[282]おさまらない熱(隆二&♧Side)

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じーーーーっ。
 
 
大好きな人の寝顔を見つめるこの時間。
朝の幸せタイム。
 
 
タオルケットにくるまれて
直に触れてる、肌と肌。
 
その感触が、心地良くて、ほっとする。
 
 
じーーーーっ。
 
 
可愛いなぁ…隆二くん…。
 
 
隆二くん!!大好きっ!!
 
 
なんて…
 
心の中で叫んでみたら、
なんだか無性にキスしたくなった。
 
 
……チュッ。
 
 
目の前にある逞しい胸に
そっと唇を押し当てて。
 
 
……はぁ、…大好き。
 
 
♧)……
 
 
昨夜は初めて三代目のLIVEを観に行った。
 
 
仕事を早上がりして、むーこと待ち合わせて
東京ドームまで。
 
前回、仕事で行けなかったから
やっと初めて観ることが出来た、生のLIVE。
 
 
その圧倒的なパワーとエネルギーに
心も身体も刺激されて…
 
……本当に、すごかった。
 
 
DVDで観るよりも…
リアルタイムって…、「生」って、
やっぱり違う。
 
 
隆二くんは本当にキラキラ…
キラキラ…キラキラ…キラキラ…キラキラ…
ずっと輝いてた。
 
 
私の知ってる「隆二くん」じゃなくて
これが「今市隆二」なんだ、って
初めて実感したの。
 
 
本当に本当に素敵だった。
カッコ良かった。
 
 
「今市隆二」を
これからもずっとずっと応援していきたいって
そう思った。
 
 
そして「隆二くん」を
これからもずっとずっと支えていきたいって
心からそう思った。
 
 
♧)……大好き。
 
 
小さくポツリ、呟いたら…
 
どうしよう。
またキスしたくなっちゃった。
 
 
むくっと静かに起き上がって
隆二くんを見下ろす。
 
 
しばらく寝顔を見つめたら
ゆっくりゆっくり、顔を近付けて…
 
 
唇と唇が触れる、スレスレで…
 
 
♧)!!!
 
 
生温かい感触に、目を見開いた。
 
 
唇を舐められた…
と思った次の瞬間には…
 
 
♧)ん…ぅっ///
 
 
後頭部に回された、大きな手。
 
 
唇を割り開いて追いかけてくる、柔らかい舌。
 
 
逃げ場がないキスに、一瞬抵抗したけど…
すぐにとろんと、気持ち良くなって…
 
 
♧)は、ぁっ…///
 
 
寝起きには刺激が強すぎるキス。
 
 
何も着てないのに身体が熱くなる気がした。
 
 
隆)寝込み襲われちゃったーー♡
♧)…っ///
 
 
キスしてきたのは、隆二くんなのに。
 
 
唇が離れた隙に
意地悪な隆二くんの上から逃げて
タオルケットにくるんと包まった。
 
 
隆)知らんぷりしてるーw
♧)……///
隆)もっと襲ってくれてもいーよー?w
♧)襲ってなんか…ないもん///
隆)チューしようとしたくせに。
♧)////
 
 
起きてたなんて、ずるい。
 
 
♧)だって……
隆)……だって、何?
♧)……
隆)ん…?
 
 
優しく私の肩を掴んで
自分の方に向かせる隆二くん。
 
 
隆)ん?
♧)……///
 
 
そんな優しい目、ずるい。
 
 
♧)あの…ね?///
隆)うん。
♧)昨日のLIVE、思い出してたの…。
隆)うん。
♧)隆二くんカッコ良かったなぁ…って。
隆)……
♧)素敵だったなぁ…って。
隆)……
♧)そんなこと思いながら
  隆二くんにくっついてたら…
  なんだか…
  好きーー!!ってなっちゃって…///
隆)……爆発したの?w
♧)……(こくん)///
隆)ははは、かわい…♡
 
