[93]重なる心

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いつもハルくんと遊んでた公園。

こんなに年月が経っても、何も変わってない。

 

今でも鮮やかに蘇る記憶。

 

いつもハルくんがそばにいてくれて
ハルくんの隣で笑って…

私は本当に幸せだった。

 

芝生を抜けて、砂利道に出ると
奥に見えるベンチ。

 

♡)…っ

 

そこにハルくんの姿を見つけて
胸がギュッてなった。

 

膝に腕を乗せてたハルくんは
顔を上げて私を見つけると
すぐに立ち上がった。

 

ハ)♡……っ

 

私は…言葉が出てこなくて…

 

ハ)来てくれて…ありがとう。
♡)……
ハ)ここ、おいで…?
♡)……

 

優しい声でそう言われて…

私はゆっくり近付いて
ハルくんの隣に腰掛けた。

 

ハ)来てくれて…ありがとう。
♡)……(こくん)
ハ)すごく早かったから…びっくりした…
♡)……
ハ)連絡先わからなかったから…
  修二に頼んだんだ。ごめん。
♡)……

 

ハルくんに名刺をもらったのに
私が連絡しなかったから…

 

ハ)近くに…いたの…?
♡)……(こくん)
ハ)……
♡)近くで…用事が…あったから。
ハ)そっか……
♡)うん。

 

やっと、喋れた。
ゆっくりだけど…

 

ハ)なんでそんな力入れてるの…

 

スカートをぎゅって握ってる私の手を
ハルくんの手のひらが、優しく覆った。

 

♡)…っ

 

昔とは違う。
大きな手のひら。

 

♡)……あ…、

 

その腕には…、昔と同じ…傷跡。

私を助けてくれた時の…

 

♡)……
ハ)それ…、♡の癖…。
♡)え…?
ハ)この傷跡見ると、そうやって撫でるの…
♡)…っ

 

完全に、無意識だった。

 

♡)ごめっ…んなさい…

 

慌ててハルくんの腕から手を離したけど…

またスカートをぎゅって掴みかけた私の手は
ハルくんの手に、優しく握られた。

 

♡)……っ

 

とくん…

とくん…

 

手のひらから伝わる、ハルくんのぬくもり。

毎日繋いでた、あたたかい手。
身体が覚えてる、この温度。

 

ハルくんの優しさまで伝わってくるみたいで
すごく安心するの。

 

とくん…

とくん…

 

♡)ハル…くん……

 

私がハルくんの手を小さく握り返すと
ハルくんは優しく微笑んだ。

 

♡)……

 

どうしよう…

なんかわかんないけど…

私…、ハルくんをぎゅってしたい。

抱きしめたい。

 

ハ)…クラス会の時、全然話せなかったから…
♡)……うん。
ハ)♡と話がしたくて…
♡)うん…。

 

穏やかな声で話すハルくんは
昔のままで…

繋いでる手のぬくもりも、昔のまま。

 

大好き……

ハルくんが、大好き…。

 

二人で過ごしたこの場所は
二人の時間も…巻き戻してしまうみたい。

 

ハ)6年生の…冬休み……
♡)……
ハ)……
♡)……

 

思い出すのは
最後に見た、ハルくんの笑顔。

 

明日から冬休みだねって…そう言って。

ハルくんは
私をめいっぱい、抱きしめた。

 

きっとあれは…
ハルくんにとって…最後の……

 

ハ)何も言わずに…いなくなって…
♡)……
ハ)本当に…ごめん…。
♡)……

 

苦しそうなハルくんの声に
目に涙がじわって浮かんで…

キュッと唇を噛んだら、

 

繋いでるハルくんの手が、小さく震えた。

 

♡)…っ

 

隣に顔を向けた拍子に
私の目に溜まってた涙はポロッと流れ落ちて

見つめた先、
ハルくんの頬にも…涙が伝っていた。

 

それを見て、
私の涙もまたあふれてくる…。

 

♡)……っ
ハ)……っ

 

ハルくんの涙を見て、
キュゥゥっと締まって苦しい喉を
無理矢理開いて、言葉を紡いだ。

 

♡)謝ら…ないで……
ハ)……っ

 

泣かないで、ハルくん。

 

♡)ハルくんは…優しいから…
  私が泣いちゃうの…わかってて…
ハ)……
♡)だから…言えなかったんでしょ…?
ハ)……っ

 

