(53)25分のXmas

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今日はXmasイブ。
 
 
平日だから全然仕事だけど
オフィスにはツリーもあるし
みんなどことなく浮かれてる。
 
 
社)やぁやぁやぁ♪
  頑張ってるかね。
M)あ!社長だー!えっ!すごい!!
課)お疲れさまです!!
K)え!社長!!
男)サンタだ!!
女)社長可愛い!!ww
 
 
社長がサンタさんの格好をして
フロアに降りて来てくれた。
 
 
♡)わ、わ、すごーい♡
社)今日はXmasですからね♪
  皆さんにプレゼントを♡
M)え~~!ほんとですかぁ?!♡
 
 
社長が一人一人に手渡してくれたのは、
長靴に入った可愛いお菓子。
 
 
♡)わぁ♡♡
  ありがとうございます♡♡
K)あざっす!!!
男)社長太っ腹!!w
女)すごーい♡
課)こんな全員分…
  ありがとうございます。
社)ああ、それから!!
♡)??
社)26日に予定してた全社メンテナンスを
  今日の19時からに変更したので
  皆さん今日は19時に帰ってくださいね♪
皆)えっ!!!
社)残ってても仕事は出来ませんよ~♪
 
 
そう言ってニコニコ笑う社長。
 
 
M)サンタさんからの
  プレゼントってことですか?♡
社)Xmasくらい皆さん、
  家族や恋人と過ごしてください♡
K)やっさしーw
社)って、Jくんに言われてねw
M)え??
社)確かにそうだなと思って
  急遽メンテナンス日を
  変更してもらったんですよ♡
M)わぁ!さすがJさん!!
社)じゃあ私はこれで♪
 
 
白ひげをつけた社長は
そのままニッコリ戻っていった。
 
 
男)え、え、今日どうする?
女)早く帰れるの嬉しいけど
  いきなり空いてもちょっと困るw
男)フリーな奴だけで飲みに行くかー?
男)お!!いいね!!
 
 
あ!!そうだ!!
 
 
M)先輩も行きますかぁ?飲み会♡
♡)ううん!!私は帰る!!
M)え?
 
 
早く帰れるなんていつぶりだろう。
 
私は19時になるとダッシュで会社を出て
手芸屋さんに向かった。
 
 
臣くんとは結局あの日以来、
ずっと会えてなくて…
 
私も忙しくて
なかなかLINEも返せなくて…
 
 
でもどうしてもツアーが始まる前に
お守りを作りたくて…
 
やっと時間ができたから
今日作ろうっと♡♡
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♡の家まで会いに行って
屋上で一緒に朝陽を見て、
 
♡が俺んちまで送ってくれたあの朝以来…
 
俺はやっぱり忙しくて
全然会いに行けなくて。
 
電話も全然出来なくて…。
 
 
ホットロードの撮影は
やっと昨日、クランクアップを迎えたけど
年末特番ラッシュもあって
ツアーリハも大詰めで。
 
 
そんな合間を縫って
なんとか♡へのXmasプレゼントだけは
買いに行った。
 
 
でも…今日…
渡せんのかな…コレ…。
 
 
臣)今日か明日…、
  どっかで1時間空かない?
S)え??
  どっかでってこのへん??
臣)いや、横浜じゃなくてw
  都内で!
S)うーん…1時間?
臣)30分でもいいから!
S)30分……
臣)もう5分でもいーよ!
 
 
一瞬会えるだけでもいいから…
俺に時間をくれ…!!
 
 
S)ちょっと事務所戻ってみてからじゃないと
  なんとも言えないなー
臣)だよね…。
S)うん。
  とりあえずこの撮影終わってからだなー。
臣)わかった。
 
 
どうか…
少しでもいいから♡に会えますように…!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
家に帰ってきてお守りを作り始めると、
電話が鳴った。
 
 
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
 
 
相手はJさん。
 
 
♡『はい、もしもし。』
J『♡ちゃん?今どこ?』
♡『お疲れさまです。今は…家です。』
J『帰るの早すぎw』
♡『え??』
J『ご飯行こうよ。』
♡『え…っ』
J『家にいるってことは
  好きな人と予定があるわけでも
  ないんでしょ?』
♡『あ…えっと…』
 
 
でも…
お守り作りたいし…
 
 
ってゆーか、
Jさんと二人でご飯なんて、絶対ダメ!!
 
