健二郎くん、すっごくいい人だったなぁ♡
健二郎くんがいてくれて良かった。
お家にも入れてもらえたし。
あとは私がしっかり看病しなきゃ!!
よし…!!
出来上がったお粥をお皿にうつして…
♡)……
臣くん…
身体…すごく熱かったな。
でも…
ぎゅって…すごく力が強くて…
「好き」って…
初めて言葉にされた。
好きだって…
何回も言われた…。
♡)……///
どうしよう…
思い出したらまた…
わーーんっ!!///
♡)…っ
臣くん…心配してたって…
健二郎くん言ってたよね…。
ほんとにごめんね…。
……ガチャッ。
寝室のドアを開けてお粥を運ぶと
臣くんはまだ眠ってる。
♡)わ…、すごい汗…!
私は慌てて洗面所に行って
タオルを持ってきた。
♡)臣くん…、ちょっとごめんね?
臣)……は…ぁ…
見える部分だけでも
タオルで汗を拭いてあげたけど…
すごく寝苦しそう。
おでこに手を当ててみると…
♡)!!!
冷えピタがすごく熱い!!
え、え、これちゃんと効いてるのかな??
大丈夫?!
♡)…っ
慌てて冷えピタの箱を見てみると…
『8時間冷却』。
まだ…1時間…。
じゃあこれは…
臣くんの熱を吸い取って
こんな熱くなってるってこと…?
信じていいの?冷えピタさんっ!
わーん…もう…
心配だよぉ…っ
早く…元気になって…
♡)…っ
神様!!
私の体力全部臣くんにうつしてください!!
お願いしますっ!!
臣)ん……
♡)はっ!
私が手を合わせて祈ってると
臣くんが少しだけ動いた。
もう体力届いたの?!!
臣)……っ
ゆっくり開いた臣くんの目。
♡)大丈夫…?
臣)ん……、♡…??
♡)うん。
臣)な…んで……、は…ぁ…
♡)えっと…
夜の薬、まだでしょ?
お粥作ったんだけど食べれる?
臣)……
♡)食欲ない…?
臣)…食う。…腹…減った……
わ、良かった!!
食欲はあるんだ。
♡)じゃあつかまって?
そう言って臣くんを抱き起こそうとしたけど、
臣くんの体重が思ったよりあって
そのまま引きずられて
臣くんに激突しちゃった。
♡)わわっ!ごめんね?!
もっかいつかまって??
今度は思いっきり力を入れて
臣くんを抱き起こした。
男の人の身体ってこんな重いんだ…。
臣)は……ぁ…っ…
♡)大丈夫?ごめんね?汗
えっと…お粥…、はい。
臣くんにお粥とレンゲを渡して
私はベッドの横にあった小さな椅子に座った。
臣)……
♡)……
あれ…?
臣くんがレンゲを手に持ったまま
ぐったり動かない。
♡)食べれない…??
臣)…食べ…る。
動くの…ツライのかな??
私は臣くんに渡したレンゲを
もう一度手に取って
お粥をすくった。
じーーーっ
熱く…ないよね??
ふーふーは…恥ずかしい///
自分の手の甲に少し乗せてみると
全然熱くない。
よし、大丈夫だっ!
♡)じゃあ…、はい…。
もう一回お粥をすくって
臣くんの口に運ぶと、
臣くんがゆっくり口を開けてくれた。
臣)……ん、
あ…もぐもぐしてる…
良かったぁ~~~泣
臣)ん…。
臣くんはゆっくり飲み込むと
もう一回口を開けた。
食べさせてってことかな…?
♡)はい。
もう一度レンゲにすくって口に運ぶと、
またもぐもぐしてる…。
臣)ん。
飲み込んだのを確認して
また口へ運ぶと…
またもぐもぐしてる…。
♡)……///
ど…どうしよう…
可愛い…///
具合悪いのにこんなの不謹慎だよね?
でも…なんかすっごく可愛い///
そのままゆっくりだけど
臣くんはお粥を全部食べてくれた。
♡)えっと…薬…
あ!えっと…フルーツもあるけど
食べたい?
臣)…な…に?
♡)えっと…りんごと桃とバナナと…
臣)りん…ご…
♡)えっと…すりおろした方がいい?
臣)……(こくん)
臣くんが頷いた。
♡)じゃ、じゃあ待っててね?///
何今の…可愛いよぅ…///
どうしよう…キュンキュンしちゃう…///
私は急いでキッチンに戻って
りんごを切ってすりおろして
またベッドまで運んだ。
♡)あ、起きて待っててくれたの?
ごめんね?
臣)ん…
♡)はい。
すりおろしたりんごの器を渡そうとすると
それを受け取らずに
また小さく口を開ける臣くん。
♡)えっと…///
また食べさせて欲しいのかな…?
