〈42〉板挟み(岩&◇Side)

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岩)もしもし?
  仕事早く終わったーー!
  うん、うん、今から帰るから!
  ん?ご飯?うん、うん、カレーなの?
  食べる!うん!さんきゅー!
 
 
今日もまた天気が崩れてきて
撮影が途中で中止になって。
 
 
帰りの車の中で◇に電話をかけたら
橘がチラッとこっちを振り向いた。
 
 
橘)岩田家の今日の晩ご飯は
  カレーなんですか?
岩)は?……そうだけど。
 
 
なんでだろう。
 
別にただの世間話なのかもしれないけど
こいつが話しかけてくると
全部警戒しちゃう。
 
いや、警戒すべきだから正解なのか。
 
 
橘)岩田さん、すごく仲良いですよね
  ◇さんと。
岩)まぁ…。
橘)◇さんてすごく優しくて
  素敵な人ですよね。
  聡明な美人さんて感じで。
岩)はぁ…。
橘)私、◇さん大好きです。
岩)……。
 
 
だから何。
 
 
橘)私もお食事ご一緒させてもらっても
  いいですか?
岩)……は!?
 
 
予想外すぎて、返事が遅れたわ。
 
 
橘)今日、カレーなんですよね?
  一人分くらい余ってませんか?
岩)…っ
 
 
こいつ、何言ってんの?
なんでお前をうちに
招待しなきゃなんないんだよ!
 
どういう神経してんの!?
図々しすぎない?!
 
 
橘)そしたら岩田さんと◇さんに
  登坂さんのことも相談できるし…///
 
 
はぁ!??
 
 
橘)丁度いいですよね?
 
 
何が?!!
 
 
岩)…っ
 
 
あまりにぶっ飛びすぎてて
返す言葉がありません。
 
 
……俺と◇が自分の味方だとでも
思ってんのかな?
 
どうしたらそういう思考回路になるんだ?
 
マジで頭おかしいよな?
 
 
岩)今日は二人で過ごしたいから
  また今度にして。
橘)えっ…
 
 
日本語が通じない相手に
まともに反論しても無意味だろうから…
 
やんわりスルーしよう、うん。
 
 
岩)最近忙しいからさ、
  あいつと二人の時間、
  少しでも大事にしたいんだよ。
橘)そうですか…そうですよね…
  失礼しました。
 
 
お、納得してくれたのか!?
 
 
橘)じゃあまた今度にしますね。
 
 
はいぃぃぃ!?
 
 
岩)……。
 
 
どこまでスルーし続けられるだろう。
怖すぎる。
 
 
 
……
 
 
 

 
 
 
岩)ただいまー。
◇)あ、おかえり!
 
 
リビングのドアを開けたら
エプロン姿の◇がニッコリ笑った。
 
 
◇)あれ、どうしたの?疲れてる?
岩)……うん、もうげっそり。
◇)仕事そんな大変だった??
岩)違う。……橘。
◇)そっちかぁぁぁああ!!
 
 
◇はタオルで手を拭いて
俺のところにパタパタと走ってきて…
 
 
◇)疲れたね、よしよし。
岩)……。
 
 
背伸びして俺の頭を撫で撫でしてくれてる。
 
 
岩)癒して…。
◇)うん、いいよ。おいでー。
岩)……。
 
 
優しくぎゅってハグしてくれた。
これはきっと何をしても許されるやつだ。
 
 
岩)もう少し癒して…。
◇)ん…?
岩)もう少し…、
◇)…っ
 
 
ああ、もう、邪魔だなこのエプロン。
 
 
◇)何しとんじゃコラ。
岩)!!!
 
 
可愛かった彼女が
いきなり輩になったんですけど!!
 
 
岩)癒しを求めて…
  手がおっぱいに吸い込まれちゃって…
◇)あほ!!!
岩)…っ
 
 
手をビシッと叩かれるかな、って構えたら…
 
 
◇)……少しだけだよ?
岩)!!!
 
