はぁ……
ほんとに仕事が手につかない。
どうしよう。
思い出すのは2日前のデート。
剛典と過ごしたホテルでの夜。
夜だけじゃなくて…朝も…
◇)////
ダメだ。
Kちゃんにも
「恋する乙女全開」とか言われたし
あたし、完全に浮かれ野郎じゃない?
剛典のことばっかり考えて
仕事も手につかないなんて
これじゃあ仕事中に隠れて
♡ちゃんのYouTube見てる奴らと
変わんないじゃん///
◇)はぁ…もう…///
ほっぺをペチペチ叩くと
向かいの同僚が
あたしをじっと見てた。
男)今日、ため息多くない?お嬢。
◇)えっ!
男)どうした?
男)俺も思った〜〜
ずっとさ、「ふぅ」だの「はぁ」だの。
◇)!!!!
そんなにあたし、変だった?!///
多)ため息ばっかりついてるけど
なんかほわほわしてるのよね〜
◇)えっ!///
多)不幸なため息ってよりも…
なんか…
ギクギクギクッ
多)恋に悩む乙女♡
みたいな〜〜♡
ぎゃああああ!!
多田さん!やめて!!!
男)恋に悩む乙女〜?!お嬢が?ww
男)恋してんのー?
男)あ、元彼とヨリ戻すとか?
◇)!!!
あんな奴の話、すんな。
男)こえぇ!w
なんだ、じゃあ違う男?
◇)……//
無視してパソコンの画面に
視線を落としたけど
みんながニヤニヤしてるのが
すごくわかる。
ううう///
多)やっぱり女子は
恋してる時が一番楽しいわよね〜♡
多田さんがにっこり笑った。
男)多田さんはこれでしょ?
恋の相手w
多)そうよ〜〜〜♡♡
同僚が指差した先には
あたしのデスクからは見えないけど
きっと、剛典の写真。
多田さんのデスクにある
カレンダーに挟まってる剛典の写真は
月1で入れ替わるんだ。
男)この人、最近人気ですよね〜〜
だんちゃんでしたっけ?
多)がんちゃんよ!!
だんちゃんって誰!!!
男)ああ、間違えたw
多田さんの目の色が変わった。
多)「岩田」だから岩ちゃんなのっ!
ちゃんと覚えてよね!!
男)すんませ〜〜んw
男)あはははw
男)お嬢もこんな男、タイプ?
◇)ほえっ?!
男)どっから声出してんだよw
男)あはははっw
◇)……//
だって…
「こんな男」って…
男)「岩ちゃん」、タイプ?
◇)////
べ、べ、別に…っ
◇)タイプじゃない!///
男)あれ〜そうなんだ。
女はみんな好きなのかと思った。
◇)別に、興味ないしっ!//
男)へ〜〜〜
多)◇ちゃんには、直己なんてどう?
なぬ!!!
多田さんのお勧めメンバーは
毎回変わるのか?!
◇)直己さん、カッコイイですよね!
好きです!
多)あらっ♡
男)直己って…首太い人?
多)そうそう♡
男)あの人カッコイイっすよね。
俺もあの人一番好きだなー
多)直己は男性人気が高いのよ。
男)ああ、わかる気するー!
多)でも私は岩ちゃん一筋♡
ごめんねー♡
そう言って多田さんは
剛典の写真を眺めてる。
はぁ…///
仕事しなきゃ、仕事仕事!
と思ったところに、携帯が揺れて…
◇)ん…?
画面を開くと
岩『今日、なんとか0時前には行けそう💨
ちゃんと良い子で待ってるように!』
◇)……ぷっw
良い子って何よw
でも…
そっか、日付変わる前に来てくれるんだ。
「なんとか」ってことは
今日中に来ようと頑張ってくれてるって
ことだよね。
◇)////
嬉しいな。
◇)……はぁ…//
『ありがとう😊💕良い子にしてる✨』
あたしにしては珍しく素直な返事を打って
携帯をデスク脇に置いた。
よし!今度こそ仕事仕事!
