[57]臣くんの過去

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お風呂に入って明日の準備をしてると
後ろからぎゅっと、甘い香り。

 

臣)へへーー♡
♡)なぁにー?w
臣)あの入浴剤、すげぇ匂いだよな。
♡)うん、バニラとチェリーって
  書いてあったよー
臣)なるほど、甘いわけだ。

 

なんて言いながら、
私の肩に鼻先を埋めてる。

 

♡)どうしたのーー♡

 

甘えてるみたいで可愛くて、
振り返ってぎゅっと抱きしめた。

 

臣)明日はグランドキャニオンかーー
♡)そうだよっ!♪
臣)大丈夫?疲れてない?
♡)え?
臣)今日も走り回ったしさ。
♡)元気いっぱいだよー!全然大丈夫!
  臣くんは?
臣)俺も全然平気ーーw
♡)へへへーー♡

 

二人でぎゅむぎゅむしながら
ベッドに上がった。

 

臣)明日も結構歩きそうだもんな。

 

臣くんがくれたクッションを背中にあてて
真っ白な布団とシーツの間に、
足を滑らせた。

 

♡)そうだね。
  写真いっぱい撮るぞーー♡
臣)ははははw

 

二人で並んで座ると
臣くんが頭を少し傾けて、
コツンとぶつけてきた。

 

臣)食事も付き合ってくれてありがとな。
♡)うん♡
  ジョーくん可愛かったね♡
臣)でかくなっててビビったわw
♡)あははは♡

 

臣くんがさっき撮った写真を開いて
私もそれを一緒に覗き込む。

 

臣)ジョーと何話してたのー?
♡)え?
臣)テラスで。
♡)……

 

ゆっくりスワイプしていく写真は
ディズニーで撮った写真に戻っていく。

 

♡)……秘密。
臣)え、何それw
♡)へへへ//
臣)何話してたんだよ〜〜〜

 

臣くんがまたコツンと頭をくっつけてきた。

 

♡)ねぇ……
臣)んー?
♡)……
臣)……

 

聞いてもいいかな。

 

♡)臣くんって…
  私のどこが好きなの?
臣)ほえ?!!

 

その質問が予想外だったのか、
臣くんが変な声を出した。

 

臣)何それ、今更?w
♡)うん。

 

だって…
「ここが好き!」みたいに…
ハッキリ言われたことは
あまりない気がする。

 

臣)どうしたの、急に。
♡)……なんとなく…
臣)…言ってもいいけど、
  朝になりそうだから…また今度な?
♡)えっ…

 

隣を見ると、臣くんの甘い笑顔。

朝になりそうなくらい…
たくさんある、って…こと?

 

♡)////

 

全部、聞きたい。

 

♡)教えて!
臣)ダーメ。
♡)朝になってもいいもん!
臣)ダーメ。
♡)どうしてー!
臣)今からHするのに忙しくなるから♡
♡)えっ!

 

臣くんはニヤッと笑って
私の肩を抱いた。

 

♡)え、え、ちょっと待って!//
臣)なんだよーー
♡)……だって…
臣)夜シようって言ったのお前じゃん〜!
♡)……//

 

確かに言ったけど。

 

♡)話の、途中だもん…//
臣)だーかーらー、それはまた今度。
  朝になっちゃうから。
♡)朝になってもいいもん。
臣)それじゃHできないじゃん。
♡)いいもん。
臣)はぁ?!
  あ、わかった。
  じゃあHしながら言ってやるから。
♡)え?
臣)お前の好きなところ♡
♡)……//

 

なんかそれ、違う気がする!

 

♡)ダメーーー!//

 

臣くんの腕をぐるっと外すと…

 

臣)……

 

あ、口が尖ってる。

 

♡)……
臣)……
♡)ねぇ……
臣)んー?

