〈19〉満たされる夜

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M)よっし、完璧ですねー!
  練習終了ーー!
先)久々に踊ったら楽しかったーーw
先)この歳でセーラー服とかヤバイけど
  楽しいw
M)この衣装よく出来てますよねー♡
  原さんに感謝ーー♡
♡)…っ
海)♡さんとKさんのピンク・レディー、
  とってもセクシーです!///
K)あはは、ありがとw
M)セーラー服ビリッと脱いで
  衣装チェンジしたら
  みんなびっくりするだろうなー♡
先)中の衣装すごいもんねー♡
先)明日の本番楽しみーー♪
♡)……。
K)どうした?ぼーっとして。
♡)あ、ううん!大丈夫だよ!
  楽しみだね!
K)……あ、臣広だ。
♡)!!!
 
 
振り返ったら
ドアのところに臣くんがもたれてて…
眉を下げて私を見てる顔が、
なんだか優しくて泣きそうになった。
 
 
先)登坂くんお久しぶりー!
臣)どーもw
先)♡ちゃんのセーラー服見に来たなぁ?w
臣)あはははw
  でももう着替えちゃったんですね、残念w
先)可愛かったよぉ〜〜♡
先)似合ってたよぉ〜〜♡
臣)楽しみにしてますw
♡)……臣くん…、っ
臣)ん…。
 
 
臣くんの元に駆け寄ったら
臣くんは「大丈夫だよ」って言うみたいに
優しく私の頭をポンポンしてくれた。
 
 
先)あ!岩ちゃんもいた!///
先)ほんとだ!
岩)へへ、どーもw
  新年会の動画楽しみにしてまーすw
先)ええ!岩ちゃんも見るの!?
  なんか恥ずかしい!///
岩)ちなみに俺、今までのも
  全部もれなく見てますよーーw
先)ええ!w
M)ご視聴ありがとうございまーす♡
岩)あはははw
 
 
岩ちゃんはみんなと笑いながら、
「◇がご飯作って待ってるよ」って
私の背中を優しく叩いてくれた。
 
 
M)よっし、じゃあ解散しましょーか!
K)おう!
海)♡さん!
  こんな素敵な場所をご提供いただいて
  ありがとうございました!
先)あ、そうだよね!
  会社の会議室よりずっと素晴らしい!
  ありがとうね、♡ちゃん!
♡)あ、いえ…!
K)じゃあ明日ね!お疲れさーーん!
海)お疲れさまでしたー♡
♡)気をつけてね。
 
 
みんなを見送って3人になると、
臣くんはもう一回
私の頭をポンポンしてくれた。
 
 
臣)行こ。
♡)うん。
 
 
あの後…、どうなったんだろう。
 
原くんはもう帰ったんだよね…?
 
 
強引に抱きしめられた感触が…
まだ残ってて…
 
首筋に触れた、唇の感触も
まだ残ってる。
 
 
♡)…っ
 
 
……やだ。
思い出したら気持ち悪い。怖い。
 
 
どうして?
 
原くんはKちゃんが好きなんじゃないの…?
 
 
「好きです、♡さんが…。」
 
 
抱きしめられた時、そう言われた。
 
 
どうして…?
どうして…?
 
 
臣)大丈夫だから。
♡)…っ
 
 
エレベーターの中、
そう言ってくれた臣くんの手を
ぎゅっと握りしめた。
 
 
岩)ただいまーー。
◇)おかえりー!
  ちょうど出来たとこだよーー!
 
