K)さて。
♡)さて♡
M)ん?
K)昨日の報告会、してもらおうか?
海)そうですよぉ!///
♡)どうだったのかな?ん?♡
M)////
そう…だった…。
皆さんしっかり覚えてらしたんですね…///
♡)ちゃんと着たんだよね?
約束したもんね?
海)Jさん、どうでしたか…?///
K)ちゃんと悩殺したか?
M)////
人の話を聞くのは楽しいのに
自分のことを話すのは
どうしてこんなに恥ずかしいのかな///
M)着ました!燃えました!以上です!///
K)はぁ!?
♡)なぁにそれー!もっと詳しく!
海)そうですよぉ!気になります!///
M)////
K)どう燃えたんじゃい!
♡)Jさんなんて言ってたの?
海)どんなリアクションでしたか?///
M)…J…さん…は…、、///
……ダメだ。
思い出したら肌が火照りそう…。
M)喜んで…くれたと…思いマス、///
以上!!
♡)ずるーい!
K)詳細を話さんかーい!
海)でも…喜んでたんですね、Jさん///
K)ウハウハしてた?
M)ウハウハなんてしてません!
Jさんはそんな下品なキャラじゃないし!
K)じゃあどんなんだったのよ。
グフグフ?
♡)Kちゃん…それじゃ変態だよ…。
K)じゃあガオガオ!
海)ガオガオ…、狼ですね///
M)……それが…一番…近いかも…///
♡)Jさん、狼になったの!?///
M)狼っていうか…!///
すごく優しくて、それはいつもそうで、
本当に本当に優しいんですけど…っ
K)けど?
M)……それに加えて…
激しかった…と…いうか…///
♡)優しくて激しいJさん…///
海)きゃぁぁぁ…///
K)じゃあ悩殺成功ってことか、
よくやった!
M)////
隊長のようなKさんに
謎に褒められてしまった。
ああ、恥ずかしい、顔が熱い///
M)あっ、ほら!嵐の新曲!
今日発売ですよ!
♡)あー!誤魔化したー!
M)そんなんじゃないです!
こっちの方が大事でしょ!///
先輩が出てるんだからー!
K)MV見れんの??
M)はい、さっきデータで届いてました。
K)見たい見たい!
海)私も見たいです〜〜〜♡
iPadで再生してみると…
どのシーンもすごくカッコ良くて…
洗練された大人って感じの
艶っぽい雰囲気。
ラストの先輩なんて
めちゃくちゃ綺麗だし!!
海)すごーいっ///
♡さん妖艶です!色っぽいです!
素敵です!!///
♡)えー!ほんと!?
嬉しい〜〜〜♡♡
海)こんな♡さん、初めて見る…
なんか…色気がすごいです…っ
女の私が見てもドキドキしちゃう///
K)うん。めちゃくちゃ色っぺー。
やるじゃん、♡。
♡)えっへへ、頑張ったんだよー♡
臣くんも褒めてくれるかなー♡
K)いや…、、
臣広は嫉妬して終わりでしょw
♡)ええ!なんでー!ひどい!
M)……。
うん、これは嫉妬しちゃうと思うな…。
海)もう観たんですかね、登坂さん。
♡)観てないと思うー。
今日はHIROさんと観劇に行くって
言ってたし。
M)観劇?
♡)うん!
松さんの刀舞鬼っていう舞台だよー。
K)臣広とHIROさんで行くの?二人で?
♡)そうなんじゃないかなー。
夜はLIVEも観に行って
その後は飲み会って言ってたし。
海)忙しそうですね!
私たちは今日は松尾さんと会うことになってて
定時まで働いてサクッと退社した。
M)これ、松尾さんの経歴等々です。
一応見ておいてくださいね。
♡)はーい!
移動のタクシーの中でiPadを渡したら…
♡)なんか…す、すごい…っ
私が思ってたよりもずっとすごい人だ!
どうしよう!
M)そうですよ、あの松尾さんですから!
先輩ってばいまいち気付いてなかったみたい。
M)着きましたよー。行きましょう。
♡)はい!
二人で車を降りてビルに入った。
案内されたスタジオに入ると
松尾さんが笑顔で迎えてくれて…
なんだかすごく優しそうなおじさま。
お互いに自己紹介を済ませると、
松尾さんはニッコリと微笑んだ。
松)来てくれてありがとうね、
どうしても生で歌を聴いてみたくて。
♡)はい。
松)なんでもいいから歌ってみてくれる?
