それから○○駅で降りて
♡の家まで歩くと、
本当にあっという間に着いちゃって。
臣)こっちだとほんと近いんだなー
♡)うん。
臣)……
♡)……
まだ…一緒にいたいんだけど…
目の前はもう家だし…
おとなしく帰るべき?
♡の顔をチラッと見ると
俺の顔を見た後、うつむいた。
♡)なんか…
今日ずっと一緒にいたから
バイバイするの寂しいな…
臣)えっ…?
うわ…何それ…っ
そんな可愛いこと言う?!
そんなん俺…期待しちゃうけど…///
♡)送ってくれてありがとう♡
臣)え…っ
♡)じゃあ…
臣)あ!待って…!
寂しいって言ってくれたのに
帰るんかい!!
臣)えっと…、ちょっと話さない?
♡)え…?
臣)…公園で。
♡)……
臣)少しだけ。
♡)うん。
ほっ…
OKもらえた…。
この間、花束を渡した
マンションのすぐ隣の公園。
俺たちはまた、
ベンチに並んで腰掛けた。
♡)ごめんね…。
臣)え?
♡)私がワガママ言ったから?
臣)え!!違う!!
話したかったから。
まだ。
♡)……
ワガママなんかじゃないし!
嬉しかったし!
♡)そういえば…
この間の電話の用事って
なんだったの?
臣)……あ。
やべ。
♡)あの後、思い出した??
臣)うーん…
♡)?
臣)…いや、用事なかった。
♡)え?
臣)元々用事なかった…。
♡)え?
臣)声聞きたくて
電話しようと思っただけ。
♡)私の…声?
臣)うん。
♡)どうして?
臣)……
ストレートに言ってみたら、
ストレートに聞き返された。
臣)なんでだろね?
♡)え…
♡の瞳を覗くように見つめると、
夜でもキラキラしてるその瞳は
俺をじっと見つめ返してきた…。
臣)……
♡)……
ああ…なんか…
また吸い込まれそう。
キスしてぇ……
ピロピロ♪ピロピロ♪
臣)うわっ!びっくりした!!
夜の静けさの中で、
いきなり鳴り響いたLINEの音。
臣)あ…さくちゃんだ。
♡)あ…ほんとだ。
『今日の写真送るねー(*^o^*)📷🎵』
♡)え?写真?
臣)そんなん撮ったっけ?
ピロピロ♪ピロピロ♪
ピロピロ♪ピロピロ♪
♡)わ、すごい!次々来る!
臣)なんだこのLINEテロw
送られてきた写真は
さくちゃんが賢司と写ってる写真や
太一さんと子供たちの写真だった。
同じグループLINEに届いてるから、
♡は自分のスマホを膝に置いて
俺のスマホを一緒にのぞいてきた。
臣)いつの間に撮ってたんだろ。
♡)全然気付かなかったぁ…
私たちサッカーに夢中だったもんねw
臣)うん。あ…
♡)あ…
今度はたて続けに
俺たちがサッカーをしてる写真が
送られてきた。
♡)私たちも撮られてたんだ!
臣)あはははww
何これ!!動いてっから
ブレまくりだし!!w
♡)あははw ほんとだ!!
臣)これとかもう残像拳じゃんw
♡)あははw 残像拳って…!w
ブレまくりの写真を
二人で笑ってると
1枚だけブレてない写真があった。
俺たちが笑ってる写真なんだけど…
夕陽が当たってて
♡の笑顔がすげぇキレイで…
♡)わ、すごい…何これ…
臣)キレイだなーー…
♡)うん。臣くん…キレイ。
臣)え?俺!??
♡)うん。夕陽が当たってて…
臣)……
♡)でもなんかこの写真…、
ちょっと恥ずかしい//
臣)ジャケ写みてぇ…w
少しくすぐったいその写真から目を離して
顔を上げると…
同じタイミングで♡も顔を上げて…
♡臣)わ…っ!///
顔がめちゃくちゃ近くて、
びっくりした…///
♡)……///
あ、なんか距離取られたんですけど…
♡)えっと…えっと…///
海楽しみだね!!
なんだその無理矢理な話題転換…
臣)そうだね。
♡)臣くんも楽しみ?
臣)うん。
♡)そっか♪
臣)♡の水着が。
♡)えっ…!
ちょっと!!///
臣)あはははw
♡がワンテンポ遅れて
腕を叩いてきた。
♡)もう~~~!!
