臣)じゃあ二次会行きますか。
♡)うんっ、あ、でも待って。
またいっぱい泣いちゃったから
お化粧直してきていーい?
臣)別に崩れてないけど。
♡)念のためー!
臣)可愛いけど。
♡)……はい?///
臣)化粧に関係なく。
♡)そ、そういう問題じゃないの!///
臣)あ、そう。行ってらっしゃーい。
♡)さくちゃん、行こっ
さ)うんw
二人で足早にパウダールームに向かうと…
さ)あら、超満員。
♡)ほんとだ。
混んでるから外で待機…、してたら…
中から女の子たちの会話が聞こえてきた。
女)登坂さんマジでヤバくないですか?///
女)写真一生大事にする!!///
女)近くで見ても超絶イケメン!///
女)見上げた横顔が綺麗すぎた!!///
お、臣くんの話、してる…
あ、ぞろぞろと出て来た。
女)登坂さん二次会行くっぽいよ!
女)マジ?!///
あれ?
まだ中に並んでたみたい。
今度は違う女の子たちの声が聞こえてきた。
女)チャンスじゃん!///
女)あたし連絡先渡す!!///
なぬ!!!!
女)こーら、凪ちゃんに言われてるでしょ。
はしゃいだりしないでね、って。
登坂くんを困らせないでね、って。
女)それは言われましたけどぉ…
アタックするなとは言われてないでーす♡
女)まったく、もう。
呆れたような年配の女性の声は
それ以上は女子たちを止めてくれず。
さ)ありゃーーw
臣くん狙われてますなぁw
♡)むむむむ…っ
どうしよう。
臣くんのピンチだ…!
女)てかさっき一緒に歌ってた女の子
なんだろね?
彼女です!
女)さぁ?友達じゃん?
彼女です!!!
女)可愛い子だったよね、彼女だったりして。
女)彼女だったらあんな堂々と
一緒に歌ったりしないでしょw
女)そっか、ただの友達かw
女)ただの知り合いだよw
彼女→友達→知り合い…、、
どんどん降格してしまった…。
女)でも美男美女でお似合いだったよね…。
女)衣装もお揃いっぽくなかった?
女)たまたまでしょ、あんなん。
違うもん!
臣くんが揃えてくれたんだもんっ!
女)あの子可愛いし彼氏いるってきっと。
女)だよね〜〜〜
女)登坂くんはフリーなのかなぁ?
女)フリーだろうが彼女いようが
なんでもいいよもう!
こんなチャンス今日が最初で最後だよ。
女)だよね!
女)ガンガン話しかけにいっちゃお!
女)よっしゃ!!
気合いを入れた皆さんは
しっかりメイクも直して出て来られました。
♡)……。
二次会はきっと戦いだ…!
私がしっかり臣くんを守らなくっちゃ…!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
二次会は庭付きの一軒家みたいな店を
貸し切りで。
入る前に入り口で
「自己紹介カード」なるものを渡された。
臣)名前、LINEのID、電話番号、一言…、
男)はい!全部書かなくてもいいんで
気になる人がいたらぜひ積極的に
渡してくださいね!
女)好きな枚数お持ちくださーい!
男)たくさん配ってもいいですよー!
受付の男女はニコニコと
ゲストにカードを配ってる。
男)これさ、渡されたら絶対
受け取る決まりらしいよw
臣)そうなの?!
男)せっかくだから俺も誰かに渡そうかなーー
臣)あれ?お前彼女は?
男)ああ、別れたよ春に。
臣)マジか!
男)てかこれなんか婚活パーティーみてぇw
男)婚活パーティーってこんなんなの?
男)いや、行ったことねぇけど
こんな感じっぽくない?
臣)……確かに。
賢司と凪ちゃんは
二次会は完全に友達に任せてるって
言ってたけど…
♡)臣くん!
臣)ん?
なんか必死な形相の♡が
後ろから走って来た。
♡)このカード!
もらっちゃダメだからねっ!
臣)あ、それさぁ、
渡されたら断れない決まりらしいよ。
♡)ええっ!!
臣)まぁ別に受け取るだけならいいんじゃん?
