〈79〉天性の才能(MちゃんSide)

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K)さて。
♡)さて♡
M)ん?
K)昨日の報告会、してもらおうか?
海)そうですよぉ!///
♡)どうだったのかな?ん?♡
M)////
 
 
そう…だった…。
皆さんしっかり覚えてらしたんですね…///
 
 
♡)ちゃんと着たんだよね?
  約束したもんね?
海)Jさん、どうでしたか…?///
K)ちゃんと悩殺したか?
M)////
 
 
人の話を聞くのは楽しいのに
自分のことを話すのは
どうしてこんなに恥ずかしいのかな///
 
 
M)着ました!燃えました!以上です!///
K)はぁ!?
♡)なぁにそれー!もっと詳しく!
海)そうですよぉ!気になります!///
M)////
K)どう燃えたんじゃい!
♡)Jさんなんて言ってたの?
海)どんなリアクションでしたか?///
M)…J…さん…は…、、///
 
 
……ダメだ。
思い出したら肌が火照りそう…。
 
 
M)喜んで…くれたと…思いマス、///
  以上!!
♡)ずるーい!
K)詳細を話さんかーい!
海)でも…喜んでたんですね、Jさん///
K)ウハウハしてた?
M)ウハウハなんてしてません!
  Jさんはそんな下品なキャラじゃないし!
K)じゃあどんなんだったのよ。
  グフグフ?
♡)Kちゃん…それじゃ変態だよ…。
K)じゃあガオガオ!
海)ガオガオ…、狼ですね///
M)……それが…一番…近いかも…///
♡)Jさん、狼になったの!?///
M)狼っていうか…!///
  すごく優しくて、それはいつもそうで、
  本当に本当に優しいんですけど…っ
K)けど?
M)……それに加えて…
  激しかった…と…いうか…///
♡)優しくて激しいJさん…///
海)きゃぁぁぁ…///
K)じゃあ悩殺成功ってことか、
  よくやった!
M)////
 
 
隊長のようなKさんに
謎に褒められてしまった。
 
ああ、恥ずかしい、顔が熱い///
 
 
M)あっ、ほら!嵐の新曲!
  今日発売ですよ!
♡)あー!誤魔化したー!
M)そんなんじゃないです!
  こっちの方が大事でしょ!///
  先輩が出てるんだからー!
K)MV見れんの??
M)はい、さっきデータで届いてました。
K)見たい見たい!
海)私も見たいです〜〜〜♡
 
 
iPadで再生してみると…
 
どのシーンもすごくカッコ良くて…
洗練された大人って感じの
艶っぽい雰囲気。
 
ラストの先輩なんて
めちゃくちゃ綺麗だし!!
 
 
海)すごーいっ///
  ♡さん妖艶です!色っぽいです!
  素敵です!!///
♡)えー!ほんと!?
  嬉しい〜〜〜♡♡
海)こんな♡さん、初めて見る…
  なんか…色気がすごいです…っ
  女の私が見てもドキドキしちゃう///
K)うん。めちゃくちゃ色っぺー。
  やるじゃん、♡。
♡)えっへへ、頑張ったんだよー♡
  臣くんも褒めてくれるかなー♡
K)いや…、、
  臣広は嫉妬して終わりでしょw
♡)ええ!なんでー!ひどい!
M)……。
 
 
うん、これは嫉妬しちゃうと思うな…。
 
 
海)もう観たんですかね、登坂さん。
♡)観てないと思うー。
  今日はHIROさんと観劇に行くって
  言ってたし。
M)観劇?
♡)うん!
  松さんの刀舞鬼っていう舞台だよー。
K)臣広とHIROさんで行くの?二人で?
♡)そうなんじゃないかなー。
  夜はLIVEも観に行って
  その後は飲み会って言ってたし。
海)忙しそうですね!
 
 
私たちは今日は松尾さんと会うことになってて
定時まで働いてサクッと退社した。
 
 
M)これ、松尾さんの経歴等々です。
  一応見ておいてくださいね。
♡)はーい!
 
 
移動のタクシーの中でiPadを渡したら…
 
 
♡)なんか…す、すごい…っ
  私が思ってたよりもずっとすごい人だ!
  どうしよう!
M)そうですよ、あの松尾さんですから!
 
