[316]アンニュイな夜

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男)姫さん入られまーす!
  よろしくお願いしまーす!
♡)おはようございます♡
  よろしくお願いします♡
 
 
今日は早朝からMVの撮影で…
眠たいかなって思って
私一人でもいいよって言ったんだけど、
Mちゃんもついてきてくれた。
 
 
♡)……あれ?
M)どうしました?
♡)……ううん。
 
 
MちゃんからJさんの香水と同じ匂いが
ふわっと漂って来たけど…
気のせいかな?
 
 
男)斎藤工さん入られまーす!
  よろしくお願いしまーす!
♡)えっ!!
工)よろしくお願いします。
 
 
今日の撮影の相手役って工さんだったの?!
久々に相手役がいる撮影だとは
聞いてたけど…
 
 
工)姫さんおはようございます。
♡)おはようございます!!
  あの、変な名前ですみません!
  ♡と申します!
  よろしくお願いいたします!!
M)また言ってるー!w
 
 
初めましてな人とご挨拶する時、
どうも自分の名前が恥ずかしくて
結局本名でご挨拶しちゃう私を
「それじゃ意味ない!w」って
Mちゃんはいつも笑ってるんだ。
 
 
工)♡ちゃんっていうんだ?
♡)はい!!
工)じゃあそう呼んでもいいかな?
♡)はい、ぜひ!!
 
 
工さんは白い歯を見せて
ニッコリと微笑んだ。
 
 
♡)あの、いつもありがとうございます!
工)え?
♡)……はっ!
 
 
しまった!
 
工さん、いつもおうちに
映画のDVD送って来てくれるから
お礼言っちゃったけど…
 
工さんは臣くんに送ってるんだから
私がお礼言ったら変だよね?!
しまった!!
 
 
♡)ええと、間違えました…
  なんでもないです///
工)あははは、何それw
 
 
恥ずかしいや…///
 
 
♡)なんか工さんって大人っぽい雰囲気が
  Jさんと少し似てるよね。
 
 
私がこそっとMちゃんに耳打ちすると…
 
 
M)そう…ですか?//
  うーん、そっか、そうかなー。
 
 
なんだか適当で曖昧な返事。
 
 
てゆーか。
いつものMちゃんだったら
「斎藤工カッコいい!キャー!!」
ってはしゃいでるはずなのに…
 
おかしいな。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
ス)で、このスモークの中から
  お三方が現れるという流れで!
直)シェアハピダンスしながら、ですよね?
ス)はい、そうです!
臣)DARUMAさんも来てくれるなんて
  贅沢だなぁw
D)ははははw
 
 
今日は11月11日のポッキーの日の
イベントの打ち合わせ。
 
 
岩)結構トーク時間長いんですね…w
ス)そこは司会の方にお任せしておけば
  大丈夫ですのでw
臣)生配信されんだもんなぁ…
  すごいなー。
 
 
今の時代、今後こーゆーの
増えていくんだろな。
 
 
ス)では当日、どうぞよろしく
  お願いいたします。
臣)よろしくお願いします。
 
 
前の日は直己さんのサプライズお祝いか。
携帯のスケジュールを見てたら
直己さんがしみじみと息を吐いた。
 
 
直)俺ももう31歳かぁ…。
岩)何か欲しいものあります?
直)え、なんで?
岩)今のそーゆーフリかなぁってw
直)違うし!w
  そんなアピールとかじゃないし!w
 
 
直己さんは少し照れながら
全力で否定してるw
 
 
臣)でもほんとに何かないですか?
  欲しいもの。
直)……ある。
臣)え、なんすか?!
直)……♡ちゃん…
臣)は??
直)の、クッキー。
臣)ああ、びびった。クッキーか。
岩)なんで意味深に間、取ったんすか!w
直)臣どんな反応するかなーってw
  めっちゃ怖かったーー睨まれたーー
臣)別に睨んでないし!w
直)♡ちゃんさ、いつもみんなの誕生日に
  クッキー焼いてくれるじゃん?
臣)はい。
直)俺だけ忘れられてたらどうしようって…
  地味にちょっと不安なんだよね。
臣)絶対忘れてないですよ!w
岩)でも天然だからなー、♡ちゃん。
直)そうそう。
  三代目の結成記念日に気を取られて
  俺のことなんて…
臣)忘れてないですって!w
 
 
……でも帰ったら一応念押ししとこ…w
 
 
バーン!
 
 
N)あ、いたいた!!
直)随分派手に入って来ましたね、
  NAOTOさん。
N)ジャーーン!
  みなさん宣伝よろしく!!
 
