ふと目が覚めたら…
腕の中に、◇がいて。
岩)……
覚えてないから、
あのまま俺、寝ちゃったんだなって。
でもちゃんと◇は
ベッドに入ってきてくれてて…
◇から抱きついてきたのか
俺が勝手に抱きしめたのかわかんないけど、
今…、腕の中にいる。
なんか…すげぇ嬉しくて…
愛しくて…
泣きそうになる。
まだ眠ってる◇のぬくもりを
めいっぱい感じたくて、
小さな身体をさらにぎゅっと抱き寄せた。
とくん…
とくん…
ああ、なんだろう。
この世で一番大事な宝物を
抱きしめてるような…
そんな気分。
岩)……
それに…
こんなにスッキリしてるっていうか…
いっぱい寝たっていう充足感を感じるのは
いつぶりだろう。
最近忙しいのもあったし
家には寝に帰るだけみたいなもんだったから
こんな朝は久しぶりだ。
あったかくて…
柔らかくて…
なんか…すげぇ幸せ……。
◇のおでこに頬をすり寄せて…
◇の寝息に耳を澄ませてたら
また気持ち良い眠気に誘われて…
優しいぬくもりに吸い込まれるように
俺はまた、眠りに落ちた。
……
…
でも、次に目が覚めた時には
俺の腕の中は空っぽで。
岩)!!!
ガバッ!!!
慌てて起き上がって手探りしても
隣に◇がいない。
岩)…っ
確かに、抱きしめてたはずなのに…っ
一気に不安が押し寄せて、
俺はベッドを飛び降りて寝室のドアを開けた。
開けた瞬間、
なんだかいい匂いがして…
キッチンからひょっこり顔を覗かせた◇が
おはようって笑ってくれたから…
岩)…っ
どっと力が抜けて、なんか泣きそうになった。
よかった…
ちゃんといた。
いなくなったかと思った。
消えちゃったかと思った。
岩)……おはよう。
そっと近付くと、◇は振り返って
またおはようって笑ってくれた。
さっきまで感じてたぬくもりを
もう一度確かめたくて
抱きしめようとしたけど…
◇)……だめ、座ってて。
もうすぐ出来るから。
岩)…っ
明らかに、拒否された。
岩)抱きしめさせて。
◇)…っ
寝起きなせいか…
さっきのショックがまだ残ってるせいか…
そんなことを言う俺を
困ったように見上げる◇。
岩)ちょっとでいいから。
そう言ったけど…
◇)ダメ。
断られた俺は
そのままキッチンを後にして、顔を洗った。
なんでダメなんだろう…。
昨夜も確か逃げられた。
少しでいいのに。
抱きしめたいだけなのに…。
◇)よし、食べよっか!
岩)……うん。
◇が用意してくれた朝ご飯は
栄養満点そうなバランスの良いメニューで。
◇)デザートはりんごなんだけど
すりおろした方がいい?
岩)……
まだ病人扱いされてる俺。
岩)普通に噛めるよ…w
◇)でも、すりおろした方が
消化にいいかなって。
岩)大丈夫。
◇)そ?じゃあ普通に切るね♡
そう言って出てきたりんごは
全然普通じゃなかった。
岩)何これ!w
◇)りんご。
岩)そうじゃなくて…
7枚くらいにスライスされた
輪切りのりんごが出てきた。
岩)初めて見た…何これ。
◇)あのね、りんごは真ん中が
一番栄養があるの!
でも一般的な切り方をすると
そこがなくなっちゃうでしょ?
岩)…確かに…。
◇)だからりんごは本当は
輪切りで食べるのが一番なの!
岩)……
そうだったのか…
知らなかった。
1枚手に取って食べてみるけど…
形が形だけに、なんか不思議な感じ。
岩)美味しい。
◇)味は一緒でしょw
りんごだもん。
岩)そっかw
◇)全部剛典の栄養になりますようにー♡
岩)ははは、ありがと…w
目の前で笑ってくれる◇に
なんだか癒されて。
◇)今日は天気いいねーー
窓の外を覗いた◇はそう言って、
隣に飾ってある花束の香りを吸い込んで
にっこり笑った。
◇)ね、このお花、なんていうの?