 
許されたぁぁぁあ♡♡
 
 
岩)ありがと、大好き♡
◇)……もぅ///
 
 
はぁ、柔らけぇ〜〜〜
 
……えい、ホック外しちゃえ。
 
プチン。
 
うおおおおお〜〜〜///
 
最高だぜ〜〜〜
最高すぎる〜〜〜
 
 
岩)マジで癒される…///
◇)……///
岩)なぁ…
◇)ん…?
岩)もうこのまま…H、しない?///
◇)えっ!
岩)すっげぇしたい。癒されたい///
◇)少しだけって…言ったのに…///
岩)だってこんなに気持ちいいんだもん///
◇)////
岩)な?
 
 
これは押したらいけるかも!!
 
 
◇)カレーは…?
岩)Hしてから食べる。
◇)ええ〜〜〜
岩)だってカレーより今はお前。
  我慢できない。
◇)////
岩)な…?
 
 
必死に◇を誘惑して…
◇が頷きかけたその瞬間、
 
 
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
 
 
岩)!!!
 
 
◇の携帯が鳴って甘い空気が一瞬で消えた。
 
どこのどいつだ邪魔しやがったのはーー!!
どうせ桜あたりだろーー!!
 
 
◇)あ、Rちゃんだ。
岩)えっ…
◇)ちょっと出るね、ごめんね。
岩)…っ
 
 
くそーーーRちゃんめ〜〜〜
 
 
◇)もしもし?うん、うん、大丈夫だよー。
  え?あ、うん、そうなの?
  ええっ!いいのー?うん、うん。
  え、今から!?
 
 
ん?なんだ?
 
 
◇)ええと…
  今日彼氏が早く帰ってきてて…
  えっ!ええと…
  ………あ、うんっ、わかった…。
  じゃあ…、うん、待ってるね。
 
 
◇は勢いに押されてる感じで
電話を切ったあと、困ったように俺を見た。
 
 
◇)Rちゃん、今から来るって。
岩)どこに?
◇)うちに。
岩)えええ!?なんで?!
◇)なんか、フルーツたくさん貰ったらしくて
  一人じゃ食べきれないから、って。
岩)マジかよ!
 
 
二人が何度かご飯に行ったりするくらい
仲良くなったのは知ってたけど…
 
まさかうちに来るとは。
 
 
◇)なんか相談したいこともあるって
  言われて…。
岩)そうなんだ…。
◇)でもすぐ帰るって言ってたよ。
  ごめんね。
岩)いや、別にいいけど…。
 
 
あの子、◇以外ほんとに友達いなそうだし。
 
 
岩)……じゃあ俺カレー食って寝るわ。
◇)えっ!
岩)え?
◇)寝るの!?
岩)うん、最近睡眠不足だし。
  Rちゃんも俺いない方が
  お前と話しやすいっしょ。
◇)…っ
岩)Rちゃん帰ったら起こして。
◇)え?
岩)え?ってなんだよ。
  Hすんだよ!H!
◇)あっ、…そっか、うん///
岩)ん?
 
 
◇がなんかもじもじしながら
可愛く上目遣いしてきた。
 
 
◇)寝るって言うから…
  Hしないのかなって思っちゃった…///
岩)え…?
◇)あとで…しようね///
 
 
チュッ♡
 
 
岩)////
 
 
な、なんのご褒美だこれは…
すげぇ可愛いぞ…?///
 
 
◇)じゃあカレー用意しちゃうね♡
岩)……うん///
 
 
可愛いなー
やっぱり襲いたいなーー
 
Rちゃんどれくらいで来るんだろ。
間に合わないかな?
 
 
岩)てかカレーなんて珍しいね?
◇)あ、うん。
  本当は違うもの作ろうと思ってたんだけど
  帰ってくるの遅くなっちゃったから
  手抜きしちゃった。
岩)そうなの?残業?
◇)ううん、ちょっと。
岩)ん?
◇)ちょっとね。
岩)……。
 
 
ちょっとってなんだよ。
 
 
岩)浮気でもしてきたのかコラw
◇)あはは、なんでよw
  そんなわけないでしょ。
 
 
うん、もちろん冗談だけど。
 
 
◇)あたしは…剛典が大好き。
  剛典と一緒にいて、幸せだよ?
岩)えっ、……いきなり何?
◇)いきなりかなぁ?
  いつも思ってるよ?
岩)…っ
◇)毎日ありがとうね♡
岩)////
 
 
え、やっぱり可愛い。なんなのこれ。
 
 
岩)お、俺も…、好きだよ?///
◇)え?
岩)お前のこと。
  毎日一緒にいられて…俺も…幸せデス///
◇)あはは、なんで片言なのーw
岩)////
 
 
だって照れ臭いじゃん///
 
 
◇)可愛いなぁ、もう。大好き♡
岩)////
 
 
◇のデレがすごい!
可愛い!我慢できない!!
 
