[307]苛めたい夜

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K)は?もう終わったの?
原)はい!
K)ええと…、じゃあ…
  これとこれ読んどいてくれる?
  こっちのマニュアルはとくに
  頭に入れといて。
原)はい、わかりました!
 
 
原くんが入ってきてもう一ヶ月。
Kちゃんの引き継ぎも順調に進んでるみたい。
 
 
蒼)♡さん、業務外なんですけど
  話しかけていいですか?
♡)え?なぁに?
蒼)今月の社員旅行、
  何かやりたいことありませんか?
  僕、実行委員になったんですけど…
♡)あ、そっか、もう今月だもんね。
  うーん、なんだろう…
  特に思いつかないや。
蒼)僕と一緒に何かやります?w
♡)え!!
 
 
なんで私と蒼くんが…
 
 
♡)やだ。
蒼)ぷっ、即答w
 
 
だって蒼くんのことだから
何企んでるかわかんないもん。
 
 
蒼)今日の実行委員会で
  バスのくじ引きもあるんですよねー
♡)そうなんだ。
蒼)どこの部署と一緒になるかなー
海)……。
蒼)海璃、営業部と一緒がいいって
  顔に書いてあるよw
海)わ、私は別に…っ///
蒼)そうなったらTさんと隣にしてやるよ、
  バスの座席w
海)////
♡)……。
 
 
蒼くんってば…
いいところもあるんだ。
 
 
蒼)♡さんは僕の隣でいいですか?
♡)絶対やだ!
蒼)あはははw
 
 
そんな話をしてたらお昼のチャイムが流れて…
 
私たちはいつものメンバーで
ランチに出かけた。
 
 
K)いや〜〜〜
  原くんマジで優秀!素晴らしい!
♡)ねっ、仕事すごく早いよね!
K)うん。びっくり。
  前に教育係してたのがPだから
  余計に素晴らしく感じる。
♡)Pくんだって頑張ってるんだよ!
M)まぁ確かに成長しましたよね、彼も。
♡)そうだよぉ!
K)いやー、でもさ、
  原くんは最初っから仕事できるし。
海)私もう追い抜かれてしまった感が…
♡)そんなことないよ!
  海璃ちゃんだって頑張ってるもん!
海)ありがとうございます…//
T)うちはさぁ、紅が意外と頑張ってて…
  新人の中じゃ一番業績あげてる。
♡)ええ!うそっ!
 
 
あの紅くんが?!
 
 
海)すごい…。
  頑張ってるんだ、紅くん…。
J)彼は負けず嫌いだからねぇw
  それが業績に結びついてるなら
  いいことだよw
T)あいつ辞めるかと思ったんだけどなw
J)Tくんに殴られたあとね、w
T)意外にガッツ見せて頑張ってるわ。
♡)そうなんだ…。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
S)道わかんないならちゃんとナビ入れて?
男)すみません…っ!
S)メンバー現場に遅刻させるとか
  本当にありえないから。頼むよ。
男)はい!すみません!!
 
 
Sさんに怒られてるのは
新人のマネージャー。
 
先月一気に新しく5人増えたんだけど…
新人だからそんなすぐに
ベテランのような仕事ができるわけもなく…
 
 
S)はぁぁぁ…
 
 
お疲れ気味のSさん。
 
 
臣)大丈夫?w
S)うーん…、あの子さぁ、
  都内の道なら任せてくださいとか
  面接の時に言ってたんだよ。
臣)へぇ。
S)なのに実際運転させてみたら全然で。
臣)ありゃ。
S)健二郎この間遅刻させちゃって。
臣)ありゃりゃ。
S)……はぁ、参ったな。
 