 
♡『行かないです。』
J『行こ。』
♡『え、行かないです!』
J『車で迎えに行っていい?』
♡『え、ダメです!!行きません!!』
J『はぁ…
  折角メンテナンス入れたのにな…』
♡『あ、社長から聞きました!』
J『え?』
♡『ありがとうございます♡
  今日時間出来て嬉しいです♡』
J『…っ』
 
 
じゃないとお守り作れなかったし…
 
 
♡『それじゃ…』
J『ちょっと待ってよ!』
♡『え?』
J『プレゼントだけ…
  渡しに行ってもいい?』
♡『え?プレゼント??』
J『Xmasプレゼント。』
♡『え…っ、そんなの…貰えません…』
J『これくらい貰ってよw』
♡『だって…私…』
 
 
Jさんの…気持ちには…
 
 
J『一瞬会ってくれるだけでいいから。』
♡『……』
 
 
そう言われたけど…
 
 
♡『ダメです。ごめんなさい。』
J『ほんと頑なだな~~w』
 
 
だって…
 
 
J『そーゆーとこが好きなんだけどさw』
♡『え?』
J『わかった…。じゃあ明日。』
♡『あっ、はい…っ!』
J『お疲れさま。』
♡『お疲れさまです!!』
 
 
ピッ。
 
 
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
 
 
♡)きゃっ!また電話だ!
 
 
今度はTくんだ。
 
 
♡『もしもし?』
T『お前何帰ってんだよ!』
♡『え??』
T『今日折角メンテナンス入ったのに!』
♡『…っ』
T『今同期で集まってんだよ。
  お前も来いよ!今どこ?』
♡『あ、ごめん。
  もう家に帰ってきちゃった。』
T『はぁ?何してんの??』
♡『何って…お裁縫?』
T『はい???
  今から出て来いよ。イブなんだし。』
♡『うーん…行かない。』
T『なんで!』
♡『ごめんね?』
 
 
だってお守り作りたいんだもん…。
 
 
T『あ、ちょっと待って。
  なんか今もう家なんだって。
  うん。いや、来ないっつってる。
  ああ、うん。』
♡『??』
T『ああ、わり。』
♡『うん。』
T『じゃあ俺会いに行っていい?』
♡『え?!!』
T『渡したいもんもあるし。』
♡『渡したいもの??』
T『うん。』
♡『明日会社でじゃダメなの?
  急ぎ??仕事??』
T『ちげーよ!!
  会社とかじゃなくて…
  会って渡したい。
  つーか会いたい。』
♡『え??』
 
 
どういうことだろう…?
 
 
T『だから…』
  お前と一緒にいたいんだよ!』
♡『え?なんで?』
T『イブだから!』
♡『???』
T『お前が好きだから
  一緒にいたいっつってんの!』
♡『…っ』
 
 
……もう!Tくんってば!!
 
 
♡『酔ってるんでしょ!!』
T『はい?!!』
 
 
なんかおかしいと思ったら!
 
 
♡『飲み会は行かない!
  Tくんにも会わない!!
  じゃあねっ!』
T『え、ちょ、待てよ!』
♡『また明日ね!お疲れさま!』
 
 
ピッ。
 
 
♡)もう~~~
 
 
Tくんは酔っぱらうと
すぐに変なこと言ってくるんだから!!
 
 
 
♡)はぁ…。
 
 
イブだから…、かぁ…。
 
 
臣くん…今頃お仕事だよね…
 
Xmasとか関係ないんだろうな。
 
 
映画は昨日でクランクアップだったって
LINEで言ってたけど…
ツアーのリハとかもいっぱいあるよね。
 
 
最後に会ってから
また1ヶ月が経っちゃった。
 
 
…会いたい……。
 
 
♡)……
 
 
お守り出来上がったら…
いつ渡そうかな。
 
 
忙しいだろうから…
お家のポストとか…?
 
でも…直接渡したいなぁ。
 
 
臣くんに借りてるストールは
洗ったら匂いが消えちゃって…
それでも私は毎日つけてる。
 
 
♡)……
 
 
もう…
何でもいいから…
 
臣くんに会いたいよ……。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
S)臣!!起きて!!
臣)え…?
 
 
Sさんに起こされて目を開けると
車はもう都内に戻ってきてた。
 
 
S)意外に道空いてるし
  思ったより早く帰って来れたよ!
臣)マジ…?!
S)移動もあるから…
  30分なら彼女の家寄れるけど、行く?
臣)え!!ほんと!?
 
 
一気に目ぇ覚めた!!
 
