臣)おはよ♡
♡)…っ
……あれ?
私、昨夜の記憶が全然ない…!!
臣)どうした?
♡)…っ
えっと、えっと…、
ディズニーから帰ってきて
みんなで飲んでて…、、
♡)みんなは!?
臣)は?
♡)岩ちゃんと◇ちゃん!橘さんも!
臣)帰ったけど。
♡)!!!
いつのまに!?
♡)私、寝てた!?
臣)いや、起きてたけど…
もうふにゃっふにゃだったよ。
♡)!!!
そうだ…!
私確か…すごく強いお酒飲んじゃって…
そこからフラフラになって
記憶も途切れ途切れで…
臣)覚えてないの?
♡)うん、
臣)お前ねぇ、すげぇ大胆だったよ?
♡)えっ!?
大胆って…、何!?
♡)はっ!!
私、裸だ…!!
……臣くんも裸だ…!!
♡)……H、した…の?///
臣)したでしょw
ほんとに覚えてないの?
♡)……、///
そう言われると、
なんとなくぼんやり…そんな感覚はあるけど…
全然ハッキリとは思い出せない。
臣)ほんと大胆だったなー♡
♡)大胆って何?
私、何したの!?///
恥ずかしい。どうしよう。
臣)あれを口にするのは…ちょっと…、
俺も恥ずかしい…///
♡)ええっ!?///
ほんとに何したの!??
♡)……やだ…、っ
臣)ええ!何泣きそうになってんの!
♡)だって…、私…何か変なこと
したんでしょ…?
臣)嘘だって、嘘!!
♡)え…?
臣)別にいつも通りだったよ。
からかってごめんw
♡)いつも通り…って…?
臣)いつも通り可愛かったよ、ってこと。
♡)……///
それはそれでなんだか恥ずかしい。
♡)ほんとに…変なこと…してなぁい…?
臣)してない。
♡)ほんとにほんと…?
臣)そんなに覚えてないんなら
今からもっかいしよっか♡
♡)え…っ
どうしてそうなるのかな…?
♡)……っ、!///
臣くんの手が優しく身体を辿り始めた。
♡)や、待っ…て、…あっ…///
臣)ほら…、こんな。
♡)////
臣)……ね?したってわかった?
♡)……(こくん)///
恥ずかしいのに…
♡)……、はぁ…、っ///
すぐに気持ち良く…なっちゃう…。
臣)そんな欲しそうな顔して…、
♡)…っ
臣)かわい…w
♡)////
臣くんには、お見通しみたい。
臣)……ほら、…欲しい…?
♡)あ、…っ///
焦らすように、触れては離れて。
そんな意地悪…、やだ…、っ
♡)…も、…っと、///
臣)もっと、何?
♡)////
わかってるくせに…
意地悪ばかり繰り返されて…
♡)はぁ、っ
身体がもどかしくて、おかしくなりそう。
♡)おね…がい、っ///
臣)どうして欲しいの?
♡)////
意地悪な笑みを浮かべた臣くんは
優しく私の頬を撫でてる。
臣)言えよ。
色っぽいその声に、クラクラするの…。
♡)…奥…、まで…っ、…して、っ///
臣)ふ…、りょーかいw
♡)…んんっ!///
満足そうに口角を上げた臣くんを見届けた後は
もうわけがわからないくらい。
臣くんを受け止めながら、
その身体にしがみついて…
臣)♡…、っ、……♡っ…、
熱くて、激しくて。
臣)……♡っ、!///
意識が飛ばされないように
ただただ、必死だった。
……
…
臣)♡…、
♡)……。
私の名前を呼んでくれる
臣くんの声が好き…。
臣)♡…、
♡)……。
声からも、臣くんの熱が伝わるくらい…
激しくて…
臣)♡…、そろそろ起きて…。
♡)……。
あれ…?
でもこの声はすごく優しい…。
臣)……あ、やっと起きた…w
♡)……。
あれ…、
……臣くんがすごく優しい顔で
私を見つめてる。
臣)大丈夫…?
♡)……。
臣)お前そのまま寝ちゃったから…。
♡)……。
Hはもう終わったのかな…?
