[333]苦しい涙(RSide)

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臣)あれ?なに?どした?
健)いや…別に…。
K)腹減ってんなら食えよ、ほら。
臣)おう、さんきゅ。
 
 
あたしたちがバチバチしてたとも知らないで
呑気な登坂さん。
 
 
臣)何?どしたの?何話してたの?
◇)いや、ええと…
  Rちゃんが芸能界入りしたのは
  どんなきっかけー?なんて話を、ね?
健)へ!?
  あ、そうそう、そんな話をしててんw
 
 
なんかよくわかんないフォローをされた。
 
 
臣)ふーん、で?
R)え?
臣)どんなきっかけなの?
R)…っ
 
 
登坂さんがあたしの目を見て聞いてくれてる。
それだけで、なんかすごく嬉しい。
 
 
R)……家族の…ため。
臣)へ?家族?
R)そう。
健)実家、貧乏なん?
◇)ちょ、健さん!聞き方!
健)ああ、ごめん。
R)まぁそんなとこです。
  うち下に妹弟が多いから…
  少しでも家計を助けたくて…
臣)へぇ…偉いじゃん。なんか意外。
R)意外って何よ!
臣)だってお前ワガママじゃんw
  そんなしっかりした話、意外すぎるわw
R)ワガママって何!失礼しちゃう!
 
 
そんな言い合いをしてたら
なんかバカ女が神妙な顔であたしを見てて。
 
 
R)何よ。
♡)ううん、大変だったんだなぁって思って…
  あ、えっと…思いまして…
  あ、違う、思いました。
 
 
バカじゃないの。
必死に敬語使おうとして。
 
 
R)そうよ。大変だったの。
  うちお母さんが死んじゃったから。
 
 
妹や弟の世話で毎日忙しくて
本当に大変だった。
 
 
R)あなたみたいに
  お父さんやお母さんに甘やかされて
  育った人にはわからないでしょーけど。
♡)……。
 
 
美人なお母さんとのツーショットを載せて
ちやほやされて。
 
あれもほんとムカついたのよね。
 
 
K)おいコラ。
R)な、なんですか…。
K)人の境遇も知らないで
  勝手に決めつけてんじゃねーよ。謝れ。
R)…っ
 
 
いきなり美女に凄まれて固まってると
隣で◇さんが教えてくれた。
 
「♡ちゃんのお父さんも亡くなってるんだよ」
って。
 
 
……そんなの、知らなかったし…。
 
 
R)……ごめん…なさい。
♡)ううん。
K)こんのクソガキが。
◇)まぁまぁまぁw
  ちゃんとごめんなさいって言える子は
  いい子だよ。ね?よしよし。
R)…っ
 
 
◇さんは優しい。
 
 
R)あたし…◇さんみたいなお姉ちゃんが
  欲しかった。
◇)ええ?!w
  あんね、それよく言われるーーw
健)あはははw
◇)実際あたし長女だしw
R)えっ、あたしと一緒?
◇)そうそう。弟と妹いるよーw
R)そう…なんだ…。
 
 
こんな気さくで優しくて
おまけにミス東大だなんて…
カッコイイ。
 
 
R)お友達になってください…。
◇)ええ!?あたし?!
  あたしなんかで良ければ、うん!
 
 
◇さんみたいな人が相手だったら
諦めついたのに…。
 
 
◇)じゃあLINE交換しよー♡
R)嬉しい…。
  ありがとうございます。
 
 
そうこうしてる間に
登坂さんはまたいなくなっちゃってて。
 
あ、バカ女と一緒にHIROさんと話してる。
 
あ、HIROさんと離れて二人になった。
 
あ、……なんか…楽しそう。
 
 
R)…っ
 
 
あたしは気付けばこんな風に
登坂さんを目で追ってるのに…
 
 
登坂さんは
あたしには絶対に向けてくれないような
甘い甘い笑顔で彼女を見つめてる。
 
「愛しくて仕方ない」って言うような
そんな顔。
 
 
その視線の先にいられるって
どんな気分なんだろう。
 
どれだけ幸せなんだろう。
 
 
どうして…あたしじゃないんだろう。
 
 
……なんて、感傷に浸ってる場合じゃない。
 
 
R)ねぇ!!
臣)ん?
R)連絡先教えて!!
 
 
バカ女がいなくなった隙に、
急いで席を立って隣をゲットした。
 
 
臣)なんで?連絡取ることなくない?
R)三代目の人たちとも
  もうみんな交換したもん。
  友達として。いいじゃん。
臣)ふーん、まぁいいけど。
 
 
うそっ!いいの!?
 