 
隆二くんは笑いながら
私のほっぺにチュッてキスをした。
 
 
隆)俺もなんか無性に…好きーー!!
♧)……爆発…したの…?///
隆)うん♡
♧)……///
 
 
どうしよう。
やっぱり大好き。
 
 
♧)ううう…///
 
 
隆二くんの首元にグイグイ潜り込んだ。
 
 
隆)お、なんか甘えてきたぞーー♡
♧)……///
 
 
無言でスリスリ。
 
 
隆)……んーー、///
  したいなぁ…
♧)え…?
隆)しない?
♧)?
隆)しよ?
♧)……
隆)したい!
♧)……
 
 
それは…その…、あの…
 
 
♧)……ダメ…です///
隆)なんでですか。
♧)今日…は、大事な予定があります。
隆)知ってます。
♧)今市家の皆さんと…お食事するんです。
隆)そうですよ?
♧)そんな日の朝に、ダメです///
隆)なんの関係があんの!w
♧)……だって///
 
 
なんか、恥ずかしくなっちゃうもん…。
 
 
隆)いい?
♧)ダメです///
隆)なんでですか。
♧)今日は…LIVEだからです。
隆)知ってます。
♧)東京ドーム二日目です。
隆)そうですよ?
♧)そんな日の朝に、ダメです///
隆)知らないの?
♧)え?
隆)俺ね、♧を充電した方が
  100倍頑張れんだよ。
♧)えっ……、…疲れ…ないの…?
隆)平気!!
♧)……ええと///
 
 
そんな元気よく返事されると困っちゃう。
 
 
隆)ね、いい?
♧)ダメです///
隆)なんでですか。
♧)今は…朝だからです。
隆)知ってます。
♧)明るいですよ?///
隆)そうですよ?
♧)恥ずかしいから、ダメです///
隆)今日休みでしょ?
♧)うん。
隆)だったらさ、いいじゃん?ね?
♧)え?
 
 
そういえば…
前に朝した時も…お休みの日だった。
 
私がお休みの日は
そんな朝になるのが定番になったら
どうしよう。
 
 
隆)ん……、
♧)待って!///
 
 
あれ?
私、明るいからダメって言ったのに…
話をすり替えられた気がする!
 
 
♧)りゅ…じくんっ、あ、待って…///
 
 
こうなったら私も話をすり替えよう!
 
 
♧)隆二くん!朝なのに寝癖ついてないね!
隆)ん?あ…、そう?
♧)うん!今日は綺麗だよ!カッコイイ!
隆)……
♧)……
隆)♧はいつでも綺麗だよね。
♧)え…?
隆)そしていつも少しエロい。
♧)…っ
 
 
すり替え成功かな、って思ったのに…
一瞬止まった隆二くんは
目を細めて私を見つめて…
 
 
♧)////
 
 
その視線だけで、どうにかなりそう。
 
 
隆)♧……、
 
 
優しい手つきで頬を撫でられて…
 
 
隆)♧……、
 
 
その手はそのまま、首筋をなぞって…
 
 
隆)♧……、
 
 
柔らかいタッチで
私の身体を優しくとろけさせていく。
 
 
ふわふわ…
 
 
クラクラ…
 
 
唇から勝手に漏れ出す吐息と
隆二くんから聞こえる吐息が
 
重なり始める頃にはもう、
お互いの身体は熱くなっていて…。
 
 
隆)……♧。
 
 
隆二くんは、いつもそう。
 
 
目と目を合わせて、私の名前を優しく呼んだら
 
眉を寄せて、息を止めて。
 
 
私の中にゆっくりゆっくり、入ってくる。
 
 
♧)……っ
 
 
私を優しく見つめてくれていた瞳を
色っぽく細めていきながら、
最後はぎゅっと瞑って、深い息を吐く……。
 
 
その全てが男の色気に満ちていて。
 
身体の芯に、熱を感じたら…
 
そこから一気に、
溶け出してしまいそうになるの。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♧は、いつもそう。
 
