トクン…トクン…
私が安心する、臣くんの鼓動…
安心する、臣くんのぬくもり…
こんな幸せに包まれると
…私は一瞬で…眠りに落ちちゃう。
♡)あれ…?私…また…
臣)…起きた?
目を開けると
臣くんの優しい笑顔があって
気持ち良い指先が
優しく髪を撫でてくれる…
♡)私…すごく寝ちゃった?
臣)いや…少しだよ?
♡)そっか……
臣)……大丈夫?
髪に触れる指先が
さらに優しくなる。
臣)さっき…
激しくしすぎたかなって…
♡)……///
臣)大丈夫…だった?
♡)うん…
臣)ごめん、止めらんなかった。
♡)……うん///
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
触れ合えば触れ合うほど
好きな気持ちが溢れて
止められなくて…
俺は夢中で♡を求めた。
はぁ…
俺ほんとに余裕ねぇ。
♡は大丈夫だよと言いたそうに
優しく笑って、俺の頬に手を添えた。
♡)……//
瞳が、甘く揺れる。
♡)……
臣)……
♡)…好き…♡
臣)…っ
♡)……大好き♡♡
臣)……//
♡が素直にそう言うから…可愛くて
臣)ん…、//
ぎゅっ…
小さな身体を、さらに抱き寄せた。
ああ…
もう…
臣)なぁ…
♡)…なぁに…?
愛しくて…ずっと撫でてる。
臣)お前の髪…、気持ちいい。
♡)え?
臣)なんでこんなふわふわで
やわらけーの?
♡)そうかな??
臣)うん。
すげぇ…気持ちイイ…
♡)…臣くんは
なんでこんなあったかいの…?
臣)え?
俺の腕の中に…潜り込んできて…
♡)気持ち良くて溶けちゃいそう…
甘えた声で…すり寄ってきた。
♡)へへ…♡あったかーい♡
臣)お前がな…w
♡)え?私?
臣)うん。めちゃめちゃあったけぇ。
♡)ほんと?
…もうこんなくっついてたら
どっちの体温かわかんないね///
臣)だな……
体温だって
きっともう…一つになってる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
トクン…
トクン…
幸せだなぁ…♡
臣くんの腕の中でまた
あたたかい鼓動に、耳を寄せる。
臣)なぁ…
♡)…ん?
臣くんの指先が
私の前髪をかき分けた。
♡)なぁに?
臣)…なんか歌って?
♡)え???
臣)お前の声、聴きたい。
♡)えっ?!えっ!?
何それ!!?
急なお願いに、戸惑う。
臣)何って…
俺だってたまに歌うじゃん。
♡)うん。
こうやってベッドでまどろむ時間や
寝る前…、起きた時…、
私がお願いすると
臣くんはいつも歌ってくれる。
臣)だからお前も歌ってよ。
♡)え~~~なんで~~~
やだっ//
逆にお願いされると
なんだか恥ずかしくて…
臣)なんでだよっw
じゃあ俺ももう歌わねぇかんなーー
♡)えっ…やだ!!
臣)じゃあ歌ってよ。
こないだ…お前の歌
初めて聴いて、びっくりしたもん。
♡)え…?
この間って…
岩ちゃんが来た時かな?
臣)俺、お前の声
めちゃめちゃ好きだと思う。
♡)ほんと…?
臣)うん。マジ。
♡)…あ、ありがとう///
そんな風に言ってもらえると
思わなかった。
♡)じゃ、じゃあ臣くんから歌って!
臣)なんでだよw
俺がリクエストしてんのに!
♡)だって聴きたいもん…
臣)あ~出た出た
そうやって甘えてくるずるいやつ。
♡)へへ♡…お願い♡
臣)…何がいーの。
♡)んっとね、んっとね…
じゃあミスチル~!♡
臣)…の、何?
♡)え~どうしよ…え~と…
あ!『君が好き』!
臣)どんなんだっけ?
♡)え?そのままだよ?
き~みが~好き~♪って。
臣)……
♡)あっ!歌わせたでしょ~!//
臣)ははっw
♡)もうっ//
……歌ってくれないの?
