今日はXmasイブ。
平日だから全然仕事だけど
オフィスにはツリーもあるし
みんなどことなく浮かれてる。
社)やぁやぁやぁ♪
頑張ってるかね。
M)あ!社長だー!えっ!すごい!!
課)お疲れさまです!!
K)え!社長!!
男)サンタだ!!
女)社長可愛い!!ww
社長がサンタさんの格好をして
フロアに降りて来てくれた。
♡)わ、わ、すごーい♡
社)今日はXmasですからね♪
皆さんにプレゼントを♡
M)え~~!ほんとですかぁ?!♡
社長が一人一人に手渡してくれたのは、
長靴に入った可愛いお菓子。
♡)わぁ♡♡
ありがとうございます♡♡
K)あざっす!!!
男)社長太っ腹!!w
女)すごーい♡
課)こんな全員分…
ありがとうございます。
社)ああ、それから!!
♡)??
社)26日に予定してた全社メンテナンスを
今日の19時からに変更したので
皆さん今日は19時に帰ってくださいね♪
皆)えっ!!!
社)残ってても仕事は出来ませんよ~♪
そう言ってニコニコ笑う社長。
M)サンタさんからの
プレゼントってことですか?♡
社)Xmasくらい皆さん、
家族や恋人と過ごしてください♡
K)やっさしーw
社)って、Jくんに言われてねw
M)え??
社)確かにそうだなと思って
急遽メンテナンス日を
変更してもらったんですよ♡
M)わぁ!さすがJさん!!
社)じゃあ私はこれで♪
白ひげをつけた社長は
そのままニッコリ戻っていった。
男)え、え、今日どうする?
女)早く帰れるの嬉しいけど
いきなり空いてもちょっと困るw
男)フリーな奴だけで飲みに行くかー?
男)お!!いいね!!
あ!!そうだ!!
M)先輩も行きますかぁ?飲み会♡
♡)ううん!!私は帰る!!
M)え?
早く帰れるなんていつぶりだろう。
私は19時になるとダッシュで会社を出て
手芸屋さんに向かった。
臣くんとは結局あの日以来、
ずっと会えてなくて…
私も忙しくて
なかなかLINEも返せなくて…
でもどうしてもツアーが始まる前に
お守りを作りたくて…
やっと時間ができたから
今日作ろうっと♡♡
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♡の家まで会いに行って
屋上で一緒に朝陽を見て、
♡が俺んちまで送ってくれたあの朝以来…
俺はやっぱり忙しくて
全然会いに行けなくて。
電話も全然出来なくて…。
ホットロードの撮影は
やっと昨日、クランクアップを迎えたけど
年末特番ラッシュもあって
ツアーリハも大詰めで。
そんな合間を縫って
なんとか♡へのXmasプレゼントだけは
買いに行った。
でも…今日…
渡せんのかな…コレ…。
臣)今日か明日…、
どっかで1時間空かない?
S)え??
どっかでってこのへん??
臣)いや、横浜じゃなくてw
都内で!
S)うーん…1時間?
臣)30分でもいいから!
S)30分……
臣)もう5分でもいーよ!
一瞬会えるだけでもいいから…
俺に時間をくれ…!!
S)ちょっと事務所戻ってみてからじゃないと
なんとも言えないなー
臣)だよね…。
S)うん。
とりあえずこの撮影終わってからだなー。
臣)わかった。
どうか…
少しでもいいから♡に会えますように…!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
家に帰ってきてお守りを作り始めると、
電話が鳴った。
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
相手はJさん。
♡『はい、もしもし。』
J『♡ちゃん?今どこ?』
♡『お疲れさまです。今は…家です。』
J『帰るの早すぎw』
♡『え??』
J『ご飯行こうよ。』
♡『え…っ』
J『家にいるってことは
好きな人と予定があるわけでも
ないんでしょ?』
♡『あ…えっと…』
でも…
お守り作りたいし…
ってゆーか、
Jさんと二人でご飯なんて、絶対ダメ!!