臣)今度は覚えてる?大丈夫…?w
今度は…、覚え………て、る。
♡)////
臣)ああ、覚えてんのね、良かったw
♡)〜〜〜///
色々思い出して恥ずかしくなって
臣くんの胸にすりすりした。
♡)覚え…てるけど…
気持ち良すぎて…覚えてない///
臣)…っ
♡)恥ずかしい…///
臣)////
あ、臣くんが優しくぎゅーって
抱きしめてくれてる。
臣)何それ…可愛すぎんだけど…///
♡)え…っ
臣)そんなに気持ち良かったの…?
♡)……(こくん)///
臣)////
チュッ。
♡)////
おでこにチューされちゃった。
臣)何が良かったの?
♡)え、そんなの…っ、わかんないよ///
そんな恥ずかしいこと聞かないで。
♡)臣くんとのHは…
いつも気持ちいいもん…///
臣)………ああああ〜〜〜っ
もう!///
♡)わっ///
臣くんの腕の中にぎゅむっと
閉じ込められちゃった。
臣)可愛い。なんなのほんと///
♡)////
臣)お前がそうやって可愛いから
俺の♡欲は無限なわけ!
どうすんの!
♡)////
無限で、いいもん///
♡)……大好き///
ぎゅっ。
臣)////
閉じ込められたまま
私も臣くんに抱きついた。
大好き。大好き。大好き。
臣)……ああ、もう…
…ほんと好き…、///
たまりかねたように呟いた臣くんの言葉が
優しく耳まで届いて、
胸がキュンと鳴った。
臣)……また夜しようね。
♡)えっ、何を?
臣)何をって、Hに決まってんだろ!
♡)ええっ!///
臣)なんだよ。
俺とのHはいつも気持ちいいって
言ったの誰だよ///
♡)……私…デス…///
臣)気持ちいいから
臣くんが欲しくて欲しくて
我慢出来ないって言ったの誰だよ。
♡)そこまで言ってない!///
臣)言ってなくても思ってるくせに。
♡)…っ
臣)さっきそんな顔してたもん。
♡)////
……臣くんの意地悪。
臣)……あれ、否定しないんだ?w
♡)もう、やっ!///
臣)あーー、逃げたーー。
こっち向けってw
♡)やっ///
臣)じゃあいいもん。
♡)あっ
今度は後ろから抱きしめられた。
臣)お前のあの顔、……すげぇ好き///
♡)え…?///
臣)俺のこと欲しそうにして
目ぇウルウルさせてんの。
……すげぇ可愛い///
♡)////
臣)焦らしてる時とか…
もう泣きそうになって
俺のこと欲しがってんの、たまんない///
♡)意地悪!!///
臣)だって可愛いんだもんw
♡)わざとそんな意地悪して…ひどい!///
臣)だって可愛いんだもんw
♡)もう、知らないからっ///
臣)だって可愛いんだもんw
♡)何回言うの!w
臣)仕方ないじゃん…、
あ、臣くんの声が一気に甘くなって
耳をくすぐる…。
臣)ほんとに可愛くてたまんねぇんだもん。
こんな好きすぎて…
どうしたらいいのか教えてよ…。
♡)////
ドキドキドキ…、ドキドキドキ…、
♡)そんな優しい声…、ずるい…///
臣)ん…?
私をめいっぱい甘やかすような
甘い甘い声で…
その手は優しく私の肌を撫でてくれる。
♡)気持ちいい…///
ずっとずっと、この腕の中にいたいなぁ…。
♡)あ、ちょっと!どうして!///
臣)え、気持ちいいって言うから…
♡)だからってどうしておっぱい触るの!///
臣)もっと気持ち良くしてあげようかなーと。
♡)ばか!エッチ!///
臣)バカです。エッチです。
♡)開き直らないで!///
臣)あーーー、
……なんかまたムラムラしてきたから
離れてくれる?
♡)////
私は臣くんの腕から抜け出して、
ガウンをサッと羽織った。
♡)臣くんのばか…。
臣)うんw
♡)……大好き!
臣)えっ…
チュッ!
臣)////
私はそのまま急いでシャワーを浴びて
朝の準備を済ませた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
臣)おはよーーーっ
岩)おお…臣さんが超元気だ。
臣)おう、超元気だぜw
会社に行く♡を見送って
俺もこれから仕事に向かいます。
S)じゃあ行くよーー。
臣)お願いしまーす。
車が地下から出ると
朝日が眩しくて、カーテンを閉めた。
岩)どうせあの後ヤリまくったんでしょ。
臣)え?