 
先輩ってばいまいち気付いてなかったみたい。
 
 
M)着きましたよー。行きましょう。
♡)はい!
 
 
二人で車を降りてビルに入った。
 
 
案内されたスタジオに入ると
松尾さんが笑顔で迎えてくれて…
 
なんだかすごく優しそうなおじさま。
 
 
お互いに自己紹介を済ませると、
松尾さんはニッコリと微笑んだ。
 
 
松)来てくれてありがとうね、
  どうしても生で歌を聴いてみたくて。
♡)はい。
松)なんでもいいから歌ってみてくれる?
♡)えっと…松尾さんの曲がいいですか?
松)僕の曲、知ってくれてるの?嬉しいなw
♡)もちろんです!大好きです!
松)じゃあ好きなの歌って。
♡)えっと…、『残り火』とか好きです。
松)おおお…w
  じゃあ、いいよ、どうぞ。
 
 
そう言われて先輩はスッと目を閉じた。
音を丁寧に辿るように。
 
 
♡)〜♪最後の夜はふたりで
  泣きながら抱き合ったね
  恋の終わり告げながら
  揺らめく残り火♪〜
 
 
先輩の綺麗な声が響いた瞬間、
松尾さんの顔色が変わったのがわかった。
 
 
松)もう少し歌って。
♡)〜♪最後に聞いた言葉も
  今では思い出せない
  破れた心だけが叫んでた
  はるかな遠い日♪〜
松)……ふむ…。
M)…っ
 
 
どうしよう、
なんか私がドキドキしちゃう。
 
 
松)イイね、すごくイイ。
  他にも歌える?
♡)EXILEでもいいですか?
松)ああ、『Ti Amo』?
♡)『ふたつの唇』がいいです♡
松)ああ、そっちねw
  いいよ、どうぞ。
 
 
先輩は深く息を吸って、また目を閉じた。
 
 
♡)〜♪抱きしめる強さで 想いをはかれたら
  きっとふたりは恋人以上なのに
  迷路のような街 めぐり会えた奇跡
  声に出さず ふたりで叫ぼう♪〜
 
 
ああ、すごくキレイで切ない…。
先輩が歌うと男性の曲でも
まるっと先輩の色になる。
 
 
松)……参ったな…w
♡)え?
松)いや、なんでも。
  姫ちゃんはピアノ弾けるんだよね?
♡)はい。
松)小さい頃から習ってたの?
♡)はい、そうです。
松)そうか。
  絶対音感、相対音感、あるでしょ?
♡)えっと…あると思います。
松)じゃあこれは?
 
 
松尾さんはグラスをカツンと叩いた。
 
 
♡)「ラ」です。
松)じゃあこれとこれ。
 
 
カン。トン。
 
 
♡)「シ」と「レ」です。
松)うん、さすがだね。
M)……。
 
 
すごい。
私にはなんのことだかさっぱり…。
 
やっぱり先輩ってすごいんだなぁ。
 
 
松)じゃあ今から俺がさっきの
  「ふたつの唇」歌うから
  姫ちゃん、ハモってくれる?
♡)わかりました。
M)…っ
 
 
一体どうなるんだろうって
ドキドキ見守ってたら…
 
二人が紡ぎ出す音色はすごくキレイで
聞いてる私はあっという間に
鳥肌が立っちゃった。
 
 
松)歌とか習ってたの?ピアノだけ?
♡)ピアノだけです。
松)そうか…、すごいなw
 
 
松尾さんは足を組んだまま
くるっと先輩の方を向いた。
 
 
松)ちなみに…
  エイベックスの松浦さんのオファーを
  断り続けてる、なんて噂を
  耳にしたんだけど…
  それは本当?
♡)……はい。
松)どうして?
♡)……私、歌は大好きなんですけど…
  アーティストとして
  歌を仕事にしてる自分は
  イメージできないんです。
松)そうなの?
  たまにLIVEしたりしてるんでしょ?
♡)はい。
  それは…、私の歌で誰かが
  笑顔になってくれたりするのは
  すごく嬉しいから…。
松)施設で歌ったりしてるのもそういう理由?
♡)はい。
M)……。
 
