〈60〉絶倫サマンサ

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♡)行って…きます…///
臣)ん…、行ってらっしゃい…///
 
 
チュッ…。
 
 
♡)えと…、行ってきます…///
臣)うん…、行ってらっしゃい///
 
 
チュッ…。
 
 
♡)////
臣)////
 
 
どうしよう…離れたくないよ…。
 
 
♡)もっかい…だけ…、///
臣)うん…、///
 
 
チュッ…。
 
 
♡)////
臣)////
 
 
どうしよう…臣くんが大好き…。
 
 
あんなに愛し合ったのに…
どうしてこんなに、離れ難いの…?
 
 
臣)もっかいだけ…しよっか…///
♡)うん…///
 
 
チュッ…。
 
 
♡)////
臣)////
 
 
ダメ、足りないよ…。
 
さっきから私たちは、こんなことの繰り返し。
全然玄関から出られないの。
 
 
臣)ああ、もうダメだ、///
♡)え…っ///
臣)もうさ、本気のしていい?///
♡)本気!?///
臣)本気のチュー。
♡)////
 
 
臣くんの目が…真剣になって…
 
グイッと抱き寄せられて、
ヒールがカツンと音を立てた。
 
 
♡)んん…っ、///
 
 
滑り込んできた舌が、
臣くんの「本気」を伝えるみたいに
私を甘く、とろけさせていく…。
 
 
♡)……は…ぁ、…っ///
 
 
……気持ち良くなって…
唇が離れたら、私はぽすんと
臣くんに寄りかかった…。
 
 
臣)♡…?
♡)…っ
 
 
臣くんは私の顎をそっと持ち上げた。
 
 
臣)そんな顔してたら…
  行かせてやれないけど…?
♡)え…っ
臣)色気、ダダ漏れすぎ。どうにかしろ///
♡)////
 
 
だって…
臣くんが…こんなキス、するから…///
 
 
臣)そんな顔、手越に見せんな。
  絶対ダメ。
♡)臣くんってば…呼び捨てだ。
臣)だってあいつなんかチャラそうじゃん。
♡)見かけで判断しちゃいけません。
臣)えーーー?
 
 
臣くんは不満そうに口を尖らせた。
 
 
♡)大丈夫だよ、このドアを出たらね、
  ピシーッと!
  ピシーッと仕事モードになるんだから!
臣)お前の仕事モードってどんなん?
♡)こんな感じ!ピシーッ!
 
 
私は踵を揃えて背筋を伸ばした。
 
 
臣)ぷぷっ…w
♡)どうして笑うの!///
臣)いや…、ほんと可愛いなと思って…w
♡)……///
 
 
また子供扱いされてる。悔しい…。
 
 
♡)じゃあ…行ってくるね…?
臣)ダメー。まだ顔がエロいからダメー。
♡)エロいって何!///
臣)俺とキスしまくった顔してるもん。
♡)////
 
 
だってそれはほんとだから仕方ないもん…///
 
 
臣)はぁ、
♡)わっ///
 
 
またむぎゅってされた。
 
 
臣)……大好きだよ。
♡)////
 
 
きゅん…きゅん…
 
 
臣)ん、行ってらっしゃい。
 
 
しばらく私を抱きしめた後、
臣くんは優しく笑って
私の頭をぽんってしてくれた。
 
 
♡)////
 
 
きゅん…きゅん…
 
 
♡)行ってきます…っ///
 
 
……バタン。
 
 
♡)……はぁ、///
 
 
身体も心も…、臣くんでいっぱいだ…。
 
いっぱいいっぱい…満たしてもらえて…
本当に幸せだよ…。
 
 
よし、充電100%!
お仕事頑張らなくっちゃ…!!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♡を見送った後、
俺もすぐ迎えの車に乗り込んだ。
 
 
岩)あーーー、久々のSさんのお迎え〜〜!
  嬉しすぎる。
S)あはははw
  橘先に現場入りしてるから
  着いたらいるけどね…w
岩)うああああ〜〜〜
 
 
岩ちゃんはがっくりとうなだれた。
 
やっぱり橘のせいで
相当ストレス溜まってんだろな…。
 
 
S)隆二も拾ってくから。
臣)あら。3人一緒?
 
 
最近隆二はKさんが迎えに行ってたけど。
 
 
S)Kさん熱出しちゃってさ。
臣)あら!
S)Mさんも今ダウンしてるし。
臣)あら!
 