岩)え?
◇)あたしの誕生花なんでしょ?
岩)ああ、うん。
それは…マトリカリアって花。
と、カスミソウ。
どっちも誕生花。
◇)カスミソウもなんだ!
岩)そうだよ。
◇)ふふ、嬉しいな♡
この花束、可愛くて大好き…♡
そう言って笑ってくれるから、
俺まで嬉しくなる。
◇)マトリカリアって…何なのかな…
そう言ってスマホを手に取る◇。
岩)何なのかなって?
◇)花言葉。
岩)今回は花言葉で選んだんじゃないよ。
◇)……
岩)……
そう言って、ハッとした。
それじゃあまるで
今までの花は全部、
花言葉で選んでたみたいじゃん。
…いや、そうなんだけど。
岩)もしかして…
いつも花言葉調べてた…?
◇)うん。
岩)……
あっさり頷いた◇に、
なんか一気に顔が熱くなった。
確かに…気持ちを伝えたくて
そういう花を選んでたわけだけど…
◇が毎回こうして
花言葉調べてたのかなって思ったら…
岩)……///
今更なんだけど、すごく照れる。
◇)あ、出てきた。
岩)…っ
◇)マトリカリアが「深い愛情」で…
カスミソウが…
「清らかな心」、「幸せ」だって。
岩)……
そう言って◇が俺をじっと見つめるから…
岩)間違ってないよ。
少し照れながらそう答えたら、
◇)…そっか…、……ありがとう///
◇も照れたように俯いた。
◇)お花…本当に全部…嬉しかった。
岩)…っ
◇)いっぱいいっぱい…ありがとう。
俺の気持ち……
ちゃんと伝わってたんだ。
◇がそう言ってくれて…
俺はまた泣きそうになって…
それを誤魔化すように
りんごを一気食いした。
岩)ごちそうさま。
◇)ちゃんと全部食べたね♡
よしっ!じゃあ剛典は寝て!
岩)へ?
◇)ベッド行って!
岩)…っ
やっぱり俺を病人扱いして、
少し痛そうな歩き方をしながら
お皿をさげる◇。
岩)ねぇ、足大丈夫なの…?
◇)え?大丈夫だよ!
こんなのすぐ治るもん!平気!
岩)……洗い物…俺しよっか?
◇)剛典は寝ててってば!
岩)……
俺だって…
◇のためになんかしたい。
岩)ご飯も…ほんとにありがとう。
美味しかった。
◇)うん。
洗い物をしてる小さな後ろ姿を見つめながら
抱きしめたい気持ちでいっぱいになる。
◇はテキパキ終わらせると、
また俺をグイグイ引っ張って
ベッドに連れて行った。
◇)はい、寝て!
そう言われても……
岩)久々にすげぇいっぱい寝たから…
全然眠くない。
◇)寝なくてもいいから休んでて!
身体動かしちゃダメ!
岩)そこまで重症じゃないんだけど…
◇)でも…
岩)せっかくのオフなんだし…
一緒にいたい。
◇)…っ
ずっとベッドの中なんてやだ。
俺はリビングに戻って、ソファーに座った。
岩)ね、来て。
◇)…っ
俺が呼ぶと、隣にちょこんと座った◇。
岩)話、したい。
「明日でも遅くないでしょ?
剛典がちゃんと元気になってから
話したい。」
昨夜、そう言われたから。
岩)俺、もう元気だから。
◇)……
岩)ちゃんと話そ…?
◇)……
◇の気持ちが聞きたいし…
俺と戻ってくれる気があるのかどうか
まだ不安で。
◇)……あたし、剛典とはまだ戻れない。
岩)え…っ
俺の心を読んだみたいに、
いきなりそう言われて…
思わず止まった。
岩)…っ
戻れないって…なんで?