 
岩)あのさ、やっぱり今から…
◇)ダメだってば!!///
 
 
んが〜〜〜〜〜〜ッ!!!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
結局剛典はカレーをバックバク食べて
Rちゃんが来る前に寝室に行っちゃった。
 
 
R)急にごめんねーー
◇)ううん、
R)あれ、彼氏さんは?
◇)えっと、寝ちゃった。
R)ええ!?
◇)睡眠不足みたいで…
R)仕事忙しい人なの?
  ご挨拶したかったなー、残念。
◇)……。
 
 
Rちゃんとはあれから何度か
ご飯に行ってるんだけど…
 
あたしはいつも聞き役なことが多いから
実はまだ、剛典と付き合ってることを
言えてないんだよね…。
 
 
R)これ、良かったら彼氏さんと食べてねー♡
◇)こんなにいいの!?
 
 
バスケットの中にはフルーツがいっぱい。
 
 
R)だってね、このバスケットを
  二つももらったんだよ!
◇)二つ!?
R)一人じゃ無理でしょ?w
◇)無理だ!食べきれん!w
R)あはははw
 
 
Rちゃんは笑いながら
いそいそとダイニングに腰掛けて…
 
あたしが出したお茶を一口飲むと、
目をキラキラさせながら、あたしを見た。
 
 
◇)相談、って?
 
 
早く本題に入りたそうな顔が可愛いw
 
 
R)臣さんの…ことなんだけど///
 
 
はい、出たーー!!
予想通り!!
 
 
◇)えっとね、Rちゃん。
  いつも言ってるけど…
R)わかってる!
  ◇ちゃんは臣さんの彼女の友達だから
  あたしの恋は応援出来ない!
  話を聞くことしか出来ない、でしょ?
◇)うん…。
 
 
あたしが毎回釘を刺してること。
 
 
R)それでいいから…わかってるから…
  話だけ…聞いてほしいんだもん…///
 
 
ありゃりゃ、しょんぼり俯いちゃった。
 
 
R)こんなこと話せる友達…いないから…
◇)うん!わかったよ!
  話聞くしか出来ないけど、
  あたしで良かったら話して!
R)えへへ…ありがとう///
 
 
ああ、もう、可愛いな〜〜
 
この子、今は毒舌キャラで人気だけど
心を許してくれたら割と甘えんぼで
ほんと可愛いんだよね。
 
 
◇)てゆーか…
  「登坂さん」じゃなくて「臣さん」って
  言った?
R)えへへへ///
 
 
あたしがそれに気付くのを
待ってましたと言わんばかりに
Rちゃんは嬉しそうに頬を緩めた。
 
 
R)あたしがね、そう呼びたいって言ったら…
  好きに呼んでいいよって
  言ってくれたの///
  撮影の後に一緒に飲みに行ったんだけど…
  運良く二人になれて、
  いっぱい二人で話せたの///
◇)ほぅ…。
 
 
知ってるけども…ね。
 
 
R)でね、あたし嬉しくなって
  臣さん、臣さん、って
  何回も呼んじゃって…
  そしたら可愛いって言われたの///
◇)えっ!?
R)嬉しくて死んじゃうかと思った///
◇)…っ
 
 
顔を真っ赤にさせながら
話してくれるRちゃんは可愛いんだけど…
 
おいおい…臣さん…?
 
 
R)でね、こんなチャンスそうそうないから
  出来ること全部やろうと思って
  あたし相当頑張ったの!!
◇)おお…っ
R)好きな人がいるって相談するフリして
  告白してみたり!
◇)ええっ!
R)少しでもドキドキさせたくて
  いっぱい好きって言ったのに
  全然相手にしてくれなかったけど…
◇)…っ
R)だから悔しくてね、服脱いでみたの!
◇)はいぃぃ!?
R)上着脱いで、露出度高めて、
  谷間見せて迫ってみたんだけど…
 
 
オイオイオイ!!!
 
 
R)やめなさいって怒られちゃった…。
◇)…っ
 
 
ほっ…。
 
 
つーか臣さん!!
 
