男)やーいやーい!泣き虫ー!!
♡)もうやめてよぉ!!
私が嫌がってるのに
友達が何回もおでこに
粘土をくっつけてくる。
♡)うわぁぁんっ
ハ)お前らやめろよ!!
男)げっ…ハルキだ…っ
ハ)大丈夫??
♡)ううう…っ
ハルくんがおでこの粘土を取ってくれて
頭を撫でてくれた。
♡)ぐすっ…
ハ)お前らくだらないことするなよ!!
男)なんだよ…っ
男)別に俺ら遊んでただけだしー
ハ)♡泣いてんだろ!!
男)そいつが泣き虫なだけだろー!
男)そうだよな。ばーかばーか!
そう言って男の子たちは
走っていった。
ハ)ほら、もう泣かないの。
♡)うん。…ぐすっ…
私が涙を拭くと
ハルくんが優しく笑った。
ハ)ほら、行こ?
♡)うんっ♡
ハルくんは
私が男の子にいじめられてると
いつも助けてくれる。
♡)ハルくん。
パ)ハルくん?
♡)あれ??パパ??
パ)そうだよw
♡)あれ??
ハルくんと…手を繋いでたのに…
パ)どうした??
♡)今ね、ハルくんに
ありがとうって言おうと思って。
パ)ありがとう?
♡)ハルくんね、
♡が嫌なことされてると
いっつも助けてくれるから…
マ)嫌なことぉぉ?!!
どこのどいつだよ!!
いじめか!??
パ)レイコ、落ち着いてw
♡)んっとね、○○くんと△△くん。
♡が嫌だって言ってるのにね、
何回もおでこに粘土をくっつけてくるのー
パ)あははははw
♡)なんで笑うのーー!
パ)いや…、子供だなって思ってw
マ)なんだ。男子か。
それあんたのこと好きなだけ。
♡)え??
パ)うーん…w
男の子は好きな女の子に
意地悪しちゃうからねーw
♡)え!!
ハルくんは♡にそんなことしないよ!
ハルくん…♡のこと…
好きじゃないのかな…
マ)ぶくくくくw
ほんと可愛い奴ww
パ)ハルくんはそーゆータイプじゃ
ないんじゃないかな?
♡)タイプ??
パ)好きな子のことは守りたいって…
そういう男の子なんだと思うよ。
♡)???
パ)難しいかな?w
♡)……
ハルくん…
私は…ハルくんが好き。
男)ハルキの奴ムカつくよな~~
男)ほんとほんと!
放課後、ボール遊びを終えて教室に戻ると
隣のクラスの男の子たちが
ハルくんの机のところにいて…
男)あいつまたテスト100点だし。
男)ほんとだ。なんだよこれ。
勝手にハルくんの机の中のものを
出してる。
♡)何してるの?
男)あっ…
男)あ、♡だ…
♡)それ、ハルくんのでしょ?
男)うっせぇなぁ…//
男)なんだよお前…
そんなリボンとかつけてさっ//
男)服とかもなんかふわふわしてさ…//
♡)そんなの関係ないでしょ。
ハルくんのテスト返してよぉ。
男)なんだよ、こっち来んなよ//
男)お前ハルキのこと好きなんだろっ
♡)えっ…
男)どこがいんだよあんな奴。
男)そうだよ!
あいつ母ちゃんに捨てられたんだぜ。
男)それ、俺も聞いたー!
♡)…っ
男)男作って出て行ったって。
男)あはははw
♡)そんなの関係ないでしょ!!
返してってば!!
ビリッ…
♡)あっ…
男)あ…っ
男)お、お前が引っ張るからだぞー!
男)そ、そうだよ!
♡)…っ
男)あ…泣いてる…
男)あっ……
男)……ごめん…。
男)…っ
♡)ばかぁっ!!!大っ嫌い!!!
もう出てってよぉ!!!
男)…っ
男)行こうぜ。
男)うん。
バタバタバタッ
男の子たちはみんな教室から出て行った。
♡)ぐすっ…ぐす…っ
どうしてあんなこと言うの?
あんな…
♡)ぐすん…っ
教室で一人…、
私は一生懸命セロテープで
破れたテストをくっつけた。
ガタン。
ハ)あれ?♡?
♡)あっ…ハルくん。
ハ)何してるの?
♡)…っ
私は慌てて涙を拭いた。
♡)あ…えっと…
ハ)それ…テスト?
♡)あの…ごめんね?
ハルくん…100点だったから
すごいなって…、勝手に見ちゃった。
ハ)??
♡)そしたら…間違えて、破いちゃって…
ハ)……
♡)本当にごめんなさい。
ハ)そんなの全然いいよw
♡)…っ
ハ)どこかわからない問題あったの?
♡)え??
ハ)今日一緒に勉強しようか?