 
臣)つーか…なんで…
S)え?
臣)俺なんも言ってねぇのに…
 
 
「彼女の家」って…
 
 
S)わかるわそんくらいw
臣)……///
 
 
バレバレだったか…///
 
 
S)てゆーか彼女、家にいるの?
臣)あ、そっか!会社かも!!
S)それだとまた計算狂うから
  ちょっと聞いてみてー
臣)わかった!電話する!!
 
 
プルルルル…、プルルルル…
 
 
♡『もしもし!!!』
臣『♡?俺!!』
♡『うん!!!』
臣『まだ仕事中??』
♡『ううん!今日はもう家なの!』
臣『え、マジで?!すげぇ!!!』
 
 
なにこの偶然!
 
 
♡『今日はサンタさんが
  早く帰してくれたのー♡』
臣『何それw
  つーかさ、今から一瞬
  会いに行っていい?』
♡『え!!!』
臣『時間あんまないんだけど…』
♡『待ってる!!!』
臣『……っ』
 
 
思いがけない即答が飛んできた。
 
 
♡『ほんとに臣くんに会えるの?』
臣『え?』
♡『すっごく嬉しい♡♡』
臣『…っ///』
 
 
……ほんと…?///
 
 
♡『下で待っててもいーい?』
臣『いや、寒いから中で待ってて。』
♡『えーー!』
臣『部屋まで行くから。』
♡『わかった!!
  じゃあ待ってるね♡♡』
臣『うん。』
♡『わーい♡♡
  臣くんありがとう♡♡』
臣『うん…。』
♡『じゃあ切るね?』
臣『あーい。』
 
 
ピッ。
 
 
S)彼女の家でOKね?
臣)あ…、うん…。
 
 
なんだろ今の…///
 
 
S)どうした?
臣)……
S)おーい!w
臣)あ…っ、えっと…うん。
  いや…なんか…
  すげぇ喜んでて…///
S)彼女?
臣)うん…
S)臣に会えるから?
臣)…たぶん。
 
 
「ほんとに臣くんに会えるの?
 すっごく嬉しい♡♡」
 
 
そう言ってた。
 
 
俺の聞き間違えじゃ…ないよな…?
 
 
臣)何今の…、ヤバい…///
S)時間差で照れるなよーw
臣)だって…///
 
 
めっちゃ可愛かった。
 
 
臣)はぁ…///
 
 
やっと…あいつに会える。
 
1ヶ月ぶり…?だよな…
 
 
ああ…
早く会いたい。
 
 
ヤバい…俺…
止まんねぇかも…。
 
 
S)あれ…なんか道混んできたなー
臣)えっ!!
S)やっぱこのへんは…
臣)え、え、ヤバい??
 
 
ここまで来て…まさか…
 
 
S)うーん…裏抜けっかなー。
臣)お願い!!
S)はいよー!
 
 
絶対会いたいもん!!
 
 
S)臣さー
臣)え?
S)いくら久々に会えるからって…
  いくらイブだからって…
臣)うん…?
S)盛り上がりすぎて
  帰ってこないとかやめてねー
臣)なんだよそれ!w
S)俺下で待ってんだから
  ちゃんと戻ってきてよー?w
臣)わかってるよ!w
S)心配だな~~~
 
 
そんな話をしてるうちに見えてきた
♡のマンション。
 
 
S)うーん…
  やっぱちょっと時間取られちゃったな。
  余裕見て20分。
  20分で戻ってきてよー。
臣)20分??!
S)そ。
臣)30分!
S)ダメ。
臣)25分!!
S)…っ
臣)お願いっ!!
S)わかったよ!w
  その代わり猛スピードで着替えてよー?
臣)わかった!ありがと!
  行ってくる!!
 
 
バタン!!
 
 
俺は急いで車を降りて、
ダッシュでマンションに入った。
 
 
アルバムを持って、
プレゼントは革ジャンのポケットに入れて、
エレベーターを上がって。
 
 
♡の部屋の前まで行くと
ピンポンを押す前にドアが開いた。
 
 
臣)わ!びっくりした!
♡)臣くん!!
臣)入って…いい?
♡)うん!!
 
 
3回目の♡の家。
 
入るのは2回目だけど…
 
 
臣)お邪魔します。
 
 
相変わらずイイ匂いすんな…この家。
 
 
つーか…
ま~~た可愛いルームウェア着てんな。
なんだよそれ…///
なんかふわふわしてるし…
 
袖が余ってて
少しだけ出てる指先が
可愛すぎる///
 
 
♡)時間…ないんだよね?
臣)うん。25分て言われた。
♡)え!!細かいね、大変!!
  じゃあ余裕見て20分でアラームかけよ。
 
 
え…、俺が必死に伸ばした5分!w
 
 
♡)よし、これで大丈夫!
  この後またお仕事なの?
臣)うん。撮影。
♡)そっか…
  あ、座ってーー!
 