 
「誘惑された!?」
「いや、それはないけど…」
 
「告白でも…された?」
「いや、それもないけど…」
 
 
とかみんなに言ってたくせに!!
どんだけ鈍いんだよ!!
 
しっかり告白も誘惑もされとるやんけーー!!
 
 
R)でも一回出しちゃったら
  あたしも引き下がれないし…
◇)ん?出しちゃったらって何を?
R)おっぱい!!
◇)えええ!!
  おっぱい出したの!??
R)谷間見せただけだってばー!
  でも上の方は見えてたかな。1/3くらい。
◇)おおお…っ
 
 
生乳を1/3も見せつけられて
よく臣さん、頑張ったな。
 
 
R)なのに臣さんってば
  自分の彼女のおっぱいの話ばっかりして
  なんか一人で照れてんの!
  あれはあったまきた!
  あたしのおっぱいが目の前にあるのに!
◇)…っ
 
 
だって…
彼氏バカだから、あの人…。
 
 
R)でもね、言われたの…。
  臣さんはもう視覚的エロに興奮する歳じゃ
  ないんだって…。
◇)ぶっ!
 
 
何の話をしてんねん!あの人は!
 
 
R)もう少し前の臣さんだったら
  喜んであたしのこと抱いてくれたって
  言われて…
 
 
はいぃぃぃ!??
 
 
R)あたし、もっと早く出会いたかった…
  臣さんに…。
  そしたらどさくさでもいいから
  とりあえずワンナイこじつけて
  そこから落とす自信あったのに…。
◇)…っ
R)はぁぁぁ……。
 
 
臣さんよ…。
 
昔の俺だったら喜んでお前のこと抱いたわー
とかそんなふざけたことを抜かしたんか?
 
そりゃ確かに元クソ野郎だけれども。
 
それを今、女の子相手に
そういう風に言っちゃ
ダメだと思うんですけど…。
 
しかもRちゃんに。
 
Rちゃんはあなたのことが好きなんですよ!!
ったく!!
超絶鈍男がッッ!!!
 
今目の前にいたら
脳天チョップ食らわしてるわ!!
 
 
R)でね、タイミング良く
  彼女と喧嘩してたみたいで
  そんなのあたしにしたら
  絶好のチャンスだから
  ここぞとばかりに揺さぶったんだけど…
  全然ダメだった…。
  何言ってもダメ。
  俺はあいつが好きなんだもん、って。
  どんだけ好きなんだよって呆れちゃった。
◇)……。
R)でもね、でもね、聞いて!///
◇)え?
 
 
なんだなんだ?
またいきなりRちゃんのテンションが
上がったぞ?!
 
 
R)臣さんにね、ぎゅーってされたの///
 
 
出たーーー!!
それ本人から聞きましたーーー!!
 
 
R)その前にね、臣さん寝ちゃったから
  あたし勝手に膝枕したんだけど…
  臣さん子供みたいに寝てて
  すっごく可愛くて、
  あたし一人でキュンキュンしてて…///
◇)お、おう…。
R)ずっと頭撫でてたの///
◇)おう…。
R)そしたらもう、大好き!!って…
  愛しくて仕方なくなっちゃって…///
◇)……。
R)そしたらぎゅーって甘えてきて…
  もう死ぬかと思った///
 
 
ええと…、、
♡ちゃんと間違えられた自覚は…あるのかな?
 
 
R)でね、頭なでなでも、少しやめたら
  もっとして、って甘えてきて…///
 
 
なんだと。
 
 
R)ぎゅーの後にスカートに…
  手を…入れられて…///
  ……触られ…ちゃったの…///
◇)へ!??
 
 
ちょ、ちょ、ちょっと待った!
 
 
◇)どこ触られたの!?
R)太もも…///
◇)…っ
 
 
ああ、良かった〜〜〜〜
臣さんから聞いた通りだった。
 
Rちゃんの説明だけ聞いてると
臣さんがただのセクハラ痴漢クソ野郎みたいに
聞こえたから…
 
焦ったぜ。
 
 
R)臣さんの手、あったかくて…
  すごくドキドキして…
  もっと触ってほしかった///
 
 
どええええ?!!
 