♡)…っ
あ、口が尖ってますよお嬢さん。
臣)もらっても別に
連絡するわけじゃないんだからw
♡)……。
あーあ、今度は
ほっぺも膨らんでますよお嬢さん。
♡)愛想振りまいちゃダメだからね!
臣)へ?w
♡)ツン!てしてたらいいよ!
臣)それ感じ悪いじゃんw
♡)感じ悪くていいのっ!
臣)なんでだよ!w
こいつってば心配してんのかな?
臣)やきもちー?かわいw
♡)むぅぅ!!
他の女なんか眼中にないっつーの。
臣)お前こそカード渡してくる男いたら
全員舌打ちしろよ?
♡)舌打ちぃ?!
何それ!ひどい!
臣)ひどくていいんだよ。
♡)もぉ〜〜〜
とか話してたら
さくちゃんにパシャリと写真を撮られた。
さ)痴話喧嘩中の二人…w
臣)別に喧嘩ちゃうわ!w
男)男性ゲストのみなさんは
一度こちらにお集まりくださーい!
バラの花をお配りしていまーす!
臣)ん?
呼びかけられるままに
赤いバラの花を一輪、受け取った。
女)そのバラは、男性の皆さんが
今夜一番素敵だなと思った女性に
パーティーが終わるまでの間の
好きなタイミングで
プレゼントしてください。
男)それまでは胸に挿しておいてくださいねー
女)新婦に渡しちゃダメですからねー!
新郎に怒られますよーー!
幹事の言葉にみんな笑って。
どうしたもんかとバラの花をじっと見た。
自己紹介カードといい、
このバラの花といい、
なんてゆーか
出会いを斡旋してるんだな、この二次会は。
面白いから
あとで凪ちゃんに渡しちゃおっかなーw
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さ)なんか男性陣がみんな
タキシード仮面みたいw
♡)あはははw
みんな胸に赤いバラを挿しながら
自己紹介カードを書いてる。
さ)あたしら既婚者には
不要なカードだねぇ。
♡)私、既婚者じゃないよw
さ)あ、そっか!w
いや、なんかもう夫婦みたいじゃんw
♡)ええ?!w
さ)それくらい安泰しているというか…
ラブラブというか…
♡)えへへへ♡
私もこのカードはいらないから
バッグにしまっちゃおうっと。
男)あの!///
♡)ん?
男)これ、もらってください!///
♡)…っ
渡されたのは、
バラの花と自己紹介カード。
♡)ええと…、
どうもありがとうございます。
男)あの、俺も受け取ってもらえますか?///
♡)は、はいっ…
男)俺も!お願いします!///
♡)ありがとうございます…っ
次々にバラとカードを渡されて、
オロオロしてる私を
さくちゃんは楽しそうに写真に撮ってる。
さ)一輪のはずが…
あっという間に花束にww
♡)どうしよう…っ
店)よろしければこちらどうぞ。
♡)あっ、ありがとうございます!
お店の人が可愛い袋をくれたから
バラが萎れちゃわないように
丁寧に並べて入れた。
さ)あ!賢司と凪ちゃん、来たよ!
♡)ほんとだ!
みんなの拍手に迎えられながら
二人が入ってきて
簡単な挨拶と、乾杯。
臣くんが気になるから
さっきからチラチラ見てるんだけど
男友達と楽しそうに盛り上がってる。
でも!
女子たちが臣くんにカードを渡そうと
ずっと隙を狙ってるから、油断ならぬのだ!
男)あの、♡さん…ですよね?///
良かったら貰ってもらえますか?
♡)あ、ありがとうございます!
男)僕もよければ…受け取ってください。
ずっと素敵だなって、見てました///
披露宴での歌も、本当に素晴らしくて…
♡)ほんとですか?
ありがとうございますっ♡
男)歌声に癒されました///
臣くんとの歌を褒めてもらえて嬉しくて
少しだけお話してると…
♡)ああっ!!
臣くんが女の子に囲まれたーー!!
♡)あの、ごめんなさい!
話を切り上げて
臣くんのところへ行こうとするけど…
男)あの、バラ渡してもいいですか?///
♡)あ、えっと…
ああ!!
腕触られてる!!ベタベタされてる!!
