［285］引っ越し初夜（岩＆◇Side）

折角◇が綺麗にしてくれてたベッドは
あっという間に乱れて。
　
でも今までなら服は床に落ちてたけど
このベッドは広いから
足元に折り重なってる。
　
　
岩）はぁ……。
　
　
熱を残したままの素肌で
きつく抱きしめ合って。
　
余韻に浸るこの時間が、俺は好き。
　
　
岩）気持ち良かったぁぁ……
◇）それは心で思ってて…///
岩）なんで。ちゃんと伝えないと。
◇）……///
岩）お前の身体最高だったよ〜〜〜って。
　　ここがさ、こうなって…
◇）ちょっと、触んないで！///
岩）はぁ？！
　　さっき散々触ったし！
◇）エッチ！！///
岩）Ｈしてたわ！今の今まで！
◇）や、やんっ、だめっ！///
岩）何可愛い声出してんの…。
◇）だって、あっ///
岩）ちょっと〜〜〜〜！！
　　また復活しちゃうからやめろ！！
◇）だったら触んないで！///
岩）やだ、触る！
　
　
…って、またいつもみたいなやりとりに
二人で笑って。
　
　
◇）……気持ち…良かったぁ……///
岩）は！？///
　
　
いきなりそんなこと言う◇に
俺の声は裏返った。
　
　
◇）ちゃんと…伝えないとと思って…///
岩）な、何をだよ…///
◇）剛典、すごかったよ…って///
岩）////
　
　
あ、復活しちゃった。
　
　
岩）お前はさぁ…
　　ほんと俺を弄ぶよねぇ…
◇）何が？
　
　
いきなり可愛く甘えてきたり
いきなりそんな可愛いこと言ったり
　
俺は毎回、転がされて
コロコロ剛典ですよ。
　
　
岩）……責任取ってくれる…？
◇）え？
岩）これ……。
◇）…っ！///
　
　
◇の手に握らせたら
◇は恥ずかしそうに俺の胸にぽすんと
顔を埋めてきた。
　
　
◇）なんでもう元気なの…///
岩）彼女が可愛くて。
◇）……///
岩）可愛く気持ち良かったぁとか
　　言ってくるから。
　　たまらんぜよ。
◇）誰だよ！w
岩）タカノリの声を代弁した。
◇）この子…？
岩）……うん。
　
　
◇の手が優しく動き始めて…
　
　
岩）たまらんぜよ。
　
　
俺がもう一度そう言うと、
あははって可愛く笑って起き上がった◇は…
　
　
◇）どうして欲しい…？///
　
　
俺を可愛く見つめながら
色っぽく囁いた。
　
　
岩）////
　
　
ほんとずりぃなぁ…。
　
　
　
……
　
　
　
…
　
　
　
岩）……はぁ、///
　
　
息を切らせてくたっと横たわる◇の横に
自分もドサッと寝転んで。
　
二回戦を終えれば、さすがに俺もクタクタ。
　
　
岩）◇ーーー。
　
　
俺の呼びかけにうっすら目を開けた◇は
それだけでなんかもうすげぇ色っぽい。
　
　
岩）大丈夫…？
◇）……
　
　
ゆっくり首を横に振った◇は
くたっとそのまま目を閉じた。
　
　
……うん、大丈夫じゃないのね。
　
　
俺にこんなに
ふにゃふにゃにされちゃってんのが
なんかすげぇ可愛くて…
　
思わずそっと抱き寄せた。
　
　
岩）好きだよ。
◇）……
岩）可愛いなぁ、お前…w
◇）……
岩）生きてるー？
◇）……
　
　
腕の中から聞こえる呼吸が
寝息に変わったのがわかって…
　
　
岩）……好きだよ…。
　
　
もう一度囁いて、俺もゆっくり目を閉じた。
　
　
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
　
　
………大変だ。
　
　
もう外が真っ暗で
剛典の腕から抜け出してリビングに戻れば
あっという間に時間は夜になってた。
　
　
◇）……///
　
　
引っ越し初っ端から2回もシちゃうなんて…
