[300]サプライズご挨拶(岩&◇Side)

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岩)ああーーーー、……眠い。
 
 
水木と京セラ2公演を終えて、
中日の今日。
 
もうすぐ昼だってのに、眠くて仕方ない。
 
 
岩)もう夕方まで寝ちゃおっかな…。
 
 
だって明日からまた2公演だし。
少しでも寝て身体を休めておかなきゃ
持たねぇよな。
 
とか言いながらここに◇がいたら
俺は迷わず襲ってると思うけど。
 
 
あーーー、会いたい。
あいつをぎゅってするだけで癒されんのになー
 
 
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
 
 
岩)お。
 
 
そんなこと考えてたら
ちょうど◇から電話が来た。
 
 
岩『もしもし?』
◇『あ、その声は寝てたでしょーー』
岩『なんでわかんの?!』
 
 
結構普通に喋ってるつもりですけど!
 
 
◇『剛典のことならなんでもわかるもんねーw』
岩『マジっすかw』
 
 
なんだかご機嫌な様子。
声がめっちゃ明るい。
 
 
◇『やっと中日だもんね、お疲れさま。』
岩『うん。』
◇『あたし今奈良着いたよーー
  これから友達に会ってくる。』
岩『うん。』
◇『剛典もし疲れてるなら夜の約束…』
岩『だいじょーぶ!』
◇『ほんと…?』
岩『うん。それまで寝てるから。』
◇『あはは、そっかw
  じゃあ久々のデート、楽しみにしてるね♡』
岩『うん。
  じゃあ気をつけて行ってこいよ。』
◇『はーい♡』
 
 
なんて。
 
ほんとはデートじゃないんだけど。
 
 
さ、サプライズに向けてもう一眠り…
 
 
ピロピロ♪ピロピロ♪
 
 
岩)ん…?
 
 
LINEを開くと…
 
 
『岩ちゃんLIVEで大阪来てるんだよね?
 呼んでくれたらいつでも出張しちゃうよ💋
 会いたいなー💕』
 
 
岩)……。
 
 
誰だろう、このマリコって。
 
 
遊び相手の連絡先、全部消したから
マジでわかんねぇ。覚えてない。
 
どちらのマリコさんですか…?
なんて失礼な返事は返さずに、シカトシカト。
 
 
いまだにこーゆー謎の女からの連絡、
来るんだよなぁ…。
 
こっちの携帯、番号変えよっかな。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
◇)可愛いぃぃぃぃいいい!///
女)ふふ、ありがと♡
女)もう天使やん!可愛すぎ!♡
女)見て!こんなちっさい手に
  ちっさい爪がついてんねんで!
女)可愛すぎやん〜〜〜!!♡
 
 
久しぶりに帰ってきた地元。
 
子供が産まれて三週間の友達の家に
お祝いを持ってお邪魔して…
新生児の可愛さに、みんなやられっぱなし。
 
 
◇)あかん。ずっと抱っこしてたい。
女)ちょっと!交代してや!w
◇)もう少し堪能させてや〜〜!
女)みんな抱っこしたいねん!w
 
 
もう抱っこの争奪戦で
赤ちゃんはてんやわんや。
 
 
女)なぁなぁ、痛かった?
女)痛すぎやで!死んだわ!!
女)ほんまに?!そんな痛いん?
女)地獄やでほんま!
女)ひぃぃぃっ…
 
 
出産の壮絶な秘話に
みんなで震え上がって。
 
 
◇)あたしは産むなら絶対無痛分娩にする。
女)ほんまにー?
◇)痛いの絶対嫌やもん。
赤)んぎゃー!んぎゃー!
◇)あ!泣いてんで!おっぱいか?!
女)ううん、オムツだと思うー
◇)あたし替えたい!やらせて!
女)ええよーw
 
 
ドキドキしながらオムツを握りしめて…
まだか細い赤ちゃんの足をそっと持ち上げた。
 
 
◇)ひゃ〜〜〜〜小さいよぉぉぉ…
 
 
ピューーーッ
 
 
◇)ぎゃーー!!
  おしっこ噴射されたーー!!
女)あっはははw
  大丈夫?かかってへん?
◇)かかってへんけど布団は濡れた!
女)ええでええで、洗濯するから。
◇)ごめん!あたしが下手やったんかな?
女)男の子やし、たまに噴射すんねんw
◇)ほんま?!
女)おっぱいも割とすぐ吐いてまうし
  もう毎日洗濯の嵐やでw
◇)そうなんや…大変やな…。
 
 
とりあえずおしっこで濡れちゃったから
服も着替えさせて…
 
 
◇)ふぅ、出来たぁーーー
 
 
あ、気持ち良さそうに目を閉じた。
 
 
◇)可愛いぃぃぃ♡
  また寝るんかな?
女)寝てばっかやんなーw
女)新生児のうちはみんなそうやでw
 
 
それから赤ちゃんはベビーベッドに寝かせて
みんなでしばしのティータイム。
 
 
女)◇は同じ会社の人と
  付き合うてんねやっけ?
◇)あ、それはもう別れた。
女)そうなん?
女)今彼氏おらんの?
◇)おるよー、違う人。
女)そうなんや!どんな人なん!
◇)ええと…
 