♡)えっと…松尾さんの曲がいいですか?
松)僕の曲、知ってくれてるの?嬉しいなw
♡)もちろんです!大好きです!
松)じゃあ好きなの歌って。
♡)えっと…、『残り火』とか好きです。
松)おおお…w
じゃあ、いいよ、どうぞ。
そう言われて先輩はスッと目を閉じた。
音を丁寧に辿るように。
♡)〜♪最後の夜はふたりで
泣きながら抱き合ったね
恋の終わり告げながら
揺らめく残り火♪〜
先輩の綺麗な声が響いた瞬間、
松尾さんの顔色が変わったのがわかった。
松)もう少し歌って。
♡)〜♪最後に聞いた言葉も
今では思い出せない
破れた心だけが叫んでた
はるかな遠い日♪〜
松)……ふむ…。
M)…っ
どうしよう、
なんか私がドキドキしちゃう。
松)イイね、すごくイイ。
他にも歌える?
♡)EXILEでもいいですか?
松)ああ、『Ti Amo』?
♡)『ふたつの唇』がいいです♡
松)ああ、そっちねw
いいよ、どうぞ。
先輩は深く息を吸って、また目を閉じた。
♡)〜♪抱きしめる強さで 想いをはかれたら
きっとふたりは恋人以上なのに
迷路のような街 めぐり会えた奇跡
声に出さず ふたりで叫ぼう♪〜
ああ、すごくキレイで切ない…。
先輩が歌うと男性の曲でも
まるっと先輩の色になる。
松)……参ったな…w
♡)え?
松)いや、なんでも。
姫ちゃんはピアノ弾けるんだよね?
♡)はい。
松)小さい頃から習ってたの?
♡)はい、そうです。
松)そうか。
絶対音感、相対音感、あるでしょ?
♡)えっと…あると思います。
松)じゃあこれは?
松尾さんはグラスをカツンと叩いた。
♡)「ラ」です。
松)じゃあこれとこれ。
カン。トン。
♡)「シ」と「レ」です。
松)うん、さすがだね。
M)……。
すごい。
私にはなんのことだかさっぱり…。
やっぱり先輩ってすごいんだなぁ。
松)じゃあ今から俺がさっきの
「ふたつの唇」歌うから
姫ちゃん、ハモってくれる?
♡)わかりました。
M)…っ
一体どうなるんだろうって
ドキドキ見守ってたら…
二人が紡ぎ出す音色はすごくキレイで
聞いてる私はあっという間に
鳥肌が立っちゃった。
松)歌とか習ってたの?ピアノだけ?
♡)ピアノだけです。
松)そうか…、すごいなw
松尾さんは足を組んだまま
くるっと先輩の方を向いた。
松)ちなみに…
エイベックスの松浦さんのオファーを
断り続けてる、なんて噂を
耳にしたんだけど…
それは本当?
♡)……はい。
松)どうして?
♡)……私、歌は大好きなんですけど…
アーティストとして
歌を仕事にしてる自分は
イメージできないんです。
松)そうなの?
たまにLIVEしたりしてるんでしょ?
♡)はい。
それは…、私の歌で誰かが
笑顔になってくれたりするのは
すごく嬉しいから…。
松)施設で歌ったりしてるのもそういう理由?
♡)はい。
M)……。
すごい、松尾さん…。
先輩のこと色々調べたのかな。詳しい。
松)君みたいな天才はそうそういない。
アーティストとして活動すれば
間違いなく成功すると思うけど?
♡)なんか…上手く言えないんですけど…
歌でお金をもらいたくないんです、私。
松)へぇ?
♡)もしも…私が歌うことで
収益を得るようなことがあれば
全額寄付したいです。
松)ははは、極端だなw
♡)普通のアーティスト活動というか…
新しい曲をコンスタントに世に出して
プロモーションをして、っていう流れが
自分のやりたい形じゃないんです。
松)自分の曲、出したくないの?
♡)はい、あまり興味が持てないです。
それよりも既にこの世にある
素敵な曲がたくさんあるから
私はそういう歌を歌いたいです。
松)……なるほどねぇ。
♡)音楽シーンの移り変わりって
本当にめまぐるしくて…
どんな素敵な曲も
どんどん埋もれていっちゃう…。
私はそれが少し寂しいんです。
松)そうだねぇ。
次々と新しい音楽は生まれ続けるからね。
♡)私は昭和の曲とかも大好きだし
おじいちゃんおばあちゃんも
喜んでくれるから…。
新しい曲を自分が発信するというのは
なんか違うなって。
松)僕が書いてもダメ?w
♡)えっ…
松尾さんの言葉に、先輩が固まった。
松)君の声も歌も、天性の才能だよ。
君はどんな歌も上手く歌えるかも
しれないけど…
そうじゃなくて。
君の魅力を最大限活かせるような
音、歌詞、メロディ、
つまり君のためだけに作られた曲。
歌ってみたいと思わない?
