〈28〉彼氏の噂

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シャワーを浴びて戻ってきたら…
美味しそうな朝ご飯は
テーブルの上にあるんだけど、
♡がいない。
 
 
臣)ん…?
 
 
♡の部屋からなんか聞こえる。
 
 
♡)……なの…、……でしょ?
 
 
電話してんのかな?
ってチラッとドアの隙間から覗いたら…
 
 
♡)ちゃんとね、白にゃんこと
  ピンクにゃんこなんだよ♡
  臣くんが作ってくれたんだよー♡
 
 
昨日プレゼントしたグラスで
水を飲みながら
ぬいぐるみのにゃんこ達に話しかけてるー!
 
 
♡)顔もほら、見てーー♡
  ちゃんとそっくりでしょ?
  臣くん上手だよねぇ♡
 
 
そんなに嬉しかったのかな…
かわい…w
 
 
♡)世界に一つしかないグラスなんだよー♡
  すっごくすっごく嬉しいの♡
  大事にするんだぁ♡
 
 
……ああ、ダメだ。
抱きしめたいw
 
 
♡)わっ!臣くん!///
 
 
そのままドアを開けたら
♡は驚いて立ち上がった。
 
 
ぼすっ
 
 
臣)何してんの?
♡)ええと…///
 
 
俺がベッドに座ったら
♡ももう一度ぽすんと腰掛けた。
 
 
♡)にゃんこたちに…
  喜びの報告を…///
臣)ぶふっ…w
  にゃんこたち、なんて?
♡)良かったね!って。
  臣くんって素敵な彼氏だねー♡って!
臣)そんなこと言ってた?w
♡)うんっ♡♡
 
 
俺は♡の手からグラスを取り上げて
それをテーブルの上に置いて…
 
そのまま♡をベッドに押し倒した。
 
 
♡)何…してるの?///
臣)彼女が可愛いから襲おうかなって。
♡)えっ!?
  シャワー入ったんでしょ?
臣)うん。だけどさー、
  彼女が可愛いんだもん。
♡)…っ
臣)抱きたくなるじゃん?
♡)////
 
 
ほら、もう。
すぐそんな可愛い顔して。
 
 
♡)あ、待って、…っ
臣)いいから…。
♡)…っ、ん!お…みく…っ
臣)いいから…。
 
 
抵抗する♡の両手を片手でまとめて
頭の上に押さえつけた。
 
 
臣)何か言いたいことあるなら聞くけど?
♡)////
 
 
すでに半分脱がされてる♡は
恥ずかしそうに口を結んで
俺をじっと見上げた。
 
 
臣)ん?
♡)////
 
 
目がウルウルしててちょー可愛い…。
 
 
♡)……大…好き、///
臣)…っ
 
 
可愛いなぁ…ほんとに…。
 
 
今このタイミングで言うそれは
「抱いて」にしか聞こえないから、俺。
 
 
♡)あ、…っ、ん…っ///
 
 
甘えた声で可愛くとろけていく♡を
身体中であじわって…。
 
 
……俺は飽きもせず、囁くんだ。
 
 
臣)♡、愛してるよ…。
 
 
キリがないほどに、
溢れてくる…愛しさを……。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
私のベッドで臣くんに抱かれるのは
いつぶりかな…?
 
 
何度か落ちそうになった私を
臣くんは軽々と支えてくれて、
 
最後はもう、
ベッドの上下がどっちなのか…
よくわからなかった。
 
 
臣)ほら、水…。
♡)あり…がとう///
 
 
ゆっくり抱き起こしてもらって
にゃんこのグラスを受け取った。
 
 
臣)大丈夫…?
♡)……(こくん)///
 
 
ベッドに並んで座って、
臣くんは優しく頭を撫でてくれてる。
 
 
♡)……臣くん…///
臣)ん…?
 
 
甘い声…。甘い瞳…。
 
そんな優しく見つめられたら
溶けちゃいそう…。
 
 
♡)あのね、……大好き、///
 
 
そう言ったら、
臣くんの口の端が嬉しそうに
キュッと上がった。
 
 
臣)今このタイミングで言うそれは
  「気持ち良かった」にしか
  聞こえないから、俺。
♡)えっ!?
臣)すっごく良かったぁ♡
  って言われてる気分。
♡)////
 
 
何を言い出すのかな?
 
