ダウンタウンに入ったあたりで
そろそろ着くってレイカにLINEした。
ハリウッドで降りると
♡は周りをキョロキョロ見渡して。
♡)ここがハリウッドかぁ…♡
臣)そーだよw
なんでも珍しそうに
キラキラ見つめる瞳を連れて
約束の店の扉を開けた。
2階に上ると、奥にはもう
3人が俺たちを待ってて、
ジ)オーミー!!
ジョーが嬉しそうに
俺のところに飛んできた。
臣)覚えてたの?w
ジョーを片手で抱き上げると、
レ)当たり前じゃないw
クスクス笑うレイカの隣で
旦那さんは安定の穏やかな笑顔を見せる。
夫)二人ともどうぞ、座って。
席に着くとジョーが足をバタつかせながら
お腹空いたーー!って叫んだ。
臣)待たせた?ごめんな?
ジ)お腹ペコペコ!
レ)私たちも今来たところよ。
ディナーを注文し終えて
♡を二人に紹介すると
レイカがにっこり♡に微笑みかけた。
レ)LAは初めて?
♡)あ、はいっ!初めてです。
レ)どう?
♡)素敵な街だなぁって…
すごく楽しいです♡
レ)ふふ、良かった。
♡)えへへ♡
♡は少しもじもじしながら
俺をチラッと見て、
臣)なんだよw
♡)えへへ…//
臣)……//
可愛いヤツ。
しばらくすると
シャンパンが運ばれてきて。
臣)あ、こいつワインもシャンパンも
飲めねーわ。
レ)あら、そうなの?
♡)飲めますっ!!
臣)なんで嘘つくw
♡)…っ
臣)お前は違うもん頼めよ。
メニューをもらおうとすると、
レ)Could you give her another drink?
Alcohol is low.
レイカが頼んでくれて。
男)If it is not wine, we have fresh fruit juice.
レ)♡ちゃん、ジュースでもいい?
♡)あ、はいっ…
レ)What kind?
男)Orange, apple, white grapes, grapefruit…
レ)何がいい?
♡)えっと…
♡がチラッと俺を見て…
臣)白ぶどう、お前好きそう。
♡)えっ!そんなのあった?!
臣)うんw
white grapesって言ってたよ。
俺が教えてやると、
♡)ホワイトグレープ!ス?プリーズ♡
男)Certainly.
臣)ぶっw
慌てて複数形にしたのが可愛くてw
向かいで二人も笑ってる。
ジ)Do you like white grapes?
ジョーが悪戯な顔してる。
♡)え、速い…っ、なぁに??
ジ)Do you like white grapes?
今度はゆっくり言い直してくれて。
♡)あ、うん!いえすっ!
I like ぶどう♡
臣)ぶはっw
ジ)あはははっw
Your English is cute♡
♡)え??
ジ)♡の英語は可愛いね♡
♡)えーー!!
ジョーくん、馬鹿にしてるでしょー//
夫)あはははw
♡の辿々しい英語に、みんな大笑い。
臣)こいつさ、こんなレベルなのに
普通に街でいろんな人と会話すんのw
レ)ジェスチャーで?w
臣)そうそう。
夫)まぁ大事なのは語学力より
コミュニケーション力だからねw
♡)ううう…//
臣)いっつも笑顔で乗り切ってるもんなw
ジ)♡の笑顔はvery cuteだよ♡
♡)ありがとう…//
臣)あ、今のはわかったの?w
♡)これくらいわかるもん!//
臣)あはははw
それから♡のジュースも来て、
みんなで乾杯。
夫)二人はどこに泊まってるんだい?
臣)あ、ビバリーヒルズです。
レ)ああ、ハリウッドじゃないの?
臣)うん。なんか可愛いホテル。
夫)へぇ!
♡)すっごく可愛いよねぇ♡
臣)うん…w
♡がまた嬉しそうにニッコリ笑う。
レ)♡ちゃんのために、
可愛いホテル探したんだw
レイカがからかうようにニヤニヤ笑って…
臣)うっせーな//
ワインをグイッと、一口飲んだ。
レ)それにしても♡ちゃん…
お肌、綺麗ねぇ……
夫)うん……
♡)えっ…、あの…//
向かいから二人にまじまじと見られて
♡はオロオロ。
臣)赤ちゃんみたいでしょw
俺が笑いながら
♡のほっぺをぷにぷに摘むと、
♡がぷくっと膨らませた。
レ)本当に綺麗な卵肌。羨ましい。
ジ)♡はSo cute! とっても可愛いよ♡
レ)さっきから何呼び捨てにしてんの。
「♡ちゃん」でしょw
ジ)僕のお嫁さんにしたい♡
♡)ええっ!
