〈21〉Jさんのイタズラ心(Jさん&MちゃんSide)

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M)はぁ…勿体無いなぁ…
J)どうしたの?
 
 
先輩との電話を終えて
思わずため息をつくと、
Jさんが後ろから優しく頭を撫でてくれた。
 
 
M)先輩、ジャニーズの仕事のオファーは
  全部断るって言うんです。
J)全部テレビの仕事なんだ?
M)違うんですよぉ!
  テレビはやらないってわかってるから
  仕方ないんですけど…
  今回はそうじゃないんです!
  
 
私は先輩に来てるオファーの内容と、
 
三代目がジャニーズに目を付けられてて
登坂さんがNGを出されたこと、
 
そのせいで先輩が
ジャニーズに怒ってることを
Jさんに説明した。
 
 
J)なるほど…ねぇ。
 
 
Jさんは少し考えたように目を伏せて…
 
そんな表情もカッコイイ///
 
…って見とれてる場合じゃなかった!///
 
 
J)それ、上手く使えないのかな?
M)え?
J)向こうからは3つもオファーが来てて…
  しかも嵐なんて一度断ってるのに
  ギャラ倍にするから、とまで
  言ってきてるわけでしょ?
M)はい。
J)ってことは、姫を熱望してるわけで。
M)はい。
J)こっちが通してほしい案件は
  たった一つ。
  アルバムにカバー入れるってことだけ。
M)はい。
J)こっちが有利だと思うけどな〜〜〜。
M)…っ
 
 
Jさんがニヤッと笑った。
 
 
J)まぁ窓口が違うのかもしれないけど
  同じ事務所なんだから
  可能性はあるんじゃない?
M)…っ
 
 
Jさんが言いたいことは
なんとなくわかった。
 
でも…、
 
 
M)上手く…出来るかな…。
 
 
その案、実は少し前に
思いつきはしてたんだけど…
 
相手はあのジャニーズだし、
ちょっと不安。
 
 
J)あれぇ、Mちゃんらしくないなーw
M)え?
J)姫に関することなら
  いつでも強気でしょ、Mちゃんは。
M)…っ
J)なんなら交渉術、伝授しようか?w
M)お願いしますっ!!
 
 
Jさんに仕込んでもらったら
無敵な気がする!!
 
 
J)その時は一応、会話も録音しておいた方が
  いいよ。
M)え?
J)言った言わないの世界で揉めるのが
  人間だからさ〜〜。
  無駄な争いは避けたいじゃない?
M)…っ、証拠は残しておいた方が
  いいってことですね。
J)何にでも役立つからねぇ。
M)わかりました!!
 
 
上手くいくかはわからなくても
可能性があるならやってみよう!
 
頑張るぞ!!
 
 
J)でもあんまり無茶はしないでね。
M)えっ…
J)芸能界って色々黒いしさー。
  心配だから。
M)…っ
J)無茶はしないこと。
  何かあったらすぐに俺に言うこと。
  わかった?
M)……はい///
 
 
Jさんが私のことを心配してくれてるのが
すごく嬉しい…。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
Mちゃんは新年会の動画を編集したいからって
一番風呂を俺に譲ってくれて。
 
俺が風呂から上がっても、
まだパソコンとにらめっこ状態。
 
 
Mちゃんが動画をあげると
再生回数が一気に伸びるくらい
うちの社員たちも楽しみにしてるからなー。
 
毎度毎度、お疲れ様。
ほんとマメだよねぇw
 
 
M)よっし!出来たぁーーーー!!
J)お、終わったの?
  思ったより早かったね。
M)もう何度もやってるので
  コツがわかってきましたw
J)そっかそっかw
  じゃあお風呂入っちゃいなよ。
M)あ、でもまだYouTubeに
  アップしてないんです。
  今動画保存中で。
J)ああ、じゃああとは俺が
  やっといてあげるよ。
M)ええっ!ほんとですか?
J)うん。保存し終わった動画を
  いつもみたいに上げるだけでしょ?
M)はい!
J)大丈夫だよ。
M)ありがとうございますっ!
  じゃあお風呂行ってきますね♡
J)うん、行ってらっしゃーいw
 
 
Mちゃんすごく頑張ってたし…
お風呂から戻ってきたら
マッサージでもしてあげようかなぁ〜〜
 
 
J)よし、アップロード完了。
  ……おおお!
  もう再生されてる。
  チャンネル登録してる人たちだな。
  すごいなーー。
  俺もゆっくり見てみようっと。
 
 
……お、出てきた出てきた、
セーラー服の6人が。
 
ははは、Mちゃん可愛いなーーw
 
 
M)あっ!動画見てる!!
J)お、おかえりーー。
  ちゃんと上げといたよー。
M)ありがとうございます!
J)あっという間に再生されてるよーw
M)ほんとですか?
 