 
……コンコン。
 
 
女)失礼します。
  はっ!登坂さん///
臣)おつかれー。
女)あの、これっ…、
  来週のイベントの資料です!
  よろしくお願いします///
臣)はーい。
 
 
…って、受け取ろうとしたら
 
 
女)きゃっっ///
 
 
手がぶつかって、資料が床に落ちた。
 
きゃっ…て、君は中学生ですか。
 
 
女)ご、ごめんなさい///
  それでは失礼します!
臣)はーい…。
 
 
出て行ったのを見計らって、
ふぅ…と、ため息。
 
 
臣)あの子さぁ…俺のこと好きだよね。
S)うん。
臣)なんであんなのマネージャーにしたの。
S)マネージャーっていうか…
  雑用しかさせてないんだけど…
臣)……。
 
 
俺を見るたび顔を赤くして舞い上がるから
こっちもやりづらい。
 
 
S)あの子はさ、部長の親戚だから…
  仕方ないんだよ。
臣)コネ多いもんね、うちの事務所。
 
 
多いっていうか、
ほとんどがコネ入社だもんな。
 
それにしてもあそこまでファン丸出しなのは
勘弁してほしい。
 
 
S)もう一人入ったじゃん?女の子。
  あの子はNAOTOファンみたいで…
臣)へ?NAOTOさん?w
S)なんで笑ったの。
  バカにしてるっしょ。
  NAOTOに言ってやろ。
臣)してないしてない!w
  で?
  NAOTOさんファンでどうしたの?
  セフレにでもなっちゃった?w
S)……。
臣)え、は?ビンゴ?!
S)いやぁ…、うーん…
  手ぇ出しちゃったっぽいんだよなー
臣)げーー。
 
 
NAOTOさん…
なんて節操ナシなんだ…。
 
 
臣)もうそんな女クビだクビだ!w
 
 
冗談でそう言えば…
 
 
S)あの子も部長の親戚なんだよ…
 
 
Sさんががっくり肩を落とした。
 
部長の親戚、何人いんだよ!!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
K)よくもまぁ群れやがって…
M)あはははw
♡)もぉ〜〜〜w
 
 
最近、ハイローの広斗の真似にハマってる
Kちゃん。
 
 
T)あれさぁ、ずりぃよなー
  雨宮兄弟の設定、カッコ良すぎじゃん!
M)あはははw
J)登坂くんなんて携帯耳に挟んだまま
  全員やっつけたもんね。
K)あれは笑ったーー!w
  携帯しまえよってw
海)でも一瞬で倒しちゃって
  すっごくカッコ良かったです!///
♡)あははは♡
 
 
先月始まったハイローのドラマは
みんな観てくれてるみたいで嬉しい。
 
 
M)登坂さんって夜もたまには
  あんな感じなイメージ♡
♡)え?!
M)広斗みたいな俺様みたいなー?
♡)……。
 
 
そう言われて、思い出しちゃった
昨日の臣くん。
 
 
「……いい加減、言えよ。」
 
「もう手加減しねぇからな。」
 
 
♡)////
 
 
確かに昨日の臣くんは
ちょっと広斗っぽかったかもしれない…。
 
 
K)何赤くなってんの、やらしーw
♡)だ、だって!
  Mちゃんが変なこと言うから!///
M)だってーー
  登坂さんて基本は先輩に甘々だけど
  たまにはあーゆー
  強引な俺様な一面があっても
  似合いそうだなーって♡
♡)……///
J)あるみたいですよ、どうやらw
M)やっぱりー♡
♡)もういいの、この話は終わり!///
  ……あ!そーだ!
  Kちゃんに報告が!!
K)ん?
♡)三代目がね、スマスマに出るんだって!
K)ぬあああああああ?!!
  なんだとぉぉぉ!!!
 
 
Kちゃんの大絶叫で話題転換に成功した。
ふぅ///
 
 
K)ちょっと!いつ!どこで!
  いつ収録なの!ねぇ!!
♡)わ、わかんない…っ
K)臣広ぉぉぉぉ!!
  今度こそキムタクのサイン〜〜!!
♡)は!そっか、わかった!言っとくね!
K)次も失敗したら命はないって言っといて。
♡)えええ?!
 