 
ベテラン勢が大変なことに。
 
 
岩)インフル流行ってるしねー。
S)まぁこの時期は仕方ないよね。
岩)俺は◇が厳しいから
  手洗いうがいめっちゃしてる。
臣)そうなの?w
岩)うん。たまーに忘れて
  リビング直行しようとすると
  「手洗いうがーーい!!」
  って言われるもんw
臣)さすが◇ちゃん、しっかりしてるわw
S)素晴らしいw
 
 
お、隆二が来た来た。
 
 
隆)おはよーー。
岩)あれ、隆二さん…
臣)あ。
 
 
なんかカッコイイ服着てる。
俺と岩ちゃんはすぐに顔を見合わせた。
 
これは絶対…、、
 
 
隆)へへへ、♧にもらったぁw
 
 
やっぱりーー!!
 
嬉しそうにニヤけちゃって。
 
 
岩)見せて見せてw
隆)あんねー、こんな感じ。
 
 
車に乗り込むと、
隆二は嬉しそうにジャケットを脱いで
中のシャツを見せてくれた。
 
 
臣)おおお…マジでかっけぇ…。
 
 
ほんと毎回すごいな♧さん。さすが。
 
デザインもカッコイイし、
隆二に似合うものをわかってる。
多分、隆二よりw
 
 
隆)これとねぇ、チョコもらった♡
臣)あっ!そっか、バレンタインか!
隆)そうだよw
岩)隆二さんめちゃ幸せそうw
隆)だって嬉しいじゃん///
  なんかもう…、うん、燃えたわ///
臣)えっ…
 
 
まさかこいつも…俺の仲間か!?
 
 
岩)燃えたって、そっち?w
隆)うん///
臣)お前さては…ついさっきまで
  ヤッてただろ。
隆)えっ///
臣)……。
 
 
嘘のつけない奴め。
 
 
隆)いや、だって…///
  なんか♧、すげぇ可愛くてさーー
  ちょっとヤバかった、うん///
  ♧…、身体大丈夫かな…。
 
 
隆二がぼそっと呟いた。
 
 
岩)身体心配になるほどしたのw
隆)////
臣)思い出してんじゃねぇぞコラ。
隆)だって!///
  あ、岩ちゃんは?
  岩ちゃんは何もらったの?
岩)俺ぇ?
  俺は…普通に、チョコとか、うん///
臣)ん?
 
 
今度は岩ちゃんがニヤけ出したぞ!?
 
 
隆)なにニヤニヤしてんの…。
岩)いや、◇すげぇ可愛かったなぁって///
臣)まさか…お前もか!
隆)えっ…
臣)ついさっきまでヤッてただろ!
岩)うーん、そんなつもりじゃ
  なかったんだけどねぇ〜
  昨日も散々したし…///
隆)岩ちゃん、それわかる。
  そんなつもりじゃなくても
  彼女が可愛すぎて火がつくんだよ。
岩)そう!
隆)散々しても関係ないんだよ。
岩)そう!
  もう何回したかわからん。
隆)俺も。
臣)お前ら…絶倫かよ…。
S)ぶはははっw
 
 
Sさんが運転席で吹き出した。
 
 
S)そういう臣はどうなのよ。
臣)えっ…
隆)あ、そうだよお前!
岩)仲直りH、したの?
隆)そうだそうだ!
岩)ハルくんとの初対面は!?
隆)あ、そうだよ!それ!
臣)ええと…、
 
 
そうだった。
昨日バタバタで帰ったもんな、俺。
 
 
臣)ハルくんは…、うん。
  無事に挨拶しましたよ。
隆)どうだったの?
臣)特に問題なく…平和に終了。
岩)おお…っ
隆)バチバチしなかったの?
臣)うん。
  だってハルくん…
  そんなキャラじゃないんだもん。
  すげぇ穏やかな好青年でさ。
岩)まぁ確かに…そんな感じしたけど。
隆)良かったね、♡ちゃん奪られなくて。
臣)最初っから奪られるつもりなんかねぇわ!
岩)で?
臣)え?
岩)仲直りHの方は?
臣)……///
隆)うわ、キモい、ニヤけてる。
臣)お前に言われたくねぇわ!w
岩)そっか、したんだ。
臣)うん…///
岩)良かったね。さぞ燃えたんでしょw
臣)ヤバかった…。マジでヤバかった///
隆)どんなん?どんなん?
臣)俺も何回したかわからん…。
岩)絶倫自分じゃん!!w
隆)お前もさっきまでヤッてたろ!
臣)うん///
  だって♡が可愛いんだもん…
  仕方ねぇじゃん///
S)なんなんだこの3人は…w
臣隆岩)え?
S)みんな揃って彼女とラブラブで…
  何よりですわ…w
  ……絶倫サマンサ…。
 