って思ったら
なんだかストレージの方が
ガヤガヤうるさくて
ふと視線を上げると
そこにひょっこり顔を出してたのは…
◇)♡ちゃん?!!!
思わず二度見。
♡)Happy birthday to you♡
皆)Happy birthday to you♪
え、え、なにごと!!??
どゆこと??!!
ローソクのついたケーキが
あたしに近づいてくる。
♡)Happy birthday dear ◇ちゃん♪
皆)Happy birthday to you♪
みんなが歌ってくれるバースデーソングで
祝われてるのは自分だって、
やっと確信した。
◇)な、な、なんで…
♡)◇ちゃん、ふーしてー♡♡
◇)////
可愛くお願いされて
何が何やらわからぬまま、
ローソクの火を吹き消した。
♡)わぁ〜〜♡♡おめでと〜〜!♡♡
皆)おめでと〜〜!!!
◇)////
ちょ、待って。パニック。
あたしの誕生日なんて
誰にも言ってないのに…
しかもしかも…!!
来客なんてほぼゼロのこのフロアに
なぜ♡ちゃんが…!!
男)え、え、姫がいる!!///
男)うおお!!本物?!!
なんでこのフロアに!??///
男)やべぇ!!///
ほら、向こうの島まで騒ぎ始めてる。
呆然とするあたしに向かって
♡ちゃんの天使スマイルが炸裂した。
♡)◇ちゃん、誕生日おめでとう♡♡
◇)////
か、可愛い…
なんて見とれてたのも束の間。
♡ちゃんの後ろから顔をのぞかせたのは…
◇)!!!!!
ニコッと笑う爽やかな笑顔。白い歯。
J)おめでとう、◇ちゃん♡
◇)////
Jさん!!!!!!!!!!!!!
なぜにJさんがここに!!!!!!!!!!
J)これ、誕生日プレゼント♡
◇)!!!!!!!
ニッコリと手渡されたのは
フレーバーティーの詰め合わせ。
え、え、あたしに…
Jさんが…プレゼント???
さっきから脳内処理速度が低下してて…
現実についていけないあたし。
J)ごめんね、取引先から
もらったやつなんだけど…w
◇)…っ
バツが悪そうにそう言うJさんに
あたしは必死に首をブンブン横に振った。
◇)あ、ありがとうございます…///
まさか…
Jさんからプレゼントをもらえる誕生日が
やって来ようとは…
鼻血出しそうだぜ。
♡)一人で来るの、心細いから
一緒に来ちゃった///
J)姫の付き添いでしたw
なるほど!そういうことか!!
♡ちゃん…
こんなプレゼント、あたしほんと鼻血出すよ…
周りは…
お祝いムードと♡ちゃんに群がる男どもで
カオス状態。
♡)お仕事中にお騒がせして
すみませんでした///
課)いえいえ、いつでも遊びにおいで♡
♡)ふふ♡ありがとうございます♡
システム開発部って初めて来たけど
みんな優しいんですね♡♡
課)////
男)////
男)////
♡ちゃんの笑顔に男たち全員、
課長までもノックアウトされてる。
さすがでございます。
男)ひ、姫も…
一緒にケーキ食べていきなよ//
男)うんうん!!
♡)あ、いえ、私はもう戻ります。
ありがとうございます♡
男)////
♡)◇ちゃん、みんなで食べてね♡
◇)ありがとう///
J)じゃあね、◇ちゃん♡
◇)は、はい…///
♡ちゃんとJさんは
嵐のように去って行って…
誕生日ケーキは
多田さんがナイフで綺麗に切り分けてくれた。
男)マジでびっくりしたわぁ〜〜!!
お嬢いつの間に姫と仲良くなってんだよ!
男)ほんとだよ!
俺らに言えよ!!
◇)……//
ちょっと優越感。
♡ちゃんは
うちにお泊まりだってしたんだから。
ふふんっ♪
男)マジで可愛かったなぁ///
男)サインもらっとけば良かった。
男)ほんとだよ!!しまった!!