 
俺がソファーに座ると
♡は立ったままキョロキョロしてて。
 
 
♡)えっとえっと…、何か飲む??
臣)いや、いい。
 
 
そんなのいらないから…
 
 
臣)こっち。
 
 
俺は♡の手を引っ張って
隣に座らせた。
 
 
臣)時間ないから
  少しでもここにいて。
♡)え…っ
 
 
俺がそう言うと
♡は少し照れたように俯いて…
 
 
♡)…えっと…臣くん…
臣)ん?
♡)忙しいのに…
  来てくれてありがとう///
 
 
はにかんだ笑顔でそう言った。
 
 
臣)……///
 
 
ありがとうっつーか…
俺が会いたかったし。
 
 
♡)あのね…?
 
 
♡はニットから少し出した手で
恥ずかしそうに顔を隠しながら
俺を見た。
 
 
♡)…すっごく会いたかったの///
臣)え…?
♡)だから…
  …すっごく嬉しい♡♡
臣)……っ
 
 
な、何これ!!!///
 
 
ヤバい…
可愛すぎてマトモに顔見れねぇ…///
 
 
俺はにやけそうな口元を必死に隠して
反対側に目をそらした。
 
 
なんなんだ、この破壊力。
 
俺をどうする気…?///
 
 
♡)あ、そうだ!!これ…
臣)ん…?
 
 
振り向くと、
名残惜しそうに手渡されたストール。
 
 
♡)ずっと借りててごめんね…?
  ありがとう…
臣)うん。
♡)……
臣)……
 
 
なんか…すげぇ寂しそうなんだけど…
 
 
臣)どうした?
♡)え?
臣)しゅんとしてるから…
♡)…っ
臣)…あれ?これ洗ってくれた?
♡)あ…、うん。
臣)さんきゅー♪
  すげぇイイ匂いする。
♡)…でも…、臣くんの匂い…
  消えちゃったんだもん。
臣)え…?
♡)……
臣)……
 
 
またしょんぼりしてる。
 
 
♡)でもね、毎日つけてたの…。
臣)え?!毎日!?
♡)うん…。
臣)そんな気に入ったんならやるか?
♡)え!!
臣)いる?
♡)いいの!??
臣)だって毎日使ってたくらい
  気に入ったんでしょ?w
  全然いいよ。
♡)やったぁ♡♡
 
 
俺の言葉に満面の笑みを見せる♡。
 
このストールが
そんなにお気に入りだったとは…
 
 
♡)わーーい♡♡
 
 
よくわかんねぇけど
無邪気に喜んでるから可愛い。
 
 
♡)臣くんありがとう♡
臣)ん。
♡)Xmasプレゼントもらっちゃった♡
臣)え?!
  いやいや!違う違う!w
  プレゼントはこっち!
 
 
俺は慌ててポケットから箱を出した。
 
 
♡)え???
臣)Xmasプレゼント。はい。
♡)え?え?私にくれるの???
臣)他に誰がいんだよw
 
 
そのために来たのに。
 
 
♡)えーーー!!!
  ど、ど、どうしよう!!
  うそー!!!
  わわわ♡♡♡
  え、え、え…///
臣)落ち着けw
♡)だって…!!
  あ、あ、ありがとうっ!!///
臣)ん。
♡)開けても…いいの??
臣)どうぞ?
♡)ドキドキ…///
 
 
♡はゆっくりとリボンをほどいて…
俺も少しドキドキ。
 
 
♡)…あっ!!ピアスだぁ!!
  わ、わ、すっごく可愛い♡♡
  え!!キャーー!!♡♡
 
 
ほっ、喜んでくれた…///
 
 
♡)石の周りがお花になってる…♡♡
臣)うん。
♡)こんな可愛いの…
  臣くんが選んでくれたの?///
臣)そう…だけど…
♡)わぁ~~~!!!
  すっごく嬉しい♡♡♡
 
