[170]記憶に残る香り

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ふわふわ…
 
ふわふわ…
 
 
柔らかくて、少しくすぐったくて…
 
でも、気持ちいい。
 
 
♡)……ん…、
 
 
ゆっくりと開いた目に映るのは、
甘く微笑む、大好きな人の笑顔。
 
 
臣)おはよ…♡
♡)……///
 
 
その笑顔が優しすぎて
なんだか恥ずかしくなった。
 
 
臣)んーー♡
♡)////
 
 
臣くんは私のおでこをなでなでして
そのままキスをくれた。
 
 
髪を優しく撫でてくれてたのは
臣くんだったのかな。
 
 
臣)はぁ、かわい…♡
 
 
ぎゅむっ…♡
 
 
♡)////
 
 
なんか…よくわかんないけど…
臣くんが甘々モードだ。
 
 
臣)んーー♡
 
 
よしよしってしながら
私をいっぱいぎゅってしてくれるから…
 
ウズウズウズ!!
 
 
♡)臣くん…っ///
 
 
ぎゅむっっ
 
 
愛しい気持ちがこみ上げて、
私も臣くんにしがみついた。
 
 
臣)ははは♡来た来た♡
♡)ううう…///
 
 
大好きだよぅ。
 
 
臣)身体、大丈夫?
♡)え?
 
 
身体??
 
 
臣)意地悪してごめんな?
♡)……
 
 
そう言われて、
だんだん蘇ってくる記憶。
 
 
「何がダメなの…?」
「あっ、…や…っ、///」
 
「ちゃんと捕まって。」
「ん…っ、や…っ///」
 
 
♡)////
 
 
そうだった。
 
私…
また臣くんに運んでもらったのかな…?
 
 
臣)あれ、何その口。
♡)……(むぅぅぅ)
臣)怒ってんの?w
♡)怒ってるよ…っ
臣)ははは♡
 
 
怒ってるって言ってるのに
嬉しそうに私を抱きしめる臣くん。
 
 
臣)なんで怒ってんのー?
♡)なんでって…
 
 
だって…
 
 
♡)……ベッドで…
  したかったん…だもん…
臣)……
♡)ちゃんと…顔見たかったんだもん…
臣)……
 
 
なのに…
臣くんは止めてくれなくて。
 
 
臣)はい♡
♡)…っ
 
 
臣くんが起き上がって
私の横に両手をついて、私を見下ろした。
 
 
臣)見ていいよw
♡)今じゃ…なくてっ!//
臣)あははは、わかってるよw
 
 
チュッ。
 
 
♡)……///
 
 
なんか…チューで誤魔化された。
 
 
臣)俺もさ、お前の顔見たいから…
  ベッドでしようと思ってたんだけど…
♡)…っ
臣)我慢できなかった♡
  ごめんなw
♡)……///
 
 
臣くん…すごく意地悪だったもん…
 
 
♡)私の顔見たいって…どうして…?
臣)んー?
  じゃあお前はなんで?
♡)…っ
 
 
私…は…
 
 
♡)その方が…
臣)うん。
♡)好きって…感じるから…。
臣)……
♡)上手く言えないけど…
  目と目が合ってる方が…
臣)うん、わかるよ。
 
 
チュッ。
 
 
臣)こうしてる方が…
  気持ち伝わる気、するよな。
 
 
そう言ってくれた臣くんは
すごく愛しそうに私を見つめる。
 
 
♡)……(こくん)///
 
 
ぎゅってしてほしくて手を伸ばすと
臣くんの身体がゆっくり降りてきた。
 
 
臣)ん♡
 
 
ぎゅ…っ
 
 
♡)……///
 
 
臣くん…大好き…。
 
 
……チュッ。
 
 
ん…?
 
 
…チュッ。
 
 
あれ…?
 
