[306]仕返し

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♡)臣くん、そろそろ私出るね!
  あっ、またそれ見てるーー///
臣)いいじゃん。
 
 
先週発売された、
♡が初めて表紙を飾った雑誌。
 
 
臣)俺のお気に入りはねぇ、これ。
  これは服もいいけど表情がイイ。
  すげぇ自然で可愛い。
♡)……ありがとうございマス///
 
 
♡が照れたようにぺこっと頭を下げて
それが可愛くて、思わず笑った。
 
 
♡)実は…、ね?
臣)ん?
♡)今回の雑誌、反響があるみたいで…
臣)だろうねぇ。
 
 
こんっっっなに可愛い♡が
ドアップで表紙飾ってんだから
そりゃバカ売れだろうよ。
 
 
♡)佐伯さんが再来月号も
  私を表紙にしてくれるって…
  昨日連絡が来たんだ。
臣)マジ!?すげぇじゃん!
♡)えへへ♡
臣)よっ!売れっ子モデル!w
♡)もぉ〜やめてよーーw
 
 
こりゃきっとそのうち
いろんな雑誌の表紙になる日も
遠くねぇな。
 
なんて、俺の希望的観測。
 
 
♡)臣くんは今日はカレンダーの撮影だよね?
臣)うん。
♡)頑張ってね♡
臣)はーいw
♡)じゃあ行って来ます!
臣)ん。気をつけてな。
♡)はーい♡
 
 
行ってらっしゃいのキスをして、
俺もすぐに出かける準備をした。
 
 
スタジオに向かう車の中で
♡の雑誌の反響が気になって
色々見てみたら…
 
 
『〇〇の今月号の表紙の子カワイイ。
 初めて見た。誰これ。マジ可愛い😍』
 
『〇〇に載ってる姫って子ヤバくない?
 可愛すぎて本屋で二度見した👀w』
 
『〇〇の姫、表紙になるの早すぎ🤣スゴww
 やっぱり人気なんだなぁ🤔』
 
 
ふふん♪
そうだろそうだろ、
俺の彼女は可愛いだろ♪
 
 
『姫〜〜〜!😍😍
 表紙嬉しくて2冊も買っちゃったよー!🎉』
 
『姫ほんとに可愛すぎる😭💕
 毎月表紙やってほしい!👏✨』
 
『本屋で姫の雑誌全部上にしてきたよ!w
 中の特集も可愛い!💓』
 
 
♡のホームページにも
コメントがたくさん集まってる。
 
いいぞいいぞ〜〜
みんなどんどんお買い上げしろ〜〜
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♡)おおお…すごい!
  いっぱい集まってる!
♧)枚数も全員分で間違いないよー
♡)よし!いざ開封!!
 
 
今日は月に一度の♧さんの施設訪問日。
 
一ヶ月前に設置した
サンタへのリクエストBOXに
子供たちが欲しいものを書いた紙が
たくさん詰まってる。
 
 
瞬)これ可愛い…w
  お腹いっぱいになるまでいちご食べたい、
  だってw
♡)えーー!可愛い!w
 
 
プレゼントの準備は
瞬も参戦してくれることになったんだ。
 
 
♧)あ、こっちは…
  ♡ちゃんが今日着てたワンピース、
  だってw
♡)え!前回のかな?!
♧)うん、きっとそうだと思う。
  あの白いの。
瞬)……あ、
♡)ん?どうしたの?
瞬)……。
 
 
瞬の手が止まって、
開いてる紙を隣から覗き込んだら…
 
 
「♧」って書いたのを横線で消した下に
 
「ギブソンのレスポール
 (無理ならチロルチョコ)」
 
って書いてある。
 
 
♡)奏くん…。
 
 
やっぱり♧さんのことが好きなんだ。
 
 
……はっ!でも!
臣くん、言ってたよね?
 
♧さんは奏くんの気持ちに
気付いてないかもしれない、って。
 
これを見たら気付いちゃう!どうしよう!
 
 
瞬)奏…、♧さんのこと好きなんだぁ。
♡)!!!
 
 
どうしようって思ってたそばから
瞬があっさり言っちゃった!!
 