何してんのあたし達はーー！///
　
　
◇）えっと…、えっと…、
　
　
とりあえずご飯だよね！
久々に晩御飯一緒に食べれるから
ちゃんと栄養あるもの食べさせてあげたいし。
　
昼間スーパー行っといて良かった。
　
　
ちゃちゃっと仕込んで火にかけて…
　
　
◇）そうだ。NETもやんなきゃ。
　
　
Wi-Fiのセッティングを済ませて
パソコンも使えるようにして…
　
　
◇）よし、っと。
　
　
あとはお風呂も準備しとこう。
　
広くて綺麗なお風呂。
早く入ってみたいんだーー♡
　
入浴剤は珊瑚のやつにしよーっと♪
　
　
ピピーッ、ピピーッ
　
　
◇）あ、キッチンタイマー鳴ってる！
　
　
急いで戻って火を消した。
　
味を染み込ませてる間に
サラダとか他のものも作っちゃおう。
　
　
◇）よし、でーきたっ♡
　
　
剛典はまだ寝てるのかな？
　
最近撮影続きできっと疲れてるもんね。
ハイローってばどんだけ剛典をこき使うんだ！
まったく！
　
　
◇）剛典〜〜〜
　
　
小さな声で名前を呼んで
寝室のドアを開けると…
　
　
岩）……
　
　
剛典はうつ伏せで爆睡中。
　
……うーん、
まだ寝かせてあげた方がいいかな？
　
　
◇）風邪ひいちゃうよぅ…
　
　
まだ何も着てないから
肩が丸出しで寒そう。
　
　
◇）よいしょ…、
　
　
そっと布団をかけてあげると…
　
　
岩）んん〜〜〜！
　
　
剛典がゴロンと上を向いて、
あたしを見た。
　
見たけど、これたぶん起きてない。
　
　
◇）……
岩）……
　
　
少し見つめ合ったら
そのまま目を閉じて、スヤァ……
　
　
◇）ぷっw
　
　
子供みたい。かわい。
　
　
ご飯もお風呂ももう準備したし
剛典起きるまで
もう一回添い寝しちゃおっかな…
えへへ♡
　
　
……起こさないように、もぞもぞもぞ。
　
ぴとっ。
　
　
◇）へへ…♡ 剛典だいすき♡
　
　
すりすり♡
　
　
岩）んぁぁ〜〜かわいいぃぃ〜〜
◇）！！！
岩）たまんね。
◇）起きてたの！？///
岩）寝てたよ…
◇）いつ起きたの！
岩）もぞもぞ静かに入ってきたあたりで…。
◇）////
　
　
あたしの一人言、聞かれてたのか。
恥ずかしすぎる。
　
　
岩）なんかちゃっかり一人で
　　服着てる人いるんですけどぉ〜〜
　
　
剛典が不満そうにあたしの服の裾を引っ張る。
　
　
◇）ね、お腹空いてない？
岩）ん？
◇）あ、お風呂入りたい？
岩）ん？
◇）どっちも用意してあるよ。
　　ご飯にする？お風呂にする？
岩）……
◇）……
岩）おい、続きは。
◇）は？
岩）それとも、あたしー？ってやつ！
◇）は！？
岩）定番だろ！！
◇）……バカじゃないの///
岩）言って！
◇）やだ。
岩）やって！
◇）やだ。
岩）じゃなきゃ起きない。
◇）……
　
　
もぉ〜〜〜〜！！
　
　
◇）ご飯にする？お風呂にする？
　　それともチョップ？
岩）は？
◇）チョップーーー！！
岩）いてぇ！何すんだコラ！！w
◇）あははははw
　
　
チョップした手は剛典に掴まれて
そのままぎゅっと身体ごと抱きしめられた。
　
　
岩）ちゃんとやって♡
◇）……まだ言ってる。
岩）俺はしつこいよ。
　
　
ドヤって言うなし。
　
　
◇）もぉ…。
岩）……
◇）ご飯にする？お風呂にする？
　　それとも…
　
　
って、こんなん恥ずかしくて言えるか！
　
　
岩）お前にするーーー♡♡
◇）いや、まだ言ってないし///
岩）お前にする♡
　　ん〜〜〜〜♡
◇）////
　
　
嬉しそうにスリスリしてくる。
可愛いんだけど…。
　
　
◇）なんでこんな甘々なの。