 
臣)違った?w
 
 
クスッと笑った臣くんは
今度はイタズラ顔で私の顔を覗いてくる。
 
 
♡)……違わ…、な…い///
臣)ん?なんて?
♡)違わ…ない、///
臣)ん?つまり?
♡)〜〜〜///
 
 
もう、臣くんの意地悪!!///
 
 
♡)気持ち…良かった…よ?///
臣)////
♡)臣くん、大好き…。
  ぎゅって…して、///
臣)はぁぁぁぁ…、もぉ///
 
 
臣くんは苦しいくらいに
ぎゅ〜〜〜って抱きしめてくれて…
 
私は嬉しくて幸せで、心が満たされるの…。
 
 
臣)可愛い…。大好き…///
♡)////
 
 
好きって言っても
好きって言われても
 
その度に気持ちがあふれちゃう。
 
 
♡)ごはん、食べよっか…///
 
 
このままじゃイノシシになっちゃいそうだから
そう言ったら…
 
 
臣)ん♡
 
 
臣くんはとろけそうな笑顔で頷いて
私に甘いキスをくれた。
 
 
♡)////
 
 
……本当に、幸せ。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
T)ぶえっくしょい!!
臣)大丈夫ですか?風邪ですか?
T)いや、違う、と思いたい。
  てゆーか寒すぎね!?
臣)はいw
 
 
今日も朝からハイローの撮影。
 
豪快にくしゃみをしたTAKAHIROさんは
ブルブル震えながらダウンを羽織った。
 
 
T)なんで登坂っちはそんな平気そうなの?
  寒くないの?
臣)寒いですけど平気ですw
 
 
心が満たされてるからかなぁ…
 
朝から♡と愛し合って
なんかすげぇあったかい気持ちなんだよなぁ。
 
 
T)昨日妹と電話してたんだけどさ、
臣)ほんと仲良いですよね、妹さんとw
T)雨宮兄弟は、いいとこ全部
  弟に持ってかれてるって言われた!
臣)ええ?!w
T)広斗ばっかりカッコイイじゃんって!
臣)そんなことないですよね?
T)そんなことある!!
臣)ええっ!
T)俺なんかキャラそのまんまじゃん!
  広斗はずるい!!
 
 
TAKAHIROさんが駄々をこねだして
周りのスタッフはみんな笑ってる。
 
TAKAHIROさんがいると
ほんと現場が明るいんだよなぁw
 
 
T)来月、楽しみだねー
  海鮮パーティー。
臣)あ、はい!
  日程調整してもらって
  ありがとうございました。
T)だって登坂っちが♡ちゃんと
  海外逃避行するって言うから。
臣)逃避行ではないですけどw
T)どこだっけ?アンドラ?ニカラグア?
臣)ボリビアです!w
T)ああ、それそれ!w
  何しに行くの?そこ。
臣)ウユニ塩湖を見に。
T)あーーーーっ!
  なんかそれすげぇやつだよね!?
  空とか全部反射するんでしょ?
臣)晴れてれば、ですけど。
T)そこ行って何すんの?
  何プレイする気?
臣)プレイってなんすか!w
T)なんかすごい写真撮ってくるんでしょ?
臣)さすがの俺もそこまで変態じゃないです。
T)さすがの俺も、ってことは
  そこそこ変態ってことは
  自覚してるんだ、登坂っち。
臣)TAKAHIROさんには敵いませんけど…。
T)こらこらw
 
 
そんな話をしてたら、
橘が資料を持ってこっちに歩いてきた。
 
 
橘)あの、これ。
  明日のRさんとの対談資料です。
  大体こういうこと聞かれるそうです。
臣)ありがと。
 
 
俺が受け取ろうとしたら、手を離さない橘。
 
 
臣)何してんの?
橘)なんでRさん、
  登坂さんを指名してきたんでしょう?
臣)あ?
  気を遣わなくて済むからとか
  言ってたけど。
橘)……ふーん…。
臣)なんだよ。どうでもいいだろ。
橘)狙われてるんじゃないですか、登坂さん。
臣)はぁ!?
  んなわけねーだろ!
  あいつは妹みたいなもんだから。
橘)気をつけておきますね。
臣)何がだよ!
 
 
お前の方がよっぽど危険だわ!
 
 
T)橘っち、優秀だねーーw
臣)はぁ!?
T)え?
 