♡『行かないです。』
J『行こ。』
♡『え、行かないです!』
J『車で迎えに行っていい?』
♡『え、ダメです!!行きません!!』
J『はぁ…
折角メンテナンス入れたのにな…』
♡『あ、社長から聞きました!』
J『え?』
♡『ありがとうございます♡
今日時間出来て嬉しいです♡』
J『…っ』
じゃないとお守り作れなかったし…
♡『それじゃ…』
J『ちょっと待ってよ!』
♡『え?』
J『プレゼントだけ…
渡しに行ってもいい?』
♡『え?プレゼント??』
J『Xmasプレゼント。』
♡『え…っ、そんなの…貰えません…』
J『これくらい貰ってよw』
♡『だって…私…』
Jさんの…気持ちには…
J『一瞬会ってくれるだけでいいから。』
♡『……』
そう言われたけど…
♡『ダメです。ごめんなさい。』
J『ほんと頑なだな~~w』
だって…
J『そーゆーとこが好きなんだけどさw』
♡『え?』
J『わかった…。じゃあ明日。』
♡『あっ、はい…っ!』
J『お疲れさま。』
♡『お疲れさまです!!』
ピッ。
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
♡)きゃっ!また電話だ!
今度はTくんだ。
♡『もしもし?』
T『お前何帰ってんだよ!』
♡『え??』
T『今日折角メンテナンス入ったのに!』
♡『…っ』
T『今同期で集まってんだよ。
お前も来いよ!今どこ?』
♡『あ、ごめん。
もう家に帰ってきちゃった。』
T『はぁ?何してんの??』
♡『何って…お裁縫?』
T『はい???
今から出て来いよ。イブなんだし。』
♡『うーん…行かない。』
T『なんで!』
♡『ごめんね?』
だってお守り作りたいんだもん…。
T『あ、ちょっと待って。
なんか今もう家なんだって。
うん。いや、来ないっつってる。
ああ、うん。』
♡『??』
T『ああ、わり。』
♡『うん。』
T『じゃあ俺会いに行っていい?』
♡『え?!!』
T『渡したいもんもあるし。』
♡『渡したいもの??』
T『うん。』
♡『明日会社でじゃダメなの?
急ぎ??仕事??』
T『ちげーよ!!
会社とかじゃなくて…
会って渡したい。
つーか会いたい。』
♡『え??』
どういうことだろう…?
T『だから…』
お前と一緒にいたいんだよ!』
♡『え?なんで?』
T『イブだから!』
♡『???』
T『お前が好きだから
一緒にいたいっつってんの!』
♡『…っ』
……もう!Tくんってば!!
♡『酔ってるんでしょ!!』
T『はい?!!』
なんかおかしいと思ったら!
♡『飲み会は行かない!
Tくんにも会わない!!
じゃあねっ!』
T『え、ちょ、待てよ!』
♡『また明日ね!お疲れさま!』
ピッ。
♡)もう~~~
Tくんは酔っぱらうと
すぐに変なこと言ってくるんだから!!
♡)はぁ…。
イブだから…、かぁ…。
臣くん…今頃お仕事だよね…
Xmasとか関係ないんだろうな。
映画は昨日でクランクアップだったって
LINEで言ってたけど…
ツアーのリハとかもいっぱいあるよね。
最後に会ってから
また1ヶ月が経っちゃった。
…会いたい……。
♡)……
お守り出来上がったら…
いつ渡そうかな。
忙しいだろうから…
お家のポストとか…?
でも…直接渡したいなぁ。
臣くんに借りてるストールは
洗ったら匂いが消えちゃって…
それでも私は毎日つけてる。
♡)……
もう…
何でもいいから…
臣くんに会いたいよ……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
S)臣!!起きて!!
臣)え…?
Sさんに起こされて目を開けると
車はもう都内に戻ってきてた。
S)意外に道空いてるし
思ったより早く帰って来れたよ!