　　恥ずかしい…///
岩）え？w
　　わかんない。
　　なんか新生活嬉しくてテンション上がる。
◇）…そっか。
岩）お前は嬉しくないの？
◇）嬉しい…よ？
岩）じゃあその嬉しさを表現してみろ、ほら。
　
　
そう言って剛典が両腕を広げるから…
　
　
◇）好きっっ！
　
　
ぼふっとその上に飛び込んだ。
　
　
岩）そんなもんなのー？w
◇）好き好き好きーー♡
岩）お〜〜よしよしw
◇）剛典大好きっ///
岩）ん〜〜いい子だいい子だ〜♡
◇）ん〜〜〜〜///
　
　
剛典にグリグリしてスリスリして
なんかもう大好き。どうしよう。
　
　
◇）ほんとに大好き///
岩）…っ
◇）ん……、
　
　
顔を埋めてる剛典の首筋に
チュッて小さくキスしたら…
　
　
岩）Ｈしたくなるからやめろ///
　
　
グイッと身体を起こされた。
　
　
◇）2回もしたのに…？
岩）俺の◇欲は無限なんですー
　　知らなかった？
◇）◇欲？何それ。
岩）性欲じゃなくて◇欲。
◇）へ？
岩）ただヤリたいのが性欲。
◇）うん。
岩）◇が好きでどうしようもないのが◇欲。
◇）……///
　
　
なんじゃそりゃ。
　
　
岩）あ、何？もしかして今の
　　3回戦のお誘いだった？♡
◇）ちがーう！///
　　チューしただけ！
岩）なーんだ。
　　お前ももっとタカノリ欲を高めろ。
◇）何それ！///
岩）これが欲しくて欲しくて
　　仕方なくな…
◇）触らせるなーー！
　
　
もうっ！！///
　
　
ど変態の剛典を無視して
リビングに戻ってくると
　
上裸で下だけ履いた剛典が
後ろからあたしに覆いかぶさってきた。
　
　
岩）ねぇねぇ。
　　ご飯もお風呂も用意してくれたの？
◇）うん？
岩）お前そんな動けたの？
　　2回もシた後で？
　　余裕だな〜〜〜
◇）は？///
岩）いじめ足りなかったかな…
◇）ぼそっと言うな！///
岩）ははは、うそうそw
　　ありがとな♡
◇）もぉ…
岩）引越しもやってくれたのに
　　疲れてない？大丈夫？
◇）大丈夫だよ。明日も休みだし。
岩）ほんとありがと♡
　
　
剛典は後ろから顔を覗かせて…
　
ニッコリ笑って
あたしの頭をなでなでしてくれた。
　
　
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
　
　
◇が作ってくれた料理は
見た目も鮮やかだし
栄養バランスも完璧じゃね？ってくらい
なんかすごい。
　
久々に家で食える晩御飯はやっぱ嬉しいな。
　
新しく買ったダイニングテーブルで
二人で手を合わせていただきます。
　
　
岩）広いな、このテーブル。
◇）6人掛けだしね。
　
　
6人以上来た時は
さらにテーブルを拡張できるようになってる。
　
最近はそんな暇ないけど
俺は友だち呼んだりするの好きだし
◇たちがいつもしてる女子会も
ここでしたりするかなーって。
　
　
岩）こんな早く片付いたなら
　　もう臣さんたち呼べるね。
◇）そだね！
岩）近々お誘いしましょうw
◇）うんっw
　
　
それからご飯を食べ終えて
食器を片付けて。
　
初めて食洗機のスイッチを入れて
使ってみて…
　
　
◇）おおお！ピカピカ〜〜！！
岩）すげぇ〜〜！！
　
　
なんて二人ではしゃいで。
　
　
◇）タオル系はここに入ってるからね♪
　
　
洗面所の説明もしてくれた◇を
後ろからハグして
一緒に入んない？って誘おうとしたら…
　
　
◇）今日は一緒に入んないよ。
　
　
先に断られた。
　
　
岩）なんで！
　　折角の新居一日目なのに！
◇）……だって…
　　なんか今日はもういっぱい
