ツアー打ち上げから帰ってきて
いよいよデート前日。
結局この三日間は全然話をする暇がなくて。
っていうのも、
♧は慣れない仕事のせいか
すごく疲れた様子ですぐに寝ちゃって。
大事な話だから
ちゃんとした時に話したいし…って思って、
敢えて無理せずこの日を待ってた。
♧は元の仕事に戻るから
この三日間ほど疲れないだろうし…
なんなら俺、マッサージとか
してあげてもいいし!
とにかく、明日のデートに備えて
今日ちゃんと話したいんだ。
俺の気持ちをもう一度ちゃんと伝えて、
付き合ってほしいって言いたい。
出て行くなんて言わないで…
新しい家で一緒に暮らそうって。
俺のそばにいてほしい、って。
なんて考えてたら、
臣)お前結局♧さんとどうなったの?
タイムリーにつっこんでくる臣。
隆)今日話する予定。
臣)あ、まだ話せてないんだ。
隆)うん。ほんと♧忙しそうで
疲れてるみたいでさ。
臣)あら。じゃあ癒してあげなさいよ。
隆)うん。
今日は三公演明けだから
俺の仕事も打ち合わせ1個だけ。
隆)明日さ、連れて行くんだ。新しい家。
臣)おお!いよいよじゃん!
まだネタバラシしてないんでしょ?
隆)うん。
でもサプライズは♧の部屋だけにして、
新しい家を用意してることは
もう話そうと思ってるけど。
臣)誕生日プレゼントも用意してんでしょ?
隆)ああ、それがさ。
臣)ん?
隆)ミシンとか服とかって…
元々一緒に暮らす時のサプライズとして
考えてたものだからさ。
それを誕生日プレゼントに
すんのもなーって。
臣)と、言いますと?
隆)プレゼントは他に用意しようかなって。
臣)おお〜〜〜
いいじゃんいいじゃん♪
何あげんの?
隆)なんかアクセサリーあげたくて。
打ち合わせ終わったら見に行く予定。
臣)へ〜〜、アクセサリーねぇ。
隆)うん。
いつも身につけてもらえるようなものを
何かあげたい。
臣)でも♧さんって保育士でしょ?
隆)うん?
臣)アクセサリー禁止じゃないの?
隆)えっ…!!
そう言われると…
確かに♧って、
普段全然アクセサリー付けてない。
隆)そーゆーこと?!
禁止なの?!
付けれないの!?
じゃあどうしよう!!
臣)いや、わかんねぇけど。
聞いてみたら?
隆)それじゃサプライズになんないじゃん!
臣)あ、それもサプライズにしたいのねw
隆)当たり前だろ!
臣)うーん…
まぁ仕事中は出来なくても
それ以外の時間は付けてくれんじゃない?
隆)…っ
そんなのやだ。
俺はいつも付けててほしいんだもん。
仕事中出来なかったら
ほとんど出来ないのと一緒じゃん。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
子)せんせぇ〜〜っ!
おかえりなさーーいっ♡
子)せんせいっ、あかちゃんのところに
いたんでしょぉー?
♧)ふふっ、ただいまー♡
三日間の0歳児クラスの担当を終えて
今日は久しぶりに元の仕事。
子)せんせい、かたトントンしてあげるー!
♧)ええ?!w
子)つかれてるでしょぉー?
はい、トントントン♡
♧)ふふっ、ありがとう♡
私、そんなに疲れてるように見えるかな?
しっかりしなくっちゃ。
確かに身体はヘトヘトだけど
今日は仕事が終わったら
隆二くんのケーキを焼くんだもん!
葵)せんせーーっ♡
♧)あら、葵ちゃん♡
葵)みてぇっ!りゅーじーーっ
ドキッ!!
葵)ママねっ、らいぶいったのーー
りゅーじみてきたんだってぇ!
♧)…っ
そっか。
私が行けなかった西武ドーム。
♧)ママなんて言ってたー?♡
葵)りゅーじかっこいーって!
♧)ふふっ♡
葵)りゅーじだいすきーって!
♧)そっか♡
葵)ずっといってるからね、
パパがむぅってしてたよ!