 
目と目を合わせて、俺が名前を呼んだら
 
可愛い瞳を甘く潤ませて、俺を見つめる。
 
 
♧の中にゆっくりゆっくり、入っていく瞬間…
 
♧は薄く唇を開いて
一番色っぽくて切ない表情を、俺に見せる。
 
 
隆)……っ
 
 
飲み込まれそうな感触に
俺がぎゅっと目を閉じたら…
 
♧は俺を受け入れるように
甘く深い息を、吐き出す……。
 
 
その全てが女の色気に満ちていて。
 
身体の芯に、熱を感じたら…
 
そこから一気に、
溶け出してしまいそうになる。
 
 
♧)……りゅ…じ……くっ…
 
 
気持ち良くて…
 
気持ち良くて…
 
 
♧)あ…っ、りゅ…っ、!///
 
 
気持ち良すぎて、おかしくなりそうだ。
 
 
♧)隆二くん…、っ!///
 
 
必死に俺の腕を掴んだり、
 
必死に俺の背中にしがみついたり、
 
 
何から何まで可愛い仕草で
俺を翻弄する。
 
 
♧)あ、あ、…っ、…りゅう…じ…、くっ
隆)はっ、…はぁ…っ
♧)りゅ…、じっ…、んっ///
 
 
「隆二くん」って言いたいのに
言えないくらい、必死で。
 
「隆二」までしか呼べなくなってるのも
可愛くて、興奮する。
 
 
……最近わかってきたのは。
 
 
一つに繋がるまでは
俺が何度も♧の名前を呼んで。
 
繋がった後は♧が何度も俺を呼ぶ。
 
 
…ってことが、多い。
 
 
♧)りゅ…っ…じ、っ…、やぁっ、ん!///
隆)……は、ぁっ///
♧)隆二くんっ!!!
 
 
なんでだろう。
 
名前を呼ばれてるだけなのに
それだけで
「気持ちいい」って言われてるみたいに
身体が熱くなる。
 
 
必死に意識を保って…
 
張り詰めた我慢が弾け飛ぶまで
 
二人で熱く、溶け合ったら。
 
 
♧はふにゃふにゃと力尽きるように転がって
枕に顔を埋めた。
 
 
隆)…っ
 
 
弾んだ息が、おさまらない。
 
俺の興奮も、おさまらない。
 
 
外はもう明るいのに、カーテンを閉め切って
二人きりでこんなことをして。
 
甘い湿度に包まれたこの部屋。
 
 
隆)♧……。
 
 
濡れたシーツの上で汗ばんでる二人の身体は
今すぐにでもまた溶け合いそうなくらい
甘い熱を、残してる。
 
 
隆)♧…、いい…?
♧)……え…?
 
 
♧は小さな声で振り返ろうとしたけど
そんな体力すら残ってなかったみたいで、
諦めたようにもう一度枕に顔を埋めた。
 
 
隆)……ごめん、…おさまんない…。
♧)……、っ
 
 
うつ伏せの身体はまだ少し上下しながら
息を整えてる。
 
 
隆)♧……。
 
 
その綺麗な背中に、口付けた瞬間、
♧はぴくんと震えて。
 
 
隆)…っ
 
 
シーツを握ったその手は
俺の舌の動きに合わせてきゅっとそれを掴む。
 
そんな小さな仕草が
さらに欲情を掻き立てて…。
 
 
隆)♧……、
 
 
細い腰を持ち上げるように引き寄せて
ゆっくりと身体の奥まで繋がれば。
 
 
♧)あ、…ぁっ!///
 
 
弓なりにしなる背中。
 
 
振り向きかけた♧は、
 
 
♧)…りゅ、っ…、あっ…、っ///
 
 
崩れ落ちるように枕を掴んだから。
 
強引にこっちを向かせて
その唇を塞いだ。
 
 
♧)んっ、…んんっ!…っ!///
 
 
もうそのあたりから、あまり覚えてない。
 
無我夢中で、♧を抱いて。
 
 
必死に意識を繋ぎながら、
何がどうなってそうなったのか。
 
 
最後は…
俺の上で髪を揺らして、胸を揺らして。
 
 
夜とは違う欲情が生まれる目の前の景色。
 
俺に揺さぶられる♧を目に焼き付けながら
倒れてくる♧を、胸の上で抱きとめた。
 
 
……俺、ヤバイな…。
 
 
♧のこと好きすぎて…
 
こんなにまで、求めるなんて。
 
 
そう思ったのは、夢か現実か。
 
目が覚めた時にはもう、
時計は12時を過ぎていた。
 
 
隆)やっべ!行かなきゃ!!
 
 
……って、ちょっと待てよ?
 
♧も起きなきゃなんじゃ…
 
 
今日はLIVE前に
むーちゃんとランチするだかお茶するだか
言ってなかったか??
 
 
隆)……♧ーー。
 
 
スヤスヤ眠ってる♧に声をかけても
起きる気配はゼロ。
 
 
隆)♧。約束何時から?
  そろそろ起きなきゃじゃない?
 
 
身体をそっと揺すってみても、反応ゼロ。
 
 
隆)♧ーー!起きてーー!!
 