 
みんなの目が期待に輝いてる。
困った…。
 
 
◇)ダンス関係の仕事してる人。
女)ダンス!!
  なんかむっちゃ意外!!
◇)え、そう?
女)カッコええの?写真あるー?
◇)写真今日はないわーー
女)えーー!残念!
女)まだ付き合いたてってことは
  結婚の話とかは出てへんの?
◇)ええと…、まぁ、うん、そのうち。
女)そうなんやーー
  マミとミサはどうなん?
女)あたしもまだやでーー
  子供は欲しいねんけど。
女)あたしもーー。
 
 
なんて、色々話して盛り上がってたら
気付けばあっという間に時間が経ってて。
 
 
◇)やばっ!
 
 
バス間に合うかな?!
 
 
女)なんか長居しちゃってごめんなー?
女)全然やでー、また遊びに来てなー♡
◇)ほんまありがとう♡
  むっちゃ癒されたわー♡
女)◇もこっち帰ってきたら
  また連絡してなー♡
◇)うん♡
女)ほなお邪魔しましたーー!
◇)またなー!
 
 
これから飲みに行くっていうみんなとは
家を出てすぐに別れて
あたしはバス乗り場までダッシュしたけど…
 
 
◇)しまった…。
 
 
行っちゃったばっかりだ…。
 
どうしよう。
 
 
せっかく剛典が忙しい中、
デートの予定立ててくれたのに。
 
LIVEで疲れてる中、
お店まで探して予約してくれたのに。
 
あたしのバカーーーー!!
 
 
◇)とりあえず電話して謝ろう…。
 
 
プルルルル…、プルルル…
 
 
岩『はーい。』
◇『剛典?あのね、ほんとにごめん!!』
岩『ん?』
◇『バス乗れなくて…
  次の待ってたら30分くらい遅れそう…』
岩『お、マジか。』
◇『本当にごめん!!』
岩『んーー、大丈夫。気をつけて来いよ。』
◇『…あ!ちょっと待って!
  なんもバス乗らんでも
  タクシー乗ったらええやんな!』
 
 
ハッと気付いて、乗り場を探した。
 
 
岩『いやいや、そんな急がなくていいって。』
◇『嫌や!あたしも楽しみにしててんもん!
  早く剛典に会いたいもん!』
岩『……なんだよ、それ。可愛いな…。』
◇『タクシー乗って急いで向かうから
  待っててな!』
岩『ん、わかった。気をつけてな。』
◇『うん!!』
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
◇の電話で目が覚めた。
 
俺マジでこんな時間まで爆睡してたのか。
 
たっぷり寝たおかげか
身体は少し軽くなってる。
 
 
岩)ふぅ…。
 
 
「早く剛典に会いたいもん!」
 
 
岩)……へへ、///
 
 
可愛いなぁ…あいつ。
俺だって早く会いたいよ。
 
 
岩)さて。
 
 
30分遅刻となるとその間
俺だけで場を持たせなきゃ
なんないわけで。
 
……ちょっと緊張。
 
いや、でも…
ある意味良かったかも。
◇抜きで話できるのも貴重だし。
 
 
なんて考えながら
シャワーを浴びて、歯を磨いて、
大人っぽく見えるように髪は上げて。
 
スーツとまではいかないけど
キチッとジャケットを羽織った。
 
 
岩)よし。
 
 
用意してた手土産を持って
エレベーターを降りてタクシーに乗り込む。
 
 
予約したのは四季折々の会席料理を楽しめる
大阪でも人気の老舗の料亭。
 
庭園の手入れも行き届いていて
写真で見てもすごく綺麗だった。
 
 
もちろん一番乗りで到着して
奥の個室に通されて、一人で待つ。
 
い草の真新しい匂いが
和の雰囲気をより一層深めていて
とても落ち着く空間。
 
 
岩)写真より綺麗だなぁ…。
 
 
窓の外にはほんのりライトアップされた木々が
綺麗に並んでいて…
 
襖に手をかけてその景色を眺めていたら
 
「失礼いたします」
 
反対側から女将さんの声が聞こえた。
 
 
岩)どうぞ。
 
 
「やぁ、こんばんは。」
 
 
笑顔で入ってきた二人は
上着を脱ぐと、ゆっくりとテーブルに座って
俺を見た。
 
 
岩)今日はお忙しいところお時間いただいて
  ありがとうございます。
花)いいえー。
岩)わざわざ大阪まで来ていただいて…
  本当にありがとうございます。
樹)ええねんええねん、
  大阪がええ言うたんはこっちやしw
花)たまにはこっちまで
  遊びに来たいもんなぁw
樹)うんうん。
花)◇と一緒ちゃうかったんやね。
岩)ああ、はい。
  今日は友達の家に
  遊びに行ってるみたいで。
  少し遅れると連絡がありました。
花)あら、そうなん!
 