臣くんのばか……
あ、またほっぺ膨らんでる。
♡)…何色にしよっかな……
臣)水着?
♡)うん…
臣)どんなん持ってんの?
♡)えっと…
薄いピンクの花柄と…
ネイビーのボーダーと
真っ白のやつ…
臣)白!!
♡)え?
臣)絶対白!!
♡)…っ
臣)……
♡)じゃあ…白にする…
臣)うん。
…って、素直だな…。
俺が言ったやつにしてくれんだ。
♡)でもやだなぁ…
臣)何が?
♡)…だって…
臣)??
♡)さくちゃんみたいに
スタイル良くないもん…
臣)え??
そんな変わんねぇじゃん。
むしろお前の方が…
♡)変わるもん!
あんなにおっぱい大きくないもん!
臣)…っ
おっぱいの話かーい!w
うーん…
大きくないもんって言っても…
普通にCくらいありそうだけど…
♡)あ!!!
臣)ん?
♡)今おっぱい見たでしょ!!
臣)え…っ
いや、だって…
♡)エッチ!///
臣)エッチって…///
確かに見たけど…
胸隠しながら赤い顔して
エッチとか言われても…///
臣)別に普通にあんじゃん。
♡)え??
臣)胸。
♡)~~~!!!
ばかぁ!エッチー!///
あ。
また距離を空けられた。
そんなエッチエッチって連呼されると…
ほんとにエッチなこと
したくなるんですけど…
俺は立ち上がって
ベンチの端っこまで逃げた♡の横に、
座り直した。
♡)え…、え…っ
臣)遠い。
♡)……///
臣)……
♡)ち、近い…///
臣)いいじゃん。
♡)…っ
せっかく一緒にいんのに。
少しでも近くにいたいもん。
臣)でも…あと1ヶ月くらい先かー
♡)…海?
臣)うん。
また遠いよなーー
♡)臣くんは…
いっぱいLIVEあるんだもんね。
臣)うん。
♡)頑張ってね?
臣)もちろん。
♡)あはは♡
でも…仕事が忙しいせいで
あと1ヶ月もまた会えないとか
俺、無理。
臣)飯食いに行かない?
♡)え?
臣)来週とか。
♡)え?
臣)忙しい?
♡)ううん!私は大丈夫だよ。
臣)じゃあ行こ。
♡)うん。
臣)何食いたい?
♡)私は何でもいいよー♡
あ、LINEで聞いてみる?
臣)はい?誰に??
♡)え?さくちゃんと賢司くん。
臣)え???
♡)え?
臣)二人で行こうって意味だけど。
♡)えっ…!
デートに誘ってるんですけど…
伝わってる?
臣)二人で行きたい。
♡)……うん。
臣)いい?
♡)うん…。
うんって言ってくれたけど…
♡はそのまま俯いて…。
どう思ってんのかな。
臣)で、何食いたい?
♡)あ!そっか…
えっと…何だろう…
臣)あ、あの店にする?
♡たちが働いてたとこ。
♡)あ、行きたいっ!!
臣)あそこ美味いし。
♡)あ、でもダメだ!!
臣)え?
♡)あそこすごく高いもん!!
臣)え、いいじゃん。
♡)え?
臣)ご馳走しますけど…
♡)えっ!
臣)じゃああの店に決まり。
♡)え、待って!
ほんとに高いよ!!
臣)いや…学生の時はツラかったけど
もう大人ですよ?w
♡)それでも…高いよぉ…
臣)いいじゃん。俺出すって。
デートなんだから
全部出すに決まってんじゃん。
♡)だって…いっつも臣くんに
ご馳走になってるもん。
臣)ダメなの?
いくらでもご馳走したいけど。
俺は。
臣)じゃあさ、またクッキー焼いてよw
♡)そんなんでいいの??
臣)あ、そうだ!
俺まだ食ってなかったんだ!!
食っていい?
♡)…っ
俺はさっきもらったクッキーの袋を開けて
一つ口に入れた。
……サクッ
臣)え…っ
♡)え…っ
臣)……
♡)ドキドキ…っ
臣)うま。何これ。
♡)え、え、ほんと?
臣)めっちゃ美味い。
♡)わぁ~良かったぁ♡
手作りのクッキーとか
食ったことあるけど…
こんな美味いの食ったことねぇし…
臣)すげーーほんとに美味い。
こーゆーの、よく作んの?
♡)うん。お菓子作るのは好きだよー!
臣)料理は?