 
あ、やべ。
TAKAHIROさんに「はぁ!?」とか
言っちゃった。
 
 
T)登坂っちには大事な大事な彼女が
  いるからねー♡
  わかってくれてるんでしょ。
臣)…っ
 
 
違う!全然ちっがーーーう!!
 
 
T)そっか、登坂っちは明日
  Rちゃんと撮影なのかー。
臣)はい。
T)巨乳ちゃんだよねー♡
臣)まぁ、そうですね…。
T)おっぱいばっかり見て喋るなよ?
臣)見ませんよ!w
  興味もないっす!
 
 
明日は俺は雑誌の撮影だけど
♡はハルくんの会社のCM撮影なんだ。
 
俺は自分のことより
そっちの方がずっと気になる。
 
だって…
ハルくんも現場に来るって言ってたから
また会うんだろうし。
 
 
T)どうした、真剣な顔して。
臣)え?
T)今Rちゃんのおっぱいと
  ♡ちゃんのおっぱいを
  頭ん中で比べてたろ!このスケベ!
臣)比べてないっすわ!!w
 
 
ほんとにこの人はもう!w
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
佐)いっぱい食べていってねー♡
♡)はい、ありがとうございます!
 
 
今日は佐伯さんが開いてくれたランチ会に
お呼ばれしてて…
 
モデルの女の子がたっっくさん集まってる。
 
一緒に仕事したことない人も
まだたくさんいるなぁ…。
 
 
♡)あ、あのっ、
女)ねぇねぇこれ美味しいよーー♡
女)えー!一口ちょーだーい♡
♡)…っ
 
 
無視されてしまった…。
 
 
♡)あの、っ
女)飲み物おかわり行こうよー♡
女)行く行くー♪
♡)…っ
 
 
……しょぼん。
 
 
L)ぷぷっw
  見事に避けられてるわねぇ、あなたw
♡)あっ、Lさん!♡
L)なんでそんな嬉しそうなのよ。
♡)Lさんに久々にお会いできたーー♡
L)そんな懐かれても困るんだけど。
  登坂くん一晩貸してくれるなら
  話は別だけどw
♡)絶対ダメです!!!
L)あはははw
 
 
Lさんはイタズラに笑って
シャンパングラスに口をつけた。
 
 
L)なんか絶好調みたいねーー
  雑誌のページ数もジャンジャン増えて
  CMにまで出ちゃって。
♡)ありがとうございます。
L)佐伯さんが専属契約しておかなかったこと
  後悔してたわよw
♡)え?
佐)そうなのよねぇ〜〜w
♡)あ、佐伯さん!
 
 
佐伯さんは美味しそうなチキンをお皿に盛って
戻ってきた。
 
 
佐)でもね、♡ちゃんは
  専属にしておくには勿体ないから。
  いいのよ。どんどん羽ばたいてもらって。
L)まぁそれでうちにも還元されますもんねw
佐)そうそう♡
  CMもジャンジャン出ちゃって♡
♡)あはは、頑張りますw
女)佐伯さーん!こっちにも来てくださいよー
女)そうですよぉー♡
佐)はいはーい!
 
 
佐伯さんがテーブルを離れると、
Lさんがクスッと笑って私の背中を押した。
 
 
L)あなたも妬まれてばかりいないで
  モデル友達、作ってきたら?w
♡)…ええと…、頑張ります…。
 
 
仲良くなれそうな人、いるかな…?
 
グラスを持ってキョロキョロしてたら…
 
 
女)あ、姫ちゃんだ♡
女)こっちおいでよー♡
♡)!!!
 
 
話しかけてもらえたー!♡
 
 
女)ポカリのCM見たよぉ?すごいよね!
♡)ありがとうございます!
女)今度また表紙もやるんでしょ?
  すごい人気だよねーw
♡)全然です!
  まだまだ頑張ります!
女)ね、今度良かったら一緒に
  飲みに行かない?
♡)ぜひっ♡
女)合コンとか一緒に行こうよー♪
♡)えっ…
 
 
合コン…?
は、ちょっと…
 
 
女)ミホちゃん、ザイル系に
  友達多いんだよねー♡
女)あたしも参加したーい♡
♡)ザイル…系…?
女)EXILEとか三代目とかー♡
♡)…っ
女)でもこの間、SHOKICHIくん
  紹介してもらったんだけど
  あの人チャラすぎだよ、最悪ーw
女)うっそー、あたしも気をつけようっと。
女)私なんてね、この間…
  クラブのVIPで飲んでて
  気になってるDJと
  いい感じになれたんだけど…
  いきなり酔っ払ってるNAOTOくんが
  入ってきてぇ!
女)えーー、それでそれで?
女)俺も入れてとか言って肩組んできたの。
  意味わかんなくない!?w
女)入れてって何!?w
女)3Pでもしたかったんじゃない?w
女)やだーー、きゃはははw
♡)……。
 