スプーンですくって口まで運んでみると
臣くんはそれをごくんと飲み込んだ。
♡)美味しい…?
臣)……(こくん)
♡)……///
またうなずいた。
ううう~~
可愛いよぅ…っ///
何だろうこれ…
なんか撫で撫でしたくなっちゃう///
♡)全部食べれたね…♡
りんごも綺麗になくなって
薬を飲ませると
また横になって目を閉じた臣くん。
さっきよりは呼吸がラクそうだけど…
どうなのかな…?
♡)……
ほっぺに触ると、まだ熱い。
あ…、汗また拭いた方がいいかな…?
私がタオルを取ろうと立ち上がると、
♡)…っ
臣くんのほっぺに触れてた手が
キュッと掴まれた。
♡)…臣…くん…?
臣くんは…
そのまま私の手を掴んで
自分のほっぺに当ててる…。
何だろう…これ…///
♡)臣くん?
臣)……スー……、スー……
え??
寝ちゃった?!!
♡)…っ
赤い顔を覗き込むと
スヤスヤと寝息を立ててて…
その呼吸はさっきよりもラクそう。
♡)……
手、離したらまた起きちゃうよね?
私は仕方なく、そのままもう一度座った。
私の手をほっぺに当てて
スヤスヤ眠ってる臣くんが
なんだか可愛くて…
♡)ううう…///
臣くん…
早く元気になりますように…。
この手から…
いっぱいパワーが届いたらいいのに…っ
私に熱全部うつしていいから…
元気になぁれ…っ!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
臣)♡…?
♡)うん♡
目の前に♡がにっこり笑って座ってる。
え…?
本物…?
臣)会いたかった…。
♡)うん♡
ああ、本物なんだ。
やっと…会えた…
臣)…っ
俺は思わず♡を抱きしめた。
臣)…めっちゃ好き。
♡)…っ
臣)ほんと好き。
♡)私も臣くん大好き♡♡
臣)えっ!!!
その返事にびっくりして
♡の顔を見ると…
♡は少し恥ずかしそうに笑った。
♡)大好きだよ♡♡
臣)……///
え…、ほんと…に…?
♡)だから…Hしよ…?///
臣)え!??
♡)…だめ…?///
臣)えっ、えっ…///
♡)臣くんとエッチなこと…
いっぱいしたい♡♡
え、え、嘘だろ?!
臣)いいの!?///
♡)うん♡♡
♡は嬉しそうに抱きついてきて…
俺を見上げて、エロい顔で言った。
♡)いっぱい…気持ち良くしてね?///
臣)する!する!!///
俺は欲しくて欲しくて
興奮を抑えられずに、♡の服を脱がせる。
でも…
服を…脱がせても…脱がせても…
臣)え???お前…
服何枚着てんの??え??
なんだこれ?
♡)ぐすっ…
臣)え??
♡)臣くんひどい…っ
どうしてこんなことするの?
臣)え!!
な、泣いてる!!!
臣)だって…お前がしようって…
♡)最低!大っ嫌い!!
臣)えっ!!
♡)誰にでもこんなことしてるんでしょ!
今度は怒ってるし!!!
臣)してねーよ!!
♡)嘘!知ってるんだから!
臣)え!??
♡)色んな女の子とホテル行ってるの!!
臣)え…っ
♡)TAKAHIROさんに聞いたんだから!!
臣)は?!TAKAHIROさん!?
♡)最低だよ…っ
臣)もうしてねぇって!!
♡)そーゆー人、大っ嫌い!!
臣)おい、待てよ!!
走って逃げる♡を追いかけると、
そこはいきなり広い海で。
♡は何のためらいもなく
海に入っていく。
臣)おい!!お前泳げねぇだろ!!
♡)来ないで!!
♡の所に行こうとしても
俺は砂浜に足が埋もれて動けない。
臣)待てって!!おい!!
♡……!!!
必死に呼び止めると…
♡)私…結婚するの。
臣)は!??
振り向いた♡は、そう言った。
♡)だから…
臣くんにはもう二度と会わない。
臣)おい!!ちょっと待てよ!!
♡)ごめんね?…さよなら。
臣)待てって!!おい!!
♡!!♡っっ!!!!
……
…
目が覚めると、俺は汗だくで。
臣)…は…ぁっ
……あれ…?
何か…握ってる…
なんだこれ…、…人の…手?!!
えっ!!??
臣)…っ
慌てて起き上がると、
ベッドにうつ伏せで♡が寝てた。
……なん…で…っ
え??え!??
なんで♡が…ここにいるんだ?!
少しクラクラする頭で
必死に思い出そうとしても、
全然記憶がない。
なんでここにいるんだ??
本物…だよな…??