 
NAOTOさんが持って来たのは
SEVENのジャケットやらなんやら
たくさんの服。
 
 
N)ちなみにこれは臣ね!!
臣)俺ぇ?!
  この派手な青ぉー!?
 
 
青っつーか水色っつーか
派手なライダース。
 
 
N)これ着こなせんのお前しかいないから!
  よろしく!
臣)……恥ずかしいこれ。やだ。
N)はぁ?!何言ってくれちゃってんの!
  俺の力作をー!
臣)なんでこんな色にしたんすか。
岩)俺絶対似合わないw
直)俺もw
臣)俺だって似合わないっすよ!!
N)いいから着てみろって!
 
 
無理やり肩から羽織らされて…
 
 
直)……あれ。
岩)意外と……、
直)いけてるな…。
岩)うん。
臣)……。
 
 
そう言われて鏡で見てみると…
思ったより悪くないかも。
 
 
N)ほら!似合った!
 
 
なぜかドヤ顔のNAOTOさん。
 
 
臣)でもなんでこんな汎用性低い色に
  したんすかw
N)お前が着れば売れるから大丈夫!w
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
ス)次のシーンスタンバイいきまーす!
♡)よろしくお願いします。
 
 
もう半分くらい撮り終わって…
後半は雨がザザ降りのシーン。
 
前半は全部晴れのシーンで
二人の幸せなカットを
たくさん撮ったんだけど…
 
後半の雨のシーンは二人が泣いてる
悲しい場面ばかり。
 
テストは一旦、
雨がない状態でやるんだけど…
 
 
♡)リハでも泣いた方がいいんですかね?
工)んー、どうだろ。
  監督によるからなー。
  聞いてみよっか。
 
 
工さんはニッコリ笑って
監督に確認してくれて…
 
リハはアングル確認だけだから
気持ち入れるのは本番だけでいいよって
そう言われた。
 
 
♡)えへへ、ありがとうございます♡
 
 
工さんは落ち着いた大人の雰囲気が
なんだか本当にJさんに似てて
お父さんみたい。
 
 
工)でも本番は雨がザザ降りだから
  泣いてるのわかんないと思うんだよなぁ…
  どうやって撮るんだろ。
 
 
工さんは興味深そうに
スタッフさんたちの方を見てる。
 
それから一通りリハを終えて
いよいよ本番。
 
 
ス)雨いいよー!
ス)はい!!
♡)……うわ…っ
 
 
すごい。
本当に雨が降ってきた。
 
これは…
本当にザザ降りだ。
 
 
カ)じゃあ本番いきまーす!
  用意、スタート!
 
 
雨の中、びしょ濡れになりながら
フラフラと歩いて…
 
無意識に辿り着いたのは、
二人の思い出の場所。
 
 
……服が…重たい。
 
髪も顔に貼り付いて…
激しい雨粒がまつげに次々ぶつかって
目も開けられない。
 
 
♡)…っ
 
 
大好きなのに、もう会えない。
 
こんなにこんなに、大好きなのに…。
 
臣くんとはさようなら。
 
もう二度と…二度と、会えないの。
 
 
♡)…っ
 
 
堪えられるわけない涙が
次から次へとこぼれ出す。
 
 
♡)…ふ…っ…
 
 
こんな私、雨に溶けて…
なくなっちゃえばいいのに…。
 
 
身体から力が抜けるように
膝から崩れ落ちて…
 
そのまま道に倒れて、目を閉じた。
 
 
カ)はいカットーーー!!
 
 
その声も、どこか遠くに聞こえて…
 
 
ス)姫さん、大丈夫ですか?!
 
 
駆け寄ってきてくれたスタッフさんが
私を抱き起こして毛布で包んでくれた。
 
 
カ)OK!着替えていいよ!
M)先輩、こっちです!
 