岩)そんな清々しい顔しちゃって。
臣)あ〜〜あ、いい朝だな〜〜w
岩)♡ちゃん大丈夫だった?
ふにゃふにゃだったけど。
臣)それをいいことにあれこれしました♡
岩)エロ〜〜〜
臣)酔ってるあいつ可愛いんだもん。
あ、酔ってなくても可愛いんだけど。
いつでもどこでも可愛いんだけど。
岩)はいはいはいw
臣)そっちは?
岩)え?
臣)どーせ帰ってからヤリまくったんでしょ。
岩)そりゃそーだよ。
臣)ぶっw
岩)あいつってさ、みんなでいると
すげぇサバサバしてるじゃん?
臣)うん。
岩)みんなの前だと甘えてきたりとか
全然しないし。
臣)うんうん。
岩)だからその分、二人になった時が
ほんっと可愛いの!
臣)はいはいw
それ前も聞いたしw
岩)デレのスイッチが入った瞬間、
もう俺もグイーーンよ!
臣)ぶっw
岩)可愛くてたまらんわ。
臣)そりゃ良かったねw
結局俺たちはどっちも彼氏バカってことでw
岩)あ、てかさ、そういえば…
橘、泣いてたよ。
臣)は??
岩)まぁあんな目の前で見せつけたらね〜〜
臣)……。
泣くくらいならとっとと帰りゃ良かったのに。
岩)◇がフォローしてたけど。
臣)さすが。
岩)気まずくない?今日大丈夫?
臣)別に。俺は平気。
岩)向こうがどう出てくるかだよねー。
臣)いい加減、諦めたんじゃない?w
岩)どうかな〜〜〜
湿度高ぇからな〜〜あいつ。
臣)あまりしつこかったら
三代目から外れてもらおうかな。
岩)おおっ…
臣)どう?Sさん。
S)んー?何ー?橘の話ー?
臣)うん。
S)臣へのラブラブ光線が度を超えてたら
飛ばせって?
臣)うん。
S)検討します。
臣)お願いしまーす。
S)マネージャーもまた来月増えるから。
臣)おおお。
Sさんは今や
マネージャーのリーダーみたいになってて
力もありそうだし…
臣)お願いします♡
マネージャーはやっぱり男の方がいいなぁ。
それか、全く俺に興味のない女。
岩)あ、でさ、
♡ちゃんがあまりに鈍すぎるから
◇がそれとなく話しとくって言ってたよ、
橘のこと。
臣)あ、ほんと?
岩)♡ちゃんの誰とでも仲良くなりたい精神?
は、橘には発揮しないでほしいなー、とw
臣)激しく同意。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♡◇)あっ!
電車を降りたら、バッタリ◇ちゃんに遭遇!
♡)同じ電車だったんだね!
◇)だね!w
♡)おはよーー♡
◇)おはよ♡
♡)一緒に行こーー♡
◇)うん♡
◇ちゃんは今日も髪をアレンジして
岩ちゃんのプレゼントを付けてる。
可愛いな♡
♡)昨日は楽しかったねーー♡
◇)うん、楽しかった!
写真アルバムに入れとくね!
♡)あ、私も!
いっぱいあるもん!
なんて話してたら、
◇ちゃんがキョロキョロと周りを確認した。
♡)どうしたの?
◇)あー、……えっとね…、
橘さんのことなんだけど…、
♡)あ!昨日ごめんね!
私、最後記憶があやふやで…
◇)えっ!覚えてないの?
♡)うん、あんまり…
◇)臣さん、あたしらがいるのに
♡ちゃんに襲いかかる勢いだったんだよ!
♡)えええっ!!
全然覚えてない!何それ!!
◇)で、邪魔者は帰ったわけだけど。
♡)なんか…ごめんなさい///
もう!臣くんのばかー!
◇)で、橘さんが…、さ。
♡)うん?
◇)ええと…、ね?
♡)うん?
◇)臣さんのことが好きなわけよ。
♡)ん?……え?
◇)だから…、橘さんの好きな人は
臣さんなの。
♡)……。
橘さんの…、好きな人…が、
……臣くん……???
♡)どういう…こと…?え…?
◇)昨日、好きな人いるって言ってたでしょ?
♡)うん。
◇)それが臣さんなの。
♡)…っ
どういう…こと…?