♡)…っ
松)僕はそれを君に作りたいんだけど。
♡)…っ
松)君のためだけに作るから
君に歌ってほしい。
それはまるで、プロポーズみたい。
……なんて、隣で見てる私は
そんなこと思って。
でも…、先輩の答えは…、
♡)ごめんなさい。
松)…っ
♡)私、松尾さんの曲、どれも好きです。
本当に大好きです。
でも…私は松尾さんに
そんな風に言ってもらえるほどの人間じゃ
ありません。
松尾さんの歌を歌いたい人は
たくさんいるはずです。
私じゃ勿体ないです。
松)…っ
♡)本当にありがたいお話で恐縮なんですが…
私はお受けできません。
ごめんなさい。
松)……そうか…。
君は頑固そう…って言ったら失礼かw
芯が強そうだから…
きっとその意志は変わらなそうだね。
♡)はい。
M)……。
アーティストにはなりたくないって
最初にあんなに説明した先輩に
それでもオファーする松尾さんも…
それをやっぱり断る先輩も…
どっちもすごいなぁ…。
松)今日はありがとう、来てくれて。
姫ちゃんの生の歌が聴けて良かったよ。
♡)私もお会いできて嬉しかったです♡
松)もしも気が変わったら
いつでもプロデュースするから
連絡ちょうだいw
♡)松尾さんのお気持ちは本当に嬉しいです。
ありがとうございます。
先輩は最後に深々と頭を下げて
部屋を出た。
M)……。
もしも本当に松尾さんがプロデュースして
先輩がデビューしたりしたら
大型新人間違いなしだし
あっという間に売れると思うんだけど…
勿体無いなぁ…。
って言っても
先輩にその気がないなら仕方ないもんね。
それよりそれより、
私ってばいいこと思いついちゃったもんね。
さっきの二人の話を聞いてて、閃いたの。
もう少し私の中で練ってみよ〜っと♡
♡)あ、臣くんだ。
ごめん、ちょっと電話出るね。
M)はいはーい!
♡)もしもし?うん、うん、
あ、そうなんだー。うん。うん。
うーんと…、もう帰るところだったけど…
……え?
えーーーーー。
あれ?
先輩が渋い顔してる。
♡)やだ。行かない。
あ、もしかして
登坂さんが参加してる飲み会に
誘われてるのかな。
でもこんな断り方するなんて珍しい。
♡)えーーー。
そのまま言っていいよ、松浦さんに。
行かないって。
松浦さんだったかーーーー!!w
なるほど、きっと登坂さんを使って
♡も呼べとか言ってるんだな、あの人。
♡)え?HIROさんも?小室さんも?
うん…、うん…、
……少しだけでいいの?
……わかった、じゃあ今から行くね。
あ、登坂さんが勝ったみたい。
♡)臣くん飲んでるから
合流することになった…。
M)お供しましょうか?
♡)え、いいの?
M)はい。
なんか先輩一人で行かせるの心配だし。
♡)えへへ、じゃあ一緒に行こーー♡
先輩はあっという間に笑顔になった。
可愛いw
私たちがタクシーに乗って
パーティー会場に向かうと、
中にはそうそうたるメンバーが揃ってた。
浦)おう、♡!やっと来たかお前〜〜〜
遅いよ!
♡)お疲れさまです。
浦)ほら、こっち来いこっち来い!
もう酔ってるのか顔が赤い松浦さんは
嬉しそうに先輩の肩を抱いた。
♡)もう、触らないでください〜!
浦)はぁ?!
♡)ベタベタしないでください!
浦)肩抱いただけだろが!
♡)そういうのが嫌なんですっ!ぷん!
浦)はぁ!?
H)あっははは、♡ちゃん…ww
♡)あ、臣くんっ♡
臣)おう。
♡)へへへ、ちゃんと来れたよー♡
迷子にならなかったよ♡
臣)いや、タクシーで来たんでしょ?
迷うわけないじゃんw
♡)はっ、そうか!
