〈25〉天使の笑顔(荒木くんSide)

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それからCMが開けると、
山下さんはなんでもなかったかのように
ケロッと説明した。
 
 
健『あれやねんなー。
  誤解されたくなかったんで。
  知らんふりしててんけど、
  実は♡ちゃんとは友達です。
  前に雑誌でも共演してて。』
♡『あ、はいっ…!』
健『♡ちゃんのファンに
  山下消えろぉぉ…って呪われたら嫌やから
  知らんふりしててん。
  どうもすみませんでしたー。』
♡『すみませんでした…!!』
健『というわけで、ここからは
  普通に行きますわー。
  いつも通りな感じで。』
♡『はい!よろしくお願いします!』
健『あれいつやったっけ?
  一緒に撮影したん。』
♡『去年…の…、』
健『夏くらいやったかなぁ?』
♡『うーん、確か。』
健『俺だけちゃうんやで。
  臣ちゃんと隆二も一緒で。な?』
♡『うん!』
健『雑誌お買い上げしてくれたファンなら
  わかると思うねんけど。
  ……まぁそれはさておき、
  次のメールいきましょう。』
♡『はい!』
健『♡ちゃん、お願いします。』
♡『はい!埼玉県のR…N…さん?
  山下くん姫ちゃんこんばん…』
健『ちょっと待った!』
♡『え?』
健『それ名前ちゃうから!!
  「ラジオネーム」やから!!』
♡『……はっ!///』
健『ほんまアホやな〜〜〜』
♡『ひどい!///』
健『それ間違えたんELLY以来やで。
  ELLY級のど天然や。』
♡『ガーーン…』
 
 
そんなこんなで、
また進行は順調かと思いきや…、、
 
 
ア)うーん…、炎上がおさまらない…w
荒)ほんとだ…。
 
 
山下さんが説明したのに、
それでもネット民は大荒れしてる。
 
 
『そんなんで誤魔化せると思ってんの!?
 絶対付き合ってるでしょ!!😡🔥』
 
『誤魔化し方がファンをバカにしてる…!
 ひどいよ健ちゃん!!😭😭』
 
『仲良すぎじゃん…ラブラブじゃん…
 何なの今日の放送…聞いててツラ…😭💔』
 
『もうデレデレしてる健ちゃんの顔しか
 浮かばない…💔
 公開イチャイチャですか…?
 なんですかこれ…😱😱』
 
 
山下さんと姫の熱愛ネタが
ものすごい勢いになってる…。
 
 
健)うわ〜〜〜何これ。
  まだ騒がれてんのーー?
ア)困ったねーーー
♡)どうしよう…、
 
 
あああ…
姫が困ってる…。
 
困ってる顔も可愛い。どうしよう。
 
 
臣)なんで♡と健ちゃんが熱愛なんだよ。
  ふざけんなし。
荒)…っ
 
 
今度は姫のこと呼び捨てにしたぞ
この人〜〜〜!!
 
……って、今はそんなこと
言ってる場合じゃなくて。
 
 
荒)どうしましょうか。
健)もう一回説明するわー。
  任しときー。
ア)大丈夫?よろしくねー。
健)はーい。
荒)……。
 
 
そこまで焦ってなさそうな山下さんは
CMが開けるとまたケロッと喋り出した。
 
 
健『え〜〜〜、実はですねぇ、
  さっきから僕と♡ちゃんが
  付き合ってるんじゃないかというメールが
  たくさん来てますw』
 
 
ズバリ言っちゃった…!!
 
 
健『あのねぇ、さっきも言いましたけど…
  付き合ってませんからーーー!!
  残念!!
  ……ほら、♡ちゃんも言ったりや。』
♡『えっ!ええと…
  付き合ってません…です。』
健『♡ちゃんはあれやろー?
  ラブラブな彼氏がおんねんもんなー?』
♡『えっ!!……は、はい…///』
健『ほらぁーー
  みなさん聞きましたぁーー?
  山下は彼氏じゃないですよーー。
  誤解して恨まんでくださいねーー。』
♡『先ほどは失礼しました…。』
健『なんなら俺、彼氏とも友達やし!
  ほんまに俺ちゃうからなー!』
 
 
荒)!!!
 