 
岩ちゃんのお家に入ったら、
◇ちゃんがエプロン姿のまま飛んできて
私を抱きしめてくれた。
 
 
◇)練習お疲れさま!
  お腹すいた?ご飯食べれる?
  みんなで食べよっ?
♡)……ありがとう。
 
 
キッチンからは美味しそうな匂いがしてる。
 
 
臣)♡。
♡)…っ
 
 
今度は臣くんが抱きしめてくれた。
ぎゅって、強く…、強く…、
でも優しく、ぎゅって…。
 
 
岩)……って、コラw
◇)いつまで抱きしめてんだーーw
臣)いーの。消毒。
♡)…っ
 
 
大好きな、臣くんの匂い…。
安心する、臣くんのぬくもり…。
 
 
臣)怖かったな…。
♡)…っ
臣)もっと早く帰って来れば良かった…。
  ごめんな…。
♡)…っ
 
 
安心したら、涙がじわじわ滲んできた…。
 
 
臣)ん…、よしよし…。
♡)…ぐす…、っ
 
 
臣くんは私が落ち着くまで、
ずっとずーーっと、ぎゅーってしてくれてた。
 
 
◇)とりあえず、お茶飲んで、
  あったまるから。ね?
♡)ありがとう…っ
 
 
一旦ソファーに座ると、岩ちゃんが
「臣さんほんとに怖かったんだからーw」
って、困ったように笑ってみせた。
 
 
◇)臣さん、あの後どうしたの?
  原くん生きてる?大丈夫?
岩)あんねぇ、俺とSさんが止めなかったら
  あいつ間違いなく死んでたねw
◇)えええっ!
岩)臣さんちょーーーー怖かったもんw
  広斗丸出しだったね。
  いや、広斗より怖かったねw
◇)広斗より!?ひぇぇぇ!!
臣)岩ちゃん、盛るなw
岩)盛ってないし!事実だし!w
♡)……。
 
 
臣くんは…握ってる私の手を
自分の膝の上で大事そうに
なでなでしてくれてる。
 
あったかくて、ほっとする…。
 
 
◇)原くんてさ、昨日…、
  婚約者いる人を好きって言ってたよね?
  それが♡ちゃんだったの?
♡)ううん!違うよ!
  原くんは…Kちゃんのことが好きなの!
◇)ええっ!Kちゃん!?
♡)うんっ…
  ……なのに…どうして…、
 
 
全然意味がわからなかった。
頭が真っ白になった。
 
 
臣)Kのことが好きだったけど、
  お前に相談してるうちに
  お前のこと好きになったんだと。
♡)……え…?
岩)♡ちゃんの笑顔が可愛くて
  気付いたら好きになってたんだってさ。
◇)なんじゃそりゃ!!
  確かに♡ちゃんの笑顔は最強だけども!!
  相談に乗ってあげてた♡ちゃんは
  ただただびっくりじゃん、そんなの!!
♡)う…ん…、
◇)Kちゃんのこと好きだと思ってたら
  いきなり自分に襲いかかってくるなんて…
♡)うん…、びっくりした…。
◇)とんでもねぇなあいつ!
♡)……。
 
 
気付かなかった…私が悪いのかな…?
 
私が…ニブ子だから……
 
 
♡)ぐす…っ
臣)どうした!?
♡)私、もう…やだ…っ
臣)…っ
♡)ニブ子なの…、やだ…っ
臣)へ??ニブ子??
♡)私がニブ子だからダメなんだもん!
  橘さんの気持ちも気付かなかったし、
  原くんの気持ちだって…、、
  全部私がニブ子だからだもんっ!
臣)あ〜〜〜〜、泣くな泣くな。
♡)ふぇぇ…っ
 
 
臣くんに抱きしめられたら
余計に涙があふれてきた。
 
 
♡)どうして私はニブ子なのぉっ!
臣)ぶっw
♡)今笑った!?
臣)いや、だって…、あはははw
♡)ひどい!なんで笑うの!
臣)ごめんごめん、よしよしw
♡)ううう…っ
 