やっぱり…
◇が言ってくれた「好き」は…
俺とは…違う…?
◇)優助と先に話したいの。
そう言われて、心臓がドクンと揺れた。
◇)明日、会う約束してて…
岩)…っ
明日…?
岩)……
ああ…そうか…
夏休みだから…
デートの約束とか…してたのかな…。
◇)優助にちゃんと伝えてくるから…
剛典と話するのは、その後でもいい?
岩)……
ちゃんと伝えるって…何を…?
もしかして…
「優助が…好きなの…っ
だから剛典とは別れたいの…っ!」
あの夜、俺は別れたくないって言ったから
まだ別れてないつもりだったけど…
◇にしてみたら、
もう別れたことになってたのかもしれない。
それで…
その後すぐに…あいつと…
岩)付き合ってん…の…?
なんか…
頭が追いつかなくて…
そう聞いた俺の声は、
情けないくらい小さかった。
自分で聞いたくせに、◇の答えが怖くて…
……ぎゅっ。
思わず◇を抱きしめたら、
◇)……だめ、っ
ぐいっと身体を押し返された。
岩)……
やっぱり、そうなんだ。
◇は今…あいつと付き合ってて…
明日ちゃんと伝えるって何を…?
あいつと別れんの?
もしあいつが嫌だって言ったら?
そしたら◇はまた…俺の前から…
◇)付き合ってないよ。
岩)え…?
◇の言葉に、また頭が止まった。
◇)答えが出たら教えてって…
優助、ずっと待ってくれてるの…。
岩)……
◇)だから…
明日、会ってくる…。
岩)……
◇の言葉一つ一つに
心臓が止まりそうになったり
頭がいっぱいいっぱいになったり…忙しくて…
全然冷静に判断できない俺。
◇)あたしは…剛典が好きだから…。
岩)…っ
判断力が鈍くても、
その言葉だけはちゃんと伝わる。
昨日から…
◇が言ってくれてる気持ち。
俺のことが好きだ、って。
岩)じゃあ…明日…、話せる?
◇)うん…。
岩)……
◇)……
優助と話して帰ってきたら
俺とも話してくれるのかな。
まだわからないことだらけだし…
優助と話して
◇がまたそっちに行ったらどうしようって…
そんな不安が消えないけど…
今は好きだって言ってくれてる◇を
信じるしかなくて。
岩)◇……、
俺のハグが拒否されるのは多分、
◇なりのケジメなんだろうと思うけど…
岩)少しだけでいいから…。
◇)…っ
我慢出来なくて、
俺は◇を抱き寄せた。
わがままでごめん…。
でも…
お前がまたいなくなりそうで…
こうして確かめないと、不安で…
岩)……好き…。
ぎゅっと抱きしめて呟けば、
◇)……ありがとう。
小さな返事が返ってきた。
それが、最後のハグ。
その後も俺は何度も
抱きしめたい衝動に駆られたけど
必死に堪えた。
せっかくオフなのに
俺は病人扱いされたままだし、
◇も足を怪我してるし
どこにも出かけられない俺たちは
映画でも観ようかなんて、並んで座って。
どうしても◇に触れていたい俺が
そっと手を握ったら、
それは拒まれなかった。
トクントクンと
手のひらから伝わるぬくもりが、愛しくて。
正直映画の内容なんてどうでも良かった。
今俺の隣にいて、こうして手を繋いでる。
それだけで、ただただ…嬉しくて。
お昼を食べ終わると
また寝ろって言われたけど
どうしたって眠くない俺は、筋トレをした。
◇には止められたけど、
身体休めすぎたら逆に踊れなくなるって
言ったら
渋々了解してくれて。
◇は俺の身体を押してくれたり、
ストレッチを手伝ってくれた。
家にいるだけなのに、
一緒にいられるだけで嬉しくて…
だって。
こんな丸一日一緒にいれるのは初めてだし。