バカ!
なんてバカな弟!どうしよう!
うわーん!臣くん!!
 
 
♧)ええと…、///
 
 
あれ?
 
 
瞬)告白されたんですか?
♧)……(こくん)
♡)えええ!!
 
 
告白済みだったーー!
臣くーーん!!
 
 
瞬)そっかぁ…。
  まぁでもこれは…
  サンタにお願いしても、ね?w
♡)隆二サンタに怒られちゃうよ。
瞬)だよなぁw
  てかあいつ、ギブソンのレスポールって…
♧)海外のチョコレートかな?
♡)高いの?高級チョコ?
瞬)違うよ!w
 
 
瞬は私たちを見て呆れたように笑った。
 
 
瞬)これはギター!
♡)え!ギター?!
♧)無理ならチロルチョコって書いてるから…
  高級チョコかと思った…
♡)私も…
瞬)二人して天然かよw
 
 
そうか、ギターの名前だったのか。
 
 
♡)奏くんはギターが欲しいんだね。
♧)ギブスのレスポンス?って
  どんなギターなんだろう?
瞬)ギブソンのレスポールね!w
  すげぇカッコイイやつですよ、
  30万くらいするかなー
♡♧)30万!!!
 
 
私と♧さんは思わず目を見合わせた。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
カ)もっと挑戦的な感じでー!
 
 
カシャッ!カシャッ!
 
 
カ)不敵の笑みを浮かべる感じでー!
 
 
カシャッ!カシャッ!
 
 
眩しいライトの下で
カメラマンの指示に従ってポーズを取る。
 
 
来年のカレンダーは
前にEXILEがやってたのと
似たようなコンセプト。
 
 
OKが出たらまたみんな着替えて
ヘアセットもやり直し。
 
 
臣)あっちぃ。汗だく。
 
 
ジャケットを脱いだら
スタッフさんがパタパタと仰いでくれた。
 
 
臣)来年のカレンダーはロケがいいなー
健)お、ええな!それ!
臣)空と海が綺麗な涼しい場所で。
岩)それ今暑いだけでしょw
N)大体この季節に撮るんだから
  涼しいっつーか寒いんじゃない?ロケは。
臣)えーー
E)でもロケいいなーー
  外で撮りたい。
臣)ねぇ?!
隆)NAOTOさんはおじいちゃんだから
  一人で屋内でもいいですよ。
N)誰がじいちゃんだコラ!w
直)そうだよ。こんな一番若い人に。
E)歳と反対に一番若いですもんねw
直)どんどん若返ってるからw
隆)ベン・ジョンソンだ。
直)ベンジャミン・バトンね!w
 
 
そんな話をしてたら、
マネージャーがドタバタと
すごい勢いで入ってきた。
 
 
K)大ニュース!
N)何?!
K)スマスマ決まった!!!
皆)ええええええ!!!
 
 
思わず大絶叫した俺らは
すぐに立ち上がって、大喜び。
 
イエーイ!ってハイタッチしながら
やべぇやべぇって大興奮。
 
 
岩)社交辞令じゃなかったんだー
隆)めっちゃ嬉しい!
E)めっちゃアガる!
N)え、スマスマの何?どれ?
  どのコーナー?!
健)はっ!ほんまや!どこなん?!
隆)え、ビストロじゃないの?
  美味しいの食べたい!
 
 
ふと我に返った俺らに
質問攻めにされたマネージャーは
ニヤッと笑ってVサイン。
 
 
K)ビストロと、歌のコーナー、両方。
 
 
その言葉に、俺らはまた飛び上がった。
 
 
臣)っしゃーーー!!
直)すごい、すごい、ほんとすごい。
E)おばあちゃんに報告しよ。
健)俺もおかんに言お。
  絶対喜ぶわ!w
隆)えーやばい、なんかお腹空いてきた。
岩)どっちも楽しみすぎるw
N)いやーー、ほんとヤバイね。
 
 
みんな本当に心から喜んでて…
 
隆二はビストロのことしか
考えてなさそうだけど…
 
俺は何を一緒に歌えるのか、
それが楽しみでワクワクした。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
瞬)へぇ、これがハル兄のデザインかぁ。
♡)うん!すごいよねっ♡
 