 
悔しくて悲しくて
なんかもうわけがわからなくて
私は臣くんにぎゅっとしがみついた。
 
 
岩)まぁ♡ちゃんのニブ子は
  今更だし、仕方ないよ。
◇)それが♡ちゃんのいいところでも
  あるしね。
岩)うん。
 
 
二人がなんだか
無理矢理フォローしてくれてる…。
 
 
臣)あれじゃない?
  お前はさ、もう…
  男はみんな自分を好きだと思っといて
  いいと思う!
♡)……はい?
臣)他の女を好きって言ってようが
  なんだろうが!
  お前の可愛い笑顔を前にしたら
  みんなコロッといくんだよ!
◇)それは言えてる!!
  ♡ちゃんに惚れない男なんていない!!
岩)おいおい…w
臣)だから!どんな男も
  自分のことを狙ってるって思って
  常に用心しておけ!
◇)うん!それくらいがいいよ♡ちゃんは!
♡)……もぉ…、やだ…。
臣)ん…?
♡)私…、臣くん以外の男の人からなんて
  好かれなくていい…。
  この先一生。
 
 
そんなの望んでない。
 
もうやだ。
誰も好きにならないで。
 
 
◇)こ、これが…モテ子の悩みか…。
  可愛い子は可愛い子で大変なんだよね…。
 
 
ピロピロ♪ピロピロ♪
 
 
♡)あ、原くんだ…。
臣)なんだと。
岩)臣さん、怖い怖い!顔面凶器!w
  落ち着いて!
◇)なんて…?
♡)なんか…すごく長いLINE…。
 
 
ゆっくり読んでみると、
それは長い反省と謝罪で…、、
 
 
自分でも気付かないうちに
私を好きになってたこと、
 
その気持ちが止められなかったこと、
 
暴走して私を怖がらせて傷つけたこと、
 
そのすべてを心から反省していて
本当に申し訳なく思ってる、
っていう内容だった。
 
 
本当は直接謝りたいけど
もう自分の顔を見るのも嫌だろうから、って。
 
 
♡)……はぁ。
臣)謝ってんの?
♡)うん…。
 
 
明日、顔合わせるの…やだなぁ…。
 
 
♡)原くん…いい人だし…
  仕事もできるし…
  嫌いにはなりたくないんだけど…
臣)お前は〜〜!
  そんなお人好しなこと言って!
♡)え?
臣)次会ったら急所蹴り飛ばしてやるくらいの
  心意気でもいいんだぞ。
岩)ぶはっw
臣)お前は優しすぎんのー。
♡)…っ
 
 
そう…なのかな…?
 
 
◇)ま、ほらほら、とりあえずご飯食べよ!
  用意できたよー!
臣)おお!めっちゃ美味そうじゃん!
  ◇ちゃんありがとう!
岩)ほら♡ちゃん、食べるよー。
♡)うんっ…!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
◇ちゃんのご飯をごちそうになって
帰ってきて。
 
アクセサリーを外してたら、
♡が後ろから抱きついてきた。
 
 
臣)どうした…?
♡)……ぎゅ…。
 
 
あ、声がめっちゃ甘えてる。
 
 
臣)ん、ほら…。
 
 
正面から抱きしめ直してやったら
♡はめいっぱい俺にしがみついてきた。
 
 
♡)……消毒、もっかい…して…。
臣)……。
 
 
そういうことか。
 
 
臣)いいよ、いくらでもしてやる。
♡)……(こくん)
 
 
♡が安心するまで
いくらでも抱きしめるよ。
 
 
臣)んーー、じゃあ…
  一緒にお風呂入ろっか?
♡)入る…っ!!
 
 
お、珍しく即答だ。
 
 
臣)じゃあ用意してくるから
  待ってな。
♡)うん。
 
 
それから俺はテキパキと準備して、
 
風呂に入ってからも
今日ばかりはエロい邪念を捨て去って
♡の髪を洗ってやって、
身体も綺麗に洗ってやった。
 
 
♡はありがとうって
お返しに俺の身体も洗ってくれたけど…
くすぐったくて
捨てたはずの邪念が
にょきにょき顔を出しそうで
でも必死に堪えた。
 
 
♡)……はぁ、気持ちいいね…♡
臣)ん。
 
 
二人で湯船に浸かって…
俺が♡を後ろから抱っこする
いつものスタイル。
 
変なことはしない。
変なことはしない。
しない。しない。しない。
 
 
♡)……(くるっ)
臣)ん??
 