男)♡さん、今日ずっと気になってました///
♡)えっと、すみません…
ああ!!
カード受け取ってる!!握手してる!!
男)すみません、このバラを…
うわーーん!!もう!!
臣くんのところに行かせてぇぇぇ!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
女)あの、ほんとにいつでも
気まぐれでもいいので!!///
連絡もらえたら嬉しいです///
臣)……どうも。
ニッコリ営業スマイルで頭を下げた。
俺のポケットには
女性陣の自己紹介カードがどっさり。
女)登坂さん///
また来たーーー!!
女)カード、渡してもいいですか?///
臣)はい、どうも。
また笑顔を貼り付けるけど…
そろそろ解放してくれ〜〜!!
さっきから♡のことが気になって
チラチラ見てんだけど…
見るたびに持ってるバラの数が増えていくし
さくちゃんは面白がって
写真撮ってるっぽいし
ああ、もう!!
女)登坂さんって…
今お付き合いされてる方、
いらっしゃるんですか?///
いますよ!目の前に!!
女)どんな女性がタイプですか?///
目の前にいるあの子がタイプです!
ベタ惚れです!!
女)もし良かったら…、あの、その…
女性からこんなこと言うの…
恐縮なんですけど…///
あああ!
あいつまたバラ渡されてる!!
女)登坂さんのそのバラ、私に…
臣)え?
やべ。全然聞いてなかった。
臣)なんですか?
女)ですから、ええと…
そのバラを私にくれたりしませんか?///
臣)え…っ
……ええと…、
これはあとで
凪ちゃんに渡そうと思ってたんですけど…
てのは冗談だけど…
……すげぇな。
最近の女子はなんて積極的なんだ。
自分からバラをよこせと言ってくるとは。
女)ダメ…ですか?///
臣)ええと…
こんなバラ、どうでもいいんだけど…
周りの女たちが
このバラにすげぇ注目してるのが
視線でわかるから…
あっさりこの人に渡すわけには…
……って、あいつまたバラもらってるー!
いい加減にしろーー!!
女)あのっ、立候補していいんだったら
私もそのバラ欲しいです!///
臣)ええ?!!
女)私も!!///
臣)…っ
俺の前には
目をギラギラさせた女性が3人…と、
じーっと周りを囲んでる女性が
何人もいる。
どうすんだ、俺。
どうすんだ、このバラ。
臣)あ…っ
♡がこっちを見た。
その手にバラの花束を抱えて。
……もう、いいかな。
いい加減、いいよな?
臣)渡したい人がいるんです。
ごめんなさい。
女性たちには笑顔で頭を下げて、
俺は胸から一輪のバラを引き抜いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あれは何事なのかな?!
臣くんの周りに女性がずらーっと
並んでるんだけど!!
臣くん争奪戦なの?!
なんか炎が見えるよ!?
私の彼氏なんだからーー!!
って今すぐ走っていって
抱きつきたいのに。
そんなことはもちろん出来なくて。
男)あの、♡さん///
私の前に現れた男の人の肩越しに
臣くんがこっちを見たのがわかった。
♡)あ…っ
女性たちに小さく頭を下げて、
こっちに向かってくる。
胸元のポケットから
バラをスッと、引き抜いて。
臣)いいですか?
臣くんの声に、
私の前にいた男性3人が
パッと後ろを振り返った。
臣)いいですか?
二度目のそれは、
紳士的なようで、少し威圧的。
男性たちはスーッと横に移動した。
♡)…っ
臣くんは私の前にスッと立つと
ニコッと小さく首を傾げて
私を見据えた。
臣)「今夜一番素敵だと思った女性」に。
♡)…っ
臣)受け取ってくれますか?
クスッと笑った臣くんは
なんだかすごく色っぽくて…
♡)////
バラを差し出されて固まってる私。
そんな私に臣くんは綺麗に微笑んで、
臣)どうぞ…。
私の髪に、そのバラを挿してくれた。
♡)////
ドキン…、ドキン…、ドキン…、
高鳴る胸の音。
周りの視線を感じながらも
目の前の臣くんから、目を逸らせなくて…
臣くんは空いたその手で
そのまま私の腰を抱いた。
…チュッ。
♡)!!!