明日どうなるかわからないって思ったら…
◇の笑顔の一つ一つが
すごく尊く感じた。
晩御飯も◇が作ってくれて、
食後にはお風呂にゆっくり浸かって。
今日1日で、本当に疲れが全部取れて
身体が生き返った気分。
って俺が言ったら
◇は嬉しそうに、良かったって笑ってくれた。
こんな風に…一緒にいたい。
明日も、その先も、ずっと……。
隣で笑っててほしい。
そばにいてほしい。
そんな気持ちが、どんどん強くなる。
岩)一緒に寝て。
俺がまたそんな我儘を言えば、
◇は少し困った顔をしたけど、
ベッドに入ってきてくれた。
◇)ちゃんと起こしてあげるから
剛典はゆっくり寝てね。
最後まで俺のことを気遣って。
仰向けになってる俺たちの身体は
側面が少し触れるくらいで…
◇はそのまま眠りに落ちた。
岩)……
眠ってる◇を
ぎゅっと抱きしめたいけど…
ハグはダメだって言われてるし…
動いたら起こしちゃいそうだし…
でも、気持ちが抑えきれない俺は
少し身体を起こして、
その寝顔を見つめた。
髪を撫でるくらいならいいかな、って…
亜麻色の柔らかい髪に
そっと指を通して。
岩)……
こうして見つめてるだけで、
愛しい気持ちでいっぱいになる。
こんなに好きだって気持ち…
俺はちゃんと全部伝えられるかな。
明日…帰ってきたら…
全部話すんだ。
◇の気持ちがもし変わってても…
俺は絶対変わんないから。
岩)……好きだよ…。
切ない愛しさをキスに変えて、
◇の瞼に、優しく落とした。
ーendー
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岩ちゃんと◇ちゃん、戻りそうーー
嬉しいー・:*+.(( °ω° ))/.:+
最近、いい事ばっかりやわーー
ずっと岩ちゃんTV出てるし、
TAKAHIROの赤ちゃん生まれたし(✌’ω’✌)
どの番組見ても剛典がイケメンすぎてため息(❁´ω`❁)ほぅ♡
岩ちゃんの暗黒期も終わりそう。良かった(^ ^)◇ちゃん岩ちゃんの元に戻って来てくれて本当に良かった。♡ちゃんも、♢ちゃんも芸能人と付き合うってやっぱり覚悟していくしかないんだよね〜傷付いたり、辛い思いしたり、知らなくいい事も知ってしまったり・・・だからこそ、2人共幸せになって欲しいなぁ〜
臣くん久々に見たら少しポチャポチャになってて、役作りかなぁ〜?あらためてトサカヘアの臣くんが良かったなぁ〜イケメンじゃなくなった・・・マイコさ〜ん、あの臣くんで良いの?しかもラブストーリーに、ポチャ臣くんで良いの(笑)はやく♡ちゃんと相変わらずのイチャイチャ臣くんがみたい(^ω^)
ほんと遠回りした分幸せになってくれ〜〜。゚(゚´ω`゚)゚。
ね。ほんとトサカヘアが恋しいよ…。゚(゚´ω`゚)゚。
ポチャ臣なんてやだよ…。゚(゚´ω`゚)゚。
おはようございます(^^)
剛典は、早く抱きしめたいですよね!!
また2人は、ラブラブできますよね?
もちろん(*>ω<)ω<*)ギュー❤
◇ちゃんしっかりしてるわぁー
好きなのに触れられなかったり
核心につかないがんちゃんも切ないですね。。
また笑いあえる関係に戻れたらいいな♬
そんな未来ももうすぐヾ(≧∇≦)ノ”♡♡
マイコさんお久しぶりです!昨日臣くんの誕生日でしたね!でも年齢より若く見えるのは私だけでしょうか?ww
やっと暗黒期が終わってひと安心。
うん…:(´ºωº`):
私にはおっさんにしか見えぬよ最近…
あと少しで暗黒期が終わるのかなー?
またラブラブな2人を見るのが楽しみですw