 
Sさんがぼそっとそう言った。
 
 
隆)変な名前つけないでよ!w
岩)グループ名みたいじゃん!w
臣)ぶはっww
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
J)はい、着いたよーー。
♡)ありがとうございますっ♡
 
 
家を出て駅に向かおうとしたら
JさんとMちゃんが
車で迎えに来てくれたんだー♡
 
 
M)Jさんすみません、
  ありがとうございました。
J)どういたしましてーw
M)……///
J)ん?どうしたの?
M)いえ、なんでも…ないです///
 
 
なんだかもじもじしてるMちゃんと
クスッと笑うJさん。
 
 
J)ほら、行っといでw
M)はい///
 
 
Jさんに優しく頭をポンポンされて
Mちゃんは助手席から降りてきた。
 
 
♡)じゃあ行こっか!
M)はい///
 
 
Jさんの車を見送って、ビルに入った。
 
 
♡)Mちゃん…なんだかぽわぽわしてる。
M)えっ///
♡)どうしたの?
M)////
 
 
あれ、赤くなっちゃった。
 
 
M)なんか…ちょっと、ごめんなさい///
  ちゃんと仕事モードに切り替えます!
♡)……。
 
 
そんな意気込まないと切り替えられないほど
ぽわぽわ状態なの…?
 
 
♡)バレンタインだから
  Jさんといっぱい
  イチャイチャしてたなー?♡
M)えっ!?///
♡)ふっふっふ、当たりだーー♡
M)////
 
 
Mちゃんは恥ずかしそうに
バッグをぎゅっと握り直した。
 
 
M)なんかもう…わけわかんなくて///
♡)えっ…
M)Jさんでいっぱいすぎて…
  わけわかんないんです…///
♡)////
 
 
そんなに…
わけわかんなくなっちゃうくらい…
イチャイチャしたのかな?///
 
 
M)もう…何回したか…わかんない///
♡)えっ///
M)……はっ、えと…、///
  なんでもないです!
  忘れてください!///
♡)////
 
 
Mちゃんも…私と一緒だった…///
 
 
Jさんも…臣くんと一緒で
「絶倫」ってやつなのかな…?///
 
 
♡)なんか…心も身体も…
  ぽわぽわしちゃうよね///
M)え…?
♡)いっぱい満たされると、///
M)先輩も…ですか?///
♡)はっ…!えと、あの…その…///
M)登坂さんとヤリまくったんですね?
♡)こらー!言い方ー!///
 
 
それから控え室に入ると
すぐにヘアメイクさんが来てくれて。
 
用意してもらいながら、
置いてあった雑誌に目を通した。
 
 
女)はい、出来ましたよー♡
♡)ありがとうございます♡
 
 
あ、そーだ!
 
 
♡)あの、これ!
女)え?
♡)バレンタインチョコです♡
  良かったらどうぞ♡
女)ええ!いいんですか?私なんかに!?
♡)もらってください♡
女)嬉しい〜〜〜//
  ありがとうございます姫さん///
♡)えへへ♡
 
 
あ、Mちゃんが戻ってきた。
 
 
♡)Mちゃんにもー!はいっ♡
M)あ!私も持ってきました!
  はい、先輩の分ーー♡
♡)わぁ、可愛い!
 
 
なんて、きゃいきゃいしてたら、
コンコンとノック音が聞こえた。
 
 
手)ひーめちゃんw
 
 
その声に振り返ると、
手越くんがニッコリ笑って
こっちを見てた。
 
 
M)あ、すみません!
  これからご挨拶にお伺いしようと
  思ってたんですが…
手)あはは、いーよいーよ、
  そんなかしこまらなくてw
♡)初めまして、♡と申します。
手)うん、知ってるよーw
  姫ちゃん。やっぱ実物も可愛いね♡
♡)えっ…
手)♡ちゃんって呼んでもいいの?
♡)えっと…
  手越さんのお好きな方で…
手)あーー、やめてよちょっとー
  手越さんとかかたいってーw
♡)えっ
手)もっとフランクに呼んでよ!
♡)…っ
 
 
そう言われても…、どうしよう。
 
 
♡)じゃあ…手越くん…?
 