 
なんだ?
必死に封印してる俺の邪念を
感じ取ったのか!?
 
振り返って俺をじーっと見てるんだけど。
 
 
臣)どうした?
♡)……なんでもなぁい…。
臣)そ?
 
 
♡はそう言って前を向いたけど…
またしばらくすると
くるっとこっちを見て。
 
 
♡)……。
臣)……。
 
 
なんだ!?
 
お前が動くたびに柔らかい肌に刺激されて
ムラムラしかけるんですけど?
 
…って、んなこと言ってる場合じゃない。
 
今日は俺は♡を癒すことに専念するんだから。
 
 
臣)よしよし。
♡)……///
 
 
ぎゅっと抱き寄せて頭を撫でたら
♡は嬉しそうにすり寄ってきた。
 
こうして欲しかったのかな?
 
 
♡)……(くるっ)
臣)!!!
 
 
またこっち見てる!
じーっと見てる!
 
 
臣)何?
♡)……。
臣)言えよ。どうした?
♡)……。
 
 
俺の言葉に♡はしばらく考えた顔をして
また顔を前に戻した。
 
 
♡)…なんか…足りない……。
臣)え、なんて?
 
 
膝を抱えてぼそっと呟いたけど
聞き取れなかった。
 
 
臣)なに?
♡)……なんか…足りない…っ
臣)え???
 
 
なんか、とは??
何がご不満なんですか?姫!!
 
 
♡)いつもの臣くんじゃない…。
臣)へ!?
♡)普通なんだもん…。
臣)はい???
 
 
このお姫様は何言ってんのかな??
 
 
♡)いつもだったら…
  臣くんいっぱい…触ってくるもん…///
臣)……。
 
 
へ?
 
 
♡)今日は…全然だから…、
 
 
……それって。
 
俺に触ってほしいってこと…?
 
 
臣)////
 
 
え、なに?ほんとに?
そういう意味で合ってる??
 
何それ、可愛すぎない!?///
 
 
俺に触ってほしくて
こんな可愛く拗ねちゃってんの?
 
 
♡)……ひゃっ…///
 
 
ああああああ〜〜〜〜
柔らけぇ…///
 
 
……ヤバイ。
 
我慢してた分、ちょっと触っただけで
一気に息子が成人した。
 
 
臣)触って欲しかったの…?
♡)…そうじゃ…ないもん…///
 
 
え!
違ったんすか!?
だったら俺ただのセクハラじゃん!!
 
 
♡)そうじゃ…ない…けど…
  いつも…触ってくるから…
  なんか…寂しかったの…///
臣)////
 
 
かっっっっっわいい…
 
俺の彼女、かっっっっっわいい…!!
 
 
♡)なんか…、足り…ない…、
  もっと…触って…ほしい…///
臣)え…っ
 
 
♡の甘えた声に、
俺ってばすげぇドキドキしてる。
 
 
♡)もっと…臣くんのこと…感じたいの…っ
臣)////
♡)臣くんで…いっぱいになりたい…っ
臣)////
 
 
鼻血出そう。
裸でくっつきながらそんな可愛く甘えられたら
さすがに、もう…。
 
 
♡)……ね、///
臣)////
 
 
超絶可愛い顔して振り返ってきたーーーー!!
もう無理ーーーーー!!!
 
 
臣)ふ、風呂上がったら…な、///
♡)…っ
 
 
必死で耐えてます、
必死で耐えてます、俺!今!
 