 
♡)臣くん…?//
臣)ん…?
♡)何…してるの…?
臣)チュー。
♡)…っ
 
 
えっと…
 
 
♡)…あ、…んっ…だめ…っ//
 
 
臣くんの肩を掴むと、
臣くんがニヤッと笑った。
 
 
臣)なんで止めんの?
♡)え、だって…っ
臣)正常位が一番気持ちイイから
  もう一回Hしたーい♡
  って言ったじゃん。
♡)いいい言ってない!!///
臣)あれ?そういう意味じゃないの?w
♡)違うもんっ!ばかっ!エッチ!///
  もう嫌いっ!///
臣)あははははw
 
 
私がペチッと叩くと、臣くんは
「うそうそ、ごめん」って笑いながら
私にチュッとキスをして、ベッドを降りて…
 
それからすぐに、
パソコンとお土産を持ってきてくれた。
 
 
♡)そういえば私…
  どれくらい寝てたの…?
臣)んー?30分くらい。
♡)そっか…//
臣)ついついHに
  夢中になってしまいましたが!
♡)……ハイ//
臣)写真お披露目会、始めます!
♡)わーい、パチパチパチ♡
 
 
ヘッドボードにもたれながら
パソコンを開く臣くんの腕に
ぴたっとくっついた。
 
 
臣)これがアムステルダムの空港。
♡)なんて読むの??
臣)スキポール空港。
♡)スキ…ポール?
臣)うん。すげぇんだよ。
  中に美術館とかカジノあんの。
♡)えーーー!すごいっ!♡
臣)んでー、街に出るとこんな感じ。
♡)わぁぁぁ♡
 
 
綺麗な運河に、歴史的な建物。
 
 
♡)すごいねぇ!
臣)この運河は全部、世界遺産。
♡)わぁぁぁ…
  あ、ここの建物、カラフルで可愛い!
臣)この港町も世界遺産だよ。
♡)そうなんだ!
  いいなぁ…行ってみたい…♡
臣)ほんとお前も連れていきたかった。
 
 
そう言って臣くんは
素敵な写真をいっぱい見せてくれた。
 
 
オランダの風景や街並み、
ニックのスタジオとか
Tomorrowlandの会場とか
ベルギーの写真もたくさん。
 
 
臣)ほんとさ、すっげぇ楽しかった。
♡)良かったね♡
臣)うんw
 
 
私もいつか行ってみたいな…
 
 
臣)いつか一緒に行こうな。
♡)…っ
 
 
私の気持ちと臣くんの言葉が重なって…
 
 
♡)えへへ♡
 
 
なんだか嬉しくなった。
 
 
臣)お前も写真見せてよ。
  この一週間の。
♡)えっと…スマホでしか撮ってないけど…
  あ、これ。
  TAKAHIROさんとの撮影のやつだよ。
臣)おお。
♡)これはね、TAKAHIROさんが
  臣くんの真似してるところ。
臣)ぶっww
♡)これは、TAKAHIROさんが
  NAOTOさんの真似してるところ。
臣)…TAKAHIROさんは…
  一体何してんの…w
♡)なんかね、すごく楽しかったよw
  現場の雰囲気を和ませてくれるっていうか
  楽しくしてくれて…
  私が緊張しないように
  気を遣ってくれてたのかなぁ。
臣)TAKAHIROさんらしいね。
♡)うん。
 
 
早く完成したMV、見てみたいな♪
 
 
♡)こっちは、結婚式の写真。
臣)ほーー。
  髪はどうしたの?
♡)今回は登坂美容師がいないから
  自分で頑張ったのです!
臣)はははは、上手じゃんw
♡)えへへ♡
  友達のお色直しのドレスね、
  すっごく可愛かったんだよーー♡
臣)どれどれ。
  おお、水色ですか。
♡)そう!夏っぽくて綺麗でしょ?
臣)うん。
 
 
私もこんなの着てみたいなぁ♡
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
二人でくっついて写真を見て。
 
冷やし中華を囲む4人の写真で
思い出した。
 
 
臣)◇ちゃん!!!
 
 
そうだよ!
一番肝心なこと聞くの、忘れてた!!
 
 
臣)どうだったの◇ちゃん!!
♡)え?
臣)一週間泊まってたんでしょ?
♡)うんっ
 
 
岩ちゃんとはどうなったんだよ!!
 