臣)マジ…?!
S)移動もあるから…
30分なら彼女の家寄れるけど、行く?
臣)え!!ほんと!?
一気に目ぇ覚めた!!
臣)つーか…なんで…
S)え?
臣)俺なんも言ってねぇのに…
「彼女の家」って…
S)わかるわそんくらいw
臣)……///
バレバレだったか…///
S)てゆーか彼女、家にいるの?
臣)あ、そっか!会社かも!!
S)それだとまた計算狂うから
ちょっと聞いてみてー
臣)わかった!電話する!!
プルルルル…、プルルルル…
♡『もしもし!!!』
臣『♡?俺!!』
♡『うん!!!』
臣『まだ仕事中??』
♡『ううん!今日はもう家なの!』
臣『え、マジで?!すげぇ!!!』
なにこの偶然!
♡『今日はサンタさんが
早く帰してくれたのー♡』
臣『何それw
つーかさ、今から一瞬
会いに行っていい?』
♡『え!!!』
臣『時間あんまないんだけど…』
♡『待ってる!!!』
臣『……っ』
思いがけない即答が飛んできた。
♡『ほんとに臣くんに会えるの?』
臣『え?』
♡『すっごく嬉しい♡♡』
臣『…っ///』
……ほんと…?///
♡『下で待っててもいーい?』
臣『いや、寒いから中で待ってて。』
♡『えーー!』
臣『部屋まで行くから。』
♡『わかった!!
じゃあ待ってるね♡♡』
臣『うん。』
♡『わーい♡♡
臣くんありがとう♡♡』
臣『うん…。』
♡『じゃあ切るね?』
臣『あーい。』
ピッ。
S)彼女の家でOKね?
臣)あ…、うん…。
なんだろ今の…///
S)どうした?
臣)……
S)おーい!w
臣)あ…っ、えっと…うん。
いや…なんか…
すげぇ喜んでて…///
S)彼女?
臣)うん…
S)臣に会えるから?
臣)…たぶん。
「ほんとに臣くんに会えるの?
すっごく嬉しい♡♡」
そう言ってた。
俺の聞き間違えじゃ…ないよな…?
臣)何今の…、ヤバい…///
S)時間差で照れるなよーw
臣)だって…///
めっちゃ可愛かった。
臣)はぁ…///
やっと…あいつに会える。
1ヶ月ぶり…?だよな…
ああ…
早く会いたい。
ヤバい…俺…
止まんねぇかも…。
S)あれ…なんか道混んできたなー
臣)えっ!!
S)やっぱこのへんは…
臣)え、え、ヤバい??
ここまで来て…まさか…
S)うーん…裏抜けっかなー。
臣)お願い!!
S)はいよー!
絶対会いたいもん!!
S)臣さー
臣)え?
S)いくら久々に会えるからって…
いくらイブだからって…
臣)うん…?
S)盛り上がりすぎて
帰ってこないとかやめてねー
臣)なんだよそれ!w
S)俺下で待ってんだから
ちゃんと戻ってきてよー?w
臣)わかってるよ!w
S)心配だな~~~
そんな話をしてるうちに見えてきた
♡のマンション。
S)うーん…
やっぱちょっと時間取られちゃったな。
余裕見て20分。
20分で戻ってきてよー。
臣)20分??!
S)そ。
臣)30分!
S)ダメ。
臣)25分!!
S)…っ
臣)お願いっ!!
S)わかったよ!w
その代わり猛スピードで着替えてよー?
臣)わかった!ありがと!
行ってくる!!
バタン!!
俺は急いで車を降りて、
ダッシュでマンションに入った。
アルバムを持って、
プレゼントは革ジャンのポケットに入れて、
エレベーターを上がって。
♡の部屋の前まで行くと
ピンポンを押す前にドアが開いた。
臣)わ!びっくりした!
♡)臣くん!!
臣)入って…いい?
♡)うん!!