 
彼氏と…友達だと…!??
 
 
健『さ、ではコーナーの続き行きましょう。』
 
 
行けるかぁぁぁあああ!!!
 
 
って、俺の心の声と一緒で、
また大荒れのネット民のみなさん。
 
 
『姫の彼氏と健二郎が友達なの!?
 どういうこと?!😳😳』
 
『健二郎の地元の友達と姫が
 付き合ってるらしいよ!💗』
 
『嘘くさすぎる!!
 健ちゃん、噂を否定するために
 そんな作り話してるんでしょ!!』
 
『山下苦しすぎる言い訳。
 姫の彼氏と友達とか虚言乙。』
 
 
健)どうやーー?
  もうさすがにおさまったやろー?w
荒)あの…余計に荒れてます…。
健)はぁぁぁ?!!
  見せてみ!!
  ……何やこれ。ほんましつっこいなー!!
  よし、わかったわ!任せとき!!
荒)いや、山下さん…
  あまり暴走しない方が…
健)次で終わりや!もう黙らせたる!!
荒)…っ
 
 
一体何を言う気なんだこの人。
 
今日はたまたま
マネージャーも来てないからって
こんな暴走しちゃって怒られないのかな…?
 
 
男)CM開けます!5、4、3、2、……
 
 
健『はいはいみなさーーん。
  まーだ僕と♡ちゃんが付き合ってるって
  メールがたっくさん来てますが…
  言うたでしょ!
  俺は♡ちゃんの彼氏と友達なの!
  だから♡ちゃんとも仲良し!
  なんならその彼氏、
  ♡ちゃんのこと心配すぎて
  今日来てますから!!』
 
 
えええええええええ!!!!???
 
な、何を言い出すんだ山下さん…!
さすがにそれは虚言すぎる…!
 
 
健『こんな夜中の仕事やから
  心配なんでしょーねー。
  どうですかあんな過保護な彼氏は。』
♡『ちょっと!変なこと言わないで!///』
健『愛されてますなぁ〜〜〜』
♡『////』
健『何照れてんねん!!』
♡『もうやだ!健二郎くんのばか!///』
健『はぁ?!
  俺このまま誤解されて
  ♡ちゃんのファンに恨まれるん
  嫌やもん!!』
 
 
ん…?
どういう…ことだ…?
 
 
健『自分、普段から雑誌とかで
  彼氏のこと喋ってるやん。』
♡『ええと…///』
健『惚気てええで、ほら。』
♡『ええ!?』
健『あそこにおる彼氏に聞こえるように
  惚気てええで。今だけ許す。』
♡『なぁにそれ…///』
健『彼氏のどこが好きなん?』
♡『……///』
健『あいつただのど変態やで?』
♡『ちょっとー!///』
健『あ、こっち見とるわw
  べろべろべぇ〜〜〜〜w』
♡『もう、何してるのーー!w』
 
 
え…?
 
 
荒)……。
 
 
さっきから…
山下さんが…登坂さんを見てるけど…
 
登坂さんを姫の彼氏に見立てて
演技してるってこと…?
 
意味わかんねぇ。
大丈夫かコレ。放送事故にならない?
 
 
健『ほら、はよコーナーの続きいくで!
  彼氏の好きなとこはよ言いや!』
♡『ええ…と…、///』
健『どこなん!
  あのど変態のどこが好きなん!』
♡『変態って言わないでーー!///』
健『ほら、はよ言いやーー。』
♡『……全部…好き、///』
 
 
か…っ、、、
……可愛いぃぃぃ……///
 
 
うわーうわーー
今の姫、超絶可愛かった!!
リスナーには声しか届かないのが
勿体ないくらい!!
 