男)姫の笑顔の破壊力、ヤバかった///
男)はぁ…///
みんなケーキを食べながら夢見心地。
課)ほんとあの子は太陽みたいな子だなぁ…
課長まで幸せそうで、なんだか可愛い。
♡ちゃんすごいな。
うちの部が一瞬でお花畑のように
色めき立ってるよ。
多)Jさんも近くで見ると
ほんっとイイ男だったわ〜〜♡
はい、本当に///
多)私はTくんの方が好きだけどね♪
男)ああ、姫と噂あった方ですか?
多)そうそう♡
男)でもさっきの人の方が
姫とはお似合いだなーー
男)うんうん、大人の男って感じで。
男)てゆーかJって人でもTって人でも
どっちでもいいから
姫と並んでお似合いとか言われる男に
一日でもいいからなってみてぇ。
男)あはははは!ww
◇)……
♡ちゃんの彼は…
JさんよりTくんより
♡ちゃんにお似合いなんだろうか。
顔、見てみたいなぁ…
でもあたしはなんてったって
Jさん贔屓だから
Jさんの方がいいのに〜!って
思っちゃいそう。
◇)はぁ…///
プレゼント嬉しいな。
♡ちゃん、ありがとう///
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◇の誕生日になった瞬間、
0時0分におめでとうメッセージは送ったけど
やっぱり誕生日中に
直接おめでとうって言いたいじゃん?
忙しくて抜ける時間もなくて
仕方なくスタッフに頼んだ花束を抱えて
◇の家に辿り着いたのは
ギリギリ23時55分。
玄関のドアが開いて
俺を見た◇は、目を丸くした。
いや、俺ってより、この花束かw
岩)こんばんは♡
◇)…っ///
岩)ギリギリセーフ?
◇)////
バタン。
ドアを閉めて
◇に花束を差し出した。
岩)誕生日、おめでとう♡
◇)////
ぽわーんとした顔で
花束を受け取った◇は
小さな声で
「王子様みたい」
そう呟いた。
岩)あはははっw
◇)はぅ…///
最初の頃は
「岩ちゃんのどこが王子様なの?!」
とか爆笑してたくせに…
岩)じゃ、行こっか、お姫様♡
◇)わぁっ///
花束ごと◇を抱き上げて
リビングに向かった。
岩)……
うん、やっぱ素通り。
そのまま寝室へ。
◇)えっ、えっ、えっ?!
ベッドの上におろすと
相変わらずクリクリしてる大きな瞳が
俺を見上げた。
岩)このまま襲っていい?♡
◇)!!!!
◇は俺のキスをかわすと
慌てたように立ち上がって
リビングへ逃げていった。
岩)……ケチ。
仕方なく俺もリビングへ戻ると
キッチンで花瓶に花を移しながら
なんだかんだ、嬉しそうな◇。
◇)へへ…綺麗だなぁ…♡♡
ほんとは俺が自分で選びたかったんだけどな。
◇)剛典、お花ありがとう♡♡
岩)……ん。
◇)すっごく嬉しい♡♡
岩)……//
◇はツンデレなくせに
プレゼントとかは
すごく素直に喜んでくれる。
◇)ねぇ…
岩)ん…?
◇が甘えた声で俺を見た。
◇)剛典…すぐ帰っちゃうの?//
岩)……
キスさせてくんなかったくせに
なにその可愛い顔。
はぁ…もう…///
◇)一瞬って…言ってたから…
岩)……
なんだよ…
俺と一緒にいたいの?
すげぇ可愛いんだけど///
岩)明日…5時起きだから…
◇)はやっ!
岩)帰ろうと思ってる。
…って言ったら、どうする?
◇)……それって…
岩)……
◇)うちから行っちゃ、ダメなの?//
岩)……
「帰んないで」って…
「泊まっていって」って…
そーゆーこと?
岩)朝早いから…
お前起こしたら悪いしさ。
とか言って
それでも甘えてくる◇が見たい俺は
意地悪かな。
◇)そっか…
剛典もゆっくり休みたいもんね。
あれ…?