 
Mちゃんは嬉しそうに画面を確認した。
 
 
M)だって今回の先輩も
  すっごく可愛かったですもん♡
  セーラー服も似合ってたし
  その後のセクシーな衣装も
  見事に着こなしてたしーー♡
J)ん?そうだったっけ?
  ごめん、もっかい見てみる。
M)え!見てなかったんですか!?
  じゃあ一体どこ見てたんですか!!
J)え…、……Mちゃん…。
M)えっ!!
  ……そ、…そうです…か///
 
 
あれ、なんか照れてる。
赤くなってる。
 
 
J)Mちゃん可愛いなーって見てた。
M)わ、私なんてただの引き立て役ですから!
J)何言ってんだか。
M)ひゃっ///
 
 
パソコンの前に座ってるMちゃんを
後ろからぎゅっと抱きしめた。
 
 
M)えっ、マッサージですか?///
J)うん。疲れたでしょ。
M)……///
J)ん?
M)どうして…そんなに優しいんですか///
J)え?w
 
 
別に普通だと思うんだけど…
 
 
M)マッサージなんてしてもらって…
  恐れ多いです///
J)いいじゃん、これくらい甘えなよw
M)……///
J)セーラー服が可愛かったご褒美w
M)えっ///
J)え?
M)Jさん…、セーラー服…好きですか?
J)ぶっ、好きじゃないよ!w
 
 
何をそんな真剣な顔で聞いてくるのかなw
 
 
J)そーゆー趣味はありません!w
  でもMちゃんは単純に
  可愛いと思ったから。
M)…っ///
J)まぁ、あれじゃない?
  彼氏の贔屓目だよw
M)////
 
 
Mちゃんは納得したのか、
大人しく俺に肩を揉まれてる。
 
 
J)俺がセーラー服好きだったら
  どうしてたの?w
M)コスプレ頑張ろうかと…///
J)あははは!w
M)だってJさんに喜んで欲しいから…
J)ほんと可愛いね?Mちゃんw
M)////
J)そこは引かないの?w
  この人いい歳してコスプレ好きなのー!
  とか。
M)え、引きません。
  Jさんだったらなんでも大丈夫です。
  全部受け止めます!!
J)あはははっw
 
 
ほんとこの一生懸命な感じ、可愛いよねぇw
 
 
M)あ、あの…っ
J)ん?
M)マッサージもういいです、
  ありがとうございます!
  気持ち良かったです!!
J)え、もういいの?
M)…っ、その代わり…
J)ん?
M)ぎゅってしてほしいです///
J)…っ
 
 
Mちゃんがくるっとこっちを向いて
両手を広げてきた。
 
 
J)んー、おいでーw
M)////
 
 
そのまま正面から抱きしめてあげたら、
嬉しそうに俺の胸に頬ずりしてる。
 
 
M)すごく癒されます…///
J)あら。
M)疲れも吹き飛びます///
J)それは良かったw
 
 
……俺も一緒だよ。
 
こうして甘えてくれると…ほんと可愛くて。
気付いたら癒されてるんだ。
 
 
M)大好き…です…///
J)……。
 
 
この可愛い上目遣いは…もしや。
 
 
M)Jさん…、///
J)////
 
 
キスして欲しそうな視線。
抱いて欲しそうな仕草。
 
 
J)もっと甘えたいの?
M)……(こくん)///
J)ベッド行く?
M)(こくん)///
 
 
……ほら、ほんと可愛いんだから…。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
翌日。
会社は休みで、先輩は雑誌の撮影が2件。
 
最近は佐伯さんのところ以外の雑誌からも
仕事がどんどん来てて。
 
 
そのうち本屋のファッション誌の表紙が
ぜ〜〜んぶ先輩!♡
なんて日が来るのも夢じゃなかったりして…
なんて思っている、マネージャーですw
 
 
そしてそして…
今日は大事な任務が…!
 
まずは先輩のOKをもらっておかなきゃ!
…ってことで、
タイミングを見て切り出してみました。
 
 
M)もしも先輩がジャニーズのオファーを
  受けることで…
  登坂さんの件がOK出るとしたら
  受けますか?
♡)え…?
  どういう…こと??
 