あんな照れてる姫、みんなに見せてあげたい。
可愛すぎた!!///
 
 
健『はいはい、ほんなら次〜〜〜
  ♡ちゃんのモノマネがものすごいという
  噂を聞きました。
  何か披露してほしいです♡
  栃木県のプチマヨさんから。』
♡『モノマネ!!』
健『出来んの?』
♡『出来るよ!!』
健『自信満々やん…』
♡『似てるよ!!』
健『自分でハードル上げるとか
  鉄の心臓やな。』
♡『あのね、ドラえもん!!』
健『ああああああ!!
  思い出したーーーーー!!
  あかん!それあかん!!
  放送事故なる!!』
♡『どうして!ならないよ!似てるもん!』
健『全然似てへんかったやんけ!あほ!!
  あんなもん公共の電波で
  流せるかいな!!』
♡『ひどいっ!!』
健『はい、このメールはおしまい。
  次。』
♡『待ってよぉ!!
  ドラえもん!!』
健『あかんて!!』
♡『やだ!やる!目、閉じててね!』
健『強引やな!!』
 
 
臣)ぶくくく…w
荒)ん…?
 
 
なんだ?
二人のやりとりを見て
登坂さんが隣で笑ってる。
 
 
♡『ぼくドラえもん〜〜〜〜!!』
健『……ほら!あかん言うたやん!
  放送事故なったやん!
  どう責任取るん!!』
♡『似てたでしょ!?』
健『それ前にもダメ出ししたやろ!!』
♡『……。』
健『あ、拗ねた。子供かいな。』
♡『……。』
健『ちょっとー!彼氏ーー!
  どうにかしてーー。
  ……あ、ほら、×してんで、彼氏。』
♡『あ!ほんとだ!ひどい!』
 
 
荒)…っ
 
 
隣では登坂さんが両腕で
ダメ出しの×を作ってる。
 
……どういう…こと?
今だけ彼氏気取り…?
 
ん???
 
 
♡『あ、でもね、これは似てるって
  彼も認めてくれたやつがあるよ!』
健『ほんまかいな!』
♡『やってもいーい?』
健『うーん…』
♡『やるね!』
健『強引やな!!w』
♡『めぇぇぇぇっ』
健『なんやそれ。』
♡『羊かヤギだよ!』
健『どっちやねん!!w
  ……まぁでも、うん。似てるか。』
♡『ほらーー!!』
健『めちゃめちゃドヤるやん…。』
♡『もう一個あるよ!!』
健『はいはい、どうぞw』
♡『……ぴぃっ…ぴぴっ…ぴぃっ』
健『今度はなんや!w』
♡『小鳥だよ。』
健『ぶっw』
♡『似てる?ねぇ!』
健『はいはい、似てる似てる。』
♡『えっへん!』
 
 
臣)あはははw
荒)……。
 
 
登坂さんは隣で笑ってるけど…
姫のモノマネ、可愛かったなぁ…///
 
 
あ、ネット民も少しは落ち着いたっぽいぞ…!
 
 
『健ちゃんと姫仲良すぎて面白い🤣ww』
 
『ボケとツッコミが最高すぎる笑
 この二人サイコー😂💕』
 
『二人が付き合ってるんじゃなくて
 安心した😭良かったーーー
 ほんとに仲良いんだね、素敵👏』
 
『友達の彼女だからって
 健ちゃん姫にツッコミ厳しい🤣笑』
 
 
……よしよし。
 
いっときはどうなるかと思ったけど…
これなら明日には鎮火してるな、きっと。
 
 
『こんな演技で騙されない…
 絶対この二人は付き合ってる…🔥🔥』
 
『山下健二郎&姫、熱愛!!
 明日のスクープになればいいのに…』
 
 
……あら。
こういう粘着質なタイプも
やっぱり残ってるか。
 
 
健)ふぅ、疲れたーー
  あと少しやな。
♡)2時間ってあっという間だね!
健)そうかー?w
  まぁ今日は早く感じるけどw
ア)山下くんが姫ちゃんの彼氏がいるって
  暴露したから、
  彼氏についてのメールが殺到してるよw
健)えーーー??
ア)どうする?w
健)ほんならどしどし答えたろやないかいw
 
