マ)ま〜たフォロワー増えてるぞーー
バラエティ出るたび増えるなw
R)ふん。
マ)少しは喜べよw
マネージャーは嬉しそうにしてるけど
あたしは正直フォロワー数なんて
どうでもいい。
マ)スポンサーの〇〇さんがさ、
またお前と食事したいって
言ってるらしいぞ。
R)やだってば。
あのおじさんしつこいんだもん!
マ)毎回ジョークっぽく枕誘ってくるもんなw
R)冗談じゃないっつーの!
ジョークっぽく言ってたって
下心見え見え!
セクハラでしょあんなの。
マ)あ、そうだ。
年明けの雑誌の撮影さ、
誰か対談したい人とかいますかー?
って聞かれてんだけど。
R)登坂さん!!!!
マ)…って言うと思ったw
R)男でもいいの?
マ)むしろ男でって言われてるぞw
R)じゃあ絶対登坂さん!!
マ)ほんっと好きだね〜〜〜w
大好きだもん。
ずっとずっと、好きだった。
登坂さんがデビューした時からずっと。
何が好きって…
なんかもう全部好きなのよね。
あたしのタイプ、どストライクなんだもん。
大好きすぎて…
イベントやLIVEにも
変装してこっそり行ってるし
同じ業界だから
いつかどこかで会えないかなって
ずっと期待してて…
なのにやっと会えたと思ったら、
あんなんで。
マ)まだ落とせないの?登坂さんw
R)だって…彼女いるんだもん…。
マ)そんなん関係ねーだろw
R)…っ
マ)こっちはもう押しも押されぬ
大女優だぜー?w
共演する俳優たちから
毎回口説かれてるくらいなのに
そんなお前でもダメなの?w
あたしだって…
正直、もっと簡単だと思ってた。
三代目なんて遊んでるって聞くし、
いつも通りぶりっこして言い寄れば
上手くいくと思ってたのに…
なのにやっと会えたあの日。
「いや、ほんとに無理です。すいません。」
たかだか連絡先交換さえ断られて。
「俺は自分の大事な彼女
泣かすわけにいかないんで。
…もういいだろ?帰れよ。」
迷惑そうにそんなこと言われて、
プライドもなんもあったもんじゃない。
その「大事な彼女」とやらに
一気に腹が立って
別れればいいのにって思って。
嫌がらせで、誤解されそうな手紙を
こっそりポケットに入れてやったのに…
「んなことで別れねーし。
お前ほんと性格わりーな。」
とか言われて!!
おまけに無謀にもこのあたしを倒すとか
ほざいてたって聞いて…
一般人のくせに
どんな女なのよって思ってたら…
アカデミー賞のパーティーで
誰より視線を集めてて
登坂さんなんて
見たことないくらい優しい顔で
甘やかしてて…
その光景を見てすごくショックだったし
イラっときて、
思わず「ブス!!!」って言い放ったら
ショックな顔してたっけ。
ほんと邪魔な女。
それにただの一般人だと思ってたら
なんかちょこちょこ雑誌とか出始めて。
「あ、姫さんですか?♡
姫さんすっごくいい人なんですよー。
雑用のスタッフの名前とかまで
覚えててくれたりして…」
「あたしの友達も言ってました!
真夏の炎天下の中、
わざわざ機材片付けるの
手伝ってくれたりしたって。」
「いつもニコニコ元気で優しいって
スタッフから好かれてるんですよねー」
楽屋でたまたまあの女のページを
見てただけなのに
ヘアメイクの人たちから
そんな余計な情報まで聞いたりして、
イライライラ。
なんなの?
雑用は雑用をするためにそこにいるんでしょ?
それで金もらってんだから
なんで手伝う必要があるわけ?
スタッフに媚び売ってるだけじゃん。
嫌な女!
それに、カメラマンからも聞いた噂。
あの子、自分の撮影の後、
一切自分の画像をチェックしないって。
どんだけやる気ないのよ?
プロ失格じゃない!