 
ああ~~~
俺はもうその笑顔だけで十分だわ…///
 
 
♡)可愛いよぉ♡♡
  嬉しいよぉ♡♡
  どうしよう~~~♡♡
臣)…ふはっw
♡)ね、ね、つけてもいーい?♡♡
臣)うん。
 
 
♡は目を輝かせながら
嬉しそうにピアスを耳につけた。
 
 
♡)ね、ね、可愛い?♡
臣)うん。
♡)ほんとに可愛い?♡
 
 
幸せそうににこにこ笑って
ピアスを揺らしながら
俺の腕をつかんでくる。
 
 
♡)ねぇ♡♡
臣)可愛いってw
♡)わぁい♡♡
臣)……///
 
 
俺の言葉に、
また嬉しそうに笑って。
 
 
♡)本当にありがとう♡♡
臣)ん。
 
 
ほんとに…すげぇ似合ってる。
 
 
こんな喜んでくれて…
必死に選んで良かった。
 
 
♡)えへへ♡♡
 
 
つーか…
そんな顔で笑うなよ…///
 
ああ…もう俺…ヤバいかも…
 
 
♡)あ!!私!!
臣)え??
♡)Xmasプレゼント用意してないや…
臣)え?
 
 
そう言うと、
♡はまたいきなりしょんぼりして。
 
 
臣)いいってそんなん!!
♡)だって…
  こんな可愛いのもらったのに…
臣)ほんとにいいって!w
♡)でも…
臣)マジ気にしないで。
  俺があげたかっただけだから。
 
 
俺はお前の笑顔だけでいいんだもん。
 
 
臣)あ、そーだ。もう一つ。
♡)え?
臣)新しいアルバム。
♡)あーーっ!!
  これっ…、1月1日発売でしょ??
臣)うん。でも店着日だけ早まって
  昨日になったの。
♡)うそー!!知らなかった!!
臣)だから持ってきたw
♡)え、え、くれる…の?
臣)見せただけ、なわけねーだろw
♡)えーー!!ほんとにっ??
臣)うん。
♡)どうしよう!!
  すっごく嬉しい!!♡♡
 
 
♡はまた目を輝かせて…
 
 
♡)だって早く聴きたくて
  すっごく楽しみだったんだもん!
  やったぁぁぁ♡♡
 
 
そう言って、喜んでくれた。
 
 
臣)……///
 
 
持ってきて良かった…。
 
 
♡)今すぐ聴きたいー♡♡
臣)いや、今はダメw
♡)はっ!そっか!!
  時間ないんだった!!
臣)そw
♡)…てゆーか…私…
  なんか…もらってばっかりだ。
  どうしよう…
臣)だから気にすんなってw
♡)臣くんは何が欲しかった?
臣)いや、いらないってw
♡)やだ!!欲しいの言って!!
臣)…っ
 
 
♡がガシッと俺の腕を掴んできた。
 
 
臣)んーと…じゃあ…
  そうだ、今度またご飯作って。
♡)え!そんなのいつでも作るもん!
  そうじゃなくてXmasプレゼント!!
臣)いや、いいってほんとにw
♡)……
 
 
あ…ふくれた…。
 
 
臣)おーい。
♡)あ!!そうだ!!
臣)ん??
♡)あのね…
  臣くんに渡したいものが…
臣)え?
♡)あ!!Xmasプレゼントとかじゃ
  全然ないんだけど…
臣)うん?
 
 
なんだろ。
 
 
♡)…大した物じゃ…ないんだけど…
  これ…、
 
 
そう言って差し出されたのは、
小さなお守り。
 
 
黒のレザーで、なんかカッコイイ。
 
 
臣)これ…っ
 
 
受け取って見てみると、
三代目のロゴとツアーロゴが入ってる!!
 
 
臣)すげぇ…っ!何これ…!!
♡)作ったの…。
臣)え、こんなん作れんの??
  どこで??
♡)私が作ったんだよ…。
臣)は??お前??
♡)うん。
臣)ほんとに…??
 
 
まさかの…手作り!??
 
 
♡)さっき出来上がったばっかりだから
  全然ラッピングもしてないんだけど…
  ごめんね?
臣)いや、マジですげぇ!!
  天才じゃん!!
♡)……///
 
 
こんなん作れるとかすごすぎ…!!
 
 
臣)めっちゃ嬉しいんだけど…
♡)ほんと…?
臣)うん…ヤバい…
♡)えへへ…良かったぁぁぁ♡
臣)……
 
 
ほんとに感動なんだけど…
どうしよう。
 
 
俺のために…
 
こんな忙しいのに
作ってくれたんだよな?
 