臣)ぷっw
浦)お前は登坂と話してる時だけ
可愛いんだよなぁ〜〜
♡)え?
浦)俺にもそういう風に話せよ。
マサくんっ♡
って呼んでいいぞ?
♡)……何言ってるんですか?
臣)あはははw
登坂さんは笑いながらも
先輩を松浦さんから庇うように座った。
浦)大体お前は俺が連絡しても
全然出ない!返事もしない!
登坂、お前自分の彼女に
どういう教育してるんだよ!
臣)すいません。
♡)だって松浦さんいつも
大した用事じゃないもん。
浦)おいっ!!w
H)あははははw
浦)ほら、こちら小室大先生だよ、
挨拶しろ。
♡)あっ!初めまして!
♡と申します!
小)うん、知ってるよー、初めましてw
社長から何度も話聞いてるから。
♡)社長?
小)うん。
♡)社長って誰ですか??
浦)俺だよッ!!w
♡)あっ!松浦社長のことですか!?
浦)お前は俺が社長なことも忘れたのか!w
♡)違いますよぉ!
だって小室さんが社長って呼んでるのが
なんか不思議だったから。
小)前は専務、専務、って呼んでたんだけどね
今は社長かなw
浦)なんか呼びにくいでしょ?w
小)呼び方が色々あるから難しいんだよねw
あ、登坂さんがさりげなく
私にもお酒を回してくれた。
いただきまーす…。
男)ああ、この子が姫ちゃん!?
男)噂の?!
なんかおじさま達が集まってきた。
浦)どうですか?
男)可愛いね!
男)肌がめちゃくちゃ綺麗だね!
みんなに褒められて
なぜか松浦さんがドヤ顔してる。
浦)♡、お前さ、ポカリのCMで
新曲出せよ。
♡)はい??
M)…っ
いきなり何の話!?
思わず私も耳がピクッとしちゃった。
浦)あのCM、めちゃくちゃ話題に
なってんじゃん。
どうせ第二弾、第三弾って続くだろ?
だから挿入歌、お前が歌って
それ新曲で出そう!決まり!
またこの人は勝手なことを言ってる…。
浦)俺が話つけといてやるから!なっ!!
ぎゃっ…!
この人にはほんとにその力があるからな。
♡)やですっ!
浦)はぁ!?
♡)もぉ!勝手なことしないでください!
浦)なんでだよ!
めちゃくちゃいいアイディアだろが!
売れるぞ!!
♡)もぉ〜〜〜
松浦さんはいっつも「売れる売れる」って
お金の話ばっかり。
浦)当たり前だろが!
ボランティアやってんじゃねぇんだぞ。
ビジネスなんだから金にならなくて
どうすんだよ!
♡)私は自分の歌を売りたいとは
思わないです。
浦)ま〜だそんなこと言ってんのかお前は!
♡)もう私のことはほっといてください!
浦)やーだね!
♡)ぎゃーーー!!
無理やり先輩と登坂さんの間に
割り込むようにして入ってきた松浦さんに、
先輩が悲鳴を上げた。
浦)お前…、せめて「きゃーー」って言えよ、
なんだよ「ぎゃーー」って。
俺は化け物かw
♡)もう!なんでこっち来るんですかー!
浦)あっ!
先輩…、トイレに逃げたな。
浦)なんなんだよあいつはもう〜〜〜
小)あははは、
社長がこんな振り回されてるのも
珍しいねw
浦)あいつはほんっと素直じゃないんだよ〜
可愛くないなぁ〜〜
M)……。
とか言って、先輩のこと大好きなくせに。
さて、オマケで付いてきた私は暇だし
ちょっとエゴサしてみよっかな。
嵐のMVの反応はどうかな〜〜っと♪
『カップリングのMVヤバイ🙌
松潤があごクイしてる〜〜〜!!
ヤバイ😍死ぬ😍』
『潤くんと翔くんの余裕のエスコート
カッコよすぎる😭何このMV💕✨』
『今回のMVどうした!?
ここまで女と絡むなんて!!
相葉ちゃん一生懸命クール装ってる🤣
可愛いよぉ〜〜💗💗』
『リーダープロポーズしてるみたい!
めちゃ紳士!😳✨
このMVかっこいいぃぃぃぃぃ💕』
『新しいMV、ニノのシーンが一番好き!
腕の引き寄せ方もターンも
全部が完璧!!💯💮
最高すぎる😭💗』
おおお…
嵐ファンにもなかなか好評なのでは?