ってあたしは思ったけど…
「あの子は自分に執着がないんだよ、
あんなに可愛いのに。
それに、自分には写真を撮る才能も
写真を選ぶ才能もあるわけじゃないから
そこはプロにお任せしたいです、って
そういう理由で関与しないんだ。
なるほどって思ったよね〜〜〜
まぁほんと写りがいいから、
ハズレがない子なんだけどねーーw」
とか嬉しそうに話してる
バカカメラマンもいたっけ。
R)はぁ。
あの女のこと考えてたら
また腹が立ってきた。
大体あいつ、ほんと何なの?
4日前のパーティーだって…
「臣くんにおっぱい押し当てるのやめて!!」
「毎回毎回おっぱいむにむにされてぇ…っ」
C程度の女に子供みたいに嫉妬して。
「中身はガキじゃんw
いちいちあんなのにヤキモチ妬いて
バッカみたい。」
あたしの言葉にも
何一つ言い返せないようなバカ女。
てか工さん、あれ絶対あの女に
気があったわよね。間違いないわ。
登坂さんから略奪してくれればいいのに。
あたしはほんと
ああいう天然ぶったバカ女が
一番嫌いなのよ!
登坂さん見る目なさすぎ!!
見た目に騙されてるだけでしょ、絶対。
あたし、諦めないから…!!
マ)じゃあ一応登坂さんで
希望出しとくぞー
R)は?何が?
マ)何がって…雑誌の対談だって!w
R)ああ、うん、お願い。
マ)ぼけっとしてんなよーw
R)してないわよっ。
マネージャーはあたしの頭をコツンと叩いて
楽屋を出て行った。
歳はあたしより2個上の
お兄ちゃんみたいな奴。
って言ってもあたしに上の兄姉はいないけど。
うちは今の時代に珍しく5人兄弟で
あたしの下に4人もいる。
お母さんは末っ子を生んですぐに
病気で亡くなったから
お父さんが男手一つで必死にあたし達を
育ててくれて…。
あたしは少しでもお父さんを助けたくて
下の子たちのために何かしてあげたくて
この容姿を生かして芸能界に入った。
顔は可愛いしスタイルだっていいし
苦労するなんて思ってなかったのに
最初は不本意にもグラビアをやらされて。
こんなおっぱい、
なかったら良かったのになんて
思ったりもした。
でもせっせと努力を重ねて
オーディションを勝ち抜いて
今は女優としての地位を確立できたし
歌も出せてそこそこ成功してるし
経済的な面で言えばもう一生分稼いだから
いつ辞めてもいい。
よっぽどのことがない限り
家族がお金で困ることもないと思うし。
それとプラスして
登坂さんに素直になれって言われたから
もうぶりっこするのも面倒くさくなって
愛想を振り撒きまくってた
今までのキャラをやめて
言いたいことを言うようにしたら
勝手に「毒舌キャラに転身」とか言われて
また人気が出てきて。
意味わかんない、この世界。
マ)登坂さんさぁ、
毒舌キャラがタイプじゃないんじゃない?
R)は?
お茶を買って戻ってきたマネージャーが
いきなりそんなことを言ってきた。
R)知らないわよ、タイプなんて。
前にぶりっこして迫ったけど
ダメだったんだから。
マ)あ、そっちのキャラでもダメだったんだ?
R)ふんっ。
マ)お前、可愛いのになぁ?
R)子供扱いしないで!
あたしは頭を撫でてきた
マネージャーの手を払いのけて
楽屋を出た。
あたしのお茶も買ってきてよ。
気の利かない男ね。
男)今日Rちゃん来てるんでしたっけ?
男)ええ、収録で。
男)あの子好きなんだよなーーw
男)今めちゃめちゃ人気ありますよね。
男)だって可愛いもんw
あのツンとしてるとこがたまらんw
男)毒舌キャラになってからの方が
いいですよねーー
男)うん、キャラも立ってるし
俺のタイプでもある。
男)あはははw
自販機の方から話し声が聞こえてきて
あたしはゆっくり足を止めた。
男)でもあの子、ぜーったい
枕してくんないんすよw
男)お堅いって噂だよなーー
男)AKBならすぐヤラせてくれんのになー
男)そうそうw
最近、E-Girlsもチョロいっすよw
男)あ、俺この間Amiとホテル行ったw
男)まじで?w
男)しかもその後も向こうから連絡来てさー
会いたいですとか言ってくんの。
男)オイシイじゃんw
男)でも別に普通だったけどw
はぁ、下品な会話。ほんと嫌になる。
あーゆー男どもって
女をなんだと思ってるわけ?