私がそう言うと、
ハルくんは首を横に振って…

 

ハ)♡を悲しませるって…
  そう思ったから…言えなかったけど…
♡)……
ハ)でも本当は…っ
♡)……
ハ)♡を悲しませたことに
  自分が傷つくことが怖かっただけで…
  俺が臆病なだけだったんだと思う…っ
♡)……っ

 

ハルくんの目から
ポロポロと涙がこぼれて…

でも私も泣いてるから…
……視界が揺れる。

 

ハ)♡の…悲しい顔を…見たくなかった…っ

 

そう言ってハルくんは
より一層、私の手をぎゅっと握った。

 

♡)だから…最後は…笑顔だったでしょ…?
ハ)……っ
♡)私が覚えてる…最後のハルくんは…
  笑顔だった。
ハ)……
♡)ハルくんが覚えてる…最後の私も…
  笑顔でしょ…?
ハ)……っ
♡)悲しい顔じゃなくて…良かった。

 

臆病とかじゃない。
それは間違いなく、ハルくんの優しさ。

 

ハ)ごめん…っ
♡)…謝ら…ないで……

ハ)ごめん…っ
♡)ハルくん……

ハ)会いたかった…っ
♡)…っ

ハ)会いたかった…!
♡)…っ

 

そう言って抱き寄せられた
ハルくんの腕の中で

私は涙を止めることが出来ないまま
必死にハルくんをぎゅっと抱きしめた。

 

ハ)会いたかった…っ
♡)ハル…くん…っ

ハ)会いたかった……
♡)…っ

 

__心が、震える。

 

♡)私も…会いたかった…っ

 

涙と一緒に…気持ちがあふれ出す。

 

♡)ハルくんに…会いたかった…っ

 

会えなくなって…
寂しくて、辛くて…

胸が張り裂けそうだった。

 

こんな辛い思いを
ハルくんもしてるのかなって…

ハルくんが私みたいに泣いてたら
どうしようって…

そう思うと余計に胸が苦しかった。

 

どうかこんな思いをしてるのは
私だけでありますようにって

何度もそう思った。

 

ハルくんには笑っていてほしい。
幸せでいてほしいって…何度も……

 

……

 

 

♡)ハルくん……
ハ)……

 

どれくらい抱きしめ合ってたか
わからない。

 

ハ)♡……
♡)……

 

抱きしめながら…
お互いを確かめ合うように

たまに名前を呼んで

また、抱きしめ合う。

 

そんな繰り返しのあとに、
そっと身体が離れると…

 

ハ)…泣かせて…ごめん……

 

ハルくんはそう言って
私の頬を優しく拭った。

 

その瞳を真っ直ぐに見つめると…

 

ハ)泣かせて…ごめん。
  寂しい思い…させて…ごめん。

 

ハルくんの瞳から、またこぼれた涙。

 

私はそれを受け止めるように
手のひらでハルくんの頬を包んだ。

 

ハルくんはごめんって言うけど…
ハルくんも同じ気持ちだったんだって…
わかるから。

 

ハ)……これ…、
♡)……

 

ハルくんが取り出したのは
小さな手紙。

 

♡)…っ

 

それは…
私が6年生の時に書いた…
ハルくんへの気持ち。

 

♡)どう…して……っ

 

どうしてハルくんが持ってるの?

 

ハ)さっき、もらってきた。
♡)…っ

 

届くはずないって、思ってた。

届かないってわかってたけど
届けたかった気持ち。

 

一度も言葉に出来なくて…
それを何度も後悔した。

 

開いた便箋には…
あの頃の私の気持ちが
そのまま。

 

♡)…ほんと…は……
ハ)……
♡)大好き…って…、…言いたかった…
ハ)……
♡)いつも大好きって…思ってたのに…
ハ)……っ

 

ハルくんに会えなくなって
それでもその気持ちは消えなくて…

 

ハルくんに会いたいです。
今、どこにいますか?
笑っていますか?
ハルくんを待っていてもいいですか?