♧)あはははw
今回行けなかったのは残念だけど
次の東京ドームは絶対に行くんだ。
キラキラ輝く隆二くんの姿を
この目で見たい。
葵)せんせーもりゅーじすきぃ?
♧)えっ
葵)すきぃ?
♧)////
大好きです。
葵)すきじゃなぁい?
♧)ううん、好きだよw
葵)わぁい♡
じゃあママにいっとくね!
♧)えっ
それはなんだか恥ずかしい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
隆『ねぇ、保育士ってやっぱり
アクセサリー禁止なの?』
保育士のことは保育士に聞けってことで
お母さんに電話してみた。
母『何よいきなり。
まぁ禁止っていうか…
禁止されてなくても
付ける人いないわよね。』
隆『なんで?!』
母『子供たちに怪我させたら大変でしょ。
なんでも引っ張られるしね。』
隆『……』
引っ張られる…
隆『じゃあピアスだったら?』
ネックレスとかブレスレットは
危険かもしれないけど…
母『ピアスも引っ張られるわよ。』
うそーん!!
母『子供はなーんでも食べるし掴むし、
引っ張るんだから。』
隆『……』
じゃあやっぱり、
アクセサリーはダメ…?
母『保育士さんなら
シュシュとかヘアゴムの方が
嬉しいんじゃない?』
隆『えっ!』
母『髪長かったら絶対まとめるだろうし。』
なるほど!!
母『あとはエプロンとか。』
隆『エプロン!!』
そうか、全く思い浮かばなかった!
隆『エプロンは何か規定とかあんの?』
母『規定って…校則じゃないんだからw
ああ、でも園によるのかなー
キャラものはダメだったり。』
隆『え、そうなの?!』
まぁキャラものは候補にないからいいけど…
母『もしエプロンにするなら
絶対ポケットの付いてるやつね!』
隆『ポケット!!』
母『そ、必須よ!』
隆『わかった!!』
お母さんに聞いて良かった。
ほんとはアクセサリーが良かったけど…
ヘアゴムとかエプロンでも
身につけるものだから、同じだし!
早く見に行きたい!わくわく!
隆『ありがとう!』
母『喜んでもらえるといいわねー♡』
隆『えっ』
俺、別に何も言ってないのに…
なんかニヤニヤした様子のお母さん。
隆『別に、ただ聞いただけだから!』
母『はいはいw』
クスクス笑われて
なんだかお見通しっぽい。
隆『じゃあね!///』
母『はーい♡』
電話を切って、
いざ買い物へ…!!
って思ったけど…
そんな女の子チックなもの、
どこに売ってんだろ。
どうしよう…誰か…
隆)あーーーー!!
ヨッシー発見!!
隆)ヨッシー!ヨッシー!
ヨ)わ、今市さん、どうしたんですか?
隆)なんか重そうだね、持とうか?
ヨ)いえいえ!大丈夫です!
隆)持つってw
どこまで?
ヨ)えっと…車まで…
すいません、ありがとうございます!
隆)いいえーー
ELLYじゃなくてごめんねーw
ヨ)!!!
今市さん!声が大きいです!///
隆)ぶっw
可愛いなぁ、ヨッシーw
隆)でさ、相談なんだけど。
ヨ)はい?
事情を説明すると、さすが女の子。
オススメのショップを
いくつか紹介してくれた。
隆)めっちゃ助かったーー
ありがとう!
ヨ)私こそありがとうございます。
隆)じゃあ早速買い物行ってきまーす♡
ヨ)行ってらっしゃいw
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♧)できたぁ…♡
隆二くんのバースデーケーキ、完成!!
男)おおお!美味しそうだねぇ!
さすが♧ちゃん!
♧)喜んでくれるかなぁ…
なんだかドキドキしてきちゃった。
男)絶対喜ぶに決まってるよ!
これを喜ばない男なんていないね!
♧)あははは♡
おじさんに勇気をもらって。
道具を全部片付けて、
出来上がったケーキを箱にしまった。
♧)どうもありがとうございました!
