【6】余裕なんかない

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臣)ただいまー

♡)おっ、お帰りっ!!
  キャッ!!

臣)??


パタパタパタ!!

♡が走ってきた。


♡)お、お帰りなさい!!
臣)ただいまー。
  どーした?
♡)あの…えっと…
  臣くんが思ったより早く
  帰ってくるって言うから
  急いでご飯の準備してたんだけど…


ま、まさか…

嫌な予感…


♡)ごめん…
  失敗しちゃった。


めちゃくちゃ
しょんぼりしてんじゃん!


臣)いーよ w
  手洗ってくるわ。
♡)うん…


手を洗ってリビングに戻ると
まだしょんぼりしてる♡。


臣)よし!食うか!


キッチンに顔を出すと


♡)あ!いいよ。
  私運ぶから臣くん座ってて?
臣)そ?
♡)うん。


せっせと準備してくれる。


♡)でも臣くん
  どうしてこんな早いの?
  珍しいよね?
臣)なんでって…


今日はぜってー
早く帰ってこようと思ってたし…


臣)別に~?
♡)?
臣)ってかちょ、待って!
  これ…何?
♡)あ…あの…えっと…ハンバーグ…?
臣)疑問系かよ!w
♡)ごめんなさい…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


どう見ても
ハンバーグに見えない塊。


臣くんと一緒に
晩ごはん食べられるなんて珍しいから
美味しいご飯、作りたかったのになぁ…



臣)じゃあいただきまーす…
♡)いただきます…


ハラハラ…


臣)ぶはっ!!!ww


一口食べて、笑い出す臣くん。


臣)お前さ、いつも料理上手いのに
  たまにこーゆー破壊力のすげぇ
  魔界飯になるよな?
  なんで?ww


ゲラゲラ笑ってる…


♡)たまに何か間違えちゃうみたい…
  なんでだろ…私もわかんない。
臣)あーおっかしーww


って言いながらも
パクパク食べてくれてる…


♡)ごめんね…?
臣)いーよw
  毎日だったらやべーけど
  たまに失敗するくらい。
  いつもは美味いし。
♡)ありがと…。


そう言うと臣くんは
ぺろっと平らげてくれた。


私も…
とてもハンバーグとは呼べない
おそろしいご飯を頑張って完食した。


うわぁん!!
臣くんほんとにごめんね!!


しょんぼりしながら洗い物を終えると


臣)あ、そーいえばケーキあんぞ。
  今日の撮影でもらってきた。
♡)えっ?ケーキ?どこどこ??
臣)さっき冷蔵庫に入れたわ。
♡)やったぁ♡♡
  出してもいーい?
臣)おう。一緒に食おー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


やったやった♪♪と、♡はご機嫌になって
ケーキを皿にうつしてる。

単純だなーw


♡)臣くんっ…!!
臣)なんだよ


すごい真剣な顔で
♡がケーキを運んで来た。


♡)どうしよう!!
臣)なにが!
♡)どっちも選べないよ!!
臣)は?
♡)チョコケーキとイチゴケーキ!
  どっちも大好きなんだもん!!
臣)いや、知ってっけど。
♡)どーしたらいいのー!!


嬉しそうに暴れてる。

なんなんだよほんとw


臣)どっちも好きだから
  もらってきたんだっつーの。
♡)臣くんはどっちがいーい?
臣)どっちでもいーよ。
♡)ねぇ、じゃあ半分こずつはー?
臣)いーよ?
♡)やったぁ!♡♡
  じゃあ私イチゴから食べるー!!


♡は嬉しそうに
チョコケーキを俺に渡してきた。


♡)美味しい~~♡♡
臣)良かったね~
  優しい彼氏のおかげだね~
♡)あははw うん!
  臣くん大好き♡
臣)なんだそれw
♡)あ!ちょっと!臣くん!!


さっきまで可愛い顔して笑ってたのに
いきなりキッと俺を見てきた。


♡)チョコケーキ、
  半分以上食べてるでしょっ!!
臣)え?あ!わり。
  ふつーに食ってた!
♡)もうばか~!返してよ~!
臣)返せって…w


めっちゃふくれてるし。
ほんと…子供か!w


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


臣)ん。
♡)え?
臣)返して欲しーんでしょ?
♡)?
臣)まだ俺の口ん中にあるけど。
  だから、ん。
♡)な、何言ってるの?//
  ばかぁっ


顔を逸らすと
後頭部をつかまれて…


グイッ


♡)んっ!!ちょっと…!
臣)黙ってろ…
♡)やっ…んんっ…!!


口の中に…
甘いチョコの味が…広がって…


♡)////


でも…チョコの味より

優しくほっぺに触れる、臣くんの手に…
ドキドキして…


だんだんキスに夢中になって…

何も考えられなくなっちゃう…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


♡)はぁ…っ//
臣)これで満足ですか?♪
♡)……ばか//


あれ?
怒るかと思ったのに大人しい…

やりすぎたかな…?