 
R)もっと飲ませたら良かったかな。
◇)コラコラコラ!!
R)だって…
  もっとイチャイチャしたかった///
◇)イチャイチャって…
  臣さんはRちゃんってわかって
  そういうことしてきたの?
R)……ううん。
  彼女と間違えて、だけど…。
 
 
良かったーー!
ちゃんと自覚あったーーー!!
 
 
R)でもそんなのどうでもいいもん。
 
 
ええ!??
 
 
R)彼女と間違えてだろうがなんだろうが
  あたしをぎゅってしてくれたのに
  変わりはないでしょ?
◇)…っ
R)臣さんが触ったのは
  あたしの太ももだもん///
◇)…っ
 
 
ええと…、
 
 
R)もっと…触ってほしいって思った…。
  あたし…臣さんとHしたい///
◇)はいぃぃぃ!??
 
 
思わず口に出して突っ込んじゃった。
 
 
R)だって…大好きなんだもん…
  そう思うのは当然でしょ?///
◇)ええと…、、
 
 
確かに…そうだけど…
 
 
◇)ええとね、Rちゃん。
  あたし…、話聞くしか出来ないとは
  言ったけど…
R)…っ
◇)そういう話は…その、
  一応臣さんは彼女がいて
  あたしは♡ちゃんと友達なわけで…
R)わかってる!
  ◇ちゃんが複雑な立場なのに
  無理してあたしの話聞いてくれてるのは
  わかってるから!
◇)…っ
R)だって…誰かに…話したいんだもん…
  聞いてほしいんだもん…。
◇)わ、わかったから!!
 
 
泣きそうなRちゃんに
慌ててまたそう言っちゃったけど…
 
「臣さんとHしたい」なんて話を
普通に聞いてていいのか?あたし!!
 
 
R)今度同じようなチャンスあったら、
  あたしどんな手を使っても
  臣さんとワンナイする!!
◇)どええ!??
  どんな手を使っても…って…
 
 
まさか薬でも盛る気!?
 
 
R)もっと酔い潰しちゃえば
  彼女と間違えたまま
  あたしのこと抱いてくれたかも
  しれないし…
◇)…っ
R)臣さん、彼女に対しては
  無駄に謎に、すっごく誠実だから…
  あたしと一回そんな風になっちゃったら
  もう罪悪感で彼女のとこになんて
  戻れなくなると思うんだ。
◇)そ、そんな…
  好きな人を苦しめる形で手に入れても…
  それでいいの?
R)なんでもいい!
  あたしは時間をかけて
  ちゃんと好きになってもらうから
  まずは既成事実が欲しいの!
◇)…っ
R)それくらいしなきゃ…
  臣さんの心なんて…
  手に入らないと思うから…。
◇)……。
 
 
そんなことをしたって
臣さんの心は手に入らないと思うけど…
 
まぁ確かにそんな既成事実があったら
臣さんは♡ちゃんに合わせる顔ないだろうな。
 
♡ちゃんだって絶対無理だろうし。
 
そしたら二人は…別れる、か。
 
 
うーん。恐ろしいなー。
それだけ臣さんのことが好きなんだろうけど。
 
 
きっとこんな策略を立ててる女の子なんて
三代目の周りにはゴロゴロいるんだろな。
 
そんな誘惑に負けるようなら
その程度の男ってことだし…
試されますねぇ、皆さん。
 
 
R)あたしがこんなこと考えてるって…
  臣さんの彼女に…言う…?
◇)んーー、、
  あたしはRちゃんの友達って立場で
  その話を聞いたわけだから…
  そんなチクるような真似はしないけど…
  何度も言うけど、応援はしないからね!
R)……うん、聞いてくれただけで嬉しい…
  ありがとう。
◇)……。
 
 
いい子なんだけどなぁRちゃん。
なんでそんなに臣さんがいいんだよぉぉ!!
 
臣さん相手じゃなかったら
いくらでも全力で応援するのにーー!!
 
 
なんて葛藤しながら
Rちゃんの話に相槌を打ってたら、
しばらくして剛典が呑気に起きてきた。
 
 
岩)ふぁぁぁ…寝たぁ〜〜〜
 
R)えっ!???
 
 
Rちゃんの目がまん丸になっちゃったよ…。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
岩)ん…?
 
R)い、い、岩田さん!??
 