男)全然だよ〜〜〜
自転車のハンドルに吊るして
そーっと運転。
帰ってきて冷蔵庫に入れて、ほっと一息。
あとは隆二くんに見つからないように。
冷蔵庫に近寄らせないようにしなくっちゃ!
♧)ふぅ…っ
ソファーに座って、目を閉じた。
「今日帰ってきたら話せる?
いろいろ話したくて。」
そう言われたのは三日前。
でも結局私が疲れて寝ちゃってて
隆二くんも「今日じゃなくていいよ。」って。
きっと…
今日、話すんだよね。
私も仕事落ち着いたし
隆二くんもLIVE終わったし。
♧)……
「俺、絶対一生、大事にするから。
絶対絶対、大事にする。
♧の最初で最後の男になるから。」
そう言ってくれたあの朝、
嬉しくて涙が止まらなかった。
隆二くんの言葉に嘘偽りはなくて。
真っ直ぐな気持ちが
真っ直ぐに伝わった。
だからいいの。
一緒に暮らすことは出来なくても
想いが通じ合ってるだけで、私は幸せ。
大好きな大好きな隆二くんから
あんな言葉を貰えたんだもん。
あんなにあんなに、愛してもらえたんだもん。
これ以上望んだら、バチが当たっちゃう。
私は十分幸せです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
プレゼントも無事買えて
ウキウキで帰ってきたら…
隆)……あ。
またソファーで寝ちゃってる♧。
やっぱり疲れてるんだなぁ。
どうしよう。
今日話したかったけど
寝かせてあげた方がいいかな?
とりあえずお風呂あるみたいだし
先に入っちゃおうっと。
あ、その前に喉渇いたな。
隆)ん…?
冷蔵庫を開けると
なんだか可愛い箱が入ってて。
隆)何これ。ケーキ?
小窓から中を覗いてみると…
『Happy Birthday Ryuji』
隆)!!!
誕生日ケーキだ!
うそっ!!
隆)えっ、えっ……
びっくりして、
一人でキッチンをうろうろ。
隆)え、え、なんで…
俺の誕生日、知ってたの?!
てゆーかまさか…
このケーキ、手作りだったりする?!
隆)…っ////
え、どうしよう。
なんか嬉しすぎて泣きそう。
もう一度冷蔵庫を開けて、
ケーキをチラ見して。
パタンと扉を閉じた。
隆)…っ
ニヤける口元を隠しながら
またソファーへ。
スヤスヤ眠ってるお姫様の隣に腰掛けて
その髪をそっと撫でた。
隆)……
こんなに疲れてるのに…
俺のために作ってくれたんだ。
どうしよう。
ほんっっとに嬉しい///
♧の想いに、胸が熱くなる。
隆)好きだよ…。
何度囁いても、足りないくらい。
あふれてくる愛しさを
キスに込めて。
♧の髪にそっと唇で触れて、
俺はその場を離れた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♧)ん……、
あれ…?
私、またうたた寝しちゃってた…?
ゆっくり起き上がると
身体にかけられてたのは、
隆二くんのシャツ。
♧)帰ってきたんだ!
お風呂かな?
慌てて立ち上がって、キッチンへ。
ケーキは見られてないよね?
大丈夫だよね?
♧)危なかったぁ……
隆)何が?
♧)きゃぁっ!!
びっくりして振り返ると
上半身裸の隆二くんが
バスタオルで頭をガシガシ拭いてて。
♧)えっと…
冷蔵庫開けてないよね?
隆)うん、開けてないけど。
♧)そっか!
良かった!!
♧)シャツ、ありがとう。
隆)ううん。
疲れてる?大丈夫?
♧)大丈夫だよ!
隆)マッサージしてあげるからおいでー
♧)え!!??
マッサージ!??
♧)いいよ!!
隆二くんの方が絶対疲れてるのに!
隆)いいからいいから♡
♧)ほんとに大丈夫!!
隆)いいからっ!
あ。
隆二くんが拗ねちゃう。
♧)あり…がとう…//
私が素直にソファーに座ると
隆二くんは嬉しそうに後ろに回って…
隆)もみもみもみ〜〜♪
首から肩にかけて、
もみほぐしてくれる。
優しいなぁ…///
隆)お客さん、どうですか〜?w
♧)ふふっ、気持ちいいです♡
隆)お代はあとで結構ですよ〜〜
♧)えっ!いくらなの?!