最初が最初なだけに…
こんなスムーズに教えてもらえるなんて…
 
 
R)////
 
 
嬉しくて、どうしよう。
 
 
臣)はい。
R)あ、ありがと…///
臣)おう。
 
 
嬉しい。嬉しい。嬉しい。
手がちょっと震えてる。
 
 
臣)うちの彼女とは
  ちょっとは仲良くなれたー?
R)は…?
臣)は?って…w
  この間「大っ嫌いなタイプ」とか
  言ってたから。
R)大っ嫌いだけど。
臣)おいコラw
 
 
嫌いに決まってんじゃん
何言ってんの。
 
 
臣)お前は生意気だし口は悪いし
  素直じゃないし
  誤解されやすいかもしんないけど…
R)…っ
臣)あいつはちゃんとそういうの
  わかるやつだから。
 
 
何それ…。
 
だから?
 
だから仲良くしろって言いたいの?
 
何自分の彼女褒めちゃってんの?
 
 
R)バッカみたい。
臣)はぁ!?
R)みんな言ってた。
  登坂さんは究極の彼氏バカだって。
臣)おい、誰が言ってた。
  どーせ健ちゃんだろ。
R)みんなはみんな!
臣)……別にいーよ。実際そうだし。
R)…っ
 
 
何よその顔。
 
 
臣)俺ほんとに彼氏バカだもんw
 
 
やめて。
そんなこと言わないで。
 
そんな顔しないでよ…っ。
 
 
臣)ほんと好きすぎんだよねーーー
  もうどうなってんだろ…w
  ……ってなんでお前に
  こんなこと言ってんだ。
  キモいな俺。
R)ほんとキモい。
臣)こら!w
 
N)臣ーーー
 
臣)あ、はい!
  ちょっと行ってくるわ。
R)うん。
 
 
行っちゃった…。
NAOTOさんのバカ。
 
せっかく二人で話してたのに。 
 
 
……って言っても
ノロけられてただけだけど…。
 
 
R)はぁぁぁ……。
 
 
どうしたらこっちを見てくれるの。
 
なんであんなに彼女のことしか見てないの。
 
どこがいいの、あんなバカ女。
 
 
「♡ちゃんのお父さんも亡くなってるんだよ」
 
 
R)……。
 
 
苦労…してるのかな。
 
でもそんなのあたしだって一緒だし。
 
苦労してるからなんだってのよ。
 
そんなんで登坂さんの同情でも引いたわけ?
 
ムカつく…。
 
 
臣)ごめんごめん。
R)えっ…
 
 
びっくりした。
 
……戻ってきて…くれたの?
 
 
臣)あれ?なんだっけ?
R)////
 
 
どうしよう。すごく嬉しい。
わざわざあたしのところに
戻ってきてくれた。
 
 
臣)あれ?もう話終わってたっけ?w
R)終わってない!///
 
 
側にいて欲しいから、
慌ててそう言った。
 
 
R)登坂さんはなんでそんなに
  彼女のこと好きなの。
 
 
もうストレートに聞いてみよう。
敵を知らないと攻略法もわかんないもん。
 
 
臣)ああ、そんな話だっけ///
R)……。
 
 
照れてる顔も可愛くてキュンとする。
 
こんな顔させてるのがあのバカ女ってとこが
腹立つけど…。
 
 
臣)てかそんな話どうでもいいだろ!
  なんだよーー///
 
 
え、なんなの…。
すごい可愛いんだけど…///
 
 
R)…だって…、あの人、アホじゃん。
臣)ぶっw
  お前なぁ〜!確かにアホだけど!w
R)どこがいいのかわかんない。
臣)笑顔が可愛いじゃん。
R)可愛いっていうか
  ヘラヘラ間抜けな感じしかしない。
臣)こらw
R)いっつもヘラヘラしてて
  お気楽そうで。
臣)お前…ほんとにあいつのこと嫌いなの?w
R)そう言ってるじゃん!!
臣)なんでだよーーー
  俺は大好きなのに。
R)…っ
 
 
「大好き」っていうその言葉が…
 
自分に言われたわけじゃないって
わかってるのに、
目の前で言われた破壊力がすごくて…
 
 
R)////
 
 
ドキドキするなんて、バカみたい。
 
 
R)笑顔が可愛いって…
  ただの見た目じゃん!
  顔がタイプなだけじゃなんじゃないの。
 
 
そんな程度なら早く別れてよ。
 
 
臣)顔がタイプ…?
  まぁ可愛いけど…、うん。
  世界一可愛いけど。
R)はぁ?!世界一!?
  バッカじゃないの!!
 