 
施設を出て、
久しぶりに瞬と晩御飯を食べに来たのは
前にハルくんが連れてきてくれたお店。
 
 
瞬)ハル兄マジでかっけぇなぁ。
♡)うん!♡
瞬)ほんと尊敬する。
♡)ねっ♡
瞬)……。
 
 
二人でメニューを開いて
ドリンクを注文すると、
瞬がニッコリ笑って携帯を開いた。
 
 
瞬)これ、ありがとねw
  美花の写真。
♡)ああ、うん!
  働く美花ちゃん、素敵でしょ♡
瞬)うん、カッコ良いw
 
 
賢司くんと凪ちゃんの結婚式で
臣くんと3人で撮った写真。
 
 
瞬)いやーーー、
  俺もマジで行きたかった。
♡)え?
瞬)美花が何回も自慢すんだもん。
  臣さんと姉ちゃんの歌、
  マジで最高だったーー、って。
♡)えへへ♡
瞬)俺も聴きたかったぁぁぁ〜〜
  ずりぃぃぃ〜〜〜
♡)あはははw
 
 
そういえば凪ちゃんから連絡が来て
結婚式のDVDが出来上がったから
今度みんなで一緒に見ようって。
 
その時にタキシード仮面な臣くんも
みんなでまた見ようってLINEが
こっそり来てたんだったw
 
 
♡)ふふふ、楽しみ♡
 
 
ピロピロ♪ピロピロ♪
 
 
♡)あ、ハルくんだ♡
瞬)え…っ
 
 
瞬とここに来てるよってさっきLINEしたら
もう返事が来た。
 
 
♡)美味しい料理好きなだけ食べてね、
  だって。
瞬)……そっか。
♡)前にハルくんと来た時はねっ、
  これと、…あ、これ食べたの!
  美味しかったよー♡
瞬)……うん。
 
 
お料理を選んでると、
シェフがわざわざ私たちのテーブルに
挨拶に来てくれて
私たちはそのままオーダーも済ませた。
 
 
♡)はぁ、お酒も美味しいなー♡
瞬)……あのさぁ。
♡)ん?
 
 
瞬がグラスを置いて、私をじっと見た。
 
 
瞬)臣さん、嫌じゃないのかなぁ。
♡)え?
瞬)姉ちゃんがハル兄とデートしてんの。
♡)え!デート?!
瞬)だってそうじゃん。
  二人で飯食ってんだから。
♡)…っ
瞬)俺だったらやだよ。
  美花が初恋の相手とデートしてたら。
♡)デートじゃないもん!
瞬)呼び方はなんでもいいけどさ、
  二人っきりで会ってたら、嫌だよ。
♡)…っ
瞬)臣さん何も言わないの?
♡)……うん。
瞬)えーーー。
 
 
臣くんはわかってくれてるもん、
ハルくんのこと。
 
私が家族と同じように
大切に思ってる人だって。
 
 
瞬)この間みたいに俺と美花もいるとかなら
  全然いいと思うけどさー
♡)……。
瞬)二人っきりで頻繁に会うのは
  少し控えたら?
♡)なんでそんなこと言うの?
瞬)今はお互いに相手がいるんだからさ。
♡)…っ
瞬)姉ちゃんには臣さんがいて
  ハル兄もアキさんって人と
  付き合ってんでしょ?
♡)うん…。
瞬)だからだよ。
♡)だって…っ、
  瞬とだってこうして二人で
  ご飯食べるでしょ?
瞬)そうだけど…、、
  俺とハル兄は違うじゃん。
♡)何が違うの?
瞬)ハル兄は姉ちゃんが昔好きだった人だろ。
♡)そう…だけど…
 