あんなのと寝る女も女だけど。
仕事のために
自分の身体とプライドを売り捨てるなんて
あたしは絶対に嫌。
冗談じゃない。
C)あ、Rさん、お疲れさまでぇーす♡
げ。
プロデューサーの腕に
おっぱいを押し付けながら
Cが歩いてきた。
男)あ、ごめんね、Rちゃんw
前に言ってた仕事、
Cちゃんにまわっちゃって…へへ///
はいはい、どうせ寝たんでしょ。
そんな仕事要りませんよ。
C)Rさんは売れっ子で忙しいからぁ
あたしが代わりに頑張りまぁーす♡
男)うん、へへへ///
C)……ね、早く行きましょ?♡
男)うん///
デレデレしてバカみたい。きもっ!!
あの子も手当たり次第枕しまくって
恥ずかしくないわけ?
周りから「そのうちどうせすぐ脱ぐ」って
言われてんの、知らないの?
男)あ、Rちゃん、おはよう。
R)おはようございます。
男)またご飯行きたいなー
相変わらず忙しいの?
R)はい、ごめんなさいw
この人は前に共演した俳優さんで
一回そういう関係になった人。
あたしは枕は死んでもしないけど
いいなと思う人から誘われたら
そりゃデートだってするし
場合によってはそういうことだってする。
でも本気で恋愛することはなくて
どれも遊びみたいな感じ。
適当に楽しい時間を過ごして、それで終わり。
だってあたしが好きなのは登坂さんだから。
マ)よーし、じゃあ今日は上がりだなー
R)ふぅ、疲れた。
マ)お疲れさん。
収録を終えて、楽屋で一息ついて。
携帯を開くと
NAOTOさんから待ってるよーって
LINEが来てた。
マ)SEVENのパーティー行くんだろ?
場所どこだっけ?
R)南青山。
マ)OK。送ってくよ。
R)ありがと。
正直NAOTOさんのブランドは
どうでもいいし興味ないんだけど
登坂さんに会えるから行くだけ。
彼女も来るって言ってたから
それだけが気に入らないけど。
来なきゃいいのに…。
マ)ほい、着いたぞーー。
今日こそ頑張って
登坂さん落としてこいよーーw
R)うるっさいわね!//
マ)あははは、じゃーなw
車を降りて地下に降りるとすぐに
NAOTOさんが笑顔で迎えてくれた。
N)Rちゃん!
来てくれてありがと〜〜
どうぞどうぞ、入って入って♡
R)どうも。
登坂さんはまだ来てないのかな。
モデルが何人かうろうろしてるけど。
♡)NAOTOさーーん!♡
N)お!♡ちゃん!
げ!出た、バカ女!
臣)NAOTOさん、見て見てーー
ちゃんとSEVEN着せてきた♡
N)ほんとだーー!
偉いじゃん♡ちゃん!w
♡)えへへへーー♡
N)ええ?!この服がこうなっちゃうの?
えええ〜〜??
臣)可愛いでしょ。
♡)臣くんがコーディネートしてくれました♡
N)すごいな…。
普通にレディースみたい。可愛い。
臣)えっへん!
♡)えっへん♡
N)あはははw
……何あのバカップル。
二人の後ろには黒髪ロングの美人と
可愛いけど背が小さい人がいて…
モデルとかではなさそうだけど
二人の知り合いかな?
◇)あっ、Rちゃんだ!
わっ!目が合った!