 
あたしの方が断然可愛いし!!
 
 
臣)おう!だから俺は彼氏バカだって
  言ってんだろ!
R)ほんとバカ!バカすぎる!!
臣)そこは否定しませんw
R)…っ
臣)まぁ可愛いのは置いといてさ、
  なんつーか、全部好き。
  俺あいつの嫌いなとことかないもん。
R)……は?
 
 
何それ。
 
 
R)あんなアホなのに?
臣)お前はアホアホ失礼だぞ!w
  ……アホなとこも可愛いもん。
R)ガキくさいのに?
臣)そう?まぁ無邪気だけど…
  そこも可愛いもん。
R)くだらないヤキモチ妬くし!
臣)へ?ヤキモチ??
  でもヤキモチ妬いてるあいつ可愛いもん。
  俺、妬かれんのやじゃない。好き。
R)…っ
 
 
バカじゃないの!
何言っても、可愛い可愛いって…
 
 
R)全然色気ないのに!
  おっぱいだって小さいし!
臣)えー?あいつエロいよ?
R)は…?///
臣)って俺は何言ってんだ///
R)ほんとよ…。
臣)色気あるし…まぁ外ではなくていいけど…
  おっぱい小さい?
  丁度いいけど、俺には。
R)…っ
 
 
何それ。ムカつく。
ムカつく。
ムカつく。
 
 
臣)とにかくお前がいくら悪く言っても
  いくら嫌いでも
  俺は大好きなんですーー。
R)…っ
 
 
何よそれ。
からかうようにふざけて頭ぽんぽんしてきて。
 
 
臣)って、なんでこんな話になったんだっけ?
  お前、何が聞きたかったの?w
R)…っ、別に!!
臣)ふーーん。変な奴。
 
 
ムカつく。
ムカつく。
ムカつく。
 
 
R)あんたなんか大っ嫌い!!!
臣)はぁ!?
R)趣味悪っ!!!
 
 
思いっきり言い捨てて、逃げてきた。
 
 
R)…っ
 
 
なんか泣きそう。もうやだ。
 
 
健)お、Rちゃん、お酒いるかー?
 
 
なによ。
もうどうでもいいわよ。
 
 
R)飲む!!!!
 
 
飲んで飲んで、酔っ払ってやる!!
 
 
健)ほい。
 
 
ごくごくごく!!!
 
 
健)そ、そんな一気飲みせぇへんでも…w
R)おかわり!!
 
 
あたしは山下さんの言葉を無視して
とにかく飲みまくった。
 
 
健)もうやめとき…?
R)やだ!!!
 
 
飲まなきゃやってらんないわよ。
 
 
R)三代目なんか大っ嫌い!
健)おおお…嫌われたかーーw
R)レコ大取って人気出てきたからって
  調子乗んないでよね!!
健)はーい、すんまへーんw
R)大っ嫌い…っ
健)うん…。
R)大っ嫌い、登坂さんなんて…っ
健)うん…。
 
 
何よ、なんなのよ。
なんで頭撫でてんのよ。
 
 
R)弱ってるところに
  つけこもうとしてるでしょ。
健)え、そんなんちゃうけど…w
  弱ってるん?自分。
R)別に!!
健)臣ちゃんはやめときー言うたやん。
R)……知らない。
  嫌いだって言ってるでしょあんな人。
健)何がそんなに好きなんかなぁ…。
R)だから嫌いだって…
健)はいはいはい。
 
 
山下さんは困った子供をなだめるように
あたしをハグしてきた。
 
 
R)あたし、山下さんはやだからね。
健)なんでやw
R)Cとヤッた男なんてやだ。
健)ぶっ!!
 