隆)あのねぇ、マッサージ1分につき
チュー1回。
♧)……///
隆)何分してほしい?w
イタズラに笑う隆二くんの声に
後ろを振り向いて、顔を見上げた。
♧)……いっぱい。
隆)へ?!
♧)////
隆)////
私のワガママに、
隆二くんは照れたように笑って。
チュッ。
優しいキスをくれた。
隆)ああ、ダメだダメだ///
イチャイチャじゃなくて
♧の疲れを癒したかったの!
我に返ったように
またマッサージを続けてくれて。
♧)今のチューで…癒されたもん…///
ポソッと呟いたら…
隆)あ〜〜〜〜///
お痒いところはありませんか
お客様〜〜
聞こえないフリをしてる隆二くん。
♧)隆二くん、それだと
マッサージじゃなくてシャンプーだよ…
隆)え、あっ!そっか!間違えた!
♧)あはははw
隆)ええとじゃあ…
このへんはいかがですか〜?
♧)あ、っ……、うん、気持ち…いい…
隆)////
♧)あっ、そ…こ…っ
隆)////
肩甲骨まわりをほぐしてくれるのが
気持ち良くて…
目を閉じてたら、
ピタっと止まってしまった大きな手。
隆)やっぱりやめる///
♧)えっ?
隆)自分から言い出したのにごめん。
♧)いい…けど…
隆)♧に触ってたらムラムラしてくる///
♧)えっ!///
そんなこと言われて、
私までなんだか恥ずかしい。
隆二くんって…
正直者だよね…///
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最初は下心なんてなかったのに。
チューしたり…
♧のやらしい声を聞いたら
なんかもう、変なスイッチ入っちゃって。
ちゃんと癒してあげられなかった
ポンコツな俺を許してください。
隆)えっと…ムラムラしてる場合じゃなくて…
話!…してもいい…?///
♧)…っ
この流れでちょっとあれだけど…
真剣モードに切り替えよう!
隆)えっと…
何からどう言おう。
隆)好き!!!
ええい!
もうそのまま言っちゃえ!!
隆)♧のことほんとに好きだから!
だから俺と付き合って!
♧)え…っ
隆)…っ
ああ、このリアクション…
胸に刃がグサッと刺さったみたいだ。
やっぱり…付き合うのはダメなのか?
両想いなのに…?
隆)離れるなんて絶対やだ。
♧)…っ
隆)好きだから一緒にいたい。
♧)…っ
♧の瞳が潤んでいって…
フラれるんだろうかって思う一方で
もう、止まらない。
隆)♧のこと、絶対大事にするから。
一生大事にするって言った気持ち、
嘘じゃないから!
♧)…っ
隆)俺と付き合っても…
デートとかあんまり連れていって
あげられないし…
一緒にいれる時間も短いかもだし…
寂しい思いとか…させるかもしれないけど
それでも!
俺を選んで!!
勝手なこと言ってるってわかってる。
でも…っ
隆)俺じゃない男と付き合った方が
♧は幸せになれるかもとか
そんな風に考えたくない。
もしそうだとしても、絶対に嫌だ。
だってこんなに想い合ってんのに…!
隆)俺、♧のこと大好きだもん!
♧だって俺のこと大好きじゃん!
離れるとかそんな選択肢ないから!
一緒にいて、一緒に幸せになりたい。
♧)…っ
隆)だから俺と付き合って!
それで…
すごく待たせちゃうかもしれないけど…
俺と結婚して!!
♧)…っ
隆)俺は♧じゃなきゃやだ。
一生大事にするから…
俺のお嫁さんに…なってよ…っ
すげぇ自分勝手な告白だって、わかってる。
でも…
勢い余って言ったけど、
全部俺の本音で。
言い終わったら、勝手に涙が流れてた。
でも、俺以上に♧の方が
ぼろぼろ泣いてて。
♧)…っ、私…だって…
隆二くんじゃなきゃ…やだ…っ
隆)え…?