臣)……
『君が好き 僕が生きるうえで
これ以上の意味はなくたっていい』
サビを途中まで歌った臣くんは
その後の歌詞がわからなかったみたいで
LaLaLaで歌ってくれた。
ベッドで歌ってくれる時は
ファルセットの部分が多いから
普段の歌とまた違って…好き。
臣くんの声が
キレイに深く響いて
胸がキューッてなる……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♡)…臣くんの声好き…
臣)……
♡)臣くんの声好き。
臣)……
♡)臣くんの…
臣)わかったっつーの!!//
♡)あははw 照れてる♡
臣)ばーか//
♡)もっと聴きたい♡
臣)は?
♡)もっと~♡
臣)なんでだよ!
また可愛く甘えてくるし…
臣)お前歌ってくれんじゃねーの?
♡)ぶー…
臣)ふくれてもダメだし。
♡)…何がいいの?
臣)こないだのやつがいい。
♡)こないだ…『Happiness』??
臣)うん。
♡)……
♡がチラッと俺を横目で見てきた。
臣)なんだよ。
♡)なんか恥ずかしい…
臣)俺いっつも歌ってんだろw
♡)臣くんもこんな恥ずかしいの?
臣)いや?慣れてっけど…
♡)じゃあなんかずるい!不公平だ!//
臣)なんだよそれっw
♡)ぷん。
臣)はぁ?ぷんて何!
♡)ぷん。
臣)え…歌ってくれない気?
♡)……
臣)♡ちゃん、お願いします。
♡)…っw
臣)♡ちゃ〜〜〜んっ
♡)♡ちゃんてなにっ!w
臣)♡ちゃーんww
♡)そんなの最初しか
呼んだことないでしょ~!
臣)そうだっけ?
♡)そうだよっ!
♡が「初めて会った時。」って言って
俺のほっぺたをつんつんしてきた。
♡)2回目からは臣くん、
呼び捨てだったもん。
臣)そうだっけ。
♡)そう。
それは不服の申し立てですか?
臣)やだった?
♡)……
♡は少し黙って…
「やじゃないけどちょっとドキドキした//」
そう言った。
臣)ふーん♪
♡)なーに//
思わずニヤける口元。
臣)懐かしいなと思ってw
出会ったばかりの
必死だった自分を思い出す。
臣)……
♡)……
臣)で?
♡)え?
大きな瞳が俺を見上げた。
臣)う~た~!
♡)あっ
臣)歌って!!
♡)……わかったよぉ、もう//
観念した♡が、やっと歌ってくれた。
『I’m always gonna be with you
守りたいの
世界中で一番 キミのことが 大切なの』
ダイレクトに響く、
綺麗な音色。
『大好きすぎて 上手く言えないけど
キミがいる それだけでいい
‘Cos いつでも
You are my Happiness』
ああ…俺…
本当に♡の声が…たまらなく好きだ。
臣)……
♡)終わりっ//
♡がキュッとしがみついてきた。
臣)……めっちゃイイ…
♡)いい歌だよね♡
いや…そうじゃなくて…
臣)お前の声が。
♡)え…?
臣)いや、歌もいいんだけど…
お前の声……
♡)……//
臣)やっぱすげぇ…好きだわ。
♡)……えへへ♡// 嬉しい♡
もっと早く…聴いとけば良かった。
ほんと…どストライクなんだけど…
♡)やっぱりこれ聴くと
ドラマが蘇るよね♡
臣)あ?ああ、うん。
歌詞とか…ピッタリだよな?
♡)そうなの!美咲とハチ~♡
キュンキュンだよ~♡
二人で一緒に観てた
『ディア・シスター』。
臣)お前最終回、号泣してたもな?w
♡)臣くんだって
泣きそうになってたでしょ~!
臣)いや、だって…
あの岩ちゃんには心打たれるっしょ。
♡)うんっ!
あ~もう一回観たくなってきた~!
臣)はははw
ってか…お前これ、
歌詞全部覚えてんの?
♡)これはね、好きで何回も
聴いてたから覚えてるー♡
臣)そーなんだ。
♡)うん。
臣)これさ…
「You are my Happiness」ってとこ…
♡)うん?
今、改めて思った。
臣)さらっと英語で歌ってるけど
「あなたが私の幸せ」って…
よくよく考えると…すごい意味だよな?
♡)~!!!
そうなのっ!!!
臣くんも思った?!!
なんか…ね、深い…よね?
臣)うん。深い…
究極っていうか。
♡)ねっ!ここすごく好き♡♡
そう言ってくれた♡に
もう少しおねだり。
臣)…もうちょい歌って?
聴きたい。
♡)うん。
あれ?
