カチカチカチ。
◇)ふむふむ。
カチカチカチ。
◇)えーーーっ
…なんだぁ……ちえっ。
最近、剛典のお弁当を作りながら
どうせなら栄養士の勉強とかしたいなー
なんて思って。
ちょっと調べてみたら
「栄養士」も「管理栄養士」も
どっちもちゃんと学校に通わなきゃ
取れないみたい。
◇)国家資格だもんねぇ…
通信制とかで取れるなら
パパーッと勉強しちゃいたかったんだけどな。
◇)まぁでも、うん。
資格は取れないにしても
同等の勉強はできるよね。
今日から始めてみようっと。
剛典が色々頑張ってるから
あたしはあたしに出来ることをしてあげたい。
◇)ふぅ…。
会食盛り上がってんのかな…
そもそも会食って盛り上がるのか?
接待みたいなもんだもんね。
時計はもうすぐ0時をまわりそう。
待ってるって言ったけど
少し眠くなってきちゃった。
だって……
昨日は…3回も……
◇)////
ピロピロ♪ピロピロ♪
◇)はっ!
あ、剛典からだ。
岩『終わったよー😃今から帰ります。』
◇『お疲れさま!』
岩『起きてた?』
◇『起きてるよ😊』
岩『ぎゅ。』
◇『ぎゅ?!何??』
岩『フライング。』
◇『なんの?!』
岩『だからぎゅーの。』
◇)えっ…
岩『早くぎゅーしたいから、ぎゅ。』
◇)……///
なんなの。
可愛すぎない?この子。
◇『ぎゅぎゅぎゅ!!』
岩『すげぇ!笑
3倍返しされた!』
あたしだって早くぎゅってしたいもん。
◇『剛典大好き💕』
岩『それはあとで直接言って』
◇『気をつけて帰ってきてね😊』
岩『もう車だよ。』
◇『待ってまーす』
岩『大好きだよ』
◇『それはあとで直接言って』
岩『はいはい笑』
バカップルなLINEだなぁ…
なんて携帯を置いて、お風呂場へ。
剛典がすぐに入れるように
全部用意しとこーっと♡
「俺はお前がいる場所に帰ってきたい。」
この間、剛典が言ってくれた言葉。
あたし本当に嬉しかったんだ。
忙しい剛典が少しでも心休まるような
そんな場所になりたい。
岩)ただいまーー
◇)おかえりーー
20分くらいで帰って来た剛典。
玄関まで迎えに行くと
可愛い子犬スマイルで両手を広げてた。
◇)ぎゅ♡
岩)ははは、本物のぎゅーだw
◇)ぎゅぎゅぎゅ♡
岩)ぎゅぎゅぎゅー♡
剛典は靴を脱ぐと
あたしの顔を覗いてきてニコニコご機嫌。
◇)なぁに?
岩)可愛い子犬スマイルが飛んできたから
嬉しくて。
◇)……
同じこと思ってたんかい。
◇)お風呂すぐ入れるよー
岩)おっ、全部用意してあるー!
◇)へへへ♪
岩)あーでも一個足りないなーー
◇)え、何?
パンツも出しといたのに!
◇)ん?
なんだ、そのニコニコ笑顔は…
は、まさか…
岩)一緒に入ろ♡
やっぱりぃぃぃぃ!!!
◇)……あたしもう入ったもん。
岩)もっかい入ろ♡
◇)……
岩)ほらほら。
◇)脱がすなーー!///
岩)入ろ。癒されたい。
◇)…っ
あたしと一緒に入ったら癒されるの?
◇)絶対エッチなことしない?
岩)しないよ、昨日3回もしたのにw
◇)そっか、そうだよね…///
じゃあ仕方ない。一緒に入るか。
◇)いいよ。
岩)やったーーー!♡
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
岩)はぁ〜〜〜〜♡
いい湯だな〜〜〜〜♡
◇が背中を流してくれて
今は俺の膝の中にちょこんとおさまってる。
◇)すごい気持ちいいね〜♡
岩)な〜〜♡
◇)すげぇ気持ちいいね〜♡
岩)わざと「すげぇ」言うな!w
◇)あはははw
この間から◇は面白がって
わざと「すげぇ」とか「やべぇ」とか
わざわざ言い直すんだけど…
◇が言っても普通に可愛いだけなんだよな。
◇)他にないの?