 
私にとっては同じなのに…。
 
 
瞬)姉ちゃんがいつもつけてるそれ。
♡)ネックレス?
瞬)うん。
  ハル兄にもらったって言ってたじゃん?
♡)うん。
瞬)それ聞いて…
  大丈夫なのかなぁって
  俺少し心配だったんだよね。
♡)え…?
瞬)でもこの間会ってみたら
  二人とも普通で…
  俺が心配することじゃ
  なかったなとは思ったんだけど…
♡)うん。
瞬)お互いに今は
  恋愛感情がないんだとしてもさ、
  今付き合ってる相手への配慮は
  必要だと思うよ、俺。
♡)……配…慮…?
瞬)うん。
 
 
そう言われて私が黙り込むと、
瞬は少し困ったように言葉を続けた。
 
 
瞬)いや、ごめん、わかんない。
  俺はなんかつい…
  臣さんの立場で考えちゃって…
  もし自分だったらやだなって。
♡)…っ
瞬)姉ちゃんとハル兄って…
  なんかすげぇ強い絆で結ばれてるの
  わかるから…
  もし美花にもそんな相手がいて、
  今でも二人で会ってたりしたら
  良い気はしないなーって。
♡)……。
 
 
そう…なの?
臣くんも本当は…そう思ってるのかな?
 
 
瞬)あああ……、ごめん。
  そんなしょんぼりしないで。
♡)……。
瞬)ほんとごめん。
  臣さんは俺とは違うかもしんない!
  俺なんかと違って懐でかくて
  なんでもどんと来い!
  みたいな人なのかもしんない!
♡)……。
 
 
瞬は慌てたようにそう言うけど…
 
なんだか不安になってきちゃった。
 
 
瞬)俺はさー、地味に結構
  ヤキモチ妬いたりするから、自分が。
♡)ヤキモチ?
瞬)うん。
♡)美花ちゃんに?
瞬)うん。
  ……まぁ俺の話はいいんだけど。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
臣)ただいまーー
♡)おかえりなさい!
 
 
撮影の後、すぐに会食が入ってて。
腹一杯で帰ってくると
♡が玄関まで飛んできてくれた。
 
 
臣)たーだいま♡
♡)おかえりなさい!
臣)今日は大ニュースがあります!
♡)ええっ!なぁに?!
臣)ふっふっふw
♡)なぁに?なぁに?教えて〜〜!
臣)当ててみてw
♡)ええ!!当たるわけないよぉ!
臣)……だよな、鈍子だもんな。
♡)鈍子って言わないで!!
 
 
そんな話をしながら
リビングのドアを開けたら
ポケットの中の携帯が揺れた。
 
 
臣)あ、電話だ。亮くん。
♡)わ、出て出て。
 
 
俺にくっついてた♡は
そのままキッチンにいなくなった。
 
 
臣『もしもし?』
亮『おう、今大丈夫?』
臣『うん。』
亮『花、ありがとね。』
臣『ああ、届いた?w』
亮『うん。ちゃんと飾ったよ。』
臣『どうもw』
亮『いや〜〜もうバッタバタだわw』
臣『どうなの?順調?』
亮『とりあえず準備は一通り終わったけど。
  休む暇ないわw』
臣『あはははw』
亮『今度食べに来いよ。』
臣『行きたい行きたい。』
亮『彼女でも連れて。』
臣『うん、連れてく。』
亮『全然会わしてくんないんだもん。
  ノロけるくせに。』
臣『会わせるよw』
亮『絶対連れてこいよー。じゃあな。』
臣『うん、じゃあまた。』
 
 
電話を切って振り返ると
♡がニッコリ笑ってテーブルにマグを置いた。
 
 
♡)臣くんのも置いとくね♡
臣)ああ、ありがと。
  亮くんが今度食べに来いってさ。
♡)あ、お店出すんだっけ?
臣)そう、明日オープン。
♡)明日なんだ!
  どこだっけ?川崎?
臣)違う、川越w
♡)あ、そうだ!川越だ!
臣)今度一緒に行こうな。
♡)うん、行きたい!
  私会ったことないし…
  テレビで見ただけ…。
臣)そうだよなw
  ちゃんと紹介するわ。
♡)うん♡
  大ニュースってそのこと?
臣)あ、違う違う!全然違う!
 