 

聞いてもいいかな。

 

♡)……
臣)……
♡)レイカさんと…
  どうして別れたの…?
臣)……
♡)……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

レイカとのこと、ろくに説明もしないまま
あの場に連れて行ったから

そりゃー♡にしてみたら
わかんないことだらけだよな。

 

明日行くグランドキャニオン。
その手配をしてくれたのがレイカで
その件で電話来たんだけど…

時間あるなら一緒に飯でもって話になって。

 

♡に会ってみたいっていうのは
二人とも前から言ってたし…

俺も紹介したかったから
突然だったけど連れていった。

 

♡は嫌な顔一つせず、
ずっと笑ってくれてたけど…

逆の立場だったら。

♡の元カレにいきなり会わせられたら
俺だったら無理かも。

って、今更そう思ったりして
♡に申し訳なくもなる。

ちょっと勝手だったかもしれない。

 

俺たちは今まで
お互いの過去の恋愛の話とか
あまりしたことなかったから…

 

「レイカさんと…どうして別れたの…?」

 

♡がそう思うのも当たり前で。

 

臣)……
♡)……

 

♡にはちゃんと話したい。
そう思った。

 

触れてる肩と肩。

柔らかな白い腕。

その先の華奢な手に、
すこし焼けた自分の手を絡めて。

 

臣)…レイカと付き合ってたのは…
♡)……
臣)19から4年間。
♡)…4年…間…。
臣)うん。

 

俺史上、一番長い。

 

臣)すげー好きだったし…
  結婚したいって思ってた。
♡)…っ

 

♡の手を握りながら、
少しずつ、話す。

 

臣)でも…それくらいの歳って…
  やっぱりガキじゃん?
♡)……

 

どんなに好きでも、結局は子供で。
経済力も包容力も、男としてまだまだで
自信もなくて。

 

臣)そん時、色々あってさ…
♡)…色々…?
臣)うん。
♡)……
臣)家の事情とか、色々ゴチャゴチャしてて…
♡)……
臣)レイカは俺とじゃない方が
  幸せになれるんじゃないかな、とか…
♡)……
臣)でもやっぱり俺が幸せにしたいって、
  好きだから当然思うし…
♡)……
臣)でもどう足掻いてもその力が
  その時の俺にはなくて。
♡)……

 

何度も迷って、苦しんだ。

 

臣)……で、結局…
  レイカを失うことになっても
  俺は何もできなくて。
♡)…っ

 

本当に無力で、情けなかった。

 

臣)俺と別れた後に、今の旦那さんと
  すぐ結婚したんだ。
♡)…そう…なんだ……
臣)うん。

 

お互いにずっと引きずってたけど
もうどうしようもなかった。

 

臣)別れてからは、一度も二人では
  会ってない。
♡)……
臣)日本で最後に会った時も…三人で。
♡)……
臣)レイカをLAに連れて行くけど、
  俺が絶対に幸せにするから、って…
  そう言われた。
♡)……
臣)……

 

強がりでも牽制でもなく、
穏やかな笑顔で、そう言われたんだ。

全部わかった上で、
俺にあんな風に言える人。

この人には絶対敵わない、そう思った。
思い知らされた。

 

臣)レイカが幸せならいいって
  そう思おうとしたけど、
  気持ちはそんな簡単じゃなくて…
  すげぇ荒れた。
♡)……
臣)後悔とか未練ばっかりで…
  あの時もしこうだったらとか
  何度も思ったりしたし…
♡)……
臣)お前ももう知ってると思うけど…
  女遊びしまくったし…
  他の子と付き合ったりもしてみたけど
  それでも遊び続けて。
♡)……

 

誰と付き合っても、なんか違って。

好きな気持ちはちゃんとあっても
他の女とも平気で浮気してた。

結局ちゃんと好きじゃなかったのかな。

 

臣)今の仕事始めてからも
  ずっとそんなんで。
♡)……

 

寄ってくる女は無限に増えて
アホみたいに遊んでた。

 

臣)でも…仕事で少しずつ結果が出て
  ようやく自分に少し
  自信も持てるようになって…
♡)うん。
臣)……

 