岩)え?
◇)女の子が言ってたら嫌な言葉。
岩)えー?うーん…
ってお前どうせまたわざと言うだろ。
◇)え?あはははw
岩)逆にないの?
◇)え?
岩)男が言ってたら嫌な言葉?
◇)えーーなんだろーー
あ、いた!
岩)いた?!
あった、じゃなくて?w
◇)昔付き合ってた子がね、
「やだ〜〜〜」とか言う子だったの。
岩)……
付き合ってた子、ってことは
年下かな?
◇)やだ〜〜〜これ美味しい〜〜〜♡
とか。
岩)え、オカマ?w
◇)そう!なんかオカマっぽいじゃん?!
それが嫌で冷めちゃった。
岩)ええっ!w
◇)普通にいい子だったんだけど
なんか、なよっちくて。
岩)え〜〜〜〜うそぉ〜〜〜〜〜
◇)こら、真似すんなw
岩)してないしぃ〜〜〜〜
◇)IKKOさんみたいだよ。
岩)ぶはっww
◇は笑いながら
自分の膝の上にある俺の手を
むにむにして遊んでる。
◇)今日のお仕事はどうでしたか?
岩)んー?w
今日はメンバー会議してー
◇)三代目?
岩)うん。
臣さんと隆二さんが
お揃いのTシャツ着てた。
◇)ああ、あれね?w
岩)そうそうw
◇)そっか…、……臣さん…ねぇ……
岩)臣さんがどうした?
◇)はっ……なんでもない!
岩)なんだよーー
◇)なんでもないってば///
岩)あ、もしかして。
◇)…っ
岩)♡ちゃんから聞いた?昨日のこと。
◇)剛典も…聞いたの?///
岩)うん、聞いちゃったw
◇)あたし…びっくりして…
岩)俺もびっくりしたー
まさかあの♡ちゃんがさー
◇)えっ!♡ちゃんから言ったの!?
岩)え?
◇)縛ってって!?
岩)は?!縛って!??
◇)えっ
岩)え?
全然噛み合ってない俺たち。
◇は俺を振り返って目を丸くしてる。
岩)縛ってって何?
◇)♡ちゃん…昨日臣さんに縛られたって…
岩)えええ!??
◇)聞いたんじゃないの?
岩)俺が聞いたのは
♡ちゃんがもっと噛んでって
言ったことだよ!
◇)もっと噛んで?!!
何それ!!
岩)知らないよ!w
◇)♡ちゃんがそんなこと言ったの!?
岩)うん、臣さんもびっくりしてた。
◇)あたしもびっくりだよ!
何がどうなったら
そんな発言飛び出すの!///
岩)……縛られたら、じゃない?
◇)なんてこった///
岩)つーか縛るってどう縛ったんだろ…
◇)へ?!
岩)縛るって言っても色々あるじゃん?
手を縛ったのか…身体を縛ったのか…
◇)手じゃないの?!
身体縛るって何!?変態?!
岩)いや、変態かどうかは知らねぇけどw
そーゆーのもあるんじゃない?
◇)剛典!経験者なの!?
岩)……
俺は手を縛ったことしかありません。
◇)……ドン引きや。
岩)身体はないって!!
◇)手はあるんかい。
……しまった。
◇)うわぁ……
あ、俺から離れていった。
こんな狭い風呂ん中で
そんなに距離開けますか。
岩)♡ちゃんに言っとくわ。
◇がドン引きしてたよって。
◇)はぁ?!
あたしが引いたのは剛典にだもん!
岩)なんで♡ちゃんならいいんだよ!
◇)他人様がどんなプレイしてようと
どうでもいいもん!
岩)……
◇)でもまさか剛典が変態だったなんて…
岩)手縛るくらいで変態かい…
◇)縛るくらい?!
もしや…もっとすごいことを…
岩)してねぇから!w
◇)……ふーん…
あーあ、ふてくされちゃった。
まぁ俺も
◇がそんなことしたことあるとか聞いたら
穏やかじゃないけど。
岩)違うんだって。
◇)……何が。
岩)若い頃ってさ、なんでも一通り
試してみたくなるじゃん?
◇)なんでも!?一通り?!
あ、やべ。
俺また余計なこと言った?