♡)いいの?
ハ)うん。
♡)わーいっ♡
じゃあそうするー!♡♡
ハ)はははw
それから二人で一緒に手を繋いで帰った。
ハ)お邪魔します。
マ)お、ハルキじゃん。
ハ)レイコママ。こんにちは。
マ)ういーっす。
♡)今日ね、
ハルくんと一緒にお勉強するのー♡
マ)おお、偉いじゃん。おやつ何がいい?
♡)おやつー!♡
マ)プリンか蒸しケーキかクッキー。
♡)ぜんぶーーっ♡
マ)だぁめ!どれかひとつ!w
♡)え~~~っ
マ)ハルキは何がいい?
ハ)僕は何でもいいです。
ありがとうございます。
マ)はぁ?
食いたいもん言えっつーの!
ハ)じゃあ…ええと…プリン…//
マ)よし、じゃあ座ってな!
ハ)ありがとうございます//
♡)ねぇねぇハルくん、
じゃあ算数やろ~♡
ハ)うんw
二人でプリンを食べて
算数のドリルをやって
気付いたら私は眠ってて…
誰かが…優しく私の頭を撫でてくれてる…。
ハ)……
マ)あ、勉強するとか言って寝てんじゃん。
ハ)プリン食べたら
眠くなっちゃったみたいですw
マ)ほんとにこの子はw
ハ)可愛いなぁ…
マ)え?
ハ)あ、いえ、何でもないです。
すみません…//
マ)……
ハ)……
マ)ハルキ…いっつもありがとね。
ハ)え??
マ)この子…甘えんぼだしすぐ泣くし…w
迷惑かけてないかなぁって。
ハ)全然ですw
僕、♡が甘えてくれるのすごく嬉しいし…
マ)ふーん…
ハ)……
マ)ハルキは?
ハ)え?
マ)ちゃんと誰かに甘えてる?
ハ)え?僕は男ですもんw
マ)男でも子供だろw
ハ)そう…ですけど…
マ)え~~~~いw
ハ)うわっっ//
何ですか!!//
マ)ぎゅ~~~~~ww
ハ)わ、わ、わ…//
マ)あ~~
ハルキの髪の毛、ふわっふわじゃん。
♡にそっくりw
ハ)え…//
マ)わしゃわしゃにしてやるーーw
ハ)わ、わっ//
♡)んっ…
マ)あ。起きたか寝ぼすけ。
♡)あ……寝ちゃってたぁ…
マ)うんw
♡)あっ…ママとハルくんがぎゅうしてるー!
マ)そうだよーw
ハ)……///
♡)ずるい~~!!♡も~~~!!
マ)はははは、ほら、おいでw
♡)わーーいっ♡
ママは私とハルくんを
二人一緒にぎゅっと抱きしめてくれて…
あったかいあったかい
ママの腕の中…。
夜…
パパが仕事から帰ってくると
私はずっとパパの膝の上を占拠してた。
パ)♡~~
パパそろそろお風呂入りたいな~w
♡)やぁだー♡
ぎゅーー♡
マ)あんたはもうw
昼間ママが散々してあげたでしょ!
♡)だってぇ~~
パ)こんな甘えんぼで将来大丈夫かな…w
マ)彼氏が苦労するわw
パ)えっ!!
マ)何よ。
パ)彼氏??
マ)顔にガーンって書いてあるけどw
パ)……
♡)かれしぃ?
マ)パパが結婚しないでくれーって
言ってるわw
♡)結婚??
マ)♡もいつかお嫁に行くでしょ?
♡)お嫁さん!!♡♡
パ)や~め~ろ~~~
マ)あはははww
♡)お嫁さん♡♡
お嫁さんになるなら…
♡ね…
パ)??
マ)……何もじもじしてんの。
♡)えへへ///
恥ずかしい///
絶対内緒だよー??
パ)え?内緒??
♡)♡ね、ハルくんのお嫁さんに
なりたいなぁ♡♡
パ)ええ!!!
マ)パパじゃないんかーい!!ww
パ)…っ
マ)今一瞬期待したでしょ。
パ)い、いや…
もうそんな子供じゃ…ないって…
わかってたし…
マ)あはははw
すげぇショック受けてる!!w
♡)パパぁ??
パ)そ、そうか…
ハルくんの…お嫁さんね…うん…
♡)うんっ♡
恥ずかしくって
ハルくんに好きって言えないけど
♡ね、ハルくんのこと大好きなの♡♡
パ)へ、へえ……
マ)妬くな妬くなw
♡)……ねぇパパ…。
パ)ん??
♡)どうして…
パ)?
♡)…どうして……、ぐすっ…
パ)え!!どうした??
パパは慌てて私の涙を拭いてくれた。
パ)♡?
♡)どうして…人が悲しいことを
平気で言ったりする人がいるの?