 
そんな話をしてるうちに、
運ばれてきた日本酒と前菜。
 
 
「こちらは三宝盛りでございます。
 貝柱の香煮、菜の花、松葉黒豆、
 それからこちらが…」
 
 
女将さんの説明を聞きながら、
ポケットで揺れた携帯をこっそり開くと、
 
 
『あと15分くらいで着くー!
 ほんとにごめん!!😭🙏』
 
 
◇からだった。
 
 
樹)ここの料理はどれもほんまに
  美味いんよなぁw
 
 
なぬっ…
 
一番良い料亭を予約したんだけど…
さすが、ご存知でしたか。
 
 
花)なんといっても伊勢海老やね♡
樹)お前はほんま海老好きやからなぁw
 
 
二人は嬉しそうに箸を運びながら、
ふと俺を見た。
 
 
花)なぁ、剛典くん。
岩)はい!
花)ほんまに◇と付き合うとんの…?
岩)はい。
樹)いや〜〜びっくりやわぁ〜〜〜
  前に一度会うたやんな?ホテルで。
岩)はい、結婚式の時に…。
樹)あん時はもう付き合うてたん?
  「いつも仲良くさせていただいて
   おりますー」なんて言うてたやん?
岩)いえ、あの時はまだ…、///
  でも僕は好きでした。
花)まぁ!///
 
 
◇とそっくりな顔で
花恵さんが照れたように樹さんの肩を叩いた。
 
 
花)「僕は好きでした」やって!///
樹)なんやねんお前はw
花)イケメンが言うとカッコ良すぎて///
樹)剛典くん。
 
 
今度は樹さんが真っ直ぐに俺を見た。
 
 
樹)こんな場まで用意してもらって
  こんなこと言いにくいんやけどな、
岩)はい…っ
 
 
その言葉に身体が緊張して
ビシッと背筋を伸ばした。
 
 
樹)◇はうちの大事な一人娘やねん。
花)嫌やわあなた!桜がおるやん!
  一人娘ちゃうで!
樹)ああ、そうやったなw
花)あはははw
 
 
な、なんだこれは。
関西風のボケなのか?笑っていいのか?
 
 
樹)まぁ冗談は置いといて…
 
 
冗談だったのか!
 
 
樹)◇は私たちが大事に育ててきた
  ほんまに大事な娘なんですわ。
岩)はい。
樹)芸能人と結婚させるために
  育ててきたんとちゃうんです。
岩)…っ
 
 
も、もしやこれは…
反対…される…?
 
 
樹)剛典くんみたいな人とやったら
  苦労も多いでしょう。
岩)…っ
樹)私たちは◇にそんな苦労はさせたない。
岩)……。
樹)普通に恋愛をして普通に結婚して
  普通に幸せになってほしいねん。
岩)……。
 
 
やっぱり。
反対されてる。
 
 
樹)剛典くんやったらなんも◇やなくても
  素敵なお嬢さんいくらでもおるでしょう。
岩)……。
樹)まぁ結婚する言うてるわけとちゃうのに
  こんな話あれやけど、
  付き合うてるいうんも
  私たちとしては喜べませんわ。
岩)…っ
 
 
グサグサ刺さる、樹さんの言葉。
でも、覚悟はしてた。
反対される可能性だってあるって。
 
 
樹)できれば◇のためにも
  別れてやってくれへんかなぁ?
岩)……。
 
 
俺は俯いていた顔を上げて
真っ直ぐに樹さんを見据えた。
 
 
岩)お二人が心配に思う気持ちは
  よくわかります。
  ◇は本当に家族が大好きで、家族思いで…
  一緒にいるとそれをすごく感じます。
樹)……。
岩)だから…
  ◇がお二人にどんなに愛されて
  大事に育てられたかは
  僕もわかっているつもりです。
花)……。
岩)確かに僕の仕事は一般の方に比べて
  パートナーに負担をかけてしまったり
  いろいろ不便も多いかと思います…。
樹)……。
岩)でも…だからといって僕は
  ◇と離れるという選択肢はまったく
  考えられなくて…
花)……。
岩)僕も彼女が必要ですし、
  彼女が僕といたいと言ってくれた気持ちも
  大事にしたいんです。
樹)……。
岩)◇とも何度か話しました。
  いろんな辛抱や不便も
  あると思いますけど…
  そんな生活の中でも、
  二人でいられる時間を大切にしながら
  二人で幸せを積み重ねていきたいんです。
樹)……。
岩)僕を選んで良かったって、
  彼女にそう思ってもらえるように…
  後悔なんてさせないように…
  僕は僕の全力で彼女を大切にしたいし
  彼女の隣で彼女を支えていきたいんです。
  彼女の笑顔のそばに、いたいんです。
花)……。
岩)すぐに認めてはもらえなくても…
  これからの僕たちをもう少し
  見守っていただくことは出来ませんか。
 
 
そう言って深く頭を下げて、
何秒経ったろう。
 
聞こえてきたのは、花恵さんの笑い声だった。
 
 
花)嫌やわお父さん!もう!人が悪い!
  もうええやろ?!w
樹)うん、すまんかったなw
 
 
へ?
 