臣)…っ
寝てる♡の頭をそっと撫でると、
柔らかいふわふわの感触。
ああ…本物だ。♡だ。
全然わけわかんねぇけど
やっと会えた。
今…、目の前にいる。
会いたかった。
会いたかった。
ずっと…
臣)…っ
ヤベぇ…なんか泣きそうだ、俺…。
なんだよこれ…
熱で頭おかしいのかな…
……ぽとっ…
臣)ん…?
何かがでこから落ちた。
何だこれ…
冷えピタ??
つーか俺…汗すげぇな…
着替えたい。
でも…
身体が痛くてだるくて重い。
臣)はぁ…、
俺が少し動くと
うつ伏せの♡がぴくんと動いて…
♡)ん…っ
目をこすりながら、起き上がった。
♡)…あっ!!臣くん!!!
俺の顔を見ると、
目をまんまるくさせて
俺の肩をつかんできた。
♡)熱は……、
あ、まだ熱い…。
俺のでこに手を当てて、
心配そうな顔をして…
♡)冷えピタ!!!
そう叫んで
リビングにダッシュして、一瞬で戻ってきた。
♡)新しいの貼るね?
前髪をふわっと持ち上げられて、
でこに冷たい感触。
冷んやりして、すげぇ気持ちイイ…。
♡)これでよし!
そう言って♡はニッコリ俺の頭を撫でた。
臣)……///
何だよこれ…
俺…子供みてぇじゃん…。
♡)起き上がっちゃダメだよ?
あ、喉渇いた?
臣)……(こくん)
声を出すのもしんどくて
そのまま頷くと、
♡はダッシュでポカリを持ってきてくれた。
俺がそれを受け取って
一口飲んで返すと、
♡)良かった。もう持てるんだね。
ほっとしたようにそう言った。
???
どういう意味だ…??
♡)あ、そうだ!
臣くん、着替える??
臣)……(こくん)
♡)着替えどこにあるのか
わからなくて…
そう言って
俺のチェストの前でウロウロしてる。
♡)ここ??
臣)……(ふるふる)
♡)ここ??
臣)……(こくん)
♡)ごめんね?
じゃあ開けるね??
引き出しを開けた♡は
新しいTシャツを持ってきてくれて、
心配そうに俺の顔を覗き込んだ
♡)着替えられる??
臣)……
今着てるTシャツを脱ごうとしても
思うように身体が動かない。
臣)…っ
♡)あ、無理しないで!
はい、手あげて。ばんざーい!
臣)……
俺は…子供かよ…
♡)わ…、やっぱりすごい汗。
俺が上半身裸になると
♡が濡れたタオルで汗を拭いてくれた。
♡)よし。じゃあ新しいの。
はい、手あげてーっ
そのまま新しいTシャツを
着せてもらって。
すげぇスッキリした。気持ちイイ。
♡)はい、もう起きてちゃダメ。
横になって。
臣)……
言われた通り、布団に入る。
身体は相変わらずだるい。
♡)まだ身体熱いけど
さっき飲んだ薬、効いてくると思うから
もう少し頑張ってね?
薬…??
なんだ…それ…??
♡)ちゃんとここにいるから
大丈夫だよ?
そう言って、
♡の手が俺の頬に優しく触れた。
臣)……
また…子供扱いされてる。
でも…
♡の手が…冷たくて気持ちいいから…
もういいや…
♡)安心してね…?
おやすみなさい♡
優しく笑うその笑顔が…
天使みたいで…。
俺の頭をそっと撫でてくれる優しい手が…
すごく…気持ちいい…。
その気持ち良さにゆっくり目を閉じると…
♡の笑顔が少しずつ…
ぼやけていった…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
臣くんがまた眠りについたのを確認して
私はキッチンに戻った。
少しでも栄養があるもの、
たくさん作っておこう!
料理をしながら
ちょくちょく臣くんの様子を見に
寝室に行くけど、
臣くんはずっとぐっすり眠ってて。
♡)ふぅ…っ
料理も一通り終わって
片付けも済ませると、もう23時。
臣くん…大丈夫かな…
今は眠ってるけど…
心配だから…朝までいてもいいかな…?
ちゃんと洗顔と歯ブラシは
持ってきたんだもんっ!
夜中に臣くんに何かあったら困るから!
今日はずっと看病するのっ!!
♡)…っ
そろそろ冷えピタ交換した方がいいかな…?
寝室のドアをそーっと開けると
臣くんが少し動いたのが見えた。
わっ…
起こしちゃった??
臣)ん……
♡)…大丈夫??
ゆっくり起き上がった臣くん。
♡)喉渇いてない?
私がポカリを渡すと
さっき一口しか飲まなかった臣くんは
今度はゴクゴク。
臣)は…ぁ……、
♡)……
飲み終えて、私をじーっと見てる。
♡)…なぁに?