 
ほんとは…
今すぐここで抱きたいし…
もしかしたら♡もそうして欲しいのかも
しんないけど…
 
今日はちゃんとベッドで抱いてやりたいから。
丁寧に優しくしたいから。
 
 
♡)臣…くん…///
 
 
あああああああああ〜〜〜
そんな欲しそうに甘えてくるなぁぁ〜〜〜〜
可愛すぎてぶっ飛びそうになるからーー!!
 
 
臣)あとで!///
♡)…っ
臣)あとで、な?///
♡)……///
 
 
ああああ〜〜!
しゅんと俯いた〜〜〜!!
可愛い!可愛すぎる!!!///
 
……そんなに俺が欲しいの?
 
 
ヤバイ。
息子が大暴走しすぎてて
カッコつけてあとでとか言ってるくせに
説得力なさすぎる…。
 
 
♡)……いっぱい…してね…?///
臣)わかったからw
 
 
…って、なんだよその可愛い上目遣いはーー!
可愛すぎるから!
たまんねぇから!
 
カッコつけて返事したけど、俺、もう、無理!
 
 
 
 
それから俺たちはすぐに風呂から出て。
 
 
なんかもう、♡がいじらしくて、可愛くて…
 
ドライヤーで髪を乾かしてる
後ろ姿を見るだけでも
愛しくてたまんなくなっちゃって…
 
俺、ヤバイ。
 
 
♡)終わったよ…、
臣)う、うん///
 
 
二人で寝室に入って電気を落としたら…
♡はベッドに入る前に、俺に抱きついてきた。
 
 
臣)////
 
 
俺の心臓の音、聞こえてないかな?
なんか恥ずかしいんだけど…
 
 
♡)臣くん、大好き…。
臣)うん…。
♡)早く…臣くんのこと…感じたい…。
臣)うん…///
♡)臣くんで…いっぱいに…してくれる…?
臣)す、する!する!///
 