 
実はそう呼んでたけど。
 
 
手)うん、それで♡
 
 
手越くんは嬉しそうににんまり笑った。
 
 
手)何してんのー?
  あ、あれでしょ。
  バレンタインのチョコ交換だ♡
  いいねー、女子だねー♡
♡)えっと…
 
 
手越くんはグイグイ入ってきて
椅子に座っちゃった。
 
 
手)俺のはないのー?♡
♡)はっ…
 
 
そっか!
バレンタイン当日に一緒にお仕事するのに
何もないなんて失礼だったかな!?
 
 
♡)すみません、ないです…。
手)あははっ、正直かよ!w
♡)気が利かなくてすみませんでした…。
手)じゃあ代わりになんかちょーだい♡
♡)え!?
手)ほっぺにチューとか♡
  なんでもいいよーw
♡)はい!??
 
 
何言ってるのこの人。
 
 
M)手越さん、すみません。
  まだ準備がありますので…、
手)えー?準備ってー?
  ♡ちゃんもう完成してるじゃん。
M)他の仕事の打ち合わせもありますので…
手)じゃあ俺ここで待ってる♡
M)えっ…
手)ね、手…すげぇ綺麗だね、すべすべ。
♡)ひゃっ!!
 
 
いきなりなでなでされた!
なんなのー!??
 
 
手)♡ちゃん、肌綺麗だもんねー。
♡)…っ
手)ここ座んなよ。
 
 
そう言って隣の椅子を引かれたけど…
私は手越くんから一歩離れた。
 
 
手)今日の撮影の前にさ、
  一回ゆっくり話してみたかったんだけど…
  スケジュール合わなかったみたいで。
  ざーんねん。
  断られてびっくりしたw
♡)えっと…
M)申し訳ありませんでした。
  毎日スケジュールがびっしりでして。
手)ふーん?
  今日は?この後、空いてる?
  ご飯行こうよ。
♡)えっと…、ごめんなさい。
  今日も予定があります。
手)えーーー。
 
 
本当は何もないけど…
 
 
手)バレンタインだから彼氏とデート?
♡)はい!そうです!
 
 
そういうことにしておこう!
 
 
手)そんなんキャンセルしてさー、
  俺とご飯行こうよ。
  美味しいお店連れてってあげるよ?
  どこでも♡
♡)…っ
 
 
彼氏とデートって言ってるのに???
 
 
手)♡ちゃんって彼氏とラブラブキャラで
  やってるんでしょー?
 
 
キャラって何!?
 
 
手)いいよ、建前上そうでも。
  たまには彼氏以外とも遊ぼうよw
  ね、今夜決まり。じゃっ!
♡)あっ!待っ…
 
 
……あっという間にいなくなっちゃった。
 
 
M)手強い…、予想以上に。
  やっぱり先輩のこと狙ってたか。
  そうだよね…うん。
♡)…っ
M)そしてなんてナチュラルなチャラさ…
  さすがですね…。
♡)……。
 
 
ご飯なんて絶対行かないもんっ!!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
カ)はい、登坂さんOKでーす。
臣)ありがとうございます。
カ)こんな感じで…。
臣)はい。
 
 
撮り終えた写真をモニターで確認。
 
 

 
 
カ)なんか登坂さん、
  雰囲気柔らかくなりましたね。
臣)え?
カ)自分、前にも撮らせてもらいましたけど…
  なんか変わったなぁって思って。
臣)はは、そうですか?w
 
 
そのまま控え室に戻ると
Sさんがぼそっと言った。
 
 
S)♡ちゃんとヤリまくった効果だね…。
  即効性、大…。
臣)なんでだよ!w
S)心も身体も満たされて
  あんな優臣な顔しちゃって。
臣)別に関係ねーし!///
隆)あ、次俺か。行ってきまーす。
岩)行ってらっしゃーい。
 
 
俺と交代で出て行った隆二を見送ると、
ちょうど俺の携帯が鳴った。
 
 
臣)あ。Rだ。
岩)え?
 