 
すごい、松尾さん…。
先輩のこと色々調べたのかな。詳しい。
 
 
松)君みたいな天才はそうそういない。
  アーティストとして活動すれば
  間違いなく成功すると思うけど?
♡)なんか…上手く言えないんですけど…
  歌でお金をもらいたくないんです、私。
松)へぇ?
♡)もしも…私が歌うことで
  収益を得るようなことがあれば
  全額寄付したいです。
松)ははは、極端だなw
♡)普通のアーティスト活動というか…
  新しい曲をコンスタントに世に出して
  プロモーションをして、っていう流れが
  自分のやりたい形じゃないんです。
松)自分の曲、出したくないの?
♡)はい、あまり興味が持てないです。
  それよりも既にこの世にある
  素敵な曲がたくさんあるから
  私はそういう歌を歌いたいです。
松)……なるほどねぇ。
♡)音楽シーンの移り変わりって
  本当にめまぐるしくて…
  どんな素敵な曲も
  どんどん埋もれていっちゃう…。
  私はそれが少し寂しいんです。
松)そうだねぇ。
  次々と新しい音楽は生まれ続けるからね。
♡)私は昭和の曲とかも大好きだし
  おじいちゃんおばあちゃんも
  喜んでくれるから…。
  新しい曲を自分が発信するというのは
  なんか違うなって。
松)僕が書いてもダメ?w
♡)えっ…
 
 
松尾さんの言葉に、先輩が固まった。
 
 
松)君の声も歌も、天性の才能だよ。
  君はどんな歌も上手く歌えるかも
  しれないけど…
  そうじゃなくて。
  君の魅力を最大限活かせるような
  音、歌詞、メロディ、
  つまり君のためだけに作られた曲。
  歌ってみたいと思わない?
♡)…っ
松)僕はそれを君に作りたいんだけど。
♡)…っ
松)君のためだけに作るから
  君に歌ってほしい。
 
 
それはまるで、プロポーズみたい。
 
……なんて、隣で見てる私は
そんなこと思って。
 
 
でも…、先輩の答えは…、
 
 
♡)ごめんなさい。
松)…っ
♡)私、松尾さんの曲、どれも好きです。
  本当に大好きです。
  でも…私は松尾さんに
  そんな風に言ってもらえるほどの人間じゃ
  ありません。
  松尾さんの歌を歌いたい人は
  たくさんいるはずです。
  私じゃ勿体ないです。
松)…っ
♡)本当にありがたいお話で恐縮なんですが…
  私はお受けできません。
  ごめんなさい。
松)……そうか…。
  君は頑固そう…って言ったら失礼かw
  芯が強そうだから…
  きっとその意志は変わらなそうだね。
♡)はい。
M)……。
 
 
アーティストにはなりたくないって
最初にあんなに説明した先輩に
それでもオファーする松尾さんも…
 
それをやっぱり断る先輩も…
 
どっちもすごいなぁ…。
 
 
松)今日はありがとう、来てくれて。
  姫ちゃんの生の歌が聴けて良かったよ。
♡)私もお会いできて嬉しかったです♡
松)もしも気が変わったら
  いつでもプロデュースするから
  連絡ちょうだいw
♡)松尾さんのお気持ちは本当に嬉しいです。
  ありがとうございます。
 
 
先輩は最後に深々と頭を下げて
部屋を出た。
 
 
M)……。
 
 
もしも本当に松尾さんがプロデュースして
先輩がデビューしたりしたら
大型新人間違いなしだし
あっという間に売れると思うんだけど…
勿体無いなぁ…。
 
って言っても
先輩にその気がないなら仕方ないもんね。
 
 
それよりそれより、
私ってばいいこと思いついちゃったもんね。
 
さっきの二人の話を聞いてて、閃いたの。
もう少し私の中で練ってみよ〜っと♡
 
 
♡)あ、臣くんだ。
  ごめん、ちょっと電話出るね。
M)はいはーい!
♡)もしもし?うん、うん、
  あ、そうなんだー。うん。うん。
  うーんと…、もう帰るところだったけど…
  ……え?
  えーーーーー。
 