3回目の♡の家。
入るのは2回目だけど…
臣)お邪魔します。
相変わらずイイ匂いすんな…この家。
つーか…
ま~~た可愛いルームウェア着てんな。
なんだよそれ…///
なんかふわふわしてるし…
袖が余ってて
少しだけ出てる指先が
可愛すぎる///
♡)時間…ないんだよね?
臣)うん。25分て言われた。
♡)え!!細かいね、大変!!
じゃあ余裕見て20分でアラームかけよ。
え…、俺が必死に伸ばした5分!w
♡)よし、これで大丈夫!
この後またお仕事なの?
臣)うん。撮影。
♡)そっか…
あ、座ってーー!
俺がソファーに座ると
♡は立ったままキョロキョロしてて。
♡)えっとえっと…、何か飲む??
臣)いや、いい。
そんなのいらないから…
臣)こっち。
俺は♡の手を引っ張って
隣に座らせた。
臣)時間ないから
少しでもここにいて。
♡)え…っ
俺がそう言うと
♡は少し照れたように俯いて…
♡)…えっと…臣くん…
臣)ん?
♡)忙しいのに…
来てくれてありがとう///
はにかんだ笑顔でそう言った。
臣)……///
ありがとうっつーか…
俺が会いたかったし。
♡)あのね…?
♡はニットから少し出した手で
恥ずかしそうに顔を隠しながら
俺を見た。
♡)…すっごく会いたかったの///
臣)え…?
♡)だから…
…すっごく嬉しい♡♡
臣)……っ
な、何これ!!!///
ヤバい…
可愛すぎてマトモに顔見れねぇ…///
俺はにやけそうな口元を必死に隠して
反対側に目をそらした。
なんなんだ、この破壊力。
俺をどうする気…?///
♡)あ、そうだ!!これ…
臣)ん…?
振り向くと、
名残惜しそうに手渡されたストール。
♡)ずっと借りててごめんね…?
ありがとう…
臣)うん。
♡)……
臣)……
なんか…すげぇ寂しそうなんだけど…
臣)どうした?
♡)え?
臣)しゅんとしてるから…
♡)…っ
臣)…あれ?これ洗ってくれた?
♡)あ…、うん。
臣)さんきゅー♪
すげぇイイ匂いする。
♡)…でも…、臣くんの匂い…
消えちゃったんだもん。
臣)え…?
♡)……
臣)……
またしょんぼりしてる。
♡)でもね、毎日つけてたの…。
臣)え?!毎日!?
♡)うん…。
臣)そんな気に入ったんならやるか?
♡)え!!
臣)いる?
♡)いいの!??
臣)だって毎日使ってたくらい
気に入ったんでしょ?w
全然いいよ。
♡)やったぁ♡♡
俺の言葉に満面の笑みを見せる♡。
このストールが
そんなにお気に入りだったとは…
♡)わーーい♡♡
よくわかんねぇけど
無邪気に喜んでるから可愛い。
♡)臣くんありがとう♡
臣)ん。
♡)Xmasプレゼントもらっちゃった♡
臣)え?!
いやいや!違う違う!w
プレゼントはこっち!
俺は慌ててポケットから箱を出した。
♡)え???
臣)Xmasプレゼント。はい。
♡)え?え?私にくれるの???
臣)他に誰がいんだよw
そのために来たのに。
♡)えーーー!!!
ど、ど、どうしよう!!
うそー!!!
わわわ♡♡♡
え、え、え…///
臣)落ち着けw
♡)だって…!!
あ、あ、ありがとうっ!!///
臣)ん。
♡)開けても…いいの??
臣)どうぞ?
♡)ドキドキ…///
♡はゆっくりとリボンをほどいて…
俺も少しドキドキ。
♡)…あっ!!ピアスだぁ!!