臣)少し…ラクんなった。
♡)ほんと…っ?
良かったぁぁ〜~♡
嬉しいよぅ!!
臣)なんで…
♡)え…?
臣)お前…いんの?
♡)あっ、あのね!
臣くんのお母さんが連絡くれて…
臣)…母ちゃん?
♡)うん。臣くんが寝込んでるって
教えてくれたから、勝手に来ちゃった。
ごめんね?
臣)……
♡)あ、えっと…健二郎くんに
バッタリ下で会ったから、
一緒に上がってきちゃったの。
臣)健…ちゃん??
♡)うん。
臣)え??
♡)さっきまでいたでしょ?
健二郎くん。
臣)え??
臣くんがすごく不思議そうな顔してる。
覚えてないのかな??
♡)お見舞いに来てたんだよ?
臣)健ちゃん?
♡)うん。
臣)…マジか…
全然覚えてない…。
♡)えーーっ
熱のせいかな?!
♡)お粥食べたのは覚えてる?
臣)お粥???
♡)え…、覚えてないの…?
臣)……覚えて…ない。
♡)わわ…っ
何も覚えてないのかな?汗
臣)お前…仕事は…?
♡)あっ!!そうだ!!
えっと…ごめんね??
ずっと連絡出来なくて…
臣)……
♡)あのね、金曜日からずっと携帯なくて。
臣)…え?
♡)えっと…あの…
どうしよう…
入院してたなんて言ったら
臣くん絶対心配しちゃうから言いたくない。
♡)えっと…携帯落としちゃって…
手元に戻ってきたのが今日だったの!
携帯がなかったのは嘘じゃないし!!
♡)だから…ずっと連絡できなくて…
ごめんね?
臣)……今日…は…?
♡)あ!今日は…えっと…
ふ、振替休日みたいなカンジ!
臣)……
怪しかったかな…??
♡)プロジェクトも14日で
無事終わったの。
臣)…バレンタインの日?
♡)うん!そう!バレンタ……あっ…
そうだ!バレンタイン!!
えっと…えっと…どうしよう…
♡)あの…えっと…
バレンタイン…、
なんて言い訳しよう…
仕事が忙しくて忘れてたなんて最低だよね…
うわーーん!!
♡)…っ
オロオロしながら
恐る恐る臣くんの顔を覗くと…
臣くんは少し寂しそうに口を尖らせた。
臣)チョコ…欲しかった。
♡)…っ
拗ねながらそう言う臣くんが可愛すぎて…
♡)~~~///
もうなんで私チョコ作らなかったのー!!
ばかばかばかっっ!!!
作る時間なんてなかったけど…
でも…
チョコ…あげたかったよぉーー!!
♡)…っ
臣くん…ごめんね…?
私が臣くんの手をそっと握ると
臣くんは拗ねた顔のまま私を見た。
♡)……///
なんか…もう…
キュンキュンして抱きしめたくなる…
どうしよう…///
♡)…っ
ギュ…ッ!
……私は思わず臣くんを抱きしめた。
♡)……チョコ…ごめんね?
臣)……
なんだか愛しくて…
ぎゅってして頭を撫で撫ですると、
臣くんが少しだけぎゅって
私を抱き返してきた。
とくん…
とくん…
臣)胸……
♡)……え?
胸???
臣)胸…当たってる。
♡)え…?……わっ!!///
そう言われて、私は慌てて離れた。
♡)ご、ごめんね?!///
わ、わ、恥ずかしい///
何も考えないでぎゅってしちゃった!!
臣)熱…上がるからやめて…///
♡)…っ、ごめんな…さい…///
臣)…ん。
それから臣くんはまたゆっくり横になって。
私は臣くんの肩まで布団をかぶせて
優しくポンポンした。
♡)何か欲しいものあったら言ってね?
臣)ん…大丈夫、…ありがと…
♡)うん。
臣くんの目が…まだ熱で潤んでる。
臣)まだ…いる…?
私の手をキュッと握る、熱い手のひら。
♡)うん、いるよ?
そう答えると、
臣くんは安心したように少しだけ笑った。
臣)おやすみ…
♡)おやすみ///
それから臣くんはまたすぐ眠りについて。
私は…もう…
臣くんが可愛すぎて…キュン死しそう…///
ほんと…大好きだよぉ…
何だろうこの気持ち。
なんか…すごく愛しい…。
♡)……
臣くんの手を握りながら
その寝顔をじっと見つめる。
……好き。
臣くんが元気になったら
自分の気持ち伝えたい。
大好きって…。
臣くん…
聞いてくれるかな?
♡)……///
告白とか…
想像しただけで緊張するけど…
でも…伝えたいもん。
臣くんの誕生日も…
一緒にお祝いしたいなぁ。
ー続ー
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