 
Kちゃんの言葉にみんな爆笑しながらも
ビストロで何オーダーするんだろうねーとか
SMAPと何歌うんだろうねーとか
色々楽しく想像しちゃった。
 
 
ピロピロ♪ピロピロ♪
 
 
J)……あぁ…。
♡)ん?
 
 
携帯を見てJさんがうなだれた。
 
 
J)また実家から。
M)もしや…前に言ってた
  お見合いの件ですか?
J)よく覚えてるねw
M)覚えてますよぉ!
  まだ言われてるんですか?
J)うん。しつこいんだよねー。
♡)……。
 
 
そういえば◇ちゃんも
お見合いしたって言ってたもんね…。
 
お金持ちのお家だとよくあるのかな…。
 
 
T)するんですか?
J)いやー、する気はないんだけど。
K)Jさんって結婚願望あるんですか?
J)ないね。
K)やっぱりw
 
 
即答したJさんに
Kちゃんはそんな感じするって言って笑った。
 
 
J)でも姫とはしたいなって思ったんだよ。
♡)え?!
J)今までそう思ったのは姫だけかなー。
♡)…っ
J)結婚なんて
  人生の墓場だと思ってるからさ、俺。
M)それでも…
  先輩とならしたいと思ったんですか…?
J)姫にプロポーズしたあの時は、ねw
海)プッ!プロポーズ?!///
J)あれ、知らなかった?w
海)初めて聞きました///
J)したんだけどねぇ、
  見事にフラれましたよw
海)そう…なんですね…。
J)いーのいーの。
  姫はね、俺のことお父さんみたいにしか
  思ってないからw
  ね?
♡)…っ、えっと…、はい。
K)ぶっ、素直か!w
M)あはははw
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
H)あれ?登坂、香水変えた?
臣)え?…ああ、はい。
  今日は違うかも。
H)なんかあったの?
臣)いや、なんもないですw
  すごいですね、いつも気付くの
  HIROさんぐらいですよw
H)え、ほんと?
  俺鼻いいのかなw
臣)あはははw
H)ああ、そうだ。
  この間、お祝いありがとね。
  すごく気に入って毎日使ってるよ、彩。
臣)ああ、いえいえ!
H)♡ちゃんが選んだんだろうけど。
臣)間違いないっすw
H)あはははw
臣)彩さん喜んでくれてたからって
  あいつ絢香さんにも同じのあげてましたw
H)え?絢香さん?仲良いの?
臣)!!!
 
 
しまったーー!!
この間のレコーディングに♡がいたことは
内緒なのにーー!!
 
 
臣)ええと、ハイ。
  なんか色々繋がってて。
H)へぇ、そうなんだ。
 
 
……上手く誤魔化せたかな?
ドキドキ…。
 
 
渡)どうも、お疲れさまです。
小)わざわざお時間取っていただいて…
H)いえいえ!
 
 
会食の店に着いて個室に通されると
小笠原さんと渡井さんがもう先に待ってた。
 
とりあえず挨拶をして、
飲み物を注文して。
 
乾杯の後、世間話も早々に
本題を切り出された。
 
 
小)いや〜〜ほんとしつこくてごめんねw
臣)いえ、あの…
小)歌一本でやりたいって言ってたけど
  ドラマ出てるんだもん!
臣)…っ
 
 
やべ。
確かにそうだよな。
 
 
小)いいよねぇ、あの役。広斗。
  カッコイイ。
  登坂くんにピッタリ。
渡)ハマり役ですよねぇw
H)はははw
  ハイローはほとんど当て書きなんでw
小)あんなカッコイイ登坂くん見ちゃったら
  諦めつかなくてねぇ。
臣)ええと…、
  ハイローは確かに俳優業ですけど
  あれは総合エンターテインメントで
  ドラマや映画の先にLIVEがあるんです。
小)うん、知ってるよ。
臣)僕が惹かれたのはそこっていうか…
  最後にLIVEに繋がるのが面白いな、って。
  それならやってみたいなって思って…
H)登坂のハイロー出演は
  僕が直接交渉したんですよw
渡)それは登坂くんも断れないねぇw
臣)……はいw
 