書きたい言葉はたくさんあった。

 

でも、書けなかった。

 

『ハルくんへ

 大好きです。

 ♡より』

 

これしか、書けなかったの。

 

ハ)…俺も……
♡)……
ハ)一度も気持ちを言葉にしたこと
  なかったけど…
♡)……
ハ)伝わってると思ってた。
♡)……っ
ハ)言葉にしなくても、伝わってるって…
♡)……うん。

 

だって、あんなに一緒にいた。

 

伝わってたよ。

あんなにお互いを大事に思ってたこと
ちゃんとお互いに、わかってた。

 

ハ)でも、この手紙…嬉しかった。
♡)……っ
ハ)俺も大好きだったよ、♡。
♡)…っ

 

突然行き場を失くした
ハルくんを好きな気持ち。

あの時の私の「大好き」を
ハルくんが今、受けとめてくれた。

 

♡)ハルくん……
ハ)……
♡)今日ね、この道を一人で歩いて…
  昔はいつも隣にハルくんがいたなぁって
  思い出してたの。
ハ)……

 

私はいつだって一人じゃなかった。

 

♡)どんな時も…
  ハルくんがそばにいてくれて…
ハ)……
♡)私、本当に幸せだったなぁって…
ハ)……

 

どれだけこの手に、守られていたんだろう。

 

♡)いくらお礼を言っても足りないくらい…
  ハルくんにはありがとうが
  いっぱいなの……
ハ)……

 

ずっとずっと、伝えたかった気持ち。

 

♡)ハルくん…
ハ)……

 

透き通るような瞳を、
もう一度まっすぐに見つめた。

 

♡)本当にありがとう。
  ハルくんのこと、大好きだったよ。
  本当に本当にありがとう。

 

初めて自分で伝えられた言葉。

やっぱり涙はこぼれちゃうけど…

ちゃんとハルくんに、伝えられた。

 

ハ)♡……、

 

ハルくんはまた私をぎゅって
抱きしめてくれて…

 

ハ)大好きだったよ。
  …ずっとずっと…大好きだった。
♡)……

 

あたたかい言葉。

 

ハ)愛してる。
♡)……っ
ハ)愛してるよ、♡。
♡)…っ

 

その言葉にまた、涙があふれるのは…

 

ハルくんの愛が…
すごくあたたかくて優しくて

心に沁みたから。

 

私が知ってる、陽だまりみたいなハルくん。

 

ハ)愛してる……

 

このぬくもりを、覚えてる。

 

……

 

 

そっと身体が離れると…
ハルくんは私の頬を優しく包んで…

 

ハ)愛してるよ、♡。

 

優しく笑って、そう言ってくれた。

 

♡)……っ

 

その優しい瞳に、また涙が…滲んでくる。

 

♡)私…も…っ……
ハ)……

 

伝えたい。

 

♡)愛してるよ、ハルくん…。
ハ)……っ
♡)愛してる。
ハ)…っ

 

「好き」なんかじゃない。

 

それよりもっと…

深くて…あたたかくて…尊い気持ち。

 

私はハルくんを、愛してる。

 

また繋いだ手と手。

繋がった二人の気持ち。

 

もうそれ以上、言葉は要らなくて…

 

ただ二人で静かに、
沈んでいく夕陽を眺めてた。

 

ハ)綺麗だね……
♡)……うん。

 

オレンジ色に、染まっていく空。

まるで…
あの日みたいに。

 

ハ)最後に…見た空……
♡)……
ハ)…覚えてる?
♡)覚えてるよ。

 

忘れるわけない。

パパとハルくんと瞬と4人で見た
あの景色。

 

ハ)アメリカにいる時も…
♡)アメリカ?
ハ)ああ、うん。
  俺、アメリカにいたんだよ、9年間。
♡)……

 

知らなかった。

 

ハ)でも、向こうにいる時も
  空を見上げるたびにいつも思ってた。
♡)……
ハ)……
♡)空は…繋がってる…って?
ハ)…うん。
♡)……

 

パパが教えてくれたこと。

私も何度も思った。

 

この空の向こうで
ハルくんは何をしてるんだろうって。

何を思ってるんだろうって。

空を見上げる度に……。

 

私たちは…
同じ気持ちだった?