 
花)剛典くん、顔上げて?
岩)…っ
花)この人な?
  別に反対なんてしてへんねんで?
岩)え…っ
樹)いやぁ、一度くらい娘の彼氏に
  反対してみたいやん?
  あはははw
花)嫌やわ〜もう!w
岩)…っ
 
 
え、反対してたのは…演技ってこと…?
 
 
樹)ドラマみたいなん、やってみたかってんw
  君にお父さんと呼ばれる筋合いはない!
  みたいなん!w
花)もぉ〜〜〜!w
岩)…っ
 
 
ほんと…に…?
 
 
樹)◇の彼氏に直接会うなんて初めてやし…
  その相手がまさかなぁ、
  こんな自分でアポ取ってきて
  丁寧にセッティングしてくれて…って
  あまりに出来た男やから
  ちょっと意地悪したなってんw
岩)…っ
花)もう私、途中で吹き出しそうやったわw
  真面目な顔して
  「◇にそんな苦労はさせたない。」
  とか言うねんもんw
樹)あはははw
  まぁな、実際、芸能界にいると
  色々大変やと思うんよ。
  でもそれがわからんような子供でも
  ないやろ、◇は。
花)せやんなぁ。しっかりしてるから。
  わかった上で剛典くんとおりたいんやろ。
樹)二人でちゃんと話して二人で選んだ道なら
  二人で頑張ったらええ。
花)女なんて多少苦労してなんぼやんねw
  ふつつかな娘やけど…、
  剛典くん、よろしくお願いします。
岩)いえ!こちらこそ…っ!
 
 
頭を下げる二人に、俺も慌てて頭を下げた。
 
 
そこから雰囲気は一気に砕けて…
 
緊張してた俺は、
やっと息が吸えたような気分。
 
 
花)でも…
  さっきこの人も言うとったけど…
  他にも素敵な女性、
  たくさんいてはるでしょう?
 
 
伊勢海老のお造りを
美味しそうに口に運びながら
花恵さんがそう言った。
 
 
花)◇のどこがええの?
  って、私が言うんもあれやけどw
岩)うーん…、どこがというか…w
  いいところしか見つからないですけど…
樹)またまた!剛典くん上手いなぁ!w
岩)いやいや、本当ですw
  僕にはもったいないくらい…
  僕にとっては最高の女性ですよ。
花)いやぁ…ほんま上手いわぁ、剛典くん///
 
 
本当にそう思ってる。
 
 
それに…
 
樹さんが反対したフリをしたのは
イタズラ心なんかじゃなく
俺の反応を見るためだって、
なんとなくそんな気がするんだ。
 
花恵さんもそう。
冗談っぽい質問の裏には
娘を心配する気持ちが隠れてる。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
◇)はぁっ、はぁっ、
 
 
駅からの道を、必死に走って。
 
ああ、ヒールだから走りにくいし足が痛い。
でもそんなこと言ってらんない。
 
 
◇)ここだ…っ
 
 
地図を見ながらたどり着いたのは
豪華な門構えの老舗の料亭。
 
 
……なんでこんなすごいとこにしたんだろ。
 
政治家が接待に使いそうな…
一般人だったら結納とかでしか来なそうな…
 
 
高級感漂う石畳を進んで、
あたしは息を整えた。
 
 
◇)あの…っ、岩田で予約…
女)はい、お待ちしておりました。
  こちらへどうぞ。
 
 
剛典ってば久々のお外デートだから
気合い入れたのかな?
 
…にしても、すごすぎない?
お値段も高そぉ……
 
 
女)こちらでございます。
 
 
案内された個室の前で
女将さんがゆっくりと腰を落とした。
 
 
女)お連れ様がお見えです。
  失礼いたします。
 
 
な、なんか緊張しちゃうぜ。
 
ドキドキドキ…
 
 
ゆっくりと開かれた襖の奥に見えたのは、
あたしに気付いてニッコリ笑う剛典と…
 
 
◇)……え!!??
 
 
思わず二度見しちゃった。
 
 
◇)お父さん!!お母さん!!
 
 
なんで?!!
なんでここにおんの!!??
 
てか何してんの?!
は!?
 
意味わからん!!
 
 
◇)え、え、なんで…なんで…っ
母)お行儀悪いでー
  はよ座りぃー
父)ははははw
◇)いやいや、だから…なんで…っ
 
 
パニックになりつつ剛典を見たら
ニッコリ微笑んでるだけで…
 
 
◇)ど、どゆこと?!!
 
 
オロオロしたまま
あたしはとりあえず剛典の隣に座った。
 
 
なんで…
なんでお父さんとお母さんが…
 
 
岩)ご挨拶したかったから
  俺がお呼びしたんだよ。
◇)はぁぁぁ?!!
 
 
そんなん初耳ですけど!!
 
 
◇)そんなん一言も言うてへんかったやん!!
 