 
臣)仲直りした?!
♡)……えっと…
臣)……
 
 
その反応は、まだなのか。
 
 
臣)なんて言ってたの?◇ちゃん。
♡)え…?
臣)話してないの?岩ちゃんのこと。
♡)えっと…話した…けど…
臣)……
 
 
何その濁す感じ。
 
 
♡)まだ悩んでるの。
臣)……
♡)だから…
  もう少し時間がかかりそう。
臣)……
 
 
悩むって…
岩ちゃんと戻るかどうかをってこと?
 
 
臣)岩ちゃんのこと好きなんでしょ?
♡)……
臣)……
♡)えっと…、わかん…ない。
臣)は???
 
 
なんで!!!
 
 
臣)どういう話になってんの?
♡)…っ
臣)吐けコラ。
♡)…だめっ。
臣)なんで!!
♡)だって…
 
 
気まずそうに俯く♡。
 
一体何がどうなってんだよ。
 
 
臣)隠し事はなしだろーー
♡)だって…臣くん…
  岩ちゃんに言うもん…
臣)言いません!
♡)…っ
臣)そこは俺だって空気読むわ。
♡)でも…、ダメ。
臣)なんで!!
♡)とにかく、いろいろあるのっ!
  ◇ちゃんは今、一生懸命考えてるの。
  急かしちゃダメなのっ!
臣)……
 
 
どうあっても吐かない♡。
 
色々ってなんだよ。
 
……あ、もしかして。
 
 
臣)◇ちゃんに言い寄ってきてる男は
  どうなったの。
♡)えっ!!
 
 
俺の言葉に一気に表情が変わった♡。
 
やっぱりそいつがなんか関係してんのか!
 
 
臣)そいつに変なこと言われたり
  騙されたりしてんじゃねーの?
♡)何それ!してないよ!
  優助くんはそんな悪い子じゃないもん!
臣)優助くん…?
♡)はっ…
 
 
何その言っちゃった、みたいな顔。
 
 
臣)悪い子じゃないって
  なんでそんなんわかんの。
♡)…っ
臣)いきなりカラオケで
  ナンパしてくるような男だろー?
  胡散臭すぎんじゃん。
♡)優助くんは良い子だよっ!
臣)…っ、お前…会ったの?
♡)はっ…
 
 
お前って…
ほんと嘘つけないよな?
 
 
臣)どこで会ったわけ。
  なんでお前が会ったわけ。
♡)…えっと……
  桜ちゃんと…4人で…
臣)誰それ。
♡)あ、◇ちゃんの妹だよ。
臣)……
♡)4人で、ご飯食べたの。
臣)……
 
 
なんでやねん。
 
 
♡)たまたまだったんだけど…
  優助くんは…ほんとに優しくて
  すごく良い子だったよ。
臣)お前…誰でも良い奴って言いそうだもん。
♡)ほんとに!
臣)…っ
♡)考え方もちゃんとしてて…
  空気も読んでくれて…優しくて…
  何より◇ちゃんのこと
  ほんとに大好きなんだなって
  すごく伝わったもん!
臣)……
 
 
何それ。
 
 
臣)良い奴のフリなんて
  いくらでも出来んじゃん。
  そんなナンパ野郎、信用できるかよ。
♡)…っ
臣)◇ちゃんが騙されて
  どっかに売り飛ばされたらどうすんの。
♡)そんな変な人じゃないってば!
  東大出身だから◇ちゃんの後輩でね、
臣)東大?!!!
♡)あ、うん。
臣)…っ
 
 
ちょ、ちょっと待て。
そもそも◇ちゃんも東大なの??
そんな才女だったの!?
 
 
♡)それで、今は△△で働いてるんだって。
臣)△△?!!
 
 
めっちゃ大手の電気機器メーカーじゃん!!
 
 
臣)…っ
 
 
やべぇ。
岩ちゃんのライバルが
そんな高スペック男だなんて…
 
いや、ちょっと待てよ。
 
 
臣)東大卒ならなんかすげぇマニアックな
  オタク野郎なんじゃないの?
♡)えーー!何それ!偏見だよ!
臣)だって…
♡)優助くんは
  爽やかなオシャレ男子だったよ。
 
 
なんだと?!
 
 
♡)顔は少し岩ちゃんに似てるかな…?
臣)!!!
 