嘘でしょ?
♡)だって…じゃあどうしてあの時…
◇)それはわからん。
♡ちゃんへの宣戦布告なのか
臣さんへのアピールなのか…
理解不能。
♡)…っ
◇)しかもね、酔ったフリして
臣さんに抱きついてたから。
♡)えええっ!!いつ!??
◇)♡ちゃんがふにゃふにゃになってる時。
♡)…っ
◇)あ、大丈夫だよ。
臣さんすぐに振り払ってたから。
でもさ、橘さんはそういう人ってこと。
♡)…っ
◇)だから、気をつけてね?
♡)…っ
言葉が…出てこない。
橘さんは…臣くんのことが好き…。
♡)じゃあ…臣くんも橘さんの気持ち、
知ってるってこと…?
◇)もちろん。剛典もね。
♡)…っ、私だけが…知らなかったの…?
◇)うーん…、うん。
♡)…っ
どうして気付かなかったんだろう。
みんなはいつ気付いたの…?
橘さんは…臣くんのことを好きなのに
どんな気持ちで昨日一緒にいたのかな。
どんな気持ちで
あのアルバムを見てたんだろう。
♡)……私…、バカみたい…。
何も知らずに橘さんの恋バナ聞いて
応援したりして…
だからニブ子なんて言われるのかな…。
◇)あ、そんな落ち込まないで!
一応気をつけてねって
伝えたかっただけだから!
♡)…うん…、ありがとう…。
それから会社に着いて、
朝会が終わってからファイルをまとめて
倉庫に向かった。
♡)……はぁ…、
2015年分のファイルを整理して棚に並べて。
♡)……はぁ…、
橘さんは一体どうしたいんだろう。
臣くんに抱きついたって言ってたけど…
私と臣くんが別れたらいいのにとか
思ってるのかな…。
♡)……はぁ…、
蒼)ぷっw
♡)えっ…
蒼)何回ため息つくんですかw
何かありました?
♡)蒼くん…いたの?
蒼)ひどいなぁ〜w
さっきからいますよ。
僕もこっち側の棚やってるんですから。
♡)あ、そうだったの…。
蒼)僕に興味なさすぎません?♡さんw
♡)……。
興味の有無はどうでも良くて…
♡)……はぁ…、
橘さんは…
♡)きゃっ///
気付いたら蒼くんの両腕と棚の間に
閉じ込められてた。
♡)何!?
蒼)全然僕のこと見てくれないんで。
♡)どけて!
蒼)じゃあ僕の目、10秒見てくれます?w
♡)どうして!やだ!
蒼)じゃあどけませんw
♡)…っ
もう、なんなの!
原)仕事中に何してるんですか?
♡)あ、原くん!
蒼)…っ
原)先輩をあまり困らせちゃダメですよ、
蒼さん。
蒼)はーい、すみませんでしたーw
♡)…っ
助かった。
蒼くんはそのまま台車を押して
戻っていった。
♡)ありがとう原くん。
原)いえ。Kさんが探してましたよ。
♡)え?
原)ランチの時間なのに
♡どこ行ったんだーって。
♡)え、もうそんな時間!?
原)はい。
♡)ランチ行くーー!
原)じゃあ戻りましょうw
♡)うんっ!
とりあえずキリのいいところまで片付けて
デスクに戻ると
Kちゃんが財布を持ってうずうずしてた。
K)腹減った!早く行こ!
♡)待って待ってぇ〜〜
あ、原くんありがとうねっ♡
原)あ、いえ…///
私は急いでランチバッグを取り出した。
♡)お待たせーー♡
K)……。
♡)ん?どうしたの?
K)原くんてさー、
あんたのこと好きなんじゃない?
♡)はぁ!?何言ってるのKちゃん!
K)だって今、あんたが笑いかけた時
嬉しそうに頬染めてたよ、乙女のように。
♡)違うから!誤解だから!
原くんが好きなのは私じゃないから!!
K)そうなの?
そんな力強く否定する?
♡)する!絶対違うから!
K)ま、どうでもいいんだけど。
さ、行こ行こーー♪
♡)…っ
んもう!Kちゃんてば!
原くんが好きなのはKちゃんなのに…!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
臣)うへぇ…こんなに!?