 
臣)おい!暴走すんなよ!!
荒)……。
 
 
登坂さんが中に向かって手を振ってるけど
山下さんはニヤッと笑うだけ。
 
ほんとに大丈夫かな…。
 
 
健『さてさてーー。
  ♡ちゃんの彼氏がおる言うたら
  質問メールがたくさん来てます。
  大サービスで答えていきましょう。
  ええとー、まずは…
  姫の彼氏はどんな人ですか?
  ラブラブなのは知ってますが
  どんな人か教えてください。
  教えてもええかなぁ?』
♡『えっ…』
健『あいつはねぇ、
  さっきも言うたけど、ど変態!以上!』
♡『ちょっと!!w』
健『はい次のメールー。
  おい山下!
  お前本当に姫とは
  付き合ってないんだろうな。
  付き合ってへんっちゅーねん!w
  そこにいるからには
  姫の彼氏の情報を少しでも
  リスナーの俺たちに伝えろ。
  それが今のお前の使命だ。
  わかったか山下ー!
  はいはいはーい。
  みんなそんなに気になるんかなぁ?
  ♡ちゃんの彼氏はねぇ、
  まぁそこそこのイケメンですよw』
♡『そこそこ!?w』
健『俺の方がカッコええんちゃう?』
♡『ええっ!』
健『ええっ!て何やねんコラ!!』
♡『彼氏の方が…カッコイイもん…///』
健『はぁ!?はぁーーん?!!
  目ぇ腐ってんのちゃう?』
♡『ひっどい!!』
健『あとはねぇ〜〜
  嫉妬深そう〜〜〜な顔してますよ。
  ほら、今も俺を睨んどるw
  おーーこわっ!』
♡『怖くないもん!優しいもん!』
健『あいつ優しいの♡ちゃんにだけやで。』
♡『いつも優しいよ!』
健『ちゃうちゃう。
  ♡ちゃんとおる時だけデレデレやねん。
  ど変態やから。』
♡『変態じゃないってばーー!///』
 
 
荒)……。
 
 
なんだろう。
二人とも登坂さんのことばかり見てて…
 
彼氏と見立てて演技してるにしては…
リアルすぎないか…?
 
 
臣)健ちゃんめ…。
荒)……。
 
 
……まさか…、な…?
 
違う…よな…?
 
 
荒)あ…の…、
臣)ん?
荒)登坂さんも…お知り合い…なんですか?
臣)はい?
荒)お知り合いというか…
  友達…なんですか?姫の彼氏と。
臣)はい???
 
 
登坂さんが目を丸くして俺を見た。
 
 
臣)いや、だから…、俺!
荒)はい?
臣)彼氏、俺!!
荒)……。
 
 
彼氏…、俺…??
 
 
荒)はい??
臣)いや、だから…
  ♡と付き合ってんのは俺!!
荒)……
 
 
♡と…付き合ってる…?
 
 
荒)何…言ってんすか…?
臣)いや、だから…w
荒)姫、彼氏いるんですよ?
臣)だからそれが俺だって!!w
荒)……。
 
 
それが…、俺…?
 
 
荒)姫と付き合ってるのが…
  自分だって…言ってます…?
臣)そうだってば!!w
荒)……。
 
 
理解が追いつかなくて、
しばらくしてから
俺の叫び声が部屋に響き渡った。
 
 
荒)えええええええ!!!!!!!!
 
 
どういうことだよ!?
意味わかんねぇし!!!
 
 
荒)姫のファンだって言ったじゃないですか!
臣)ファンだよ?大好きだもん。
荒)…っ
 
 
何をしれっと言ってんだこの人!
 