わ、わ、すっごく可愛い♡♡
え!!キャーー!!♡♡
ほっ、喜んでくれた…///
♡)石の周りがお花になってる…♡♡
臣)うん。
♡)こんな可愛いの…
臣くんが選んでくれたの?///
臣)そう…だけど…
♡)わぁ~~~!!!
すっごく嬉しい♡♡♡
ああ~~~
俺はもうその笑顔だけで十分だわ…///
♡)可愛いよぉ♡♡
嬉しいよぉ♡♡
どうしよう~~~♡♡
臣)…ふはっw
♡)ね、ね、つけてもいーい?♡♡
臣)うん。
♡は目を輝かせながら
嬉しそうにピアスを耳につけた。
♡)ね、ね、可愛い?♡
臣)うん。
♡)ほんとに可愛い?♡
幸せそうににこにこ笑って
ピアスを揺らしながら
俺の腕をつかんでくる。
♡)ねぇ♡♡
臣)可愛いってw
♡)わぁい♡♡
臣)……///
俺の言葉に、
また嬉しそうに笑って。
♡)本当にありがとう♡♡
臣)ん。
ほんとに…すげぇ似合ってる。
こんな喜んでくれて…
必死に選んで良かった。
♡)えへへ♡♡
つーか…
そんな顔で笑うなよ…///
ああ…もう俺…ヤバいかも…
♡)あ!!私!!
臣)え??
♡)Xmasプレゼント用意してないや…
臣)え?
そう言うと、
♡はまたいきなりしょんぼりして。
臣)いいってそんなん!!
♡)だって…
こんな可愛いのもらったのに…
臣)ほんとにいいって!w
♡)でも…
臣)マジ気にしないで。
俺があげたかっただけだから。
俺はお前の笑顔だけでいいんだもん。
臣)あ、そーだ。もう一つ。
♡)え?
臣)新しいアルバム。
♡)あーーっ!!
これっ…、1月1日発売でしょ??
臣)うん。でも店着日だけ早まって
昨日になったの。
♡)うそー!!知らなかった!!
臣)だから持ってきたw
♡)え、え、くれる…の?
臣)見せただけ、なわけねーだろw
♡)えーー!!ほんとにっ??
臣)うん。
♡)どうしよう!!
すっごく嬉しい!!♡♡
♡はまた目を輝かせて…
♡)だって早く聴きたくて
すっごく楽しみだったんだもん!
やったぁぁぁ♡♡
そう言って、喜んでくれた。
臣)……///
持ってきて良かった…。
♡)今すぐ聴きたいー♡♡
臣)いや、今はダメw
♡)はっ!そっか!!
時間ないんだった!!
臣)そw
♡)…てゆーか…私…
なんか…もらってばっかりだ。
どうしよう…
臣)だから気にすんなってw
♡)臣くんは何が欲しかった?
臣)いや、いらないってw
♡)やだ!!欲しいの言って!!
臣)…っ
♡がガシッと俺の腕を掴んできた。
臣)んーと…じゃあ…
そうだ、今度またご飯作って。
♡)え!そんなのいつでも作るもん!
そうじゃなくてXmasプレゼント!!
臣)いや、いいってほんとにw
♡)……
あ…ふくれた…。
臣)おーい。
♡)あ!!そうだ!!
臣)ん??
♡)あのね…
臣くんに渡したいものが…
臣)え?
♡)あ!!Xmasプレゼントとかじゃ
全然ないんだけど…
臣)うん?
なんだろ。
♡)…大した物じゃ…ないんだけど…
これ…、
そう言って差し出されたのは、
小さなお守り。
黒のレザーで、なんかカッコイイ。
臣)これ…っ
受け取って見てみると、
三代目のロゴとツアーロゴが入ってる!!
臣)すげぇ…っ!何これ…!!
♡)作ったの…。
臣)え、こんなん作れんの??
どこで??
♡)私が作ったんだよ…。
臣)は??お前??
♡)うん。
臣)ほんとに…??
まさかの…手作り!??
♡)さっき出来上がったばっかりだから
全然ラッピングもしてないんだけど…
ごめんね?