 
あれ?
先輩が渋い顔してる。
 
 
♡)やだ。行かない。
 
 
あ、もしかして
登坂さんが参加してる飲み会に
誘われてるのかな。
 
でもこんな断り方するなんて珍しい。
 
 
♡)えーーー。
  そのまま言っていいよ、松浦さんに。
  行かないって。
 
 
松浦さんだったかーーーー!!w
 
なるほど、きっと登坂さんを使って
♡も呼べとか言ってるんだな、あの人。
 
 
♡)え?HIROさんも?小室さんも?
  うん…、うん…、
  ……少しだけでいいの?
  ……わかった、じゃあ今から行くね。
 
 
あ、登坂さんが勝ったみたい。
 
 
♡)臣くん飲んでるから
  合流することになった…。
M)お供しましょうか?
♡)え、いいの?
M)はい。
 
 
なんか先輩一人で行かせるの心配だし。
 
 
♡)えへへ、じゃあ一緒に行こーー♡
 
 
先輩はあっという間に笑顔になった。
可愛いw
 
 
私たちがタクシーに乗って
パーティー会場に向かうと、
中にはそうそうたるメンバーが揃ってた。
 
 
浦)おう、♡!やっと来たかお前〜〜〜
  遅いよ!
♡)お疲れさまです。
浦)ほら、こっち来いこっち来い!
 
 
もう酔ってるのか顔が赤い松浦さんは
嬉しそうに先輩の肩を抱いた。
 
 
♡)もう、触らないでください〜!
浦)はぁ?!
♡)ベタベタしないでください!
浦)肩抱いただけだろが!
♡)そういうのが嫌なんですっ!ぷん!
浦)はぁ!?
H)あっははは、♡ちゃん…ww
♡)あ、臣くんっ♡
臣)おう。
♡)へへへ、ちゃんと来れたよー♡
  迷子にならなかったよ♡
臣)いや、タクシーで来たんでしょ?
  迷うわけないじゃんw
♡)はっ、そうか!
臣)ぷっw
浦)お前は登坂と話してる時だけ
  可愛いんだよなぁ〜〜
♡)え?
浦)俺にもそういう風に話せよ。
  マサくんっ♡
  って呼んでいいぞ?
♡)……何言ってるんですか?
臣)あはははw
 
 
登坂さんは笑いながらも
先輩を松浦さんから庇うように座った。
 
 
浦)大体お前は俺が連絡しても
  全然出ない!返事もしない!
  登坂、お前自分の彼女に
  どういう教育してるんだよ!
臣)すいません。
♡)だって松浦さんいつも
  大した用事じゃないもん。
浦)おいっ!!w
H)あははははw
浦)ほら、こちら小室大先生だよ、
  挨拶しろ。
♡)あっ!初めまして!
  ♡と申します!
小)うん、知ってるよー、初めましてw
  社長から何度も話聞いてるから。
♡)社長?
小)うん。
♡)社長って誰ですか??
浦)俺だよッ!!w
♡)あっ!松浦社長のことですか!?
浦)お前は俺が社長なことも忘れたのか!w
♡)違いますよぉ!
  だって小室さんが社長って呼んでるのが
  なんか不思議だったから。
小)前は専務、専務、って呼んでたんだけどね
  今は社長かなw
浦)なんか呼びにくいでしょ?w
小)呼び方が色々あるから難しいんだよねw
 
 
あ、登坂さんがさりげなく
私にもお酒を回してくれた。
いただきまーす…。
 
 
男)ああ、この子が姫ちゃん!?
男)噂の?!
 
 
なんかおじさま達が集まってきた。
 
 
浦)どうですか?
男)可愛いね!
男)肌がめちゃくちゃ綺麗だね!
 
 
みんなに褒められて
なぜか松浦さんがドヤ顔してる。
 
 
浦)♡、お前さ、ポカリのCMで
  新曲出せよ。
♡)はい??
M)…っ
 
 
いきなり何の話!?
思わず私も耳がピクッとしちゃった。
 
 
浦)あのCM、めちゃくちゃ話題に
  なってんじゃん。
  どうせ第二弾、第三弾って続くだろ?
  だから挿入歌、お前が歌って
  それ新曲で出そう!決まり!
 