 
荒)何しに来たんですか!今日!
臣)彼女の勇姿を見守りに…?
荒)わざわざ?お忙しいのに?
臣)うん。時間遅いし心配じゃん。
  一緒に帰りたいもん。
荒)…っ
 
 
ほんとに…ほんとに…
この人が彼氏なのか!?
 
なんかのドッキリじゃなくて?!
 
 
荒)すいません、全然信じられないです…。
臣)何が!?
荒)登坂さんが、彼氏だってことが。
臣)なんでよ!?w
 
 
絶対嘘だ。
この人俺のことからかってんだ。
 
 
臣)健ちゃんだって言ってたでしょ!
荒)あれは炎上をおさめるためのガセです。
臣)ガセじゃねーし!!w
  ほんとに付き合ってるし!!
荒)もういいですよ…。
臣)ちょっと!何その憐れみの目は!
  こいつそんな嘘ついて虚しいヤツ〜〜
  みたいな目は!
荒)……。
 
 
あ。
俺たちが話してる間に、
中ではもうエンディングトークだ。
 
 
健『はい、それではそろそろ
  お時間となりましたー。』
♡『わぁ!早かったねー!』
健『大丈夫なん?
  ♡ちゃんラジオこれが初めてなんやろ?
  初回からど天然のアホネタ炸裂させて…』
♡『ちょっとぉぉぉ!!』
健『お疲れ様でした〜〜』
♡『ひどい!もう!w』
健『あそこでずっと見守ってる彼氏も
  お疲れ様でした〜〜
  ほら、とっとと二人で帰りぃ。』
♡『……はい、///』
健『まぁ時間があれば
  また来てくださいよ、ゲストに。』
♡『いいの!?来たーい!
  楽しかった!ありがとう♡』
健『その時はもう彼氏連れてこんでええでw』
♡『ええっ!』
健『ほんま過保護やから、あのど変態。』
♡『悪口言いすぎだよ!!w』
健『あはははw
  それでは今夜はこのへんで。
  来週金曜日深夜1時に
  またお会いしましょう。
  三代目 J Soul Brothers
  山下健二郎とー、』
♡『♡でしたーー!!
  ありがとうございましたーー!』
健『バイバーーイ!』
 
 
あ、3人が中から出てきた。
 
 
ア)はいお疲れ様でしたー!
健)お疲れっしたーー!
ア)なーんか今日はドタバタだったねーw
♡)ごめんなさい、私のせいで…っ
健)臣ちゃんがスタバなんか
  買うてくるからやで。
臣)えー!?悪いの俺ぇ?!
♡)私が鈍臭いから…ごめんね?
臣)しょーがねーよ。お前は鈍子だもん。
♡)鈍子って言わないでぇ!
臣)つか健ちゃん、
  あんな喋っちゃって大丈夫なの?
健)え、あかんの?
  誰も臣ちゃんのおの字も
  出しとらんで。大丈夫やろ。
臣)でもいつかさ、俺らが公表したら…
  あの時健ちゃんが言ってたのって
  臣のことじゃん!!
  とか、ならない?
健)その時にはみんな忘れとるわ!
  がはははは!w
臣)そうかなぁ…。
 
 
は…?
公表…?
 
何言ってんだ…??
 
 
ア)二人はほんとに付き合ってるのかい?
♡)えっ…
ア)あ、違った?そういう設定だったのかな?
臣)付き合ってます。
荒)!!!
 
 
まだ言ってるこの人!
 
 
ア)そっかー、そうだったんだ〜〜w
  だから今日も来たんだねw
健)こいつ究極の過保護やからw
ア)あはははw
臣)てかさ、荒木くんが
  全然信じてくんねぇの!
健)何が?
臣)俺らが付き合ってるって。
健)信じたくないんちゃう。
  ♡ちゃんファンやから。
ア)あはははw
荒)……。
 
 
……ガチ…なのか…?
 
 
荒)ほんとに…付き合ってるんですか…?
♡)うん!
荒)…っ
 
 
認め…た…?
 