 
先輩は可愛い顔できょとーんとしてる。
 
 
M)だから、簡単に言うと交換条件です。
  登坂さんのらいおんハートを
  OKしてもらう代わりに、
  先輩がジャニーズのオファーを
  受けるんです。
♡)えっ…
  そんなこと出来るのかな?
M)わかりません。交渉次第です。
♡)…っ、可能性があるならやる!!
  OKならオファーも受けるよ!!
 
 
登坂さん命の先輩なら
そう言うと思ってました♡
 
 
M)わかりました、ではこの件はまた後日♡
  あと、先日断った映画の主演の件ですが…
  こちらも粘られてまして。
♡)ええっ!
M)せめて一度直接会いたい、とのことなので
  会食だけでもどうですか?
♡)……そっか。
  お会いしないで断るって失礼だよね…。
  うん、わかった!
M)じゃあこちらも日程組んでおきますね。
♡)はい、お願いします!
 
 
 
……
 
 
 

 
 
 
それから数日後。
 
 
♡)臣くんOK出たって!!!!
 
 
先輩が満面の笑みで
私に報告しに来てくれた。
 
 
M)ふっふっふ♡
 
 
だって、Jさん直伝の交渉術だもんね!
 
 
向こうは「なんでいきなり三代目の話??」
みたいに不思議そうにしてたけど…
そこも上手くぼかしたし。
 
担当者はもちろん別だったけど、
そこは上手く話を通してくれたみたい。
 
 
♡)臣くんも喜んでたよ!
  Mちゃんありがとう!!♡♡
M)交換条件の話、したんですか?
♡)あ、ううん!
  それは臣くんには言わないつもりだよ。
M)……。
 
 
そこは先輩らしいなぁ、ほんと。
 
 
♡)ジャニーズが意地悪っていうのは
  変わらないけど…
  受けるからにはちゃんとやるから!
M)はい、頑張りましょうね♡
♡)うん!
 
 
キスマイブサイクの仕事は
TVだからやんわり断ったけど…
 
受けることにしたのは
嵐のMVと、手越くんとの対談。
 
 
どうやら先輩を熱望してたのも
この2件だったみたいだし。
 
上手くまとまって、良かったな。
 
 
M)あ、あと…
♡)ん?
M)話は変わるんですけど、
  明後日の夜、空いてませんか?
♡)仕事入ってないよね?空いてるよー!
M)あの…、うちに…というか
  正式には私の家ではないので
  あれなんですが…
♡)ん?
M)Jさんのお家に…
  先輩を招待したいな、と。
♡)……えええ!!
M)招待というか、
  一緒に晩御飯でもどうですか?
♡)え、いいの!?
  なんか私、お邪魔じゃない?///
M)なんでですか!w
  実はその日、Jさんのお友達も
  遊びに来るらしくて。
♡)あ、そうなんだ!
M)なので先輩も、もし良かったら。
  来てくれると嬉しいです♡
♡)じゃあお邪魔しちゃうー!♡
  ありがとう、嬉しい♡
M)はい、ぜひ!
♡)MちゃんとJさんのおうち…
  ドキドキ…♡♡
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
M)出来ましたーーーー!!
J)おお、すごいw
 
 
工がうちに遊びに来る日、
Mちゃんが張り切って作ってくれたのは
美味しそうなパエリア。
 
 
M)お友達、喜んでくれるといいなぁ…。
J)これは絶対喜ぶよw
 
 
俺があいつの好物を教えたら、
せっせと作ってくれて。
いい子だよねぇ…。
 
他にもいくつか料理を用意してくれて。
 
 
「親友」としか伝えてないから
Mちゃんは工が来るとは
思ってないんだろうけどw
 
 
なんか面白そうだから
姫も呼んじゃったし。
 
さて、どうなることかなーw
 
 
ピンポーン。
 
 
M)はっ!来た!どっちかな!
J)あ、友達だ。開けたよー。
 
『サンキュー。』
 
M)ん?
J)ん?
M)今のって…、え?
J)え?w
M)一瞬しか見えなかったんですけど…
  ……いや、見間違いかな…。
 
 
見間違いじゃないんだなーw
 
 
それから俺が玄関まで迎えに行って
工をリビングまで連れてくると…
Mちゃんは目を丸くして固まってて…
 
 
工)初めまして!……、ん?
  あれ…、君…どこか…で、、
 
 
工の方もMちゃんをじーっと見て
首を傾げてる。
 
 
工)あ!そうだ!
  ♡ちゃんのマネージャーさん!!
M)は、はい…っ
工)え、うっそ!なんで!?
J)ははははw
工)この子が彼女なの!?
J)Mちゃんですw
M)あ、Mといいます、初めまして…
  ではなかったみたいですけど…///
工)…っ
M)私も…びっくりしてます///
 
 
Mちゃんが
どうして教えてくれなかったんですか
みたいな顔して俺を見たタイミングで
またインターホンが鳴った。
 
 
M)今度は私が行ってきますね!
 