　　イチャイチャしちゃったもん…///
岩）え…？
　
　
確かに帰ってくるなり
2回もしちゃったけど…
　
イチャイチャしすぎちゃダメなのかよ？！
　
　
◇）だからお風呂は別々で入る。
岩）なんで。
◇）だから…
岩）くどい？うざい？きらい？
◇）そこまで言ってない！w
　
　
◇はあははと笑って
俺の頭をわしゃわしゃ撫でた。
　
　
◇）一緒に入るのはまた今度ね♡
岩）お…っ
◇）今日は一番風呂どうぞ、ご主人様♡
岩）…っ
　
　
な、な、何これ…
めっちゃ可愛いんですけど…///
　
　
岩）もっかい言って。
◇）は？
岩）今の。
◇）……やだ。
　
　
って言うと思った。
　
　
……可愛いな。
なんなんだあいつ。
　
メイド服とか着せちゃおうかな。
　
俺が好きなのはナースだけど。
　
ご主人様……
うん、悪くない。
　
いつもツンなあいつが言うから
余計に可愛い。
　
　
なんてアホなことばっかり考えて
風呂から上がったら、
　
◇はパソコンの前に座ってた。
　
　
◇）ふむふむ、なるほど。よしっ。
岩）ん？
◇）あ、お帰り♪
岩）仕事してたの？
◇）違うよー。
　　あ、そうだ。
　　プリンターの接続も終わったし
　　Wi-Fiも使えるからねー。
岩）おお…ありがと。
　
　
なんか俺なんもしてなくない？
頼もしい彼女だな…。
　
　
◇）じゃああたしもお風呂入ってくるねー♪
岩）あいよーー。
　
　
頭をわしゃわしゃと拭いて
なんとなくパソコンデスクに座って。
　
少し触ってみると
さっきまで◇が開いてた画面が立ち上がった。
　
　
岩）ん…？
　
　
「アスリートの食事メニューの基本」
　
「免疫力アップのための食事方法」
　
「筋肉の疲労回復に役立つ食べ物」
　
　
岩）……
　
　
これって…もしかして…
俺のために調べてくれてたり…する？
　
………じーーーーん。
　
　
なんだか胸が熱くなって
いてもたってもいられなくなった俺は
風呂場へ直行。
　
　
岩）◇！！！
　
◇）ひゃぁっ！何！？
　　入って来たらコロスよ！！///
　
　
扉の向こうからは物騒な言葉。
　
　
岩）入りたい。
◇）ダメ！！///
岩）じゃあ早く上がって。
◇）はぁ？なんで！！
岩）ぎゅってしたい。
◇）……
岩）無性にぎゅってしたい。
◇）……
　
　
開けたら殺されそうだから
真新しい扉の前でおとなしく待ってると…
　
　
◇）じゃあ早めに上がるから待ってて///
　
　
ちょっと照れくさそうな声が聞こえてきた。
　
　
好き。
　
ちょー好き。
　
　
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
　
　
◇）ひゃわわわわ///
岩）へへへ♡
　
　
お風呂から上がって
顔をペチペチ保湿してたら
　
嬉しそうに飛んで来た剛典に
後ろから抱きすくめられた。
　
　
岩）上がったんなら教えろよぉ〜〜
◇）……上がりました。
岩）遅い！
◇）……
岩）早くぎゅーしたかったのに。
◇）////
　
　
なんなんだよ…可愛いなぁ…もぅ…
　
　
◇）なんだったの、さっきの。
岩）んー？
◇）無性にぎゅってしたい、って。
岩）……ひみつー。
◇）何それw
　
　
くるっと振り返って見上げたら
剛典はすごく優しい目であたしを見てた。
　
　
岩）好きだよ。
◇）////
　
　
チュッとおでこに落ちてきたキスも
とっても優しい。
　
　
◇）あたしも…好き///
岩）へへへ♡
　
　
ぎゅっと抱きついたら
剛典の手が嬉しそうにあたしの背中を
行ったり来たりする。
　
　
岩）……初夜、しよっか♡