 
可愛くすりすり甘えられて、もうヤバイ。
 
いくらでもしてやるよ、お前が望むこと全部。
 
 
臣)おいで…。
♡)……(こくん)///
 
 
こんな風に真っ直ぐ素直に
俺を求めてくれるなんて
嬉しすぎるから。
 
 
二人でベッドの上に向かい合って座って、
俺は♡の長い髪をそっと指で梳いた。
 
愛しい頬に手のひらを重ねて…
もう片方の頬に、そっとキスをして。
 
 
そのまま、まぶたに…、
 
鼻の頭に…、
 
おでこに…、
 
また頬に…、
 
…優しく優しく、唇で触れる。
 
 
臣)♡…、
♡)////
 
 
♡はうるうると濡れた瞳で
俺のことを見つめてる。
 
 
臣)好きだよ、♡…。愛してる。
♡)////
 
 
大事にしたいんだ。ほんとに。
 
 
そのままぎゅっと抱きしめて…
後ろ髪を撫でる。
 
 
口元にある♡の耳の淵をまた唇でなぞって…
そのまま首筋に下りていったら…
♡がぎゅっと俺にしがみついてきた。
 
 
ここは、あの男にキスされてた場所。
 
 
さっき綺麗に洗ってやったけど、
今度はちゃんと。
 
俺が上書きしてやるから。
 
 
♡)……、っ
 
 
気持ちが伝わるように、何度も。
 
舌で触れて、唇で撫でて、優しく食んで…。
 
 
そんなことを繰り返してたら、
♡が静かに泣いてるのがわかった。
 
 
臣)どうした…?
♡)…っ
 
 
♡は何も言わずに俺にしがみついたままで…。
 
 
震えてる身体をぎゅっと抱きしめ返したら、
弱々しい声が聞こえてきた。
 
 
♡)臣くんじゃなきゃ…やだ…っ
臣)…っ
♡)臣くんじゃなきゃ…やなの…っ
臣)……うん…。
 
 
よっぽど嫌だったんだろうな…。
 
 
そうだよな。
俺だって昨日橘に抱きつかれた時
すげぇ嫌悪感だったけど…
 
♡の場合は力ずくでされたわけだし…
……怖かったよな。
 
 
♡)臣くんじゃなきゃ…っ
臣)…っ
♡)臣くんじゃなきゃ…、絶対…やだ…っ
臣)……。
 
 
俺は♡の背中を優しくトントンと叩いて
ゆっくり何度も頷いた。
 
 
♡)……大好き…。
臣)うん…。
♡)臣くんがいい…。
臣)うん…。
♡)臣くんが好きなの…っ
臣)うん…。
♡)臣くんじゃなきゃ…やだもん…っ
臣)うん…。
 
 
抱きしめてる身体が愛おしくて、大切で。
守ってやりたいって心から思う。
 
 
♡)……大好き…。
 
 
あ、声が落ち着いてきた…。
安心できたかな…?
 
 
♡)大好き、臣くん…。
臣)うん…。
 
 
何度も言ってくれる♡に、キスしたくなって…
 
そっと離れて、その顔を両手で包んだら…
 
 
潤んだ瞳は熱を持って、
うるうると俺を見つめてる。
 
 
臣)…俺も大好きだよ、♡…。
♡)ほん…と…?
臣)うん。
♡)臣くんじゃなきゃ…やなんだよ…?
臣)うん…、///
 
 
じっと見つめられて言われると、
なんかグッと来る。
 
 
♡)もっと…いっぱい…、して…?///
臣)////
 
 
ああ、もう…、
愛しさが…振り切れる。
 
 
♡)んん…、っ///
 
 
やっと唇と唇が触れたら、
……もう止められない。
 
 
♡が可愛くて、愛しくて。
 
その想いを注ぎ込むように、
夢中でキスをする。
 
 
♡)……は…ぁ、っ///
 
 
ゆっくり押し倒せば、
シーツに散らばる綺麗な髪。
 
 
リボンを解けば広がる、甘やかな肌。
 
 
臣)♡…、っ
 
 
いっぱいいっぱい、愛してやるから…
ちゃんと感じて…。
 
 
臣)♡……っ、
 
 
俺を感じて、俺で満たされて…。
 
 
臣)♡…、愛してる…。
 
 
どうしようもないくらい、こんなに。
 
 
♡)はぁ、っ…、臣…くん…、///
 
 
一つになる瞬間、
♡は俺に手を伸ばしてきて…
 
 
♡)……大好き…、///
 
 
俺の頬にそっと触れて、嬉しそうに呟いた。
 
 
♡)ぎゅって…して、///
臣)ん…。
 
 
♡をぎゅっと抱きしめる。
 
 
♡)臣くんで…いっぱいにして…、///
臣)ん…、っ
 
 
♡とゆっくりゆっくり、一つになる。
 
 
その感触に、息を詰めて。
 
 
二人で深く、感じ合う。
 
 
臣)いっぱいに…なった…?
♡)……(こくん)///
 
 
繋がってる身体が、嬉しくて、愛しくて。
 
 
臣)♡…、愛してる。
 
 
何度も言わずにはいられないんだ。
 
 
♡)……臣…くん…///
 
 
「愛してる」って言うみたいに
丁寧に俺の名前を呼んでくれる♡。
 
 
♡)臣くん……///
 
 
それだけで、気持ちが伝わってくる。
 
 
満たしてやりたいって思ってたのに…
 
満たされてるのは、俺の方で。
 
 
甘やかな気持ちでいっぱいになる。
 
 
これから何度こうして
♡と抱き合うんだろう。
 
 
その度にこんな幸福感に
包まれるんだと思ったら…
 
なんだか嬉しくて、泣きたくなる…。
 
 
こんな愛しさを俺にくれて、
本当にありがとう。
 
 
これからもずっとずっと、愛してるから。
 
……お前のこと、何よりも。
 
 
だから何度だって、愛し合おう。
 
こんな夜を、重ねていこう。
 
 
……二人で一緒に…。
 
 
 
 
 
 
ーendー

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