◇)その中に縛るプレイが入ってたのね。
岩)いや、別にあんなのプレイの一種と
呼べるほどでもないから!w
◇)ふーーん、…で?
岩)え?
◇)縛ってどうだったの。
岩)え。
どうだったって…
岩)あんま覚えてねぇなぁ…
◇)縛っといて!?
岩)うん。なんか酔った勢いでした気がする。
◇)酔った勢い!?行きずりの女と?!
岩)誰にしたかも覚えてないや…
◇)!!!
あ。すげぇ軽蔑の眼差しで見られてます。
岩)ほんとクソ野郎だなコイツ。
◇)は?
岩)お前の心を代弁してやった。
◇)……そりゃどーも。
拗ねてる背中を抱き寄せようと
手を伸ばしたら…
◇)あたし、目隠しならされたことあるよ。
いきなり爆弾ぶっこんできた、俺の彼女。
岩)目隠しぃぃ!??
◇)剛典もある?
岩)ねぇよ!
◇)ふーん。一通りあるって言うから
あるかと思った。
岩)ちょっと待て。
なんでお前はそんなことされてんの。
◇)わかんないけど。
岩)どういう流れでされたわけ!
◇)なんだっけなーー
なんか衝撃的すぎてその事実しか
記憶にない。
岩)マジか…
◇)その人が巻いてたストールで
隠された気がする、確か。
岩)……
◇)集中してとか言われて…
何されたんだっけな?
岩)思い出さんでええわ!!
◇)あ、そう?
岩)…っ
記憶にないとか言いながら
結構覚えてんじゃん!
……なんかムカつく。
◇)ってなんでこんな話になったんだっけ。
岩)臣さんと♡ちゃんのせいだよ!
◇)あ、そうだ。
てゆーかさ、「もっと噛んで」って
なんなの?!///
岩)……
◇)どうしよう。
あたし明日から♡ちゃん見たら
「もっと噛んで」が頭に浮かんじゃう。
岩)……
◇)それで臣さんは噛んだのかな…
岩)……
◇)わーん!♡ちゃ〜〜〜ん!
帰ってきてぇぇ!!
岩)……
◇)ん…?
まったくリアクションしない俺に
◇がくるっと振り返った。
◇)どしたの?
岩)……なんかムカつく。
◇)は?何が?
岩)お前の…過去のそーゆーの聞きたくない。
◇)は?さっきの話!?
岩)……
◇)自分は行きずりの女の手、縛ったくせに?
岩)それは行きずりだからいいじゃん。
◇)何がいいんだよ!
岩)だってお前は元カレの話でしょ?
◇)一個前じゃないよ?
岩)でも付き合ってた男だろ。
◇)うん。付き合ってない人と
しないもん、あたし。
岩)……
だからムカつくんだよ。
元カレとどんな風にしてたかなんて
そんなの聞きたくない。
嫌でも頭に浮かぶから。
岩)俺も後でやる。
◇)はい?
岩)目隠し。
◇)は?あたしに?
岩)うん。
◇)ははは、どうぞw
岩)……
冗談だと思ってんな?
全部上書きしてやるからな。覚えとけよ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お風呂から上がると
剛典が物件の資料を見せてくれた。
◇)うわ…家賃がおかしい…
岩)そーゆーのは見なさんな。
◇)だって気になるよ…
剛典が出してくれるから余計に…
岩)いーのっ!
これとか良くない?
◇)わ。おしゃれ〜〜〜!!
あ、でもここじゃ乗り換え不便だ。
岩)あ、そっか。
◇)ここはキッチンが広いねーー
…ん?てかこれ、隆二さんちじゃない?
岩)ん?ああ、そうそう。
◇)あ!こっちは臣さんちじゃん!
岩)そうそう。
俺らが住めるとこ限られてるからさー
◇)芸能人OKなとこってこと?
岩)まぁ、それもだし、色々。
だから意外と
同じマンションに住んでる人とか
多いんだよ。
◇)そうなんだ!
岩)HIROさんとTAKAHIROさんが
同じマンションだったり。
◇)えーー!そんなこともあるんだ!
岩)うん。
◇)あ、臣さんちだと
会社通うのにすごく便利。
岩)そりゃ♡ちゃんが住んでるからねw
◇)あ、そっか、だからここにしたのかな。
岩)ここにする?
◇)同じマンション?!