♡)臣くんばっかりずるい…
臣)え?またケーキの話?
♡)違うよっ!
臣)え?


そう言いながら少し拗ねたように
残りのケーキを食べてる。


臣)あ、ってかお前もケーキ
  全部食ってんじゃん!
♡)あ…!
臣)なんだよー
  俺もイチゴ食いたかったのにー
♡)ごめん…
臣)で?
♡)え?
臣)何がずるいの?
♡)何って…
臣)なんだよ?
♡)……臣くんばっかり…普通なんだもん!
臣)は?何がよ?


顔を真っ赤にしてふくれてる。


♡)わ、私は…臣くんと
  こんな…キスしたら…
  ドキドキするんだから!


は?!!

なんか赤い顔して怒ってっけど
めちゃめちゃ可愛いし…w

なんなんだよマジで…


臣)俺はドキドキしてないって
  言いたいの?
♡)だって…臣くんは
  いつでも余裕だもん…//
臣)はぁ?お前なぁ…!


誰が余裕だよ…


臣)俺が…いつもどんだけ我慢して…
  あったまきたー!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


気付くとソファーに押し倒されてて…

見上げると臣くんの顔。


臣)ほんとお前、わかってないよね?
♡)…っ


何…が…?


臣)わからせてやろっか…?
♡)////


そんな目で…見ないで…


♡)や、やだっ!
臣)嫌じゃない!
♡)やっ!//
臣)大人しくしろっ!


暴れる私の手を
ソファーに押さえつけて…

射抜くような視線が
私を捉えた。


ドキドキして
目をギュッと瞑ると…

そのまま唇が重なって…


♡)ん…っ//


キスは…少しずつ…
深く…絡まって…


♡)は…ぁ…っ、


酸素を求めても
逃がしてくれない唇。


♡)ん…っ、んん~!!臣く…
臣)いいから…
♡)んんっ…!//


こんなにいっぱいキスされたら
本当に頭おかしくなっちゃう…///


♡)く、苦しいよ…// っんん
臣)はぁ…っ


やっと離れた唇から
色っぽいため息を吐いた臣くんが

私を…
じっと見つめる。


臣)わかった…?
♡)え…?
臣)俺、別に…余裕でもなんでもねーし。
♡)…え…
臣)だから…!
  俺だってドキドキしてんの!


ほっぺをむにっとつねられる。


♡)ほんと…?
臣)ほんと?って…
  伝わってねぇんなら
  またチューすんぞ!
♡)つ、伝わった!!!
臣)何焦ってんだよ…
♡)だ、だって…//
臣)だって、何?
♡)また…チューされたら…
  私おかしくなっちゃうもん。
  もう終わりっ//


降参、って意味で言ったのに…


臣)…なんで?
  おかしくなってよ…


目を細めて私を見てくる…
熱い瞳に

また胸がドキドキ、音を立てる。


♡)ん…っ//


また始まるキスは

熱くて…

深くて…


♡)んっ、やっ…、もう…暑いよ…
  はぁ…っ//
臣)暑いって…
  脱がしてほしいって意味?
♡)ち、違うっ…!!
臣)ふーん♪


そう言うと臣くんは
自分のシャツを脱いで
上半身裸になった。


♡)きゃっ!//
臣)きゃってなんだよ!w
♡)だっていきなり脱ぐんだもん…//
臣)いきなりって…
  散々見てんだろ!w
♡)やだっ!恥ずかしいっ!//
臣)お前も脱ぐんだっつーの。


臣くんに抱きかかえられて
ベッドに連れて行かれる。


♡)えっ!ちょ、ちょっと待って…!
臣)待たねぇ。
♡)や、待って…


ドサッ


臣)散々待ったし!
♡)////


シーツに縫い付けられるように
絡んだ指先。


臣)朝言ったこと忘れたの?
♡)…っ


朝って…


「昨日おあずけ食らったから
 今日ぜってー襲うから。」


♡)////


思わず目を逸らす。


♡)覚え…てるけど…//


私がそう言うと
見下ろす瞳が、ふっと優しく笑った。


臣)じゃあちゃんと
  覚悟しとかなきゃダメじゃん?
♡)わ、わかってるけど…!
臣)なんだよ。
♡)だって…、待って…//
臣)お前はほんと
  どこまで焦らすんだよっw
♡)だって…シャワー入ってないし…
臣)そんなんどーでもいい。
♡)えっ
臣)どーせ今チョコの味しかしねーよ?


ニヤッと笑って、舌を出す臣くん。


♡)…そ、そっか…//
臣)もう観念しろ…
♡)////



ー続ー

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