レ)ごめんね、この子最近お姉さん見ると
みんなにそう言うのw
臣)おいおい!w
♡)あははっ、年上キラーだーw
夫)♡ちゃんは広臣くんと結婚するんだよw
ジ)えーーーーっ
臣)えーーじゃない!w
ジ)I like her better.
臣)んなわけあるかい。
ジ)I’m better than Omi.
臣)こら〜〜〜
♡)え、なぁに?英語わかんないよー
ジョーは♡と俺を交互に見ては
ニコニコ笑ってる。
夫)二人はいつ結婚するんだい?
♡)えっ!
夫)あれ?結婚が決まってるんだろう?
広臣くんがフィアンセ連れてくるって
レイカが言ってたから…
レ)結婚するんでしょ?
♡)え!!するの?
臣)え、しないの?
♡)え!
臣)え!
俺たちが顔を見合わせてると
レ)ちょっと、広臣のフライング?w
レイカがまた、クスクス笑った。
臣)フライングじゃねーし!
結婚したいってもう何回も
言ってんじゃん!
♡)えっ…、えっと…//
レ)まぁまぁまぁ…w
広臣が本気なのはわかったからw
臣)そーだよ…っ
だからレイカにも会わせてんじゃん…
俺が少し口を尖らせると、
慌てたように、♡が言葉を足した。
♡)わ、わたし…も…っ
本気だもん…っ!//
意外に大きかったその声は、
店に響いて…
♡)ごめん…なさい……///
♡は我に返って、顔を隠した。
夫)あはははw
レ)可愛い…w
♡)恥ずかしい…///
可愛いなぁ…w
臣)それだけ俺のこと大好きなんだもんな?
俺がニヤけながらからかえば、
♡)……(こくん)///
素直に頷いた。
臣)……///
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日の臣くんは…
なんだか私の知らない顔。
友達といる時、メンバーといる時、
家族といる時…
そして私といる時。
そのどれとも違う。
レイカさんの前でだけ見せる、
私が見たことない、顔。
レ)海は見てきた?
♡)はい、昨日泳いできました!
夫)寒くなかった?
臣)はい、生温くて全然入れましたよ。
♡)綺麗でした♡
レ)そう、良かった。
にっこり微笑むレイカさんは
大人っぽくて、綺麗で…
なんだか凛としてる。
この人が、臣くんが好きだった人。
臣くんに相応しい女性になりたいって
さっきも思ったけど…
レイカさんはまさに私が思い描くような
理想の女性。
私とは全然違って…
臣くんは一体私のどこが好きなんだろうって
今更少し思っちゃう…
レ)今週は気温も丁度いいわよね。
夫)そうだね。
♡)……
レイカさんは…
昔は臣くんのことを好きで、付き合ってて…
でも今は結婚してジョーくんがいて。
今は臣くんのことを
どんな風に見てるんだろう。
ジ)僕は今日、ローラースケートしてきたよ!
臣)海で?
ジ)うん!あっちの方!
気持ち良かった〜♪
臣)いいなぁ〜〜〜
俺もほんとLA住みたい。
夫)あはははw
レ)広臣ってば来る度いっつもそれ。
臣)だって二人してLA自慢ばっか
してくんだもん!w
♡)……
来る度、って…
いつも会ってるのかな…?
レイカさんは臣くんのこと、
「広臣」って呼んでて…
臣くんは「レイカ」って呼んでて…
そんなやりとりを、ぼんやり見ながら
二人はどんな風に付き合ってて
どうして別れたんだろうって
知らないことがたくさんあるから
なんだか色々気になって。
もしも聞いたら、
臣くんは話してくれるのかな?
レ)♡ちゃんは何のお仕事してるの?
♡)あ、えっと…
私が仕事の内容を説明すると、
最近モデルもやってる、って
臣くんが付け加えた。
夫)モデルさんなんだ!
♡)始めたばかりなんですけど…
レ)だからこんなツルツルのお肌なのね〜
臣)いや、こいつのこれはもう天然もの。
レ)なんで広臣が自慢げなのよw
臣)だってほんとにすべすべなんだもんw
♡)……//
そう言って隣から
ほっぺを撫でてくるから、なんか恥ずかしい。
レ)でも、会社の仕事と掛け持ちなんて
大変じゃない?