 
荒)登坂さんが…彼氏なんですか…?
♡)うん!
荒)…っ
 
 
ほんと…に…?
ドッキリじゃなくて…?
 
 
荒)じゃあ…!
  雑誌で言ってた、
  優しくていつも思いやりがあって
  好きだっていつも言葉に
  してくれる彼氏っていうのが
  登坂さんなんですか!?
♡)!!!
荒)姫さんが甘えてイノシシになったら
  呆れながらぎゅむぎゅむしてくれる
  っていう彼氏が!?
♡)ええと…///
健)♡ちゃんの雑誌めちゃくちゃ
  読み込んどるやんけ!w
荒)誕生日にサプライズパーティーしてくれて
  世界で一番大事だよ宝物だよって
  言ってくれた彼氏が!?
  本当にこの人なんですか?!
♡)////
臣)////
健)なんでお前まで照れてんねん!w
臣)だって!///
荒)…っ
 
 
姫は照れたように登坂さんの腕を掴んで…
登坂さんはニヤニヤしてる口元を手で隠した。
 
 
♡)臣くん…だよ?///
荒)!!!
♡)全部臣くんのこと、です///
荒)!!!
 
 
マジかぁぁぁあああああ!!!!!
 
 
…姫の…、
……姫の…、彼氏が…、、
とさ、とさ、登坂…さん…、、
 
 
臣)荒木くん、♡のファンになったの
  最近って言ってたじゃん。
  なんでそんな詳しいのw
荒)雑誌全部ネットで買いましたもん!!
臣)おおお…っ
健)ガチや…っ
 
 
本当…なんだ…。
 
信じたくないけど…本当なんだ…。
 
 
荒)登坂さんのこと…好きなんですか…?
♡)……(こくん)///
  大好き…、///
荒)////
 
 
かっっっ……
可愛いぃぃぃぃいいいい!!!///
 
なんだこの可愛さ!
ものすごい破壊力!!///
 
 
荒)もう一回…言ってください…///
♡)……大好き///
荒)////
 
 
可愛い。やばい。やばすぎる。
 
まるで…俺が言われてるみたいな…
 
 
荒)あの、もう一回…、///
健)ええ加減にせぇよコラ!!w
荒)はっ!!
 
 
しまった。
また無意識のうちにメロメロにされていた。
 
 
臣)俺のだからダメだからねー。
荒)…っ
 
 
登坂さんは子供みたいに口を尖らせて
姫を抱きしめた。
 
 
臣)もっかい言っていいぞー?
♡)えっ!
臣)俺のこと大好きなんだもんな?
♡)////
臣)言えよほらーー。
♡)……大好き///
臣)よくできましたーー♡♡
♡)////
 
 
な、な、なんだこのイチャイチャは!!
 
登坂さんはなんかすっげぇムカつくけど
姫がすっげぇ可愛すぎる!!///
 
 
健)なーなー、写真撮ろうやー。
  アップしてもええ?
♡)うん!撮ろう撮ろう♡
  あっ!荒木くんも一緒に撮りたい!♡
荒)えっ!??
健)ほんなら3人で撮ろかw
♡)わーーいっ♡
荒)…っ///
 
 
え、え、姫と…写真…!?///
 
 
臣)じゃあ行くよー、はいチーズ。
 
 
カシャッ。
 
 
健)どれどれ。
 
 
ドキドキ…///
俺と姫が…同じ写真に…///
 
 
健)ってコラァァァ!!
  両脇切れとるやんけぇぇ!!
臣)あっはははw
荒)……。
 
 
ほんとだ。
姫の一人写真になってる。
 
 
臣)お約束かなと思ってw
健)ちゃんと撮らんかい!
荒)……。
 
 
この人はどこまでも…、、
 
 
臣)はい、行くよー。3、2、1!
 