 
♡)サンタさんのおかげだー♡
臣)え?
♡)えへへ♡
臣)そーいや電話で言ってたよな。
  サンタって??
♡)今日ね、Xmasイブだから
  みんな早く帰りなさい~って、社長が。
臣)え??
♡)サンタさんの格好してね?
  みんなにこれくれたのー♡
臣)うわ、懐かしいコレ!w
 
 
長靴のお菓子!!
 
 
♡)懐かしいでしょー♡
臣)社長…めっちゃいい人じゃん。
♡)うんっ♡
  だから今日は早く帰って来て
  お守り作れたんだよー♡♡
臣)……っ
 
 
イブなのに…
せっかく早く仕事終わったのに…
 
遊びに行ったりしないで
これ作るために
わざわざ帰ってきたってこと…?
 
 
♡)臣くんが喜んでくれて良かったぁ♡
臣)…いや…ほんとに…、マジで嬉しい。
  大事にする。
  ありがと……
♡)えへへ…♡
  ツアー成功しますように!!って
  いっぱい念じておいたから♡
臣)うん。
 
 
ほんとに嬉しくて…
なんか胸が熱くなった。
 
 
♡)私もこんな素敵なプレゼント
  本当にありがとう♡
  明日から毎日つけるー♡♡
 
 
♡はまた嬉しそうに
ピアスを揺らしてて…
 
 
臣)…っ
 
 
なんかもう…
どうしよう。
 
抱きしめたい。
 
 
 
ピピピピピ♪ピピピピピ♪
 
 
♡)あ!アラーム!
臣)え!!もう?!!
 
 
嘘だろ!!?
 
早すぎんじゃん!!!!
 
 
♡)早かったね……
臣)……
 
 
マジかよ…
全然足りねぇ…。
 
 
♡)臣くん、急いで~!
 
 
♡に急かされて、玄関に向かって。
 
 
全然物足りない気持ちを抱えたまま
靴を履いて振り返ると、
 
♡が俯きながら
俺の手をキュッと掴んできた。
 
 
♡)えっ…と…///
 
 
なんだよこの可愛い手は…///
 
 
♡)ほんとに…ありがとう///
臣)……///
 
 
俺が手を握り返すと、
♡は少し潤んだ瞳で俺を見上げて。
 
 
♡)来てくれて…ありがとう///
 
 
もう一度、そう言った。
 
 
臣)……///
 
 
そんな顔で…
そんなこと言うなよ…。
 
 
♡)臣くんに会えて…嬉しかったよ…///
臣)……っ
 
 
ああ…もうダメだ。
 
我慢の限界。
 
 
臣)…っ
 
 
気付いたら俺は、
思いきり♡を抱きしめてた。
 
 
……ぎゅっ…。
 
 
♡)臣…くん…///
 
臣)……Xmasプレゼント、
  やっぱ欲しい。
 
♡)……え?
 
臣)少しでいいから…
  こうしてて…
 
♡)…っ///
 
 
ただただ夢中で…
♡をきつく抱きしめる。
 
我慢してた分、爆発した。
 
 
ああ…
♡の甘い匂い…。
 
 
ドキドキ…
 
ドキドキ…
 
 
静かな玄関で…
心臓の音だけが、聞こえるみたいで。
 
 
♡)…臣…くん…///
  時間…っ
 
臣)あと5分あんじゃん。
 
♡)もうそんなにないよっ///
 
臣)……
 
 
そんなこと言われたって…
 
 
臣)嫌だ。離したくない。
 
♡)……///
 
 
このまま…ずっと…
抱きしめてたい。
 
 
俺がぎゅっと力をこめると…
 
 
……ぎゅっ…
 
 
え…?
 
 
♡が俺を抱きしめ返してきた。
 
 
臣)…っ
 
 
少しびっくりして、
そっと身体を離して顔を覗くと…
 
 
♡)////
 
 
♡は真っ赤になって俯いてる。
 
 
臣)////
 
 
今…
間違いなく俺のこと…
ぎゅってしたよな…?
 