臣)いや、マジですげぇ!!
天才じゃん!!
♡)……///
こんなん作れるとかすごすぎ…!!
臣)めっちゃ嬉しいんだけど…
♡)ほんと…?
臣)うん…ヤバい…
♡)えへへ…良かったぁぁぁ♡
臣)……
ほんとに感動なんだけど…
どうしよう。
俺のために…
こんな忙しいのに
作ってくれたんだよな?
♡)サンタさんのおかげだー♡
臣)え?
♡)えへへ♡
臣)そーいや電話で言ってたよな。
サンタって??
♡)今日ね、Xmasイブだから
みんな早く帰りなさい~って、社長が。
臣)え??
♡)サンタさんの格好してね?
みんなにこれくれたのー♡
臣)うわ、懐かしいコレ!w
長靴のお菓子!!
♡)懐かしいでしょー♡
臣)社長…めっちゃいい人じゃん。
♡)うんっ♡
だから今日は早く帰って来て
お守り作れたんだよー♡♡
臣)……っ
イブなのに…
せっかく早く仕事終わったのに…
遊びに行ったりしないで
これ作るために
わざわざ帰ってきたってこと…?
♡)臣くんが喜んでくれて良かったぁ♡
臣)…いや…ほんとに…、マジで嬉しい。
大事にする。
ありがと……
♡)えへへ…♡
ツアー成功しますように!!って
いっぱい念じておいたから♡
臣)うん。
ほんとに嬉しくて…
なんか胸が熱くなった。
♡)私もこんな素敵なプレゼント
本当にありがとう♡
明日から毎日つけるー♡♡
♡はまた嬉しそうに
ピアスを揺らしてて…
臣)…っ
なんかもう…
どうしよう。
抱きしめたい。
ピピピピピ♪ピピピピピ♪
♡)あ!アラーム!
臣)え!!もう?!!
嘘だろ!!?
早すぎんじゃん!!!!
♡)早かったね……
臣)……
マジかよ…
全然足りねぇ…。
♡)臣くん、急いで~!
♡に急かされて、玄関に向かって。
全然物足りない気持ちを抱えたまま
靴を履いて振り返ると、
♡が俯きながら
俺の手をキュッと掴んできた。
♡)えっ…と…///
なんだよこの可愛い手は…///
♡)ほんとに…ありがとう///
臣)……///
俺が手を握り返すと、
♡は少し潤んだ瞳で俺を見上げて。
♡)来てくれて…ありがとう///
もう一度、そう言った。
臣)……///
そんな顔で…
そんなこと言うなよ…。
♡)臣くんに会えて…嬉しかったよ…///
臣)……っ
ああ…もうダメだ。
我慢の限界。
臣)…っ
気付いたら俺は、
思いきり♡を抱きしめてた。
……ぎゅっ…。
♡)臣…くん…///
臣)……Xmasプレゼント、
やっぱ欲しい。
♡)……え?
臣)少しでいいから…
こうしてて…
♡)…っ///
ただただ夢中で…
♡をきつく抱きしめる。
我慢してた分、爆発した。
ああ…
♡の甘い匂い…。
ドキドキ…
ドキドキ…
静かな玄関で…
心臓の音だけが、聞こえるみたいで。
♡)…臣…くん…///
時間…っ
臣)あと5分あんじゃん。
♡)もうそんなにないよっ///
臣)……
そんなこと言われたって…
臣)嫌だ。離したくない。
♡)……///
このまま…ずっと…
抱きしめてたい。
俺がぎゅっと力をこめると…
……ぎゅっ…
え…?
♡が俺を抱きしめ返してきた。
臣)…っ
少しびっくりして、
そっと身体を離して顔を覗くと…
♡)////
♡は真っ赤になって俯いてる。
臣)////
今…
間違いなく俺のこと…
ぎゅってしたよな…?