今度は素直に歌ってくれた。
『誰よりもキミを守りたいの
今日も明日もずっと 変わらないよ
It’s never gonna change』
ああ…なんか…
染み渡る。
『大好きすぎて 上手く言えないけど
キミがいて強くなれる
‘Cos いつでも You are my Happiness』
この歌詞は…
臣)2番?
♡)そだよー。
臣)やっぱいい歌だよな~
好きだこれ。
♡)うんっ!♡
もっと聴きたい。
なんて言ったらさすがに贅沢?
♡の顔を覗いてみると
それに気付いた♡が
にっこり俺に、笑いかけてきた。
♡)この歌ね…最初は
ドラマにピッタリだなぁって思って
好きになったんだけど…
臣)うん。
♡)ちゃんと歌詞見るとね?
私の気持ちにもピッタリだなって思って
もっと大好きになったの♡
臣)え?
♡の気持ち…?
♡)大好きすぎて…
いつも上手く言えないし
…伝えるのが難しいんだけど…
臣)……
♡)世界中で一番大切で
誰よりも…守りたいっていう気持ち。
絶対ずっと変わらないよって。
臣)……
俺の頬に優しく触れながら
♡は笑顔でそう言った。
♡)えへへ♡
ピッタリでしょ?//
無邪気にそう言う笑顔に…
俺は…
臣)刺さった。
めちゃくちゃジーンときて…
臣)ちゃんと伝わった。
…ありがと。
そう言うと
♡)伝わったなら嬉しい♡
腕枕してる俺の腕をキュッとつかんで
♡がまた、笑った。
ああ…なんか…
愛しいな……
♡)でもね…
臣)ん…?
♡)私は臣くんが一番大切だけど
臣くんの一番は私じゃなくていいの。
臣)え?
♡)臣くんは…仕事が一番大切。
Love Dream,Happinessを
一緒に伝える仲間が大切。
Love Dream,Happinessを
受け取ってくれる
ファンの人たちが大切。
臣)……
♡)大切なものがたくさんある。
守らなきゃいけないものが
たくさんある。
だから私は一番じゃなくていい。
真っ直ぐに俺を見て
♡はそう言った。
大切なもの…
それは一生変わらない。
Love Dream,Happinessを
伝えていくという使命。
かけがえのない仲間や…
いつも支えてくれるファンの人たち。
確かに守らなきゃいけないものは
たくさんある。
♡の事が好きなのに
こんなに好きなのに…
そんな事ないよって…
お前が何より一番大切だよって
俺はそうは言ってやれない。
胸が締めつけられるような
気持ちになった。
そんな俺の立場も
俺の気持ちも
全部わかってるみたいに
一番じゃなくていいって…♡は言った。
ひねくれてるわけでも
物分かりがいいフリをしてるわけでもなく
本心でそう言ってる。
♡がそんな風に思ってたなんて…
初めて知った。
臣)俺は…
お前のことも大事。
♡)うん。
臣)すげぇ大事。
♡)うん。
臣)ほんとに…
♡)…うん、ありがとう♡
本当に本当に大事だって
好きなんだって
伝えたいのに上手く言えない。
そんな自分がもどかしい…
♡)臣くん…?
臣)…ん。
♡)あのね…、ほんとにね…
この歌と同じなんだよ?
臣)……
♡)臣くんがいるから強くなれる…
いてくれるだけで、それだけでいい。
臣)うん…
♡)臣くんのこと守りたいって思うし
臣くんが大切にしてるものも
一緒に守りたいって思うの。
臣)……
♡)ただ、笑っててほしい。
ただ、幸せでいてほしい。
それだけなの。
臣)……
そう言って微笑んだ♡の笑顔が
だんだんぼやけていった。
♡)本当に大好き。
本当に大切。
臣)……
♡)一番じゃなくていいから
私は臣くんの隣で
臣くんの笑顔を守りたいの。
臣)……
♡)臣くんは私の幸せなんだよ♡
臣)…っ
ヤバい。
こんなの…泣ける。
色んな感情が一気にこみ上げてきて
心臓を掴まれたような感覚だった。
こんなこと言う女がいんのかよ…
なんでこんなに
俺なんかのこと想ってくれんだよ…
笑っててほしい
幸せにしたいって
俺だっていつも思ってる…
いつも思ってんだ。
涙に気付かれないように
俺は上を向いて顔を隠した。
でも…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♡)臣くん…?