 
またこの人は勝手なことを言ってる…。
 
 
浦)俺が話つけといてやるから!なっ!!
 
 
ぎゃっ…!
この人にはほんとにその力があるからな。
 
 
♡)やですっ!
浦)はぁ!?
♡)もぉ!勝手なことしないでください!
浦)なんでだよ!
  めちゃくちゃいいアイディアだろが!
  売れるぞ!!
♡)もぉ〜〜〜
  松浦さんはいっつも「売れる売れる」って
  お金の話ばっかり。
浦)当たり前だろが!
  ボランティアやってんじゃねぇんだぞ。
  ビジネスなんだから金にならなくて
  どうすんだよ!
♡)私は自分の歌を売りたいとは
  思わないです。
浦)ま〜だそんなこと言ってんのかお前は!
♡)もう私のことはほっといてください!
浦)やーだね!
♡)ぎゃーーー!!
 
 
無理やり先輩と登坂さんの間に
割り込むようにして入ってきた松浦さんに、
先輩が悲鳴を上げた。
 
 
浦)お前…、せめて「きゃーー」って言えよ、
  なんだよ「ぎゃーー」って。
  俺は化け物かw
♡)もう!なんでこっち来るんですかー!
浦)あっ!
 
 
先輩…、トイレに逃げたな。
 
 
浦)なんなんだよあいつはもう〜〜〜
小)あははは、
  社長がこんな振り回されてるのも
  珍しいねw
浦)あいつはほんっと素直じゃないんだよ〜
  可愛くないなぁ〜〜
M)……。
 
 
とか言って、先輩のこと大好きなくせに。
 
 
さて、オマケで付いてきた私は暇だし
ちょっとエゴサしてみよっかな。
 
嵐のMVの反応はどうかな〜〜っと♪
 
 
『カップリングのMVヤバイ🙌
 松潤があごクイしてる〜〜〜!!
 ヤバイ😍死ぬ😍』
 
『潤くんと翔くんの余裕のエスコート
 カッコよすぎる😭何このMV💕✨』
 
『今回のMVどうした!?
 ここまで女と絡むなんて!!
 相葉ちゃん一生懸命クール装ってる🤣
 可愛いよぉ〜〜💗💗』
 
『リーダープロポーズしてるみたい!
 めちゃ紳士!😳✨
 このMVかっこいいぃぃぃぃぃ💕』
 
『新しいMV、ニノのシーンが一番好き!
 腕の引き寄せ方もターンも
 全部が完璧!!💯💮
 最高すぎる😭💗』
 
 
おおお…
嵐ファンにもなかなか好評なのでは?
よしよし♡
 
 
『女と絡みまくるからヒヤヒヤして見てたら
 最後の最後に顔映るじゃん!!
 なんだよこの美女😭やめてくれ…💔』
 
『この女なんなの😡😡😡
 マジでくっつきすぎだから💢
 翔ちゃんから離れてよ!!』
 
『松潤ともうキスしちゃいそうじゃん!
 やめてよ!!😭何これ胸が潰れる無理💔』
 
『この女、三代目のMVにも出てるらしい。
 なんなの。MV荒らしかよ😤😤』
 
 
ふむふむ。
やっぱり僻みもあるよね、そりゃ。
 
 
『悔しいけどこの美女本当にキレイ😭
 最後のウインクとか
 めちゃくちゃ色っぽいし可愛くて
 私が男なら一発で惚れる😭』
 
『姫ちゃん今回も可愛い!最高!😍
 ほんとどんな役やっても完璧!💕✨』
 
 
そうでしょそうでしょ、ふっふっふ♡
今回の先輩は本当に綺麗なんだよねー♡
大人の色気が漂う感じで♡
 
 
臣)何ニヤニヤしてんの?
M)はっ!
臣)一人でニヤけてるからw
M)失礼しましたw
臣)Jさんとメールでもしてたの。
M)違いますよ!///
臣)なんだ、違うのw
M)嵐のMV、評判いいみたいで
  良かったなーって。
臣)…っ
 