岩)……。
 
 
あ、やべ。
Rちゃん来るって言ってたの忘れてた。
 
 
R)ど、ど、どうして…ここに…
  え!??
◇)ええと…w
  ………彼氏…なのかなぁ。
岩)なんで疑問形なんだよ!w
 
 
寝起きでまだ頭が働かないのに
思わずキレ良くつっこんじゃったよ!
 
 
R)か、彼氏…?!
◇)うん…。
R)◇ちゃんの彼氏って…
  岩田さんだったの!?
◇)そう…なのかなぁ…。
岩)だからなんで疑問形!!w
◇)あはははw
 
 
◇はイタズラな顔して笑ってる。
 
 
◇)言うタイミング逃してたんだけど…
  付き合ってます。
R)えええええええ!!
  早く言ってよぉぉぉ!!!
◇)ごめんごめんw
R)びっくりしたーー!
  あああああ〜びっくりしたーー!!
 
 
そんなに意外ですかね?
 
 
R)山下さんならわかるけど…
  岩田さんなんだ…。
岩)へ!?
  なんで健二郎さん!?
R)だって…関西弁で仲良く話してたし…
岩)ああ、そういうこと。
R)お似合いだったから。
岩)はぁ!?
 
 
それは聞き捨てならんぞオイ。
 
 
R)でも…そっか…岩田さんなんだ…。
  ◇ちゃん…ミス東大だし…
  そっか、岩田さん…。うん、確かに。
  それはそれでお似合いかも…。
 
 
それはそれで、ってなんだよ!w
 
 
岩)認めていただけました…?w
R)……はい。
 
 
なんでちょっと間があった!?
 
 
R)そっか…そういうことなんだ…。
  じゃあ◇ちゃんは
  カップルごと仲良しなんだ…
  臣さんたちと…。
◇)うん。
R)そっか…、、はぁぁぁ…。
岩)……。
 
 
ああ、そっか。
臣さんのこと好きなんだもんね。
 
 
R)岩田さん起きてきちゃったし
  あたし帰るね。
岩)え!なんかごめん!
R)あ、そういう意味じゃなくて!
  ごめんなさい!
  岩田さん忙しいだろうし
  二人の時間大事にしてほしいから。
  急にお邪魔してすみませんでした。
岩)いや、全然いいけど…
◇)フルーツありがとうね♡
R)うんっ!
  迷惑じゃなかったら…
  また遊びに来てもいーい?
◇)もちろんだよー♡
R)おうちの方が人目気にしなくていいし…
◇)そうだよね!
R)あたしの家にも遊びに来てー♡
◇)じゃあ今度ぜひぜひ!
岩)……。
 
 
めっちゃ仲良しじゃん…。
 
 
R)お邪魔しました!
  ありがとうございましたー!
岩)またねー。
◇)気をつけてねー。
 
 
二人でRちゃんを見送って、
リビングに戻ってきた。
 
 
岩)もらったのって、コレ?
  すげぇな!
 
 
フルーツがてんこもりのバスケット。
 
 
◇)ありがたくいただきましょう。
岩)そうですねw
◇)ふぅぅ…。
 
 
あ、◇がぽすんと
ソファーに倒れちゃった。
 
 
岩)どうした…?
◇)なんか…疲れた…。
岩)……。
 
 
そうだよね、
お前ある意味、板挟みだもんね。
 
 
◇)臣さんて天然のたらしだな…。
岩)えっ!?
 
 
◇が恨めしそうにぼそっと呟いた。
 
 
◇)でも同じことを目論んでても
  橘の方が強烈すぎて
  Rちゃんが可愛く感じる…。
岩)いやいやいや、橘と比べたら
  誰でも天使だぞ。
◇)あははは、天使!w
岩)あいつマジでおかしいから。
◇)そうだよね。
 
 
◇は困ったように笑って
俺の頭をよしよしって撫でてくれた。
 
 
◇)じゃあお風呂入ってくるー。
岩)え、俺も入る!
◇)ん?じゃあ一緒に入る?
岩)いいのっ!?
◇)……うん、久々だし。
岩)入るーーー!!
 
 
やったやったーー!!
 