 
カシャッ。
 
 
健)どれどれ。
  ああ今度はちゃんと撮れてるわ。
♡)じゃあそれ送ってー♡
  私も載せていーい?
健)ええよー。
  ああじゃあ違うショットも撮っとこか。
  お互い同じ写真あげてたら
  つまらんやろ。
♡)そっか!そうだね!
健)ほい、もう一枚。
臣)人使い荒いな〜〜〜w
♡)ねっ、荒木くんも!もう一回♡
荒)は、はい…///
 
 
姫に可愛く腕を掴まれて、また隣に並んだ。
 
 
臣)はい、チーズ!
 
 
カシャッ。
 
 
臣)って何肩抱いてんだコラ!!
健)ぶははは!w
臣)離れろこんにゃろ!
健)出た出た、ジェラ臣w
  ほい、送ったで♡ちゃん。
♡)わ、ありがとう!♡
健)荒木くんにも…、ほい!
荒)あ、ありがとうございます…!///
 
 
わ…っ
ほんとに届いた…!
 
姫と一緒に写ってる写真…!!
 
 
荒)////
 
 
俺、今までで一番山下さんに感謝してるかも…。
 
 
彼氏が登坂さんって判明したのは
要らぬ情報だったけど…
 
生の姫に会えたし、握手も出来て会話も出来て
こうして写真まで撮れて…、、
 
山下さん…!!
本当にありがとうございます!!!
 
 
臣)なんかこの写真、
  荒木くんの方が絶対年上に見える…ww
♡)え?
臣)お前の方が年下みたい。
健)荒木くん老けてるからな〜〜
臣)荒木くんハタチって知ってる?
♡)知ってるよぉ〜〜
臣)すごくない?
  こんなハタチいなくない?w
 
 
この人は〜〜〜〜
まだ言うか!!
 
 
♡)うん、ハタチには見えない!
  だってなんかすごくしっかりしてて
  頼もしいもんっ♡
荒)…っ
♡)ねっ♡
荒)////
 
 
可愛い…
天使のような無邪気さ…
心が癒される…
 
 
臣)お前はほんとに荒木くん贔屓だなーw
健)ファンなんやろ?w
♡)うんっ♡
 
 
はっ…
そういえば、なんで?
 
なんで俺のファンなんだ?
ファンって何?!
俺なんかの!?なんで?!
 
 
♡)荒木くんの歌、大好きなの!!
  
 
そ、それか〜〜〜〜〜!!!
 
 
♡)最初聞いた時、涙流して笑っちゃった!w
  本当に面白いのー!大好きー!ww
 
 
俺…、音痴で良かったぁぁぁ…///
 
姫がこんなに笑ってくれるなら
万々歳だ、うん。
 
 
♡)またぜひ聞かせてください♡
荒)あ、は、はいっ///
♡)一緒にカラオケとか行ってみたいなぁ…
荒)ええ!?///
臣)そんなんお前の腹筋が持たねーぞw
♡)笑いすぎて?!
  あはははっ♡
荒)////
 
 
ああ、可愛いなーー
可愛いなーー
ほんとに可愛いなーー
 
 
臣)じゃあ帰るわー。
健)おん。
♡)今日はどうもありがとうございました!♡
ア)ぜひまた来てね、姫ちゃん!
♡)はいっ!♡
健)毎週来てもええんやでw
臣)ダメ。
健)ダメなんかい!w
臣)イチャイチャする時間が減る。
健)そんな理由かいな!w
  もうとっとと帰れ!w
臣)あーいw
  じゃあね健ちゃん、また明日。
  お疲れーーー。
健)お疲れさん。
♡)お先に失礼致します♡
荒)お疲れさまでした!!///
 
 
俺は登坂さんに肩を抱かれながら
帰っていく姫を
見えなくなるまで見送った。
 
 
ア)お似合いな二人だったねぇーー。
荒)そうですか!?
ア)あははは!w
  荒木くん的には彼氏には
  会いたくなかった?w
荒)……。
 
 
だって…
姫ならもっといい人、いると思うのに…
 
ってこんなこと言ったら
登坂さんに殺されそうだけど…
 
 
健)ほんまバカップルやからなー、あの二人。
ア)そうなんだ?w
健)そうですよ!
  臣ちゃんが♡ちゃんのこと
  好きで好きでしゃーないんすよ。
ア)うん、それは見ててわかったw
男)あはははw
男)でも登坂さんといる姫ちゃんも
  すごく可愛かったけどなぁ。
ア)うんうん。
  登坂くんのこと大好きなんだなーって。
健)あの二人はいつでもダダ漏れですから。
ア)あはははw
荒)……。
 