そしたら、会いたくなった。

 

臣)LAに来ることも増えたから
  レイカに連絡したんだ。
♡)うん。
臣)そしたら…
  もうジョーも生まれてて、
  レイカはすごく幸せそうでさ。
♡)……うん。

 

その幸せそうな姿を見て
ああ、本当に俺じゃなかったんだ、って…
そう思った。

レイカを幸せにするのは、
この人だったんだ、って。

 

臣)俺の仕事も知ってるから
  二人とも応援してくれてて…
♡)……
臣)LAに来る時はよく一緒に
  食事するようになって。
♡)…そうだったんだね。
臣)うん。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

初めて聞く、臣くんの過去。

私の知らない臣くんが
そこにはたくさんいて。

 

4年間も付き合ってて、
臣くんが大好きだった人。

若かったから、
叶えることが出来なかった想い。

 

今の臣くんだったら、
レイカさんを幸せにしてあげられたのかな。

「今の俺だったら」って…
臣くんはそう思ったりしたのかな。

 

臣)女遊びしてたこととかを
  レイカと別れたせいに
  するわけじゃないけど…
♡)……
臣)なんか、どうでもいいっていうか…
  周りもみんなそんなんだし
  これでいいんだ、って。そう思ってた。
♡)……
臣)でも…、

 

握られてる手に、
優しく力が入ったのを感じて。

 

臣)ある日出会った女がさーー
  なんか…異次元すぎて。
♡)え?

 

異次元??

 

臣)すげー可愛くて…
  なんかふわふわしてんだけど…
  ちゃんと自分の芯を持ってて。
♡)……
臣)なんか眩しいくらい、
  キラッキラしてんのw
♡)……

 

それって…

 

臣)汚れた俺からしたら、ほんと眩しくて。
♡)……
臣)その子が言ったんだ。
♡)……
臣)自分のことを好きになってくれる人に対して
  胸を張れる自分でいたいから
  その人に対して恥ずかしいことは
  私はいつだってしたくない、って。
♡)…っ
臣)まだ出会ってもいない、
  未来の好きな人に対して。
♡)……

 

思い出す、あの夏の日。

 

臣)その言葉が、なんか衝撃的で。
♡)……
臣)こんな子に、好きになってもらえるような
  男になりたいって…
  その時もう…どこかで無意識に
  そう思ってた。
♡)……
臣)もっと知りたくなって、
  知れば知るほどギャップも多くて…
  目が離せなくて。
♡)……

 

繋いでる手と手。

臣くんの親指が…私の手の甲を
優しく滑っていく。

 

臣)レイカと比べたり、思い出したり…
  元カノの時にはあったそーゆーのが
  お前と出会ってからは
  一度もなかった。
♡)え…?

 

首を向けて、臣くんの顔を覗くと
私を見る瞳が、すごく優しくて…

 

臣)お前にどんどん惹かれて、好きになって…
♡)……
臣)「運命」…って。
♡)……
臣)出逢う順番とかタイミングとかも
  全部ひっくるめて「運命」だと思う、って
  お前がそう言ったじゃん?
♡)……

 

私がそう言ったのは確か
初めて電気を消して眠ることが出来た夜。

「運命」って自分で口にしたけど…

運命だって本当に思ったし、
運命だったらいいのに…っていう
願いも込めて、そう言ったの。

 

臣)俺がお前に出逢えて、好きになったのも
  こうして一緒にいられるのも…
♡)……
臣)全部運命なんだなって…
  運命だったらいいなって…
  そう思ったんだ。
♡)……

 

同じように思ってくれてた
臣くんの気持ちに…

涙がこぼれそうになった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺は本当に本当に♡が好きで。

♡が家を出て行って
もう帰ってこないかもしれない、って…

♡を失うかもしれないって
そう思った時に

それを再認識した。

 