 
私は女の子達の話を聞きながら
臣くんの名前は出てきませんようにって
そればかり、思ってた。
 
 
女)あたし今市くんとまた飲みたいなー♡
女)今市くんカッコイイよねー♡
女)でも登坂くんってあれなんだよね?w
♡)…っ
女)そうそう、カオリちゃんが…w
  文句言いまくってたよねw
女)だってさーー
  登坂くんはないよ、ほんと!
女)その話、知らなーい!聞きたーい!
女)あのね、登坂くんね、
  めっちゃ早漏らしいよw
女)えーー!やだぁ!あはははw
女)入れた瞬間終わったんでしょ?w
女)そうだよ!
  あんなんオナニーと変わんないよ!
  その後気まずそうに
  一人でそそくさとシャワー入ってさー
  マジで何あの男って感じ!
女)イケメンでも下手な人はやだなーw
女)昔の話だけどね〜〜
  三代目が全然有名じゃない時〜〜
女)今市くんも早漏だったりしてーw
女)ヴォーカル二人揃って?
  あはは、誰かワンナイして
  試してみてよーw
♡)……。
 
 
私はさりげなく輪から外れて
グラスをテーブルに置いた。
 
……周りの音が、なんだか遠く聞こえる。
 
 
臣くんが遊んでたことはわかってるし
それはもう仕方ないことって思ってるのに…
こういう話を聞くと、
やっぱり嫌な気持ちになっちゃう…。
 
 
♡)はぁ…。
 
 
今日は午後からうちで
ハピクロの打ち合わせと
♧さんとの作戦会議もあるから…
 
ちょっと早いけど
もう…帰っちゃおうかな…。
 
 
ハ)あれ…、♡…?
♡)!!!
 
 
この声は…
 
 
♡)ハルくん!!
 
 
どうしてこんなところにいるの!?
 
 
ハ)驚いたw
♡)どうしたの?
ハ)打ち合わせを兼ねたランチしてたんだ、
  そこのホテルで。
♡)そうだったんだ!
ハ)♡は?
♡)私は…、ランチ…してて…
  これから帰るところ。
ハ)どうしたの?元気ない?
♡)…っ、ううん!元気だよ!
ハ)……。
 
 
ハルくんは私の顔をじーっと見て
何も言わずに優しく頭を撫でてくれた。
 
 
ハ)送ろうか?家まで。
♡)えっ、いいの?お仕事は?
ハ)少しくらい大丈夫だよ。おいで。
♡)ありがとう…っ
 
 
落ち込んでた気持ちが
ハルくんの笑顔で、少し元気になれた。
 
 
……あ、ハルくん、
昨日私が返したマフラー、もう使ってる。
ほんとはもっと早く
返してほしかったんじゃないかな。
 
 
♡)遅くなってごめんね?
ハ)ん?何が?
♡)そのマフラー。
ハ)ああ、いいって全然w
  それよりすごく良い匂いになって
  返ってきたんだけど?w
♡)洗ったんだよ。あ、ちゃんと手洗いだよ!
ハ)わざわざありがとうねw
♡)うんっ♡
 
 
ハルくんはマフラーをすんすんして
ニッコリ笑った。
 
ハルくん、大好き。
 
 
♡)明日はいよいよ撮影だね♡
  ハルくんは何時くらいに来るのー?
ハ)俺は明日は一日空けてるから
  最初から最後までずっといる予定だよ。
♡)えっ!そうなの?
  ずっといてくれるの!?
ハ)うん。
♡)わぁ!嬉しいっ♡
ハ)だって折角♡が
  うちのCM出てくれるんだからw
♡)えへへへ♡
ハ)父さんも顔出せたら出すって。
  喜んでたよ。
♡)わぁ!お父さんにも会えるの?
  会いたかったんだよーー!♡
ハ)父さんもずっと会いたがってたよ。
♡)ますます楽しみになっちゃった!♡
ハ)うんw
 