 
あたしはデートやと思ってたのに
なんやのこのびっくりな展開は!!
 
剛典お得意のサプライズか?!
ほんまびっくりやねんけど!!
 
 
母)あんた遅いから先にいただいてるでー
父)この伊勢海老、最高やぞ。
◇)いやいや、ちょっと待ってよ…
  あたしまだ現状についていけへん…
岩)ははははw
◇)はははは、ちゃうし!
 
 
どないなっとんねん!
 
 
岩)本当は奈良のお店にしようかと
  思ってたんだけど
  樹さんと花恵さんが大阪まで
  来てくれるって言ってくださって、
◇)なんで名前知ってんの!!
  てかなんで名前で呼んでんの!!
岩)いやぁ…、
  お父さんお母さんていきなり呼ぶのも
  失礼かと思って…
母)剛典くんはほんま真面目やわぁ♡
父)うんうん♡
◇)いやいやいや、
 
 
何やねんこれ。
もうとっくにお父さんとお母さんに
気に入られてる様子の剛典。
 
 
岩)実は僕が最近演じた映画の役柄も
  「樹」っていう名前だったんです。
父)ほんまにか!奇遇やなぁ!w
岩)はいw
  来年公開なんですけど…
母)それは観に行かんと!な、お父さん♡
父)せやなぁ〜〜♪
岩)ありがとうございますw
◇)……。
 
 
何やねんコレ。
なんかもうあたし一人ポカーン状態。
 
 
◇)ええと…、いただきます…。
 
 
事態が飲み込めないまま
静かに箸に手を伸ばした。
 
 
女)失礼いたします。
  こちらは、筍とくわい、フキノトウ、
  そしてこちらの牛ロースに
  使っておりますソースは
  お客様のものだけ
  りんごは使用しておりませんので。
父)ありがとうございます。
 
 
そう返事したお父さんを見て
お母さんはニッコリあたしに言った。
 
 
母)剛典くんね、
  わざわざ私たちにアレルギーがないか
  事前に確認してくれたんよーー
◇)えっ…
父)いや〜〜ほんまに
  気遣い抜群のイケメンやなぁw
母)ふふふふふw
 
 
いや、ふふふふじゃなくて。
 
 
◇)いつの間に連絡取ってたん?
  どーゆーこと?
母)ええと…何曜日やったっけ?
  ほら、あんたがお見合いやった日。
◇)火曜…日…?
母)その日に剛典くんが電話くれてん。
 
 
なんと。
そんな気配まったく見せんと
こんな準備してたやなんて…。
 
 
母)こんな素敵な彼がおんのに
  見合いなんてさせてごめんな?
◇)…っ
母)もうお母さん、何も言わへんから♡
◇)……。
 
 
もしや…
今後のお見合い話をシャットアウトするために
こんな計画を…?
 
チラッと隣を見れば
外行き顔でニッコリ笑う優等生な剛典。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
最初は驚いてたけど
◇もやっと料理を食べ始めて。
 
みんなで料理に舌鼓を打ちながら
いろんな話で盛り上がった。
 
樹さんも花恵さんも
楽しそうな笑顔を見せてくれて安心する。
 
 
岩)お二人は大学で知り合われたんですよね?
花)そうそう♡
樹)ははは、懐かしいなぁw
◇)出会った時、お母さんは
  彼氏いたんやもね?
岩)え!そうなの?初耳!
◇)「幹男」って人。
花)そうそうw
  そしたらな、お父さんが…w
◇)「幹」なんかより「樹」の方が
  しっかりしてるやろ!
  名前も勝ってるし俺の方がええ男や!
  俺にしとけ!…って。
岩)ええ?!
◇)あたしこの話大好きやねんw
  必死にお母さん口説くお父さん想像したら
  面白くてw
樹)コラw
 
 
樹さんは照れ臭そうに笑ってる。
 
 
花)今思えば無茶苦茶やんなぁ?w
樹)大事やろ、名前///
岩)それで…お付き合いされてた方とは…
花)別れてん!w
岩)わぁ…すごい!
樹)お前も俺のこと好きやってんもんな?w
花)強引な人やなぁ〜とは思っとったけどw
◇)でもその男らしさに惹かれたんやろ?
花)別にぃ〜〜
岩)じゃあそこからお付き合い
  されたんですか?
樹)全然!幹男とは別れたくせに
  その後もこいつはモテてモテて!
岩)ええ?!
樹)俺のこと好きなくせに
  ツンデレで振り回す振り回す!
 
 
その言葉に、俺は思わず◇を見た。
 
 
樹)とにかくモテてるし俺は焦っててん。
  もうええ加減俺のもんになれや!…って。
◇)それでやっと付き合うたんよね?w
母)その時のお父さん
  むっちゃ男らしかってんもん♡
樹)付き合い始めたら
  ツンデレは相変わらずやけど
  やっと甘えてくれるようになってなぁ。
岩)それが可愛くて…仕方なかった…?
樹)せやなぁ///
 
 
なんてこった。
顔もそっくりな上に
ツンデレな小悪魔ぶりまで
◇にそっくりだとは…。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
お父さんとお母さんの話を聞いて
剛典が何度もあたしをチラチラ見てくるから
その太ももをバシッと叩いてやった。
 
 
岩)いてっw
 
 
言いたいことはわかるけどねっ、ふんっ///
 
 
母)なぁなぁ剛典くん、知ってる?
  この子もほんまは
  む〜っちゃ甘えんぼなんやでw
◇)ちょっ…
 
 
いきなり何言い出すねん!
 