 
オートロックを解除してあげて
Mちゃんが玄関に走っていった。
 
 
工)まさかお前の彼女が
  会ったことある子だとは思わなかった…
J)ははははw
工)あれっ…、てゆーか…
  俺のMV、観た?
J)うん、姫とのやつでしょ?
工)じゃあ俺が好きになりかけた子が
  あの子だってことも…
J)うん、だから今日呼んどいたよ。
工)……えええっ!!?
 
 
工が目を丸くしたとこで
タイミングよく姫が入ってきた。
 
 
♡)えへへ、お邪魔しまーす♡
工)!!!
♡)…っ、ええ!!工さん!?
M)そうなんです、びっくりなんですけど…
♡)え、どうして?どういうこと!?
M)私も聞きたいです!
  どういうことなんですか?
J)友達なんだよねー、昔からのw
M♡)えええええ!!
J)あはははーw
M)あはははじゃないですよ、もぉっ!///
  ほんとにびっくりしたんですからー!
♡)ほんとにお友達なんですか?
工)うん。すごい偶然だね、びっくり。
♡)びっくりです!!
  こんなところでまた会えるなんて
  思ってなかったです!♡
工)えっ…
♡)なんか嬉しいですね♡
工)////
J)……。
 
 
あちゃー。
姫の無邪気攻撃に工が盛大に照れてる。
顔は真顔だけど。
 
 
工)改めまして、よろしく///
♡)あははは、よろしくです♡
 
 
謎に握手を求めた工の手を
姫はにっこり笑って握った。
 
 
♡)えっ!すっごく冷たい!!
工)あ、ごめんっ
  実は俺、歩いてきたんだよ。
M)ええ!どこからですか?
工)最寄駅から。電車で来たから。
M)ええ!車じゃないんですか!?
工)うん。
J)こいつ昔からそうなんだよ。
  電車とか乗るの好きでw
M)バレないんですか!?
工)意外と全然ね。
♡)それでこんな冷えちゃったんですか!?
工)俺、末端冷え性だから…
♡)私、手あったかいんですよ!
  任せてください!
工)えっ、えっと…///
 
 
あーあ、姫……w
 
必死に工の手を両手で包んで
あっためてあげてるけど…
 
ほんと男心がわからない無邪気さが
炸裂してるよねーーw
 
 
♡)少しはあったまりましたか…?
工)……うーん、もう少し///
 
 
オイ、こらw
 
 
♡)よーし、もっとあったかくなぁれー!
工)////
 
 
嬉しそうにしちゃって。
登坂くんが見たら殺されるぞw
 
 
♡)どうですか?
工)うん、すごくあったかい…
  ありがとう///
♡)良かったぁぁ♡♡
工)////
 
 
そんな二人のやりとりを
笑いをこらえながら見てたら
Mちゃんにこそっと耳打ちされた。
 
 
M)Jさん、わざとですね…?
J)え、何が?w
M)工さんが先輩のこと意識してるの知ってて
  二人を鉢合わせましたね?
J)なんのことかなー。
  ほら、みんなで乾杯しようよ。
M)もぉ〜〜〜!w
 
 
Mちゃんはほっぺを膨らませながら
テーブルの用意をしてくれて
俺はそこにグラスを並べた。
 
 
♡)あ、ローストビーフ買ってきたよー♡
M)わっ、ありがとうございます♡
♡)むーこさんのオススメのやつー♡
M)えー!それは絶対美味しそう!
工)俺はワイン持ってきたよ、ハイ。
J)ありがと。
M)あ、先輩ワイン飲めないですよね?
♡)あっ…うん。
工)え、そうなの?ごめん!
♡)いえ!飲めるのもあるんですけど…
  ワインワインしてるのは…
  ごめんなさい。
工)ワインワインしてるの??w
J)これ度数高いし無理じゃないかなw
工)そっかー、飲めないんだー。
  可愛いねw
♡)えっ
 
 
あららら。
工が愛しそうに姫を見つめてる。
 
でも…
 
 
♡)今、子供みたいって思いました…?
 