N)すげぇ量だな!w
E)わーお…
3月のアルバム発売に向けて、
これから宣伝活動に忙しくなるわけだけど…
雑誌撮影が10社近く入ってて
配られたスケジュールにびっくり。
7人一緒のやつもあるし、
ELLYと二人のとか、隆二と二人のとか、、
俺が一人で出るやつもある。
岩)撮影の嵐だね…w
臣)お肌のコンディション
整えておかなくっちゃ。
岩)あはははw
雑誌だけじゃなくてTV出演も結構あるし
また忙しくなりそうだな。
隆)臣のらいおんハートって
結局どうなったの?
臣)ああ…、
H)今、部長が掛け合ってくれてるから
もう少し待ってて。
臣)はい。
隆)もしダメだったらソロ録り直すの?
臣)いや、わかんない…。
OK出ることを今は祈ってる。
隆)そっか…。
それ以外はもう曲も全部録り終えたし
アルバム発売までなんの問題もないんだけど…
もしダメだったらほんとどうしよう…。
H)ハイローがまた撮影始まって
忙しくなると思うけど、
今年がメインだから頑張って。
皆)はい。
H)シネマファイターズの方も、よろしくね。
皆)はい。
そんなこんなで会議が終わって
みんなバラバラに出て行って。
俺は一人で少し残って
ハイローの台本に目を通してると、
隣に誰かが座ってきた。
臣)…っ
橘じゃん!!
臣)何?
橘)昨日はありがとうございました。
臣)何が?
橘)お招きいただいて…
臣)……。
招いてないけどな、俺は。
臣)送迎ありがとな。
橘)あ、いえ。
臣)……。
橘)……。
臣)……何?
台本読んでるから気ぃ散るから
あっち行って。
橘)……静かにしてますから…。
臣)は?
橘)静かにしてますから…
もう少しいてもいいですか?///
臣)……。
この広い会議室に?
わざわざ隣に座って?
臣)良くない。出てって。
橘)……///
って言ってんのに
なんで無言で俺を見つめてんだよ。
臣)聞こえなかった?出てって。
橘)……や、です…///
臣)はぁ?
何言ってんだこいつ!
橘)じゃあ…10秒だけ…
手、繋いでください…///
臣)はぁ!??
マジで何言ってんの?
こいつ頭おかしいんじゃね!?
誰か助けて…!!
橘)おね…がい…///
臣)触んなっつーの!!
勝手に俺の手を握ろうとしてきた橘の手を
俺は思いきり振り払った。
橘)10秒くらい…いいじゃないですか…。
臣)良くねーよ。
お前何言ってんの?何してんの?
仕事戻れよ。
橘)今、休憩時間です。
臣)俺は仕事してんの!見りゃわかんだろ!
邪魔だから出てけって言ってんの!
橘)なんか…慣れてきました、登坂さんの…。
臣)は???
橘)そういう…邪険にされる感じ…///
臣)はぁ!??
なんで少し嬉しそうなわけ!?
マジで意味わからん!!
橘)何か買ってきましょうか?
臣)いらねぇ!!
橘)ふふ…///
こんだけ言ってんのに
出て行くどころか、
嬉しそうに俺を見つめてるんですけど…。
臣)もういい。俺が出てく。
橘)あっ…、
バタン!
……マジで怖ぇ。
どうなってんだあいつ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
M)よーし!振りは完璧ですねっ!
K)疲れた〜〜休憩休憩!
♡)あははは♡
今日は仕事終わりに
うちのマンションのフリールームに集まって
明日に迫った新年会の出し物の練習をしてます。
M)なんてったって今回は
海璃ちゃんもいるしねー♡
海)初参加なので、ドキドキです///
本当は海璃ちゃんは
こういうの苦手らしいんだけど…
私たちと一緒に出れるのは
これが最後のチャンスだから、って
勇気を振り絞って立候補してくれたみたい。
♡)えへへ、頑張ろうね♡
海)はいっ!///
先)海璃ちゃんの勇姿に
Tくんもきっとメロメロだよ〜♡
先)間違いないw
海)////
今回は各部署から数人ずつ出て、
昭和のアイドルメドレーをやるんだ♡
私たちはおニャン子クラブと
ピンク・レディー担当。
6人みんなで『セーラー服をぬがさないで』
を踊った後に、
私とKちゃん二人で
『ペッパー警部』をやるんだ。
♡)あ、原くん着いたみたい!
行ってくるね!