 
あ、登坂さんの顔色が変わった。
 
 
M)見ました?
臣)見てないよ。買ってないもん。
 
 
そっか、そうだよね。
嵐はYouTubeで公開なんてしてくれないし。
 
 
M)見たいですか?
臣)え、今あんの?
M)はい、iPadに入ってます♡
臣)……見たい。
M)どうぞ♡
 
 
登坂さんに見せてあげようとしたら
松浦さんがニョキッと首を伸ばしてきた。
 
 
浦)なになに?それ!
臣)ええと…、
M)今日発売の嵐の新曲の
  カップリングのMVです。
浦)へ?カップリングにMVついてんの?
M)はい。
  それに姫が出演してるんです♡
H)ああ、言ってたやつか!
M)はい♡
浦)なんだよそれ、見たい見たい!見せて!
  あのスクリーンに映してよ。
小)おおお、大画面w
 
 
私は松浦さんに言われた通り、
ミラーリングでスクリーンにMVを映した。
 
 
音が流れると、
さっきまで酔っ払ってたおじさん達は
みんなそれを品定めするような
プロの目つきになって。
 
登坂さんもじーーっと見てる。
 
 
♡)あれ!!どうしてこれ見てるの!?
 
 
MVの中の先輩が綺麗な背中を見せながら
振り返ってウインクしたところで
ちょうどタイミング良く
本物の先輩が帰ってきたw
 
 
浦)お前、嵐とも仕事したのー?
♡)はい。
H)口説かれなかった?大丈夫?w
♡)大丈夫です!
  みんないい人でしたよー。
  お菓子が美味しくて♡
M)ぷふっw
 
 
またお菓子の話してる!!ww
 
 
小)すごいね、♡ちゃんは。
  スイッチ入ると別人みたいだね。
  カメラの前に立つとそうなるのかな?
♡)え?
浦)すっげぇ色気ムンムンじゃん、これ!
H)うん、セクシーだったよ。
♡)ほんとですか?わーいっ!♡
浦)いつもは無邪気な子供みたいなのに。
♡)子供…?
浦)あ、怒ったw
♡)子供じゃないもん…。
浦)怒るなってーーw
 
 
松浦さんは面白がって
先輩のほっぺをつんつんして
その手を叩かれてる。
 
好きな子にちょっかい出す小学生みたい…。
 
 
M)登坂さんはどうでしたか?MV。
 
 
こそっと聞いてみたら…
 
 
臣)別に…いいんじゃない?
 
 
なんてクールぶった返事が返ってきた。
 
 
臣)ほんとに口説かれてなかった?
 
 
あ、心配してる心配してるw
 
 
M)大丈夫でしたよー♡
 
 
なんちゃって。
 
あんなに取り囲まれてたことも
ほっぺにチューされてたことも
言えるわけないもんね。
内緒内緒w
 
 
M)実は三代目のMVが公開された後、
  嵐側からクレーム入ったんですよw
臣)え、なんて?
M)三代目のMVにも出るなんて
  聞いてない、って。
  しかもそれが嵐より先に
  公開されるなんて、って。
臣)マジか…。
M)はい。
  でもそこは別に報告の義務はないので…
  すみませんでしたー♡って。
臣)Mちゃんが教えてくれなかったら
  俺たちのが後に公開されてたもん。
  ありがとうね。
M)いいえ♡
♡)もうっ!!
M)ん?
 
 
あ、先輩が登坂さんの隣に逃げてきた。
松浦さんがしつこかったのかな。
 
 
浦)よーし、じゃあお前なんか歌えよ!
♡)はい??
浦)歌で金は取りたくないって言うなら
  タダで歌いたいってことだろ?
  だったら今、タダで歌えよw
 
 
うわぁ…
やな言い方…。
 
 
浦)小室さんも聞いてみたいですよねぇ?
小)ははははw
H)俺も聞いた事ないから聞いてみたいな。
  いい?
 
 
あ、HIROさんが笑いながら
柔らかく頼んでくれたから
場が少し和んだ。
 
 
浦)どうせなら小室大先生の歌、歌えよw
小)いやいや、世代が違うもんね?
  知らないでしょ?
♡)ええっ!知ってます!世代です!
臣)めっちゃ世代だよね?w
♡)うんっ!大好きだもん!
 