 
母)甘え下手やけど、
  ほんまは甘えんぼやねんw
岩)はい、知ってますw
母)あらあら♡
◇)何が知ってます、だよ!///
 
 
また太ももをバシッと叩いた。
 
 
岩)いてっw
 
 
お父さんとお母さんは
なんかニヤニヤしてるし!///
 
 
母)剛典くんにはちゃんと甘えてるんやねぇ♡
◇)べ、別に甘えてないし!///
岩)外ではこうなんですけどねw
◇)ちょっと!///
岩)いてっw
父)ほんまお前に似たんやなぁw
母)あははは♡
父)あれやもんなぁ。
  ◇は蓮が生まれるまでは
  ママー♡パパー♡って
  ず〜〜〜っとべったりで。
母)そうそう。
  せやのに蓮が生まれた途端、
  甘えてこぉへんようになってねぇw
岩)へぇ…
母)◇おいでーって呼んでも
  「お姉ちゃんやからいい!」とか言うて…
父)陰で一人で泣きべそかいてんねんなw
母)ぷぷぷっw
岩)かわいーーーw
◇)うっさい!///
 
 
からかうように笑った剛典を
ビシッと叩いた。
 
 
父)そっからやもんな、
  ほんまに甘えんくなって。
母)なぁ。ほんまは甘えんぼやのになぁ。
◇)そんな昔の話、もうええやろ!///
父)ははははw
母)でも今はちゃんと
  甘えられる人がおるんやね。
  お母さん安心した♡
◇)////
 
 
剛典はどうせまた
ニヤニヤしてるんやろなって
隣を見たら…
 
今度はむっちゃ優しい目で、あたしを見てた。
 
 
……何やねん、あほ…///
 
 
それからしばらくして剛典が席を立つと
お母さんが嬉しそうに口に手を当てた。
 
 
母)あんな、さっきな、
  お父さん剛典くんに意地悪したんやでw
◇)へ?!意地悪??
父)ははははw
母)交際に反対してるフリして、
  ◇とは別れてくれって。
◇)ええええ!??
 
 
うっそ…!
 
 
◇)剛典、なんて??
父)いやぁ、彼は立派やったで。感心したわ。
母)ちゃんと二人のこと考えとるみたいでな、
  お父さんに怯みもせんと
  しっかり受け答えしとったで。
◇)なんて…言うてたん…?
父)それは男同士の秘密や!
母)私もいたやん!w
父)いや、このセリフも言うてみたかってんw
母)もう嫌やわお父さん!ww
 
 
二人はゲラゲラ笑った後、
少し真面目な顔をして。
 
 
父)反対したフリをして彼の反応を窺ったことも
  気付いてる顔しとったな。
  賢い子やで、彼は。
母)そうね。
 
 
二人で顔を見合わせて、頷いてる。
 
 
母)僕にはもったいないくらい、
  って言うてたで、あんたのこと。
父)僕にとっては最高の女性です、って…
  そう言うてたな。
 
 
そんなことまでこっそり教えてくれるから…
 
 
◇)////
 
 
なんだか嬉しいような恥ずかしいような、
顔がぽわーっと熱くなった。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
樹)ほんなら剛典くん、また!
花)今日は忙しいのに
  わざわざほんまにありがとうね。
岩)いえ!こちらこそ!
  ありがとうございました!
 
 
手土産を渡して、
笑顔でお迎えの車に乗り込んだ二人を見送って
ふーっと、一息ついた。
 
 
◇)お疲れさま。
岩)……。
 
 
◇が俺の手をきゅっと握って。
 
 
岩)俺たちも帰ろっか。
◇)うん。
 
 
二人一緒に、タクシーに乗り込んだ。
 
 
◇は俺の手を何度もにぎにぎしてるけど
何も喋らない。
 
 
岩)なーにw
◇)……(ふるふる)
岩)ん…?
◇)……///
 
 
顔を覗き込めばもじもじして
ぷいっと顔を逸らすし。
 
 
よくわかんないけど可愛いから
俺も◇の手を握ったままで、
窓の外の流れる景色に目をやって。
 
 
あっという間に着いた、ホテルの地下入り口。
 
 
岩)お前の荷物届いてるよー。
 
 
部屋に入って明かりが着いた瞬間、
 
 
ぎゅっ…!!
 
 
背中に柔らかい感触。
 
 
岩)どーした?w
◇)……んん、///
岩)ん?
 
 
なんだなんだ?
なんか可愛いぞ?
 