 
LINEが来た。
 
 
『臣さんもグラミー賞見に行くって
 聞いたんだけど、ほんと?✈️
 向こうで会えるかな?』
 
 
臣)え。あいつも行くの。
岩)ん?
臣)グラミー賞。
岩)ああ、臣さん行くんだっけ。いつ?
臣)明日。
岩)明日か!
臣)イベントは明後日だけどね。
 
 
つーか俺、
こいつに返事してないままだったな。
 
 
『行くよ✈️』
 
 
俺は一言だけ返して、携帯を置いた。
 
 
橘)なんなんですかね、Rさん。
臣)は!??
 
 
いつの間にか橘が俺の真後ろにいて
びっくりした。
 
 
橘)海外でハメ外さないでくださいね。
臣)はぁ!??
 
 
なんでお前にんなこと言われなきゃ
なんねぇんだよ!
 
 
橘)Rさんは要注意人物だから。
 
 
それはお前だ!!!
 
 
臣)はぁ。
 
 
もう言い返す気にもならなくて無視してると
橘がそわそわしながら俺の前に周ってきた。
 
 
橘)登坂さん…♡
臣)…っ
 
 
いきなり猫なで声になったんですけど…
うわ、俺…鳥肌立ってる。
 
 
橘)これ、バレンタインのチョコです♡
臣)…っ
 
 
目の前に差し出されたそれに、
思わず固まる。
 
 
橘)受け取ってください♡
臣)……いらない。
橘)えっ…
臣)いらない。
橘)…っ
 
 
なんだよその意外そうな顔は!
受け取るわけねぇだろ!
死んでもいらねぇ!
 
 
橘)なんで…ですか…?
臣)はぁ?理由いる?
 
 
俺は思わず橘を睨んだ。
 
 
橘)一生懸命…作ったのに…。
臣)知らねぇよそんなん!
橘)ひどすぎる…っ
  私の気持ち…もうわかってるくせに…
  岩田さん、登坂さんひどいですよね?
 
 
はぁ!??
 
なんでそこで岩ちゃんに甘えるわけ?!
岩ちゃんが自分の味方だとか思ってんの!?
 
 
岩)橘。
 
 
岩ちゃんはニッコリ笑って
橘の手を自分の肩から剥がした。
 
 
岩)臣さんはさ、お前に早く
  一人前になってほしいんだよ。
  恋愛とかより大事なことあるだろ、今は。
橘)え…っ
岩)もっと仕事頑張ってさ、
  臣さんに認めてもらえるようになって
  まずはそこからじゃない?
橘)…っ
 
 
橘は唇を噛んで俯いた。
 
 
S)あ、橘。これ隆二に渡してきて。
橘)はい、わかりました…。
 
 
俺が受け取らなかったチョコを
すごすごカバンにしまって
橘は出て行った。
 
 
臣岩S)はぁ〜〜〜〜〜っ。
 
 
同時にため息つく俺たち3人。
 
 
臣)岩ちゃん…橘に優しくない?
  どうしたの急に。
岩)いや、あいつ頭おかしいからさ。
  まともな会話成り立たないから。
  逆上しないように、たまにこうしてる。
臣)そうなんだ…、さすが…。
 
 
厳しくしてるだけじゃないんだ。
 
そうだよな…
あいつ頭おかしいもんな…。
 
変に神経逆撫でしたら
何しでかすかわかんねぇし。
 
 
でも俺は岩ちゃんみたいには出来ない。
無理だ。
 
あいつがいると拒絶反応がすごいもん。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
手)もっとくっついてみるー?♪
♡)えっ!
 
 
ソファーに並んで座ってたら、
手越くんがいきなり肩を抱いてきた。
 
 
♡)やだ!!
 
 
ばしっ!!
 
 
手)あはははw
  叩かれたんですけどーーw
♡)もう!ベタベタしないでください!
手)えーーー。
  だって仲良い感じの方がいいじゃん。
カ)じゃあ今度ポーズ変えて
  またこっちから撮りまーす。
手)はーい♪
♡)だから、触らないでください!もう!
手)あははは、また叩かれた!w
 
 
もう!
なんでこんなしつこいのー!
 