ほっぺに感じたキスの感触に
驚いて臣くんを見上げると、
臣)ん?
余裕の笑みで、私を見下ろしてる。
♡)////
周りからはキャーって声が上がって…
「どういうこと!?何?!///」
「付き合ってるの!?///」
「今のって告白なの!?///」
「やだ!鼻血出そう!どうしよう!///」
「羨ましすぎる!!///」
しばらくその場は騒然としてたけど…
男)みなさんお待たせしましたー!
女)ゲーム始めますよー!
バタバタとやってきた幹事の人の呼びかけで
騒いでた人たちは
少しずつその場から移動した。
♡)あ、っ
私も行かなきゃって一歩前に出たけど、
臣)こっち。
♡)…っ
臣くんに手を引かれて、
外に連れ出された。
お庭は綺麗にライトアップされていて
洋風の可愛いチェアーが並んでる。
臣)ふぅ。
臣くんはそこへ腰を下ろすと脚を組んで、
隣をトントンと叩いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺が座ったのは3人掛けくらいの白い椅子。
隣に来いと呼んだのに、
いっちばん端っこに座った♡。
臣)遠くね?w
♡)……///
なんだよこの距離は。
臣)こっち来いよ。
♡)……///
前にもあったよな、こんなこと。
臣)じゃあ俺がそっち行くけど。
♡)…っ
詰め寄るようにピタッとくっつくと
♡が少し口を尖らせて、俺を見た。
臣)なんだよその顔。
♡)……臣くんは、ずるい///
臣)はぁ?何が?
♡)色々ずるいっ!
何この可愛いほっぺ。
ゆでたまごみたいなんだけど。
つついたら怒られるかな。
♡)色々…カッコ良すぎて…
ずるいもん///
何この唇。
可愛く尖っちゃって。
チューしたら怒られるかな。
臣)夜だともう涼しいな。
チェアーの背もたれ越しに
♡の肩を抱いた。
♡)だからサラッとこういうこと
しないでー!///
臣)はぁ?
こういうことって何だよ!?
臣)肩抱いただけじゃん!
♡)……ずるい///
臣)だから何が!w
♡)…ドキドキ…するもん///
臣)え?
これでドキドキすんの?今更?
もっとすごいこと色々してんのに?
♡)すごいことって何!///
臣)え、言っていいの?
♡)言わなくていい!///
臣)どっちだよ!w
♡)もぉっ!
あーあ、またふくれちゃった。
てか、こんなんでほんとにドキドキすんの?
何それ。
ちょー可愛いんだけどw
……チュッ。
♡)またチューしたぁ!///
臣)うん。
だって可愛いんだもん。
臣)ドキドキした?
♡)……ぷいっ///
臣)あーー、ぷいされたーー
♡)ぷいっ!!
もっかいチューしちゃうぞ
こんにゃろーー
♡)……「今更」って…、
臣)ん…?
♡)私はいつだって…
臣くんにドキドキ…するもん///
臣)…っ
♡)「今更」なの…?
な、なんだよそのウルウルした目は…///
♡)臣くんはもう…
私にドキドキしてくれないの…?
か、可愛いな…!!
その上目遣い、やめろ!///
♡)ね、ドキドキしてくれな…
臣)してるから!///
今度は俺がぷいっと顔を逸らした。
♡)え?何にしたの?
臣)…っ
何にって…
お前が可愛くて、だろ!///
♡)ねぇ、何にドキドキしたの??
臣)…っ、だぁ〜〜〜!///
グイッ!
♡の方に振り返って
その顎を持ち上げて、
♡)…っ
強引に唇と唇を重ね合わせた。
臣)俺だっていつもドキドキしてるから!
♡)…っ///
臣)お前のこと好きなんだから
当たり前だろっ///
♡)そ、そっか…///
♡は照れ臭そうに俯いたあと、
嬉しそうに「えへへ♡」って顔を上げた。
その笑顔も、すげぇ可愛くて。
臣)……///
はぁ、なんだよもう。
♡)ねぇ、これ見てーー♡
臣)んー?