 
でもLIVEがなかったら
例えHIROさんからのオファーでも
俺は断ってたと思う。
 
 
小)わかった!
  じゃあ『雪の華』も
  映画の後にLIVEやろう!w
臣)ええ?!w
渡)どんなLIVEですか?!
小)登坂くんと中島美嘉で
  『雪の華』を歌うw
渡)なんのひねりもないじゃないですか!w
小)あはははw
  まぁ冗談はさておいて。
 
 
あ、小笠原さんの目がマジになった。
 
 
小)脚本は一度もう読んでもらったと
  思うけど…
臣)はい。
 
 
純愛ストーリーだった。
演る人が演ればいい話なんだろうなと思うけど
恋愛ものなんて俺はほんと興味なくて。
 
 
小)本当に登坂くんしか考えられないんだ。
臣)……。
渡)これは我々スタッフ一同、同意見で。
臣)……。
 
 
小笠原さんも渡井さんも
真剣にそう言ってくれてるのはわかるけど…
俺はどうしても、歌しかやりたくない。
 
 
臣)前にもお伝えしましたけど…
  お話は本当にありがたいと思ってます。
  でも…、
  歌だけをやっていきたいというのが
  僕の本音で。
  そんな気持ちでお受けしても
  良い仕事なんて出来ないと思うんです。
  そんな中途半端なことはしたくない。
  本当に申し訳ないんですが…
小)ストップストップーー
臣)え?
小)今日はNOは持って帰らないから。
臣)ええ?!
小)いいよいいよ、一旦保留。
  ほら、今はそう思っててもさ、
  例えば今演ってる、広斗?
  あれで演技の楽しさに目覚めて
  気が変わるかもしれないでしょ?
臣)いやぁ…、うーん…
 
 
それは絶対ないと思う。
 
 
渡)そうですね、今はハイローやってるから
  他の演技の仕事のことまで
  考えられないかもしれないけど…
  我々は諦めるつもりはないんで。
 
 
……うそーん…。
諦めてほしい。
 
俺はほんと歌だけを…
 
 
H)ここまで言って頂いてるのに
  本当にすみません。
 
 
あああ!!
HIROさんに頭を下げられたら
気まずさMAX!!
 
 
臣)本当にすみません…。
 
 
俺も頭を下げるしかない。
 
 
でも…、
どうにかわかってもらえないだろうか。
 
やりたい仕事だけやりたいなんて
わがままなのかもしれないけど…
贅沢なのかもしれないけど…
 
その分、本業でちゃんと返すから。
歌に全力注がせてほしい。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♡)197、198、199…っ、200!!
  よっし!腹筋完了!!
 
 
お風呂上がりのストレッチと筋トレ。
今日も無事、完了!
 
 
♡)ふぅ、疲れたぁ。
 
 
お水をゴクゴク飲み干すと、
玄関からドアが開く音が聞こえた。
 
 
♡)おかえりなさーい♡
臣)ただいまーー
 
 
あれ?
臣くん、なんだかお疲れ気味かな?
 
 
♡)お風呂あるよー♡
臣)……じゃあ直行するわ。
♡)うん?
臣)行ってきまーす。
 
 
やっぱりお疲れ気味かも。
 
よし!
お風呂から上がってきたら
マッサージしてあげようっと♡
 
 
♡)……さてさて。
 
 
それまで私はサンタの準備!
今日もリストを開いて…
 
ええと…、この子は…
『手裏剣戦隊ニンニンジャーの変身セット』
 
 
♡)なんだろう…これ。
  検索…検索…、あ!これかな?
  変身セット…、あったー!
  よし!ポチ完了♡
 
 
ええと次の子は…、
『大きなねこのぬいぐるみ』か。
 
なんでもいいのかなぁ?
よし!可愛い子を探してみよう!
 
うちのにゃんこが一番可愛いんだけどなぁ♡
抱き枕じゃ小さいかな?
 
 
ピロピロ♪ピロピロ♪
 
 
♡)ん?あ、Mちゃんだ。
 
 
『ホームページ更新お願いします。
 プライベートショット1枚載せて下さい。』
 
 
♡)えっ!!
 