 
俺は慌ててマグを口から離した。
 
 
臣)実は…
♡)実は…?
臣)決まりました!!
♡)何が…?
臣)スマ…
♡)スマ…?
臣)そう!
♡)え?何がそう??
臣)だから、スマスマ!
♡)スマスマ?
臣)そう!
♡)スマ…スマ?
臣)スマスマ!
♡)スマスマ?!
臣)スマスマ!
♡)スマスマーー!!
 
 
大喜びする♡と二人で、
俺たち何回「スマスマ」言ってんだよって
爆笑した。
 
 
♡)すごい!すごいね!
  Kちゃんに言ってもいい?
臣)おう、内緒だからなーw
♡)うん!内緒って言っとく!
  わぁ〜〜絶対喜ぶよぉ〜〜♡
臣)ははははw
 
 
今度こそサインもらってこいとか
言われそぉ〜〜〜w
 
 
♡は本当に嬉しそうに喜んでて
ふと思い出したように、俺を見た。
 
 
♡)あ、あのね、話は変わるんだけど…
  今日施設行ったでしょ?
  サンタのリクエスト、まとめてきたよー!
臣)お!どうだった?
♡)みんな可愛いお願いが多かったよ♡
臣)一番高いの何?!w
♡)……一番高いのはねぇ、ギター。
臣)ギター!!
  あの子でしょ、奏くん。
♡)どうしてわかるの?!
臣)いや、あの子しかいないじゃんw
  あ、写メってきたの?見して。
♡)……「写メる」って死語らしいよ…。
臣)えっ。
♡)今日、小学生に言われたの。
臣)いいじゃん。俺らの世代は使うんだよ!w
♡)そっか!じゃあいっか!w
 
 
♡は笑いながら携帯を見せてくれた。
 
 
♡)奏くんの、これ。
臣)……。
 
 
「ギブソンのレスポール
 (無理ならチロルチョコ)」
 
 
挑戦的だなぁ…w
 
こんなの隆二が見たら
ふざけんなよそんくらい買ってやるわ!
ってなりそう…w
 
 
臣)てか「♧」て書いて消してんじゃん!
  あいつ…w
♡)あ、あのね!
  ♧さん、もう告白されてたみたい!
臣)奏くんに!?
♡)うん!
臣)マジか!
  じゃあもうフラれてんのかあいつ!
♡)……そっか、そうだよね。
  そこは聞かなかったけど…
臣)フる以外の選択肢、なくね?
♡)そうだよね。
 
 
子供たちのリクエストを全部見せてもらったら
そこまで高額なものはギター以外なくて。
 
瞬も手伝ってくれるらしいから、
プレゼントの購入は
♡たちに任せることにした。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
臣くんがお風呂に入ってる間に
早速パソコンを開いて、プレゼントの検索。
 
子供たちのリクエストをリストにして
♧さんと瞬と3人で分担して
買った場所や金額もわかるような
シートを作った。
 
 
ポイントが貯まるから
カードで買った方がいいよねって
話してたんだけど…
 
臣くんはポイントに全く興味がないらしく
「何それ。よくわかんないから任せる。」
って言われちゃった。
 
ポイントってすぐ貯まって
とってもお得なのに!
 
 
♡)とりあえず私は…
  よし、ワンピースから探そう!
 
 
私と同じワンピースが欲しいって
書いてくれた女の子。
 
あれは臣くんが買ってくれた服。
 
まだ付き合う前、デートしてた時に
バケツの水をかぶっちゃって…
そしたら臣くんが新しいの買ってくれたんだ。
 
 
♡)ふふ、懐かしいなw
  ……えっ、うそ!売り切れ?!
 
 
そっか!
1年以上前のだから、もう売ってないんだ!
 