 
赤信号で車が止まると
ハルくんはふいにこっちを見て
優しく微笑んだ。
 
 
♡)なぁに…?
ハ)♡はやっぱり笑顔が一番いいよ。
♡)えっ…
ハ)一番可愛い。
♡)////
 
 
普通に「ありがとう」って返せばいいのに…
ハルくんがあまりに優しく見つめるから
言葉が出てこなくなっちゃった。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
T)寒い…マジで寒い…
  登坂っち、あたためて…
臣)ええ!?w
T)裸と裸であったまろう。
臣)嫌ですよ!w
T)今だけ俺のこと
  ♡ちゃんだと思っていいよ。
臣)思えませんよ!!w
 
 
なんて話してたら、
天気が崩れてきたおかげで
今日の夜の分の撮影は中止になった。
 
 
監)じゃああと2シーンだけ撮って
  今日は終わりねー!
ス)はーい!
 
 
次のシーンの用意が出来るまで
ベンチに座ってカイロを握って待ってると、
ポケットの中で携帯が揺れた。
 
 
『明日の撮影よろしくお願いします。』
 
 
あ、Rからだ。
 
 
なんだこの固いLINEは。
絵文字も顔文字もありゃしねぇw
 
てゆーかあいつからLINE来るの初めてだな。
初めてがこれかよw
 
 
俺がふざけたスタンプだけ一つ返すと、
すぐに返事が来た。
 
 
R『酔ってるんですか?』
臣『酔ってねーわ!絶賛撮影中だわ!』
R『撮影ってなんの?』
臣『ハイロー。』
 
 
俺はTAKAHIROさんの後頭部を盗撮して
Rに送った。
 
 
R『雅貴!!』
臣『よくわかったなw』
R『だってハイロー観てるもん。』
臣『そりゃどーも笑』
R『広斗カッコイイよね。ずるい。』
臣『何がずるいんだよ笑』
R『どうせモテようとしてるんでしょ。』
臣『俺がキャラ設定したわけじゃないし!』
R『全員主役とかいって
  あんなん広斗が主役じゃん。』
臣『そう?コブラじゃない?』
R『広斗の方がカッコイイもん。』
臣『てかお前何してんの?暇なの?』
R『今ドラマの撮影中だし!』
臣『ふーん。お疲れ。』
 
 
ドラマなんか出てたんだ。知らなかった。
 
 
R『どうせ一回も観たことないでしょ。』
 
 
バレてる!w
 
 
臣『ドラマとか観てる暇ないんだもん。』
R『ばーか!』
臣『撮影頑張れよーー👋』
 
 
T)さっきから誰とメールしてんの?
臣)わ、びっくりした!
T)どうせ♡ちゃんでしょ?
臣)違いますよ。
T)あーーあーー浮気だーーー
臣)違いますってw
T)じゃあ誰。
臣)Rですよ。
T)えっ、Rちゃんとメールやりとりするほど
  仲良いの!?
臣)いや、今初めてしましたw
T)ええっ!
  でも交換はしてたってことでしょ!?
臣)はい。結構前に。
T)登坂っち…
  ほんとに狙われてるんじゃ…
臣)TAKAHIROさんまで何言ってんすかw
  あいつはそんなんじゃないですって。
T)ほんとにぃ〜?
臣)ほんとに。
  俺にも憎まれ口ばっかりで
  ほんっと可愛くねぇんだから。
T)ふぅ〜〜〜ん?
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
ハルくんに家まで送ってもらったら
すぐにみんなも集まって、
 
まずはハピクロの打ち合わせが始まった。
 
 
◇)ホームページなんですけど、
  ♧さんの顔写真、出しません?
♧)ええっ!私の!?
◇)はい。
  どんな人が作ってるんだろう〜〜
  って声が、意外に多いんですよ。
  だから、写真一枚でもあったら
  お客さんも安心するかなーって。
M)いいですね、それ♡
♧)で、でも…私の写真なんか…///
♡)いいと思います!♡
  作ってるアイテムとか雰囲気と
  イメージもぴったりだし!
む)だよねだよね〜載せちゃいなよ!
♧)でも…、///
M)もしあれだったら、
  今手伝ってくれてる女の子達も
  スタッフ紹介みたいな感じで
  写真載せたらどうですかー?
◇)あ、いいね、それ!
  スタッフブログとかも出来たら
  もっといいかも!
M)仲の良さとかも伝わるし、
  こういう人たちが作ってるんだーって
  イメージアップになりそうですよね♡
♡)うんっ!♡
♧)じゃあ…みんなにも話しておくね///
◇)写真撮れたら送ってください♡
♧)了解しました!
◇)あと、アイテムの載せ方なんですけど…
  今はここがこうで、
  このラインをこっちに動かして…
♧)うんうん、
 