 
あの子、NAOTOさんと山下さんとヤッたって
自慢してるんだから。
 
 
健)失敗したなぁ〜〜w
R)何がよ。
健)対象外にされるんやったら
  Cちゃんの誘惑に
  乗らんかったら良かった。
R)何言ってんの。
  関西人なんて口だけなんだから。
健)こら!関西悪く言う奴はこうやぞ!
R)ちょ、いたぁーーい!!
健)ははははw
R)何すんのよ!
健)やっと笑ったw
R)…っ
 
 
……なんかやだ。
この人といると調子狂う。
 
 
R)あたし、◇さんと話したい。
  山下さんもういらない。
健)こら!言葉を選べ!!
  ほんまにもう…w
  ◇ちゃんならあっちにおんで。
 
 
あたしは山下さんと別れて
◇さんのいるテーブルに向かったんだけど…
 
途中で、楽しそうに笑ってる登坂さんが
目に入って。
 
 
R)…っ
 
 
なんであたしの目はすぐに
登坂さんを見つけちゃうのかな。
 
 
……バカ女も近くにいない。
チャンスかも…。
 
あたしはやっぱり登坂さんのそばにいたい。
 
 
……よし。
さりげなく隣に座れた…!!
 
 
臣)だって直己さんだって
  なんだかんだ言って天然だもん!w
直)いや、天然で言うなら
  やっぱり隆二と岩ちゃんでしょw
臣)あの二人はわかりやすい天然!
  直己さんは隠れ天然!
直)隠れ…!?w
 
 
なんか楽しそうに話してる。
 
 
R)ねぇ…。
臣)そういえばこの間ー
R)ねぇってば。
 
 
全然気付いてくれないから
登坂さんのニットを少し引っ張ったら…
 
 
臣)んー?どうしたー?
R)…っ
 
 
登坂さんの声はいきなり優しくなって…
振り向いた顔は、
見たことないくらい甘かった。
 
 
R)////
 
 
……どうしよう。
胸が一気に音を立てる。
 
 
やっぱりあたし、この人が好き。
 
大好き。
 
 
臣)ああびっくりした、お前か。
  なに?
R)…っ
 
 
あたしだってわかると、
一瞬でいつもの登坂さんに戻っちゃった。
 
 
R)「お前か」って何よ!
臣)いや、あいつだと思った。
R)…っ
 
 
だからあんなに優しい声で優しい顔で
振り向いてくれたの…?
 
 
R)彼女の声もわかんないの?
  彼氏失格じゃない!?
 