◇)会いに来てくれてありがと♡
なぬーーー!!!
あっさり諦められたんですけど!!!
慌ててキッチンまで行って
後ろから◇を抱きしめた。
岩)泊まりたい!!
◇)えっ…
あっさり本音が出た自分に
自分でもびっくり。
岩)帰りたくない。
◇)……///
岩)朝、起こしちゃうかもしんないけど
一緒にいたい!!
◇)////
駆け引きなんてやめた。
岩)泊めて!!
◇)……//
岩)……
◇)一緒に起きて…
ちゃんとお見送りするもん///
岩)…っ
そう言って振り向いた◇が
なんかもじもじしてて可愛くて…
岩)はぁ///
ぎゅむっっっ
めいっぱい、抱きしめた。
やっぱりこのまま
ベッドに連れてっていいかな?
ひょいっ
◇)ひゃぁっ!何?!///
岩)ベッド行こ♡
◇)だめーー!!///
俺の肩の上で、暴れる◇。
そのまま寝室へ連れて行って
ベッドにおろす。(本日2回目)
◇)…っ///
俺を睨む目さえ、可愛いんですけど。
岩)ん♡
◇の肩を掴んで
キスと同時に押し倒そうとすると…
◇)てやぁぁぁっ!!
岩)!!!????
すごい勢いでベッドに転がされて
あっという間に俺に跨ってる◇。
一瞬で、形勢逆転。
岩)え…???
◇)////
真っ赤な顔して
俺に馬乗りになってんだけど…
襲ってくれるんすか?
俺…あんまそんな趣味ないけど。
だってSだし。
◇)Hはダメ!///
岩)えっ!!!
なんで!!!!!
◇)もう…剛典はHばっかり…//
岩)…っ
ちょっと待った!!
そんな誤解をされちゃ困る!!!
岩)俺、別にヤリたくて
来たんじゃないから!!!
押し倒されたまま
情けない格好で必死の言い訳。
◇)そんなの…わかってるよ…//
岩)…っ
ほんとに?
俺のこと、
ただひたすらヤリたいだけの
性欲魔人だとか、思ってない?
◇)誕生日に間に合うように…
急いで来てくれたんでしょ?//
岩)……うん。
良かった。
わかってくれてた。
◇)すごく嬉しかったもん…
岩)……//
そう言って◇は、
俺の身体に乗っかったまま
姿勢をおとして
俺の唇に小さくキスをした。
◇)ありがとう…///
岩)////
何これ。
ドキン…ドキン…///
◇)でも…Hはまだダメ…//
Hしちゃうと…なんかもう
わけわかんなくなっちゃうんだもん//
岩)え…?
◇)まだ…剛典の顔、もっと見てたいし
話だってしたいし…
岩)……
◇)折角来てくれたから…
岩)……
そんな可愛い言い訳に
思わず口元が緩む。
◇)きゃぁっ!//
ドサッ
◇)…っ///
見下ろされるのも悪くなかったけど
うん、やっぱりこっちのがいいな。
◇の上に跨って
その小さな手をシーツに沈めた。
チュッ…
唇にキスを落として
耳元に顔を近付ける。
岩)じゃあ後でたっぷり
わけわかんなくしてやるから♡
◇)!!!!
バシッ///
バシッ///
岩)いてーな!w
◇)ばかっ!エッチ!!///
岩)だからHはあとでしてやるって♡
◇)変態ーーーっ!!!///
岩)ぶはっww
◇は俺を押しのけて
またリビングへ逃げていった。
ああ、可愛いwww
◇)あ、そーだ!剛典見て〜!!
嬉しそうに俺を呼び寄せる◇の隣に
腰をおろした。
岩)なになに?
◇)これーー!!♡♡
見せてくれた携帯の画面には
誕生日ケーキの前でにっこり笑う◇と
それを取り囲む会社の人たち。
岩)おお、お祝いしてもらったの?
◇)ふふふ…ww
岩)ん?
◇)実はね、姫さんが♡♡
岩)え?