 
こんな時間に?どうしよう。
 
でもMちゃんはサイトのアクセスを分析して
バランスとかを考えて指示をくれるから
ちゃんと従わなくっちゃ!
 
 
♡)プライベートショット…
 
 
何がいいかなって
リビングをキョロキョロ見渡したけど…
 
そうだ!にゃんこにしよう!♡
 
 
♡)にゃんこー♡
  一緒に写真撮ろー♡
 
 
自分の部屋に入って、
にゃんこを抱っこしたけど…
どうやって撮ろうかな?って困ってると
 
ちょうど臣くんがお風呂から戻ってきたから
お願いして撮ってもらった。
 
 
臣)ホームページ用?
♡)うん♡
 
 
『いつも一緒に寝てるにゃんこです♡
 とってもフカフカで気持ちいいの。
 ぎゅってするとニャーって言うんだよ。
 可愛いでしょ♡』
 
 
臣)違う写真にしたら?
♡)え?
 
 
コメントを打ってるところを
隣で覗いてた臣くんが
急に自撮りで自分の写真を撮った。
 
 
臣)『いつも一緒に寝てる臣くんです♡
   とってもあったかくて気持ちいいの。
   ぎゅってすると喜ぶよ。
   可愛いでしょ♡』
  ほら、これでいけw
♡)ばかーー!///
 
 
勝手にコメントを打ちかえた臣くんから
携帯を奪い返した。
 
 
♡)こんなの載せたら大炎上でしょ!///
臣)あはははw
♡)もぉ〜〜笑い事じゃないんだからぁ〜〜
 
 
コメントはちゃんと打ち直して、投稿完了!
 
 
♡)よし!
  じゃあ臣くん、横になって♡
臣)え、襲ってくれんの?
♡)違うよ!///
  マッサージしてあげるの!
臣)なんで?
♡)だって…お疲れでしょ?
臣)いや?別に…
♡)えっ…
臣)それに俺を癒したいなら
  襲ってくれた方が…
♡)もぉ!!///
 
 
ふざけてばっかりの臣くんの太ももを
べしっと叩いた。
 
 
臣)とりあえずベッド行かない?
♡)うん。
 
 
私の部屋を出て、寝室に移動。
二人でベッドに入ってぎゅっとくっついた。
 
 
臣)な?あったかくて気持ちいいだろ?
♡)そうだけど…
  そんなのは載せられません。
臣)あはははw
♡)ね、ね、今日みんなで
  ランチしてたんだけどね、
  みんなハイロー観てくれてるみたいだよ♡
臣)……ああ、そう。
♡)広斗カッコイイねって♡
臣)ふーん、どうも。
 
 
あれ?
臣くんってばまた広斗モードかな?
なんかそっけない。
 
 
臣)俺さぁ、歌の仕事だけやりたいの。
♡)うん?
臣)そんな風に世界を狭めるのって
  良くないと思う?
♡)ううん?思わないよ?
臣)……。
♡)ハイローだってLIVEがあるから
  引き受けたんでしょ?
臣)うん。
♡)臣くんは歌に全力を注ぎたいんだもんね?
  全然いいと思うけど…
 
 
どうしたのかな。
また俳優のオファーがあったのかな。
 
 
♡)ハイローの広斗はカッコイイし
  私はホットロードも大好きだから
  俳優やってる臣くんを観れるのは
  嬉しいけど…
臣)え、嬉しいの?
♡)うん、カッコイイもん♡
  もっといっぱい観てみたいなぁって
  思うよ♡
臣)……。
♡)でもやりたいことと違うなら
  私は臣くんには好きな仕事を
  しててほしいなぁ。
臣)……。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
俳優の俺をもっと観てみたいって♡に言われて
その一言だけで
ほんの少し気持ちが変わってる自分がいて。
 
単純だなーって…
自分で呆れて笑えてきた。
 
 
♡)どうしたの?
臣)んーん、なんでもない。
 
 
でもやっぱり。
俺は歌一本でいこう。
 
今日は諦めてくれる気配なかったけど…
何度も丁寧に断るしかないか。
 
 
臣)よし!
♡)ん?
 
