【224】Tくんと姫(JさんSide)

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T)俺もう…止まんなくて…っ
  だって…あいつ…///
  あんな抱きついて…くるしっ…
J)……
T)わかりますか?!!
  その破壊力!!!
  ほんと…あんなん…//
  我慢しろって方が無理だし!
J)……
T)肌とか…すげぇ…柔らかくて…
  マジでほんと…気持ち良くて…///
J)……
T)ダメだって…わかってんのに…
  止めらんなかったんです…っ
J)……
T)最低だって…わかってますよっ!!
  寝てる女に……
J)……
T)でも…ずっとずっと好きだった女に
  あんなことされたら…
  何もせずにいられる男がいるかよッ///
  おかわりっっ!!!
J)……


一応恋敵だと
認識してくれてるはずなんだけど

その相手にそんな話を赤裸々にするほど
酔っ払ってるTくん。


こんなに酔っ払うなんて珍しいな。
相当…後悔してるのかなーー


J)……


今日は久々にTくんと同行で

まぁ俺たちが二人で向かって
取れない契約なんてないんだけど

今日も見事に大きいのが二本決まって
そのお祝いってことで
Tくんに飲みに誘われた。



ーー


T)いやぁっ!ほんと!
  お疲れさまでしたっ!!
J)お疲れさまーーーw
T)やりましたねぇっ!!
  ああ〜〜契約決まった後の酒は
  ほんと美味いなぁ〜〜♪
J)そうだねぇ…w
T)ぷはぁっ…


ご機嫌だったかと思えば
その表情はすぐに曇って…


T)あいつ…今日ちゃんと
  飯食ったかな……


そんなことをポツリと呟いた。


J)あれ?今日は一緒じゃなかったの?
T)えっ!!!
J)……
T)…っ


無意識に出た一人言だったんだろう。
それに返事をしたから驚いてる。

そんなびっくりしなくても…
姫の話だってことくらい、わかるよ。


最近Tくんが毎日姫といるのは
そこそこ噂になっていて

様子を見に行ったら
姫もちゃんと笑ってるから

俺は特に余計なこともせず
二人を見守ってた。


だから俺は
一緒にランチに行くことがなくなって
姫の動向をよく把握できてない。


土曜日の撮影で大泣きして…

昨日の朝…
大きなキャリーケースと一緒に
出勤してきたのは見たけど…


J)どうなの?お姫様の様子は。
T)…っ
J)……
T)俺…今日は外せないアポがあって…
J)ラブラブランチ、しなかったの?
T)ラブラブって…!!
  そ、そんなんじゃないっすから!///
J)……
T)ほんとに……
J)……


照れてみたり、しょげてみたり
姫並みに顔に出る子だなぁ…ほんと。


T)直帰する前に会いに行ったら
  ♡、今日はもう帰ってて…
J)へぇ、早いね。
T)撮影だってKが言ってました。
J)へぇ……


あの女の子たちと
一緒じゃないといいけど…


T)俺…毎日無理やり…なんか買ってって…
  無理やりあいつに…食わせて…
J)……
T)どうでもいいようなことばっか話して…
J)……うん。
T)でもあいつ…笑ってくれるんです…
J)うん……


Tくんが側にいてあげてることは
今の姫にはプラスだと俺も思ってる。


T)あいつが笑ってくれたら…
  それだけで死ぬほど嬉しいし…
J)……
T)あいつが笑ってくれんなら…
  俺…なんでもやる……
J)……
T)でも……
J)……


Tくんが切なそうに俯いた。


T)たまにすごく…
  悲しそうな顔…、するんです…
J)……
T)今にも消えそうな…
J)……
T)……


「お飲み物、おかわりいかがですかー」


J)あ、じゃあ同じのを。
T)あ、俺も。


「かしこまりましたーー」


T)……
J)……


Tくんは新しいジントニックが来ると
それを一気に飲み干した。


J)ちょ、大丈夫…?
T)大丈夫です…っ
J)…っ
T)すいません!ジンバック一つ!