パ)……
マ)……
♡)言われたら…悲しいって…
絶対わかるのに…どうして?
ぐすっ…
パ)泣かないで。
♡)うう…っ
パ)そうだなぁ…
人は弱いから…
♡)…っ
パ)誰かを傷つけることで
自分の存在を確かめたり
満足感を得ようとしたり
そういうことをしてしまう時が
あるのかな…
♡)……??
マ)要はしょうもない人間ってこと!
パ)レイコ…w
マ)そんなしょうもない奴の言葉に
傷つけられるだけ無駄だから
相手にしないのが一番!
♡)……
パ)うーん…そうだね…
それが出来れば一番だけど…
やっぱり傷ついてしまう人もいるから…
♡)やだよぉ…
パ)うん。
♡)ぐす…っ
パ)でも♡は人の痛みがわかるだろ?
♡)え?
パ)こんなこと言ったら
人が悲しむ、傷つくって…、わかるだろ?
♡)うん…
パ)だったら…
♡は癒してあげられる子に
なったらいいよ。
♡)え?
パ)傷ついてる人を…悲しんでる人を…
癒して…包んであげられるような
そんな優しい子になったらいい。
♡)……
マ)ま〜たそんなこと言って〜
♡をナイチンゲールにでもする気?
パ)そんなんじゃないけどw
マ)まぁでも…そうね。
人の痛みがわかってれば
その分、人にも優しく出来るはず。
♡)優しく?
マ)そう。
♡)どうすればいいの?
マ)どうすれば…って…
別に特別なことはしなくていいの。
♡)え?
マ)♡がその人のことを
大好きって、大事だって…
そう思う気持ちがあれば
ちゃんと伝わるから。
♡)ほんと…?
パ)うん。伝わるよ。
♡)ハルくんにも…伝わる?
パ)伝わるよ。
マ)ちょっと寂しそうに言うなw
パ)ううう~~~
ハルキがすごくイイ子なのは
わかってるんだけどさ~~~
マ)ならいいじゃんw
パ)寂しいよぉ~~~
♡)パパ寂しいの??
パ)うん。
♡)じゃあ♡がぎゅうってしてあげるー♡♡
パ)おおっっ
♡)ぎゅ~~~♡♡
パ)あははは、ありがと…w
マ)ま、そのうちそれも
ハルキにすんだろうけど。
パ)え!!
マ)ぷくくくくw
パ)レイコは鬼だ…
マ)あはははww
あなたにはあたしがいるでしょ!
パ)うん。
マ)あたしじゃ不満なの?w
パ)いや?愛してるよ?
マ)……//
♡)チューするのーー??
マ)えっ///
♡)ママとパパ、チューするのー?♡
マ)しないし!///
♡)え~~
パ)チュッ♡
♡)あ!した~~♡♡
マ)何すんの!バカ!!///
パ)ははははw
♡)ママ顔赤いよぉ~~
マ)~~~///
♡)パパぁ~~
♡にもチューー♡♡
パ)はいはいw
チュッ♡
♡)えへへー♡
マ)ハルキにチューしてもらえばいいじゃんw
♡)えっ!!
パ)おい!それは早いだろ!!
マ)…必死…w
♡)ハルくんとチューかぁ…
恥ずかしいなぁ///
パ)しなくていいからな!?
ダメだぞ???
マ)あははははw
♡)ねぇパパー。
ハ)パパ??w
♡)あれ??
振り返るとパパがいなくて…
あれ…?
ここ、学校だ。
ハ)まーた夢でも見てたの?w
♡)ハルくん…
ハ)俺さ、転校することになったんだ。
♡)え!!!
ハ)だから♡ともお別れだよ。
♡)え!!やだよ!!!
あれ…
でも…
ハルくんがいなくなったのは
6年生の最後なのに…
♡)まだ2年生だよ…?
ハ)え??
♡)やだよ。ハルくん…
いなくならないで。
ハ)♡のことが大好きだったよ。
♡)え…っ
ハルくんは
一度も「好き」って言葉にはしなかったのに…
♡)ハルくん…
私もハルくんが好き。
ハ)好きだから…
キスしてもいい?
♡)え???
ハル…くん…?
ハ)好きだよ…。
ハルくんにギュッと抱きしめられて
優しく見つめられた。
私はハルくんが…好き。
好きだけど……
ハ)いい?
♡)……
キス…していいの?
私が…
私が好きなのは…
ハ)♡。
♡)……
あれ?
私が好きなのは…
誰?
ハ)♡。
♡)……
ハ)♡??
♡)……
すごくすごく好きな人…
思い出せない。
胸がぎゅってして…
大好きって……
ハルくんじゃ…なくて……
ザーーーッ
ハ)うわ、雨だ!!
♡)え、え、え…
いきなり外??