K)お願いしまーすw
今回の衣装どうしようかって話してたら
原くんのお友達が
コスプレ屋さんで働いてるらしくて、
原くんがそこから
借りてきてくれることになって。
駐車場まで来てくれたみたいだから
私はエレベーターを下りて
地下に向かった。
原)♡さん!
♡)あ、原くん!
ごめんね、わざわざありがとう!
原)いえ!
♡)場所迷わなかった?
原)はい、すぐわかりました。
♡)良かった♡
原)…っ
♡)今ちょうどみんなで練習してたんだよー♡
原)そうなんですね…///
あ、これ、衣装です。
♡)わぁ、ありがとう!!
紙袋を開いてみると、
セーラー服がいっぱい入ってる。
原)ピンク・レディーのはこっちです。
♡)わぁ、カッコイイ!
原)Mさんに頼まれてた通り、
♡さんとKさんのお二人分のセーラー服は
早着替え用になってます。
ここが、マジックテープで…、
♡)ほんとだーー!!
おニャン子が終わった後に
すぐピンク・レディーを歌えるように
ビリッと脱げるようになってるー!!
♡)すごいねぇっ!
こんなのあるんだー!
原)はいw
♡)原くん本当にありがとうっ♡
原)…っ
♡)今度お礼させてねっ♡
原)……///
私はそのまま、大きな紙袋を二つ受け取った。
♡)フリールームに顔出してく…?
原)え?
♡)Kちゃんもいるから…
原)あ…、いえ…。
会いたいかなって思ったんだけど…
余計だったかな…?
原)あの…僕…、Kさんのことは…もう…、
♡)え…?
原)ええと…、その…、
♡)好きじゃ…ないの…?
原)……。
♡)…っ
原くんが困ったように
私の顔をじっと見つめてる。
♡)原くん…?
原)////
♡)ん…?
原)////
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
臣)あ、もうアルバムに
してくれてんじゃーん!
岩)うん。
◇)臣さんも入れてねーー♡
臣)あいよーーw
昨日のディズニーの写真が
盛りだくさんすぎて、見てるだけで楽しい。
S)まっすぐ帰宅でいいのかな?
岩)うん!お願いします。
S)あいよー。
◇)あたしまですみません、
ありがとうございます!
S)なんもだよー。
岩ちゃんと一緒に送ってもらう途中で
買い物帰りの◇ちゃんを拾って
これから3人で帰ります。
岩)お前のご飯、久々だ♡
◇)確かに。
臣)いいなー、俺も食べたい。
岩)なんでよw
♡ちゃんに作ってもらえばいいじゃん。
臣)♡今日忙しいんだもん。
新年会の練習とか言って。
うちのフリールームでやってるみたい。
岩)へぇ。そういえばそんな部屋あったっけ。
臣)てか岩ちゃん、
自分は♡の料理いつも散々食っといて
なんで俺が◇ちゃんの料理食うのは
ダメなんだよ!w
岩)別にダメじゃないけどぉーー
臣)けど?
岩)けどぉーー
臣)あ、わかった。
俺がいたら◇ちゃんがデレモードに
ならないからだ。
◇)へ!?
臣)二人きりにならないと
発動しないんでしょ?w
◇)なんの話?
岩)いや…、w
臣)二人になると甘えてくる◇ちゃんが
可愛くてたまらんらしーよ、岩ちゃんw
岩)なんでバラすんだよw
臣)朝っぱらからノロけられたもん。
岩)自分だってノロけたじゃん!
♡ちゃんが酔っ払ってるのをいいことに
あれこれしたとか言ってたくせに!
臣)おい。なんでバラすねん。
◇)あれ…これ…、///
臣)いやいや、君もあれこれしたんでしょ?
剛典から聞いてますよ?
◇)はぁ!?///
ちょ、剛典!何言ったの!!!///
岩)いや、別に…特には…w
臣)バラされたら困るあれこれが
あるのかなー?
◇)……臣さん、キライ///
臣)嫌われたーーー!w
◇ちゃんは口を尖らせて
恥ずかしそうにそっぽを向いた。
うん、これは可愛いだろうな、岩ちゃんw
◇)あ、てゆーか!
橘さんのこと、
♡ちゃんに言っときましたよ、念の為。
臣)あ、ありがとう。
ね、Sさん!どうなのよ!
早く飛ばして、橘!
