほんと??
臣)うん。
♡)じゃあ途中まで一緒に帰ろー♡
臣)うん。
一緒に帰ろーって…
小学生みたいに無邪気に言われたけどw
でも…
もう少し話せると思うとちょっと嬉しい。
いや、ちょっとじゃないかも。
ー続ー
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わぁい(*≧∀≦)ストーリーが付き合う前に戻ったような2人だからまた来てみたら行動するまえに諦めちゃだめってアドバイスしてるやんかー!頑張れ!!
ほんまや。゚(゚^∀^゚)゚。ww