 

ハ)今みたいに…
  パソコンやスマホがあれば…
  何か違ったのかなって
  思ったりもしたけど…
♡)もしあの時にあったら…
  毎日顔見ながら電話出来たね!
ハ)うん。
♡)そしたら…
ハ)……
♡)……

 

そしたら、寂しくなかったし…

ハルくんは
アメリカに行くよって
私に教えてくれたのかな。

 

ハ)もしあの時こうだったら、なんて…
  考えたって仕方ないんだけど…
♡)……
ハ)♡とのことは…
  どうしてもそう考えてしまう。
♡)……っ

 

オレンジ色の夕陽が空に溶けるように
ゆっくりと消えていく。

 

繋いでいた手が離れると

ハルくんはそのまま立ち上がった。

 

ハ)♡、来てくれてありがとう。
♡)……っ
ハ)暗くなるし…そろそろ帰ろうか。
♡)……

 

やだ。

 

ハルくん、やだ…っ

行かないで…っ

 

……ドンッ

 

ハ)♡…?!
♡)…っ

 

私の身体は勝手に動いて、
ハルくんの背中に抱きついてた。

 

まだ、行かないで。

 

やだ。

やだよ、ハルくん…っ

 

ハ)……
♡)…っ

 

ハルくんは私の手を優しくほどくと…
私の方を振り返って…

 

ハ)♡……、

 

今度は正面から優しく抱きしめてくれた。

 

♡)……

 

とくん…

とくん…

 

私が泣き出しそうな時は
ハルくんがいつも抱きしめてくれた。

 

ハルくん…

ハルくん…

 

大好き。

 

♡)離れたく…ない……
ハ)…っ

 

ハルくんの背中を…ぎゅっと掴んだ。

 

離れたくない。

やだ。

 

ハ)♡……、
♡)や…だ…っ

 

私、何を言ってるんだろう。

こんなワガママ、どうして……

 

♡)ハルくん……

 

だって、このまま別れたら…

 

♡)もう…会えないの…?

 

不安を言葉にしたら
寂しさが一気にこみ上げてきて…

また涙がこぼれた。

 

♡)やだ…っ

 

もう会えないなんて、やだ。

 

こんなに…
こんなに好きなのに…

どうしたらいいの?

 

♡)ハルくん…っ

 

泣きじゃくる私を
ハルくんはずっと優しく抱きしめてくれて
背中をトントン叩いてくれた。

 

……同じように…私が泣いた時…、

あの夜…、屋上で……

 

背中を叩いてくれたのは…

 

ハ)♡……?
♡)…っ

 

ハルくんの優しい瞳と
視線がそっと重なった。

 

ハ)今♡の隣にいる人は…
  ♡を大事にしてくれてる…?
♡)……っ

 

今…私の隣にいる人……?

 

…それは……

 

♡)…っ

 

大事に……してくれてる。

 

いっぱい…いっぱい…
大事にしてくれて…

いっぱい…いっぱい…
愛してくれてる。

 

♡)……(こくんっ)

 

泣きながら頷くと
また涙がいっぱいこぼれた。

 

ハ)良かった……。

 

優しいハルくんの瞳。

 

♡)……っ

 

今私の隣にいてくれるのは臣くん。

臣くんのことが大好きだし
何より大切。

 

ハルくんにも、
私にとっての臣くんみたいな人がいる。

 

クラス会の日、
みゆちゃんに告白されたハルくんは…

 

「好きな子が…いるんだ。
 何よりも…誰よりも…大事な子。」

 

そう言ってた。

 

何よりも大事な子。
私よりも大事な…

 

♡)…っ

 

ハルくんに大事な人がいるのは
わかってるし…

私だって臣くんが大事。

 

でも…
ハルくんを想う気持ちと
臣くんを想う気持ちを…

比べたくない。

 

どっちが大事とか
どっちが好きとか

そういうのじゃないの。

 

ハ)♡……

 

優しく私を呼ぶ声が
離れていきそうになって…

私はまたハルくんに、しがみついた。

 

ぎゅっ……

 

♡)もう…会えないの…?
  さよならなの…?

 

やだよ。

やだよ、ハルくん…っ

 

ハ)……っ

 

私の我儘に、ハルくんは困ったように笑って…

 

ハ)じゃあこうしよう、♡。
♡)……っ

 

優しく頭を撫でてくれる、大きな手。

 

ハ)もしまた…どこかで…偶然会えたら…
♡)……
ハ)そんな奇跡が、またあったら…
♡)……
ハ)その時は、友達になろう?
♡)……友…達…?
ハ)うん…。
♡)……

 

ハルくんと…友達…?

 

ハ)お互いのことを何でも話せて
  困ってる時には助けられて
  一緒に笑えるような、そんな友達。
♡)……っ

 

優しいハルくんの笑顔。

 

♡)友達に…なりたい…っ
ハ)……うん。

 

離れて…いかないで…

 

♡)いつか…どこかで会えたら…
ハ)うん。

♡)友達に……
ハ)うん…。

♡)友達に…なろうね…っ
ハ)……うん。

 

悲しい約束をしてるわけじゃないのに
どうして涙が止まらないの…?