 
臣)…っ
 
 
俯いたままの♡の首筋に
左手を添えて…
 
右手は頬に触れて、
俯いてる顔をこっちに向けさせた。
 
 
♡)…っ///
 
 
俺を見上げた瞳は
熱く潤んでて…
 
 
臣)……///
 
 
ダメだ、止まんねぇ。
 
 
そのまま唇を近付けて
キスしようとすると…
 
♡は目をぎゅっと瞑って、顎を引いた。
 
 
臣)♡。
♡)…っ///
 
臣)♡。
♡)////
 
臣)こっち向いて。
♡)やっ///
 
 
♡が顔を上げないから
俺はそのまま額をくっつけた。
 
 
どくん…
 
どくん…
 
 
首筋から…
 
頬から…
 
 
触れてる手のひらに、熱が伝わってくる。
 
 
額も、少し…熱い。
 
 
臣)お前、身体…熱い。
♡)////
 
 
そのまま頬を撫でると、
♡はピクンと反応して。
 
 
♡)臣くん…っ!時間!///
臣)……
♡)もうだめっ!!///
 
 
そう言って、
両手にぐいっと身体を押された。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
バクバク…
 
バクバク…
 
 
心臓が、壊れそう。
 
 
♡)早く…行かないと…///
臣)うん…
 
 
臣くんの…顔が見れない。
 
 
臣)また…連絡する。
♡)……(こくん)///
 
 
そう言って振り返った臣くんは…
玄関のドアを開けようとして、
もう一度こっちを向いた。
 
 
♡)…っ
 
 
その拍子に
腕を掴まれて、引き寄せられた身体。
 
 
頭の後ろを支えられて…
 
 
チュッ。
 
 
♡)?!!
 
 
おでこに触れた感触が、
臣くんのキスだってわかるまで
数秒かかった。
 
 
♡)~~~////
 
 
一気に顔が熱くなって…
 
 
臣)おやすみ。
 
 
バタン。
 
 
臣くんはそのままドアを出て行った。
 
 
♡)////
 
 
い、い、今の…なに?!!///
 
顔からシューシュー湯気が出そう。
 
 
心臓がバクバクして…
顔も身体も熱くて…
 
 
私は思わずその場に座り込んだ。
 
 
♡)…っ///
 
 
………お、おでこに…
チューされた////
 
 
バクバク…
 
バクバク…
 
 
いきなりのことすぎて…
パニパニだったけど…
 
 
おでこに…
 
チュー……
 
 
♡)////
 
 
ど、ど、どうしよう!!
 
死んじゃう!!///
 
おでこにチューー!!!///
 
キャーー!!////
 
 
♡)…っ////
 
 
その前だって…
 
えっとえっと…
あれは…
 
キス…、しようとしてたんだよね??
 
 
違うの…かな?
 
 
だって…だって…
 
臣くんの顔がゆっくり近付いてきて…
 
く、く、唇が…っ
目の前だったもん…っ!///
 
 
びっくりして、
思わず下を向いてよけちゃったけど…
こっち向いてって言われて…
 
 
わぁぁぁぁ!!////
 
な、何あれ!!どうしよう!!///
 
 
その後に、おでこがくっついて…
 
ほっぺに優しく触れる
臣くんの手のひらからも…
臣くんの温度が伝わってきて…
 
 
♡)////
 
 
どうしよう!!
 
ドキドキしすぎて死んじゃうよぉ!!
 
わーんっ!!////
 
 
 
………会えただけで…
 
すっごくすっごく嬉しくて…
 
抱きつきたいくらい嬉しくて。
 
 
ストールをくれたのも…
ピアスをくれたのも…
 
本当に本当に嬉しくて…
 
胸がぎゅってなって
臣くんにぎゅって抱きつきたくなった。
 
 
でも…
実際にぎゅってされたら…
心臓が止まりそうで…。
 
 
♡)////
 
 
時間だよって、言ったのに…
 
 
「嫌だ。離したくない。」
 
 
そう言われて…
もっとぎゅってされた。
 
 
私も…
心臓が止まりそうだったのに…
 
それでも…
離してほしくないって
そう思っちゃって…
 
 
♡)…っ///
 
 
わぁっ!!!
恥ずかしすぎる///
 
どうしよう!!
誰か助けて!!
 
わぁぁぁんっっ!!!////
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
ガラガラガラッ
 
 
S)お帰りー!すぐ出すよー!!
臣)うあ~~~~!!///
S)え???
 
 
ドサッッ
 
 
ドアを開けてすぐに、
車のシートにダイブした。
 
 
S)出すよー??
臣)んっ!!
 
 
車はすぐに走り出して…
 
 
俺は…
 
もう…
 
 
臣)ダメだ…////
S)え??
 