お嬢さんはもうすっかりご機嫌みたいです。
♡)好きな人がねっ、私にくれたのー♡
そう言って俺が挿したバラを
俺に見せつけてくる。
臣)ふーん、キザな男だねーー。
♡)カッコイイでしょ?♡
タキシード仮面様みたいだったー♡
臣)ぶっw
懐かしいな!
臣)あそこまでキザじゃねーわw
♡)あはははw
ただ…
他の男と同じ渡し方したくなかっただけで。
♡)臣くん、女の子に囲まれてたねーー
臣)……
♡)モテモテだったねーー
臣)……
♡)いっぱいカードもらってたねーー
臣)あのさぁ!お前がそれ言う?
♡)え?
臣)そのバラの花束なんだよ!w
♡)…っ
♡は袋の中のバラを見てから
窺うように俺を見た。
♡)あの…、
臣)なに。
♡)……お花に…
臣)お花に罪はないので
帰ったら飾ってもいいですか。
♡)!!!
臣)お前が言うことなんてお見通し。
♡)すごい!すごい臣くん!
……はぁ、もうw
臣)綺麗な花束ですねーー
♡)……
臣)モテモテでしたねーー
♡)……
臣)いっぱいカードももら…
♡)あのねぇ!
いっぱいお花もらったって
私が嬉しいのはこのバラだけなんだから!
臣)…っ
♡)タキシード仮面が
私の髪に挿してくれた
このバラだけなんだから!
臣)タキシード仮面言うな!w
♡)いたっw
二人でクスクス笑い合って、
そっと手を繋いだ。
♡)……臣くん…?
臣)ん…?
繋ぎ合わせた手から
そっと視線を上げた♡は
そのまま真っ直ぐに俺を見つめた。
臣)どうした…?
♡)////
何も言わずにただじっと見てるから
またキスしたくなっちゃうじゃん。
臣)なんだよ…w
♡)……なんでも…ない///
あ、また俯いた。
♡の伏せた瞳に光が当たって…
まつ毛がキラキラ光ってる。
綺麗な横顔だなぁ……。
♡)……臣くん…?
臣)ん…?
またこっち向いた。
……その可愛い目で見んの
やめてくんないかなぁ///
♡)その優しい目で見るの、やめて///
臣)……は??
♡)ドキドキしちゃうから///
臣)……///
ドキドキしてんのは
こっちなんですけど。
♡)臣くん…大好き、///
俯いたまま呟いた♡は…
ゆっくりと顔を上げて…
♡)大好きだよ///
今度は俺の目を見て、
もう一度そう言った。
臣)////
可愛いなぁ…
たまんねぇなぁ…
大好きだなぁ…
もうめちゃくちゃに抱きしめてぇなぁ…
臣)そうやってじーっと見んのやめて///
♡)どうして…?
臣)……キスしたくなるから。
♡)……して…ほしいもん。
臣)へ?
♡)してほしいから…だもん…///
臣)…っ
♡)////
臣)////
どうやら俺は罠にかかったみたいだ。
愛しい彼女の、甘い甘い誘惑に
誘われるがままに…
引き寄せられるように、唇を合わせた。
柔らかいその感触に、離れられなくなって。
もっと欲しくなって、
ゆっくりと繰り返すキス。
♡の耳たぶに触れてた手を
そのまま後ろに回して…
愛しさのままに、キスを深めたら。
しばらくして、
♡がそっと俺の胸を押した。
♡)……はぁ、…///
見つめ合う視線には、夜の熱が宿ってる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♡)こんなところで…、こんなキス、ダメ……
深くなっていくキスに…
頬の火照りを感じて、そう言ったのに。
臣)……嘘つき…。
唇の上で甘く囁いた臣くんは…
臣)ほんとはもっとして欲しいくせに…。
そう言って、クスッと笑った。
♡)////
触れられてる首筋に、
臣くんの手のひらから熱を移されて…。
このままこのぬくもりに、
溶かされてしまいたくなる…。
♡)だから…だよ…?
臣)え…?