よしよし♡
『女と絡みまくるからヒヤヒヤして見てたら
最後の最後に顔映るじゃん!!
なんだよこの美女😭やめてくれ…💔』
『この女なんなの😡😡😡
マジでくっつきすぎだから💢
翔ちゃんから離れてよ!!』
『松潤ともうキスしちゃいそうじゃん!
やめてよ!!😭何これ胸が潰れる無理💔』
『この女、三代目のMVにも出てるらしい。
なんなの。MV荒らしかよ😤😤』
ふむふむ。
やっぱり僻みもあるよね、そりゃ。
『悔しいけどこの美女本当にキレイ😭
最後のウインクとか
めちゃくちゃ色っぽいし可愛くて
私が男なら一発で惚れる😭』
『姫ちゃん今回も可愛い!最高!😍
ほんとどんな役やっても完璧!💕✨』
そうでしょそうでしょ、ふっふっふ♡
今回の先輩は本当に綺麗なんだよねー♡
大人の色気が漂う感じで♡
臣)何ニヤニヤしてんの?
M)はっ!
臣)一人でニヤけてるからw
M)失礼しましたw
臣)Jさんとメールでもしてたの。
M)違いますよ!///
臣)なんだ、違うのw
M)嵐のMV、評判いいみたいで
良かったなーって。
臣)…っ
あ、登坂さんの顔色が変わった。
M)見ました?
臣)見てないよ。買ってないもん。
そっか、そうだよね。
嵐はYouTubeで公開なんてしてくれないし。
M)見たいですか?
臣)え、今あんの?
M)はい、iPadに入ってます♡
臣)……見たい。
M)どうぞ♡
登坂さんに見せてあげようとしたら
松浦さんがニョキッと首を伸ばしてきた。
浦)なになに?それ!
臣)ええと…、
M)今日発売の嵐の新曲の
カップリングのMVです。
浦)へ?カップリングにMVついてんの?
M)はい。
それに姫が出演してるんです♡
H)ああ、言ってたやつか!
M)はい♡
浦)なんだよそれ、見たい見たい!見せて!
あのスクリーンに映してよ。
小)おおお、大画面w
私は松浦さんに言われた通り、
ミラーリングでスクリーンにMVを映した。
音が流れると、
さっきまで酔っ払ってたおじさん達は
みんなそれを品定めするような
プロの目つきになって。
登坂さんもじーーっと見てる。
♡)あれ!!どうしてこれ見てるの!?
MVの中の先輩が綺麗な背中を見せながら
振り返ってウインクしたところで
ちょうどタイミング良く
本物の先輩が帰ってきたw
浦)お前、嵐とも仕事したのー?
♡)はい。
H)口説かれなかった?大丈夫?w
♡)大丈夫です!
みんないい人でしたよー。
お菓子が美味しくて♡
M)ぷふっw
またお菓子の話してる!!ww
小)すごいね、♡ちゃんは。
スイッチ入ると別人みたいだね。
カメラの前に立つとそうなるのかな?
♡)え?
浦)すっげぇ色気ムンムンじゃん、これ!
H)うん、セクシーだったよ。
♡)ほんとですか?わーいっ!♡
浦)いつもは無邪気な子供みたいなのに。
♡)子供…?
浦)あ、怒ったw
♡)子供じゃないもん…。
浦)怒るなってーーw
松浦さんは面白がって
先輩のほっぺをつんつんして
その手を叩かれてる。
好きな子にちょっかい出す小学生みたい…。
M)登坂さんはどうでしたか?MV。
こそっと聞いてみたら…
臣)別に…いいんじゃない?
なんてクールぶった返事が返ってきた。
臣)ほんとに口説かれてなかった?
あ、心配してる心配してるw
M)大丈夫でしたよー♡
なんちゃって。
あんなに取り囲まれてたことも
ほっぺにチューされてたことも
言えるわけないもんね。
内緒内緒w
M)実は三代目のMVが公開された後、
嵐側からクレーム入ったんですよw
臣)え、なんて?
M)三代目のMVにも出るなんて
聞いてない、って。
しかもそれが嵐より先に
公開されるなんて、って。
臣)マジか…。
M)はい。
でもそこは別に報告の義務はないので…
すみませんでしたー♡って。
臣)Mちゃんが教えてくれなかったら
俺たちのが後に公開されてたもん。
ありがとうね。
M)いいえ♡
♡)もうっ!!