 
岩ちゃんに顔が似てて
オシャレで爽やかで東大卒?!!
 
 
臣)…っ
 
 
岩ちゃん…勝ち目ないじゃん…
 
 
臣)てゆーかさ。
  なんで岩ちゃんと距離置いてんのに
  その優助って奴とは会ってんの。
♡)…っ
臣)そんなん浮気と変わんねぇじゃん。
♡)浮気じゃ……
臣)岩ちゃんと会わないんなら
  そいつとも会わなきゃいいじゃん。
♡)…っ
臣)不公平だ、そんなの。
♡)……
 
 
一週間いなかったから
岩ちゃんとは連絡取ってないけど…
 
 
「◇の信用を取り戻すために
 俺が頑張らなきゃって。」
 
 
最後に会った岩ちゃんは、
そう言ってた。
 
 
臣)距離置いてんのって…
  ◇ちゃんが岩ちゃんを
  許せるようになるまでじゃないの?
♡)……
臣)戻りたいって思えるのを
  待ってるんじゃないの?
♡)……
臣)他の男を好きになるための
  時間じゃねーだろ。
♡)そう…だけど…
 
 
「距離おいてる間に
 他の男に取られたらどうしようとか…
 すげぇ思うけど…」
 
 
不安そうにそう言ってた岩ちゃんの顔が
頭に浮かんで…
 
 
こんなこと♡に言ったって
仕方ないんだけど…
 
 
♡)でも…
  人の気持ちは…変わるから…
臣)何それ。
  お前はどっちの味方なの…
 
 
さっきから優助ってやつのこと
褒めすぎだろ。
 
 
♡)私は…
臣)岩ちゃんの味方じゃねーの?
♡)…っ
 
 
もっとナイスアシストしてやれよ!
 
 
♡)私は◇ちゃんの味方だもん…
臣)は?
♡)最初は…岩ちゃんと戻ってほしいなって
  そう思ってたけど…
臣)……
♡)それは◇ちゃんの気持ち次第だし
  ◇ちゃんが決めることだから…。
臣)…っ
 
 
それはそうだけど…
 
 
臣)でも…
  まだ一応「彼女」って立場なのに…
  他の男と会ってるのは…
  なんか違わない?
♡)……
臣)それなら別れてからにすればいいじゃん。
  順番違うだろ。
♡)……別れてもいいって言った◇ちゃんを
  引き止めてるのは岩ちゃんでしょ…?
臣)…っ
 
 
「別れてもいいし
 他の女と付き合ってもいいって
 言われたんだけど…」
 
 
……そうだった。
そういえばそう言ってた。
 
 
臣)でもさ、だからって…じゃあ何?
  勝手に待ってんのは
  そっちでしょってこと?
  その間にあたしが好き勝手しても
  文句言う権利ないでしょってこと?
♡)そうじゃ…なくて…
臣)そんなん岩ちゃんが可哀想じゃん。
♡)可哀想なのは岩ちゃんだけじゃないもん!
臣)…っ
 
 
♡が怒った。
 
 
♡)なんなの?
  ◇ちゃんばっかりが悪いの?
臣)…っ
♡)◇ちゃんにばっかり
  正しさを求めないでよ!
臣)…っ
 
 
そう言われると…
何も言い返せない…。
 
全うな人生を送ってきてないのは
明らかにこっちで。
 
 
♡)◇ちゃんがこんな風になったのは
  誰のせいなの?
臣)それは…
  岩ちゃんが…悪いけど…
♡)◇ちゃんだって
  好きで岩ちゃんのこと
  信じられなくなったわけじゃないんだよ!
臣)…っ
 