「かしこまりましたーー」


T)はぁ……
J)……
T)俺……
J)……
T)あいつのこと…
  ……追い返したんです。
J)……


あいつとは…登坂くんだろうか。

察するに…
会社まで迎えに来てたとか…?


「お待たせしましたーー
 ジンバックです。」


T)ありがとうございます。
  ……ゴクゴクゴクッ
J)ちょ!飲みすぎじゃない?!
T)いいんですっ!!
J)…っ
T)すいません!おかわり!!


Tくんは…お酒は強いけど
それにしたってこのペースは…


T)俺…っ
J)……
T)二度と会いに来るなって
  言ったんです。
J)……
T)彼氏でもないくせに…
  彼氏に対して…
  あほみたいに偉そうに……
J)……
T)でも…俺…っ、ほんとに…
  あいつが泣いてるところ…見るの…
  これ以上…嫌だから…っ
J)うん……


そしてTくんは
次々お酒をお代わりして

来る度にすごい勢いで飲み干して…


ーー



で、今に至る。


T)だって…だって…っ
  すんげぇ甘えた声で…
  …ぎゅって…してって……
J)……
T)「だいすき」って…っ
J)……
T)うああああっっ////


顔を隠して悶えてる。

これは一体何の報告だ…?


J)ええと…
T)はぁぁぁ……//
J)酔って寝ぼけてる姫と
  しちゃったってこと…だよね?
T)…っ
J)……
T)…(こくん)///
J)…っ


そんな状態の姫に手を出すなんて
Tくんらしくなくて
信じられないけど…

さっきから顔を真っ赤に訴えてる様子を見ると
その日の姫の破壊力は
さぞすごかったんだろうな…


T)もっと…触ってとか…
  チューしたいとか…
  …そんなんっ、連発されたら…っ///
J)……
T)我慢…したけど…、俺だって…
J)……
T)////
J)……


だから…最近の姫は…
Tくんと一緒にいる時…笑ってるのか。


J)全然気付かなかったよ。
T)え…?
J)そっか…じゃあ…
  あとは姫が別れるのを
  待ってる状態ってこと…?
T)え??
J)そしたら…付き合うんでしょ?
  二人は。
T)え?二人って…?
J)Tくんと姫。
T)えええええっっ!!!
J)……


違うのか…?


J)だって二人はもう結ばれたわけでしょー?
T)へっ?!
J)姫だって…酔ってるからって
  好きでもない男と
  そんなことする子じゃない。
T)…っ
J)……


そっか…
Tくんと…か。

そんなにショックじゃないのは
どうしてだろう。


J)念願叶って良かったね、おめでとう。


不思議と自然に…そう言えた。


T)ちょ、待ってくださいよ!違いますっ!
J)え??
T)そんな話じゃなくて…っ
J)だって、したんでしょ?姫と。
T)したって…
J)SEX。
T)違いますよっっ!!///


Tくんの顔は真っ赤で
酒のせいなのか何なのか
もはやわからない。


J)だって…「した」って…
T)し、し、したのは
  …キ、キ、キス…で…っ
  SEXなんてしてません!!///
J)え……
T)そんな寝てる女に…そんなことっ
J)……


なんだ…キスか…

いや、Tくんにしたら大事件なんだな、うん。


T)まぁ…キスはしちゃったから…
  同罪かも…しんないけど…
  てゆーか…あれがなかったら…
  最後までしちゃってたかも
  しんないけど……
J)……あれ?…って?
T)…っ
J)……
T)夢中で…キス…してて…
J)……
T)あいつも…それに応えてくれてて…
J)……
T)そしたら…言われたんです。
J)……
T)大好き…、臣くん…って……
J)…っ
T)……