 
カ)はーい、じゃあちょっと確認しまーす。
 
 
カメラマンさんがシャッターを止めると
手越くんがずいっと顔を寄せてきた。
 
 
手)ねぇ、なんで敬語なの?
  敬語じゃなくていいよ?
♡)だって…先輩だし…
手)いいっていいって、普通に話そうよw
♡)……うん。
手)何食べたいか考えた?
♡)え?
手)この後♡
♡)だからご飯は行かないって…
手)行ーくーの!
♡)…っ
 
 
どうしてこんなに強引なのー!
 
 
手)ねっ。
 
 
手をぎゅっと握られて、
私はグイッと手越くんを押しのけた。
 
 
♡)ベタベタしないで!
手)なんで?
♡)なんでって…、
 
 
なんでそんなきょとーんとした顔するの?
私変なこと言った??
 
 
♡)私、彼氏いるし…、
手)それが何?
♡)えっ…
手)いいじゃん別に、
  彼氏が見てるわけでもないんだし。
♡)そういう問題じゃなくて…
  私が嫌なの!
  彼氏が嫌がることしたくないし、
  彼氏以外の人にベタベタされたくない!
手)ふーーん。
  じゃあ彼氏ならいいの?
♡)え?
手)♡ちゃんにベタベタしても。
  彼氏なら許されるんだ?
♡)…っ
 
 
それって…普通だよね?
 
 
手)じゃあ俺が彼氏になるw
♡)はい!??
 
 
なんでそうなるの?!
 
 
手)今の彼氏と付き合ってるより
  絶対楽しいと思うよ、俺との方がw
♡)そんなこと絶対ないもん!!
 
 
なんでそんなに自信あるの?!
意味わかんない!
 
 
カ)はーい、じゃあ続き撮りまーす!
手)はーい♪
♡)…っ
 
 
ああ…向こうでMちゃんが
心配そうに見てる。
 
大丈夫!私負けないからね!
 
 
カ)んー、ちょっと姫ちゃん
  表情固くなっちゃったなー
  もっと笑ってーw
♡)はい、ごめんなさい!
 
 
そうだ、これは仕事なんだから。
ちゃんとしなくちゃ!
 
 
カ)もっと仲良く寄り添う感じでー
手)はーい♡
♡)…っ
 
 
悔しいけど…
今だけは隣が臣くんだと思い込もう!!
 
 
カ)んー!いいねいいねー!
  グッと良くなったよ、可愛い!
 
 
撮影はそのまま順調に進んで…
 
 
カ)はい、お疲れさまでしたー!
 
 
その声で、すぐに立ち上がった私の手を
後ろから手越くんが掴んできた。
 
 
手)やっぱ笑ってるとめっちゃ可愛いね。
♡)お疲れさまでした!
手)待って待って!
♡)手、離してください!
手)あ、また敬語になってるw
♡)離して!
手)はーいw
M)先輩、お疲れ様でした!
 
 
あ、Mちゃんが間に入ってきてくれた。
 
 
M)さ、急いで着替えて帰りましょー。
♡)うん!
手)ねぇ、待ってってばw
♡)もう、あっち行ってー!
 
 
控え室に入ってこようとする手越くんを
両手で押しのけた。
 
 
手)あっち行って!?
  俺、女の子にそんなん初めて言われた!w
 
 
とか言って入ってきたしー!!
 
 
手)ねぇ、俺タイプじゃないのー?
♡)はい?!
手)♡ちゃんのタイプじゃない?
♡)タイプじゃないです。
手)うわ、ハッキリ言うねぇ!w
 
 
スタッフさんたちも
みんなバタバタ片付けてるのに
手越くんは呑気に椅子に座って笑ってる。
 
 
♡)もう出てって!
 
 
私はシャッとカーテンを引いて
衣装を脱いだ。
 
 
手)ねーねー、
  じゃあどんなのがタイプなのー?
 
 
もう!まだいるー!
 
 
M)手越さん、そろそろお戻りください。
手)あ、じゃあ君代わりに教えてよ。
  ♡ちゃんの好きなタイプw
M)姫は彼氏しか目に入ってないくらい
  彼氏が大好きで彼氏一筋ですので♡
手)はぁ?w
 
 
Mちゃん!その通り!ありがとう!!
 
 
手)じゃあ好きなタイプとかいないわけ?
  ジャニーズだったらー?
 
 
もう!どうしてジャニーズの人って
ジャニーズ縛りで聞いてくるの!
 