 
そう…だけど…
 
 
臣)でも…岩ちゃんは
  あんなに反省してて…
♡)反省したからって
  したことが消えるわけじゃないでしょ!
臣)…っ
 
 
グッサリ刺さった、その言葉。
 
まるで自分に言われたみたいで…
 
 
♡)岩ちゃんが反省してることは
  ◇ちゃんだってわかってるんだよ!
臣)…っ
♡)だから苦しんでるの!
臣)……
 
 
ごめんなさい…。
 
 
♡)もし私だったら…別れてる。
臣)え…っ…
 
 
その言葉に、心臓が止まったかと思った。
 
 
♡)好きって言ってくれて…
  信じてたのに…
  他の女の子にも同じように優しくして
  そういうことしてたなんて…
  もう信じられないもん。
臣)…っ
♡)付き合ってる付き合ってない
  とかじゃなくて…
  思い出すたびに悲しくなって
  信じられない気持ちでいっぱいになるから
  …私なら…、好きでも別れる。
臣)……
 
 
そうだ…。
 
そういえば前にも二人で…
そんな話、したよな。
 
 
臣)…っ
 
 
俺…、
付き合う前のアレ……、
未遂で良かったぁぁぁぁ……泣
 
 
♡)距離置いてるから好き勝手していいとか
  そういうことじゃなくて…っ
臣)……
♡)その間にもし、◇ちゃんが他の人を
  好きになったとしたって、
  ◇ちゃんは悪くないと思う。
  私はそう思うだけ。
臣)……
 
 
自業自得ってことかな…。
 
 
臣)でも…それって…
♡)……
臣)流されてるだけじゃないの…?
♡)……
臣)弱ってる時に優しくされて
  好きだって言われて…
  そんなん誰だって流されるじゃん。
♡)流されちゃどうしてダメなの?
臣)えっ…
 
 
だって…
 
 
♡)流されるって…
  自分の意思がないように聞こえるけど…
  誰かの気持ちで自分の気持ちが
  動くってことでしょ?
臣)…っ
♡)それの何が悪いの?
臣)……
 
 
そう言われると…
わかんなくなってきた…。
 
 
♡)自分の気持ちが動かされるくらいの
  強い気持ちになら、
  流されたって悪い事じゃないと思うもん。
臣)……
♡)それで好きって気持ちが
  生まれる事だってあるかもしれない。
臣)……
♡)誰かを好きって思う気持ちは
  自分でどうこうできるものじゃ
  ないでしょ…?
臣)……
 
 
うん…、そうだよ…な…。
 
 
♡)臣くんが…
  岩ちゃんのこと心配する気持ちは
  わかるけど…
臣)……
♡)私だって…心配だけど…
臣)……
♡)…ごめんね…?
 
 
♡が申し訳なさそうに
俺の手をきゅっと握った。
 
 
臣)ううん…俺こそ…ごめん。
♡)ううん。
 
 
なんか…
どうしても岩ちゃんに
自分を重ね合わせちゃって…
 
 
臣)岩ちゃんたちのことで
  俺らが喧嘩すんのは、違うよな…。
♡)うん…。
臣)ごめんな…。
 
 
ぎゅっ…。
 
 
♡)私も…ごめんね。
 
 
ぎゅっ…。
 
 
腕を回して♡を抱き寄せたら、
♡も俺の腰に腕を回してくれた。
 
 
♡が家出した時…
ほんといろんな事があったけど…
 
♡はこうして俺の隣に戻ってきてくれた。
 
 
◇ちゃんは…
戻ってきてくれないのかな…。
 
 
頼むから…
岩ちゃんのこと…許してやってよ…。
 
 
♡)でも私…、
  ◇ちゃんは岩ちゃんのところに
  戻る気がするな…。
臣)え、ほんと?!
♡)うん…。
 
 
その理由は教えてくれなかったけど
一週間も一緒にいた♡がそう言うなら
こんなに頼もしい発言はない。
 
 
臣)戻れるといいな。
♡)そうだね。
 
 
どうか岩ちゃんの気持ちが
届きますように。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
なんだかついつい熱くなっちゃって…
言いすぎたかもしれない。
 
 
「反省したからって
 したことが消えるわけじゃないでしょ!」
 
 
思わずそう言っちゃったけど…
それは別に、臣くんの過去を
責めてるわけじゃなくて…
 
 
♡)……
 
 
誤解したり…してないかな…?
 