 
なんか…顔が熱い。
 
 
あいつのことが…好きすぎる。
 
 
臣)ううう…///
 
 
もし仕事じゃなかったら…
 
あのまま一緒にいたら…
 
 
俺何してたかわかんねぇ。
 
 
だって…
 
何だよあれ!!///
 
 
最初っから最後まで…
ずっと可愛くて…
 
 
臣)////
 
 
萌え袖ずりーし…
 
可愛く笑ったり…
恥ずかしがったり…
 
会いたかったとか…
嬉しいとか…
 
 
そんな可愛いことばっか言って。
 
 
最後なんて…
 
あんなに可愛く、俺の手…握ってきて…
 
 
あんなん…
我慢できっかよ!!///
 
 
臣)ううう…///
 
 
なんであんな…
 
思わせぶりなことばっか…
 
 
臣)……っ
 
 
………あれ…?
 
 
思わせぶり…
 
じゃ…ないのかな…。
 
 
……だって…
 
 
「すっごく会いたかったの///」
 
 
そう言ってた。
 
 
「だから…すっごく嬉しい♡♡」
 
 
臣)…っ
 
 
好きじゃない男に…
あんな可愛く、嬉しいとか…言う?
 
 
……もしかして…
 
 
最近逃げられてばっかで
ちょっと自信なくしてたけど…
 
 
もしかして…
 
もしかして…
 
 
あいつも俺のこと…
好き…、なのかな……
 
 
臣)////
 
 
わ、わ、ちょっと待て////
 
 
ダメだ!
調子ん乗ってそうじゃなかった時、
すげぇダメージでかい!
 
 
臣)…っ
 
 
でも…
 
最後だって…
 
 
あいつからぎゅって…
抱きしめ返して…くれたよな?
 
 
臣)////
 
 
うわ…
 
うわ~~〜!!!///
 
 
S)ちょっと、生きてるー?
臣)え?!
S)なんも喋んないからw
臣)生きてる!!
S)どうだったのー?
  プレゼント渡せたの?
臣)渡した!!
S)良かったねーw
臣)ねぇ!!
S)なにー?
臣)あいつ、俺のこと…好きなのかな?
S)ぶっ!!!
  何いきなり!!ww
臣)だって…
 
 
ちょっと今…
頭がパニックで…
 
 
S)そうなんじゃないのー?
臣)なんで?!
S)だって…
  臣に会えるって喜んでたんでしょー?
臣)うん。
S)実際どうだったのー?
  喜んでたー?
臣)うん…///
 
 
すっげぇ喜んでた。
 
可愛すぎて、死んだ。
 
 
S)じゃあ好きなんじゃんw
臣)ほんとに?!
 
 
ほんとのほんとに!??
 
俺、期待していいの?!!
 
 
S)ちょっと…
  臣…可愛すぎるんだけどw
  何なのそれ…w
臣)やべぇ…どうしよう…///
S)……
 
 
ほんとに…そうなのかな…?
 
 
やっと…俺のこと…
好きになってくれたのかな…?
 
 
もし…
 
もしそうだったら…
 
 
俺…多分、嬉しくて死ぬ///
 
 
臣)……はぁ…///
 
 
ドキドキしながら…
それが現実であることを願って…
 
 
俺は♡からもらったお守りを、
ぎゅっと強く握った。
 
 
 
 
 
 
ーendー

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  1. KAZU より:

    マイコさ〜ん
    忙しいのに毎日の更新のうえ、
    リニューアルまでありがとう(๑˃̵ᴗ˂̵)
    玄関シーンの
    両手にぐいっと身体を押された。は
    両手でぐいっとではないですか?
    これじゃ♡ちゃん臣くんに抱きつきに行っちゃってる(笑

    • マイコ より:

      は!そっか!わかりにくいかも!(´⊙ω⊙`)
      これは、♡ちゃんの両手にグイッと臣くんの身体が押された、ということです!汗
      リニューアルまだまだ終わらん。゚(゚^ω^゚)゚。頑張ります!

  2. おみちゅき より:

    少し前から番号が変わってタイトルが変わったとこがあって…ってのは気付いてましたが、内容も少し変更したんですね。
    マイコさん、忙しくて♡ちゃんみたいに貧血起こさないでね…(´・̥̥̥̥̥̥_・̥̥̥̥̥̥`)

    Jさんのセリフのところ、「頑な」か「頑固」じゃないですか?

    • マイコ より:

      ほんまや!(´⊙ω⊙`)送り仮名抜けとる!!
      直しておきます!ありがとうです!校閲ポイント差し上げます!
      12月から出逢い編リニューアルかけてるので誤字脱字また出てきそう…あわわヾ(・ω・`;))ノ三ヾ((;´・ω・)ノ

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