 
あれ、姫は膨れてるw
 
 
工)え?w
M)先輩は変わってるんですー。
  若く見られたり子供扱いされるのを
  極端に嫌がるんですよねー。
工)そうなの?w
  若く見られるのなんていいじゃん。
♡)やです!素敵な大人の女性に
  なりたいんです!
工)でも肌とか綺麗すぎるし
  十代にも見えるよ。
♡)ダメです!!
工)あははは、可愛いw
 
 
あちゃー。
怒ってる姫のことまで可愛いとか言い出したら
もう末期だなw
 
もう顔が嬉しそうに緩んでるもんな。
 
 
M)じゃあ私と先輩はこっちのお酒を
  いただきますね♡
J)うん。
工)……そういえばさ、
  お前…、彼女とは同じ会社って
  言ってなかった?
 
 
工が不思議そうに俺を見てきた。
 
 
J)そうだよ?
工)え、でも…
  Mちゃんはマネージャーなんでしょ?
J)兼業してるからねー。
工)え、じゃあ本当に同じ会社なの!?
J)そうだってw
M)私も先輩も、Jさんと同じ会社ですよー♡
工)!!!
 
 
その言葉に、工はこっそりキッチンまで来て
俺のそばで耳打ちしてきた。
 
 
工)お前、まさか…
J)ん?w
工)お前が前に好きだった子って
  ♡ちゃんなんじゃないの。
J)あ、バレた?w
工)やっぱり!!!
J)あはははw
工)マジか……
  お前とは女の趣味まで似てたか…。
J)あはははw
 
 
工はがっくりと項垂れて
シンクに手をついた。
 
 
工)でも今はあの子と付き合ってんでしょ?
J)うん。
工)複雑じゃ…ないの?
J)全然?
工)♡ちゃんと顔合わせてたら
  やっぱり可愛いなーとか
  好きだなーとか思っちゃったりしないの?
J)思っちゃってたら
  他の子と付き合えないでしょw
工)マジか…。
J)まぁ普通に可愛いよ、姫は。
  それは今でもそう思うけど、
  なんていうか客観的な感じ。
  前みたいな感情ではないよ、さすがに。
工)そうなんだ…。
J)今は彼女が可愛い。一番。
工)…っ、お前もそういうこと言うように
  なっちゃったの?///
J)なっちゃったのw
工)愛しちゃってるわけ?
J)うん。大事だよ、すごく。
工)ふーーん///
 
 
工はニヤニヤしながら
「幸せそうで何より」って
テーブルに戻っていった。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
M)////
♡)ん?Mちゃんどうしたの?
M)あ、いえ!なんでも!///
 
 
先輩が買ってきてくれたローストビーフを
お皿に並べながら…
 
聞こえてしまった、
Jさんと工さんの会話。
 
 
先輩は少し離れてたから
聞こえてなかったみたいだけど…
 
 
「今は彼女が可愛い。一番。」
 
「うん。大事だよ、すごく。」
 
 
M)////
 
 
Jさんが言ってくれた言葉が
すごくすごく嬉しくて…
なんだか頬が熱い。
 
 
J)よーし、じゃあ乾杯しよっかー。
  ……あれ?顔赤くない?大丈夫?
M)あ、はい///
J)フライングして飲んだ?w
M)飲んでませんよ!
J)あはははw
 
 
Jさんは優しく笑って
私の頭を撫でてくれた。
 
そんな小さなことにもキュンキュンしちゃう。
 
私どれだけJさんのこと好きなんだろう…。
 
 
工)じゃあ♡ちゃんとは
  三度目の再会を祝して…w
♡)あはははw
M)え、三度目?
♡)あ、そうなの!
  実はね、一緒にお仕事した後に
  パーティーで偶然再会して…
M)えー!そうだったんですか?
♡)うんっ!その時は
  臣くんも一緒だったんだよー♡
M)そうだったんだぁ…。
 
 
…って、嬉しそうに話す先輩の横で
工さんは登坂さんの名前が出てきて
少し残念そうな雰囲気なんですけど…?w
 
 
そっか、でも良かった。
 
工さんは二人が付き合ってることは
もう知ってるってことだもんね。
 
 
J)じゃあカンパーイw
皆)乾杯!
♡)……うん、美味しい♡
工)ワインも飲んでみる?一口w
♡)……いらないです…。
工)あはははw
M)……。
 
 
大丈夫だよね…?
付き合ってるって知ってるんだよね?
 