M)ん?
あ、先輩が登坂さんの隣に逃げてきた。
松浦さんがしつこかったのかな。
浦)よーし、じゃあお前なんか歌えよ!
♡)はい??
浦)歌で金は取りたくないって言うなら
タダで歌いたいってことだろ?
だったら今、タダで歌えよw
うわぁ…
やな言い方…。
浦)小室さんも聞いてみたいですよねぇ?
小)ははははw
H)俺も聞いた事ないから聞いてみたいな。
いい?
あ、HIROさんが笑いながら
柔らかく頼んでくれたから
場が少し和んだ。
浦)どうせなら小室大先生の歌、歌えよw
小)いやいや、世代が違うもんね?
知らないでしょ?
♡)ええっ!知ってます!世代です!
臣)めっちゃ世代だよね?w
♡)うんっ!大好きだもん!
先輩の言葉に小室さんは嬉しそうに微笑んだ。
浦)じゃあなんか歌えよ、ほら、早く!
小)ここ音とかあるの?
臣)なさそう…。
浦)なかったらアカペラで歌えよ!
いくらでも歌えんだろ!
♡)…っ
浦)ほら、そこがステージだw
そこに立って歌えよw
どっからどう見ても
ステージでもなんでもないような台を指差して
松浦さんが笑った。
店はガヤガヤうるさいし
音もマイクもないのに、
ここで歌えって言うの?
♡)なんでもいいですか?
先輩は台の上に立つとニッコリ笑った。
その笑顔に、みんなどこか少しハッとして…
大きく深い息を吸った後、
先輩はめちゃくちゃすごい声量で
歌い始めた。
あんな小さくて細い身体から
一体どうしたらこんな声が出るんだろう
っていうくらい、大きな声。
でも別に叫んでるわけじゃなくて
芯があって良く響く、本当に綺麗な歌声なの。
「君の声も歌も、天性の才能だよ。」
松尾さんがそう言ったのも本当に納得。
♡)〜♪Can you celebrate?
Can you kiss me tonight?
I can celebrate♪〜
みんなが真剣な眼で見つめる中、
先輩が安室ちゃんを歌いきると、
真っ先に拍手したのは小室さんだった。
小)すごいね。
社長が欲しがるのがわかる。
浦)そうでしょうw
松浦さんはまたドヤってるし。
小)曲間とかリズムの取り方とかアレンジも
全部今とっさに自分でやったの?
自己流で?
♡)はい。
小)すごいな…ほんと…。
H)なんか♡ちゃんの歌は不思議だね、
もっと聴きたくなるw
浦)ほら、HIROもこう言ってんだから
まだ歌え!
それから先輩はあれやこれやと
松浦さんに命じられながら色々歌ったけど
どれもこれも素晴らしすぎて
みんなうっとり聞き惚れてた。
自分じゃないのに私が誇らしい気分!!
どーだどーだーー!!
小)姫ちゃんは事務所入ってないんだよね?
臣)はい。
小)登坂くんの彼女なら
LDHには入らないの?w
H)うちはいつでも大歓迎ですけどねw
臣)ええっ!そうなんすか!?
H)うん。間違いなく売れるでしょ。
M)HIROさんにそう言っていただけるなんて
本当に光栄です。ありがとうございます♡
でも姫は個人でやっていきますので♡
だって事務所なんかに所属したら
その分、お金抜かれちゃうじゃん!
そんなの勿体なさすぎるもん!
先輩だってそれなら
その分寄付したいとか言うはず!
臣)俺もLDHには入って欲しくないなぁ…w
登坂さんが私にだけぼそっと囁いた。
M)そうなんですか?
臣)うん。なかなか黒いからね、うちも。
M)……。
まぁ芸能事務所なんてどこもそうだよね。
臣)♡にはさ、そういう汚いところとか
知らないでいてほしいっていうか…
あいつはあのまま純粋にキラキラして
笑っててほしいから。
M)……。
臣)芸能界で活動してる以上
黒い世界見ることもあるかもしんないけど
それでも。
少しでも綺麗なとこにいてほしい。
M)……。
登坂さんの彼氏としての本音。
臣)だから…、頼りにしてますよ、
マネージャー。
ポンッと膝を叩かれた。
M)お任せください♡
俄然、燃えてきた。
これから先が、楽しみすぎてワクワクする!
先輩を守るのも
先輩を輝かせるのも
マネージャーの私の役目だもんっ!!
ーendー
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