S)おーおーおー、どうしたw
臣)あいつやっぱりおかしいって!
S)今さ、GENEの方も人足りないから
そっちに移せないか聞いてみたんだけど…
本人が三代目担当熱望してて…
ほら、部長のコネもあるから…
臣)……ああ、親戚なんだっけ。
S)そ。だからちょっと厳しいかも。
臣)……マジかよ…。
◇)橘さんはコネ入社なのね?
岩)そーそー。
◇)そりゃ厄介だな。
ほんと厄介だよ。
岩)てか♡ちゃんたち、新年会の出し物って
今度は何やんの?
◇)あ、あたしも気になるー♡
臣)なんか昭和のアイドルメドレーとか
言ってたな。
岩)へぇ〜〜〜
中森明菜とか?松田聖子とか?
◇)Winkとか?
臣)ううん、確か…、
おニャン子とピンク・レディー?
…だったはず。
岩)おおお!そっちかーー!
◇)おニャン子ってセーラー服!?
臣)たぶん。
◇)あんなエッチぃ歌を♡ちゃんが…、、
うちの男ども大変なことになるな。
岩)そんなエロい歌だっけ??
◇)なんかHしたぁーーい♡
みたいな歌じゃなかった?
岩)え、なんて?
◇)だから、Hしたぁーーい♡
みたいな…、
岩)え、なんて?w
◇)……お前ぇぇ…わざとだろぉぉ!///
岩)あはははw
臣)◇ちゃん、どんな歌だって?
◇)もう言わん!!///
臣)ぶはははw
なんて二人で◇ちゃんをからかってたら
車はマンションに到着。
◇)フリールームで練習してるんですよね?
あたし覗きに行っちゃおうかなー♡
臣)え、じゃあ俺も見たい。
岩)じゃあ俺も。
S)あれ…?
臣)ん?
S)なんか男女がイチャついてる。
岩)あ、ほんとだ!抱き合ってる!
◇)こんなとこで…けしからん。
岩)臣さんみたいな奴だね。
臣)オイw
どこのどいつだー?
S)……てか、あれ…♡ちゃんじゃない?
臣)は…!?
その言葉に、俺の身体は秒で動いてた。
その姿を確認する前にもう、
車から飛び降りてたから。
臣)!!!
暗闇の向こう。
柱の前で男に抱きしめられてるのは、
間違いなく♡だ。
♡が抵抗してんのに…
男は無理矢理…、、
臣)おいッ!!!!!!
言葉と同時に、掴みかかった。
男が♡の首筋に顔を埋めようとしてたから。
ダンッッッ!!!
臣)てめぇ…殺されてぇのか…?
男の胸ぐらを掴んで柱に叩きつけた。
♡)臣くん…っ
震える声に振り返れば、
♡が泣きそうな顔をしてて。
臣)…っ
俺は男を突き飛ばして、
すぐに♡を抱きしめた。
臣)大丈夫か!?
♡)…っ
臣)もう、大丈夫だから!
♡)…っ
臣)大丈夫。
明らかに怯えてる♡の身体を
ぎゅっと強く抱きしめた。
岩)臣さん…っ
◇)♡ちゃん、大丈夫!?
原)え…っ、三代…目…!?
男は俺と岩ちゃんを交互に見て
目を白黒させてる。
原)え、なん…で、っ…三代目が…
岩)そんなことよりさぁ、
原)…っ
岩)何してくれちゃってんの?君。
原)…っ
岩)♡ちゃんに何した…?
原)あ、…あの、…っ
岩)臣さんに殺されたいの?
原)…っ
岩)どうやってこのマンション入った?
なに?ストーカー?
原)あ、ちが…っ
♡)違うの…っ
♡が焦ったように声を上げた。
♡)原くんは…会社の人なの!
臣)原くん…?
…って、あの…
仕事ができるっていってた新人か?
そいつがなんで…、
岩)ストーカーではないわけ?
どうする?臣さん。
臣)……◇ちゃん、いい?
◇)あ、はい!
臣)♡、大丈夫か?
♡)……(こくん)
俺は♡を◇ちゃんに頼んで
男を車まで連れてきた。
臣)乗れ。
原)…っ
バタン!