岩)うん。
◇)♡ちゃんと同じマンション!
何それ!楽しそう!!
岩)お前ほんと大好きだよね、♡ちゃんw
◇)は、でも…
♡ちゃんはもう…
あたしの知らない♡ちゃんに
なっちゃったんだった…
岩)それは忘れろ!w
「もっと噛んで」については
今度こっそり聞いてみようっと。
岩)もしここにするならさ、
俺ら別にピアノとか置かないから
あそこまでリビング広くなくて
いいじゃん?
◇)うんうん。
岩)だからもう少し下のフロアでも
いいかなーって。
◇)うん、そうだね!
なんだかますますワクワクしてきちゃった♪
◇)♡ちゃんと同じマンションだったら
色々おすそ分けとかも出来るし
一緒にご飯食べたりも出来るし
絶対楽しいな〜〜♪
岩)……あのさぁ。
◇)ん?
岩)俺と住むことより
♡ちゃんと同じマンションってことの方が
楽しみになってない?
◇)……え、そんなこと…
ないとは言えない。
岩)はい。じゃあもう決まったし
ベッド行きますよーーー
◇)えっ
立ち上がった剛典は
あたしをひょいっと担いで
寝室のドアを開けた。
◇)え、え、えっ…
わけがわからないまましがみついてると
剛典はあたしを抱えたまま
壁にかけてるストールを
一本シュルッと手に取って
あたしをベッドに下ろした。
◇)剛…典…?
バサッとTシャツを脱ぎ捨てて
あらわになる上半身。
◇)ど、どうしたの…?///
さっきまで一緒にお風呂に入ってたのに
目の前の筋肉質な身体が
なんだか生々しくて、ドギマギしちゃう。
◇)んんっ、…っ!///
剛典は何も答えないまま
あたしの唇を塞いで…
噛みつくようなキスを繰り返しながら
あたしを押し倒した。
◇)ね、ちょ…っと!
部屋選びは?!
岩)もう終わったろ。
◇)エッチなことしないって約束したでしょ!
岩)それは風呂ん時の話だろ。
◇)…っ
いつの間にかシルクのパジャマは
前のボタンが全部外されてて…
◇)き、昨日3回もしたよ?!///
岩)だから?
◇)…っ
この色気の塊みたいな目の前の男は
一体誰なの?
可愛い子犬スマイルな剛典とは、
もはや別人。
◇)あ、ちょっと、待っ…
岩)もう黙れって。
◇)////
何これ何これ何これ。
なんでこんな俺様なの?
なんでこんな偉そうなのに
あたしはドキドキしちゃってんの?
あたしってばMなの!?
◇)ほんとに…するの…?///
岩)なんか文句あんの?
◇)…っ
目の前の剛典は余裕の笑みを浮かべて
あたしの頬に右手を滑らせた。
岩)好きがいっぱいで
すっごく気持ちイイんでしょ?
◇)は?
岩)俺とのHはいつも。
◇)……な…に…言ってんの?
岩)お前が今朝、言ったんじゃん。
そう言われて、記憶を辿ると…
◇)あ…れ…?
あたしそれ、言った?///
岩)言った。
◇)夢の中じゃなくて?
岩)じゃなくて。
◇)あ…れ…///
だんだん鮮明になってくる記憶に
頬が熱く焦げちゃいそう。
「いつもね、好きがいっぱいで…
すっごく気持ちぃの……」
言った。確かに言った。
◇)……恥ずかしくて…消えたい///
剛典の視線から逃げるように
うつ伏せになって、背を向けた。
岩)すげぇ嬉しかったけど、俺。
◇)////
岩)お前ってさ、ベッドの中だと
色々素直だよね?
◇)は?!///
岩)可愛いこと色々言ってくれる。
◇)////
そんなの知らないし!
岩)そんなにいつも気持ち良くなってくれて
ありがと。
◇)…っ///
からかうようにクスッと笑った剛典が
後ろからあたしの髪を横に流して
うなじにキスを落としてきた。
岩)ほら。
ゆっくりと抱き起こされて…
岩)気持ち良くしてやるから、来いよ。
そんな囁きと同時に
スルリと肩から落とされたパジャマ。
◇)////
何これ何これ何これ!
なんかもう心臓もドキドキだし
身体もバクバクだし
色々おかしいんだけど!!