 
打ち合わせは順調に進んで、
次は私と♧さんの作戦会議になった。
 
 
M)なるほどーーー。
  これはすごいですね、お二人とも。
♡)ドキドキ…///
♧)ドキドキ…///
 
 
Mちゃんたちにドレスのデザイン画を
見てもらってます。
 
 
◇)ほんとに実現しちゃえばいいのに!
む)♧と♡ちゃんなら出来そうだよね!
◇)うんうん!
M)ウエディングドレスとなると
  もうそれで一つのビジネスモデルに
  なりますからねー。
む)だよねぇ。
M)ハピクロをこのまま軌道に乗せて
  落ち着いた頃を見計らって
  こっちも手掛けていく、
  というのはどうですか?
  目安としては…1〜2年後かな?
♡)おおお…っ
M)モデルは先輩がやればいいし。
♡)私が!?
M)もちろんですよ。
♧)♡ちゃんに着て欲しい!!♡♡
む)♧も着ればいいじゃん。
  せっかく作るなら。
♧)私はダメだよ!やめてやめて!///
◇)それまでに♡ちゃんが今よりさらに
  売れっ子になってたら
  ドレスも大成功しそうだよね。
む)芸能人がプロデュースしてるのって
  たくさんあるもんねー。
M)でもどれも高いんですよね〜お値段が。
♧)あ、そこは…っ
 
 
♧さんがハッとしたように私を見て、
言いたいことは同じだってわかった。
 
 
♡)高くしたくないの!
M)え?
♧)そう。誰にでも着てもらえるように
  普通のドレスと
  同じくらいの値段にしたいの!
M)またまた〜!
  この二人は欲がないんだからー!
む)あ、じゃあさ。
  一応利益は上げる前提として、
  そこまでガパガパに儲けなくて
  いいって言うなら…
  ハピクロみたいにしたら?
◇)あ、それいいかも!
  収益の一部は寄付します、みたいな?
む)そうそう!
M)それいいですね!
♡)…っ
 
 
私と♧さんは顔を見合わせて
大きく頷いた。
 
 
♧)そうしたい!
♡)うん!
 
 
ドレスの方の話は
そんな感じでまとまって。
 
次は私たちが作った紙芝居を
みんなに見てもらった。
 
 
実は…
絵本を作りたいねっていう話が
♧さんとあがったあの日から…
 
二人で内容を考えたり絵を描いたり、
少しずつ、少しずつ、話を進めてたんだ。
 
 
む)え〜〜〜めっちゃいいじゃん!
◇)可愛い!絵も話も可愛いっ♡♡
M)これまだ子供たちには
  見せてないんですか?
♧)うん///
  一応園長の許可はもう
  もらってあるんだけど…
M)絶対子供たちも喜びますよぉーー♡
♡)そうかな!?
◇)すっごくいいと思う!!
♡♧)やったーーー!♡♡
 
 
私と♧さんは思わず手を取り合って
飛び上がった。
 
 
む)これさ、子供たちの評判も良かったら
  ほんとに絵本にしようよ。
♧)えっ!
M)むーこさんとこで
  掛け合ってくれるんですか?
む)うん!話をすることはできるよ!
◇)わ、すごい!
  どんどん現実的になっていくー!
♡)…っ
♧)…っ
 
 
すごい。
嬉しくて楽しくて、ワクワクする。
 
 
む)よっし!!
  じゃあ幸先もいいことだし
  乾杯しよーー♪
◇)女子会開始だーー♪
M)オーーー♪
 
 
それから予定通り
みんなで女子会を始めたら
岩ちゃんから◇ちゃんに電話がかかってきて…
 
天気が悪いから
今日の仕事が早く終わりそう、って。
 
 
む)あら、じゃあ彼氏たち
  みんな帰ってくるんじゃない?
◇)なぜか健さんの方が先に終わったから
  こっち向かってるって。
む)え、健ちゃん!?
  誰の彼氏でもないくせに
  なぜに一番乗り…w
M)あははは、確かに!w
♧)あ、隆二くんからもLINE来てる。
  健ちゃんと一緒に向かってるって。
◇)あ、隆二さんも一緒なのか!
♡)あ、臣くんも。
 