姫さんって…
◇)ケーキ持ってお祝いに来てくれたのー!
きゃはーー!///
きゃはーってww
岩)あれ…?でも…
姫さんって、たまに挨拶する程度じゃ
なかったの…?
だからそのうち
驚かせてやろうと思ってたのに。
◇)実は仲良くなったんです♡♡
なにーーーっ!!
いつの間に!!
◇)今日も一緒にランチ行ったし♡
岩)へ、へぇ……
そんな仲良いんかい!
◇)姫さんねっ、本当に可愛くって
すっごく良い子なの!
大好きなの♡♡
岩)……
◇の誕生日もこうして祝ってくれたなら
本当に仲良くなったんだな…
◇)うちのフロアなんてね、
普段はほんとむっさいから
今日はみんなびっくりしちゃって。
岩)え?
◇)だって…誰か来ることなんて
ほとんどないし、
それがまさかの姫さんってなると
もうみんな大騒ぎ!!w
岩)……
♡ちゃんはほんとに会社のマドンナなんだな…
◇)もうね、姫さんがにこって笑うだけで
みんなニヤニヤ喜んじゃってw
岩)……
◇)課長なんて、
あの子は太陽みたいだぁ〜〜
とか言っちゃってw
岩)……
◇)うちの部署に、
一気に春が来たみたいだったなぁ♡♡
岩)……
うん。わかる気がする。
♡ちゃんってそんな感じだよね。
でも俺は
そんな♡ちゃんの笑顔より
今目の前で嬉しそうに話す◇の笑顔が
可愛くてたまんない。
◇)この写真撮った時もねっ、
姫さんがいる時に撮れば良かったぁ!
って、みんなで後悔したの。
岩)はははw
それにしても…
相変わらず男だらけの職場ですなぁ。
岩)……こんなに男だらけでさ、
誰かに言い寄られたりしないの?
◇)へ???
岩)若い人とかもいるじゃん。
◇)ないないない!!ww
ほんとに?
◇)あたしなんて女として見られてないもん!
岩)……
◇)サバサバしてて話しやすいとかは
よく言われるけど。
岩)……
◇)絶対ありえないねーー
岩)……
そうかな。
サバサバしてて話しやすいって思ってた女が
急に可愛い一面を見せたりとか
そーゆーギャップの方が
案外やられたりしない?
◇)それにあたし、そーゆー部分は
好きな人にしか出さないもん。
岩)……そーゆー部分?
◇)……
岩)って?
◇)////
あ、もじもじしてる。
◇)なんか…甘えたり…とか
そーゆーのっ!///
岩)……
つまり、可愛い女の子モードは
俺の前でしか発動されないってこと?
◇)ううう…///
バシッ!バシッ!
岩)なんだよ!w
◇)ぷいっ///
岩)……www
ほんと可愛すぎる…www
岩)あーあ…//
ぎゅむっ
◇)わ…っ//
腕の中に、閉じ込めた。
ほんと…そんな可愛いお前は
俺以外に見せないで。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
岩)てゆーかお前、ケーキ食えたの?
◇)えっ?
岩)♡ちゃんが買ってきたケーキ。
◇)うん。…って、え??
♡ちゃん???
岩)!!!!!
◇)あたし、姫さんの名前言ったっけ??
あれ??
言ったか??
◇)前言ったっけ??
岩)うん!一回言ってた気がする!
◇)そっか。
そうそう、姫さんは♡ちゃんっていう
可愛い名前なんだけどね、
このケーキはそんなに甘くなかったから
普通に食べれたよー
岩)そっかそっか…汗
◇)何より、♡ちゃんがあたしのために
わざわざ買ってきてくれたのが
すっごく嬉しくて♡♡
岩)うん…w
◇)しかもねっ!これ見て〜!
岩)ん…?
Jさんにもらった
フレーバーティーセット。
さっき一つ飲んだけど
すっごく美味しかった♡♡
岩)それも♡ちゃんにもらったの?
◇)ううん、これはJさんにもらったの!♡
岩)Jさん…?