 
♡)……どうしよう。
  ……あ、中古ならある。
  う〜〜〜〜ん…。
 
 
困った。
どうにかして新品を買えないかな。
 
 
臣)たーだいまっ
♡)あ、臣くーーん泣
臣)どうした?
♡)いきなり最初からつまづいてます…
臣)え?w
 
 
事情を説明すると、
臣くんが少し考えるように上を見た。
 
 
臣)これさぁ、お前の服が欲しいんじゃない?
♡)え?
臣)だからー、
  「お前と同じ服」じゃなくて
  「お前が着てた服」が欲しいんじゃない?
♡)え…っ
臣)だって、ほら。
  「♡ちゃんが今日着てたワンピース」
  って書いてるじゃん。
♡)…っ、そういう意味なのかな?!
臣)いや、わかんないけど…
  そうとも取れない?
♡)確かに!
臣)♡ちゃんが今日着てるワンピース可愛い!
  私も欲しい♡
  じゃなくて…
  もしかしたら、お前のファンとか。
♡)ええ!
臣)♡ちゃんが着て♡ちゃんの匂いがついた
  あのワンピースが欲しい!
  ってことかもよ。
♡)……。
臣)ダメだ、ダメダメ。
  そんな変態のリクエストは却下!
♡)ええっ!変態って決めつけないでよぉ!
  この子、女の子だよぉ?!
臣)あはははw
 
 
臣くんはふざけて笑いながら
私の隣に腰を下ろした。
 
 
臣)ふぅ。
 
 
あ、私の肩にこてんと頭を乗せてきた。
 
 
♡)いい匂いする♡
臣)それはお前w
♡)え!臣くんもいい匂いだよ?
臣)お前の方がいい匂い。
♡)やん、くすぐったいw
 
 
臣くんが私の首元に鼻を埋めて
スリスリしてる。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♡は「どうしよう困ったなー」って
パソコンとにらめっこしてるけど…
 
俺は♡の甘い匂いに誘われて…
早くイチャイチャしたいなーって思ってる。
 
 
♡)やん、くすぐったいってばー
 
 
……わざとだもん。
 
 
♡)……あ、っ///
 
 
イイ声いただきましたー♡
 
 
♡)……こーら///
臣)あ。
 
 
バレちゃった。
脱がそうとしてんの。
 
 
臣)……ベッド行こ?
 
 
素直に言ってみた。
 
 
臣)ね?
 
 
もうひと押し…!
 
 
臣)♡…。
 
 
わざと耳元で囁いてやったら…
 
 
♡)……(こくん)///
 
 
よっしゃーーー♡
 
 
心の中でガッツポーズしながら
ウキウキ寝室のドアを開けた。
 
 
♡)……ねぇ、臣くん。
臣)ん?♡
 
 
るんるんで振り向いた俺とは反対に
なんだか深刻な顔をしてる♡。
 
 
臣)どうした?
♡)そういえばね、聞きたいことがあって…
臣)うん?
 
 
二人で毛布の中に潜り込んで
ヘッドボードにもたれた。
 
 
♡)私がハルくんとご飯食べに行くの、
  臣くん、嫌?
臣)…っ
 
 
予想もしてなかった唐突な質問に、
思わず言葉に詰まった。
 
 
臣)なん…で?
♡)今日…瞬と話してて…
臣)うん?
 
 
なんかすげぇしょんぼりしてるじゃん。
 
俺は思わず♡の手を握った。
 
 
♡)瞬が…俺だったらやだ、って。
臣)…っ
♡)臣さんは違うかもしれないけど、って。
臣)……。
 
 
違わなくないです。
 
 
♡)本当は…嫌だった…?
臣)…っ
 
 
そんな…うるうるした目で聞くなよ。
 
 
臣)全然?
♡)…っ
臣)嫌なわけないじゃんw
 
 
ほら、こうなっちゃう。
そんな目で聞かれたら俺はバカだから
強がっちゃうんだよ。
 
あああ…、ほら。
そんなあからさまにホッとした顔されたら
もう本音なんて言えない。
 
 
♡)良かった…。
臣)……。
♡)瞬に言われて、不安になっちゃって。
臣)なんでだよw
  ハルくんはお前にとって
  家族みたいなもんなんだろ?
♡)うん!そう!そうなの!
 