◇）…っ、さっきしたでしょ///
岩）さっきのは夜じゃないじゃん。
◇）そういう問題？！w
岩）うん。ちゃんとしよ、初夜♡
◇）……しすぎじゃない…？///
　
　
と言いつつ、
こんな風にぎゅってしてたら
もうとっくに「好き」がいっぱいなんだけど。
　
　
岩）ベッド行こ♡
◇）……///
　
　
にんまり顔の剛典に手を引かれて
リビングに戻ったら…
　
　
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
　
　
◇）あ、電話だ。
　
　
テーブルに置いてあった携帯を手に取ったら
画面を見る前に剛典に抱っこされて…
　
　
◇）わ、わ、ちょっと！//
　
　
そのまま寝室に連れて行かれた。
　
　
◇）ちょっと待ってよー！//
　
　
あ、桜からだ。
　
　
◇）電話出ていい？
岩）……
　
　
うんって言わない剛典に
そのままキスされそうで
あたしは慌ててベッドの端まで逃げた。
　
　
◇『もしもし？』
桜『今から優ちゃんち行ってくる！！』
◇『ええ？！』
桜『お姉に言われた通り
　　優ちゃんの会社の人に聞いてみたら
　　教えてくれてん！』
◇『ほんまに行くん…？』
桜『行く！』
◇『そっか…。』
桜『……お姉、さっきはごめんな。』
◇『ん？』
桜『岩田のことぼろくそ言うて。』
◇『ああ、うん…。』
桜『岩田は嫌やけどお姉のことは好き。』
◇『……わかってるよw』
桜『ありがと♡
　　行って来ます！』
◇『行ってらっしゃい。』
　
　
ピッ。
　
　
電話を切ると
もうベッドに入ってる剛典が
じーーっとあたしを見てた。
　
　
岩）桜でしょ。
◇）なんでわかるん？！
岩）関西弁だったから。
◇）あ、そっか。
　
　
あたしは携帯をサイドテーブルに置いて
ベッドに潜り込んだ。
　
　
岩）桜、なんて？
　　岩田のあほーしねーって言ってた？
◇）……
岩）言ってたのかよ！w
◇）そこまでは言ってない！w
岩）……はぁ…。
　
　
完全に嫌われたな〜
って小さく呟いた剛典は
そのままうつ伏せになって枕に顔を埋めた。
　
　
◇）今から優助の家行くんだって。
岩）ええ！！
◇）すごい行動力だよね…
岩）ストーカーじゃん。どうすんの。
◇）うーん…w
岩）優助ドン引きしない？
◇）そこは大丈夫じゃないかな。
　　対応力ありそうだし。
　
　
あたしがそう言うと
剛典はふーーーんってつまんなそうに言って
また顔を埋めた。
　
　
サラサラの剛典の髪。
あたしは座りながら、剛典の頭を撫で撫で。
　
　
しばらくすると
剛典がポツリと呟いた。
　
　
岩）……あのさぁ…。
◇）うん…？
岩）……
◇）……
岩）…あいつと…どんなデートしたの…？
◇）え…？
　
　
あいつって…、優助だよね？
　
　
岩）デートしたって…言ってたじゃん…？
◇）うん…。
岩）どこ行ったのかなーって…。
◇）……
　
　
声が、すごく拗ねてる。
　
　
◇）どこでもいいじゃん。
岩）言えないようなとこ行ったのか。
◇）違うよ！w
　　海行ってご飯食べて水族館行って…
　　はっ…。
　
　
普通に言っちゃった。
　
　
岩）楽しかった…？
◇）……うん。
　
　
嘘ついても仕方ないから
正直に言ってみたら
　
剛典は「はぁぁぁぁ……」って
ため息をついて…
　
　
岩）俺ができないようなことばっかり
　　してくれたなあいつ…
　
　
拗ねた声でそう呟いた。
　
　
ほんとはもしかして…
ずっと少し気にしてたのかな…？
　
　
岩）俺と付き合ってて…つまんなくない？
　　大丈夫？
◇）……
　
　
少しだけ顔を覗かせた剛典は
右手をゆっくり伸ばしてきて