 
そう言って手を引かれるけど
私の目からは涙が止まらなくて…
 
 
工)感情入りすぎちゃった?w
 
 
工さんが困ったように優しく笑って
私の頭にポンと手を乗せた。
 
 
♡)……。
 
 
臣くんとさよならって思ったら
胸が張り裂けそうで…、
 
 
工)あああ、また泣いてる!w
♡)…っ
工)大丈夫?
♡)……(こくん)。
 
 
そっか、感情入れすぎちゃったんだ。
 
本当に悲しくて、死んじゃいそうだった。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
臣)昨日も鍋したんだって!
賢)はぁ?お前何フライングしてんの!
臣)いや、昨日は予定外で…
さ)今日だって鍋だよ!!
  こんな鍋にぴったりの季節に
  鍋しないでどーすんの!
臣)だって〜〜〜
凪)じゃあせめて昨日とは違う鍋にする?w
  広臣くん昨日は何鍋だったの?
臣)んっとねぇ、豆乳鍋とちゃんこ鍋。
さ)ええー!豆乳鍋が良かったのにぃ!
賢)俺はちゃんこが良かった!!
凪)あはははw
 
 
4人でやってきた近所のスーパー。
 
昨日すでに鍋しちゃったって言ったら
大ブーイングを受けてる俺。
 
♡が帰って来る前に
買い出し終わらせちゃおうってことで
先に4人で来たんだけど…
 
 
凪)ほら、色々種類あるよー!
  坦々胡麻鍋、みぞれ鍋、カレー鍋、
  塩バター鍋、ミルフィーユ鍋…、
  ね?
賢)ぶーぶー
さ)ぶーぶー
凪)ほら、調べたらもっとあるよ!
  トマト鍋とか…、豚のレモン鍋とか、
  もつ鍋、ハリハリ鍋…
臣)凪ちゃんは優しいなぁ。
さ)豚のレモン鍋って何!?
賢)鍋にレモン入れるの?!
凪)えっとね、これは…
  「豚バラとキャベツのうま塩レモン鍋」
  だって。
臣)あ、美味そうじゃん!
賢)ほんとだ。
さ)じゃあ仕方ない。これにするか!
臣)お願いしまーすw
 
 
それから鍋の材料と酒やつまみを
じゃんじゃんカゴに入れて。
 
そのままみんなで歩いて帰ってきた。
 
 
さ)♡まだ撮影終わらんのかなぁー
臣)朝早くからやってっから
  夜には終わると思うんだけどねー
凪)♡ちゃんが帰ってきたら
  すぐ食べれるように
  用意済ませておこうね♡
臣)凪ちゃんは優しいなぁ。
賢)俺の嫁だぞ。
臣)わかってるわ!w
さ)あ、LINEきたよー!♡から!
  今終わったってさー!
賢)お、丁度いいじゃん♪
 
 
臣『撮影おつかれ😊
  今日はレモン鍋だぞ🍲笑』
さ『用意して待ってるよーん✌️💕』
 
 
俺たちがグループLINEに打ち込むと
すぐに♡から返事が来た。
 
 
♡『また鍋なんだ😂笑
  レモン鍋なんて食べたことないや🍋
  準備してくれてありがとう💕
  楽しみにしてるねー😆✨』
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♡)どうもありがとうございました♡
  はっくしゅん!
 
 
最後の挨拶をしてたら
くしゃみが止まらなくて…
 
 
カ)あちゃーー、
  風邪引いちゃったかな?ごめんね?
♡)いえ!大丈夫です!
 
 
もう着替えて髪も乾かしたのにな。
 
 
工)お疲れ様でした、
  ありがとうございました。
  はっくしゅん!
♡)あ。
 
 
工さんもくしゃみしてる。
 
 
♡)大丈夫ですか?
工)あはははw
  仲良く風邪引かないように
  気をつけようねーw
♡)あははは、はいw
 
 
それからMちゃんと一緒に
スタジオを出ようとすると…
 
 
工)♡ちゃん…!
 
 
後ろから呼び止められた。
 
 
♡)はい。
工)ああ、ええと…
  今日はお疲れさまでした。
♡)はい、お疲れ様でした♡
工)今日…、一緒に仕事できて良かったよ。
♡)ありがとうございます!
工)♡ちゃん…、まだそんなにメディアに
  出てないでしょ?
  だから…、今日共演するって聞いて
  どんな子なんだろうって思ってて…
 
 
そっか、私は工さんのこと知ってるけど
工さんから見たら私なんて
得体の知れない新人だよね…!
 