あれ??
学校にいたのに。
ハ)いたたたっっ
♡)やぁっ
いきなり氷のカケラが
空から降ってきた。
♡)冷たいよぉっっ
ハ)♡、大丈夫??
ハルくんが一生懸命
私の身体をかばってくれるけど…
♡)つめ…たい……
冷たいよぉっっ
臣)え、ごめん!!
♡)えっ……
目を開けると、臣くんがいた。
♡)…あれ……
臣)冷たかった?
♡)え……
あれ??
ここどこ…??
臣)まだ…熱あるから
タオル乗せていい?
♡)え??
あ…、
冷たくて…気持ちいい…。
臣くんが私の頭に
タオルを乗せてくれた。
えっと…えっと…
♡)臣く…ん?
臣)うん。
♡)臣くん??
臣)そうだよ。どうしたw
♡)……
優しく笑う臣くん…
胸が…ぎゅってなる…
私の…
好きな人。
♡)ほん…もの…?
臣)はい??
♡)臣…くん…
臣)うん。
♡)どうし…て…??
臣)え??
♡)LIVEは??
臣)もう終わったよ。
♡)ペルーに行くんでしょ?
臣)は???
♡)明日から…
臣)はい!!??
♡)……
あれ……
臣)どっから出てきたペルーw
♡)えっ…
臣)大阪最終日終わって
真っ直ぐここ来たけど。
♡)え…っ
臣)勝手に入ってごめん。
♡)え…??
あ…そうだ。
えっと…
私…熱が出て…身体がツラくて…
動けなくて…
えっと…
何してたんだっけ…
思い出せない…
臣)寅さんがさ、俺のこと
少し覚えててくれたみたいで。
♡)え?
臣)見舞いに来たから
開けて欲しいって頼んだ。
♡)あ…
臣)ごめん。
♡)ううん…
臣)お前…普通に喋れるようになったな。
♡)え…?
臣)さっきまで喋るのもツラそうで
全然声出てなかったから。
♡)……
さっき…??
今…何時なんだろ…
私…ずっと寝てたのかな…。
臣くん…
ずっと大阪に行ってて疲れてるのに…
そのまま来てくれたんだ…。
♡)ありがとう…
臣)ん。
あ…
いつもの優しい笑顔…///
でも…
なんか少しだけ違う気がする…
なんか…寂しそう?
♡)臣くん…?
臣)んー?
♡)……
どうして…そんな顔してるの…?
私は手を伸ばして
臣くんのほっぺにそっと触れた。
♡)臣くん…
臣)……
そんな顔…しないで?
何かに…傷ついてるみたいな顔…
♡)臣くん…
臣)……
傷つかないで…
♡)ねぇ、臣くん…
ぎゅってして…?
臣)……
♡)……
臣)…は!??
♡)ぎゅってして…///
臣)え、え…、なんで…
♡)んーーっ
私が両手を伸ばすと
臣くんがぎゅってしてくれた。
♡)えへへ…♡♡
臣)……???
♡)ぎゅーー♡♡
臣)~~~///
♡)ね、もっとぎゅってして?
臣)え…///
♡)ぎゅーー♡♡
大好きって…大事だって…
ぎゅうってしたら
いっぱい伝わるんだもんっ
パパとママがいっつも
してくれるんだもんっ
私はいっぱいいっぱい臣くんを
抱きしめた。
臣くん……
好き……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
臣)♡??///
♡)……
臣)…♡???///
俺を抱きしめてる♡の腕をほどいて
身体を離すと、
♡はまた眠ってた。
臣)~~~///
何だったんだ…今の…
甘えた声で
ぎゅってしてって…
臣)////
寝ぼけてたのかな…?
でも…
ちゃんと俺だって…認識してた、よな?
名前呼んでたし。
俺に…ぎゅってしてほしいって…意味だよな?
合ってるよな??
臣)…っ
どうしよう……
熱でおかしいんだとしても…
死ぬほど嬉しい…///
さっきまで死ぬほど落ちてたのに。
なんなんだよ…
好きな奴いんじゃねぇのかよ…
ルイくんって誰だよ…!!
他の男の名前呼んでたのに…
なのに…
こんな可愛くぎゅってしてとか…
めっちゃ抱きついてきたし…///
あ~~~~もう!!!!
臣)はぁ…///
俺…
ほんとどんだけこいつに
一喜一憂させられんだろ…
もう…
ほんと…
どんだけ好きなんだよ…
もう…
すげぇ好きなんだよ。
なんか…
好きすぎて切なくなってくる…。
臣)……
お前がどう思っててもいい。
誰のこと好きでも。
俺がお前のこと…
死ぬほど好きだから。
だから…
早く伝えたい。
好きだって。
大好きだって。
臣)……
だから…
早く…元気になれ…。
ーendー
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