なんか先輩を見つめる工さんの視線が
甘すぎて。
 
でもこの人、いつも色気がすごいし
これが通常運転なのかも。
 
 
M)てゆーかお二人は一体
  どういうお友達なんですか?!
♡)私も気になる!
J)あはははw
工)俺たちの歴史は長いよー?w
 
 
一番気になるそこ。
 
二人は私が作ったパエリアを絶賛しつつ
懐かしそうに昔話を聞かせてくれた。
 
 
M)そんな長いお友達だったんですね…。
♡)びっくり…。
J)腐れ縁だよ、腐れ縁w
工)あはははw
M)……。
 
 
てゆーかJさんってば…
教えてくれれば良かったのに。
 
お友達なんて知らないから
私、普通に工さんの話、しちゃってたし…!
 
全然カッコイイと思わなかったとか
失礼な発言しちゃったし…!
 
絶対Jさん、心の中で笑ってたんだー!
もう!意地悪!
 
 
工)そういえばこの間、
  ノブアキと理と飲んだんだけどさ、
J)あ、ほんと?
工)Jにも会いたがってたよ。
J)俺も久々に飲みたいなー。
M)……。
 
 
誰だろう。共通の友達みたいだけど。
 
 
工)可愛い彼女紹介してあげたらw
J)あはははw
M)////
 
 
可愛くはないので、気が引けます。
 
工さんも大丈夫かな…
「こんなのがJの彼女かよー」
とか、内心引いてないかな…。
 
今日は一応メイクも服も頑張ったんだけど…
 
 
工)Jに彼女出来たなんて言ったら
  絶対会いたがるよw
M)…っ
 
 
それはますます、ハードルが高いです!
 
 
工)わかる?金子ノブアキ。
  向井理はわかるよね?
M)!!!
 
 
うそっ…
さりげなく会話に出てきてたけど
二人とも超有名人だったーーーー!!
 
 
J)姫がわかんなそうな顔してるw
工)え、うそ…っw
♡)か、顔は…わかります!
  向井理さん!
工)ノブアキは?w
♡)ええと…、……ごめんなさい///
  ドラマとか映画で顔はわかっても
  俳優さんの名前が
  わからないことが多くて…すみません!
J)ノブアキ何に出てたっけ。
工)いっぱい出てるよあいつ。ええと…
M)ブザー・ビート、観てました?月9の。
♡)あ!山Pのやつ!?
  観てた!!
M)あの浮気相手の人です。
♡)ああああ!!あの人かぁぁぁ!!
  むぅぅぅぅ!!
M)え?w
♡)山Pを傷つけて〜〜〜!!
M)いや、役ですからね?w
♡)すっごくやな役だったもん!!
M)最後はハッピーエンドだったんだから
  いいじゃないですか!!
♡)むぅぅぅ…
工)懐かしいな、ブザー・ビートw
  あれ伊藤さんも出てたしw
J)伊藤さん最近も飲んでんの?
工)うん、前よりは減ったけどね。
  子供産まれたばっかりだし。
M)伊藤さんって…伊藤英明ですか?
工)うん。
J)工、すごく仲良いんだよw
工)お前も一緒に飲んだことあんじゃんw
J)何回かねw
M)ええええ!!
 
 
Jさんってば…
Jさんってば…
 
何気に芸能界に知り合い多すぎる!!
初耳なんですけど!!
 
 
J)工がいっつも呼び出されるからさ、
  一緒にいる時は俺もついてったりw
工)伊藤さんはわかるよね?
♡)ええと…
M)伊藤英明ですよ、海猿の!
♡)海猿ーーーーー!!
  ………海…猿…。
 
 
あれ、思い出したように目を見開いた後で、
先輩の顔が少し曇っちゃった。
 
 
♡)お子さん…いるんですか…?
工)11月に産まれたばっかりだけどね。
♡)ご結婚…されてたんですか?
工)うん、一昨年に。
  どうしたの?ファンだった?
♡)あ、いえ…、
J)もしかしてどこかで会ったことある?
M)えっ…
♡)……はい。えっと…パーティーで。
工)うっそ!そうなんだ!
♡)でもすごく酔ってたので
  覚えてないと思います。
工)え、酔ってたの?
  もしかして♡ちゃん…口説かれたでしょ。
♡)…っ
工)絶対そうだ!
  あの人がほっとくわけないもん。
  しかも酔ってる状態で!
  大丈夫だった?強引じゃなかった?
♡)……はい。
工)ほんと良い人なんだけどさ、
  お酒入っちゃうとたまに、ね。
♡)臣くんも一緒にいたので大丈夫でした。
 
