ほんとに嵐のようだった。
臣くんは笑って
私の頭をポンポンしてくれて…
臣くんだって疲れてるはずなのに…
仕事の後に
こんな女子会に付き合ってくれて…
ごめんね…?
ありがとう。
♡)あ…、私片付けてくるね。
臣)俺も手伝うよ。
♡)え!いいよいいよ!私やるから!
臣)なんで。一緒にやろ。
♡)えっ…
臣)一緒にやった方が早いじゃんw
♡)…ありがとう。
臣)全然?
♡)なんかごめんね?
臣)なーにがw
臣くんはほんと優しい…
使った食器を片付けて
洗い物を始めると
臣くんは隣で
洗った食器を拭いてくれる。
臣)ダンスはもう完璧なの?
♡)あ、えっとね…
今日までに全員覚えてきて
合わせるはずだったんだけど…
Mちゃんが全然覚えてきてなくて…
臣)え…
♡)今日は個人レッスンで終わっちゃった…
臣)はははw
あのぶりっ子、どうしようもねぇなw
♡)ねー…
臣)ほんとにお前のこと崇拝してるしなw
♡)ねー…
臣)すげーテンション高ぇしな。
♡)ねー…
臣)100人斬りだしな。
♡)ねー…
…って、えっ!!聞こえてたの?!!
臣)声でけぇんだもんw
♡)…っ
あんな恥ずかしい会話
聞かれてたなんて…///
もう~~Mちゃんのバカ~~!!
臣)登坂さんて上手なんですかぁ?
♡)えっ?!
洗い物を終えた私に
タオルを渡しながら
臣くんがMちゃんの真似をする。
臣)どうなんですか~?
♡)な、何それ…、知らないっ//
臣)なんで知らねんだよ!w
♡)登坂さんと…
したことないです…
臣)お前は…苦し紛れに
どんな嘘だよっ!!w
♡)やだぁっ// いたい~!w
後ろから回された腕に捕まった。
♡)だって知らないもんっ//
そう言い張ると、耳元で低い声。
臣)…散々抱いてんじゃん?
♡)////
耳が…熱くなる。
♡)し、知らないっ///
臣)ふーん…あっそ。
じゃあ今から確かめる??
♡)……や…っ//
耳たぶを甘噛みされて
そのままキスされた。
♡)ちょっとぉっ///
私が押しのけると
舌を出して意地悪に笑った。
もう!//
臣)ってかお前さー
俺に変な練習させたけど…
♡)え?
変な練習??
臣)お前の方が練習しといた方が
いんじゃねーの?
♡)え?なんの??
臣)悪い男が寄って来た時の練習~
♡)えっ
臣)俺こないだちゃんと
付き合ってやったじゃん?
♡)…っ
ジリジリ詰め寄ってくる臣くん。
臣)だってお前…
こんなことされたんでしょ…?
キッチンの壁についた臣くんの左手が
私の前を塞いだ。
な、何これ…
えっ…えっ…
♡)////
なんだか臣くんの顔を見れなくて…
私は下を向いたまま、答えた。
♡)そ、そうだけど…
…ちゃんと…逃げたもんっ
臣)えらいじゃん♪
はい、じゃあもっかい練習。
♡)えっ?
臣)誰に迫られても
ちゃんと逃げられる練習。
♡)え…
臣くんの顔が近付いてくる。
臣)突き飛ばせよ…w
♡)っ…
目を細めて私を見つめながら
息がかかるくらい…近付いて
左手は壁についたまま
私の頬に触れる右手が
そのまま…髪を…耳にかけて…
♡)////
何これ!!!!
ど、ど、どうしよう…///
唇が触れる寸前の
ギリギリの距離に
耐えられなくなった私が
ぎゅっと目を瞑ると
コツン、と
ぶつかるおでこ。
臣)逃げねぇの…?
耳元近くでそう言うと
今度は…首筋を舌でなぞられた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♡)やっ、やだぁぁぁっっ!!///
両手で自分の顔を覆って
へなへなと♡が床に座り込む。
耳まで真っ赤だし…
♡)こ、こんなエッチな壁ドン
してくる人なんて…いないもんっ!!
ばかぁっ!!///
真っ赤な顔して反論する♡は
もう半泣きで…
臣)////
何これ…
可愛すぎんだけど…w
やべぇ…//
しゃがんで…♡の顔を覗きこんで…
臣)おい。
♡)…っ
臣)ごめんてw
顔を隠してる♡の手を
よけようとすると
♡)やだっ!見ないでっ///
その手を振り払われた。
♡)ばかばかばかぁ~~っ//
臣)…っ
♡)だ、大体、臣くんが壁ドンなんて…
しちゃダメなんだからっ!//
臣)……なんで?
♡)そんなの…
キュンキュンして死んじゃうっ…//
逃げられるわけないもんっ!//
臣)ふはっww
必死なのが可愛くて
思わず笑った。
臣)誰かさんがさ~
なんかすげ~モテてるみたいだから…
意地悪しちゃった、ごめんw
♡)…ち、違うもん…
♡が口を尖らせた。
♡)モテて…ないもん…
臣)…いや、別にいんじゃね?
♡)え?
咄嗟に出た言葉は
別に強がりとかじゃなくて…
臣)それだけお前が
イイ女ってことでしょ?♪
♡)…っ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
臣)どんな奴がきても
心変わりなんて
ぜってーさせねぇし。
力強くそう言うと
臣くんはニヤッと笑った。
♡)ぜったい…?
臣)絶対。
♡)……
臣)……
絡まる、熱い視線。
真っ直ぐ見つめて来る臣くんに
胸がドキドキ、音を立てる。
心変わりなんて…しないもん。
こんなに臣くんのことが大好きで
こんなに臣くんでいっぱいなのに…
ずるいよ…//
♡)臣くん…だけだもん…
臣)……
♡)私がこんなに…ドキドキするの…
臣くんの腕を…掴んだ。
♡)他の人なんてやだ。
臣)……
♡)臣くんが…好きなの。
臣)……
瞳を見つめて
そう伝えると…
あたたかい手のひらが
私の頬を包んだ。
臣くんは…
切なそうな表情を浮かべて…
臣)…抱いていい?
さっきまで意地悪だったのに
今度は優しく抱きすくめられて…
♡)……
腕の中で頷いて…
そっと身体が離れたら
臣くんの頬に、手を伸ばした。
♡)うん…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
他の人なんて嫌だって…
俺が好きだって…
素直にそう言われて…
その真っ直ぐな想いが
愛しくなって…
「…抱いていい?」
口が勝手にそう言った。
臣)……
♡)……
潤んだ瞳に捕まれば
欲しい気持ちは止まらなくなる。
俺…、こんな独占欲
強かったっけ…
こんなに誰かを
自分だけのものにしたいとか
思ったことない。
あんな話、聞いた後だからかな。
…いや、関係ねぇか…
♡が俺を想ってくれてんのは
わかってるのに
それでもいつも…
もっと…
…もっと、欲しくなる。
♡)……好き。
そう言って回された、細い腕に
ああ。
俺…どこまでこいつのこと好きになんだろ。
好きな気持ちって限界ねぇのかな…
そんなことを思いながら
力強く、抱きしめた。
ー続ー
コメントを残す