 
工)でもいい仕事が出来て良かったよ。
♡)あの、色々リードしてくださって
  ありがとうございました!
工)いえいえ、なんもw
♡)ふふふふ♡
工)……///
 
 
工さんはやっぱり笑顔が優しいなぁ。
 
 
♡)またどこかで機会がありましたら
  どうぞよろしくお願いいたします♡
 
 
丁寧にお辞儀をして
Mちゃんのところに戻ろうとしたら…
 
 
工)…っ
 
 
後ろからそっと肩を掴まれた。
 
 
♡)??
工)ああ、ええと…、ごめん。
 
 
工さんはすぐに手を離してくれたけど
困ったように頭を掻いてる。
 
 
♡)どうしましたか?
工)ううん、ごめん…ね。
  またいつか、どこかで。
♡)はい♡
 
 
私はもう一度頭を下げて
その場を後にした。
 
 
M)どうしました?
  言い寄られてたんですか?
♡)あははは、そんなんじゃないよーw
M)今日も無事終わりましたねー♡
  お疲れさまです♡
♡)えへへ、ありがとう♡
M)今日も可愛かったなぁ、先輩。
♡)ええ?
M)あんなに雨に打たれてズタボロな姿でも
  儚くて美しくて色っぽいって
  すごいことですよ!
♡)えっ!色っぽかった?!
M)はい。
♡)やったーーー!♡
 
 
大人っぽい褒め言葉は
あまり言われることがないから
とっても嬉しい♡
 
 
M)今は無邪気な子供のようですけど…
♡)はっ…
 
 
しまった。
 
 
M)じゃあまた明日♡
♡)うん、お疲れさまでした♡
 
 
Mちゃんとは駅で分かれて
私は早くみんなと合流したくて
電車を降りた後、家までの道をダッシュした。
 
レモン鍋って何かな〜〜♪
主役がレモンなのかな?
すっぱいのかな?
 
 
♡)ただいまーー!!
 
 
玄関の扉を開けたら…
 
……なんだか美味しそうな出汁の匂い。
 
 
臣)おかえりなさーーい♡
 
♡)ん…?
 
臣)おかえりおかえりーー♡
 
 
臣くんがキャピキャピ走ってきて
私に抱きついてきた。
 
 
♡)た…だいま?
臣)おかえり臣くーーん♡
 
 
なんだか激しくグリグリ擦り寄ってくる。
 
 
臣)とまぁ、これがいつもの♡でした。
♡)!!!
 
 
そう言って臣くんが振り向くと
リビングから覗いてる3人が大爆笑した。
 
 
♡)どうして私の真似するの!///
臣)参考までに?w
♡)そんなことわざわざみんなに
  言わなくていいでしょ!///
臣)あはははw
 
 
もう!恥ずかしいんだから!///
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
プリプリ怒ってた♡は
テーブルの上に出来上がってる鍋を見て
一瞬でご機嫌になった。
 
単純…ぷぷぷ…w
 
 
凪)「豚バラとキャベツのうま塩レモン鍋」
  だよー♡
♡)すごい!いい匂い!美味しそぉぉ♡
さ)よーし!じゃあ食べよっか!
♡)うんっ!♡
 
 
昨日は9人もいたけど
今日は5人だからほどよい感じw
 
みんなでグラスを合わせて乾杯して
早速鍋に手をつけた。
 
 
♡)これはレモンも食べれるの?
凪)ううん、レモンは食べないよw
♡)トマトも入ってる!すごーい!
臣)なんかもはや「鍋」ではないよなw
賢)うんw
さ)新ジャンルの料理だ!w
 
 
実際にみんなで食べてみると…
 
 
臣)うん、…これは…
賢)なんつーか…
♡)イタリアンな感じ!
さ)それだ!!
凪)あはははw
 
 
でもこれはこれでめっちゃ美味くて
みんなでバックバク食べた。
 
 
臣)どうなのお二人さん、新婚生活は。
凪)えー?w
賢)結婚する前から一緒に住んでたし
  そんな大きな変化はないよな?
凪)うん。
臣)そっかー。
さ)いやーでもほんと良い式だったよねー♡
♡)うんっ!♡
臣)凪ちゃん綺麗だったよなー
♡)うんっ!♡
さ)賢司もカッコ良かったよ♡
賢)へへ、さんきゅーw
凪)そうだ、広臣くん、ごめんね?
臣)ん?
凪)うちの若い子たちが
  結局騒いじゃったみたいで…
  あとで主任から聞いたんだー。
臣)ああ。
凪)静かにしてねって頼んであったんだけど…
さ)もうキャッピキャピだったよね?w
♡)うん!
 