 
丁度今、LINEが来た。
 
 
♡)あと少しで撮影終わるから
  真っ直ぐ帰る、って。
  みんなで飲むんでしょ?って。
◇)みんなで飲むこと決定しとるがなw
♧)あはははw
 
 
今から料理また作るの面倒くさいから
男どもには自分で買ってこさせるべし!
ってむーこさんから指令が出て、
それぞれの彼氏にLINEを送信。
 
 
む)酒も買ってこいって言ってねー。
♡)あ、お酒ならたくさんありますよ!
◇)確かに。この家いつもいっぱいあるよね。
♡)うちで飲むこと多いから
  気付けばこんな瓶だらけに…w
M)バーみたいですよねw
 
 
Mちゃんは笑いながらお酒をおかわりして
ふと私を見た。
 
 
M)そういえば今日のランチ会、
  どうだったんですかー?
♡)あ、…っ
M)先輩、苛められませんでした?
  大丈夫でしたか?
◇)ちょっと、何それ何それ!
む)ランチ会ってなんの?
M)モデルたちのランチ会ですよー
  編集長にお呼ばれしたらしくて…
  でも先輩、特に仲良い人もいないし
  嫌がらせとかされてないか
  私心配だったんですよー。
◇)大丈夫だったの?♡ちゃん!
♡)うん!……大丈夫。
♧)大丈夫じゃ…なさそう…。
♡)…っ
 
 
♧さんが心配そうに
私の背中を優しく撫でてくれた。
 
 
◇)♡ちゃんを苛める奴なんざ
  あたしが倍返しにしたる!!
む)あははは、たくましいw
  でも確かに今♡ちゃんって
  注目度高まってきてるし
  嫉妬されやすいかもねーー。
M)どうだったんですか?
♡)それは…気にしないから
  大丈夫なんだけど…
M)けど…?
♡)……やなこと…聞いて…、
  少し…落ち込んだだけ…。
M)やなことって…?
♡)……。
 
 
今日聞いたことを話したら、
Mちゃんは不思議そうに首を傾げた。
 
 
M)それ、ほんとに登坂さんですかね?
む)あたしも思った。人違いじゃない?
  だって臣くん、早漏じゃないでしょ?
♡)あの、ソウロウってなんですか?
M)ぶっ、先輩、そこから!?w
◇)あははは!w
M)はい、スマホで検索しましょうね。
♡)…っ
 
 
Mちゃんにスマホを渡されたから
言われた通りに検索してみた。
 
 
♡)……。
 
 
ほんとだ。
全然臣くんのことじゃない。
 
 
♡)嘘だったのかな…。
む)三代目とヤッたとか嘘ついて
  自慢したい女はたくさんいそうだしねー。
♡)でも…自慢っていうより
  文句だったような…
M)でも登坂さんが早漏なわけ
  ないじゃないですかーー
  絶倫の間違いならわかるけどw
む)確かに!w
♡)はっ…
 
 
それは前に臣くんが教えてくれた言葉だ!
 
 
♡)……。
 
 
うん、確かに…
臣くんはどっちかというとそっちな気がする。
 
 
◇)でもさ、事実はどうあれ、
  そういう女ってこれから先、
  いくらでも湧いて出てくんのよ!
♡)えっ…
◇)三代目とヤッたことあるだのなんだの
  言う女たちよ!
♡)…っ
◇)だから前にも言ったけど
  いちいち気にしてちゃダメ!
  臣さんが今愛してんのは
  間違いなく♡ちゃんオンリーなんだから
  ♡ちゃんは自信持って
  胸張ってればいいの!
♧)◇ちゃんは…
  岩ちゃんのそういう話も気にならないの?
◇)だってあいつも元クソ野郎だもん!
M)おお…っ
◇)そのへんのモデルなんて
  全員食い尽くしたと思うことにしてるよ!
む)あっははは!w
  ◇ちゃん、それ前にも言ってたよね!
  岩ちゃんはそのへんのアイドルなんて
  全員食い尽くしてるってw
M)言ってた!w
  アイドルもモデルも全員食い尽くしてる
  岩田さん…ww
む)まぁそれくらいの気持ちでいた方が
  いいってことだよね。
♡)……。
 
 
そうだよね、全部過去の話なんだもん。
もう考えないようにしよう。
 
 
 
 
 
 
ー続ー

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