そう言ってTくんはまた俯いた。


J)……


いつも側にいてくれるTくんにほだされて
姫もTくんを好きになって
酒の力を借りて
そういう事になったのかと思いきや…

全然違った。

俺の「おめでとう」はどこへ……


そうか……


姫の心の中には
やっぱり登坂くんがいるんだ。


J)じゃあ…
T)…っ
J)姫は登坂くんだと思って
  Tくんに甘えてきてたってこと?
T)……
J)……


そんな明らさまに凹まないでよ…w


T)…なん…か…
J)……
T)寝ぼけてるのは…わかってたし…
  酔った勢いだとしても…
  それでもいいから
  押しきろうかなんて…思ったんですけど…
J)……
T)あいつの名前出された瞬間…
  一瞬、頭真っ白になって…
J)……
T)俺はこんなにこいつのことが好きで
  こんなに愛しいと思ってんのに…
  こいつは俺のこと…
  あいつだと思ってんのかよ、って…
J)……
T)そしたら一気に目…覚めました。
J)……
T)はぁぁぁ……


ごつっ…


T)俺が…欲しいのは…
  そーゆーのじゃなくて……
J)……
T)あいつの…「気持ち」だもん……
J)……


テーブルに額をつけたまま
子供のように拗ねた声のTくん。


J)よく途中でやめれたね…
T)……


本当は抱きたくて仕方なかっただろうに…

それでも…
気持ちのない姫は抱きたくなかったんだ。

Tくんらしいなぁ…


T)何も…できなくなって…
J)……
T)ただ…朝までずっと…
J)……
T)抱きしめて…ました…
J)……



ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪


J)あ…Mちゃんだ。


ピッ

J『もしもしー?』
M『あ、Jさん〜〜〜♡
  今何してますかぁ?
  もうお家帰っちゃいましたぁ?』
J『いやー?』
M『ちょっと相談したいことがあってぇ♡』
J『相談?』
海『ちょっ、待ってください!Mさん!//』
J『ん??』


今の声は…海璃ちゃんかな?


M『これから一緒に飲みませんかぁ?』
J『……』
M『今どこですかぁ?一人ですか?』
J『いや……
  べろんべろんなTくんと二人w』
M『えっ!Tさんもいるんですか?!
  それは…うーん……
  いや、でもいっか!!
  海璃ちゃん!!行こっっ!!』
海『えええっっ!///』
M『どこのお店ですかぁ??♡』


ーーー


そして二人はすぐに飛んできた。


まぁ察するに…

二人で飲んでて
海璃ちゃんがTくんを好きだって話になって

じゃあ俺に相談しよう
的な流れになり

予想外に本人がいたけど
それはそれでいっか!って流れね?Mちゃん。


M)わぁ…Tさん…顔まっかっか〜〜
T)んん…っ
海)大丈夫ですか…?
T)あれ……、海璃…だ……
M(ほら、隣座って♡)
海(えっ///)
M(早くっ!♡)
海(……///)
J)……


海璃ちゃんがおずおずと
Tくんの隣に座った。


海)あ、あの…っ//
  お水…飲みますか??
T)んーー……らいじょーぶ…
  俺のことは…ほっといて…
海)えっ…
T)どうしようもない…ダメ男らから……
海)…っ
T)はぁぁ……
M)相当酔ってますねw
J)ガンガン飲んでたからねぇw
海)Tさんは…
T)ふゃぁ……
海)Tさんはダメ男なんかじゃありませんっ!
T)へ……?
海)Tさんは…すごく優しくって
  男らしくて…素敵な人ですっ!!!
T)……
海)はっ…///
M)……
J)……


そんな酔っ払い相手に…
健気だなぁ…海璃ちゃん。

その言葉が
ちゃんと記憶に残ってるといいけど…


T)お前は…いっつも…俺にぃ…
  気ぃ遣って…ばっかりだなぁ……
海)そ、そんなんじゃないですっ!!
T)ほんと…優しいんら…な……
海)…っ


Tくんがテーブルに頭を乗せたまま
海璃ちゃんの頭に手を伸ばした。


T)んー、いい子いい子ーーー
海)…っ///
M)Tさんっ!!
T)んーー……
M)なんかTさんと海璃ちゃんて
  お似合いだな〜〜♡♡
J)ぶっww


アシストするにしても
もっと上手に出来ないかな…w

つい吹き出した俺を見て
Mちゃんが頬を膨らませた。


M)Tさんもたまには
  他の女の子に目を向けたらどうですかぁ?
T)へ……?
M)海璃ちゃんなんて
  身近で一番お手頃キャラですよ♡
海)ちょ、Mさんっ!!///
T)…なに…言ってんだよ……
海)…っ
T)こんな…いい子に…
  俺みたいな…おっさん……
海)Tさんはおっさんなんかじゃ
  ありませんっっ!!!!
T)へ…っ
海)Tさんは…カッコイイんだから…
  すごくカッコイイんだからっ!!!
T)……
海)はっ…///
M)……
J)……