臣)説明しろ。
原)あ、あの…っ
男は泣きそうな顔でうろたえてて…
Sさんと岩ちゃんは黙ってこっちを見てる。
臣)説明しろっつってんだよ。
原)はい、あの…、ええと…、
僕は…♡さんの会社の後輩で…
臣)んなこと聞いてねぇんだよ。
♡に何した。
原)…っ
臣)何したっつってんだよ!
原)すみません!!
……抑えきれなくて…、
抱きしめて…しまいました…!!
本当にすみません!!
臣)…っ
原)♡さんは何も悪くないです、僕が…っ
臣)当たりめぇだろ!!
♡が悪いわけねぇだろ!!
ナメてんのかてめぇ!!
S)臣!!
臣)…っ
俺は振りかざした拳をグッと堪えた。
原)僕が…勝手に抱きしめたんです…っ
臣)何やってんだてめぇコラ…
原)…っ、♡さんに…
相談に乗ってもらってるうちに…
気付いたら…
彼女の笑顔に惹かれてる自分がいて…
臣)相談…?
原)僕、Kさんのことが好きで…
♡さんはその相談に
乗ってくれてたんです…。
臣)は…?
原)でも…、気付いた時には…
♡さんにドキドキしてる自分がいて…、っ
臣)は…?
原)あの笑顔が…可愛くて…
無性に…惹かれてしまって…
臣)…っ
原)こんな人に想ってもらえる人は
どんなに幸せなんだろう、って…
この笑顔のそばにいられたら
どんなに幸せなんだろう、って…
そんなこと思ったら、もう止まらなくて。
気付いたら、抱きしめてました…。
ごめんなさい…!!
臣)…っ
ふざけんなよこの野郎…。
岩)何それ…w
原)…っ
岩)♡ちゃんが可愛くて
気付いたら好きになってて?
我慢できなくて抱きしめちゃいました、
って?w
原)…っ
岩)俺たちが来なかったら
あのままどうする気だったわけ?
♡ちゃん嫌がってんのに
無理矢理なんかしようとしてたろお前。
原)…っ
岩)無意識でした、止まりませんでした、
で許されるとでも思ってんの?
原)…っ
岩ちゃんの言葉に男は真っ青になって
深く頭を下げた。
原)本当に申し訳ありませんでした!!
臣)…っ
ぶん殴ってやりたい。
岩ちゃんの言う通り、俺らが来なかったら
どうなってたんだよ?
♡に何する気だったんだよ。
臣)お前さ…、わかってんの…?
原)…っ
臣)女はどうやったって、男より弱いんだよ。
力じゃ勝てねぇんだよ。
そんな相手に、無理矢理力ずくで
なんかされる恐怖、わかるか?
わかんねぇだろ…!!
原)痛……ッ!!
臣)♡がどんだけ怖かったか、
わかんねぇだろ…!!
原)……ッ!
前にも同じようなことがあった。
紅とかいうクソガキに
キスマーク付けられて帰ってきた時。
最初は大丈夫だって強がってたけど…
怖かった、気持ち悪かった、って
♡はポロポロ泣いたんだ。
臣)やっぱ殺す…、
S)臣!!
岩)臣さん!!
慌ててこっちに飛んできた二人に
俺は押さえ込まれた。
原)本当にすみませんでした!
申し訳ありませんでした!!!
S)わかったから。もう行きなよ君。
原)本当に申し訳ありませんでした!!
岩)わかったって。
原)…っ
臣)おい、待て。
原)!!!
臣)今度何かしたらマジで殺すからな。
原)は、はい…っ
臣)覚えとけよ。ほんとに殺すぞ。
原)はいっ…!!
男は泣きそうになりながら
車を降りて走っていった。
S)臣ーー、落ち着いて。はい深呼吸。
臣)…っ
岩)殺気立ってるw
そんなんじゃ♡ちゃん怖がるよ。
臣)……。
S)もう〜〜〜〜
殺す殺すって物騒なんだから。
やめてよ〜〜〜
臣)本気だけど、俺。
S)気持ちはわかるけどさ!
手は出しちゃダメだよ、ほんと。頼むよ。
臣)……。
岩)俺らいなかったら絶対殺してたなw
S)ひーーーー!!
やめてよ〜〜!怖いよほんと!
臣)……♡迎えに行く。
岩)あ、うん。
◇からLINE来てる。
なんとか平静を装って
みんなと練習再開してるってさ。
臣)そっか…、ありがと。
ー続ー
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