 
先輩は少し困ったように笑った。
これは…きっと相当強引だったに違いない。
 
 
J)そっか、登坂くんが助けてくれたんだw
♡)あ、助けてくれたのは
  大島優子ちゃんなんですけど…
工)ちょっと待ってw
  「助けてくれた」って…
  やっぱなんかされたの?
  ほんと大丈夫だった?
♡)大丈夫ですよ!
  大島優子ちゃんがすごく優しかったです♡
M)そうなんだ…。
 
 
あの子サバサバしてるし
フォロー上手そうだもんね。
 
 
工)♡ちゃんが無事で良かった…w
J)伊藤さんは危ないもんねぇw
M)……。
 
 
伊藤英明といえば女遊びの噂が絶えない
根っからの女好きだもんね!
お姉ちゃんも言ってたもん。
 
 
工)てゆーかこれ本当に美味い。
  すごいねMちゃん、料理上手だね!
M)い、いえ…///
J)工がパエリア好きだって話したら
  作ってくれたんだよ。
工)え!そういうこと!?
  わざわざ俺の好きなもんを?
  えーー、めっちゃ嬉しいよそれ。
  ありがとう。
M)はい///
工)いい嫁さんもらったなーー。
J)でしょ。
工)ってほんとに結婚すんの?w
J)Mちゃん次第だよーw
  いつでもお嫁には来ていいよって
  言ってあるから。
工)え!そうなの!?
M)ええと…///
♡)結…婚…、///
M)////
 
 
なんか恐れ多すぎて迂闊に発言できない。
 
 
工)だってさー、こいつ付き合う前から
  すっげぇノロけてたもん。
M)えっ!
工)好きな子のこと、可愛くて仕方ないとか
  もっと甘えて欲しいとか言って。
M)それ…、私のことですか…?
J)Mちゃん以外誰がいるの///
  って、バラすなよお前///
工)あはははw
M)////
 
 
Jさんが…照れてる…
嘘みたい///
 
 
工)俺もびっくりしちゃって。
  早く付き合えよとか言ってたんだけど…
  無事結ばれて、良かったよ、うん。
J)無事結ばれました♡
M)////
 
 
Jさんは嬉しそうに笑って
私の肩を抱いてくれた。
 
 
♡)本当に…ラブラブだ…///
J)あははは、そうだよーw
♡)だって…会社ではMちゃん
  すごく普通だから…
J)プライベートだと可愛いでしょ?w
♡)可愛い///
M)やめてください///
J)あはははw
 
 
もう、嬉しいやら恥ずかしいやらで、
ずっと顔が熱いよ…///
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♡)ね、このお酒ほんとに美味しいね♡
J)あ、おかわりいる?
M)私持ってきますよ!
♡)あ、ごめんね、ありがとう!
 
 
姫がグラスの残りを飲み干すと
工がスイッチオンな目をして
姫の顔を覗き込んだ。
 
 
工)それそんな美味しいんだ?
♡)はいっ!
工)俺にも飲ませて…?
♡)え、全部飲んじゃいましたよ。
工)ちょっとでいいよ。
 
 
コラコラコラ。
 
そのままキスしそうな勢いだけど…
大丈夫か?
 
普通の女の子なら頬を染めて
うっとりキスされちゃうんだろうけど…
 
 
♡)Mちゃん!
  工さんも同じの飲みたいってー!
M)はーい!
 
 
ぶふっw
姫に通用するわけもなく。
 
 
工)♡ちゃんの口に付いたのでもいいよ?
 
 
あれ、まだめげないんだ。
 
 
♡)何言ってるんですか?
 
 
でもあっさりあしらわれたーー!w
 
うん、姫に色気作戦は通用しないってw
そんなじっと愛おしそうに見つめてもさー
 
 
♡)どうしてそんなじっと見てるんですか?
 
 
ほら、そうなるからw
 
 
工)んー?
  ♡ちゃんが可愛くて。
♡)え?
工)可愛いなーって…見ちゃうんだよね。
♡)酔ってますか?お水にしますか?
工)あははは、酔ってないよw
  酔ってるの♡ちゃんじゃない?
  顔少し赤いよ?
♡)そうですか?
工)うん、ほら…。
 
 
あーーー!!
 