♧)他の人の…お嫁さんになんか…
なりたく、ないも…っ、ひっく…
隆)…っ
♧)隆二くんといられるなら…
何も…いらない…っ
隆)…っ
♧)デート…できなくたって…
忙しくて…会えなくたって…
どんなに待つことになったって…
隆二くんといられる未来があるなら
それだけでいい…っ!
他のものなんて、何もいらない!
♧が泣きながら俺の腕に飛び込んできて…
隆)…っ
俺はもう、言葉にならなくて。
ただただ、♧をぎゅっと抱きしめた。
♧)付き合っても…いいの…?…ひっく…
隆二くんの…彼女に…っ
隆)なってよ!
♧)…っ
隆)俺の彼女に、なって。
♧)…っ
俺の腕の中でしゃくり上げてる♧は
泣きながらコクリと頷いた。
それが嬉しくて。
本当に嬉しくて。
♧を抱き潰しちゃう勢いで力を込めたら
さすがに苦しいって言われた。
でも、ほんとに嬉しくて。
隆)大好き…。
♧)……どうして…隆二くんまで泣くの…っ
隆)わかんない…w
♧のこと大好きで、泣けてくる。
♧)…っ
そう言ってる♧だって
可愛いタレ目からぽろぽろ涙をこぼしてる。
隆)♧はなんで泣くの。
その涙をそっと拭ってやった。
♧)隆二くんのこと大好きで
涙が出てくる…っ
隆)俺の真似したしょw
♧)だってほんとだもん…っ
隆)うん。
掬い上げるように両頬を包んで。
隆)好きって…
愛しいって…
なんか、涙出てくるよね。
♧)……(こくん)///
隆)幸せな気持ちなのに…
胸がぎゅーってなってさ。
♧)……(こくん)///
ああ、本当に愛しい。
隆)♧…?
♧)……
隆)…ずっと一緒にいようね…。
♧)…っ
この先、ずっと。
隆)一人暮らしなんか絶対させないよ。
♧)え…っ
隆)禁止!
♧)…っ
隆)♧は明日、俺と新しい家に行くのっ!
♧)え?
隆)勝手に見つけてきた部屋は
キャンセルして!
♧)え?!!
隆)……ん?
抱きしめてる腕をほどいて
顔を覗けば…
「?」って表情。
♧)どういう…意味…?
隆)だから!
♧は俺と新しい家で暮らすの!
一人暮らしはダメ!
♧)え?
隆)勝手に自分の家、見つけたんでしょ?
♧)え?
隆)ごめん、聞いちゃったんだ。
むーちゃん?と、電話してるの。
♧)え?
隆)明日、ここを出て行くって。
♧)……!!!
♧は目を大きく見開いて、
違うよ!って叫んだ。
♧)隆二くんが見つけてくれたお部屋は
二人で暮らすお部屋なの?
隆)そーだよ!当たり前じゃん!
♧)…っ
隆)♧、引っ越したそうだったから。
♧)え?
隆)臣と♡ちゃんが引っ越しの話してる時、
いいなぁって言ってたでしょ?
♧)…っ
隆)だから、
♧)違うよ!
隆)え?
♧)あれは…っ
仲良さそうに家具を選んでる二人が
ラブラブで…いいなぁって…
隆)へ?!
♧)引っ越したいなんて思ってないもん!
隆)え、……
うそ…っ
隆)じゃあなんで勝手に部屋探してたの?
明日、出て行くって言ってたじゃん!
♧)それは…っ
私も隆二くんが話してるの、
聞いちゃったの。
隆)へ?
♧)私とは付き合えない、って。
明日新しい部屋に連れて行って
引っ越す予定だって。
隆)???
何それ。
全く意味がわからなくて、記憶を遡る。
♧)誰かと…電話で…
話してたでしょ?
隆)……あーーー!!!
あれか!!!
……って、とんだ勘違いだし!!!
♧)それに…
臣くんが写真、撮られたでしょ…?
隆)へ?