♡)料理も好きだよ♡
臣)そうなんだ。
♡)うん!
臣)いつでも嫁に行けんなー。
♡)あはは♡
臣くんもらってくれるんでしょ?w
臣)え?あ……///
いや、あれは勢いで…、ごめん///
♡)あはははw
臣)つーかもらうっつったら来んのかよw
♡)え?
臣)嫁に。
♡)え…っ
臣)……
俺が♡の目をじっと見つめると、
♡は動揺したように立ち上がった。
♡)もう帰ろっか!!
そろそろ…
あ…ごまかされた…。
♡)明日も…早いし…
あ!てゆーかほんとに
早いんだった!!
忘れてたんかいw
臣)ごめん。
♡)え?
臣)明日早いのに…
付き合ってくれてありがと。
♡)え、全然だよ!!
臣くんと話すの楽しいし!!
臣)…ほんと?
♡)うんっ!
臣)……
嬉しい。
俺なんかもうずっと話してたいけど…
いつも時間があっという間で。
マンションの前まで行くと
♡がくるっと振り返った。
♡)じゃあ…おやすみなさい。
臣)うん。クッキーありがとね。
♡)えへへ…♡
臣)これ…、一日一個ずつ
ちびちび食べればいいんでしょ?w
♡)え、いいよ!w
臣くんは普通に食べて!w
臣)あはははw
♡)食べたいものあったら
いつでも何でも作るからー!
臣)え、ほんと?
♡)うん!
あ、今日の分は何がいーい?
臣)え?
♡)ご飯ご馳走になったから…
臣)何でもいいの?
♡)え?うん…
難しいのじゃなければ…
臣)……
お菓子も嬉しいけど…
何でもいいんならキスしたい。
って言ったら逃げ出しそうだな…w
♡)なぁに?
臣)え?
♡)食べたいお菓子なぁい?
ケーキとか…パイとか…
マフィンとか…タルトとか…
臣)難しいのも作れんじゃん!w
♡)え!だって今のは難しくないもん。
臣)そうなの?
♡)うん。
臣)じゃあ…マフィン。
♡)マフィン?わかったよー♡
臣)……
♡)……?
臣)……
♡)どしたの??
ほんとは違うものがいい?
臣)うん。
♡)え?なぁに?
なんでわかったんだろ…
俺そんな顔してたのかな。
俺が♡に手を伸ばすと、
♡がサッと一歩後ろに下がった。
臣)…っ
何この反射神経!
♡)え…?
えっと……え??
もしかして俺、警戒されてる??
臣)ごめんw
マフィンがいい。
♡)ほんと?
臣)うん。ありがと。
♡)ううん♡
キスしたい気持ちを誤魔化してそう言えば
♡も笑ってくれた。
♡)じゃあ…
臣)うん。おやすみ。
♡)おやすみなさい。
♡がマンションに入って行くまで
その背中を見送って。
今日は振り返んないかな…
と思って見てると、
ドアを開けて中に入る直前に
少し振り返って…
俺に気付いて、
また可愛く手を振ってきた。
俺が手を上げると
にこっと笑って、中に入っていった。
は~~~~///
なんか…
今日ほんと可愛かったなーー
服掴んできたり…
バイバイするの寂しいとか言ったり…
あんなん…
都合良く解釈するなら
俺と離れたくないって意味じゃねーの?
どうなんだろ…
エッチとか言って
恥ずかしがってんのも可愛かったなーー
なんなんだよあれ~~///
ちょっとは…俺のこと
意識してくれてんのかな。
あ~~もう~~
どう思ってんのか気になるーーー
俺が♡のことばっかり考えて
家に着く頃、
♡からLINEが来た。
♡『今日は本当にありがとう(≧∀≦)💕
ごちそうさまでした💕✨』
前からちょっと思ってたけど…
あいつって
俺が家に着くくらいに
LINE送ってくれてんのかな?
臣『うん。ただいま。』
♡『あ、おうち着いたー?
お帰りなさい(๑^ ^๑)/🎵
って、なんか変だね笑』
臣『明日早起き頑張れよー』
♡『うん!おやすみなさい💕』
臣『おやすみ。』
なんか…
あいつってLINEに「💕」多くない?
勘違いしそうになるから
やめてほしいんですけど…
他の男にも送ってんのかな…
なんか無邪気に使ってそうだよなーー
あ~~~~
臣)はぁ…。
俺の頭の中、♡のことばっか。
ーendー
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