 
 
……
 
 

 
 
 
◇)なんなのこれは…。
 
 
あ、呆れた声…。
 
 
岩)久々に一緒にお風呂入れて嬉しくて
  おっぱいに吸いついちゃって
  離れられない僕の手です。
◇)ご丁寧に解説どうもありがとう。
  はぁ…。
岩)おい!ちょっと!
  そのため息はなんだ!
◇)え?
岩)彼氏におっぱい触られて
  ため息つく奴があるか!
◇)違うよ。お風呂気持ちいいなぁって
  「はぁ」って一息ついたの。
岩)ああ、そういうこと?
 
 
びっくりした。
 
 
◇)それにしても剛典くんは
  本当におっぱいが好きですね?
岩)ん?こっちも好きだよ?
◇)ひゃぁっ!///
 
 
柔らかいお尻をぷにぷに触ったら
◇にギロッと睨まれた。
 
 
岩)おっぱいの方が触りやすいだけで
  お尻も大好きです。
  お前の身体、どこ触っても柔らかくて
  全部大好きです。
◇)ご丁寧に解説どうもありがとう///
岩)何ちょっと照れてんだよw
◇)うるさいっ!///
岩)あはははw
 
 
可愛いなぁ、もう。
 
 
◇)……剛典…は…、さぁ…。
岩)ん…?
◇)これから先も色んな女の子に
  誘惑されると思うけど…
岩)んん…?
 
 
なんの話だ?
 
 
◇)すっごく酔ってたら
  あたしと間違えちゃったり…する…?
岩)えっ…
 
 
それは…ええと…
臣さんのアレですか?
 
なんだっけ。
酔って抱きついて太もも触ったんだっけ?
 
 
岩)うーん…。
 
 
べろんべろんに酔ってたら
正直、間違わない自信はないけど…
 
 
岩)間違えない!!!
 
 
そんなこと言えるわけないから
模範解答しとく!
 
 
◇)模範解答ありがとう。
  まぁべろんべろんだったら間違えるわな。
岩)!!!
 
 
見抜かれてるーーー!!!
 
 
◇)そんなになるまで飲むなって言っても
  おたくの事務所じゃ無理な話だし。
岩)はい…。
◇)はーあ…。
岩)……。
 
 
これは…ヤキモチなのかな…?
 
 
岩)俺がもし間違って
  他の子に抱きついて太もも触ったら?
◇)コロス。
岩)!!!
 
 
即答キターー!!!
 
 
◇)あたしがべろべろに酔って
  他の男にぎゅーって抱きついて
  太もも触らせてたら?
岩)は!?ありえねぇだろ!!
◇)だよね〜〜〜。
岩)え?
◇)男って自分がされたらありえないくせに
  自分がするのは「大目に見て♡」なとこ
  あるよねぇ〜〜〜。
岩)…っ
◇)臣さんだってさ、
  ♡ちゃんに正直に話すのかどうかは
  知らんけど…
  もし逆で、♡ちゃんがべろべろに酔って
  他の男に太もも触らせてた日にゃ
  たぶんあの人、発狂すると思うのよ。
岩)……うん、間違いない。
◇)でも自分はきっと
  酔ってました!ごめんなさい!
  もう二度としません!
  とかなんとか言って謝り倒して
  許してもらうわけじゃん?
  なんかなぁ〜〜〜〜
岩)……。
 
 
◇さん、若干ご立腹のようです。
 
 
岩)でも…さ、臣さんも言ってたじゃん?
  触り心地違うから気付いたって。
◇)おう。
岩)俺も絶対気付く自信ある。
◇)は?
岩)こんな気持ちいいぷにぷに、
  なかなかいないもん!
  だから気付かずに間違えたまま
  最後までいくことはないから
  大丈夫だ!
◇)あほ!何が大丈夫なんだよ!
岩)いてっ!
 
 
手をぺちっと叩かれた。
 
 
◇)最後までいかなきゃいいと思ってんのか!
  ったく!!
岩)あ…。
 
 
しまった。失言でした。
 
 
岩)そもそも絶対間違えない!
  他の女に何もしない!絶対!
  約束!!
◇)……。
岩)俺がこんなことすんのはお前だけ!!
◇)…っ
岩)お前だけだから…、な?
 