 
って、大声出してみても、スヤスヤスヤ。
 
 
隆)どうしよう。
 
 
ふとベッドサイドに置いてる
♧のスマホに目をやれば、
 
 
『あたし13時過ぎには用事終わるから
 14時前にはそっち着けるよー✌️駅の…』
 
 
タイミングよく、むーちゃんからのLINE。
 
 
隆)…っ
 
 
途中までしか読めないけど…
俺から連絡しといた方がいいかな?
 
 
プルルルル…、プルル…
 
 
む『もしもし?』
隆『あ、むーちゃん?』
む『うん、どうしたの?』
隆『あの…さぁ、今日♧と約束してるでしょ?』
む『うん?』
隆『えーと…、あの…、…その…』
む『何?』
隆『♧さ、…その…、寝ちゃってて…
  何時に起きるか…わかんない…。』
む『は?』
隆『起きないかも…。』
む『は!?』
隆『……えと、……ごめん///』
む『……』
 
 
しばらくの沈黙の後、
姉御の冷静な低い声が聞こえてきた。
 
 
む『何させたの。』
隆『えっ』
む『どんな無茶させたの!』
隆『いや、無茶っていうか…、汗』
 
 
朝からぶっ続けで2回しちゃいました…。
 
 
む『初心者相手に飛ばし過ぎでしょ!!』
隆『…っ』
む『てかちゃんと生きてる?
  死んでない?』
隆『えっ!……うん、息してる。』
む『はぁ、もう…。』
隆『ごめんなさい…///』
む『じゃあいいよ。適当に時間潰してるから。
  あまりに起きなそうだったら
  電話かけまくるわ。
  隆二くんもう出るんでしょ?』
隆『はい、ごめんなさい。』
む『じゃ、そゆことで!』
隆『はい、ありがとう。それじゃ。』
 
ピッ。
 
 
……怒られちゃった。
 
 
隆)♧ーー?
 
 
一応もう一度呼んでみたけど、
やっぱりスヤスヤスヤ。
 
 
隆)……。
 
 
こんなになるまでしちゃって…ごめんね?///
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♧)……ん…ぅ…。
 
 
……あれ?
 
また…手の中に…カサッとした感触。
 
 
♧)ふ…ぅ?
 
 
目を開けて見てみると、
またメモが握らされてた。
 
 
♧)……
 
 
ゆっくり起き上がって、それを開く。
 
 
『♧おはよう。ごめんね。
 会場行きます。
 ごめんね。』
 
 
やっぱりシンプルな内容だけど
綺麗な文字。
 
 
隆二くん…
もう行っちゃったんだ…。
 
 
……って、あれ…?
 
なんで私、こんなに寝てたんだろ?
 
今……、何時?
 
 
あ、あった。携帯。
 
 
♧)!!!!
 
 
うそっ!!
 
 
♧)ええ?!!
 
 
慌ててLINEを開いたら、
 
 
『起きたら連絡ちょーだい😇』
 
 
むーこからメッセージが来てて、
私は急いで電話をかけた。
 
 
む『はいよーー』
♧『起きたーー!!』
む『おはよ…w』
♧『ごめん!私…っ
  え、どうしよう!!』
む『大丈夫、落ち着いて。
  LIVEには間に合うから。』
♧『うわぁ〜〜〜ごめん!!
  本当にごめん!』
む『いいって。悪いのは今市隆二だから。』
♧『え…?』
む『今さ、バーで一人で飲んでんの。』
♧『ええ?!お昼から!?』
む『だって暇なんだもん。』
♧『はっ…、ごめんなさい。』
む『だから別に急がなくていいから
  仕度出来たらおいでよー。』
♧『わかった!急いで向かうね!』
む『だから急がなくていいってw
  今日、今市家の皆さんに会うんでしょ?
  ちゃんと入念に準備しなさい。』
♧『はっ!そうだった!!』
む『じゃーねん♡』
♧『ありがとう!!』
 
 
電話を切って、あたりを見渡して。
 
 
と、と、とりあえずシーツを剥がして
洗濯機にポイ!///
 
それから急いでシャワーを浴びて
ドライヤーして、メイクして、
ああ、お腹がきゅるるる鳴ってるけど
ご飯食べてる場合じゃない!
 
 
♧)服!!
 
 
服どうしよう!!
 