ほんと海璃ちゃんはなんか…
姫に似てるなぁ…w


T)お前…ほんといい奴だなぁ…、はぁ…
  …こんなおっさんに…ありがと…
海)…っ
M)ほらぁ〜!
  こんな良い子いないですよぉ!
T)……海璃は…なんか…
  可愛い…妹…みたいなもんだから…


なでなで…


海)////
T)お前…ほんとに……
海)…っ
T)かわいいなぁ……w
海)えっ…


なでなで…


海)////
T)なんか…いつも…一生懸命…で…
海)……
T)…ほっとけなく…て…
海)……


海璃ちゃんを撫でてたTくんの手が
パタリとソファーに落ちた。


T)…いつも…一人で…泣いてて…
海)……え?
T)…たまには…俺に……
海)……
T)……
海)……
T)…♡……
海)…っ


最後に姫の名前を呼んで
Tくんは動かなくなった。


M)寝ちゃった……
J)だねぇ……
M)海璃ちゃんを先輩と間違うなんて…
J)罪な男だねぇ…
M)もぉぉぉ……
海)……
J)Tくんは鈍いから…
  好きなら好きって言わないと
  なかなか伝わらないと思うよー?
海)えっ!!!!
J)……
海)////
J)そして案外…
  はっきり好きだって言ってみれば…
  急に意識し始めるかも…
海)えっ…///


なんて…
それはどうかわかんないけど。


M)よしっ!海璃ちゃんっ!
  もう告白しちゃえっ!!
海)えええっっ!!!
M)とりあえず返事はいらないからって
  気持ちだけ伝えて…
  そこからガンガンアプローチして…
  Tさんの心に入り込む作戦!!
J)……
M)ねっ!Jさんっ!!


目を輝かせながら俺を見てきた。


J)くくくく…w
M)えっ…
J)おせっかいw
M)…っ///


まぁそんなところが
この子の良いところでもあるんだけど…


J)うん、いいんじゃない?その作戦で。
M)ほらっ!海璃ちゃんっ♡
海)……


浮かない表情の海璃ちゃん。


J)相手が誰を好きだとか
  今自分がこうすることで
  相手がこうなっちゃうんじゃないかとか
  余計なこと考えてたら
  いつまで経っても動けないよー?
海)…っ
J)恋愛なんて
  ワガママになったもん勝ちだよ。
M)わお……
J)自分の気持ちを優先して動いたって
  バチなんか当たんないよ。
海)…っ


たぶん海璃ちゃんは
すごく周りを見てる子だから…

Tくんと姫の微妙な関係性を気にして
動き出せずにいるんだろう。


T)んん……


こてん……


海)…っ///


Tくんが寝返りを打って
海璃ちゃんの肩に頭を乗せた。


海)////


海璃ちゃんは硬直して動けなくなってる。


J)ぶくくくwww
海)えっ…//
J)ほんと可愛いね?海璃ちゃん…w
海)////
M)えい…っ、写メ撮っちゃえw
J)こらこらw
海)……♡さんだと…思ってるのかな……
T)…スー……スー……
海)……
J)……


登坂くんだと思われて
ショックを受けてたのに

姫だと思って
すやすや眠ってるTくん。


J)うまくいかないもんだねぇ…
M)え…?あっ、帰るんですか?
J)二人はゆっくりしてって♪
M)えっ!こんなに?!
J)Tくん相当飲んでたからw
  これだけあれば足りるでしょ。
  それじゃ。
M)ありがとうございます!!
  ごちそうになりますっ!
海)ありがとうございますっ!!
J)じゃあお疲れ〜〜〜



ー続ー

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