 
うん、それは認める。
 
相手が登坂さんってのは
いまいち気に入らないけど…
 
登坂さんの側で笑う姫は
すっごくすっごく可愛かった。
 
 
 
 
それから片付けを済ませて
家に帰って爆睡して。
 
 
朝起きて携帯を開いてみると、
なんとびっくり。
 
NET上では俺が姫の彼氏ってことで
めちゃくちゃ炎上していた。
 
 
『健ちゃんと姫カップルの3ショット!!😳😳
 健ちゃんのがずっとカッコイイじゃん!!』
 
『何この人!これが姫の彼氏なの!?
 優しそうだけどおっさんくさい!!💦』
 
『健ちゃん彼氏の前で姫の肩組んで
 怒られないのかな??👀』
 
 
荒)…っ
 
 
オイオイオイオイ。
なんでこんなことになってんだ!
 
…って、遡ってみれば…
 
どうやら昨日の写真をお二人がアップした時に
一緒に写ってる俺については
何も説明してなくて。
 
だからラジオを聞いてた人たちは
姫の隣にいる俺を
彼氏だと勘違いしてるみたい。
 
 
ご丁寧に山下さんを切り取って
俺と姫のツーショットまで
出回ってて…
 
 
荒)あ…。
 
 
NETの炎上に気付いたのか、
山下さんが補足してくれた。
 
 
『♡ちゃんの大ファンの荒木くんと
 3ショット。
 ♡ちゃんが来てくれたのは
 荒木くんのリクエストでしたー笑』
 
 
荒)!!!
 
 
こんなところで大暴露するなんて…!!
 
……まぁいいけど…。
 
 
荒)あっ!!
 
 
姫も補足してくれた。
 
 
『2時間ありがとうございました😊
 健二郎くんと大ファンの荒木くんと💕』
 
 
荒)////
 
 
俺に…ハートマークが付いてる…。
きゅーん…。
 
 
『姫、荒木くんの大ファンなの!?😳笑』
 
『姫と荒木くん、お互いファンなの?
 おもろい🤣ww』
 
『なんだ、これ姫の彼氏じゃなくて
 荒木くんだったのか!びびった😂💦』
 
『姫の彼氏も一緒に写ってほしかったー🙌』
 
 
……ふぅ。
とりあえず瞬く間に誤解は解けたようだ。
良かった良かった。
 
 
まぁ一瞬でもあの姫と噂になれただけ
身に余る光栄です、ハイ。
 
 
「私、荒木くんの大ファンなんだぁ♡
 荒木くん大好きーー♡」
 
 
……ああ、あの眩しい笑顔が
今でも脳裏に焼き付いてる。
 
 
「うん、ハタチには見えない!
 だってなんかすごくしっかりしてて
 頼もしいもんっ♡」
 
 
優しいよなぁ…ほんと。
 
みんな老けてるって言うのに…
それは自分でもわかってるのに…
 
「頼もしい」なんて言い換えてくれて…
 
 
荒)……はぁ、///
 
 
ダメだ、思い出せば出すほどメロメロだ。
ほんと俺、姫が大好きだ。
 
 
……よし、決めた…!!
 
 
俺はもっともっと仕事を頑張って
早く出世して…、
 
姫にいつでもゲストに来てもらえるくらい
力のある男になるぞ…!!!
 
 
そしてまた、あの天使のような笑顔を
この目で拝むんだ。
 
 
荒)よっしゃーーーー!!!
 
 
 
 
 
 
 
ーendー

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