勢いよくクローゼットを開けて。
 
 
えっと…えっと…
初めましてのご挨拶だから…
派手すぎず…地味すぎず…
清潔感のある…、
 
……これだーーー!!
 
隆二くんが買ってくれた
淡い色のワンピース。
これにします!!
 
 
急いで着替えて、鏡でチェック。
普段は出来ない
イヤリングとネックレスもつけて。
 
私は急いで家を出た。
 
 
ゴトン…ゴトンゴトン…
 
 
電車に乗って、やっと一息ついて。
 
思い出すのは、今朝の出来事。
 
 
♧)……
 
 
「♧…、いい…?」
 
「……ごめん、…おさまんない…。」
 
 
♧)////
 
 
少し思い出しただけで、耳が熱くなった。
 
 
バクバクバク…バクバクバク…///
 
 
今日の隆二くんは、なんだかすごかった。
ものすごかった。
 
 
♧)////
 
 
ダメだ…!
もう考えちゃダメ!顔が変になっちゃう!
 
 
ほっぺをペチペチと叩いて
キリッと唇を結んで、電車を降りた。
 
 
♧)……ええと…、
 
 
むーこはどこかな?
 
約束のお店に入ったけど
一人で飲んでる女の子が見当たらない。
 
カウンターじゃないのかな?
 
 
む)♧〜〜〜〜!
♧)…っ
 
 
名前を呼ばれてキョロキョロしたら、
 
 
♧)あ!
 
 
いた!
 
……いたけど……
その男の人たちは…誰?
 
 
む)暇だから一緒に飲んでたんだー♪
男)初めましてーー
男)こっち座る?
♧)ええと……
  むーこの…隣がいいです…。
男)あ、ごめんごめんw
  じゃあ移動するね。
む)何飲むー?
♧)ええと……
 
 
どうしよう。
この人たち、まだいるのかな?
 
男の人がいる時は
飲んじゃダメって言われてるし…
 
 
♧)ウーロン茶。
む)え、飲まないの?
♧)うん。
男)お酒弱いのー?
♧)……ええと…、
男)あ、着いたってよ。
男)あ、ほんと?
 
 
会話に困ってたら、
携帯を見て立ち上がった二人。
 
 
男)じゃ俺ら行くね。これ。
む)え、こんなにいいよ。
男)いいからいいから♡
む)えー、ありがとう。
  ごちそうさまー♡
男)じゃあまたね。
む)うん!
 
 
男の人二人がいなくなって
すごくほっとして、
運ばれてきたウーロン茶に口をつけた。
 
 
♧)遅くなってごめんね…?
む)全然いいよーー
  楽しかったし。
♧)……ナンパ…されたの?
む)ナンパって感じじゃないけど…、うん。
  右の人、タイプだったの♡
♧)そ、そっか…。
 
 
またねって言ってたから
連絡先交換したのかな?
 
むーこの社交性はほんとすごいなぁ。
 
 
♧)ね、お腹ペコペコだから
  何か食べてもいい?
む)いーよいーよ。
  あたしパスタ食べちゃった。
♧)そうだよね、ごめんね。
 
 
とりあえずパッと食べられそうな
ホットサンドを注文した。
 
 
む)さてさてさて、吐きなさい。
♧)え?なに?
む)朝から一体ど〜〜んなHしちゃって
  起きれなくなったのかな?ん?
♧)!!!
む)隆二くんに一体何されちゃったのかな?
♧)////
 
 
記憶に蓋をして来たのに
また耳が熱くなった。
 
 
む)なんかとんでもないことされたの?
♧)……(ふるふる)///
む)とんでもないことさせられたの?
♧)……(ふるふる)///
む)じゃあ何よ。
♧)……えっと…、
  色々…初めてなことが…多かったの///
む)初めてなことぉ?!
  何デビューさせられたのよ!
♧)デビューとかそんなんじゃなくて!///
 
 
きっと普通の人たちには
普通のことなのかもしれないけど…
 
私は一つ一つのことが、全部初めてだから…
 
 
♧)なんか隆二くん…、すごかった///
む)どのように?オラオラだったの?♡
♧)ていうか…うん、激しかったけど…
  でも違うの、優しいの///
む)なるほどなるほど♡
  乱暴とか雑とかじゃなくて、
  強引、ってことね♡
♧)////
む)ちゃんと優しさっていうか
  愛情はありつつ強引なのって
  たまんないよね〜〜♡
♧)////
む)で、起きれなくなるほど
  めちゃめちゃにされちゃったのね〜〜♡
♧)ごめん…なさい…///
 