 
あ、♡がほっぺを膨らませた。
そのほっぺを横からつんつん。
 
 
賢)俺の会社の人たちもさ、
  ♡に結構群がってたよなw
  ごめんな?
♡)ううん!
賢)休み明け会社行ったら
  めっちゃ言われたもん。
さ)なんて?
賢)あの可愛い子だれ!
  全然連絡来ない!
  連絡先教えてくれー!ってw
さ)あははは、カード渡した人たちだねw
臣)むぅ……
 
 
俺が♡の真似をしてほっぺを膨らませると
♡が笑いながらつんつんしてきたw
 
 
さ)あたしも何枚かカードもらって
  持って帰ったらさー
  旦那が「何これ」って
  ヤキモチ妬いちゃって。
臣)あらら。
さ)貰うの断ればいいだろ、って。
臣)お仕置きされちゃった?
さ)うんw
♡)お仕置き?!痛いことされたの!?
臣)なんでだよ!w
  そっちのお仕置きじゃねーわw
♡)えっ…、……あ、エッチな話?///
さ)別にそんな変なことされてないよ!///
♡)……そっか///
さ)されてないってば!///
賢凪)あははははw
 
 
それから鍋を平らげると
みんなでソファー前に移動して
酒を飲みながら結婚式のDVD鑑賞会。
 
 
臣)ちょっと待った!何これ!///
 
 
再生したらメニュー画面の一番下に
「タキシード仮面」ってあるんだけど!!
 
 
凪)それはもちろん♡
賢)なぁ?♡
臣)なんでわざわざディスクに焼くんだよ!
さ)だってこれも結婚式の大事な思い出の
  一つぢゃ〜〜んw
♡)あはははw
臣)……///
 
 
隠し撮りしてたさくちゃんのせいだかんな!
…ったく!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
みんなでワイワイはしゃぎながら
一通りDVDを見終えて。
 
私たちの分のディスクももらったから
今度瞬に見せてあげようっと♪
 
 
さ)やっぱりカッコいいなぁタキシード仮面。
凪)素敵だったねぇ♡
臣)その話はもういいから!///
 
 
臣くんは散々からかわれて
照れてるのを誤魔化すようにお酒を飲んでる。
 
 
♡)タキシード仮面様ぁ〜〜♡
 
 
ふざけて抱きつけば
臣くんは「コラ」って笑いながら
私を抱きとめてくれた。
 
 
さ)臣くんがタキシード仮面なら
  ♡はセーラームーンじゃん。
  よし、お団子頭にしちゃえw
♡)ええ?!
 
 
さくちゃんがソファーの後ろにまわってきて
私の髪をあれこれ触り始めた。
 
 
賢)俺思うんだけどさ、あの髪型が
  現実世界で似合う人間っていなくね?w
凪)あははは、確かにw
さ)うーん…難しいな。
  じゃあ普通にツインテールにしちゃうか!
臣)あはははw
さ)ちょちょいの…ちょい!っと!
♡)……ん?
 
 
みんながじーっと見てる。
 
 
♡)変…なの??
賢)いや…、うーーん…
  可愛いんだけど…高校生みてぇ。
♡)!!!
凪)うん…、でも可愛いよ?
 
 
子供扱いされてしょんぼりしてると
前に回ってきたさくちゃんが
私を見て大爆笑した。
 
 
さ)やばい!可愛すぎる!w
  年齢不詳!ww
♡)むぅぅ…。
 
 
隣を見ると臣くんがニヤニヤ笑って…
 
 
臣)お手。
 
 
って右手を差し出してきた。
 
 
♡)犬じゃないーーーー!!怒
皆)あははははw
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
ふわふわの髪の毛をツインテールにした♡は
なんかトイプードルみたいで。
 
可愛くてからかってると
ぷくーっとほっぺを膨らませて拗ねてるw
 
 
さ)臣くんこのお酒開けてもいーのー?
臣)おう、いいよ!
  ダメなやつなんてないから
  好きなの飲んでw
さ)やったー♪
 
 
さくちゃんが昨日の余りも
いそいそと運んできた。
 
 
凪)あ、そういえばさくちゃん、子作りは?
  お酒大丈夫なの?
さ)あ、うん!二週間後だからだいじょーぶ!
凪)そっか、良かったw
さ)てかさー、あたし達ちょっと考え変えて。
♡)え?
さ)あまり神経質になりすぎないで
  のんびり子作りしよっかなって。
臣)そうなの?
さ)うん。
  友達夫婦がね、子作りに熱入れすぎて
  夫婦間がぎくしゃくしちゃってて…
  あんな風にはなりたくないなーって。
賢)ぎくしゃくって?
さ)なんてゆーか…
  Hするのが義務みたいになっちゃう感じ?
凪)うん。
さ)そんなのやじゃん?
凪)そうだね。
臣)Hすんのが「義務」かぁ。
  俺は♡とH出来んなら
  義務だろうがなんだろうが万々歳だけど。
♡)!!??///
賢)ぶっww
さ)臣くんみたいな発想の人には
  無縁の話だよ!w
凪)あはははw
♡)ねぇ臣くん、酔ってるの!?ねぇ!!///
  いきなり恥ずかしいこと言わないで?!
臣)はぁ?何が恥ずかしいんだよ!
さ)そうだよ、♡。
  女は求められるうちが花だよ。
臣)安心しろ。
  俺は一生求めるから。
♡)だからそーゆーことは
  言わなくていいの!///
賢)あははははw
 