◇)いきなりごめんなさいw
あたし、◇っていいます。
いつも見てますー♡
R)…っ、ありがとうございます。
◇)実物もかわいー♡
R)……///
◇)Rちゃん、裏表なくて
いつもズバズバ言ってて
大好きなんだーーw
R)ありがとうございますw
なんだか気さくな人だな。
臣)よっ、お前も来たんだ。
R)…っ、な、何よ、悪い?!
いきなり話しかけられて
また可愛くない言い方しちゃった。
臣)NAOTOさんに熱心に誘われてたもんなw
R)たまたま時間があったから来ただけ!
本当は登坂さんに会いたかったからだけど…
R)ね、ねぇ…っ
臣)ん?
R)……VMAJ、おめでとう。
臣)ああ、知ってんの?ありがとw
R)あのMVカッコイイから…
あたしも好きだもん///
今度はちゃんと素直に言えた。
臣)お前三代目のMVとか見んの?w
R)は?
あたし、ファンだって言ってるじゃん!
覚えてないわけ!?
臣)ありがとうございまーすw
何そのテキトーな感じ。
ムカつく。
♡)あっ…
げ。バカ女がこっちに気付いた。
友達と喋ってればいいのに。
あたしを見てあからさまに嫌な顔してる。
あたしだってあんたなんか
大っ嫌いだっつーの!
健)お!Rちゃんやーーん!♡
R)あ、山下さん…。
臣)健ちゃん撮影終わったの?
健)おう。せやからまっすぐ来たわ!
今は岩ちゃんが頑張ってるw
臣)そっか、お疲れ。
健)なんや、無難なニット選んだな?
臣)いや、だってw
まだレパートリー少ないんだもんw
俺はこの青ジャケを散々宣伝してるから
褒めてほしいくらいだよ。
健)あっはっはw
それは臣ちゃんにしか似合わんわ!w
山下さんは豪快に笑った後、
「てか腹減ってんけど!」って言い出して…
奥に用意されてる料理の方を見て
目を輝かせた。
健)Rちゃん一人で来たん?
R)あ、はい…。
健)飯食お、飯!あっち行こw
R)あっ…
山下さんに手を引かれて移動すると
あたしがいなくなったのをいいことに
バカ女が登坂さんの隣に戻ってきた。
……ムカつく…!!
健)ほい、かんぱーい!
R)……乾杯。
なんか楽しそうに話してる。
登坂さん、笑ってる…。
健)あ、これウマーーー♪
ほら、自分も食べぇや。
あんな笑顔…
あたしには見せてくれないくせに…。
健)これも美味いわぁ〜〜♪
……早く…別れればいいのに…。
健)……そんなに臣ちゃん気になる…?w
R)…っ
健)あ、やっとこっち向いたw
R)……ごめんなさい。
健)いや、ええねんけど…w
好きなんやろ?臣ちゃん。
R)////
その質問に、勝手に顔が熱くなって
自分でもびっくりした。
健)なんやそのめっちゃ可愛い素直な反応はw
R)////
健)そんなに大好きなん?
R)////
健)あいつただの変態やで?
R)え…。
健)ど変態!しかも救いようのない彼氏バカ!
あ、彼女バカか?どっちや?
親バカは親バカ言うから…
やっぱり「彼氏バカ」か!
山下さんは料理をもぐもぐ頬張りながら
笑ってる。
健)もっとええ男、他におんでー?
R)……。
あたしは登坂さんがいいんだもん。
あたしがどれだけずっと好きだと思ってんの。
健)あ、来た来た。
臣ちゃーん!こっちこっちー!
え!呼ぶの!?ここに!?
確かにテーブル広いけど…
R)…っ
ほら!バカ女まで一緒に来ちゃったじゃん!
♡)……。
R)……。
なんか微妙な顔してますけど
こっちだってあんたなんか嫌なんですー!!
臣)めっちゃ食ってんじゃん、健ちゃんw
健)腹減っててんもん!
K)あたしも腹減ったーー。
腹減った!?
何この人、美人のくせに口悪っ!
健)おう、みんなで食おうや。
◇)じゃあ失礼しまーす。
あたしRちゃんの隣座っちゃおーっと♡
R)あ、はい。
♡)「Rちゃん」?!