 
話しててどんどん顔が熱くなってきた。
 
 
♧)今日の格好、どうかな?!///
 
 
恥ずかしいから話題を変えてみた。
 
 
む)うん、いいよいいよ♡
  清潔感はいつもあるけど
  今日はそれにほんのりと
  女らしさと可愛さがプラスされてて。
  100点満点〜〜〜♡
♧)……ほっ、良かった。
む)そんな心配しなくても
  ♧みたいなどっから見ても良い子
  気に入らない人がいるわけないから
  だーいじょーぶっw
♧)…っ
む)よっ、好感度のかたまり!
♧)なぁにそれー!
む)あはははw
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
岩)はぁ…疲れたーーー
健)はぁ?今来たばっかやんけ!
岩)そうなんですけど…、へへへ。
隆)どうしたの。
岩)今日朝から2回もしちゃって…
隆)!!!
健)LIVEの日の朝からねぇ〜〜若いねぇ〜〜
隆)……。
 
 
俺、岩ちゃんほど若くないのに。
 
 
N)朝から2回するって何?
  何がどうなったらそうなんの?
岩)げ、NAOTOさん聞いてた。
N)げ、じゃーねよ、げ、じゃ!
岩)……
隆)何がどうなったら…?
岩)タカノリが元気になったら。
健)なんで朝からそんな元気やねん。
岩)だって…
  あいつすっげぇ可愛くて…///
N)はいはいはい。
健)はいはいはい。
 
 
NAOTOさんと健ちゃんは
呆れたように出て行ったけど…
 
 
隆)どう可愛かったの…
 
 
ちょっと気になる俺。
 
 
岩)なんかさーー、
  1回目終わったらさーー、
隆)終わったら?
岩)俺はもっかいしたかったんだけど
  大丈夫かなー?とか思うじゃん?
隆)うんうん。
岩)そしたら◇が、
  俺にぎゅーっとしがみついてきて。
隆)しがみついてきて?
岩)……「足りた?///」
  って聞いてきたの!
隆)……おお…。
岩)すっげぇ可愛く、目ウルウルさせながら
  「足りた?///」って!
隆)おおお…。
岩)少し恥ずかしそうにモジモジしながら
  「足りた?///」って!
隆)おおお…!
 
 
大興奮の岩ちゃん。
 
うん、確かに。
俺も♧で想像したらたまんない。
 
 
岩)なんだよもぉ〜〜〜///
  お前もまだ欲しいのかよぉ〜〜〜///
  ってさ。
隆)うん。
岩)可愛過ぎるおねだりに
  もうタカノリ、ギンギンですよ。
隆)なるほど。
 
 
それで朝から2回したわけね。
 
良かった、仲間がいて。
 
 
臣)おはよーーーー
隆)あ、臣おはよ。遅かったね。
臣)今日実家から来た。
隆)あ、そうなんだ。
岩)おはよ♡ちゃん。
♡)おはよーーー♡
岩)朝から元気だね。
♡)えっへへー♡
岩)もしやおたくらも…
♡)え?
岩)朝から2回…
隆)こら、岩ちゃん!w
岩)冗談冗談w
隆)実家でするわけないじゃん。
  さすがの臣も。
岩)だよね。実家はさすがに気まずいよね。
 
臣♡)…っ
 
隆)ん…?
岩)ん…?
 
臣♡)////
 
 
……こいつら、実家なのにヤッたな?
って、バレバレの二人。
 
 
臣)ちょっと聞いてよーー
  こいつさ〜〜
  朝から魔界飯作っちゃって!!
 
 
あ、話変えて誤魔化したな?
 
 
♡)言わないでよぉー//
隆)魔界飯?
臣)今日の朝飯こいつ担当だったんだけどさ、
  一個とんでもないのが…
岩)また紛れてたの?!w
臣)そうそう。
  最初に気付いたのが俺だったから
  良かったけど…w
♡)ううう…
臣)あれもしじいちゃん食ってたら
  卒倒してるぞw
♡)わーーーん!
隆)それどうしたの?
臣)みんなにバレないうちに俺が平らげたw
隆)やさしーーーー。
臣)だろー?
 