 
ほんと可愛いなぁ、このトイプー。
 
制服とか着せたら可愛すぎて
絶対さらわれるよな。
 
 
さ)凪ちゃんたちは?
凪)うちものんびり始めてるよーー
臣)マジか…!!
賢)なんだよ。
臣)……。
 
 
お前中出ししまくってんのかこの野郎。
 
 
臣)ほんとにいいの凪ちゃん。
  相手が賢司で。
賢)今更何言ってんだよ!w
臣)だってさぁ〜〜
  凪ちゃんは見るからに
  良いお母さんになりそうだけど…
  お前が父親とかなんか想像できねぇw
賢)それは俺も想像出来てねぇよw
臣)あはははw
 
 
俺たちがふざけて笑ってると
凪ちゃんはニッコリと微笑んだ。
 
 
凪)私もきっと母親として
  至らないことがたくさんあると思うの。
  私も賢司くんも
  初めて「親」になるわけだし…。
  そこは二人で助け合いながら
  一緒に成長していけたらいいなって
  思ってるよ。
 
 
……さすがだなぁ。
 
 
臣)いい子だなぁ、凪ちゃん。
賢)俺の嫁だぞ。
臣)しつけーな!w
賢)お前の嫁は隣のトイプーだ。
臣)……お手。
♡)だから犬じゃないってばー!///
皆)あははははw
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
みんなが帰っていったのは
日付が変わったぐらいの時間。
 
私も結構飲んじゃったから
ふわふわして、眠くって。
 
 
♡)ふにぃ……。
 
 
ちゃんと…お化粧…
落とさなくっ…ちゃ…
 
 
臣)おーい、こんなとこで寝たら
  風邪ひくぞー。
♡)……はっくしゅん!
臣)ほらーー!
♡)……違う…もん…。
  これは今日…雨に濡れたから…、
臣)雨?今日晴れてたじゃん。
♡)……違う…もん…。
 
 
眠たいのに臣くんが
こしょこしょしてくるよぉーー
 
 
♡)……撮影…で。
臣)撮影?雨の撮影だったの?
♡)むにゅ……。
 
 
私の髪の毛で耳をこしょこしょするの
やめてぇ…
 
 
♡)……ひゃあ!
臣)あ、起きた。
♡)いきなり何するの!
臣)おっぱい触ったら起きるかなと思って。
♡)……。
 
 
起きたけど…、、
 
 
♡)あ、そういえば今日の撮影、
  工さんとだったんだよ!
臣)タクミさん?どちらのタクミさん?
♡)斎藤工さん。
臣)え!!マジで!!??
♡)うん。
臣)ちゃんと挨拶した?
♡)なんて?
臣)臣くんがいつもお世話になってますって。
♡)だから出来ないでしょ!もう!w
臣)あはははw
 
 
臣くんは笑いながら
私の頭を自分の膝の上に乗せてくれた。
 
 
臣)工さん多分、今月の
  ヴェルサーチのパーティーに来るから
  お前一緒に行けるなら行く?
♡)え?
臣)そしたらそん時紹介するよ。
♡)え、なんて?
臣)彼女ですって。
♡)…っ
臣)そしたら
  「臣くんがいつもお世話になってます」
  って言えるだろ?
♡)……うん///
 
 
ちゃんと紹介してもらえるのは嬉しい。
 
 
♡)でも私が行って大丈夫なパーティーなの?
臣)大丈夫っしょ。
  行くなら服とか用意するし。
♡)私…ヴェルサーチ似合わなそう…
臣)……うん、だね。
 
 
二人で顔を見合わせて、苦笑い。
 
 
臣)ま、そこは俺に任せなさいw
♡)お願いします…。
臣)てかさ、今日の撮影はどうだったのよ。
♡)え?
臣)工さんとの。
♡)ああ、どうって…?
臣)イチャイチャしたんじゃねぇだろうな。
♡)してないよ!
  恋人の設定だったけどね、
  んーと…手を繋いだくらいかな?
 