　
あたしの髪をツンと引いた。
　
　
◇）なんでつまんないなんて思うの？
　　あたし別にそういうデートが
　　したいわけじゃないよ。
岩）……
◇）何をしたいか、じゃなくて…
　　誰としたいか、誰といたいか
　　じゃない？
岩）…っ
◇）あたしは剛典が好きなんだよ。
　　だから剛典といたいし、
　　剛典とできることをしたいの。
　
　
そう言ったら
剛典はまた枕に顔を埋めちゃって…
　
　
◇）あたしは剛典と一緒なら
　　なんでも楽しいよ。
　　剛典といるだけで…、わっ///
　
　
言葉の途中で
ニョキッと伸びてきた腕に
グイッと抱き寄せられて
あたしまで枕にぼすんと顔が埋まった。
　
　
岩）……お前ってさぁ…。
◇）うん…？
岩）好きだなぁ……って
　　何回も思わせてくるよね。
◇）……は？
岩）いろんなタイミングで。
◇）…そうなの？
岩）うん。
◇）例えば？
岩）いちいち言わないけど。
◇）教えてよ。
岩）やだ。
◇）……
岩）でも…いつも思ってる。
◇）なんて？
岩）好きだなぁって。
　
　
そう言った後に
あたしのほっぺを撫でて
真っ直ぐ見つめてくれた瞳は
もう拗ねてなんかなくて、すごく優しくて。
　
　
◇）////
　
　
このまま見つめられたら
危ないやつ。
　
　
◇）……よし、寝よ！おやすみ///
　
　
甘い瞳から逃れるように
くるっと背中を向けたら、
　
後ろから優しく包み込まれた。
　
　
岩）◇、好きだよ…。
◇）////
　
　
あたしの言葉なんて無視して
甘い空気を続ける気だな？
　
　
◇）さ、寝よ！おやすみ！
岩）◇……、
◇）……///
　
　
甘い声であたしを呼んで…
　
髪に優しくキスをして…
　
　
◇）……ずるい……///
　
　
こんな風に扱われたら
そっちに振り返って
剛典の胸に顔をうずめて
むぎゅってしてスリスリしたくなっちゃう。
　
　
岩）◇……、
◇）……
岩）こっち向いて。
◇）……
岩）……こっち向けってw
◇）////
　
　
優しく笑った剛典は
聞こえないフリしてるあたしの身体を跨いで
正面に来た。
　
　
◇）…っ
　
　
向かい合うと、にこーーって笑って。
　
　
岩）キスしたい。して。
　
　
そう言って、目を閉じた。
　
　
◇）……///
　
　
なんであたしからするんだよぅ…///
って思ったけど…
目を閉じて待ってるのが可愛いから、
ついつい、しちゃう。
　
　
チュッ。
　
　
軽く触れたら、催促するように
「ん」って腰に手が回ってきて。
　
　
チュッ。
　
　
もう一度触れたら、にまーっと上がる口角。
　
　
岩）もっとして…。
　
　
目を閉じたまま甘えるようにそう言うから…
　
　
チュッ。……チュ…ッ。
　
　
何度かキスしたら…
その柔らかさに吸い込まれるように
もっとしたくなって。
　
　
◇）…ん、……っ
　
　
少し身体を起こして、キスを続ける。
　
　
剛典はキスに応えながら
あたしを抱き寄せるように腕を回して
　
　
◇）ん、……はぁ、///
　
　
その手つきがすごく優しくて
もっと触れてほしくなる。
　
　
◇）剛典…、///
　
　
頬を撫でて名前を呼んだら
ゆっくり目を開けた剛典も
あたしの頬を撫でてくれた。
　
　
岩）どうした…？そんな顔して…。
◇）……好き///
　
　
それを伝えるように、もう一度キスをして。
　
　
◇）……初夜、しよ…？///
　
　
ぽすんと抱きついて
耳元で囁いたら…
　
　
「やっとその気になってくれた？」
ってクスッと笑った剛典の声が
耳元で甘く溶けた。
　
　
　
　
　
　
ーendー