何してんだコラ!さすがにやりすぎだろ!
 
姫の後頭部を掴んで抱き寄せるようにして
おでことおでこをくっつけた工は
すぐに姫にグイッと押し返された。
 
 
♡)どうしておでこくっつけるんですか?
工)♡ちゃん酔ってるなぁって。
♡)酔ってないです。
  臣くんがもし他の女の子に
  こういうことしてたら、絶対嫌なので
  私にもしないでください!!
 
 
ぷぷっ!
さすが姫、キッパリ言ったーーーw
 
ほんと真面目というか…
こういう子なんだよね、うんw
 
 
工)ごめんなさい…。
 
 
怒られて素直に謝ってるし!!
 
 
J)ぶふ…っw
 
 
耐えきれずに思わず笑うと、
工にジトッと睨まれた。
 
 
M)お酒持ってきましたよー♡
J)あ、じゃあ俺、チーズ持ってくるよ。
 
 
Mちゃんと入れ替わりでキッチンに向かうと
すぐに工が後をついてきた。
 
 
工)なぁ。何をしても暖簾に腕押しです。
J)だねーw
  てかお前どうしたいのw
  あの子は登坂くんの大事な
  お姫様ですよー?w
工)いや、それはわかってんだけど…
  可愛いじゃん…?
J)うん。
工)隣にいたら…ほんと可愛くて…
  しかもさ、可愛いだけじゃなくて
  なんか無性に色っぽいんだよ!
J)そーお?w
工)隣であんな無邪気に笑われたら
  食べたくなる。
J)こらこらw
工)連れて帰りたくてしょーがない。
J)こらこら!w
  無邪気に笑うも何も
  さっき怒られてたじゃん、お前w
工)……うん。
  でも怒った顔も可愛かった…。
J)お前…重症だな…w
工)なんであんなに臣くんのこと
  好きなんだろ…。
J)ほんとにねぇ…。
工)めっちゃ大事にされてない?臣くん!
J)登坂くんも大事にしてるしね。
工)……いいなぁ…あんな子に…
  あんな想われてて…。
 
 
こいつ、酔ってんのかな?w
酒あんま強くないのに結構飲んでるしな。
 
 
J)ほら、戻るぞw
工)うん。
 
 
チーズとクラッカーを持って
テーブルに戻ると、
ちょうど姫の携帯が鳴った。
 
 
♡)あ、ごめんなさい!
J)全然いいよ。
♡)あ、臣くんだ!
J)え…っ
 
 
まさかのタイミングw
 
 
J)いいよ、普通にここで出て。
♡)すみません、失礼します。
 
 
工が気にしてる気にしてるw
 
 
♡)もしもし?うんっ!うんっ!
  そうだよー、今ね、Jさんのおうちー。
  え?言ってあったでしょ?
  ……ん?だからMちゃんとJさんの
  おうちだってばー。
 
 
ははーん、これは…
登坂くんは姫がただMちゃんの家に
遊びに行っただけだと思ってたパターンだなw
 
 
♡)あのね、びっくりなんだよーw
  工さんもいるの!
  Jさんのお友達も来るって
  聞いてたんだけどね、
  それが工さんだったんだよー!
  すごいでしょ!w
  ……え?だから工さんだってば。
  斎藤工さん!
  そうだよ、4人で飲んでるんだよー♪
 
 
あーあ、登坂くん電話の向こうで
顔色変わってるだろうなーw
 
 
J)登坂くんも来れば?
♡)えっ、いいんですか?
 
 
なんか面白そうで、
ついそんなことを言っちゃった。
 
 
♡)ね、臣くんも来るー?
  Jさんがどうぞって言ってくれてるよ♡
 
 
まぁ登坂くんが俺の家になんて…
絶対来たくないと思うけどねーw
 
 
♡)わかった!じゃあ待ってるね♡
 
 
ええっ!
ほんとに来んの!?
 
 
♡)うん、住所送るね♡
  はーい、それじゃ。
 
 
姫は電話を切ってニッコリ笑った。
 
 
♡)今からすぐ来るそうです♡
  Jさんありがとうございます♡
J)いいえー♡
 
 
今からすぐ、ね…w
 
 
さすが過保護な登坂くん。
心配で仕方ないんだな、きっとw
 
 
さて、どうなるかなー♪
 
 
 
 
 
 
ー続ー

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