臣)…っ
俯いたままの♡の首筋に
左手を添えて…
右手は頬に触れて、
俯いてる顔をこっちに向けさせた。
♡)…っ///
俺を見上げた瞳は
熱く潤んでて…
臣)……///
ダメだ、止まんねぇ。
そのまま唇を近付けて
キスしようとすると…
♡は目をぎゅっと瞑って、顎を引いた。
臣)♡。
♡)…っ///
臣)♡。
♡)////
臣)こっち向いて。
♡)やっ///
♡が顔を上げないから
俺はそのまま額をくっつけた。
どくん…
どくん…
首筋から…
頬から…
触れてる手のひらに、熱が伝わってくる。
額も、少し…熱い。
臣)お前、身体…熱い。
♡)////
そのまま頬を撫でると、
♡はピクンと反応して。
♡)臣くん…っ!時間!///
臣)……
♡)もうだめっ!!///
そう言って、
両手にぐいっと身体を押された。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
バクバク…
バクバク…
心臓が、壊れそう。
♡)早く…行かないと…///
臣)うん…
臣くんの…顔が見れない。
臣)また…連絡する。
♡)……(こくん)///
そう言って振り返った臣くんは…
玄関のドアを開けようとして、
もう一度こっちを向いた。
♡)…っ
その拍子に
腕を掴まれて、引き寄せられた身体。
頭の後ろを支えられて…
チュッ。
♡)?!!
おでこに触れた感触が、
臣くんのキスだってわかるまで
数秒かかった。
♡)~~~////
一気に顔が熱くなって…
臣)おやすみ。
バタン。
臣くんはそのままドアを出て行った。
♡)////
い、い、今の…なに?!!///
顔からシューシュー湯気が出そう。
心臓がバクバクして…
顔も身体も熱くて…
私は思わずその場に座り込んだ。
♡)…っ///
………お、おでこに…
チューされた////
バクバク…
バクバク…
いきなりのことすぎて…
パニパニだったけど…
おでこに…
チュー……
♡)////
ど、ど、どうしよう!!
死んじゃう!!///
おでこにチューー!!!///
キャーー!!////
♡)…っ////
その前だって…
えっとえっと…
あれは…
キス…、しようとしてたんだよね??
違うの…かな?
だって…だって…
臣くんの顔がゆっくり近付いてきて…
く、く、唇が…っ
目の前だったもん…っ!///
びっくりして、
思わず下を向いてよけちゃったけど…
こっち向いてって言われて…
わぁぁぁぁ!!////
な、何あれ!!どうしよう!!///
その後に、おでこがくっついて…
ほっぺに優しく触れる
臣くんの手のひらからも…
臣くんの温度が伝わってきて…
♡)////
どうしよう!!
ドキドキしすぎて死んじゃうよぉ!!
わーんっ!!////
………会えただけで…
すっごくすっごく嬉しくて…
抱きつきたいくらい嬉しくて。
ストールをくれたのも…
ピアスをくれたのも…
本当に本当に嬉しくて…
胸がぎゅってなって
臣くんにぎゅって抱きつきたくなった。
でも…
実際にぎゅってされたら…
心臓が止まりそうで…。
♡)////
時間だよって、言ったのに…
「嫌だ。離したくない。」
そう言われて…
もっとぎゅってされた。
私も…
心臓が止まりそうだったのに…
それでも…
離してほしくないって
そう思っちゃって…
♡)…っ///
わぁっ!!!
恥ずかしすぎる///
どうしよう!!
誰か助けて!!
わぁぁぁんっっ!!!////
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガラガラガラッ
S)お帰りー!すぐ出すよー!!
臣)うあ~~~~!!///
S)え???
ドサッッ
ドアを開けてすぐに、
車のシートにダイブした。
S)出すよー??
臣)んっ!!
車はすぐに走り出して…
俺は…
もう…
臣)ダメだ…////
S)え??