◇)あれ?前に言ったでしょ?
あたしの憧れの人♡
岩)……はぁ?
あれ?
あたし、♡ちゃんの名前は言ったのに
Jさんは言ってなかったっけ??
◇)♡ちゃんと一緒に
これ、渡しに来てくれたの///
はぁ…♡♡
ほんとカッコ良かった…幸せ♡♡
ひょいっ
◇)えっ…
箱を取り上げられた。
岩)なんか気に入らない。
◇)はい??
剛典が口を尖らせてる。
岩)なんでそいつ、わざわざお前に
プレゼント用意してんの?
◇)あ、違うよ!
取引先にもらったって言ってたから
たまたまそれをあたしにくれただけ!
岩)ふーーーーーん。
◇)……
え、なに…
まさか…
ヤキモチですか?
岩)それでそんな喜んでんだ。
◇)……だって…
岩)なんなの。
そいつのこと好きなわけ?
◇)違うよ!!!
何言ってんの?!
◇)Jさんはただの憧れ!!
好きとかそんなんじゃないから!
岩)……
◇)手の届かない人っていうか…
芸能人みたいなもん!!
岩)……俺だって芸能人だけど…
◇)はっ!ほんとだ!!
岩)……
◇)ぷっww
岩)なんなんだよww
◇)あはははっw
思わず二人で笑った。
◇)そっか、剛典も芸能人だったね。
岩)お前って割とそれ忘れてるよね。
◇)忘れてないけど…
「芸能人と付き合ってる」って感覚は
全然ないかも。
岩)……
◇)剛典は剛典って感じ。
岩)……
あたしがそう言うと
剛典は少し嬉しそうに笑った。
岩)とりあえずこれムカつくから
全部飲み干して帰っていい?
◇)……お腹壊すよ?
岩)……
◇)そんな嫌なら持って帰っていいよ。
岩)え?
◇)もらって嬉しかったけど…
別にそーゆーんじゃないし…
剛典が嫌ならいらない。
岩)え、そんなあっさり??
◇)うん。
だってあたしが好きなのは剛典だもん。
岩)いや、じゃあいいや。置いてく。
◇)何やねん!それ!w
岩)いや…、子供みたいなこと言って
すみませんでした…//
◇)あはははっw
もう…何なのほんとw
◇)ヤキモチ剛典、可愛い♡♡
あたしがそう言って
剛典の頭を撫で回すと
剛典が少しむぅっと口を尖らせて
あたしを見上げたのが
さらに可愛くて…
◇)好きなのは剛典だけだよ♡
そんなことを言ってみたら
岩)当たり前だろ。
いきなり偉そうになった。
ほんと何なのこの子w
岩)大体さ、なんで俺があげたやつ
着てないの?
剛典があたしのパジャマを引っ張って
不満そうにそう言った。
◇)あれは…昨日嬉しくて早速着たから…
今は洗濯中//
剛典がくれた
ふわふわの気持ちいいナイトウェア。
岩)あれ脱がすの楽しみにしてたのに…
◇)ん??
今ボソッとなんて言った?
岩)まぁいいや。楽しみは取っとこっと♪
◇)…っ
そう言ってあたしを見た剛典の目が
なんだかもうロックオンしてて
本能でそれがわかった。
岩)ベッド…行こ?♡
◇)////
わけわかんなくされちゃう時間が来た。
この間のスイートより
ずっとずっと狭いベッドは
二人の重みで柔らかく沈んで…
岩)は…ぁ…//
すげぇ気持ちぃ…//
あたしに触れながら
剛典が幸せそうにそんなことを言うから
あたしのHスイッチだって
簡単にオンになってしまう。
◇)剛典…///
岩)…っ///
いっぱい触って…
いっぱいキスして…
岩)どうせ5時起きだし…
もう寝ないでずっとHしてる…?w
◇)……バカ///
でも…
それでもいいかななんて思っちゃうくらいに
触れ合う肌も体温も
その全てが気持ち良くて…
あたしたちは今日も
この幸せな熱に、溶かされる。
ーendー
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