 
だってそれ以上は
臣くんに禁止されてるもん。
 
 
臣)……ふーん。
 
 
あれ?拗ねてるのかな?
手繋いだだけなのに…?
 
私は臣くんのサマンサみたいに
イチャイチャしたりしてないのに。
 
 
♡)へへへ♡ チュッ♡
臣)……なんだよ///
♡)臣くんかわい♡
臣)はぁ?
♡)じゃあ私、シャワー行ってくるねー♡
臣)……。
 
 
着替えを持ってバスルームに向かうと…
 
 
♡)あ。
 
 
鏡に映ったのは、ツインテールの私。
 
……確かに…トイプーっぽいかも…。
 
 
♡)むぅぅぅ…。
 
 
私は大人の素敵な女性を目指すんだいっ!
 
髪をほどいて勢いよくシャワーを浴びた。
 
 
♡)ぷはぁっ、気持ちいいなぁ♡
 
 
髪も身体も顔もスッキリ綺麗になって
シャワーの後はしっかりお手入れ。
 
 
♡)うーん……。
 
 
鏡をじっと見つめて
髪の毛を上げてみた。
 
どうしたら大人っぽく見えるかなぁ?
ツインテールは二度としないもんね!
 
……分け目を変えてみたらどうかな…?
 
こんな風に…反対側から斜めとか。
 
 
♡)おお…。
 
 
ほんの少しだけ大人っぽくなった気がするー!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♡と交代で俺もシャワーに入ると
バスルームはなんだか良い香り。
 
あいつの後に入ると
いつもいい匂いすんだよなw
 
 
臣)よしっと。
 
 
髪も乾かしてリビングに戻ると…
 
 
臣)ああ!!
 
 
トイプーが犬みたいに丸まって
ソファーで寝ちゃってんじゃん!
 
 
臣)こらー、起きろーー
  風邪ひくっつーの!
  ベッド行け!
♡)むにゅ……。
臣)ん…?
 
 
なんかこいつ、いつもと分け目が違う。
どうしたんだろ。
 
 
臣)起ーきーろーー。
♡)ね…む…ぅ…
臣)だからベッド行って寝るぞ。
♡)……。
臣)起きろほら。
  あ、そーだ。
  直己さんが誕生日にクッキー欲しいって。
♡)クッキー。明日…焼くもん…。
臣)あ、そうなの?
 
 
ちゃんと覚えてたんだ?
偉いなぁ。
 
 
臣)ありがとね。
♡)臣くんには…あげない…もん。
臣)は?なんでだよ!
♡)私…わんこじゃないもん…。
臣)……。
 
 
根に持ってやがるな?w
 
 
臣)もう強制連行!
♡)んにゃっ…
 
 
♡を横に抱き上げて
寝室に連れていった。
 
あ、やっぱりいつもと分け目違う。
なんか…、いいじゃん、うん。
 
可愛い。
つーか…色っぽい。
 
分け目だけでこんな変わる?
 
 
臣)はい。
♡)……あり…がとぉ……。
 
 
あああ、寝ちゃった。
相変わらず早いな。
 
まぁ今日は酒も入ってるしな。
 
 
臣)……。
 
 
隣に入ってしばらくその寝顔を見つめながら
柔らかい髪をそっと撫でる。
 
 
臣)……可愛いなぁ…。
 
 
……はっ。
 
 
俺ってば…
彼女の寝顔を見つめながら
つい本音が漏れるなんて、キモい!?
 
大丈夫かな?
 
いや、そのへんの男が言ったらキモいけど
俺は彼氏なんだからいいだろ!そうだろ!
 
 
だって…
可愛いんだもん。
 
 
この無邪気な寝顔。
寝てても可愛いんだよ?すごくない?
 
つーか…
今日は「可愛い」ってより
やっぱり「色っぽい」な。
 
この分け目のせいかな。
 
 
あんな可愛いトイプーから
この色っぽい感じへの振り幅。
 
なんて奴だ。
 
 
♡)……ん、ん…。
 
 
なんだ今の艶かしい声は。
髪撫でてるのがくすぐったかったのかな?
 
それにしては無駄に色気があったような…。
 
 
臣)……はぁ///
 
 
もういいや。俺も寝ようっと。
 
 
臣)よいしょ…。
 
 
ベッドに入って
♡の身体をふわりと抱き寄せた。
 
 
柔らけぇなぁ…
気持ちぃなぁ…
 
……ああ、早く抱きてぇなぁ…。
 
 
臣)……。
 
 
しまった。
 
そんなこと考えずに
とっとと寝れば良かったのに…
 
抱きたい、なんて思ったが最後。
すげぇムラムラしてきちゃったじゃん。
どうすんの、俺。
 
 
……よし!
我慢するためにちょっとだけおっぱい触ろ。
 
 
失礼しまーす……。
心の中で一応断りを入れて…
 
忍ばせた手が、柔らかいそれに辿り着くと…
 
 
臣)////
 
 
ああああああ///
 
なんで♡のおっぱいってこう
破壊力がすげぇんだ?!
 