 
横から臣くんにぎゅってしてたら、
臣くんが私の身体を持ち上げた。
 
 
臣)こっち…来て。
♡)…っ
 
 
隣に座ってた私を
自分の上に乗せた臣くんは
そのままむぎゅっと私に抱きついて
胸に顔を埋めた。
 
 
臣)……
♡)……
 
 
なんか…甘えんぼみたいで可愛くて…
 
私は臣くんの頭を抱え込むように
抱きしめた。
 
 
♡)どうしたの…?
臣)……んーん、
♡)……
 
 
やっぱり…
言いすぎちゃったかな…
 
 
♡)えっと……
臣)♡…?
♡)……なぁに…?
 
 
臣くんが私に抱きついたまま
小さく私を呼んだ。
 
 
臣)……そばにいてくれて…
  ありがとう…。
♡)……っ
 
 
どうして急に…
 
 
臣)ほんとにありがとう…。
♡)……
 
 
そんなことを言ってくれる臣くんが
なんだか愛しくなって…
 
私は臣くんを
もっとぎゅっと抱きしめた。
 
 
♡)大好きだよ…?
臣)……うん。
♡)大大大好きだよ?
臣)……うん、ありがとうw
♡)えへへ♡
臣)……へへ//
 
 
臣くんのおでこに
チュッてキスすると、
 
臣くんが、んって口を突き出したから
今度はその口にキスをした。
 
 
♡)大好き♡
臣)俺も…♡
♡)えへへ♡
臣)へへ…♡
 
 
やっと臣くんが笑ってくれた。
 
ぎゅむぎゅむ♡
 
 
臣)あ、そーだ…
♡)ん?
臣)お土産……
♡)ああっ!!
 
 
そーだった!!
 
 
私は臣くんから降りて、
お土産に手を伸ばした。
 
 
♡)開けてもいーい?
臣)いいよー。
 
 
大きい袋と小さな箱。
 
 
♡)じゃあこっちからー♡
 
 
大きい方の袋を開けると、
可愛い木箱が入ってて…
 
その中身は紅茶の詰め合わせだった。
 
 
♡)すごーい!いっぱい!♡
臣)これね、オランダで一番有名な
  ブランドなんだって。
♡)ピックウィック…?
臣)そう。
  フレーバーが全部天然果汁だから
  味も香りもすっきりしてるって。
♡)え〜〜!美味しそう♡
臣)お前好きそうでしょ?
♡)うんっ!ありがとう♡
 
 
早速明日の朝飲もうっと♡
 
 
♡)こっちは何だろなーー♡
 
 
もう一つは小さい包みで…
 
開けてみると、
すごく小さな香水の瓶が入ってた。
 
 
♡)可愛い…
臣)お前さ、香水とかつけないから…
  一番小さいのにした。
♡)どんな香りなの?
臣)ん、貸して。
 
 
臣くんに小瓶を渡すと、
シュッと小さく宙に吹きかけた。
 
 
♡)くんくん。
臣)ははっw
♡)あ、来た!
  んーー、なんか…優しい香り!
臣)うん。
♡)好きかも!
臣)良かった〜〜〜w
 
 
ふんわり優しくて
でも甘すぎなくて、ほどよい香り。
 
 
♡)えへへ、嬉しいな♡
  ありがとう。
臣)うん。たまにでいいから
  気が向いたら使って。
♡)うんっ♡
 
 
瓶も可愛いから飾っておこうっと♡
 
 
♡)みんなには何買ってきたのー?
臣)ほとんど食いモンだよw
♡)そっか。
  可愛いお土産ありがとう♡
臣)ん♡
♡)ね、もっかい抱っこして…?
臣)はは、いーよ?w
♡)んーー♡
 
 
お土産を横に置いて
もう一度臣くんの膝の上に跨った。
 
 
♡)えへへ…大好き♡
臣)甘えんぼーーw
♡)そうだもんっ
  甘えたいんだもんっ
臣)いくらでもどうぞ♡
♡)えへへ…すりすり♡
臣)はははw
 
 
どうしてこんなに甘えたくなるのかな。
 
またウズウズしてきちゃった。
 
 
♡)ううう…!///
臣)激しいなww
 
 
臣くんの首元にぐりぐり潜り込むと
笑われた。
 
 
身体を起こして
臣くんの目をじっと見つめると…
 
 
臣)ほんとに大好きだよ…。
 
 
優しく笑った臣くんが
私のほっぺをそっと撫でてくれた。
 
 
臣)ほんと会いたかった。
♡)……///
臣)一週間、ほんと長くて…
  お前も連れてきたかったなって
  何回思ったかわかんない。
♡)……///
臣)早く…こうやってしたかった。
♡)////
 