 

♡)ハルくん……

 

ごめんね。

 

最後にもう一回だけ…

我儘言ってもいい…?

 

ハルくん……

 

♡)もう一回…、抱きしめて……

ハ)…ん、おいで。

♡)……っ

 

__胸が詰まる。

 

息が上手く吸えなくて。

涙も止まらない。

 

ハルくん…

好き。

 

ハルくんが好き。

 

ハ)♡……、

 

優しく私を呼ぶ声が、耳の奥に溶けていく。

 

ハ)愛してるよ。

♡)……っ

 

「愛してる」っていう言葉が
こんなに苦しいって…知らなかった。

 

ハ)愛してるよ、♡。

♡)…っ

 

こんなに……

 

♡)ハル…くん…っ

 

泣きながら見上げると…

大きな手に、目元を覆われて…

 

ハ)先に行って、♡。
♡)…っ

 

その声も、その手も…、震えてる。

 

ハルくんはそのまま私を反転させて…
両手で優しく私の背中を押した。

 

ハ)行って、♡……。
♡)…っ

 

涙でぐしゃぐしゃで…前が見えないよ。

 

♡)ハルくん…っ
ハ)振り向かないで、行って。
♡)…っ

 

ハルくんも…泣いてるの…?

 

♡)ハル…くん…っ

 

後ろは、振り向かない。

このまま……

 

♡)ありがとう、ハルくん……

 

最後に…ちゃんと…伝えたい。

 

♡ハ)…愛してるよ。

 

泣きながら呟いた言葉は
優しく重なって……

 

私はそのまま涙を拭いて、走り出した。

 

拭いても拭いても
止まらずに溢れるけど…

 

振り向いちゃダメ。

 

駅までの道を、必死に走り抜けて…

 

♡)はぁ…っ、は…ぁっ……

 

電車に乗った時に、また色んな感情が
涙と一緒にあふれ出した。

 

♡)ふぇ…っ、…ふぇぇん……っ

 

ハルくん…

 

ハルくん……

 

繋いだ手のあたたかさも…

抱きしめられたぬくもりも…

 

まだこんなに、残ってるのに。

 

♡)ふ…ぇ…っ、…っ……

 

もう…会えないの…?

やだよ…

 

やだよ…ハルくん……

 

♡)…ひっく…っ……、ふぇ…っ

 

__神様、お願い。

 

私とハルくんは…

また会うことが出来ますか…?

 

いつかまた会えるって

信じていてもいいですか…?

 

 

どんな形であってもいいから…

 

私はもう

ハルくんを失いたくない。

 

 

失いたくないです。

 

 

 

ーendー

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  1. HAPPY より:

    感動しました!!いつも、楽しみにしてみています!!

  2. みき より:

    いつも読んでます!!!
    何回読んでも飽きないし、キュンキュンやばいです
    Twitterもフォローしました!
    更新大変やけど、頑張ってください!

  3. 外山咲良 より:

    マイコさぁーーん!!
    臣くんがぁー。ハルくんの愛してると、♡ちゃんの愛してるの意味が違うのかな?
    次からたのしみだなぁ!

    • マイコ より:

      愛してるもいろいろあるからねぇ…。゚(゚´ω`゚)゚。
      でもほら、チューもしてないし、どうこうなろうとはしてないから、二人とも!w

  4. のんちゃん より:

    ♡ちゃん、愛してるって・・・え〜(>__<)どっちも大切だから選べないよ〜マイコさん、臣君どうなるの(≧∇≦)泣いちゃうよ〜早く、臣君にラブラブストーリー戻りますように(^_^)

  5. a__ichin.y より:

    ( ´•̥_•̥` )
    ヤキモキ…
    ♡ちゃん…
    臣くん…えーーーーーん・゜・(ノД`)・゜・
    マイコちゃーん!しんどいよー!ツラいよー!早く助けてーー!(笑)
    やっぱりホコホコしたいからラブラブな時のストーリー行ってきます((((っ´-ω-)っ

    • マイコ より:

      わーーん。゚(゚^ω^゚)゚。ごめんねーーー!
      めっちゃヤキモキするよね…あわわわw
      臣くんごめんねーー。゚(゚´ω`゚)゚。うえーーんっ

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