なんか…顔が熱い。
あいつのことが…好きすぎる。
臣)ううう…///
もし仕事じゃなかったら…
あのまま一緒にいたら…
俺何してたかわかんねぇ。
だって…
何だよあれ!!///
最初っから最後まで…
ずっと可愛くて…
臣)////
萌え袖ずりーし…
可愛く笑ったり…
恥ずかしがったり…
会いたかったとか…
嬉しいとか…
そんな可愛いことばっか言って。
最後なんて…
あんなに可愛く、俺の手…握ってきて…
あんなん…
我慢できっかよ!!///
臣)ううう…///
なんであんな…
思わせぶりなことばっか…
臣)……っ
………あれ…?
思わせぶり…
じゃ…ないのかな…。
……だって…
「すっごく会いたかったの///」
そう言ってた。
「だから…すっごく嬉しい♡♡」
臣)…っ
好きじゃない男に…
あんな可愛く、嬉しいとか…言う?
……もしかして…
最近逃げられてばっかで
ちょっと自信なくしてたけど…
もしかして…
もしかして…
あいつも俺のこと…
好き…、なのかな……
臣)////
わ、わ、ちょっと待て////
ダメだ!
調子ん乗ってそうじゃなかった時、
すげぇダメージでかい!
臣)…っ
でも…
最後だって…
あいつからぎゅって…
抱きしめ返して…くれたよな?
臣)////
うわ…
うわ~~〜!!!///
S)ちょっと、生きてるー?
臣)え?!
S)なんも喋んないからw
臣)生きてる!!
S)どうだったのー?
プレゼント渡せたの?
臣)渡した!!
S)良かったねーw
臣)ねぇ!!
S)なにー?
臣)あいつ、俺のこと…好きなのかな?
S)ぶっ!!!
何いきなり!!ww
臣)だって…
ちょっと今…
頭がパニックで…
S)そうなんじゃないのー?
臣)なんで?!
S)だって…
臣に会えるって喜んでたんでしょー?
臣)うん。
S)実際どうだったのー?
喜んでたー?
臣)うん…///
すっげぇ喜んでた。
可愛すぎて、死んだ。
S)じゃあ好きなんじゃんw
臣)ほんとに?!
ほんとのほんとに!??
俺、期待していいの?!!
S)ちょっと…
臣…可愛すぎるんだけどw
何なのそれ…w
臣)やべぇ…どうしよう…///
S)……
ほんとに…そうなのかな…?
やっと…俺のこと…
好きになってくれたのかな…?
もし…
もしそうだったら…
俺…多分、嬉しくて死ぬ///
臣)……はぁ…///
ドキドキしながら…
それが現実であることを願って…
俺は♡からもらったお守りを、
ぎゅっと強く握った。
ーendー
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マイコさ〜ん
忙しいのに毎日の更新のうえ、
リニューアルまでありがとう(๑˃̵ᴗ˂̵)
玄関シーンの
両手にぐいっと身体を押された。は
両手でぐいっとではないですか?
これじゃ♡ちゃん臣くんに抱きつきに行っちゃってる(笑
は!そっか!わかりにくいかも!(´⊙ω⊙`)
これは、♡ちゃんの両手にグイッと臣くんの身体が押された、ということです!汗
リニューアルまだまだ終わらん。゚(゚^ω^゚)゚。頑張ります!
少し前から番号が変わってタイトルが変わったとこがあって…ってのは気付いてましたが、内容も少し変更したんですね。
マイコさん、忙しくて♡ちゃんみたいに貧血起こさないでね…(´・̥̥̥̥̥̥_・̥̥̥̥̥̥`)
Jさんのセリフのところ、「頑な」か「頑固」じゃないですか?
ほんまや!(´⊙ω⊙`)送り仮名抜けとる!!
直しておきます!ありがとうです!校閲ポイント差し上げます!
12月から出逢い編リニューアルかけてるので誤字脱字また出てきそう…あわわヾ(・ω・`;))ノ三ヾ((;´・ω・)ノ