 
そう言って、
ぎゅっと包んでくれる優しい腕。
 
 
とくん…
 
とくん…
 
 
また大好きが、溢れ出す。
 
 
♡)私もね…?
  早く会いたかったんだよ?
臣)ほんとにー?w
♡)ほんとだもんっ!//
臣)俺がいなくても
  楽しくやってたんじゃないのー?
♡)そんなことないもんっ!//
臣)あはははw
 
 
ほんとに…
一週間、長かったんだもん…。
 
 
♡)早く…ぎゅってしたくて…
  ずっと我慢してたんだよ…?
臣)……ふーん。
 
 
あ、そっけない返事だけど
少し照れてる。
 
えへへ、可愛いな…♡
 
 
チュッ。
 
 
臣くんのほっぺに小さくキスをしたら、
臣くんの右手が頭の後ろに回ってきて…
 
髪に優しく絡んだ。
 
 
臣)ん…、
♡)////
 
 
これは、「もっと」っていう…合図。
 
 
引き寄せられるままに
唇が近付いて、
 
チュッて重なったら…
 
その次は、熱い視線が重なるの。
 
 
目を細めて私を見つめて…
 
薄く唇を開いて、次のキスを誘ってる。
 
 
♡)……///
 
 
そんな臣くんの色気に
ドキドキしながら
 
また唇を合わせたら
あっという間に、深くなって。
 
 
♡)…ん……、っ///
 
 
何度もキスしながら…
 
私に触れる臣くんの手のひらも…
私を見つめる臣くんの瞳も…
 
その全部が熱くて、
 
 
「好き」って…感じる。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
ああ…やっぱり…
ちゃんとこうして向き合って愛し合うのって…
 
なんかイイ。
 
 
♡も言ってたけど…
 
目と目が合って、
キスと同時に想いが重なる感じが…
 
幸福感に変わる。
 
 
♡)は…ぁ…///
 
 
俺を見つめる♡の瞳は
熱く潤んでて…
 
俺のことが好きで仕方ないって
すごく伝わって来る。
 
 
臣)♡……、っ
 
 
俺だって負けないくらい好きだよ、って…
 
そんな想いを込めながら、
触れて、口付けて。
 
 
♡)もっと…キスして…いい?///
 
 
♡はするすると下に降りていって
俺の身体に唇を落とす。
 
 
臣)…は、…ぁっ
 
 
その柔らかい感触と、♡の熱い息遣いに…
身体も自然と反応して。
 
 
目を閉じて、甘い刺激を受け取ってると
途中でぱふっと♡が俺の上に沈んだ。
 
 
♡)ううう…///
  なんか…恥ずかしくなってきちゃった…
臣)はい?!w
 
 
今更?!なんで!?
 
 
♡)臣くんのこと…大好きすぎて…
  もう…なんか…ダメ……///
臣)……
 
 
何それ。
キュンとするじゃん…///
 
 
臣)……じゃあ、はい♡
♡)きゃっ///
 
 
♡を抱えたまま横に転がって、
今度は俺が♡を見下ろした。
 
 
臣)今度は俺がキスしていい?
♡)……///
 
 
返事なんて聞く前から
手はもう肌の上を滑ってて…
 
 
♡)あ、…、んっ……、
 
 
さっき♡がしてくれたように
指先で…唇で…舌で…
 
肌の上に甘い刺激を与えれば、
♡は可愛く反応する。
 
 
♡)…は、っ…ぁ…、///
 
 
ああ…もう…止まんねぇや…///
 
 
♡)ま、待って!!///
臣)はい???
 
 
今度は何!!
 