 
♡)いません!
手)えー!うっそーーー
  じゃあ俳優とかは?
♡)いません!
手)はぁ?!
  好きな芸能人いないのー?
♡)…っ
 
 
もう、しつこいなー!!
 
 
♡)三代目の登坂さん!!
 
 
私はカーテンをシャッと開けて、答えた。
 
 
手)えっ?
♡)好きなタイプ!
  もう答えたから出てって!
手)え、ちょっと待って、えっ?w
  三代目の登坂くんが好きなの?
♡)そうだってば!
手)えーーーっ
  なんで?どこがいいの?
  俺の方が歌上手いよ?w
 
 
はぁ!??怒
 
 
♡)私は登坂さんの歌の方が好きだもん!
手)はぁ!?
  それは俺の歌聞いてから言えよー。
  よし、予定変更。カラオケ行こw
♡)行かないっ!!
 
 
なんでそうなるのー!!
 
 
手)だって絶対俺の方が上手いもん。
♡)もし手越くんの方が上手くても
  私は登坂さんの方が好き!
手)はぁ!?
  なんだよそれーーー。
  意味わかんね。
♡)歌だけじゃないもんっ!
  全部全部好きなんだもん!
  臣くんが一番だもんっ!
M)先輩…っ
手)はぁ?「臣くん」…?
♡)!!!
 
 
しまった、思わず…、、
 
 
手)臣くんとか呼んじゃって…
  そんなファンなの?
  じゃあ俺も名前で呼んでいーよ♡
♡)呼ばないーー!
手)てゆーか彼氏一筋とか言って
  めっちゃ登坂くんのファンじゃんw
♡)…っ
手)浮気者ーーーw
♡)…っ
 
 
言い返せない…くぅぅぅ!!
 
 
手)ね、俺とも浮気しよ♡
♡)しないーー!!
 
 
こんなしつこい人、初めてなんだけど…
なんなの!?
 
 
手)うーん、じゃあ今日はいいからさ、
  番号教えて。
  また今度にしてあげる。
  LINEも。教えて、ほら。
♡)…っ
 
 
なんでそんな当たり前みたいに言うの??
 
 
♡)教えませんっ!!
 
 
私はバッグを持って逃げた。
 
 
♡)お疲れさまでした!!
 
 
大きな声でスタッフさんたちに挨拶をして
そのまま逃げるように控え室を飛び出した。
 
 
手)ちょっと!待ってよ!♡ちゃん!!
 
 
知らないもんっ!逃げろーーっ!!
 
 
M)先輩っ…、めっちゃ足速いw
♡)私、走るのだけは速いんだよ!
M)そうでしたね、w
 
 
ついてきてくれたMちゃんが
息を切らしてる。
 
 
M)先輩、見事に逃げ切りましたね!
  お疲れさまです!
♡)ほんとに疲れたーーっ
  もうやだ!
 
 
早く帰って臣くんに癒されたい…。
ぐすん…。
 
 
 
 
 
 
ー続ー

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  1. ひな より:

    ネーミングセンスサイコーです!!笑
    それにしても手越嫌いになりました笑笑ジャニーズってみんなあんな感じですよねたぶん笑笑♡ちゃんかわいそう(ー ー;)早く帰って臣くんでいやされてぇぇぇ♡♡次も楽しみにしてます!!更新ありがとうございました!!

    • マイコ より:

      えーーこれはこれでいいキャラしてると思うんだけどな手越くん。゚(゚^∀^゚)゚。ww

  2. きよママ より:

    更新ありがとうございます☆
    手越くんウケたっ(^○^)
    ぽいわぁ~!!
    んで、イラッとしたわぁ(笑)
    でも元々、個人的に手越くん嫌いじゃないんですよね(^^)d

    • のんちゃん より:

      絶倫サマンサに笑った(笑)手越君のチャラ男感がリアル過ぎてさすがマイコさん(*^_^*)臣くんまたまたLAだけどRも行くんだよね〜浮気すんなよ!マイコさんの更新がいつも楽しみで。忙しく大変な中の更新ありがとうございます。臣くんと、♡ちゃんのラブラブイチャイチャがほんと好き。ほんと臣くん優しくなった。

    • マイコ より:

      ね、臣くん優しくなったよね(❁´ω`❁)丸臣だからw

    • マイコ より:

      私も別に嫌いではない。゚(゚^∀^゚)゚。おもろいですよね彼ww

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