って思った瞬間、シュルルルって音がして…
一気に真っ暗になった、あたしの視界。
◇)え?
頭の後ろで結ばれた気配を感じた後は、
剛典の熱い唇が
あたしの肌に何度も触れる。
「俺も後でやる。目隠し。」
……あれ、冗談じゃなかったんだ…。
◇)……っ、ぁ…///
優しく食むように…
激しく啄むように…
同じ唇なはずなのに、
あたしを翻弄するように
その柔らかさを自在に変えてくる。
◇)剛…典…?
真っ暗な中で頼りなく手を伸ばしたら…
岩)…集中しろよ…。
そっと手を取ってくれた剛典の声が…
いつもよりも色っぽく耳元で響いて、
身体がドクンって脈打った。
◇)…あ、……ゃ、…っ///
あたしの肌に触れる、唇の音。
あたしの肌に吸い付く、舌の音。
全部が生々しく聴覚を刺激するのは、
きっと視覚が遮断されているせい。
◇)……は…ぁ……、っ
どう…しよう……
また、ふわふわ…ふわふわ…
身体が浮き上がっていくみたいに…
その熱を高めていってしまう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんでだろ…。
視界を塞がれて
視覚以外の五感が研ぎ澄まされてるのは
◇のはずなのに…
俺までそうなってるみたいに。
◇を感じ取る舌先が…
◇を味わう指先が…
……ものすごく、敏感。
◇)……剛…典……、っ
見えないから不安なのか
頼りなく俺の名前を繰り返し呼ぶその声も
いつもよりも刺激的に、俺の鼓膜に響く。
岩)は、ぁ……///
甘い甘い、◇の身体。
その甘さを味わいつくそうと
身体を起こしたら…
◇)……や、……っ///
◇が繋ぎ合わせてる手に力を込めて
俺を止めた。
◇)…おね…がい…、外して…?
やだよ…。
◇)剛典…、おねがい……
だって…
見えなくて俺が与える刺激に
いつもより敏感に反応してる姿が
可愛いんだもん。
◇)……あ、…っ……///
ほら、ね。
◇)剛典っ…!、や、おね…がい…っ
岩)…っ
泣きそうに震える可愛い声に、
俺も思わず動きを止めた。
◇)外して…?
岩)……
◇)剛典が見えないと…やだ…っ
岩)…っ
◇)剛典じゃないと…やなの…っ
岩)…っ
甘えて縋るようなその声に、
俺の手はもう、ストールに伸びていた。
あーあ…、
俺ってほんと◇に甘いなぁ…。
岩)ほら…、
それを外せば、俺を見つめた瞳は
抱きしめて欲しそうに
頼りなく揺れていて…
岩)◇…、好きだよ……
自然とこぼれた言葉と一緒に
めいっぱい甘やかすように
優しく◇を抱きしめた。
◇)剛…典……///
ああもう…ほんと可愛いな……
俺の思考を溶かしてしまうような甘い声。
もうとっくに一つになりたい。
まだ◇を苛めたい。
可愛い◇をまだ見たい。
そんな気持ちが頭ん中で戦ってる。
岩)見えて安心した…?
◇)……(こくん)///
可愛く頷くその姿が
もっと苛めて欲しそうに見えて
俺の中のSが興奮し始める。
岩)だったらずっと見てろよ…?
◇)え…?
◇を見つめたまま、
さっきまでと同じ行為を始めれば…
◇)あ、…っ///
◇は顔を背けて甘い声を漏らすから、
岩)見てろって言ったろ。
その顔を強引にこっちに向かせる。
戸惑いながら俺を見つめるその瞳を
捉えて離さないまま…
見せつけるように音を鳴らして
◇の身体を味わっていく。
◇)……ん、っ……///
目を閉じたり逸らしたりすれば
刺激を取り上げて。
◇)////
その度に◇はもどかしそうに
俺に視線を戻す。
◇)……はぁ、……、ぁ、っ///
恥ずかしそうに俺を見つめる濡れた瞳が
「もっと」って言ってるようにも見えるのは
……俺の願望…?
◇)…や…ぁ…っ、剛…典……っ///
止まらない。
◇)ダメ…ッ///
止まんないって。
岩)ちゃんと見て。
◇)…っ///
岩)俺が見えないとやだって言ったの
お前だよ…?