◇)ん?
♡)……なんでも…ない。
◇さんがあたしのファンなのが
納得いかないのか、
バカ女が驚いたような顔してる。ふんっ。
臣)え、なになに?
◇ちゃん、こいつのこと好きなの?
R)ちょっと!指差さないでよ!
「こいつ」って何!!
ほんとは構ってもらえて嬉しいのに
また憎まれ口叩いちゃった。
バカだな、あたし…。
◇)うん、さっきちょっと話したんだけど…
大好きなんだよねー♡
臣)へぇ、意外。
あ、でもツンデレ同士、気が合うのか?w
R)は?あたし別にツンデレじゃ…
…って、◇さん、ツンデレなんですか?
◇)ええと…、よくそう言われますw
R)そうなんだ…。
こんなに気さくで可愛い人なのに
彼氏には違うのかな?
◇)臣さんたちはRちゃんと仲良いんですか?
臣)別に仲良いってほどじゃ…、なぁ?w
R)いたって普通です。
臣)ほら、こんな感じw
可愛くねーだろ?w
◇)あははは、こーゆーとこが好きーw
臣)クソ生意気な妹みたいなもんだよ。
◇)そうなんだーーw
♡)妹…?
あ、バカ女がなんか不満そうな顔してる。
K)これウマーー!!
健)せやろ?これも美味いねんで!
K)ちょーだい!食べたい!
健)Kちゃん…べっぴんさんやのに
豪快に食うなぁw
K)顔と食欲は関係ない!!
健)まぁ確かにそうやわ!あはははっw
隣の二人は料理に夢中だし
なんなのよこのテーブル。
バカ女さえいなきゃ
登坂さんと話せて嬉しい時間なのに。
◇)あ、そーだ、健さん!
実は相談があって!
健)おう、なんやなんや。
◇)絶対内緒にしてくれます?
健)……金取んで。
◇)なんでやねん。
健)あはははっw
え、え、ちょっと。
席が変わったせいで
あたしがバカ女の隣になったんですけどー!
K)あんた食べないの?
♡)……食べる。
登坂さんはあっち行っちゃって
NIGOさんとかと喋ってるし…
K)Rちゃんとやらも。食べないの?
R)……あ、いただきます。
K)ほい。
仕方なくチビチビと料理に手をつけた。
R)いたっ。
♡)え?
R)ちょっと。
♡)あ、ごめんね。
バカ女のクラッチに髪を挟まれたんですけど。
R)ごめんね、って何?
♡)えっ…
R)あたしの方が先輩なんだから
敬語使いなさいよ。
そんな常識も知らないの?
♡)…っ
R)何よその顔。
♡)すみませんでした…。
R)ふん!
わかればいいのよ、わかれば。
R)いつ別れるの?
♡)は?
R)登坂さんと。
♡)…っ、別れないし!
あ、別れないです…。
わざわざ律儀に敬語に言い直してやんの。
バッカみたい。
R)自分が登坂さんと釣り合うとか
思ってんの?
♡)え…っ
R)まだ無名に近いような
たかがモデルの分際でw
♡)…っ
R)ほんと図々しい女。
♡)……。
ほら、何も言い返せない。
この間と一緒。
情けない女!
登坂さんと付き合ってるとか
バカな嘘ついて自作自演して
ファンに叩かれまくってるCだって
身の程を知らなすぎなのよ。
あたしは違う。
Cとも、このバカ女とも。
名実ともにあたしほど登坂さんに
相応しい女は他にいないもん。
K)あんた臣広が好きなの?
R)えっ…
何よ。聞こえてたの?
てか「臣広」って何。
登坂さんのことよね?
K)それともただ単に
♡に嫉妬してるパターン?
R)は!?あたしは嫉妬なんて…
なんでこんな女に嫉妬なんか
しなきゃなんないのよ。
K)おい。
R)何よ!
K)年上なんだから敬語使えや。
R)え…っ
K)あたしは芸能人じゃないから
あんたは先輩でもなんでもない。
年上には敬語使え。常識だろ。
R)…っ、すみません…。
なんなのこの人。
美女に凄まれると迫力負けするんですけど…。
健)ん…?