 
そっか。
臣は昨日連れて帰ったのか。
 
 
隆)緊張した?臣の実家。
♡)ううん!楽しかったよー♡
臣)♡ちょっと普通じゃないから。
♡)なぁにそれー!
臣)普通は緊張するでしょw
♡)え。
隆)俺さー、今日会わせるんだよねーー
♡)♧さん?
隆)うん。
♡)わぁ♡ 楽しみだねー♡
隆)俺は楽しみなんだけど…
 
 
♧は緊張してるかなぁ?って、ちょっと心配。
 
強引に♧もおいでよ!って
俺が決めちゃったし。
 
 
臣)今市家の皆さんは楽しみにしてんの?
隆)うん。特にお母さんと妹が。
臣)おおお。
 
 
仲良くなってくれると俺も嬉しいなぁ。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
女)ヤバイ〜〜〜
  テンション上がってきた〜〜♡♡
女)超楽しみ!どうしよう!
女)出て来たら一緒に叫ばない?
女)岩ちゃ〜〜〜ん!!って?
女)うん!
女)叫ぶーーー!!♡
 
 
女)ねぇちょっと待って。
  Cのインスタ。
女)え?
女)『BP東京💕』ってこれ
  フラッグの一部じゃん?
女)うわ、また匂わせ?!
  ふざけんなっつーの…
女)最悪。一気に落ちた。
女)臣が呼んだのかな?関係者席ってこと?
女)ありえない。
女)はぁぁ…。
 
 
周りの女の子たちの話し声が途切れない中、
私とむーこはバッグからフラッグを出して
スタンバイ。
 
 
女)もう臣くんやだ。
  なんで彼女がこんな匂わせしてんのに
  やめさせないの?
女)ほんとだよ…
  ファンの気持ち考えてほしい…
女)隆二はさ、女の気配なくていいよね…
女)ほんとない!
  もし彼女いてもさ、
  こんな馬鹿な女じゃないんだよきっと!
女)どんな人なんだろ…
  いないでほしいけど…
女)うん、いないと思っとこ!
女)だね、あはははw
 
 
他のメンバーの話は聞き流せるけど
隆二くんの名前が出てくる時は
思わずドキッとして耳を寄せてしまう。
 
 
女)あたし岩ちゃんには
  一生独身でいてほしい〜〜!
女)あたし、隆二なら結婚してもいいなー
女)なんで?!
女)なんかさ、実は長い間
  一般人と付き合ってましたーーとか
  似合わない?
女)…うん。隆二って感じ。
  芸能人じゃないとこがいい。
女)そう!素朴な一般人!
女)それなら好感度あるわ。
女)でしょーーw
 
 
そんな会話が聞こえてきて…
むーこはクスッと笑って
私を肘でつついてきた。
 
 
む)素朴な一般人さん♡
♧)……やめて///
む)でも、確かにねぇ。
♧)え?
む)臣くんが結婚するより
  隆二くんが結婚する方が
  炎上しなそうなのはなんでだろな。
♧)……どうして…?
む)キャラの問題かな?
♧)キャラ?
む)ほら、隆二くんはニャンちゅうだから。
♧)そういう問題?w
 
 
なんて笑ってたら、
会場が暗くなって、一気に歓声が上がった。
 
 
昨日も一度観たLIVEだけど、
何度見ても圧倒される。
 
すごくすごく、力強くて、輝いてて。
 
時間なんてあっという間に過ぎてしまう。
 
 
 
 
♧)はぁぁぁぁ……///
む)最高だったねーー♡
♧)……(こくん)///
 
 
アンコールも全部終わって、
退場のアナウンスが流れても…
 
私はしばらく立ち上がれずに
ボーッとステージを眺めてた。
 
 
む)疲れた?w
♧)ううん、疲れたっていうか…
 
 
集中しすぎて、ヘナヘナです。
 
 
む)ほーら、行くよw
♧)はい…。
 
 
一度深呼吸をして、ゆっくり立ち上がった。
 
 
む)今市家の皆さんは
  関係者席で観てたのかね?
♧)うん、そうじゃないかな。
む)って、どこか知らんけど。
♧)私もわかんない。
む)じゃ、頑張ってご挨拶してくるんだよー♡
♧)うん!
む)また近々飲もうぜい♪
♧)うん、ありがとう♡
  じゃあね。
 
 
 
 
 
ー続ー

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