 
もう悩むの終了!
 
 
臣)イチャイチャしよ♡
♡)ええ?!
 
 
俺の切り替えの早さに
今度は♡が呆れたように笑ってる。
 
 
臣)てかさ、キッチンなんか甘い匂いしたけど
  なんか作ったの?
♡)あ、うん!
  マドレーヌ作ったんだー♡
臣)え、うそ!食いたい!
♡)うん♡ 明日食べてー♡
臣)食べるー♡
 
 
♡が作るお菓子はなんでも美味いからな。
楽しみ♪
 
 
臣)なんで作ったの?誰か誕生日?
♡)ううん、明日ハルくんの英会話だから。
臣)え?
♡)いつもハルくんに
  ご飯ご馳走になってるから
  お礼に作ったんだよー♡
臣)……。
 
 
なんだと。
 
 
臣)ハルくん甘いもん食べれんの?
  食べれなかったら俺が代わりに…
♡)食べれるよー♡
  なんでも食べるよって言ってくれたもん♡
 
 
それは甘いものならってこと?
それとも…
お前が作ったものならってこと?
 
 
臣)ふーん…、あっそ。
 
 
そうですか。
じゃあ明日も英会話した後
二人で飯食いに行くんですか。
 
昨日全然嫌じゃないなんて強がった手前、
文句なんて言えるわけなくて。
 
 
でも…
あああああ〜〜〜モヤモヤする。
 
 
♡)ハルくんね、
  昨日もご馳走してくれたんだ。
臣)は?!
  昨日は瞬と飯食ってたんじゃねぇの?
♡)うん、そうだよ。
臣)は?どういうこと?
♡)昨日ね、前にハルくんが
  連れて行ってくれたお店に行ったの。
  ハルくんがデザインしたお店でね、
  瞬と来てるよーってLINEしたら
  その後すぐにお店に
  連絡してくれたみたいで…
臣)で?
♡)お会計する時に、お代は要りませんって
  言われて…
臣)…っ
 
 
なんだよそれ。
 
そんなカッコイイ真似しちゃうわけ?
ハルくんって。
 
 
♡)だからね、マドレーヌいっぱい焼いたの!
臣)……一人でそんな食えないんじゃない?
♡)はっ!確かに!そっか!しまった!
 
 
だからもうあげなくていいよ、一個も。
 
 
♡)アキさんも一緒に食べてくれないかなぁ…
 
 
彼氏の初恋相手が作ったお菓子を?
食うわけねぇじゃん。
 
あーあ、アキさんとやらが
めっっっちゃ嫉妬深い女で
「私のハルキにもう近付かないで!!」
とか♡に言ってくんねぇかなぁ…。
 
 
でもそしたら♡はまた泣いちゃうのかな。
それはかわいそうだな…。
 
 
…って、俺はどこまで♡に甘いんだよ!!
 
ほんと彼氏バカだなオイ!!
 
 
臣)はぁぁぁぁ……。
♡)どうしたの?
 
 
うるせぇ鈍子!
俺の気も知らねぇで!
 
 
♡)……ね、イチャイチャしないの…?///
臣)は?
 
 
可愛く甘えてきた♡に
ついつい強い口調で返せば
眉を下げて困ったように俺を見つめてる。
 
 
イチャイチャなんて…
そんなのいつでもしたいに決まってんだろ!
俺は彼氏バカなんだから!!
 
でも今日もなんか苛めたい気分。
 
 
臣)したかったらどうぞ?
 