◇)ちょ、どうしたの…?
あ。
異様な雰囲気に気付いたのか
話し込んでた二人がこっちを見た。
K)べっつにーー。
生意気なクソガキだなと思ってーー。
◇)ええ?!Rちゃんのこと!?
K)そ!
◇)違うよー!Rちゃんは毒舌キャラだけど
生意気とかじゃないよー!
誤解されやすいんだよ。ね?
R)…っ
何この人。優しい。
◇)あたしは大好きだよーん♡
◇さんはニッコリ笑って
あたしの頭を撫でてくれた。
R)◇さんだったら良かったのに…。
◇)え?
R)登坂さんの彼女。
◇)登坂さんの…彼女…??
へ?
………えええ!?な、なんで!?
R)こんな人じゃなくて。
あたしがビシッと指さすと
バカ女はほっぺを膨らませて口を尖らせた。
何それ。
その顔が可愛いとか思ってんの?
ほんと何してもムカつく女!
健)ぶっw
臣ちゃんにミス東大の彼氏は
荷が重いやろ…w
R)えっ…、ミス…東大?
◇)ちょっと健さん、それやめて///
健)ははははw
ん…?
もしかして…
R)二人がお付き合いされてるんですか?
◇)へ!?
R)山下さんと、◇さん。
健)どええ!??
ちゃうよ、ちゃうちゃう!
◇)ちゃうで!!
R)こんな息ぴったりなのに…
◇健)ちゃうちゃう!!!
そう言った二人は仲良くハモったことに
顔を見合わせて笑い出した。
K)◇ちゃん、山下健二郎といる時は
関西弁になるよねw
◇)あ、ついついつられちゃって…w
健)ははははw
でも俺の彼女ちゃうでw
山下健二郎は現在フリーですw
R)ふーん…。
健)興味なさそっ!!
◇)あはははっw
……って、さっきの何やったん?
臣さんの彼女って…
健)はは…、Rちゃん臣ちゃん好きやから…w
◇)へ!?
ど、え?えええ!?
◇さんは慌てたように
バカ女とあたしを何度も目線で
行ったり来たりした。
◇)だって…、彼女…やで?
R)認めてません。
◇)ええ!?
てかなんで臣さん?!
あの人、ど変態やで!??
健)ぶっw
◇)おまけにほんっっまに彼女しか見えてへん
究極の彼氏バカやで!?
健)そうそう、俺もそう言うてんけど。
◇)悪いこと言わんからやめとき?
R)やです!!
◇)ええっ!!
やめれるならとっくにやめてる。
そんな簡単な話じゃないんだもん。
R)あたし、本当に登坂さんが好き。
そう真っ直ぐに宣言すると、
♡)私だって好きだもん!!!
バカ女が応戦してきた。
♡)すっごくすっごくすっごく
大好きだもん!!
臣くんを好きな気持ちは
絶対絶対負けないもんっ!!
R)あたしだって好きだもん!!
誰にも負けないくらい好きだもん!!
健)うぉぉぉ……っ
女の火花がバチバチバチ…
◇)どうしよ健さん…
K)どうもこうもないっしょ。
「彼女」は♡なんだから。
♡)違うのっ!そーゆーんじゃないの!
K)はぁ??
♡)私が彼女なことは関係ないもん!
R)何よそれ。そーゆーとこが
ムカつくって言ってんの!
♡)はぁ?!
R)彼女だって勝ち誇ればいいじゃない!
どこまでもいい子ぶってムカつく!
♡)別に彼女なことは
勝ち誇れることじゃないもん!!
R)はぁ!?
♡)彼女っていう立場に
甘えるつもりないもん!
でも私は臣くんが大好きだし
これから先もずっとずっと大好きだから!
R)…っ
◇)まぁまぁ、お二人さん…
そろそろそのへんにしときましょ…w
臣)腹減ったーーー!俺も食いたい!
健)あ、戻ってきた…。
……シーン。
ー続ー
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