 
◇)早くこうしたかった///
岩)…っ
◇)剛典…///
岩)////
 
 
後ろから聞こえる甘い声が
あまりに可愛くて…
 
 
岩)ぎゅってしたかったの…?///
 
 
自分まで甘やかすような優しい声に
なっちゃって…
 
……なんか、照れる。
 
 
◇)……(こくん)///
 
 
背中で頷いた気配を感じて
もう我慢できなくて、
すぐに振り返って正面から抱きしめた。
 
 
岩)ほら、もうw
◇)////
 
 
あ、嬉しそうにぎゅーって
俺の背中を握ってる。
 
……可愛すぎ///
 
 
岩)お風呂広いから一緒に入ろっか。
◇)……うん、入りたい///
 
 
「いいよ」とか「仕方ないなー」とかじゃなく
「入りたい」だって。
 
ねぇ、聞いた!?
「入りたい」だって…!!!
 
 
岩)////
 
 
ふぅ…。
平常心を保って風呂の蛇口をひねって
部屋に戻った。
 
 
女連れで泊まる時は
この広い部屋を用意してもらえる。
 
 
俺がソファーに座ると
窓から夜景を見てた◇がすぐに気付いて
駆け寄ってきた。
 
 
◇)抱っこ…して…///
岩)いいよ?w
 
 
膝の上に抱き上げたら
◇は俺に可愛くしがみついた。
 
 
◇)今日…、本当にありがとう。
岩)うん。
◇)ほんとびっくりした…。
岩)へへ、黙っててごめんw
◇)忙しいのに…準備してくれたんだよね?
  本当にありがとう。
岩)うん…。
 
 
だってさ、俺が動かなきゃ
お前から紹介してくれる気配とかなかったし…
 
今回挨拶したのは
今後のお見合い話をブロックするためと、
桜から良からぬ情報がいった時の保険と。
 
まぁもちろん一番は
ちゃんと挨拶しておきたいってのが
前提として、ね。
 
 
◇)剛典ってば…
  お父さんとお母さんに
  めちゃくちゃ気に入られちゃって…
岩)彼氏が好印象で何か困ることでもあんの?
◇)……ない、///
 
 
口を尖らせた◇のおでこに
こつんと自分のおでこを重ねた。
 
 
◇)お父さんもお母さんも楽しそうだった。
岩)うん。俺も楽しかったよ。
◇)すごく嬉しそうだった。
岩)うん。
◇)あたしも…嬉しかった。
岩)うん。
◇)本当にありがとう。
 
 
そう言って◇は
お礼のような柔らかいキスを
俺の唇にくれた。
 
 
岩)二人ともさ、すげぇ上品っていうか
  品格があって威厳があって
  最初緊張したけど…
  話してみたらすごく気さくで
  親しみやすくて、ほっとしたw
◇)えへへ…w
岩)そんでさ、ほんとに夫婦仲良いんだね。
◇)うん、ラブラブなの。
岩)見ててすげぇ伝わった。
◇)ほんと?
岩)うん。
  俺たちもいつか夫婦になったら
  あんな風になりたいなぁ…。
◇)……。
 
 
俺の言葉に、◇は俺をじーっと見つめて…
ぽすんと、首元に潜り込んできた。
 
 
◇)今日の剛典は…
  なんか色々…ずるいなぁ…///
岩)ん…?
◇)なんでもない///
岩)あ、風呂溜まった。行こっか。
◇)うん。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
二人で交代でシャワーを浴びて、
白い湯船の中。
 
いつもはあたしが背中から抱っこされる形が
多いけど…
 
今日は剛典の顔を見ていたくて、
向かい合って座ってる。
 
 
岩)何、そんなじっと見て。
◇)……ううん///
 
 
なんだろう。
今日のあたしは乙女モードが爆発してる。
 
剛典が好きで仕方ない。
 
剛典に甘えたくて、くっつきたくて、
仕方ないの。
 
 
◇)大好き…///
岩)へ??
 
 
あたしの呟きに、剛典は目を見開いて…
 
 
◇)大好き…///
 
 
もう一度そう言ったら、
 
 
岩)なんだよぉ〜〜w
 
 
って言いながら、嬉しそうにニマニマしてる。
 
可愛い。
どうしよう。
大好き。
 
 
岩)じゃあ今日は大好きな彼氏と
  朝までHしような〜♡
◇)うん、する///
岩)……へ?!///
 
 
あたしの即答が意外だったのか
剛典はまた目を見開いてる。
 
 
◇)剛典、LIVEで疲れてるから
  あたしがしてあげる///
岩)へ?!
  いや、きょ、今日はなかったし…///
◇)でも明日からまたあるもん…。
岩)い、いや、元気だよ…?
  え?///
 
 
なに動揺してんだよぉ…///
 
 
◇)ね、もっとくっついてもいーい?///
岩)へ?!
  ああ、いいけど…///
 
 
甘えたいんだもん。
 
 
岩)お、おお…ちけーな。
 
 
じりじりと距離を詰めて
剛典の膝の間に入り込んだけど、
それでも物足りない。
 
 
◇)ね、ぎゅってしていーい?///
岩)へ?ぎゅ??
  いいけど…、って、え!?///
 
 
湯船の中で立ち膝をして、
剛典の頭を抱え込むように
ぎゅっと抱きしめた。
 
 
岩)ナ、ナ、ナマ乳が…っ///
 
 
高さ的に丁度、
剛典の顔をおっぱいで塞いじゃって
剛典が興奮してふごふごしてる。
 
 
岩)な、な、なんの出血大サービス?これ…
  鼻血出そう…///
 
 
自分からはいつもアレコレしてくるくせに
あたしからするとそんなテンパるの?
 