♡)もっとして欲しくなるから…
もう、ダメなの…、///
臣)…っ
そう言って見つめたら、
臣くんは「はぁ…、」ってため息をついて
私を抱きしめた。
臣)なんでお前ってそんな可愛いの?///
♡)え?///
臣)あーーーーー、もう帰ろっか///
♡)ダメだよぅ…
臣)だってシたいもん。
♡)……///
臣)お前だってそうでしょ?
♡)////
そっと窺うように顔を覗かれて…
何も言えずに俯いたら…
臣)はぁ、ほんとかわい…///
♡)////
何も答えてないのに、
「YES」って、伝わっちゃったみたい。
臣)……そろそろ戻ろっか///
♡)……(こくん)///
私たちの熱を冷ましてくれるみたいに
涼しい夜風が吹き抜けたけど…
手を繋いで、お店の中に戻る直前、
臣くんがふと振り返って。
誰にも見えないように
短く優しいキスを、唇にくれたから。
ドキドキドキ…、
胸の音はやっぱりおさまらない。
♡)私、顔赤くないかな…?
臣)んーー?…ちょっと赤いw
♡)戻るの恥ずかしい…///
臣)Hなことしてましたーって顔してるw
♡)ええっ!
ますます戻れない!///
臣)はははっ、うそうそw
♡)臣くん、手!
臣)ん?
♡)手、繋いだままだよっ
臣)いいじゃん。
♡)えっ…
離してくれるどころか
ぐいっと引き寄せられて
繋いだ手と手はそのままで。
「登坂くん戻ってきた!」
「ええ!!手繋いでるんだけど!///」
「やっぱり彼女なの!?どういうこと?!」
「今付き合ったとか!?///」
女の子たちの声が聞こえるけど
臣くんは全然お構いなしで
賢司くんと凪ちゃんのところに向かった。
賢)あーー!お前ら!
どこにいたんだよー!
ゲーム終わっちゃったじゃん!
臣)ごめんごめんw
凪)ね、さっきも思ったんだけど
今日の二人の衣装はお揃いなの?
♡)うん!
凪)やっぱりそうだよね?素敵!♡
♡)えへへ、ありがとう♡
さ)あ、タキシード仮面戻ってきてるー!
ほろ酔いのさくちゃんが
ニコニコしながらこっちに来た。
さ)タキシード仮面の動画、送っといたよ♡
♡)え?
そう言われて携帯を取り出した。
臣)動画って何?
さ)だから、タキシード仮面の。
♡)あっ!
LINEを開いて動画を再生したら…
それは臣くんが私に
バラを渡してくれてるところの動画だった。
『「今夜一番素敵だと思った女性」に。
受け取ってくれますか?』
♡)////
臣くん…王子様みたい…///
賢)何それ何それ!見せて!!w
凪)私も見たい!!
臣)なんでこんなもん撮ってんだよ!
さくちゃん!///
さ)へっへっへw
もうね、臣くんがバラを抜いて
こっちに来た瞬間、
こりゃー来たぞ、と。
これを撮らんでどうする、と。
臣)恥ずかしいから!やめて!///
さ)もう送っちゃったもんね〜〜w
『「今夜一番素敵だと思った女性」に。
受け取ってくれますか?』
賢)何これ!!どこの貴族!!w
凪)広臣くんカッコイイ!///
臣)ちょ、もう再生しなくていいから!///
さ)あはははw
♡)////
臣くんは赤くなって照れてるけど…
この動画は大事に保存しておこうっと///
ー続ー
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タキシード仮面めっちゃ世代だわ❤
歳がバレちゃう(ノ´∀`*)
大丈夫!セーラームーンは再放送やらなんやらでなんだかんだ幅広いから!Σd(>∀<*)笑
今回の臣くん激甘キュンキュン(⌯˃̶᷄ ⁻̫ ˂̶᷄⌯)♡
セーラームーンリアルタイムじゃないから
タキシード仮面のキザさがわからないです(笑)
斎藤工みたいな感じかな←
斎藤工ってキザなの?。゚(゚^∀^゚)゚。ww
タキシード仮面は…うーん、例えるなら誰だろう…。
うーん…うーん…
キャーーー!を通り越してギャーーー!なんですけど!臣くんのバラを渡すところもう心臓が爆発しそう
ほんまに最高です!
あら(❁´ω`❁)臣くん良かったねぇw