臣)そう。こいつ休みなしで
すっげー働いてんの!
夫)身体大丈夫かい?
♡)はい。
だって、挑戦してみたいことが
まだまだいっぱいある。
♡)まだ手探りな部分もあるんですけど、
いろいろやって、成長できたらなって…
夫)頑張り屋さんだねぇ…
♡)楽しいんです♡
レ)私だったらお休みがないと無理だわ〜
どこからそんなパワーが湧いてくるの?
♡)……
どこ、だろう…
♡)…臣…くん。
レ)え?
♡)臣くんが…いてくれるから。
レ)……
うん、きっとそう。
臣くんがいなかったら、
私きっと…こんなに頑張れない。
♡)臣くんは私なんかより
お仕事とかいろんなこと
たくさん頑張ってて、尊敬してるんです。
レ)……
♡)だから、そんな臣くんの側にいても
恥ずかしくないように…
私も私にできること、頑張りたくて…
夫)……
♡)成長したいな、って。
いつもそう、思ってる。
♡)ずっと…臣くんに
好きでいてほしいもん…
臣)…っ
♡)……えへへ♡
隣を見れば、臣くんが照れたように
口元を覆ってて…
夫)好きな人のために頑張りたいって思えて…
好きな人がいるから頑張れる。
素敵だね。
♡)えへへ…/// はい…っ♡
私は本当に幸せ者だって思う。
♡)臣くん、大好きだよ♡♡
もう一度隣を見れば、
臣)ん、///
臣くんはこっちを向いてくれないけど
耳が赤くなってて、可愛かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ジ)♡、テラスで食べようよ!
♡)うん♡
ジョーが♡をさらっていって
二人は仲良く外でアイスを食べてる。
レ)ここはデザートも絶品でしょ。
臣)うん、すげぇ濃厚。美味い。
夫)ジョーはすっかり♡ちゃんが
お気に入りだなw
レ)本当にねw
レイカがテラスの二人に目を向けて
呟いた。
レ)♡ちゃん、すごく良い子ね。
臣)でしょ。
レ)可愛い。
臣)うん、世界一。
レ)堂々とノロけるわね。
臣)うん。
そんな俺たちのやり取りに
旦那さんは笑って。
夫)彼女はなんていうか
場を明るくするような
笑顔が可愛い女性だね。
レ)うん。
花が咲いたように笑うのね。
臣)……
ジョーと笑い合ってる♡の姿を見て
二人が微笑んでる。
レ)なんだか、無邪気な子。
臣)……
レ)「無邪気」って…
子供っぽいとかじゃなくて…
言葉の通り、「邪気」が無いっていうか…
夫)うん、わかるよ。
レ)pureっていうか…
Innocence、かな。
臣)うん。
レイカが優しく笑った。
レ)あんな真っ直ぐに、
自分の気持ちを言えて…
臣)……
レ)日本人って、ほら。
感情表現が苦手っていうか、
シャイなところがあるじゃない?
臣)うん。
レ)でもあの子は、すごく素直で
キラキラしてる。
夫)広臣くんを好きだって言ってる笑顔が
一番可愛かったね。
レ)うん。
臣)……
♡はさっき、ああ言ってくれたけど…
臣)俺の方が…思ってる。
レ)……え?
レイカが俺に、視線を戻した。
臣)あいつのこと、ほんと尊敬してるし…
あいつにずっと好きでいてもらえるような
男でいたい、って。
レ)……
夫)良い関係性だね。
臣)……はい。
俺は本当はまだまだ
あいつにあんな風に言ってもらえるような
男じゃない。
でも、
♡が隣にいてくれるなら
どんなことでも、頑張れる気がするから。
レ)広臣も、そういうこと…言うのね。
臣)え?
夫)うん、確かにw
広臣くんって、なんか
シャイなイメージだったけど…
臣)……
そう言われてみれば。
確かに前の俺はこんなこと
口に出すようなタイプじゃなかった。
臣)なんか…あいつといると、こうなるw
俺が笑うと、二人も笑った。
臣)あいつがほんと…
すげぇ素直だから、さ。
レ)うん。
臣)一緒にいると…
浄化される、じゃないけど…
夫)あははw
心が優しく溶けてくみたいで…
素直になれる。
臣)ちゃんと、伝えたくなる。
レ)……
昔の俺だったら
照れて言えなかったようなことでも
あいつにはいくらでも伝えたいし
伝えても伝えても、足りなくて。
臣)すげぇ好き。
レ)……
夫)……
俺の言葉に、二人は優しく笑って…
夫)良い顔してるね。
レ)…ん、安心した。
そう言った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ジ)♡、おいしいね♡
♡)うん♡すっごく美味しいぃ〜〜♡
ジ)あははは♡
テラス席に座って、
二人で街を眺めながらアイスを堪能中。
♡)ジョーくんのママは、カッコイイね。
ジ)そう?w
♡)うん。
英語もペラペラだし…
なんだかすごくカッコイイ。
あの人が、昔臣くんが愛してた人かぁ…。
♡)……
ジ)どうしたの?