◇)////
岩)ちゃんと見てろよ、俺のこと。
◇)////
俺の指先がどんな風にお前を味わってるか。
俺の唇がどれだけお前を欲しがってるか。
俺の舌先がお前の肌の上をどう這うのか。
◇)は、…ぁ…っ
そう。
◇)……ぁ…ぁ…っ
ちゃんとその目で見てろ。
◇)…はぁ、…っ…///
………ああ、たまんねぇ。
恥ずかしそうに唇を噛みながら
小さな吐息を何度も漏らして
俺を見つめるその姿が…
可愛すぎて、どうしようもない。
◇)…ぁ、……ぁっ、……ぁぁっ///
もっと見たい。
乱れて、悶えて、我慢できなくなる姿が。
恥ずかしさに耐えながら
俺を見つめたまま…
どうにかなる姿が。
◇)あ、や…っ!……あぁ…っん…!
そう、もっと…
もっと…
もっと…
◇)やぁ…っ!剛典……ッ!///
甘く弾けた熱は
俺をどこまでも深く飲み込んで…
溶けていく…
溶けていく…
本能が、満たされる。
沸き上がる熱が、
吸い尽くされるように……
溶けて、溶けて、
意識の彼方に解き放たれて…
消えていく。
……
…
身体に意識が戻ってきた時には
◇は俺にしがみついたまま
その身体を小さく震わせていて…
俺は息を切らしながら
流れる汗に、目を閉じていた。
整わない呼吸と冷めない体温が
二人、同じで。
お互いに言葉はなくても
深く解り合えてる気がする、この時間。
ゆっくり…ゆっくり…
目を閉じたまま。
◇)…剛…典…、///
岩)ん…?
しばらくして俺を呼んだ◇の声が
少し掠れてた。
岩)声、大丈夫…?w
◇)……///
岩)苛めすぎた?
◇)……(こくん)///
岩)ははは♡
いつもなら「バカ!///」とか
怒られそうなのに…
ベッドの中で裸になってる時間は
◇が一番、素直な時間。
岩)どうだった?
◇)なに…が…?///
今日もちゃんと気持ち良く
なってくれたかなぁ、って。
岩)イマイチじゃなかった?w
俺の胸にぴったりくっついてた◇は
少しだけ上に上がってきて
俺の耳元に、唇を寄せた。
◇)剛典…、だいすき…///
可愛く呟いたその言葉がきっと、
質問の答え。
岩)そんなに良かったのぉ〜〜?
もぉ〜〜〜w
からかうように抱きしめたら
今度こそ「バカ!///」って言われるかなぁって
思ったのに…
◇)……(こくん)///
すっげぇ可愛く頷いちゃうから、
俺まで激しく照れちゃう。
岩)好きだよ、◇///
ぎゅっと抱きしめたら
◇も俺にぎゅっと、しがみつく。
可愛くて仕方ない。
岩)なぁ…。
◇)なぁに…?
岩)お前さ、引っ越したら
ベッドは別がいいとか言ってたけど…
◇)うん…?
岩)もしかして終わった後もほんとは
別で寝たいとか思ってる?
◇)え…っ
そんなわけないのはわかってるのに
わざと聞いたのは…
◇)どうして…そんなこと言うの…?
可愛い返事が聞きたかったから。
◇)ぜったい…やだ…///
岩)何が…?
◇)そんなの…さみしいもん…
岩)……
◇)ぎゅって…してくれなきゃ…やだ…
岩)////
めっちゃ可愛いんだけど…。
◇)こうして…ぎゅってしてくれなきゃ…
やだもん…っ
岩)うん…w
◇)……だめ…?…わがまま…?
岩)////
そんな可愛い目で見んなよ。
自分から聞いたくせに
ノックアウトされてる俺、情けねぇな…w
◇)朝まで…一緒にいてくんなきゃ…
やだよ…///
岩)////
甘えたようにすり寄ってくる◇が
可愛くて、可愛くて。
岩)ずっとこうしてるよ。
◇)////
抱き寄せた◇の髪を
繰り返し…繰り返し…、優しく撫でた。
ベッドの中で裸になってる時間は
◇が一番、素直な時間。
◇が一番、可愛い時間。
そして…
岩)大好きだよ…。
_____俺の愛が、
あふれこぼれてしまう時間。
ーendー
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