俺は自分が未熟なのも
嫌ってほどわかってるけど

それでも何が何でも
どんなことをしてでも

♡を失いたくないって
そう思った。

 

レイカの時みたいに、
その方が相手が幸せかもとか
そんな綺麗事よりも

死んでも失いたくないって
その気持ちの方が強かったんだ。

 

その違いが何なのかはわからない。

想いの差だって言えば
レイカに失礼な気もするし

あの時の俺は、あの時の俺なりに
レイカを好きだったし。

 

俺がただ単に大人になって
あの時より経済力も身につけたからとか

そういうのとも少し違って。

 

なんだろう。

上手く言葉に出来ないけど、
とにかく嫌だったんだ。
♡がいなくなるのは。

過ごした月日はまだ浅くても
俺にとって♡は
それくらい絶対的な存在で。

 

いつかの夜、♡は俺に
自分は一番じゃなくていいって
そう言った。

大事な仕事とか、自分の立場とか
いろいろあるから…

俺もあの時は
一番だって言ってやれないって…
そう思った。

 

でも違った。

失いかけて初めてわかった。

 

♡は俺にとって唯一無二で
やっぱり「一番」なんだ。

一番大事で、代わりなんていない。

 

この仕事をしてて
そんなこと言ったらダメなのかもしれないけど

俺は♡が一番好きで、一番大事。
その事実はもう変えられない。

そのことに自分自身も、
もう気付いてしまったから。

 

♡)臣くん……

 

俺の名前を優しく呼ぶ声が
耳元で聞こえて。

 

隣に並んでた♡は
いつの間にか、ぺたんと
俺の上にいて。

 

臣)……
♡)……

 

ヘッドボードにもたれてる俺の身体は
♡の甘い香りにふわりと
抱きしめられていた。

 

♡)……臣くんが失ったものは
  みんなみんな、埋めてあげたい……

 

ぎゅぅ……

 

♡)臣くんの心が、いつもあったかい愛で
  いっぱいになりますように…

 

そう言って、優しく包んでくれて…

 

臣)……

 

柔らかくて、甘くて…

いつもこうやって俺を包んで、
優しく心を溶かしてくれるような

 

そんな存在。

 

臣)……っ

 

気付いたら俺の頬は

涙で濡れていて…

 

それに気付いた♡が
優しくそれを、拭ってくれた。

 

臣)ご…め…、…っ

 

なんで泣いてるのか
自分でもわからない。

 

♡)大丈夫だよ……
臣)…っ

 

俺の頬に…

優しく触れる、♡の手のひら。

 

臣)違う…。
♡)……
臣)まだレイカが好きだとか…
  引きずってるとかじゃなくて…

 

そういう涙じゃない。

 

♡)うん、わかってるよ。
臣)……

 

♡は優しく笑って

また俺を、抱きしめてくれて…

 

♡)昔の臣くんは…
  一生懸命、恋してて…
臣)……
♡)精一杯、レイカさんを
  好きだったんだよね…
臣)……

 

行き場をなくした想いを
持て余しながら苦しんで

どうしようもなかったあの頃の俺を

今♡が抱きしめてくれてるみたいで…

 

♡)いっぱいいっぱい…頑張ったね…
臣)……っ

 

昔の苦しみなんて
♡に出逢ってとっくに消化できてたけど…

今改めて、
♡の優しさとあたたかさに触れて

涙があふれてくる。

 

臣)……っ

 

やっとわかった涙のワケは。

 

♡の愛に触れて、

 

♡を愛しいと想う
俺の心が、震えたから。

 

臣)……っ

 

ぎゅっと…

きつくきつく、抱きしめる。

 

俺を包んでくれる♡は
やっぱり太陽みたいにあたたかい。

 

臣)……前にも…、
♡)…え…?
臣)同じこと、言ってくれたの…覚えてる…?
♡)……

 

ぬくもりから
そっと顔を上げると

♡の瞳が、優しく俺を見つめる。

 