♡)…私、レイカさんみたいになりたいなぁ…
ジ)どうして?
ジョーくんがクスッと笑った。
♡)だって…すごく美人だし…
ジ)♡だって可愛いよ?
♡)英語もペラペラだし…
ジ)♡の英語は可愛いからいいんだよ♡
♡)……
ジ)Your smile is like the sun.
♡)え?
隣を見ると、アイスを頬張りながら
ニコニコの笑顔。
ジ)♡の笑顔は、太陽みたい。
♡)…っ
ジ)オミは♡が大好きなんだね。
♡)え…?
ジ)♡を見る時、パパやママみたいな瞳を
してるんだ。
♡)……
ジ)「大好き」って…
瞳がそう言ってるよ。
♡)……///
その言葉に、胸がじーんと温かくなった。
♡)ありがとう…
私も臣くんが大好きだよ。
ジ)じゃあ英語で言ってみて?
♡)えっ!
ジ)英語のlessonだよ♪
♡)……///
アイスを飲み込んでから、
♡)I love…, Omi…///
もじもじしながらそう言うと、
ジ)Great!!
ジョーくんがとびっきりの笑顔を
見せてくれた。
ジ)Surely, you are Omi’s special & precious.
流暢な英語を聞き取れない私を残して、
アイス美味しかった!って
満足そうに中に戻っていくジョーくん。
私もその後を追うと、臣くんはいなくて…
レ)仕事の電話みたい。
廊下に出てるわ。
♡)あ、そうなんですね。
席に着くと、レイカさんが
にっこり笑って私を見た。
レ)ジョーの相手してくれてありがとうw
♡)あ、いえ!!
私の方がなんだか
相手してもらったみたいだし…
レ)今日も、来てくれてありがとう。
♡)……
レ)ずっと会ってみたかったの、あなたに。
♡)え…?
ずっと…?
レ)広臣は本当にLAが好きみたいで…
連れてきたのはあなたが初めてだと思う。
♡)……
レ)私たちに彼女の話をしてくれたのも、
あなたが初めてなの。
♡)……
そうだったんだ…
レ)いつだったかしら。
すごく好きな子がいる、って…
話してくれたのは…
夫)1年以上前だよな、確か。
レ)そうよね。
夫)片思いしてる子がいる、って。
嬉しそうに照れながらねw
レ)嬉しそうっていうか
完全にニヤけてたわよね。
夫)あはははw
♡)……///
まだ付き合う前…かな?
臣くん、そんな話…してくれてたんだ。
レ)広臣がそんなに好きになった子が
どんな子なんだろう、って…
夫)会ってみたいねって…
話してたんだ。
レ)そうそう。
穏やかな笑顔で、そう話す二人。
レ)広臣、すごく変わったと思う。
♡)え…?
レ)広臣のあんな顔、初めて見た。
♡)……
レ)初めて見るような顔で
すごく幸せそうに、笑ってた。
♡)……
今日の臣くんは
なんだか私の知らない顔って思ったけど…
それはレイカさんにとっても、
ある意味同じだったのかな…。
レイカさんの柔らかい口調や
優しい表情で
レイカさんが言う臣くんの「変化」が
良い意味なんだって、ちゃんと伝わる。
レ)広臣のあの表情と、
♡ちゃんの幸せそうな笑顔が
何よりの証かな。
夫)そうだね。
レ)またLAに遊びに来た時は
一緒に食事でもしましょうね。
♡)はい…♡
私の返事に、ジョーくんも
満面の笑みを見せてくれて。
電話から戻ってきた臣くんと一緒に
3人に挨拶をして、
お店の前でみんなで写真を撮った。
ジ)♡、また会おうね♡
♡)うん、またね♡
ジョーくんの目線までしゃがむと、
可愛くほっぺにキスをくれて。
♡)ふふ、ありがとう♡
ジ)うん♡
それから臣くんと二人で
タクシーに乗り込んで
ホテルに戻った。
ー続ー
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