 
先輩の言葉に小室さんは嬉しそうに微笑んだ。
 
 
浦)じゃあなんか歌えよ、ほら、早く!
小)ここ音とかあるの?
臣)なさそう…。
浦)なかったらアカペラで歌えよ!
  いくらでも歌えんだろ!
♡)…っ
浦)ほら、そこがステージだw
  そこに立って歌えよw
 
 
どっからどう見ても
ステージでもなんでもないような台を指差して
松浦さんが笑った。
 
店はガヤガヤうるさいし
音もマイクもないのに、
ここで歌えって言うの?
 
 
♡)なんでもいいですか?
 
 
先輩は台の上に立つとニッコリ笑った。
 
その笑顔に、みんなどこか少しハッとして…
 
 
大きく深い息を吸った後、
先輩はめちゃくちゃすごい声量で
歌い始めた。
 
 
あんな小さくて細い身体から
一体どうしたらこんな声が出るんだろう
っていうくらい、大きな声。
 
 
でも別に叫んでるわけじゃなくて
芯があって良く響く、本当に綺麗な歌声なの。
 
 
「君の声も歌も、天性の才能だよ。」
 
 
松尾さんがそう言ったのも本当に納得。
 
 
♡)〜♪Can you celebrate?
  Can you kiss me tonight?
  I can celebrate♪〜
 
 
みんなが真剣な眼で見つめる中、
先輩が安室ちゃんを歌いきると、
真っ先に拍手したのは小室さんだった。
 
 
小)すごいね。
  社長が欲しがるのがわかる。
浦)そうでしょうw
 
 
松浦さんはまたドヤってるし。
 
 
小)曲間とかリズムの取り方とかアレンジも
  全部今とっさに自分でやったの?
  自己流で?
♡)はい。
小)すごいな…ほんと…。
H)なんか♡ちゃんの歌は不思議だね、
  もっと聴きたくなるw
浦)ほら、HIROもこう言ってんだから
  まだ歌え!
 
 
それから先輩はあれやこれやと
松浦さんに命じられながら色々歌ったけど
どれもこれも素晴らしすぎて
みんなうっとり聞き惚れてた。
 
自分じゃないのに私が誇らしい気分!!
どーだどーだーー!!
 
 
小)姫ちゃんは事務所入ってないんだよね?
臣)はい。
小)登坂くんの彼女なら
  LDHには入らないの?w
H)うちはいつでも大歓迎ですけどねw
臣)ええっ!そうなんすか!?
H)うん。間違いなく売れるでしょ。
M)HIROさんにそう言っていただけるなんて
  本当に光栄です。ありがとうございます♡
  でも姫は個人でやっていきますので♡
 
 
だって事務所なんかに所属したら
その分、お金抜かれちゃうじゃん!
 
そんなの勿体なさすぎるもん!
先輩だってそれなら
その分寄付したいとか言うはず!
 
 
臣)俺もLDHには入って欲しくないなぁ…w
 
 
登坂さんが私にだけぼそっと囁いた。
 
 
M)そうなんですか?
臣)うん。なかなか黒いからね、うちも。
M)……。
 
 
まぁ芸能事務所なんてどこもそうだよね。
 
 
臣)♡にはさ、そういう汚いところとか
  知らないでいてほしいっていうか…
  あいつはあのまま純粋にキラキラして
  笑っててほしいから。
M)……。
臣)芸能界で活動してる以上
  黒い世界見ることもあるかもしんないけど
  それでも。
  少しでも綺麗なとこにいてほしい。
M)……。
 
 
登坂さんの彼氏としての本音。
 
 
臣)だから…、頼りにしてますよ、
  マネージャー。
 
 
ポンッと膝を叩かれた。
 
 
M)お任せください♡
 
 
俄然、燃えてきた。
 
これから先が、楽しみすぎてワクワクする!
 
 
先輩を守るのも
先輩を輝かせるのも
 
マネージャーの私の役目だもんっ!!
 
 
 
 
 
 
ーendー

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