♧)だから…むーことも話してたの。
スキャンダルが出たら大変だから
隆二くん達は女の人と暮らすなんて
禁止されてるんじゃないか、って。
隆)…っ
♧)付き合うのもダメなんじゃないか、って。
隆)はー?!
んなわけないじゃん!!
臣だって♡ちゃんと付き合ってるじゃん!
みんな彼女いるし!
♧)…っ
隆)全部勘違いだから!
ほんとにびっくり。
お互いの勘違いで
ここまでこじれてややこしくなってたなんて。
じゃあ♧はずっと
俺とは付き合えないと思ってて
明日、俺が♧をここから追い出すと
思ってたわけ?!
んなわけないじゃん!!
隆)だから…サヨナラだって言ってたの…?
♧)……(こくんっ)
隆)この三日間も、そう思ってたの?
♧)……(こくん)
どれだけ一人で寂しい思いしたんだろう。
隆)ごめん…っ
俺はもう一度、♧を抱きしめた。
隆)ほんとにごめん。
♧)……(ふるふるっ)
ああ、俺はバカだ。
もっと早く伝えれば良かった。
ちゃんと、言葉にして。
好きだよって。
ずっと一緒にいようって。
そしたら♧を悲しませることもなかったのに。
こんなに俺のこと大好きで
寂しがりなんだから…
きっと一人で泣いてたはず…
…って、泣いてた!
そういえば泣いてたよな?!
あれって、俺のせい!???
隆)うわ〜〜〜〜〜っ
もう信じらんない!!
最悪!俺!!
隆)もう!ほんとごめんっ!
はっ!そうか!
俺のパーカー着てたのも…
俺の服が1枚欲しいって言ったのも…
隆)…っ
ああ、なんかもう…
今日までの自分をぶん殴りたい。
そして今日までの♧を
めちゃくちゃに抱きしめたい。
ごめん。
ほんとにごめん。
もう泣かせないから。
絶対泣かせないから。
♧)ほん…と…?
隆)え?
♧)明日…行くのは…
二人のおうち…?
隆)うん。
♧)サヨナラじゃ…ない?
隆)うんっ
♧)これからも…隆二くんと一緒に
暮らせるの…?
隆)うんっ!
俺が力強く頷くと
♧は泣きながらも、ようやく笑ってくれて…
♧)すっごく楽しみ…っ♡
そう言ってくれた。
♧)隆二くん、大好き…っ
隆)…っ
♧)…私…こんなに幸せって思ったの…
生まれて初めて…っ
隆)…っ
♧)本当に幸せ。本当に大好き。
…隆二くん、ありがとう。
♧の言葉に、俺はまた泣きそうになった。
幸せを噛み締めるように
お互い、抱きしめ合ってたら…
♧の力が抜けていって。
気付いたら、♧は俺の腕の中で、眠ってた。
隆)……
泣き疲れたのかな…?
仕事の疲れもあるだろうし…
今日はゆっくり寝かせてあげよう。
そーっとベッドに運んで、
涙の跡を拭いてやった。
俺たち…
多分めちゃくちゃ遠回りしたけど
今やっとこうして想いが通じて
一緒にいられて、本当に幸せだ…。
明日はデートだ。
とっておきの一日にしよう。
いっぱい泣かせちゃったけど…
明日は♧の笑顔をたくさん見られますように。
そう願って、俺も眠りについた。
ーendー
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隆二くんやっと本当のこと伝えられて
付き合って、こっちまで感動しました!
これからの二人がすっごく気になりますね~♪
やっと見たかった2人の想いが通じ合うところを見れて幸せです!これから隆二君と♧ちゃんカップルのストーリーもますます楽しみになります(。・ω・。)
やっとやーもうほんま!キュンキュンですリアルすぎて勘違いする笑
これからも楽しみにしてます( ˊ̱˂˃ˋ̱ )頑張ってください(๑>◡<๑)
ようやく✧*。٩(ˊωˋ*)و✧*。
出ていかれる前でよかったお幸せに♬
引っ越し祝いにセクスィー下着をw
やっと付き合った!
お幸せにーww 隆二よかったなー
三代目の中にラブラブカップルが増えてまうww
これから楽しみやわー
良かった♡
しあわせになって欲しい!