触った瞬間、脳みそ溶けるっつーか…
ふにゃ〜〜〜んってされるっつーか…
 
 
臣)……はぁ///
 
 
気持ち良すぎ。ヤバイ。
 
ダメだ。余計ムラムラしてきた。
そりゃそうだよな。
 
我慢するために少しだけ触ろうとか思った
数秒前の俺って、バカじゃね?
 
バカだ。絶対バカだ。
 
 
……脚も触っていいですか…?
 
 
………ああああああ///
 
なんでこんなツルツルすべすべなんだぁぁぁ!
 
気持ち良すぎる!!///
 
 
すべすべなふくらはぎから膝まで
手を滑らせて…
 
そのまま、上へ…、上へ…、
 
 
臣)はぁぁぁ////
 
 
これですよ、これ。
この太もも!!
 
たまらんがな……!!///
 
ぷにっぷにの柔らかい弾力。
最高すぎる…。
 
 
……しばらくの間、太ももを堪能したら
また俺の手はおっぱいへと戻っていって…
 
ああ、もう、すっげぇ舐めたい。
かぶりつきたい。どうしよう。
 
 
そんなことばかり悶々と考えながら
ひたすらその気持ち良さに溺れていたら…
 
 
♡)……ん…、どう…したの…?
 
 
♡がうっすらと目を開けて
色っぽい声を唇から漏らした。
 
 
臣)……ごめん、なんかもう…
  我慢できなくて…///
 
 
こんな勝手に触りまくってたら
もう正直に謝るしかない。
 
 
♡)……あ、……っん
 
 
ちょ、そんなエロい声出さないで///
 
 
♡)…ん…ん……、、
 
 
いや、エロい触り方してる俺が
悪いんだけどさ?
 
 
♡)……は…ぁ、……ん、っ///
 
 
ああああああ〜〜〜
もうその声たまんねぇから!ほんと!///
 
 
臣)………死にそう///
 
 
もう限界で、♡の胸の上にぼすんと
顔を埋めた。
 
 
♡)臣…くん…?
臣)…っ
♡)……大丈夫…?
 
 
まだ寝ぼけてるのか、
♡は気怠い雰囲気で
相変わらず色っぽい喋り方をする。
 
まるで♡じゃないみたい。
 
 
♡)ね……、
 
 
その綺麗な手が俺の頬をそっと撫でた。
 
 
♡)…して…ほしい…?
臣)……っ
 
 
え?
 
 
♡)……いいよ…?
 
 
え?え?え???
 
 
♡はゆっくりと身体を起こすと
そのまま俺に優しく口付けて…
 
 
臣)////
 
 
その仕草や、艶かしいキスや…
 
なんか♡を彩る全てが色気に満ちていて
俺の心臓は、バクバク。
 
 
♡)はぁ…、///
 
 
そんな色っぽいため息、吐かないで///
 
 
寝起きだから?
それともまだ少し酔ってる?
 
たまにチラリと俺に送られる視線が
すげぇエロくて、たまんない。
 
 
なんだこの色気。
こんな♡、初めてなんだけど///
 
なんつーか…
そうか!髪型か!
髪型もなんかすげぇエロいからだ!!
 
 
臣)////
 
 
♡はアンニュイな色気を漂わせたまま
ゆっくりと俺の身体にあれこれしてきて…
 
俺はあっという間に
その甘い快楽に飲み込まれて、
♡に身を委ねた。
 
 
臣)♡……、///
 
 
なんか…すげぇ熱い。
 
頭も身体も…朦朧とする。
 
 
すげぇ気持ち良くて…
ほんと気持ち良くて…
 
………たまんねぇ…///
 
 
どうしよう。
 
♡のとんでもない一面を
新しく知ってしまったかも……。
 
 
臣)♡……、///
 
 
愛しくて何度も名前を呼ぶけど
♡は甘い吐息と視線を俺に返すだけ。
 
 
それがあまりに可愛くて、エロくて、、
 
 
俺はそのまま♡に
あっという間に熱く溶かされ尽くした…。
 
 
 
 
 
ーendー

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