 
機嫌直してくれないかなーって…
後ろからぎゅってして甘えてたら…
 
 
◇)約束だからね、///
 
 
◇が可愛い顔でこっちを向いた。
 
 
岩)////
 
 
なんかチューしたい。
めっちゃチューしたい。
 
 
岩)◇。
 
 
すぐ前を向いちゃった◇の顔を
ゆっくりこっちに向かせた。
 
 
チュッ。
 
 
軽く唇をくっつけて反応を見たら…
 
 
◇)////
岩)////
 
 
うん、これはいける。
 
だって俺、もっとしたいもん。
お前も一緒でしょ?
 
 
◇)……ん、…っ///
 
 
ああ、柔らかい唇…、甘い舌…。
 
 
◇)っ、ふ…、っ///
 
 
俺が夢中でキスを深めるから
少し苦しそうなのが、また可愛くて。
 
 
ちゃんとついてきて、ほら。
 
 
◇)は、ぁっ…///
 
 
ああ、もう…すげぇ可愛い///
 
 
◇)……剛典、…おっきぃ…///
岩)うん、もうムラムラMAXで///
◇)…したい…の…?///
岩)えっ…
 
 
甘えたような上目遣いと
色っぽい声に、ドキッとする。
 
 
◇)したい…?///
岩)…っ、あ…っ///
 
 
ヤバイヤバイヤバイ。
こらこらこら。
 
 
岩)そんなんしたら…ここで襲うぞ///
◇)////
 
 
なんだよその可愛い目は!///
 
 
岩)ちょっ、…っ///
 
 
だからヤバイって…!
 
 
◇の手を慌てて止めたら、
◇は甘えるように俺にぎゅっと
抱きついてきた。
 
 
◇)大好き…///
岩)////
 
 
可愛い。可愛い。なんだこれ。
 
 
岩)だからさ…そんなんしたら…
◇)いい…もん///
岩)え…?
 
 
いいもんって…
 
 
岩)ここで襲って…いいの?
◇)……(こくん)///
岩)////
 
 
ドクン…ドクン…ドクン…
 
 
◇)だって剛典もう…こんなだもん…///
岩)あっ、こら!///
 
 
そうだよ。
お前が欲しくてもう爆発しそうなんだよ。
 
 
◇)大好き、剛典///
岩)////
◇)……しよ…?///
岩)////
 
 
うん、やっぱり、俺らはこれがいい。
 
 
単純な俺が、
可愛い小悪魔なお前に
手のひらでコロコロされてるくらいが
 
丁度いいんだ。
 
 
だから、ほら…
 
 
◇)あっ、あっ、あっ!///
 
 
お互い熱くなってる身体をぶつけ合って…
 
 
岩)手加減してやんないよ。
◇)え…っ?
岩)ベッドでも抱くから。
◇)////
 
 
二人で何度だって、愛し合おう。
 
呆れるくらいに。
 
 
 
 
 
ーendー

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  1. おみ より:

    Rめんどくせーーーー!!
    臣鈍すぎて腹立った笑
    臣気をつけてーーーーーーーー!!!!

  2. さっちゃん より:

    橘もすごいけどRちゃんもすごいなー(@_@)
    臣ちゃん、橘は警戒態勢だけど、Rには、妹みたいで心許しちゃってるから何か仕掛けられないか心配Σ(-᷅_-᷄๑)
    岩ちゃんと♢ちゃんの疲労感、、、。おつかれさまとしか言いようがない(´∀`; )
    待ちに待った更新♡
    今回もとてもおもしろかった♡
    更新楽しみにしてます(≧∇≦)

    • マイコ より:

      ありがとうございます(*^-^*)
      ほんと臣ちゃんRには鈍チンだからなー( ;゚³゚);゚³゚);゚³゚)笑

  3. ひな より:

    Rちゃん可愛いけど、これ以上臣くんに関わらないでぇ|ω`)もーほんと喧嘩はやだよー!この2人は幸せそーで何よりです(〃▽〃)

    • マイコ より:

      だがしかーーし!Rもまだまだ出てくるのであったーーー!!( •̀∀•́ )笑

  4. ひさぼー より:

    更新待ってました!
    ありがとうございます。
    今回は二人共、板挟みで気疲れしちゃってお気の毒。
    でも、いっぱいラブラブしてストレス解消かな(笑)
    ◇ちゃんに転がされてる岩ちゃんが
    可愛い~♡

    • マイコ より:

      この二人の苦労はまだまだこれから…(ฅ¯ω¯ฅ )ふふふ…

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