 
♡)えっと…、やっぱり…
  私が…したい…///
臣)何を?!
♡)臣くんに…チュー…///
臣)……
 
 
なんなんだよ、もう///
 
 
臣)じゃあ、ほら、ハイ。
♡)わわわっ///
 
 
♡を抱き上げてまた横に転がって
体勢逆転。
 
 
どうぞ?って
下から♡を見上げれば、
 
もじもじ恥ずかしそうに、
俺の胸にキスをした。
 
 
♡)あのね…?
  ほんとにほんとに大好きなの…///
臣)…っ
♡)だから…いっぱいいっぱい…
  してもいい…?///
臣)……///
 
 
色っぽく俺を見つめる瞳の奥が
ゆらゆらと潤んでて…
 
そんな可愛いことを言う小さな唇からは
甘い吐息が溢れる。
 
 
♡)…臣くん…大好き…///
臣)……、っ///
 
 
ゾクゾクと甘い快感が
身体の奥から這い上がってきて…
 
 
臣)は、ぁ…っ、///
 
 
なんか…ほんと…おかしくなりそう。
 
 
♡)大好き……、っ///
臣)……///
 
 
なんでそんな…可愛いの?
 
 
臣)あ、…ちょ…、っダメ、っ///
 
 
♡の肩をぐっと掴んだ。
 
 
♡)…や、だ…、もっと…したい///
臣)////
 
 
ダメっ!!!
 
 
♡)きゃぁっ///
 
 
また♡を抱き上げて、隣に転がった。
 
 
臣)やっぱり、俺がする…
♡)えっ!どうして?!
臣)……///
 
 
メロメロにされそうだったから。
 
 
♡)だめぇっ!私がするもんっ///
 
 
ぐいっ!!
 
 
臣)おわっ!!
 
 
また元の位置に押し倒された。
 
 
臣)ダメ!俺!///
 
 
ぐいっ!
 
 
♡)わっ///
 
 
また転がって、
今度は♡が抵抗できないように
手をシーツに押さえつけた。
 
 
♡)……///
臣)……///
 
 
てか、なんだこれ。
 
 
♡)私たち…何してるの?///
臣)……転がりプレイ?w
♡)変な名前つけないで!w
臣)だってww
 
 
ほんと何してんだろ。
 
思わず顔を見合わせて、二人で笑った。
 
 
臣)お前はおとなしくしてればいーのっw
♡)やだっ!私もしたいもんっ!
臣)……何を?
♡)え…っと…、…臣くん…に…
  いろんな…こと…//
臣)……
 
 
なんだよそれ…可愛いな…///
 
 
♡)いつも私ばっかりメロメロにされて…
臣)……
♡)だから今日は…
  私が臣くんメロメロにするんだもん…//
臣)……
♡)大好きがあふれて…
  止まらないんだもん…//
臣)……///
 
 
ああああ〜〜もうッ!
可愛いっ!///
 
 
臣)じゃあまた転がる…?w
♡)……(こくん)///
 
 
頷いた♡を抱き上げて、
また横に転がって。
 
俺の上に来た♡を下から見上げて、
頬を撫でた。
 
 
臣)じゃあどうぞ?
♡)……///
臣)してくれるんでしょ?いろんなこと。
♡)////
 
 
俺の言葉に、
♡は恥ずかしそうに頬を染めて。
 
 
でも…
 
 
♡)…す…き…、///
 
 
♡からこぼれる気持ちが
甘い刺激と一緒に、肌に染み込んで。
 
 
臣)………は…ぁ、///
 
 
気持ち良くて…幸せで…
 
なんか、もう…ダメだ…///
 
 
臣)…俺……、
♡)ん……?
臣)お前がこの香水つける日は、
  思い出しちゃいそう…
♡)何を?
臣)転がりプレイ。
♡)…っ、ダメ!!///
臣)あはははw
 
 
だって…
香りって一番記憶に残るって言うじゃん?
 
 
だからきっと…
 
 
この香りで鮮明に思い出すんだ。
 
 
 
こんなに甘くてとろけそうで
 
 
幸せな、ひとときを…。
 
 
 
 
 
 
ーendー

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  1. マイコ より:

    出るなら違う曲の時がいいかな〜w

  2. W.M より:

    臣くんかわいい
    マイコさん
    臣くんstory書いてくれて有難うございます️

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