臣)俺が失ったものは…
  みんな埋めてあげたい、って。

 

俺がそう言うと
優しい瞳は柔らかく微笑んで。

 

♡)覚えてるよ。

 

また、そのぬくもりに
抱きしめられた。

 

♡)臣くんが…らいおんハート…
  歌ってくれた夜でしょ?
臣)……うん。

 

今でもハッキリ覚えてる。

こんな華奢な身体してるくせに
俺のこと…「守る」って言ってくれて…

 

感動して泣きそうだったんだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

臣くんのこと、守りたいって思った。

いつも臣くんがくれる愛を
私もいっぱいいっぱい返したい、って…

臣くんのこと、大事にしたいって…

そう思ったの。

 

だからちゃんと、覚えてるよ?

 

♡)臣くん……

 

濡れた瞳が、私を映してる。

 

♡)愛してるよ……

 

そう伝えて、もう一度抱きしめると

 

臣)ありがとう。

 

背中にしっかり感じる、臣くんの手のひら。

 

しばらく抱きしめ合って
またゆっくりと瞳が重なれば…

 

臣)愛してるよ。

 

お互いの心から自然とこぼれた愛の言葉に
二人で一緒に、笑顔になる。

 

優しい瞳に、吸い込まれるように
その奥を見つめれば…

 

臣)俺…、今もこの先も…
  お前しか見てないし、お前しか要らない。
♡)……
臣)何回伝えても足りないくらい
  お前が好きだし、
  お前のことが、世界で一番大事。
♡)…っ
臣)何よりも大事だし、誰よりも好きだよ。
♡)…っ

 

臣くんの言葉が…
胸にあたたかく、染み渡る。

優しい笑顔が、涙でぼやけていって…

 

臣)愛してるよ……
♡)…私も…、っ……愛してる。

 

言葉と涙が、同時にこぼれて。

 

嬉しくて、愛しくて…

唇が優しく触れ合って、
肌が重なる。

 

♡)臣…くん……

 

あふれる気持ちを伝えたくて
肌に触れるのに

触れれば触れるほど
また気持ちがあふれる。

 

そんな繰り返し。

 

♡)…臣く…ん……

 

好きな人の名前を呼ぶのは、
それだけで
「好き」って、言ってるみたい。

 

♡)臣くん……

 

気付けば真っ白なシーツの上で
絡み合ってる二人の身体。

 

見下ろす臣くんは優しく微笑んで
甘い瞳で私を見つめる。

 

臣)♡……

 

私の頬に触れた指先も愛しくて
手のひらで包んで、口付けた。

 

臣)♡……

 

ほら…

名前を呼ばれてるだけなのに
「好き」って、言われてるみたい。

 

臣)♡……

 

何度も私を呼ぶ、甘い甘い声。

 

♡)臣くん……

 

大好き。

こんなにこんなに、大好き。

 

臣)…は…ぁ……、//
♡)ん…、ん…っ//

 

甘い愛しさが一つに溶け合って…

胸にふと、湧き上がる気持ち。

 

臣くんが…

 

こんなに優しい瞳で見つめるのも…

 

優しく名前を呼ぶのも…

 

優しく笑いかけるのも…

 

優しく触れるのも…

 

この先、全部全部…
私だけだったらいいのに、って。

 

臣くんが愛してくれるのは
この先、私だけでありますように…って。

 

臣くんの体温を感じながら

そんなことを願う私は…我儘ですか…?

 

臣)♡…っ、
♡)…はぁ…っ、///

 

お互いに別々の過去があって…

だからこそ。

 

出逢えて、愛し合えて
今一緒にいられることを尊く感じる。

 

過去は過去。

 

だから…せめて未来は。

二人で笑い合えて、
愛でいっぱいの未来にしたい。

 

私はずっと臣くんを大事にするから…

だから神様…、お願い。

 

臣くんの未来は、私にください。

 

絶対絶対、大切にするから。

 

宝物に…するから。

 

 

ーendー

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