 
なんつって。
 
 
♡)え…?
臣)俺とイチャイチャしたいんなら
  お前からすれば?
♡)…っ
 
 
あー、困ってる困ってる。
困ってる顔もちょー可愛い。
 
 
♡)……臣くん///
 
 
お?
覚悟を決めたような顔。
 
 
♡)……大好き///
臣)…っ
 
 
何それ…。
可愛いんだけど…///
 
 
♡)大好き///
 
 
♡はもう一度そう呟くと、俺の上に来て…
ゆっくりと俺にキスを始めた。
 
頬、耳、首筋、肩…、
 
柔らかく、柔らかく、触れる唇。
 
 
臣)…、っ
 
 
時折それに舌の感触も混じると
身体がゾクッと熱くなる。
 
 
♡)臣くん、大好き…///
 
 
♡は何度も可愛くそう言いながら
その気持ちを伝えるように、俺に触れる。
 
 
臣)……はぁ、…///
 
 
可愛いんだけど…どうしよう。
 
もっと苛めたい…かも。
 
 
臣)自分で脱げよ。
♡)…っ///
 
 
俺の言葉に、♡が弾かれたように
顔を上げた。
 
 
臣)……早く。
♡)……(こくん)///
 
 
えーーー!!
素直に頷いちゃうの!?
 
可愛い……
うそぉ…///
 
 
え、わ、わ、ほんとに脱いでる!!
え、ちょっ…
 
 
臣)////
 
 
やべぇ…すげぇ興奮してきた。
 
 
戸惑いながら恥ずかしそうに脱いでる姿が
なんかすっげぇエロくて。
 
……ああああ〜〜
もう俺…止まんないかも。
 
 
♡)臣くん…///
 
 
色っぽく俺を見つめる♡を
ゆっくり見下ろした。
 
 
臣)……して。
♡)……(こくん)///
 
 
えーーー!!
か、か、かわい…っ///
 
こくん、だって!
素直に頷いちゃったよ、また!!
 
 
♡)いーい…?///
臣)早く…。
♡)……うん、///
 
 
な、な、なんでそんな嬉しそうなわけ?
お前今日はドMなのか?そうなのか!?///
 
 
臣)////
 
 
たまらん。鼻血出そう。
 
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、
気持ち良すぎて死ぬ。
 
 
臣)……はぁ、……お前…もう///
♡)え…?
 
 
欲しくなってんじゃねぇの、俺のこと。
 
 
臣)……やっぱり。
♡)…っ///
 
 
なんでこいつの身体ってこんな素直なのかな。
可愛すぎんだろ。
 
 
臣)来いよ。
♡)えっ…
 
 
♡の身体をぐいっと引き上げた。
 
 
♡)だ…って…///
 
 
わかってるよお前がヘタなことくらい。
 
 
臣)いいから来い。
♡)////
 
 
俺がどうにでもしてやるから。
 
 
♡)…わか…んない…、恥ずかしい…///
臣)素直じゃねぇな…。
♡)…っ
臣)欲しいだろ?
♡)////
臣)大人しく言うこと聞け。
♡)……(こくん)///
 
 
観念した様子の♡は
目を潤ませながらためらいがちに
ゆっくりと腰を落としてきて…
 
俺はその細い腰をしっかり掴んで
ベッドを激しく揺らした。
 
 
♡が…可愛くて、可愛くて。
 
 
俺なんて…ほんと単純なんだよ。
 
 
どんなにヤキモチ妬いてたって…
こうしてお前と肌を合わせられたら
そんなの全部吹き飛ぶんだ。
 
 
愛しくて…愛しくて…
熱く、強く、満たされる。
 
 
だから、もっと。
 
全部さらけ出して…俺の上で壊れろよ。
 
 
 
 
 
ーendー

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  1. さゆがん より:

    やっぱり男優だぁ(˙◁˙ )パァ←
    いろんなプレイをお持ちですこと(๑´∀`๑)

  2. (。・д・。)/ より:

    ハーーーードS臣くんたまらんです内心動揺しまくりな臣ちゃんもたまらんですとりま臣くんたまらんですでもそろそろあまあま臣くんがいいかなとか思ったりw

    • マイコ より:

      あまあま臣くんは過去にたくさん登場してるからねぇ(ฅ¯ω¯ฅ )しばらくこいつだよw

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