 
岩)柔らかくて…死にそう…///
◇)うん。
岩)い、いいの…?///
◇)だってあたしも
  剛典ぎゅってしたいんだもん///
岩)win-winってことっすか…?///
◇)そうです///
 
 
……はぁ、大好き。
 
 
剛典を抱きしめながら
愛しさを噛み締めてたら、
なんだかまた物足りなくなってきた。
 
どうしよう。
 
 
岩)甘えんぼだなーー///
◇)あたしが甘えんぼやって
  知ってる言うたやん。
岩)……言ったけど…///
◇)剛典にだけやもん…///
岩)////
 
 
甘えたくて甘えたくて、仕方ないの。
 
 
◇)ね、剛典…、あたし…、したい///
岩)へ!?///
◇)なんかね、すっごくしたいの///
  ダメ…?
岩)し、したいって…
  こ、ここで?!///
◇)うん///
 
 
頷いたあたしを
剛典はゆっくりと見上げて…
 
 
岩)ダメなわけないじゃん。
 
 
瞳をロックオンさせた。
 
 
◇)違うの、あたしがしたいの///
 
 
あたしの身体にあれこれしようとし始めた
剛典の手と唇を、そっと止めた。
 
 
岩)え?
◇)あたしが剛典にしたいの、すっごく///
岩)…っ///
◇)ね、ここ…座って…?///
岩)////
 
 
なんだろう、この気持ち。
 
……剛典、大好き。
 
 
岩)え、え…、ほんとに…?///
◇)ん……、
 
 
……ああ、また。
 
愛しさが溢れ出す……。
 
 
岩)ちょ、…っ!……あ、っ///
 
 
最初は戸惑ってた剛典も
次第にゆっくりと
あたしの髪を撫でてくれて…
 
 
岩)……はぁ、……やべぇ…///
 
 
色っぽい声が上から聞こえてくる度に
あたしは熱くなっていく。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
あっという間に骨抜きにされて、
俺は力が抜けてお湯の中に沈み込んだ。
 
 
岩)はぁぁぁ……///
 
 
何これ。何これ。何これ。
 
 
今夜はデレ祭りなのか?
 
ツンな顔は一切なくて
ずーっと甘えモードの◇は
可愛くて、可愛くて。
 
 
◇)気持ち…良かった…?///
 
 
そんな可愛く聞いてこないで///
 
 
岩)……うん、ヤバイ///
 
 
照れ隠しでぎゅっと抱きしめたら
「良かった♡」なんて嬉しそうに呟くから
もう俺、キュンキュン。ギュンギュン。
 
 
◇)剛…典…、///
 
 
え、ちょ、ちょ…っ
 
またそんな甘えた声出しちゃって!
可愛くすりすりしちゃって!
 
一体俺をどうする気よ?!!///
 
 
◇)……はぁ、ほんと大好き…///
 
 
ぎゅーーーーん!!
 
……可愛い///
 
ほんと可愛い。なんなの今日の◇。
 
 
◇)剛典、大好き…///
 
 
わかったって!///
 
わかったからその甘えた声、やめて!
いやらしく俺の身体を触るの、やめて!
 
鼻血出そうだから!///
 
 
◇)あたし…ベッドまで…我慢できない///
岩)へ!??///
 
 
思わず声裏返っちゃったよ。
 
 
◇)ここで…このまま…してほしい///
岩)////
 
 
ドク…ドク…ドク…ッ
 
あっという間に、ギンギン復活。
 
 
◇)ね…、して…?///
岩)////
 
 
そんな可愛いおねだりは
どこで習得してくるんですか。
 
 
◇)お願い、早く……///
岩)////
 
 
目の前の甘い甘い誘惑に
俺の理性は吹き飛んで…
 
もう本能のおもむくままに。
 
 
色っぽく俺を誘う濡れた身体に
無我夢中で、溺れた。
 
 
「剛典にだけやもん…///」
 
 
うん。
こんな可愛いお前、誰にも見せない。
死んでも見せない。
 
俺だけの可愛い姿。
 
 
いくらでも好きなだけ甘えさせてやるから…
お前も俺に、溺れてよ……。
 
 
 
 
 
ーendー

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  1. さゆがん より:

    ◇ちゃんすごいなぁ
    攻められるたかのりとか絶対かわいい
    骨抜きにされるたかのりの動画
    流出しないかしら←

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