臣くんは何も言わずに黙ったまま
左手の甲を額に当てて
顔を隠してた。
でも…
…泣いてる__
♡)臣くん…
臣)…っ
♡)なんで…泣くの?
……ぐすっ
私が思わず泣くと
臣くんはびっくりした顔で
私を見た。
臣)なんで泣くんだよ!
♡)だって臣くん泣いてるもん…
臣)俺が泣いてたら泣くのかよ!w
♡)だって…
臣くんが泣いてるとなんか悲しい…
やだぁっ、ぐすっ…ううう…
臣)だぁっ!泣くな!もうっ!
臣くんが
私の涙を拭いてくれた。
♡)なんでぇ…
泣いてるの臣くんでしょ!
臣)…そっか。
♡)そうだよ。
臣)うん。
♡)…
臣)…
♡)…もう!// 何それっw
臣)ふはっww
♡)あははっw
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
気付いたら俺たちは
二人して泣きながら笑ってた。
臣)なんだよこれw
♡)ほんとにねw
臣)…泣くの禁止。
♡)……
臣)泣かれんの一番ツライ。
お前が泣いてると
心臓止まりそうになる…。
♡)私だって同じだもんっ
臣)え?
♡)臣くんが泣いてたらやだ!
心臓ギュってなる!
臣)…うん。
♡)悲しくなる。
臣)うん。
♡)だから泣くの禁止!
臣)ふっw
♡)なにっ!
臣)いや、俺、悲しくて
泣いてたわけじゃねーよ?
♡)えっ?
臣)感動してたんだけど…
♡)…で、でも
涙見るだけでギュってなる…
臣)そっか、それは俺も同じだわ。
♡)……
臣)笑っててほしいよな?
♡)うん。笑ってて…ほしい。
臣)大事だから…
♡)大事だから。
臣)…ってか…
…俺たちなんなの?w
♡)あはっw
ほんとだ!またこのかんじ…w
臣)あほだよね?
♡)あほだねー♡
でもいいの。
それだけ大好きなんだもん♡
そう言ってまた♡は
嬉しそうに抱きついてきた。
いつも笑っててほしい。
その笑顔を守りたい。
そんな気持ちが溢れてきて…
愛しいような…
切ないような…
いつも♡に感じてるこの感情…
好きで好きで好きで
言葉で伝えきれない、
自分でも持て余すくらいの愛情…
こんな言葉、実際に言う奴いるのかよって
俺が使う事なんて絶対ないって
前まではそう思ってたけど
やっとわかった。
きっとこんな時に使うんだ。
伝えきれない愛しさが
溢れた時…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
臣)…♡?
臣くんが優しく私の名前を呼んだ。
♡)なぁに?
臣)愛してる…
初めて耳にした言葉に
時が止まって…
頭が真っ白になって
臣くんの顔を見上げると…
私のまぶたに優しくそっと
唇が触れた。
♡)えっ、えっ、えっ!!
??????
臣)愛してるって言ったの。
♡)えっ、えっ、えっ!!
??????
臣)なに。
♡)だ、だ、だって…
は、は、初めて聞いたんだもん。
臣)……
♡)生まれて初めて聞いた…
私がそう言うと…
臣)生まれて初めて言った…
すごく優しい顔で
私のおでこを撫でる指先。
♡)ど、どしたの…?
臣)どしたのって何だよっw
♡)だって…
急だったから…
びっくりして…
臣)なんか…
「好き」じゃ足んねぇって思ったら
自然に出てきた…
♡)……
臣)って言わせんな、そんなこと//
♡)…っ
臣)あっ!お前!
禁止だっつったろ!!
♡)だって……ぐす…
そんな言葉が
自然に出てくるくらい
想ってくれてるのかなって思ったら…
嬉しくて…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
臣)あ~~もう…
二度と言わねぇかんな…//
♡)えっ!!!!
やだっ!!ごめんなさい!!
♡は慌てたように
俺にしがみついて…
♡)泣かないっ!
ぷっw
変な顔して必死に泣くの我慢してるし…
ばーか…
臣)ん…、、
俺はもう一度、♡を抱き寄せた。
重なるぬくもりが…心地イイ…
好きな気持ちに
限界ってねぇのかなって思ってたけど
『愛』は無償で無限だって
誰かが言ってた。
限界がねぇから『愛』なんだって
やっとわかった。
ーendー
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