 
悔しくて悲しくて、
また憎まれ口を叩いてしまう。
 
 
臣)声ちゃんと聞いてなかった。
  あいつよくこうやって
  可愛く引っ張ってくるから。
R)…っ
 
 
……胸がぎゅっと苦しくなる。
 
 
臣)なに?呼んだ?
R)なんでもない!!!
臣)あっそ。
 
 
あたしはその場を離れて
ホールの隅のソファーに腰掛けた。
 
 
R)…っ
 
 
もう…やだ…。
 
 
……嫌いって思ったって…好きだもん。
 
どうしたって…好きなんだもん…っ
 
 
R)ぐす…っ
 
 
苦しいよ…
どうしたらいいの…っ
 
 
◇)……Rちゃん…?
R)…っ
 
 
心配そうに声をかけてくれた◇さんは
あたしの顔を見て…
 
そっと隣に腰をおろして
あたしを抱きしめてくれた。
 
 
◇)どうしたーーー
R)…っ
 
 
その優しいぬくもりに
あたしは我慢してた涙が
一気にこぼれだした。
 
 
R)もぉ…やだぁ…っ
◇)うんうん…。
R)なんで…っ!なんで!!
◇)うん…。
 
 
なんでこんな苦しいのに好きなの。
 
なんで登坂さんが好きなのはあの子なの。
 
 
R)ぐすっ、ひっく…っ
 
 
羨ましくて、妬ましくて、苦しい。
 
……あの子になりたい。
 
 
登坂さんからあんな優しい声で話しかけられて
あんな甘い瞳で見つめてもらえる
あの子になりたい。
 
 
悔しくて、悲しくて、涙が止まらない。
 
 
R)こんなに…好きなのに…っ
◇)うん…。
R)大好きなのに…!
◇)うん…。
 
 
ずっとずっと見てたのに。
絶対あたしの方が好きなのに。
 
どうしてあたしは選んでもらえないの。
 
 
◇)つらいよね…。
R)ふぇぇぇ…っ
 
 
あの子が死ぬほど羨ましい。
 
 
◇)よしよし…。
R)ぐすっ、…ぐすっ…
 
 
……ほんとはわかってる。
 
 
「姫さんすっごくいい人なんですよー。」
 
「いつもニコニコ元気で優しいって
 スタッフから好かれてるんですよねー」
 
 
性格が悪い人間は
すぐにスタッフから嫌われる世界だから。
 
 
「なんつーか、全部好き。
 俺あいつの嫌いなとことかないもん。」
 
 
わかってる、きっとそうなんだって。
 
いい子なんだろうって。
 
 
でも、だから嫌なの。
悔しいの。
 
 
もっと嫌な女だったら良かったのに…
そしたらもっとボロクソに言ってやれるのに…
 
 
……って、あたしバカみたい。
 
 
「お前がいくら悪く言ってもいくら嫌いでも
 俺は大好きなんですーー。」
 
 
そうだよ。
結局登坂さんはあの子が好きなんだから。
 
あたしなんて出る幕ないんだよ。
 
 
R)◇さん…。
◇)んー?
R)ワガママ言ってもいい…?
◇)うん、どうしたー?
R)あたしもうここにいたくない。
 
 
ほら、また一緒にいるもん。
 
嬉しそうに愛おしそうに
あの子を見つめる登坂さんなんか
もう見たくない。
 
 
◇)よっし、じゃあ出よっか!
R)いいんですか…?
◇)いいよぉ!どっか行く?付き合うよー!
R)……カラオケ!カラオケ行きたい!
 
 
歌ってストレス発散したい!
 
 
◇)カラ…オケ…は…、
  すごいことになるけど…いい?
R)え?
 
 
なんだろう。
椅子に乗って踊ったりする人なのかな?
 
 
R)いいですよ!もうなんでもいいです!
◇)よっしゃ!わかった!行くか!!
 
 
覚悟を決めたように立ち上がった◇さんに
肩を組まれて
 
あたしは登坂さんに
思いっきりあっかんべーをして店を出た。
 
 
◇)臣さんびっくりしてたねw
R)いいんです!あんな男!
 
 
口でいくら罵ったって
心はまだ大好きだって言ってるけど…
 
 
◇)よっしゃ!今日は歌うぞーー!
R)おーーー!!
 
 
今は少し休ませて…。
 
好きすぎて、苦しいから。
 
 
◇)って、Rちゃん、
  あなた変装しなくて大丈夫なの?w
R)こんな時間だしいいんです。
  一緒に歩いてるの男じゃないし。
◇)おお、そうかw
  あたしだし、いっか!w
R)あたし…、友達とかあんまりいなくて…
◇)え?
R)◇さんが一緒にいてくれて…嬉しい。
◇)なんだよ可愛いなぁ〜〜もう!w
 
 
仲良くなりたいって思える人に出会えて
良かった。
 
 
学生時代は家事に忙しくて
友達と遊ぶ暇なんかなかったから
気付けば一人だったし。
 
この業界に入ってからも
友達って呼べるような人は全然出来なくて。
 
 
◇さんはなんか不思議。
自然と甘えたくなっちゃうし
自分が素でいられるような、そんな人。
 
 
R)ほんとのお姉ちゃんだったら
  良かったのに…。
◇)あたしもこんな可愛い妹欲しいよー♡
R)えへへ…///
◇)ふふふー♡
 
 
◇さんはニッコリ笑って
あたしのほっぺを撫でてくれた。
 
 
◇)Rちゃんはこうして笑ってるのが
  一番可愛いよ♡
R)…っ
◇)泣いてたら可愛い顔が台無しだ。
R)……はい。
 
 
それから◇さんは結局朝まで付き合ってくれて。
 
 
あたしは酔っ払いながら歌いまくって
「登坂のバカヤローーー!!」
とか叫びまくったら
少しはスッキリした。
 
 
今日は恋する気持ちはボロボロになったけど
◇さんとの出会いには、感謝しよう。
 
 
そう思いながら、
フラフラで辿り着いた自宅のベッドに
沈むように倒れこんで…
 
意識を失うように、深い眠りについた。
 
 
『登坂さんとの対談、OK出たぞー』
 
 
そんなマネージャーからのLINEには
気付くこともなく。
 
 
 
 
 
 
ーendー

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  1. みな より:

    まいこさん更新ありがとうございます!
    Kちゃんカッコいい♡
    登坂さんは彼女のことボロクソに言う子と連絡先交換とか。。
    リアルでもかわいい子なら簡単に交換してるんでしょうね。。クソが!

  2. れん より:

    これ読んでるとちょっと泣けてきました笑
    Rちゃんの気持ちも理解できちゃって感情移入しちゃいました
    Rちゃんが思うことも私自身も♡ちゃんに時々感じます笑
    Rちゃんには本当に幸せになって欲しいです!健ちゃんとかNAOTOくんとか

    • マイコ より:

      健ちゃんとかNAOTOさんかー(ฅ¯ω¯ฅ )
      でもしばらくは臣くんを諦めないRなのであった…w

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