 
そうとはわかってても
どうしたってヤキモチ妬く俺なんだけど。
 
 
♡)やっぱり臣くんはわかってくれてた♡
  良かったぁ♡
 
 
そんな嬉しそうに言われたら、
言えるわけない。
 
 
臣)そんな心配、しなくてだいじょーぶw
♡)えへへへ♡
 
 
あーあ、またイイ彼氏ぶっちゃった。
バカだな、俺。
 
せっかく瞬がナイスパスしてくれたのに。
 
 
♡)あ、えっと…それじゃあ…
臣)ん…?
♡)あ、あれ…?
臣)ん?
♡)……しない…の?///
臣)え?
♡)私が急にこんな話、しちゃったから…
臣)……。
 
 
あ、そーだ。
Hしようとしてたんだった。
 
急にハルくん爆弾投げてくるから
吹っ飛んでたわ。
 
 
♡)違ったね、ごめん///
臣)え。
♡)おやすみなさい///
 
 
何を勝手に解釈したのか
恥ずかしそうに毛布で顔を隠す♡。
 
何寝ようとしてんだよ。
 
するに決まってんだろ!H!!
 
 
……でも。
ちょっと意地悪しちゃおっかなーー。
 
 
臣)違ったって、何が?
♡)……なんでもない///
 
 
毛布をぴらっとめくると
ぐいっと引っ張られた。
 
 
臣)俺とHしたかったの?
♡)////
 
 
あ、耳が赤くなってる。
かわいーーww
 
 
臣)素直に言えば?
♡)////
 
 
なんちゃって。
したくて仕方ないのは俺なんですけど。
 
 
臣)何隠れてんだよ…、ほら。
♡)……あっ…///
 
 
無理やり毛布をめくって
さっきのリビングと同じように
♡の首筋に鼻を埋めた。
 
 
♡)……ゃ、っ///
 
 
耳の後ろに舌を這わせると
♡が可愛く肩をすくめて。
 
 
臣)……ほら、言えよ。
♡)…っ
 
 
そのまま鎖骨まで辿って…
 
♡が抵抗しないのをいいことに、
舌先で、指先で、♡の身体を可愛がる。
 
 
♡)……、は…ぁ///
 
 
甘い吐息に興奮するけど、
冷静なフリで。
 
 
臣)言わなきゃしてやんないよ?
♡)…っ
臣)どうしたいの?
♡)////
 
 
そんな意地悪を言いながら、
♡にゆっくりゆっくり、焦れったさを与えて…
俺のことを欲しくさせてやる。
 
ハルくん爆弾の仕返しだ。
 
 
臣)言わないならこのままだよ?
♡)…っ///
 
 
そう言っても♡は
目を熱く潤ませるだけで…
 
我慢できなくさせてやろうと
その唇を勢いよく塞いだ。
 
 
♡は息を乱しながら必死に俺に応えて…
気持ち良さそうに柔らかい舌を絡ませる。
 
 
臣)……いい加減、言えよ。
♡)////
 
 
こんな欲しそうにしてるくせに。
 
 
♡)……した…い///
 
 
可愛い唇が、小さく動いた。
 
 
臣)何を?ちゃんと言って。
♡)…っ
 
 
俺の言葉に、
「意地悪」と言いたそうに
可愛い瞳が潤んでる。
 
 
♡)臣くんと…Hしたい///
 
 
やっと聞けた言葉に、
俺は勢いよくTシャツを脱ぎ捨てた。
 
 
臣)おせーよ。早く言えよ。
♡)////
臣)もう手加減しねぇからな。
♡)////
 
 
そう宣言して♡を見下ろせば…
 
 
♡)……しないで///
 
 
♡の柔らかい腕がふわりと
俺の首に巻きついた。
 
 
臣)え…?
 
 
思わず聞き返せば…
 
 
♡)……手加減…しないで///
 
 
そんな挑発するような言葉に
身体の芯が熱くなった。
 
 
臣)////
 
 
だったらお望み通り、抱いてやるよ。
覚悟しろ。
 
 
 
 
 
ーendー

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  1. (。・д・。)/ より:

    最後の最後でドS臣くん発動しちゃったよー!瞬くんの二度目のナイスパスですねwいつもあまあまだからたまにドS臣くんくると殺られる

    • HIROOMIYUKI より:

      女だけど、あたしも臣くんみたいにいい女のふりして強がるタイプw気持ちわかるわ(¯―¯٥)

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